2010-01-05(Tue)
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト #01 響ク音・払暁ノ街
荒廃した世界に響く喇叭の音。

2010年1月期新番レビュー第1弾です。
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2010年1月期新番レビュー第1弾です。
新年明けて始まりました2010年1月期新番組、今期はいきなり深夜アニメ冬の時代がやってきて新番本数が非常に少ないです。しかも数少ない新番組のラインナップを眺めても私的にイマイチ食指が動かない雰囲気のものばかり…とはいえ見られる番組は一応チェックして今期レビューの作品を決めましょう。
というわけで新番組1発目は「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。度々流れた予告映像や公式サイトの絵柄が話題のこの作品、赤井俊文(堀口神)氏によるキャラデザは思いっきり堀口悠紀子風の絵柄で「いいのかこれ?」と思えるほど。監督は神部守氏、氏の名前はCCさくらの頃によく聞きましたが、正直言って私的にはそれ以降あまり馴染みがありません。メイン脚本は吉野弘幸氏、舞HiMEシリーズやコードギアス、マクロスFなどのシリーズ構成、ゼノグラシアの脚本などなど説明するまでもない方ですね。かんなぎやバーディDECODEのA-1が制作ってことで変態的に良く動きそう。

冒頭はトーンの落とされた廃墟の映像から。崩れた建物の隙間にブロンドの女性兵士が現れるカットはいきなりゲージツ的なアングルです。首から下げた鈴のペンダントは後で出てくる鈴と同じものでしょうか。モノクロ表現なのは旧い夢の世界のせいか、それとも彼岸の表現か。迷子になって泣き顔の幼いカナタにきっちり色が乗っているのが印象的です。
赴任地へ向かう列車の中で見せる小物たち。花札風のギャンブルに1粒300メートル風のキャラメルと、周囲の景色や雰囲気がヨーロッパ風なのに小物が日本風でじつに無国籍作品っぽい。

第1話効果なのかわかりませんが、とりあえず今回を見る限り背景美術は素晴らしい出来でした。山間を走る汽車の風景、到着した街の様子も帯アニメのクオリティを越えています。モブキャラがいちいち動いているのもえらい手間でしょう。乗り換えた列車の車内風景も驚くほど精細に描かれています。そんな移動風景の合間合間に挿入される「くじ引き」のカット。どこぞの兵隊さんが繰り広げるくじ引き風景は…なるほど後半で見せる巫女(?)役を決めていたのですね。
カナタ涙目の3輪ドリフト(笑)を駆使して赴任地へ到着。読み上げられた辞令は欧文ですがそこへハンコをつくのはどういう文書様式なのだろう。押されたハンコは漢字の「彼方」と読めますので主役のカナタさんは日本人なのでしょうか。祭りで賑わう街で見つけたA♭のガラス瓶は彼女が絶対音感持ちである伏線? 「お魚」と呼んでいたイルカのガラス細工はプライスタグに「\10_25」の表記、これを「10円25銭」と読んで高そうな表情を見せていたことから貨幣価値も想像付きます…って通貨が日本円!? ちなみにA♭とはドレミで言えばラ♭、つまりソとラの間、ソラの間の音なのですね。なかなか上品な洒落です。

ガラス細工の並んだショーケースの向こう側に立つ女性は先程のくじ引きにて当たりを引いた「リオ」、胸元ゆるめで谷間くっきりのお姉さん風キャラの中の人は小林ゆう画伯であります。何だか画伯が「普通の人」の役をやるのは久しぶりに見るような(笑。いやまだ「普通」かどうかわかりませんけれども。背景美術の描き込みは店内の様子も精細に描かれてスゲーです。背景美術を見るだけでもこの作品を見る意味がありそう。
街の広場に着いて一息のカナタ。手すりにもたれる一瞬をこのアングルから見せるこだわりも素晴らしい。初めての街にて知り合いもいないカナタのちょっとした孤独感を綺麗に見せていますね。そんなカナタに絡む子供、そのまま水かけ祭りに巻き込まれたカナタは持ち前の人懐っこさでさっそく参戦しちゃってます(笑。水場で暴れるカナタの手前を意味ありげに横切る赤い服の女の子は何者だろう?
水かけ祭りを堪能しまくって全身濡れ鼠のカナタを迎えに来たリオ。初対面から遠慮無く叱り、対するカナタはあくまでもマイペースなのがいい味です。というかどう見てもキャラ性が某軽音楽部のギ…(それを言ってはダメ

冷えた体を温めるお風呂。初回から風呂シーンか!と言うほどのものでも無いか(笑。このカットは浴槽の中よりも窓周辺の描き込みに目が行ってしまいました。1500の待ち合わせに待機する小隊のメンバー…中の人がキタエリじゃないか! なんというご褒美。それはともかくこの短いカットも全く手を抜かない背景に感嘆であります。スゲー。しかしこう言ってはシマイですが、カットによっては精細すぎる背景とキャラデザの親和性に若干の難を感じます。平たく言うと「キャラが浮いている」感じ。今回はキャラ作画がチリバツだったのでまだ良いのですが…作画が崩れたら悲惨なことになりそうな予感。
冒頭で見せた鈴らしき物を受け取るリオ、「お父さんからのプレゼント」と言っていたのはどういうことだろう。普通に考えるとリオは冒頭のペット兵士の娘っぽい?…吉野氏のことだからいろいろ考えている…けれど風呂敷広げるだけ広げて放置で終わるいつものパターンか?(笑
テレ東なのに堂々とぱんつ晒しのカナタ。テレ東始まったか? いやいやぱんつじゃないから恥ずかしくないのかもしれません。あれはきっとズボンなのです。何言ってんだか。
手に持ったA♭の鈴をフクロウに取られてしまってさあ大変。慌てて追いかけテラスから落ちそうになり、リオに助けられる一連シーンはこれまた面白いアングルの連続で見ていて飽きません。手間かけてるなあ。

この後用事があるリオから放流されたカナタは着任時間とせめぎ合うも鈴の音を振り切ること叶わず「前へ進め!」。一方その頃リオは山車の上から水を撒いて祭りの主役を演じておりました。石造りの街並みを縫って進む和風の山車と和装束のリオ、どうにも落ち着かない風景ですがこの無国籍設定に何か意味があるのだろうか。
夕陽の時間まで鈴を追っていたカナタが再び鈴の音に気付くカット。鈴の在処を追い切れなかったのか湖のほとりでじっと俯き、しかし鈴の音に気付いてハッと振り返る一瞬は遠近感も加わって効果満点でした。このワンカットは息を呑みましたよ。そして鈴の在処を示すように空を舞う光る羽根、気付いたカナタがジャンプするも落下してしまう一連もじつにゲージツ的なカット割りでした。でもあの装備で水落ちしたら普通死にますね(笑
落ちたカナタが水中で見た、伝説どおり首の無い羽根の生えた骸は…と、鳥の人? この辺に前後して祭りに纏わる伝説を云々、災いを封じるために村の娘が人身御供となった伝説のようで…壁画の絵柄も含めて何だか嫌な予感がしまくり。まあ作品の空気からして「ゆるゆる吹奏楽部の日常ライフ」では無さそうですがあまり人が死なないといいなあ。

最高潮に盛り上がる祭りの舞台を眺めるおっぱいメガネさん&キタエリ。このおっぱいメガネさんが本作の舞台となる第1121部隊小隊長とのこと、その雰囲気やデザインは某軽音部の…いや何でもありません。どうやらあのクジは小隊長の仕込みがあったようで、その辺のしたたかさも…いや何でもありません。
無事に鈴を見つけたはいいけれど暗く深い谷に一人のカナタは限りなく心細い。すると子供の頃に見た風景が浮かび、ペット兵士の言葉を思い出したカナタは喇叭を一吹き、谷に響くその音は祭りの舞台に届いて群衆はざわめき、しかし音の意味を理解したリオはペットを鳴らして喇叭に答える。音を通じてカナタとリオの意思疎通が叶った瞬間でした。
カナタが寝て起きるとそこは小隊の宿舎、「時告げの砦」と呼ばれる理由の一連シーンもじつに綺麗でした。ペットの音と共にじんわりと明るくなっていく空、そして一瞬置いて日の出の眩しさ。まだ低い太陽に照らされる風景の描写も綺麗すぎ、早朝の凛とした空気に差し込む陽光は街の目覚めを感じさせます。すごいなこれ。日の出と共にさっそく起床喇叭を吹かされるカナタ。ぷぴ~ぷぴ~♪
「今度の娘は下手だねえ」
がんばって立派な喇叭手になってください。
絵作り&音楽が綺麗すぎるので視聴は継続予定ですが次回以降のレビューは未定。ストーリー的に語るべき内容があればレビューするかも。
というわけで新番組1発目は「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。度々流れた予告映像や公式サイトの絵柄が話題のこの作品、赤井俊文(堀口神)氏によるキャラデザは思いっきり堀口悠紀子風の絵柄で「いいのかこれ?」と思えるほど。監督は神部守氏、氏の名前はCCさくらの頃によく聞きましたが、正直言って私的にはそれ以降あまり馴染みがありません。メイン脚本は吉野弘幸氏、舞HiMEシリーズやコードギアス、マクロスFなどのシリーズ構成、ゼノグラシアの脚本などなど説明するまでもない方ですね。かんなぎやバーディDECODEのA-1が制作ってことで変態的に良く動きそう。

冒頭はトーンの落とされた廃墟の映像から。崩れた建物の隙間にブロンドの女性兵士が現れるカットはいきなりゲージツ的なアングルです。首から下げた鈴のペンダントは後で出てくる鈴と同じものでしょうか。モノクロ表現なのは旧い夢の世界のせいか、それとも彼岸の表現か。迷子になって泣き顔の幼いカナタにきっちり色が乗っているのが印象的です。
赴任地へ向かう列車の中で見せる小物たち。花札風のギャンブルに1粒300メートル風のキャラメルと、周囲の景色や雰囲気がヨーロッパ風なのに小物が日本風でじつに無国籍作品っぽい。

第1話効果なのかわかりませんが、とりあえず今回を見る限り背景美術は素晴らしい出来でした。山間を走る汽車の風景、到着した街の様子も帯アニメのクオリティを越えています。モブキャラがいちいち動いているのもえらい手間でしょう。乗り換えた列車の車内風景も驚くほど精細に描かれています。そんな移動風景の合間合間に挿入される「くじ引き」のカット。どこぞの兵隊さんが繰り広げるくじ引き風景は…なるほど後半で見せる巫女(?)役を決めていたのですね。
カナタ涙目の3輪ドリフト(笑)を駆使して赴任地へ到着。読み上げられた辞令は欧文ですがそこへハンコをつくのはどういう文書様式なのだろう。押されたハンコは漢字の「彼方」と読めますので主役のカナタさんは日本人なのでしょうか。祭りで賑わう街で見つけたA♭のガラス瓶は彼女が絶対音感持ちである伏線? 「お魚」と呼んでいたイルカのガラス細工はプライスタグに「\10_25」の表記、これを「10円25銭」と読んで高そうな表情を見せていたことから貨幣価値も想像付きます…って通貨が日本円!? ちなみにA♭とはドレミで言えばラ♭、つまりソとラの間、ソラの間の音なのですね。なかなか上品な洒落です。

ガラス細工の並んだショーケースの向こう側に立つ女性は先程のくじ引きにて当たりを引いた「リオ」、胸元ゆるめで谷間くっきりのお姉さん風キャラの中の人は小林ゆう画伯であります。何だか画伯が「普通の人」の役をやるのは久しぶりに見るような(笑。いやまだ「普通」かどうかわかりませんけれども。背景美術の描き込みは店内の様子も精細に描かれてスゲーです。背景美術を見るだけでもこの作品を見る意味がありそう。
街の広場に着いて一息のカナタ。手すりにもたれる一瞬をこのアングルから見せるこだわりも素晴らしい。初めての街にて知り合いもいないカナタのちょっとした孤独感を綺麗に見せていますね。そんなカナタに絡む子供、そのまま水かけ祭りに巻き込まれたカナタは持ち前の人懐っこさでさっそく参戦しちゃってます(笑。水場で暴れるカナタの手前を意味ありげに横切る赤い服の女の子は何者だろう?
水かけ祭りを堪能しまくって全身濡れ鼠のカナタを迎えに来たリオ。初対面から遠慮無く叱り、対するカナタはあくまでもマイペースなのがいい味です。というかどう見てもキャラ性が某軽音楽部のギ…(それを言ってはダメ

冷えた体を温めるお風呂。初回から風呂シーンか!と言うほどのものでも無いか(笑。このカットは浴槽の中よりも窓周辺の描き込みに目が行ってしまいました。1500の待ち合わせに待機する小隊のメンバー…中の人がキタエリじゃないか! なんというご褒美。それはともかくこの短いカットも全く手を抜かない背景に感嘆であります。スゲー。しかしこう言ってはシマイですが、カットによっては精細すぎる背景とキャラデザの親和性に若干の難を感じます。平たく言うと「キャラが浮いている」感じ。今回はキャラ作画がチリバツだったのでまだ良いのですが…作画が崩れたら悲惨なことになりそうな予感。
冒頭で見せた鈴らしき物を受け取るリオ、「お父さんからのプレゼント」と言っていたのはどういうことだろう。普通に考えるとリオは冒頭のペット兵士の娘っぽい?…吉野氏のことだからいろいろ考えている…けれど風呂敷広げるだけ広げて放置で終わるいつものパターンか?(笑
テレ東なのに堂々とぱんつ晒しのカナタ。テレ東始まったか? いやいやぱんつじゃないから恥ずかしくないのかもしれません。あれはきっとズボンなのです。何言ってんだか。
手に持ったA♭の鈴をフクロウに取られてしまってさあ大変。慌てて追いかけテラスから落ちそうになり、リオに助けられる一連シーンはこれまた面白いアングルの連続で見ていて飽きません。手間かけてるなあ。

この後用事があるリオから放流されたカナタは着任時間とせめぎ合うも鈴の音を振り切ること叶わず「前へ進め!」。一方その頃リオは山車の上から水を撒いて祭りの主役を演じておりました。石造りの街並みを縫って進む和風の山車と和装束のリオ、どうにも落ち着かない風景ですがこの無国籍設定に何か意味があるのだろうか。
夕陽の時間まで鈴を追っていたカナタが再び鈴の音に気付くカット。鈴の在処を追い切れなかったのか湖のほとりでじっと俯き、しかし鈴の音に気付いてハッと振り返る一瞬は遠近感も加わって効果満点でした。このワンカットは息を呑みましたよ。そして鈴の在処を示すように空を舞う光る羽根、気付いたカナタがジャンプするも落下してしまう一連もじつにゲージツ的なカット割りでした。でもあの装備で水落ちしたら普通死にますね(笑
落ちたカナタが水中で見た、伝説どおり首の無い羽根の生えた骸は…と、鳥の人? この辺に前後して祭りに纏わる伝説を云々、災いを封じるために村の娘が人身御供となった伝説のようで…壁画の絵柄も含めて何だか嫌な予感がしまくり。まあ作品の空気からして「ゆるゆる吹奏楽部の日常ライフ」では無さそうですがあまり人が死なないといいなあ。

最高潮に盛り上がる祭りの舞台を眺めるおっぱいメガネさん&キタエリ。このおっぱいメガネさんが本作の舞台となる第1121部隊小隊長とのこと、その雰囲気やデザインは某軽音部の…いや何でもありません。どうやらあのクジは小隊長の仕込みがあったようで、その辺のしたたかさも…いや何でもありません。
無事に鈴を見つけたはいいけれど暗く深い谷に一人のカナタは限りなく心細い。すると子供の頃に見た風景が浮かび、ペット兵士の言葉を思い出したカナタは喇叭を一吹き、谷に響くその音は祭りの舞台に届いて群衆はざわめき、しかし音の意味を理解したリオはペットを鳴らして喇叭に答える。音を通じてカナタとリオの意思疎通が叶った瞬間でした。
カナタが寝て起きるとそこは小隊の宿舎、「時告げの砦」と呼ばれる理由の一連シーンもじつに綺麗でした。ペットの音と共にじんわりと明るくなっていく空、そして一瞬置いて日の出の眩しさ。まだ低い太陽に照らされる風景の描写も綺麗すぎ、早朝の凛とした空気に差し込む陽光は街の目覚めを感じさせます。すごいなこれ。日の出と共にさっそく起床喇叭を吹かされるカナタ。ぷぴ~ぷぴ~♪
「今度の娘は下手だねえ」
がんばって立派な喇叭手になってください。
絵作り&音楽が綺麗すぎるので視聴は継続予定ですが次回以降のレビューは未定。ストーリー的に語るべき内容があればレビューするかも。
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