2011-06-03(Fri)
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。#08 I wonder
あなる号泣、私も号泣。

涙と共に溢れ出す思い。

前回の衝撃の引きから一週間、本間家父親が妨害している思い込んだバスターズのみなさんは駅で待ち合わせて本間家へ直訴へ出掛けました。本間家へ到着するとイレーヌさんは笑顔で出迎え、しばらくは普通に会話をしていましたが、今でも仲良くやっている仲間の中に自分の娘がいない、そして「亡き娘をダシに楽しんでいる」と感じていたイレーヌさんは…そう考えてしまえば前回ラストに「ふざけないでよ」と口走ったのもわかります。イレーヌさんがバスターズに日記を渡したのは決して親切心などではなく「芽衣子の時間が止まっている」ことを伝えたかったのでしょうね。しかし子供たちはそれに気付かず、娘を除いた五人が「あの頃」のように仲良くやっている様子を見てついにストッパーが外れてしまった。
穏やかな口調が次第に震え始め、見開いた目から涙を落として感情を露わにするシーンは見ていて胸が締め付けらました。前回引きの様子からして心を病んでいるように見えたけれど、いざ心情を聞いてみればほぼ私が第六話で感じたとおりで、確かに引きずりすぎている感はありますが不慮の事故で子を亡くした親の思いはそう簡単に解決できるものでもないでしょう。もういない自分の娘と違い、確かに存在する「成長したつるこ(娘の友達)」の腕を掴んだイレーヌさんは子を亡くした親の悲しみと共に「ここに芽衣子がいない不憫さ」に涙を落とします。生前からめんまがいかに愛されていたかわかるシーンでした。
掴まれた腕の痛みは心の痛み。母親の思いを痛いほど感じたバスターズのみなさんは「めんまの願い」を辞める流れに、また今だ幽霊めんまに拘るじんたんにゆきあつはキッツイ一撃を放ちますが…お前が言うか!?と思ったのは私だけではあるまい。いやゆきあつも辛いのはわかるのだけれど、あの女装姿を見た後ではどうにも複雑な思いが。
「みんな、ってのはどこにもいない。めんまが欠けてるんだから」
知らず知らずに周囲を傷付けていたことに打ちひしがれたじんたんは自分一人で続けることを宣言します。六人揃わなければ「みんな」ではない、だから最初から「みんな」などどこにもいなかったと悟ったような表情で秘密基地を後にするじんたん。家で出迎えるめんまの明るさが辛いね。

一人でやると決めたじんたんは不眠不休でバイトに精を出し、あなるとのバイトでは睡眠不足と疲労でふらふらしながら脚立に乗ってポスター貼りと見るからに危なっかしい。いくら食っちゃ寝の元ヒキコモリでも睡眠貯金はできないので休むときは休まないと。てな様子を心配しながら「めんまのため」の一生懸命さにジェラシーを止められないあなるがかわいい。今回のポニテもかわいいです。というかスタンダードのツインテ以外のどれもが似合っていますね。黒キャミ+ホットパンツも適度にエロくてよろしいな。
言わんこっちゃないじんたんは脚立から落ちてブラックアウト、その後事務所で目覚めたじんたんへ水と栄養剤を差し出すあなるはどんだけ嫁なのかと。いつの間にか呼び方も「じんたん」がデフォになってるし(笑
「行っちゃやだ! やだ!」
過労に加えて心のダメージを心配するあなるをスルーして仕事へ戻るじんたん、するとあなるは表情を変えてじんたんに縋り付きます。「あの時」と同じくめんまを追うじんたんへ向けるあなるの表情変化が素晴らしすぎ。ああもうあなるかわあいいなあああ! じんたんの背中に顔を埋め、溢れる涙と共に「あの時」の正直な感情・以来続く自分を許せない辛さを叫ぶ。あなるも辛かったんだなあ。その辛さのベクトルが予想以上に「女」で、この辺の心理描写も女性脚本ならでは。男じゃちょっと思いつかない考え方ですもの。
「じんたんのばか~っ! あたしのばか…」
あなるの必死の叫びを聞いたじんたんは、しかしあなるから離れてめんまを追う。うわあ切ねえ。涙を流しながら宙に浮いたあなるの手が切なすぎ。めんまの願いが叶ったら消えてしまうのに、それでも願いを叶えてあげたいじんたんはあなるを置いて黙って店へ。やはりじんたんは自分の事より人の事を優先する子なのだなあ。そんな強い思いを突き付けられ、またあの時と同じように行ってしまったじんたんに対し子供のように号泣するあなるがこれまた辛い。声をアテる戸松さんもいい仕事してましたね。

自宅へ戻ったじんたんは待ち疲れためんまの頬をぷにぷにと突き、目覚めためんまはガテン仕事で汚れたじんたんの爪に気付いてお掃除タイムへ。めんまはその汚れの理由がわかっているのに一切口を出しません。一方のじんたんは「めんまが理由を知っている」とわかっていながら何も言わずに爪を任す…お互いがお互いを気遣う優しさの交錯の中、一心に爪を掃除するめんまを見て先のあなるとの会話「願いが叶えばめんまは消えてしまう」ことを思い出し、今確かにここにいる優しいめんまが消えてしまう悲しさに思わず涙を落としてしまう。めんまのためなら自分の事は二の次と考えていても正直な感情を隠しきれない、じんたんが初めて見せた「自分のため」の涙でした。
涙の理由を「フランダースの犬の最終回」とごまかすじんたん。咄嗟に浮かんだしょうもない言い訳だけれど現状の二人を見ていると当たらずも遠からずという感じ。どちらがネロでどちらがパトラッシュかは野暮なので深く言及しませんが、小さい手でじんたんの指をギュッと握って離さないカット、そして泣き顔のじんたんを優しく抱き締めるカットなどなど、件の最終回でルーベンスの絵の前で寄り添いながら天に召された二人のシーンとシンクロしてしまいますね。泣いてるじんたんの頭をなでためんまが一瞬浮かべたじんたん母ちゃんの回想、めんまの姿がじんたんだけに見えることや、回想で見せた表情や口調からしてめんまが現れた理由は意外とシンプルなものなのかもしれません。
「俺だけが、何て不公平」
めんまが死んだことでみんなが罪悪感に苛まれている。そんな中で自分だけにはめんまが見えて、自分だけ救われている。全員が後向きで俯いている中、一人だけ前を向いて「花(めんまの象徴)」に向かうじんたんのカットは彼の現状を的確に描いていました。この状態をじんたんは「不公平」と呟きますが…めんまが現れたことで得られる「救い」と共に見えることによる「辛さ」も味わうことになるので、そういう意味を含めて「不公平」なのかもしれません。
明けて翌日、泣いたまま寝てしまったのでしょう、目の周りを赤く腫らしたじんたんは父ちゃんに起こされて母親の墓参りへ。ここでの会話はさすが人の親と申しましょうか、父ちゃんはじんたんがしていること・考えていることを全てお見通し、ちゃらんぽらんな放任主義のようでじんたんのことをきちんと見守っていたのですね。いちいち煩いことを言わないのは息子を信頼してのもの、家を出掛けに会った近所のおばちゃんに堂々と朝の挨拶をするシーンなど「ヒキコモリの息子」を何ら恥じていない、近所への体裁よりも息子への信頼が勝っている親の愛情を感じさせますね。いい父ちゃんです。

さて出掛けたじんたんに置いて行かれためんまは街をうろうろ、すると専売所の軒先にぽっぽのバイクを見つけました。さっそく様子を眺めためんまは折り込みを仕込みながらのぽっぽの電話内容から「バスターズの不和」を感じ取り、急いで走ってじんたん家へ戻るとバスターズのみなさん宅へ電話をした? 宿海家からの無言電話をゆきあつに伝えるつるこ、宿海はバイト中のはずなのに何故? まさか宿海じゃない誰かが…というタイミングで鳴るゆきあつ家の家電。うわあああ! 事情がわかっている視聴者はともかく、当事者からしたらこれはちょっとしたホラーです。今どき家電に掛けているってのも子供の頃から時間が止まっているめんまらしい。各々のケータイ番号なんて知らないもんね。
「まだ一人残ってるのにな、子供」
その頃じんたんはきちんとバイト中でした。てなところへ本間家の弟くん(聡志)が客として訪れ、夜の公園にてしばしお話。実の母親を「あのおばさん」と呼ぶ聡志は中学生男子らしい物言いっちゃそうだけれど、いつまでも亡くした娘に囚われて「自分(聡志)のことを見てくれない」ことからの距離感がそう言わせているのでしょう。第一話で窺わせた母親との距離はこういう心境からのものでしたか。亡き姉ちゃん相手では聡志もどうにもできず、今だ囚われ続ける様子を「目障り」と毒づくしかありません。聡志もまためんまの死によって傷付いていた一人なのです。おそらくイレーヌさんは聡志にも等しく愛情を注いでいたと思うけれど、幼い聡志の嫉妬心はそれを感じ取れなかったんだと思います。親の心子知らずは本作で何度も描かれてきていることですから。
めんまとの唯一の思い出である「家を守る」くだり。幼い頃に交わしたお姉ちゃんとの約束だけれど、聡志は今の本間家を「しみったれた家」と貶め守る意味を見失っている。めんまの死は本間家からたくさんのものを奪ってしまったのです。すると黙って話を聞いていたじんたんは聡志に対し何かを呼び掛けました。はっきりとは描かれませんでしたが、おそらくこれまでの経緯で悟った「親の気持ち」について、「お母さんはきちんと君のことを見ているはず」と教えてあげたのではなかろうか。

というわけで今回のクライマックス。あなるのハンカチを返そうと気まずいながら訪れた秘密基地に向かったじんたんは、そこに勢揃いしているバスターズのみなさんに驚き。何でこんな時間に集まってんの? すると聞かされた各々への無言電話の話、もちろん身に覚えが無いじんたんは「やっぱりめんまが」と…めんまの存在をイマイチ信じていないみなさんがこれを「悪ふざけ」と受け取るのも無理はなく、さらにじんたんの胸ぐらを掴んで激昂するゆきあつの表情は特に強い怒りを感じさせます。とはいえゆきあつは件の女装事件のオチで幽霊めんまの存在を感じ取っていたのでは?
「みんな、ごめんね」
大荒れの秘密基地にひょっこり現れためんまは騒動の原因が自分にあると考えたのか「ごめんね」と謝り…めんまの言葉を伝えるじんたんに再び激昂し胸ぐらを掴みながら「めんまが俺たちを許すことなんて無い」と涙するゆきあつ。誰よりも深く傷付いている彼の叫びは悲しいけれど、めんまの本当の気持ちを理解していない辺り「選ばれなかった」のもまたわかりますね。
「ケンカはしちゃだめです」
そしてめんまは自らの存在を明らかにすべく日記帳を落とした。確かにこうすれば存在証明になるのだけれど、正直言ってこのやり方はあまりにあからさまで、こういう「確証」が無い中で各々が「めんまの存在」を確信するという流れかと予想していただけに少々唖然としてしまいました。まああえてこういう見せ方をしてきたというのは何か意味があるはずで、いよいよ存在が明らかになっためんまに対しバスターズのみなさんはどう動くのか、残り三話の行方が非常に気になる今回の引きでした。
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涙と共に溢れ出す思い。

前回の衝撃の引きから一週間、本間家父親が妨害している思い込んだバスターズのみなさんは駅で待ち合わせて本間家へ直訴へ出掛けました。本間家へ到着するとイレーヌさんは笑顔で出迎え、しばらくは普通に会話をしていましたが、今でも仲良くやっている仲間の中に自分の娘がいない、そして「亡き娘をダシに楽しんでいる」と感じていたイレーヌさんは…そう考えてしまえば前回ラストに「ふざけないでよ」と口走ったのもわかります。イレーヌさんがバスターズに日記を渡したのは決して親切心などではなく「芽衣子の時間が止まっている」ことを伝えたかったのでしょうね。しかし子供たちはそれに気付かず、娘を除いた五人が「あの頃」のように仲良くやっている様子を見てついにストッパーが外れてしまった。
穏やかな口調が次第に震え始め、見開いた目から涙を落として感情を露わにするシーンは見ていて胸が締め付けらました。前回引きの様子からして心を病んでいるように見えたけれど、いざ心情を聞いてみればほぼ私が第六話で感じたとおりで、確かに引きずりすぎている感はありますが不慮の事故で子を亡くした親の思いはそう簡単に解決できるものでもないでしょう。もういない自分の娘と違い、確かに存在する「成長したつるこ(娘の友達)」の腕を掴んだイレーヌさんは子を亡くした親の悲しみと共に「ここに芽衣子がいない不憫さ」に涙を落とします。生前からめんまがいかに愛されていたかわかるシーンでした。
掴まれた腕の痛みは心の痛み。母親の思いを痛いほど感じたバスターズのみなさんは「めんまの願い」を辞める流れに、また今だ幽霊めんまに拘るじんたんにゆきあつはキッツイ一撃を放ちますが…お前が言うか!?と思ったのは私だけではあるまい。いやゆきあつも辛いのはわかるのだけれど、あの女装姿を見た後ではどうにも複雑な思いが。
「みんな、ってのはどこにもいない。めんまが欠けてるんだから」
知らず知らずに周囲を傷付けていたことに打ちひしがれたじんたんは自分一人で続けることを宣言します。六人揃わなければ「みんな」ではない、だから最初から「みんな」などどこにもいなかったと悟ったような表情で秘密基地を後にするじんたん。家で出迎えるめんまの明るさが辛いね。

一人でやると決めたじんたんは不眠不休でバイトに精を出し、あなるとのバイトでは睡眠不足と疲労でふらふらしながら脚立に乗ってポスター貼りと見るからに危なっかしい。いくら食っちゃ寝の元ヒキコモリでも睡眠貯金はできないので休むときは休まないと。てな様子を心配しながら「めんまのため」の一生懸命さにジェラシーを止められないあなるがかわいい。今回のポニテもかわいいです。というかスタンダードのツインテ以外のどれもが似合っていますね。黒キャミ+ホットパンツも適度にエロくてよろしいな。
言わんこっちゃないじんたんは脚立から落ちてブラックアウト、その後事務所で目覚めたじんたんへ水と栄養剤を差し出すあなるはどんだけ嫁なのかと。いつの間にか呼び方も「じんたん」がデフォになってるし(笑
「行っちゃやだ! やだ!」
過労に加えて心のダメージを心配するあなるをスルーして仕事へ戻るじんたん、するとあなるは表情を変えてじんたんに縋り付きます。「あの時」と同じくめんまを追うじんたんへ向けるあなるの表情変化が素晴らしすぎ。ああもうあなるかわあいいなあああ! じんたんの背中に顔を埋め、溢れる涙と共に「あの時」の正直な感情・以来続く自分を許せない辛さを叫ぶ。あなるも辛かったんだなあ。その辛さのベクトルが予想以上に「女」で、この辺の心理描写も女性脚本ならでは。男じゃちょっと思いつかない考え方ですもの。
「じんたんのばか~っ! あたしのばか…」
あなるの必死の叫びを聞いたじんたんは、しかしあなるから離れてめんまを追う。うわあ切ねえ。涙を流しながら宙に浮いたあなるの手が切なすぎ。めんまの願いが叶ったら消えてしまうのに、それでも願いを叶えてあげたいじんたんはあなるを置いて黙って店へ。やはりじんたんは自分の事より人の事を優先する子なのだなあ。そんな強い思いを突き付けられ、またあの時と同じように行ってしまったじんたんに対し子供のように号泣するあなるがこれまた辛い。声をアテる戸松さんもいい仕事してましたね。

自宅へ戻ったじんたんは待ち疲れためんまの頬をぷにぷにと突き、目覚めためんまはガテン仕事で汚れたじんたんの爪に気付いてお掃除タイムへ。めんまはその汚れの理由がわかっているのに一切口を出しません。一方のじんたんは「めんまが理由を知っている」とわかっていながら何も言わずに爪を任す…お互いがお互いを気遣う優しさの交錯の中、一心に爪を掃除するめんまを見て先のあなるとの会話「願いが叶えばめんまは消えてしまう」ことを思い出し、今確かにここにいる優しいめんまが消えてしまう悲しさに思わず涙を落としてしまう。めんまのためなら自分の事は二の次と考えていても正直な感情を隠しきれない、じんたんが初めて見せた「自分のため」の涙でした。
涙の理由を「フランダースの犬の最終回」とごまかすじんたん。咄嗟に浮かんだしょうもない言い訳だけれど現状の二人を見ていると当たらずも遠からずという感じ。どちらがネロでどちらがパトラッシュかは野暮なので深く言及しませんが、小さい手でじんたんの指をギュッと握って離さないカット、そして泣き顔のじんたんを優しく抱き締めるカットなどなど、件の最終回でルーベンスの絵の前で寄り添いながら天に召された二人のシーンとシンクロしてしまいますね。泣いてるじんたんの頭をなでためんまが一瞬浮かべたじんたん母ちゃんの回想、めんまの姿がじんたんだけに見えることや、回想で見せた表情や口調からしてめんまが現れた理由は意外とシンプルなものなのかもしれません。
「俺だけが、何て不公平」
めんまが死んだことでみんなが罪悪感に苛まれている。そんな中で自分だけにはめんまが見えて、自分だけ救われている。全員が後向きで俯いている中、一人だけ前を向いて「花(めんまの象徴)」に向かうじんたんのカットは彼の現状を的確に描いていました。この状態をじんたんは「不公平」と呟きますが…めんまが現れたことで得られる「救い」と共に見えることによる「辛さ」も味わうことになるので、そういう意味を含めて「不公平」なのかもしれません。
明けて翌日、泣いたまま寝てしまったのでしょう、目の周りを赤く腫らしたじんたんは父ちゃんに起こされて母親の墓参りへ。ここでの会話はさすが人の親と申しましょうか、父ちゃんはじんたんがしていること・考えていることを全てお見通し、ちゃらんぽらんな放任主義のようでじんたんのことをきちんと見守っていたのですね。いちいち煩いことを言わないのは息子を信頼してのもの、家を出掛けに会った近所のおばちゃんに堂々と朝の挨拶をするシーンなど「ヒキコモリの息子」を何ら恥じていない、近所への体裁よりも息子への信頼が勝っている親の愛情を感じさせますね。いい父ちゃんです。

さて出掛けたじんたんに置いて行かれためんまは街をうろうろ、すると専売所の軒先にぽっぽのバイクを見つけました。さっそく様子を眺めためんまは折り込みを仕込みながらのぽっぽの電話内容から「バスターズの不和」を感じ取り、急いで走ってじんたん家へ戻るとバスターズのみなさん宅へ電話をした? 宿海家からの無言電話をゆきあつに伝えるつるこ、宿海はバイト中のはずなのに何故? まさか宿海じゃない誰かが…というタイミングで鳴るゆきあつ家の家電。うわあああ! 事情がわかっている視聴者はともかく、当事者からしたらこれはちょっとしたホラーです。今どき家電に掛けているってのも子供の頃から時間が止まっているめんまらしい。各々のケータイ番号なんて知らないもんね。
「まだ一人残ってるのにな、子供」
その頃じんたんはきちんとバイト中でした。てなところへ本間家の弟くん(聡志)が客として訪れ、夜の公園にてしばしお話。実の母親を「あのおばさん」と呼ぶ聡志は中学生男子らしい物言いっちゃそうだけれど、いつまでも亡くした娘に囚われて「自分(聡志)のことを見てくれない」ことからの距離感がそう言わせているのでしょう。第一話で窺わせた母親との距離はこういう心境からのものでしたか。亡き姉ちゃん相手では聡志もどうにもできず、今だ囚われ続ける様子を「目障り」と毒づくしかありません。聡志もまためんまの死によって傷付いていた一人なのです。おそらくイレーヌさんは聡志にも等しく愛情を注いでいたと思うけれど、幼い聡志の嫉妬心はそれを感じ取れなかったんだと思います。親の心子知らずは本作で何度も描かれてきていることですから。
めんまとの唯一の思い出である「家を守る」くだり。幼い頃に交わしたお姉ちゃんとの約束だけれど、聡志は今の本間家を「しみったれた家」と貶め守る意味を見失っている。めんまの死は本間家からたくさんのものを奪ってしまったのです。すると黙って話を聞いていたじんたんは聡志に対し何かを呼び掛けました。はっきりとは描かれませんでしたが、おそらくこれまでの経緯で悟った「親の気持ち」について、「お母さんはきちんと君のことを見ているはず」と教えてあげたのではなかろうか。

というわけで今回のクライマックス。あなるのハンカチを返そうと気まずいながら訪れた秘密基地に向かったじんたんは、そこに勢揃いしているバスターズのみなさんに驚き。何でこんな時間に集まってんの? すると聞かされた各々への無言電話の話、もちろん身に覚えが無いじんたんは「やっぱりめんまが」と…めんまの存在をイマイチ信じていないみなさんがこれを「悪ふざけ」と受け取るのも無理はなく、さらにじんたんの胸ぐらを掴んで激昂するゆきあつの表情は特に強い怒りを感じさせます。とはいえゆきあつは件の女装事件のオチで幽霊めんまの存在を感じ取っていたのでは?
「みんな、ごめんね」
大荒れの秘密基地にひょっこり現れためんまは騒動の原因が自分にあると考えたのか「ごめんね」と謝り…めんまの言葉を伝えるじんたんに再び激昂し胸ぐらを掴みながら「めんまが俺たちを許すことなんて無い」と涙するゆきあつ。誰よりも深く傷付いている彼の叫びは悲しいけれど、めんまの本当の気持ちを理解していない辺り「選ばれなかった」のもまたわかりますね。
「ケンカはしちゃだめです」
そしてめんまは自らの存在を明らかにすべく日記帳を落とした。確かにこうすれば存在証明になるのだけれど、正直言ってこのやり方はあまりにあからさまで、こういう「確証」が無い中で各々が「めんまの存在」を確信するという流れかと予想していただけに少々唖然としてしまいました。まああえてこういう見せ方をしてきたというのは何か意味があるはずで、いよいよ存在が明らかになっためんまに対しバスターズのみなさんはどう動くのか、残り三話の行方が非常に気になる今回の引きでした。
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