2011-06-13(Mon)
花咲くいろは #11 夜に吼える
喜翆荘の仇敵は意外な人物でした。

暴走機関車緒花の行く末は?

例の温泉宿ランキングが掲載された雑誌がいよいよ発売となり、いかにも田舎の本屋の軒先にて朝っぱらから賑やかな女子三名、その中でも真ん中の小っちゃい娘は相変わらずデカイ声で大騒ぎです。結果が気になって仕方がないけど変なことが書かれていたらと思うと怖くて見られない、というわけで確認役を民子に押し付けてドキドキの発表待ち、はたしてその結果は「5点」…☆5つが満点表示の中で「5点」とあれば満点と勘違いして喜ぶのも無理は無し、しかし菜子の指摘で「☆1つが2点の10点満点中5点」と気付くと緒花は急転直下のどよんど顔へ。あはは。しかしあれだけがんばって、覆面レポーター(と思わしき母娘連れ)の評判も上々だったのにこの結果はいったい何事?
件の雑誌を喜翆荘の帳場で見せるともちろんみなさん納得いきません。サービスも料理もほとんど評価されていない記事に従業員たちは怒り心頭でしたが、そんな中でさすが女将さんはブレず、いつもの口調でビシッと従業員たちを持ち場へ戻し…しかしどうしても納得いかない緒花はリネン室から編集部へ電話で直談判、まあ編集部もそういうクレームは慣れたものなのかあっさり切られて緒花のボイラー内圧は設計限界を超える寸前に。
その頃女将さんはふくやで開かれた湯乃鷺温泉旅館組合(?)の寄り合いに出掛けていました。話題はもちろん例のランキングについて、どうやら湯乃鷺温泉は全体的に点数が抑えられていたらしく、あのふくやですら6点という結果には眉唾を感じざるを得ません。これは近日中にオープンするらしい大規模温泉ホテル「湯乃鷺シーラス」との兼ね合い、いわゆる「大人の事情」によるもの? こういう大規模施設は広告費も贅潤でしょうし、そう考えると後に緒花母ちゃんが言っていた話と整合します。ともあれこの大規模ホテルによる経営切迫話がシリーズ後半に描かれるかもしれませんね。
この会合の見どころは喜翆荘女将とふくや女将の短いやり取り。あくまで「質」に拘り「質」が良ければお客様は評価してくれると考える昔気質の喜翆荘女将に対し、現代の経営者らしい問題意識を見せるふくや女将の対比は、悲しいかなそのまま両者の懐具合に当てはまっています。例えあの記事が捏造記事でも悪い評判が立てば評価以前にお客が来てくれないわけで、雑誌の評価などアウトオブ眼中を決め込む女将さんは確かに堂々としたものですが、ふくや女将のように「現実」を見通す眼力が無いと「経営者」として厳しいかもしれません。その他のメンツはシーラスのチラシを見て呑気な事を言っていたり…田舎の温泉宿経営者らしくのんびりしたもので、これではシビアな資本が割り込んできたらひとたまりも無いだろうなあ。
てな会合を覗き見している緒花探偵、後から「何しとりゃーす?」と声を掛ける結名は今回は名古屋娘ですか(笑。成り行きでぼんぼり祭りのぼんぼり準備を手伝う緒花、その会話にて呑気なことを言ってる結名に「ホビロン!」と腹を立てるも、この天然娘に腹を立てても仕方なし。自分の道は自分で切り拓かねば!と立ち上がる緒花でした。ぼんぼれ!
その晩緒花は休暇を願い、件の編集部へ直接抗議に行くと息巻いています。しかし女将さんはあくまで姿勢を崩さず、緒花の暴走を許可しません。アタリマエか(笑。とはいえ緒花の熱意、喜翆荘を愛する心に感じるものがあったのか、女将さんはいつものような有無を言わさぬ厳しさも無く、むしろ暴走する孫娘を優しく諭すお婆ちゃん役になっていたような。
てなやり取りを風呂に浸かりながら思い浮かべる緒花はフットー寸前(笑

スイッチが入ったら止まらない緒花は東京行きを決行、さっそく編集部へカチ込むと担当ライターを出せと迫ります。良い子はマネしちゃダメだよ。緒花の迫力に負けて差し出されたライターの連絡先、そこに書かれた名前に見覚えがあるようで…緒花の身近に「ライター」をやってる人などあの人しかいません(笑
というわけで憎っくき仇敵の正体はもちろん緒花の母ちゃん、久しぶりの母娘対面っからほっぺたぐにぐにのスキンシップで再会を喜んでいます。あはは。相変わらずマイペースな人だ。
喫茶店に場所を変えての話し合い。喜翆荘へ来たことない人にあんな記事を書かれて怒る緒花の気持ちもわかるけど、雑誌ライターはクライアントの意向に沿った記事を書くのが仕事なので仕方ありません。こういう「正義」を振りかざす姿を「かわいい」と思ってしまうのは私がもう若くない証拠か。
「私はこんな仕事のためにずっと我慢してたの?」
子供の頃から「仕事だから」と我慢を続けてきた緒花は母ちゃんの仕事の実際を知ると体を震わせ涙を浮かべて抗議、しかし母ちゃんはそんな緒花に当然のように「そうよ」と。このシーンを見た純粋な中高生諸君は何とクズな母親か!と緒花同様に腹が煮えるでしょうけど、思いっきり母ちゃんサイドの人間である私は「よくぞ言った」と思わず喝采してしまった。娘のこの表情を前にこうまで言い切れる人はなかなかいない、人からどう思われようと自分の仕事に誇りを持っている様はまさにあの女将さんの娘なのだなあ。
訂正記事が無理ならば、雑誌に載らなくてもいいから喜翆荘に来て正直な記事を書いてほしい、喜翆荘の良さをわかってくれたらいい。しかし母ちゃんはそんな緒花の願いも完全却下し取り付く島もありません。カネにならない記事を書いても意味がない、これもまたライターのプライドかもしれませんが、それよりも「関係がよろしくない実家へ行くのが嫌」なのでしょう。そんな母ちゃんに緒花は諦めない負けない! 声も高らかに宣戦布告するとそのまま店を出て行ってしまいました。さすがあの母ちゃんの娘だけあって人の言う事なんて聞きゃしねえ。

その後の緒花はマクドでお茶しながら何かを作っていました。喜翆荘へ行って以来数ヶ月離れていただけの「東京」の風景は、その期間以上に隔たりを感じさせた? ほんの数ヶ月前までは緒花も「あっち側」にいたのにね。
そして完成した装備を手にいざ参らん! プラカードを掲げた座り込みの様子を窓下に臨む母ちゃん、孤軍奮闘する娘の姿に呆れながらも「諦めない娘」に諦め顔です。ガラスに仕切られて眼下に遠い娘との距離、しかしこれほど離れていても母ちゃんは娘の考えが手に取るように判るのだなあ。
孝ちゃんへめるめるした返信によると「池袋のでかい本屋でバイト中」とか。ジュンク堂? 今回冒頭の本屋とえらく規模が違う本屋へ、いろいろ自分に言い訳しながら出掛けてしまう、あまりに強大な敵を相手についつい孝ちゃんを頼ってしまう緒花でした。フロアをぐるぐる見回すと孝ちゃんを呼ぶ声が聞こえ、すると第九話ラストで意味深に登場したメガネっ娘ががが! そう言われるとあのシーンは本屋のバックルームっぽく、なるほどこういう繋がりでしたか。見てはいけないものを見てしまった緒花はショックのせいか平台の本を崩してしまい、孝ちゃんに姿を見つかるとプラカードで顔を隠すけれど…それは無理だろう?(笑
タダでさえ気まずい中で、孝ちゃんに寄り添うメガネっ娘の手の位置を見てしまった緒花のショックは計り知れず。おとなしそうな顔して割とやるもんだね。

絶賛空回り自爆が続く緒花は再び座り込みへ。胸中を表すように天候は雨に変わり、敵の情けに自分が情けなくなって雨に混じって涙を落とす…東京へ来た緒花はことごとく上手く回りません。するとそこへ孝ちゃん登場、ファミレスへ場所を移して孝ちゃんとのお話シーンへ。
言いたいこと、訊きたいことがたくさんあるのに言葉を出せない。横顔をじっと見つめながらあれこれ考えているとふと合った視線に顔を赤らめちゃったりかわいいねえ。そんな微妙な距離感も緒花スペシャルのドリンクをきっかけに「以前の距離」に戻り…妙な緊張のあまり押すボタンを間違えたのかと思った(笑。窓下に見えた傘の女性が、緒花たちの氷解と共に連れが現れ去って行く演出は面白い。相変わらず芸が細かいね。
「ちゃんと返事しないと失礼だよ!」
告白されたけど断って、しかし「待つ」の言葉に何となくそのまま。孝ちゃんがメガネっ娘に対して行っている事に思わず声を荒げる緒花でしたが、それは緒花が孝ちゃんにしていることと同じでした。なんちゅうシナリオだ。その事に気付いた緒花は言葉を失い、あまりの気まずさ・罪悪感から店を出ようと…緒花が持つ伝票を取ろうと伸ばした孝ちゃんの手を思わずすり抜け、落ちた伝票を拾った孝ちゃんは「先に行って」しまう。これはもう第一話の告白シーンマンマです。孝ちゃんの背中を見る度に思い出す現在進行形の罪悪感、緒花としてはキッツイだろうね。でも逃げずにちゃんと返事しないと失礼だよ?

雨が降る中を駆け出して逃げる緒花。横断歩道を追う孝ちゃんを通過車両が止める流れも第一話と同じだけれど、あの時の緒花と今の緒花は感情のベクトルが全然違いますね。振り返りもせず俯いて走り去る緒花は相当辛そうです。もうこれ以上孝ちゃんの背中は見たくない、と呟きながら雨の中を歩く緒花…もうダメなのか。
濡れ濡れ美少女の緒花はナンパ車に声を掛けられ、全力で走って逃げるうちにユ○ワヤの袋が破れ、座り込みグッズが散らばり、雨に濡れる。やることなすこと上手く行かず、雨に濡れて台無しになった「許すな」のプラカードは緒花の信念まで否定しているようで、クラクションと共に現れた車のヘッドライトに照らされると無我夢中で逃げ出すほどココロが弱まっています。
「助けて! 助けて! 孝ちゃん!」
追い詰められた緒花が叫んだ、緒花が最も頼りにしている人の名前。オトメゴコロは難しいなあ。しかしその呼び掛けに返ってきたのは孝ちゃんではなく民子の声でした。何故東京に民子が?と思いつつも、今の緒花を支えている人の象徴としてこの演出はアリかもしれない。しかし何故東京に民子が? 「こんな所で何やってんだ?」の徹さんのセリフはそのままお返ししたい(笑
やはり岡田脚本は良くも悪くも一味違いますね。緒花が暴走しながらも結局は丸く収まっていたこれまでと違って一気にズンドコ胃痛展開、はたして緒花はぼんぼれるのか!? 孝ちゃんとはどうなってしまうのか!? 民子&徹さんは何しに来たのか? 例のメガネっ娘とのタイマン勝負(?)もありそうで、いろんな意味で次回が楽しみすぎる。
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暴走機関車緒花の行く末は?

例の温泉宿ランキングが掲載された雑誌がいよいよ発売となり、いかにも田舎の本屋の軒先にて朝っぱらから賑やかな女子三名、その中でも真ん中の小っちゃい娘は相変わらずデカイ声で大騒ぎです。結果が気になって仕方がないけど変なことが書かれていたらと思うと怖くて見られない、というわけで確認役を民子に押し付けてドキドキの発表待ち、はたしてその結果は「5点」…☆5つが満点表示の中で「5点」とあれば満点と勘違いして喜ぶのも無理は無し、しかし菜子の指摘で「☆1つが2点の10点満点中5点」と気付くと緒花は急転直下のどよんど顔へ。あはは。しかしあれだけがんばって、覆面レポーター(と思わしき母娘連れ)の評判も上々だったのにこの結果はいったい何事?
件の雑誌を喜翆荘の帳場で見せるともちろんみなさん納得いきません。サービスも料理もほとんど評価されていない記事に従業員たちは怒り心頭でしたが、そんな中でさすが女将さんはブレず、いつもの口調でビシッと従業員たちを持ち場へ戻し…しかしどうしても納得いかない緒花はリネン室から編集部へ電話で直談判、まあ編集部もそういうクレームは慣れたものなのかあっさり切られて緒花のボイラー内圧は設計限界を超える寸前に。
その頃女将さんはふくやで開かれた湯乃鷺温泉旅館組合(?)の寄り合いに出掛けていました。話題はもちろん例のランキングについて、どうやら湯乃鷺温泉は全体的に点数が抑えられていたらしく、あのふくやですら6点という結果には眉唾を感じざるを得ません。これは近日中にオープンするらしい大規模温泉ホテル「湯乃鷺シーラス」との兼ね合い、いわゆる「大人の事情」によるもの? こういう大規模施設は広告費も贅潤でしょうし、そう考えると後に緒花母ちゃんが言っていた話と整合します。ともあれこの大規模ホテルによる経営切迫話がシリーズ後半に描かれるかもしれませんね。
この会合の見どころは喜翆荘女将とふくや女将の短いやり取り。あくまで「質」に拘り「質」が良ければお客様は評価してくれると考える昔気質の喜翆荘女将に対し、現代の経営者らしい問題意識を見せるふくや女将の対比は、悲しいかなそのまま両者の懐具合に当てはまっています。例えあの記事が捏造記事でも悪い評判が立てば評価以前にお客が来てくれないわけで、雑誌の評価などアウトオブ眼中を決め込む女将さんは確かに堂々としたものですが、ふくや女将のように「現実」を見通す眼力が無いと「経営者」として厳しいかもしれません。その他のメンツはシーラスのチラシを見て呑気な事を言っていたり…田舎の温泉宿経営者らしくのんびりしたもので、これではシビアな資本が割り込んできたらひとたまりも無いだろうなあ。
てな会合を覗き見している緒花探偵、後から「何しとりゃーす?」と声を掛ける結名は今回は名古屋娘ですか(笑。成り行きでぼんぼり祭りのぼんぼり準備を手伝う緒花、その会話にて呑気なことを言ってる結名に「ホビロン!」と腹を立てるも、この天然娘に腹を立てても仕方なし。自分の道は自分で切り拓かねば!と立ち上がる緒花でした。ぼんぼれ!
その晩緒花は休暇を願い、件の編集部へ直接抗議に行くと息巻いています。しかし女将さんはあくまで姿勢を崩さず、緒花の暴走を許可しません。アタリマエか(笑。とはいえ緒花の熱意、喜翆荘を愛する心に感じるものがあったのか、女将さんはいつものような有無を言わさぬ厳しさも無く、むしろ暴走する孫娘を優しく諭すお婆ちゃん役になっていたような。
てなやり取りを風呂に浸かりながら思い浮かべる緒花はフットー寸前(笑

スイッチが入ったら止まらない緒花は東京行きを決行、さっそく編集部へカチ込むと担当ライターを出せと迫ります。良い子はマネしちゃダメだよ。緒花の迫力に負けて差し出されたライターの連絡先、そこに書かれた名前に見覚えがあるようで…緒花の身近に「ライター」をやってる人などあの人しかいません(笑
というわけで憎っくき仇敵の正体はもちろん緒花の母ちゃん、久しぶりの母娘対面っからほっぺたぐにぐにのスキンシップで再会を喜んでいます。あはは。相変わらずマイペースな人だ。
喫茶店に場所を変えての話し合い。喜翆荘へ来たことない人にあんな記事を書かれて怒る緒花の気持ちもわかるけど、雑誌ライターはクライアントの意向に沿った記事を書くのが仕事なので仕方ありません。こういう「正義」を振りかざす姿を「かわいい」と思ってしまうのは私がもう若くない証拠か。
「私はこんな仕事のためにずっと我慢してたの?」
子供の頃から「仕事だから」と我慢を続けてきた緒花は母ちゃんの仕事の実際を知ると体を震わせ涙を浮かべて抗議、しかし母ちゃんはそんな緒花に当然のように「そうよ」と。このシーンを見た純粋な中高生諸君は何とクズな母親か!と緒花同様に腹が煮えるでしょうけど、思いっきり母ちゃんサイドの人間である私は「よくぞ言った」と思わず喝采してしまった。娘のこの表情を前にこうまで言い切れる人はなかなかいない、人からどう思われようと自分の仕事に誇りを持っている様はまさにあの女将さんの娘なのだなあ。
訂正記事が無理ならば、雑誌に載らなくてもいいから喜翆荘に来て正直な記事を書いてほしい、喜翆荘の良さをわかってくれたらいい。しかし母ちゃんはそんな緒花の願いも完全却下し取り付く島もありません。カネにならない記事を書いても意味がない、これもまたライターのプライドかもしれませんが、それよりも「関係がよろしくない実家へ行くのが嫌」なのでしょう。そんな母ちゃんに緒花は諦めない負けない! 声も高らかに宣戦布告するとそのまま店を出て行ってしまいました。さすがあの母ちゃんの娘だけあって人の言う事なんて聞きゃしねえ。

その後の緒花はマクドでお茶しながら何かを作っていました。喜翆荘へ行って以来数ヶ月離れていただけの「東京」の風景は、その期間以上に隔たりを感じさせた? ほんの数ヶ月前までは緒花も「あっち側」にいたのにね。
そして完成した装備を手にいざ参らん! プラカードを掲げた座り込みの様子を窓下に臨む母ちゃん、孤軍奮闘する娘の姿に呆れながらも「諦めない娘」に諦め顔です。ガラスに仕切られて眼下に遠い娘との距離、しかしこれほど離れていても母ちゃんは娘の考えが手に取るように判るのだなあ。
孝ちゃんへめるめるした返信によると「池袋のでかい本屋でバイト中」とか。ジュンク堂? 今回冒頭の本屋とえらく規模が違う本屋へ、いろいろ自分に言い訳しながら出掛けてしまう、あまりに強大な敵を相手についつい孝ちゃんを頼ってしまう緒花でした。フロアをぐるぐる見回すと孝ちゃんを呼ぶ声が聞こえ、すると第九話ラストで意味深に登場したメガネっ娘ががが! そう言われるとあのシーンは本屋のバックルームっぽく、なるほどこういう繋がりでしたか。見てはいけないものを見てしまった緒花はショックのせいか平台の本を崩してしまい、孝ちゃんに姿を見つかるとプラカードで顔を隠すけれど…それは無理だろう?(笑
タダでさえ気まずい中で、孝ちゃんに寄り添うメガネっ娘の手の位置を見てしまった緒花のショックは計り知れず。おとなしそうな顔して割とやるもんだね。

絶賛空回り自爆が続く緒花は再び座り込みへ。胸中を表すように天候は雨に変わり、敵の情けに自分が情けなくなって雨に混じって涙を落とす…東京へ来た緒花はことごとく上手く回りません。するとそこへ孝ちゃん登場、ファミレスへ場所を移して孝ちゃんとのお話シーンへ。
言いたいこと、訊きたいことがたくさんあるのに言葉を出せない。横顔をじっと見つめながらあれこれ考えているとふと合った視線に顔を赤らめちゃったりかわいいねえ。そんな微妙な距離感も緒花スペシャルのドリンクをきっかけに「以前の距離」に戻り…妙な緊張のあまり押すボタンを間違えたのかと思った(笑。窓下に見えた傘の女性が、緒花たちの氷解と共に連れが現れ去って行く演出は面白い。相変わらず芸が細かいね。
「ちゃんと返事しないと失礼だよ!」
告白されたけど断って、しかし「待つ」の言葉に何となくそのまま。孝ちゃんがメガネっ娘に対して行っている事に思わず声を荒げる緒花でしたが、それは緒花が孝ちゃんにしていることと同じでした。なんちゅうシナリオだ。その事に気付いた緒花は言葉を失い、あまりの気まずさ・罪悪感から店を出ようと…緒花が持つ伝票を取ろうと伸ばした孝ちゃんの手を思わずすり抜け、落ちた伝票を拾った孝ちゃんは「先に行って」しまう。これはもう第一話の告白シーンマンマです。孝ちゃんの背中を見る度に思い出す現在進行形の罪悪感、緒花としてはキッツイだろうね。でも逃げずにちゃんと返事しないと失礼だよ?

雨が降る中を駆け出して逃げる緒花。横断歩道を追う孝ちゃんを通過車両が止める流れも第一話と同じだけれど、あの時の緒花と今の緒花は感情のベクトルが全然違いますね。振り返りもせず俯いて走り去る緒花は相当辛そうです。もうこれ以上孝ちゃんの背中は見たくない、と呟きながら雨の中を歩く緒花…もうダメなのか。
濡れ濡れ美少女の緒花はナンパ車に声を掛けられ、全力で走って逃げるうちにユ○ワヤの袋が破れ、座り込みグッズが散らばり、雨に濡れる。やることなすこと上手く行かず、雨に濡れて台無しになった「許すな」のプラカードは緒花の信念まで否定しているようで、クラクションと共に現れた車のヘッドライトに照らされると無我夢中で逃げ出すほどココロが弱まっています。
「助けて! 助けて! 孝ちゃん!」
追い詰められた緒花が叫んだ、緒花が最も頼りにしている人の名前。オトメゴコロは難しいなあ。しかしその呼び掛けに返ってきたのは孝ちゃんではなく民子の声でした。何故東京に民子が?と思いつつも、今の緒花を支えている人の象徴としてこの演出はアリかもしれない。しかし何故東京に民子が? 「こんな所で何やってんだ?」の徹さんのセリフはそのままお返ししたい(笑
やはり岡田脚本は良くも悪くも一味違いますね。緒花が暴走しながらも結局は丸く収まっていたこれまでと違って一気にズンドコ胃痛展開、はたして緒花はぼんぼれるのか!? 孝ちゃんとはどうなってしまうのか!? 民子&徹さんは何しに来たのか? 例のメガネっ娘とのタイマン勝負(?)もありそうで、いろんな意味で次回が楽しみすぎる。
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