2011-06-14(Tue)
神のみぞ知るセカイII #10 スクール★ウォーズ
「がんばるぞ! おー!」

理想を追う純先生に立ちはだかる現実の壁。

オタメガ更正に燃える純先生は朝っぱらからゲージMAX、登校中の生徒たちから次々と「おはよー!」と声を掛けられる辺り人気も上々で、眩しい朝日に照らされて挨拶を返す表情も生き生きと、やる気に満ちていました。
一方のオタメガは「教師ルート」に入ってしまったことに落ち込み、この現状を打破すべく力技のルート変更を計画します。親しさを属性に持つキャラにプラスの感情は効果が薄い、なのでここはマイナスの感情、「怒り」を使ってルートを変える試み。確かにこのままズルズル進んでしまうと普通の師弟関係以上に発展する見込みは無く、一度嫌われた後に感情を転換する作戦はなるほど効果がありそう。
というわけで純先生を怒らせるべくオタメガの作戦がスタートしました。しかし山ほどのゲームを持ち込んでも優しく包まれ、体育の授業でサッカーボールを蹴り飛ばせば明後日の方向から逆襲に遭い、靴を隠そうとうろうろすれば隠す前に見つかって逆に感謝され、対教師の王道イヤガラセである黒板消し落としはエルシィに当たってスカと、ことごとく上手くいきません。それどころか「ジャンボ鶴間vsタイガー二沢」の話、すなわち「理想の強さ」について熱く語る純先生を眺めてポッとしちゃったり…その視線に気付いた純先生の好感度を上げてしまう体たらく。あはは。

オタメガの熱い視線(?)に脈を感じた純先生の「必殺技」、それは教室に一人残ったオタメガへ満面笑顔で差し出したピンクのPFPでした。「ゲーム世界に引きこもっている」生徒の世界へ自ら飛び込み、生徒目線から指導を行おうとする姿勢は悪くないけれど…「ゲーマー」を名乗る割にスイッチの入れ方がわからなかったり、ゲーマーどころか買ったばかりなの丸わかりですよ?(笑。それを判っていながら付き合うオタメガは相手の出方を見ているのだろうね。
「結局ゲームは作り物よ。現実の代わりにはならないわ」
「だから君もゲームの中に逃げ込んでないて、現実の中でちゃんと生きていかなきゃ」
一通りゲームを楽しんだ純先生はゲームの楽しさを認めながら、しかし「ゲーム否定」の説教を始めてしまいます。よくある論旨のこんな説教などオタメガ的には聞き飽きたものでしょうに、今回に限ってオタメガが激昂してしまったのは、それが「理想の強さ」を追っているはずの純先生の言葉だから。「現実(リアル)より理想」という共通の価値観を持っていると思っていた人物が「現実」を語り、そして「理想」を追うオタメガを「逃げ込んでいる」と決めつけたステロタイプな浅い考え。
「お前の勝手な基準で人を見るんじゃない!」
プロレスの虚構は素晴らしいけどゲームはダメ。ジャンルは違えど「理想を追う」者同士の連帯感のようなものを感じていたオタメガはあっさり裏切られてしまった。「もうちょっとわかってる奴かと思ったよ」と言い捨てる彼の表情は怒りと共に寂しさを感じさせますね。一方思わぬリアクションにココロがざわめく純先生の心境を風に靡くカーテンがよく表し、窓を背景に逆光の表情は「理想の教師像」を「現実」に突き崩された純先生の心理状態をこれでもかと表現していました。

そんなこんなで渋々ながら教師ルートを受け入れることに決めたオタメガの新しい作戦は「第三者」の介入によって自分の立場を変えるというもの。純先生の先輩である二階堂先生に取り入り、その高さを利用して「生徒」から「教師」の目線へ上る…その説明に出てくる「ニカイドウロボ」がイキナリすぎて笑った笑った。ま゛っ!
さっそく新作戦開始のオタメガは綺麗なオタメガとなって二階堂先生へ近付こうとするもあっさり見破られ、山ほど溜め込んだテスト採点の代行を押し付けられ、しかしちょっと強気に出れば深い深いムネの谷間に逆襲され…さすが二階堂先生は一筋縄にはいきませんね。過剰に色っぽい仕草から「何でも教えてやるよ…」と囁き、しかしそれは得られる情報の割に無茶な対価を要求するものでした。全ての条件に「一生」付きって(笑。つまりこれは「最初っから教える気が無い」ということ。

「理想」の教師像を追う純先生は次から次へと「現実」に押し潰される。児玉先生からは「生徒に現実を教えるのが大人の役目」と叩き付けられ、ポイ捨てヤンキーからは「熱血ウゼエ」と罵られ、さらに夕暮れの教室で「現実」に直面してしまう。授業中に児玉先生から罵られた生徒へ力添えを申し出るも力なく返され…教師に楯突いて目を付けられるのは嫌、面倒くさいことになったら嫌、だから馬鹿にされても何もしない。それが現実。
「何が現実よ! 馬鹿じゃないの!?」
生徒たちの処世術を目の当たりにした純先生はまたしても立ちはだかる「現実」への無力感から肩を落とし、気概無く現実を受け入れる生徒についにキレてしまった。すごいくびれ!(それはどうでも。ことごとく突き付けられる「現実」に思わず声を荒げた純先生に生徒たちはドン引き…この一連シーンは間の取り方から画面描写まで純先生の絶望感をこれでもかと演出し、私の胃壁は荒れまくりです。ううう、胃が痛い。
我に返った先生は慌てて教室を出るけれど時既に遅く、ドアの向こうから聞こえた「熱血教師には付き合いきれない」という言葉に再びどよんどMAXに。あれもこれも「当たり前のこと」を言っているだけなのに誰も受け入れてくれない、どうして誰もわかってくれないの?
「もう、付き合いきれないよ」
ここで浮かんだバスケ部時代の回想。おそらく「理想のバスケ部」を目指すあまりの熱血・押し付けに、部員全員が付き合いきれず去ってしまったのでしょう。この挫折の記憶が前回描かれた駆け魂侵入シーンに繋がるのかな。

朝はあれほど張り切っていた純先生でしたが、夕陽に照らされて帰る頃には別人のように落ち込んでしまった。颯爽と自転車を漕いでの登校時には周りの生徒から次々と挨拶されて満面笑顔だったのに、帰りはたった一人でとぼとぼと自転車を押している。たった一日で全てを否定されてしまった挫折感、この対比はわかりやすくキッツイなあ。
てな様子を校舎の影から見ていたオタメガ。肩を落とした純先生の姿が気になってしまうのは、彼が一度は「同類」と認めた故か? 生き生きと「理想」を追っていた、鬱陶しいほどの覇気も消え、「現実」に押し潰されて落ち込む姿は他人事と思えなかったのかもしれません。
「あいつはいつも落ち込んでる。コートにいたときから」
何かを察したオタメガは再び二階堂先生の所へ。「あいつが落ち込むと何故か気になる」と呟くオタメガへふと返した二階堂先生の言葉は、いつも無駄に元気な純先生の内心をズバリ言い当てるものでした。理想を追って現実に潰され挫折を繰り返す、そんな彼女の「逃げ場所」が理想の強さに浸れるプロレスだったということか。つまり純先生が今回Aパートでオタメガへ語った「よくあるゲーム批判」と思われた説教は、自分自身へのオーバーラップだったのでしょう。なるほどなかなか深いね。
「舞高バスケ部、最後の栄光だ」
全国制覇するほどの強豪バスケ部は、長瀬主将への代替わりで一転休部に追い込まれてしまった。ううむ、これはキッツイ。ロッカーに貼られた「主将 長瀬」からカメラ引いて「休部」の張り紙のカットは、これまでの経緯と合わせて私のさぶいぼスイッチを入れるに十分でした。上手い引きだなあ。今回は絵コンテ・演出担当の市村徹夫氏がいい仕事してましたね。
「理想」とは「現実」からの逃げ場所ではない。はたしてオタメガの信念は純先生を救うことができるのでしょうか。

エンドカード(予告バック)はINO氏による二階堂先生。スリット深々のタイトミニから伸びる美脚、本編より少々控えめに描かれた肩越しの膨らみもクールな大人の魅力に溢れています。上手いなあ。INO氏の絵柄が大好物の私に大層ご褒美なエンドカードでした。

ちなみにカードデザイン元ネタは氏がメイン原画を務めたしすたー・すきーむのようです。
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理想を追う純先生に立ちはだかる現実の壁。

オタメガ更正に燃える純先生は朝っぱらからゲージMAX、登校中の生徒たちから次々と「おはよー!」と声を掛けられる辺り人気も上々で、眩しい朝日に照らされて挨拶を返す表情も生き生きと、やる気に満ちていました。
一方のオタメガは「教師ルート」に入ってしまったことに落ち込み、この現状を打破すべく力技のルート変更を計画します。親しさを属性に持つキャラにプラスの感情は効果が薄い、なのでここはマイナスの感情、「怒り」を使ってルートを変える試み。確かにこのままズルズル進んでしまうと普通の師弟関係以上に発展する見込みは無く、一度嫌われた後に感情を転換する作戦はなるほど効果がありそう。
というわけで純先生を怒らせるべくオタメガの作戦がスタートしました。しかし山ほどのゲームを持ち込んでも優しく包まれ、体育の授業でサッカーボールを蹴り飛ばせば明後日の方向から逆襲に遭い、靴を隠そうとうろうろすれば隠す前に見つかって逆に感謝され、対教師の王道イヤガラセである黒板消し落としはエルシィに当たってスカと、ことごとく上手くいきません。それどころか「ジャンボ鶴間vsタイガー二沢」の話、すなわち「理想の強さ」について熱く語る純先生を眺めてポッとしちゃったり…その視線に気付いた純先生の好感度を上げてしまう体たらく。あはは。

オタメガの熱い視線(?)に脈を感じた純先生の「必殺技」、それは教室に一人残ったオタメガへ満面笑顔で差し出したピンクのPFPでした。「ゲーム世界に引きこもっている」生徒の世界へ自ら飛び込み、生徒目線から指導を行おうとする姿勢は悪くないけれど…「ゲーマー」を名乗る割にスイッチの入れ方がわからなかったり、ゲーマーどころか買ったばかりなの丸わかりですよ?(笑。それを判っていながら付き合うオタメガは相手の出方を見ているのだろうね。
「結局ゲームは作り物よ。現実の代わりにはならないわ」
「だから君もゲームの中に逃げ込んでないて、現実の中でちゃんと生きていかなきゃ」
一通りゲームを楽しんだ純先生はゲームの楽しさを認めながら、しかし「ゲーム否定」の説教を始めてしまいます。よくある論旨のこんな説教などオタメガ的には聞き飽きたものでしょうに、今回に限ってオタメガが激昂してしまったのは、それが「理想の強さ」を追っているはずの純先生の言葉だから。「現実(リアル)より理想」という共通の価値観を持っていると思っていた人物が「現実」を語り、そして「理想」を追うオタメガを「逃げ込んでいる」と決めつけたステロタイプな浅い考え。
「お前の勝手な基準で人を見るんじゃない!」
プロレスの虚構は素晴らしいけどゲームはダメ。ジャンルは違えど「理想を追う」者同士の連帯感のようなものを感じていたオタメガはあっさり裏切られてしまった。「もうちょっとわかってる奴かと思ったよ」と言い捨てる彼の表情は怒りと共に寂しさを感じさせますね。一方思わぬリアクションにココロがざわめく純先生の心境を風に靡くカーテンがよく表し、窓を背景に逆光の表情は「理想の教師像」を「現実」に突き崩された純先生の心理状態をこれでもかと表現していました。

そんなこんなで渋々ながら教師ルートを受け入れることに決めたオタメガの新しい作戦は「第三者」の介入によって自分の立場を変えるというもの。純先生の先輩である二階堂先生に取り入り、その高さを利用して「生徒」から「教師」の目線へ上る…その説明に出てくる「ニカイドウロボ」がイキナリすぎて笑った笑った。ま゛っ!
さっそく新作戦開始のオタメガは綺麗なオタメガとなって二階堂先生へ近付こうとするもあっさり見破られ、山ほど溜め込んだテスト採点の代行を押し付けられ、しかしちょっと強気に出れば深い深いムネの谷間に逆襲され…さすが二階堂先生は一筋縄にはいきませんね。過剰に色っぽい仕草から「何でも教えてやるよ…」と囁き、しかしそれは得られる情報の割に無茶な対価を要求するものでした。全ての条件に「一生」付きって(笑。つまりこれは「最初っから教える気が無い」ということ。

「理想」の教師像を追う純先生は次から次へと「現実」に押し潰される。児玉先生からは「生徒に現実を教えるのが大人の役目」と叩き付けられ、ポイ捨てヤンキーからは「熱血ウゼエ」と罵られ、さらに夕暮れの教室で「現実」に直面してしまう。授業中に児玉先生から罵られた生徒へ力添えを申し出るも力なく返され…教師に楯突いて目を付けられるのは嫌、面倒くさいことになったら嫌、だから馬鹿にされても何もしない。それが現実。
「何が現実よ! 馬鹿じゃないの!?」
生徒たちの処世術を目の当たりにした純先生はまたしても立ちはだかる「現実」への無力感から肩を落とし、気概無く現実を受け入れる生徒についにキレてしまった。すごいくびれ!(それはどうでも。ことごとく突き付けられる「現実」に思わず声を荒げた純先生に生徒たちはドン引き…この一連シーンは間の取り方から画面描写まで純先生の絶望感をこれでもかと演出し、私の胃壁は荒れまくりです。ううう、胃が痛い。
我に返った先生は慌てて教室を出るけれど時既に遅く、ドアの向こうから聞こえた「熱血教師には付き合いきれない」という言葉に再びどよんどMAXに。あれもこれも「当たり前のこと」を言っているだけなのに誰も受け入れてくれない、どうして誰もわかってくれないの?
「もう、付き合いきれないよ」
ここで浮かんだバスケ部時代の回想。おそらく「理想のバスケ部」を目指すあまりの熱血・押し付けに、部員全員が付き合いきれず去ってしまったのでしょう。この挫折の記憶が前回描かれた駆け魂侵入シーンに繋がるのかな。

朝はあれほど張り切っていた純先生でしたが、夕陽に照らされて帰る頃には別人のように落ち込んでしまった。颯爽と自転車を漕いでの登校時には周りの生徒から次々と挨拶されて満面笑顔だったのに、帰りはたった一人でとぼとぼと自転車を押している。たった一日で全てを否定されてしまった挫折感、この対比はわかりやすくキッツイなあ。
てな様子を校舎の影から見ていたオタメガ。肩を落とした純先生の姿が気になってしまうのは、彼が一度は「同類」と認めた故か? 生き生きと「理想」を追っていた、鬱陶しいほどの覇気も消え、「現実」に押し潰されて落ち込む姿は他人事と思えなかったのかもしれません。
「あいつはいつも落ち込んでる。コートにいたときから」
何かを察したオタメガは再び二階堂先生の所へ。「あいつが落ち込むと何故か気になる」と呟くオタメガへふと返した二階堂先生の言葉は、いつも無駄に元気な純先生の内心をズバリ言い当てるものでした。理想を追って現実に潰され挫折を繰り返す、そんな彼女の「逃げ場所」が理想の強さに浸れるプロレスだったということか。つまり純先生が今回Aパートでオタメガへ語った「よくあるゲーム批判」と思われた説教は、自分自身へのオーバーラップだったのでしょう。なるほどなかなか深いね。
「舞高バスケ部、最後の栄光だ」
全国制覇するほどの強豪バスケ部は、長瀬主将への代替わりで一転休部に追い込まれてしまった。ううむ、これはキッツイ。ロッカーに貼られた「主将 長瀬」からカメラ引いて「休部」の張り紙のカットは、これまでの経緯と合わせて私のさぶいぼスイッチを入れるに十分でした。上手い引きだなあ。今回は絵コンテ・演出担当の市村徹夫氏がいい仕事してましたね。
「理想」とは「現実」からの逃げ場所ではない。はたしてオタメガの信念は純先生を救うことができるのでしょうか。

エンドカード(予告バック)はINO氏による二階堂先生。スリット深々のタイトミニから伸びる美脚、本編より少々控えめに描かれた肩越しの膨らみもクールな大人の魅力に溢れています。上手いなあ。INO氏の絵柄が大好物の私に大層ご褒美なエンドカードでした。

ちなみにカードデザイン元ネタは氏がメイン原画を務めたしすたー・すきーむのようです。
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