2011-06-21(Tue)
神のみぞ知るセカイII #11 いつも心に太陽を
現実の壁に打ちひしがれる純先生の復活。

長瀬純編、完結です。

毎回元気いっぱいな朝から始まる純先生編にて今回の入りは少々様子が違っていました。「理想」を押し付けるあまり担当の生徒たちから拒絶されてしまった、夕暮れの部屋で一人落ち込む姿はこれまでとの対比も効いてじつに痛々しいです。そんな気分を吹き飛ばすべく「プロレスリング・ノナ」のチケットを手に鳴沢体育館へ、女教師モードでない純先生はミニスカをひらひらさせた普通の女の子…服装の違いは意識の切り換えに通じ、この後の体育館で見せた私服のオタメガとの「教師と生徒」の枠を超えたやり取りに繋がっています。
入場列に並ぶ純先生をストーキングのオタメガ&エルシィ。斥候のエルシィは純先生のチケットを覗き込んで同じ席番のニセチケットを作り、チケットのダブりを利用したゼロ距離作戦が始まりました。いやいや、普通は会場スタッフに苦情を入れるだろう? そもそも一つの椅子に二人座っていたらスタッフや周りの客が黙っているまい。というか隣席の兄ちゃんが気の毒だってば。などなど野暮なツッコミはこの程度にしとこ。
というわけでオタメガ&純先生は密着状態でプロレス観戦することになりました。極めて冷静なオタメガに対し純先生は「教師の立場」を考えてドキドキ顔、とはいえそんな体裁よりも男の子と密着することに照れているような感じ? 何だかんだ言いながら試合開始のアナウンスにドキドキのベクトルはリングに向かい、選手入場から試合が始まると隣のオタメガへあれこれ語りまくりながら盛り上がっています。じつにプロレスオタらしい反応だ(笑。作中の名前は違うけれど明らかに「秋山・三沢」のタッグ、緑のタイツでジャーマンを決める三沢が懐かしすぎて思わず見入ってしまった。三沢好きだったのにまさかあんなことになるとは。

密着観戦の二人はどう見てもイチャラブデート状態で、お互いのドリンクを間違えて赤面しちゃったり、試合の興奮のあまり「当ててんのよ状態」でスリーパーをキメたり…ミニスカ生足とぴったり並ぶ密着感はじつに生々しく、この感じを表現するため純先生にミニスカを履かせたのだなあと。試合に熱中していた純先生がオタメガを意識し始めるとドキドキが止まらない、これは良い席での観戦で盛り上がる試合へのドキドキ感と合わせた吊り橋効果を狙った作戦だったり?
熱い戦いの盛り上がりに感心するオタメガへ、純先生は「盛り上がり」の意味を語り始めます。リングの上の選手だけでなく、試合を裁くレフェリー、サポートするスタッフ、そして観客が一緒になって試合を作る。みんなが一つになって。
「私一人じゃ無理なのよ。みんなでがんばらなきゃいけないのよ」
プロレスの試合をクラスの運営になぞえ、一人空回りしている現状を嘆く純先生。みんなでがんばらなきゃいけないのに、何故みんなわかってくれないのか。
「だからバスケ部が潰れたんだ」
「いや違う、お前が潰したんだ」
純先生の「理想」を押し付けられたクラスの生徒は誰も付いて来ない。それはバスケ部が潰れた理由と同じであり、当時の光景を思い出した純先生は愕然…みんなのために一生懸命やっていたのにみんな離れて行ってしまった。でもそれは本当に「みんなのため」だったのか?
「あんたなんかに何がわかるって言うのよ! 私の気持ちも知らないで!」
オタメガの問いかけに思わず叫んでしまうのは図星を突かれた痛みから? おそらく純先生は「何故上手くいかないのか」わかっているのでしょう。しかしわかっていながら「理想を追う」ことを止められない。いい歳をして男の子と密着しただけでドキドキが止まらないほど真っ直ぐな純先生は、他の上手いやり方、器用なやり方ができないのだろうね。
試合中だというに立ち上がって大声の痴話喧嘩に周囲の客はざわめき、さすがに居られなくなった純先生はそのまま帰ってしまいました。周りの客もよう我慢していたなあ(笑。純先生の後姿を見送るオタメガは「やっとエンディングが見えた」と…何をしても怒らなかった純先生が見せた感情の昂ぶり、その隙間から覗いたエンディングルートをさすがオタメガは見逃さなかったということか。
そういや試合観戦のオタメガはトレードマークたる「メガネ」をしていませんでしたね。これは試合の空気感を「(色)メガネを通さずに感じる」という意思表示かな。それとも純先生と対峙するにあたって「学校での姿(生徒の姿)」と違うイメージを演出していたのか。考えすぎ?

翌朝の教室にて賑やかなちひろ&歩美。ちひろはギターの広告を手に歩美をバンドへ引っ張り込む気!? 高いギターが欲しければ金持ちの友達のツテを頼るといいぞ(違。以前はクラス中から大人気で、特に男子からの人気は絶大だった純先生からの電話に浮かない顔の男子モブ…先日の騒動もあってクラスのみなさんは純先生の熱血ぷりにうんざり気味の様子です。
そんな空気の中、満面笑顔で教卓に上った純先生は、よせばいいのに追い討ちの「マラソン大会全員参加」のお知らせ。あらら。もちろんそんなの御免被る生徒たちはやりたくないオーラを返すけれど、既に全員の申し込みが終わっている、がんばろうオー! みんなで一つになろう! と次々と発動される純先生の空回りが痛すぎて見てられません。そんな押し付けに生徒たちの不満は爆発、「ドラマじゃねーんだし」「そろそろ重い」と純先生は完全拒絶されてしまいます。
「どうして私が悪者みたいに言われるのよ?」
生徒からの拒絶はあの時の繰り返し。自分の事を慕ってきて、部長も任されたのに、結局みんな離れて行ってしまった。みんなのために一生懸命がんばった結果はいつも実を結ばない。叫ぶ純先生のアップからカメラが引くとバスケ部時代の回想へ、たった一人でコートに残される姿は今の教室での姿マンマです。純先生の「理想」はまたしても周囲から受け入れられず孤立…「現実」の壁に阻まれ、辛い記憶の再現に耐えきれない純先生は教室を飛び出してしまう。きっつー。
「こんなバグだらけの連中、何しても無駄なのにさ」
その後の生徒たちはヤレヤレ気分で「現実」を嘯き、するとそれまで黙っていたオタメガがついに動きました。クラス中にくすぶる純先生へのマイナス感情を、あえて悪態を吐くことで自分に向ける。そして「悪者」のベクトルを逸らした直後に姿を消したオタメガ、一方のエルシィは足りない子のように両手で数を数えていますよ? まさかこれがオタメガの「攻略作戦」だったとは。

「それじゃ、どうすればいいのよ!」
辛い思い出しかないはずのバスケ部部室に逃げ込んだ純先生は、それでも「部長」と書かれた当時のロッカー、すなわちバスケ部部長として過ごした当時の信念に縋るしかない。ひたすら「理想」を追い続け、周囲に押し付け、しかし何度失敗してもそのやり方しか知らないのだから。
部室から逃げ出し、打ちひしがれてバスケコートに立ち尽くす純先生の所へオタメガが登場。世界に取り残されたような孤独感を肩に置いた手で癒し、ドン詰まりで取り乱す心の叫びを黙って聞いてあげる。さすがオタメガは女の扱いがわかっているなあ。そして向き直ると今後の道を強い口調で示すのです。
「もっと理想を押し付けたらいい」
どれだけ傷付いても孤独でも、お前はやらなければいけない。それは「教師」だから。リアルの壁に躊躇する生徒たちに「理想」を見せ続け、ジャンボ鶴間のように「鑑」とならなければいけないのです。それは一朝一夕で出来ることではなく、これから先も何度も挫折する茨の道だろうけれど、それでもやらなければいけない。「現実」との折り合いを付けるという妥協を完全に廃した結論は、同じように「理想」を追い続けるオタメガらしいです。
初めて自分を認めてもらえた、オタメガの熱い言葉にポポポポポな純先生はオタメガの胸に手を置いてポポポポポ。ぐは! このままキスシーンで駆け魂出現? と思いきやいい所で生徒たちがなだれ込んで「ゴメンナサイ」…何この展開。

前述のとおりこれは全てオタメガの攻略作戦でした。純先生への悪感情をオタメガへシフトさせた後、500カウント待って生徒たちを落ち着かせ、その後体育館へみんなを連れてくる。言い過ぎを反省した生徒たちは体育館でゴメンナサイ、それを聞いた純先生が立ち直って熱血学園ドラマの如き理想的な大団円と…とんでもなくご都合な展開には少々面食らいました。いいのかこれで。一方的に生徒が「折れる」だけでは何も解決していないんじゃ? 唯一の理解者は「同類」の歩美だけでしょう? 「言い過ぎを反省」するのではなく「純先生の思い」を理解しての「ゴメンナサイ」じゃないと意味が無いわけで、もちろんオタメガ的にはそういう意図を含んでの作戦(リアルに絶望しながらリアルに期待していた?)だったのだろうけれど、描写が無ければ強引なご都合展開にしか見えません。ううむ。
その後の教育実習は生徒との関係も良好なまま滞りなく過ごせたようで、賑やかなさよならメッセージに送られて学校を去る純先生。しかし教室にオタメガの姿はありませんでした。結局あの日以来オタメガに会えないまま、純先生はいつもの自転車に乗って学校を後に。すると木(フォールされた木?)の下で待つオタメガとドキドキの再会へ。
「先生、また帰ってきてよ」
さんざん焦らした挙げ句のこのセリフは破壊力抜群で、「もう会えない」としょんぼりしていた純先生は満面の笑顔に。ここ一番のアップはさすが女神作画が効いてます。何というかわいさ! 良い先生になることを誓いながら帰って行く純先生、すると校門の前で足を止め…
「だから、先生じゃない私を見せるのはこれが最後だよ」
サッと駆け寄って背伸びの足元が映ると本作ヒロイン共通のエンディングであるキスシーンへ。このキスシーンを描かないと終わらないのは重々承知だけれど、ここは足元の描写から駆け魂出現へ飛ばしたほうがドラマチックだったような気がします。直接描写よりも想像してニマニマさせる余地が欲しかった。
理想の教師を目指して張り切っていた純先生が現実の壁に阻まれ、過去の記憶と相まって次第に表情を曇らせていく。周囲との温度差から挫折・孤独に陥っていく様子はなかなか辛く、そんな中で「同じ思い」を持つオタメガによって救われる流れ、教師という職業を彼女が崇拝するジャンボ鶴間に例えた後押しなど大筋ではいい話でした。しかし体育館での結末描写があまりに力技すぎて繊細さに欠け、説得力もイマイチだったような気がします。ううむ。前のちひろ編があまりに鮮やかだったので余計に粗が気になってしまうのかもしれませんが…どうにもスッキリしない結末で第二期ヒロイン攻略が終わってしまったのは少々残念気分だったり。

今回のエンドカード(予告バック)はうるし原智志氏。プロレスコスチュームの純先生はほとんどエロゲのポーズみたいな(笑。メッセージボックスでの隠し方が絶妙でありますね。
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長瀬純編、完結です。

毎回元気いっぱいな朝から始まる純先生編にて今回の入りは少々様子が違っていました。「理想」を押し付けるあまり担当の生徒たちから拒絶されてしまった、夕暮れの部屋で一人落ち込む姿はこれまでとの対比も効いてじつに痛々しいです。そんな気分を吹き飛ばすべく「プロレスリング・ノナ」のチケットを手に鳴沢体育館へ、女教師モードでない純先生はミニスカをひらひらさせた普通の女の子…服装の違いは意識の切り換えに通じ、この後の体育館で見せた私服のオタメガとの「教師と生徒」の枠を超えたやり取りに繋がっています。
入場列に並ぶ純先生をストーキングのオタメガ&エルシィ。斥候のエルシィは純先生のチケットを覗き込んで同じ席番のニセチケットを作り、チケットのダブりを利用したゼロ距離作戦が始まりました。いやいや、普通は会場スタッフに苦情を入れるだろう? そもそも一つの椅子に二人座っていたらスタッフや周りの客が黙っているまい。というか隣席の兄ちゃんが気の毒だってば。などなど野暮なツッコミはこの程度にしとこ。
というわけでオタメガ&純先生は密着状態でプロレス観戦することになりました。極めて冷静なオタメガに対し純先生は「教師の立場」を考えてドキドキ顔、とはいえそんな体裁よりも男の子と密着することに照れているような感じ? 何だかんだ言いながら試合開始のアナウンスにドキドキのベクトルはリングに向かい、選手入場から試合が始まると隣のオタメガへあれこれ語りまくりながら盛り上がっています。じつにプロレスオタらしい反応だ(笑。作中の名前は違うけれど明らかに「秋山・三沢」のタッグ、緑のタイツでジャーマンを決める三沢が懐かしすぎて思わず見入ってしまった。三沢好きだったのにまさかあんなことになるとは。

密着観戦の二人はどう見てもイチャラブデート状態で、お互いのドリンクを間違えて赤面しちゃったり、試合の興奮のあまり「当ててんのよ状態」でスリーパーをキメたり…ミニスカ生足とぴったり並ぶ密着感はじつに生々しく、この感じを表現するため純先生にミニスカを履かせたのだなあと。試合に熱中していた純先生がオタメガを意識し始めるとドキドキが止まらない、これは良い席での観戦で盛り上がる試合へのドキドキ感と合わせた吊り橋効果を狙った作戦だったり?
熱い戦いの盛り上がりに感心するオタメガへ、純先生は「盛り上がり」の意味を語り始めます。リングの上の選手だけでなく、試合を裁くレフェリー、サポートするスタッフ、そして観客が一緒になって試合を作る。みんなが一つになって。
「私一人じゃ無理なのよ。みんなでがんばらなきゃいけないのよ」
プロレスの試合をクラスの運営になぞえ、一人空回りしている現状を嘆く純先生。みんなでがんばらなきゃいけないのに、何故みんなわかってくれないのか。
「だからバスケ部が潰れたんだ」
「いや違う、お前が潰したんだ」
純先生の「理想」を押し付けられたクラスの生徒は誰も付いて来ない。それはバスケ部が潰れた理由と同じであり、当時の光景を思い出した純先生は愕然…みんなのために一生懸命やっていたのにみんな離れて行ってしまった。でもそれは本当に「みんなのため」だったのか?
「あんたなんかに何がわかるって言うのよ! 私の気持ちも知らないで!」
オタメガの問いかけに思わず叫んでしまうのは図星を突かれた痛みから? おそらく純先生は「何故上手くいかないのか」わかっているのでしょう。しかしわかっていながら「理想を追う」ことを止められない。いい歳をして男の子と密着しただけでドキドキが止まらないほど真っ直ぐな純先生は、他の上手いやり方、器用なやり方ができないのだろうね。
試合中だというに立ち上がって大声の痴話喧嘩に周囲の客はざわめき、さすがに居られなくなった純先生はそのまま帰ってしまいました。周りの客もよう我慢していたなあ(笑。純先生の後姿を見送るオタメガは「やっとエンディングが見えた」と…何をしても怒らなかった純先生が見せた感情の昂ぶり、その隙間から覗いたエンディングルートをさすがオタメガは見逃さなかったということか。
そういや試合観戦のオタメガはトレードマークたる「メガネ」をしていませんでしたね。これは試合の空気感を「(色)メガネを通さずに感じる」という意思表示かな。それとも純先生と対峙するにあたって「学校での姿(生徒の姿)」と違うイメージを演出していたのか。考えすぎ?

翌朝の教室にて賑やかなちひろ&歩美。ちひろはギターの広告を手に歩美をバンドへ引っ張り込む気!? 高いギターが欲しければ金持ちの友達のツテを頼るといいぞ(違。以前はクラス中から大人気で、特に男子からの人気は絶大だった純先生からの電話に浮かない顔の男子モブ…先日の騒動もあってクラスのみなさんは純先生の熱血ぷりにうんざり気味の様子です。
そんな空気の中、満面笑顔で教卓に上った純先生は、よせばいいのに追い討ちの「マラソン大会全員参加」のお知らせ。あらら。もちろんそんなの御免被る生徒たちはやりたくないオーラを返すけれど、既に全員の申し込みが終わっている、がんばろうオー! みんなで一つになろう! と次々と発動される純先生の空回りが痛すぎて見てられません。そんな押し付けに生徒たちの不満は爆発、「ドラマじゃねーんだし」「そろそろ重い」と純先生は完全拒絶されてしまいます。
「どうして私が悪者みたいに言われるのよ?」
生徒からの拒絶はあの時の繰り返し。自分の事を慕ってきて、部長も任されたのに、結局みんな離れて行ってしまった。みんなのために一生懸命がんばった結果はいつも実を結ばない。叫ぶ純先生のアップからカメラが引くとバスケ部時代の回想へ、たった一人でコートに残される姿は今の教室での姿マンマです。純先生の「理想」はまたしても周囲から受け入れられず孤立…「現実」の壁に阻まれ、辛い記憶の再現に耐えきれない純先生は教室を飛び出してしまう。きっつー。
「こんなバグだらけの連中、何しても無駄なのにさ」
その後の生徒たちはヤレヤレ気分で「現実」を嘯き、するとそれまで黙っていたオタメガがついに動きました。クラス中にくすぶる純先生へのマイナス感情を、あえて悪態を吐くことで自分に向ける。そして「悪者」のベクトルを逸らした直後に姿を消したオタメガ、一方のエルシィは足りない子のように両手で数を数えていますよ? まさかこれがオタメガの「攻略作戦」だったとは。

「それじゃ、どうすればいいのよ!」
辛い思い出しかないはずのバスケ部部室に逃げ込んだ純先生は、それでも「部長」と書かれた当時のロッカー、すなわちバスケ部部長として過ごした当時の信念に縋るしかない。ひたすら「理想」を追い続け、周囲に押し付け、しかし何度失敗してもそのやり方しか知らないのだから。
部室から逃げ出し、打ちひしがれてバスケコートに立ち尽くす純先生の所へオタメガが登場。世界に取り残されたような孤独感を肩に置いた手で癒し、ドン詰まりで取り乱す心の叫びを黙って聞いてあげる。さすがオタメガは女の扱いがわかっているなあ。そして向き直ると今後の道を強い口調で示すのです。
「もっと理想を押し付けたらいい」
どれだけ傷付いても孤独でも、お前はやらなければいけない。それは「教師」だから。リアルの壁に躊躇する生徒たちに「理想」を見せ続け、ジャンボ鶴間のように「鑑」とならなければいけないのです。それは一朝一夕で出来ることではなく、これから先も何度も挫折する茨の道だろうけれど、それでもやらなければいけない。「現実」との折り合いを付けるという妥協を完全に廃した結論は、同じように「理想」を追い続けるオタメガらしいです。
初めて自分を認めてもらえた、オタメガの熱い言葉にポポポポポな純先生はオタメガの胸に手を置いてポポポポポ。ぐは! このままキスシーンで駆け魂出現? と思いきやいい所で生徒たちがなだれ込んで「ゴメンナサイ」…何この展開。

前述のとおりこれは全てオタメガの攻略作戦でした。純先生への悪感情をオタメガへシフトさせた後、500カウント待って生徒たちを落ち着かせ、その後体育館へみんなを連れてくる。言い過ぎを反省した生徒たちは体育館でゴメンナサイ、それを聞いた純先生が立ち直って熱血学園ドラマの如き理想的な大団円と…とんでもなくご都合な展開には少々面食らいました。いいのかこれで。一方的に生徒が「折れる」だけでは何も解決していないんじゃ? 唯一の理解者は「同類」の歩美だけでしょう? 「言い過ぎを反省」するのではなく「純先生の思い」を理解しての「ゴメンナサイ」じゃないと意味が無いわけで、もちろんオタメガ的にはそういう意図を含んでの作戦(リアルに絶望しながらリアルに期待していた?)だったのだろうけれど、描写が無ければ強引なご都合展開にしか見えません。ううむ。
その後の教育実習は生徒との関係も良好なまま滞りなく過ごせたようで、賑やかなさよならメッセージに送られて学校を去る純先生。しかし教室にオタメガの姿はありませんでした。結局あの日以来オタメガに会えないまま、純先生はいつもの自転車に乗って学校を後に。すると木(フォールされた木?)の下で待つオタメガとドキドキの再会へ。
「先生、また帰ってきてよ」
さんざん焦らした挙げ句のこのセリフは破壊力抜群で、「もう会えない」としょんぼりしていた純先生は満面の笑顔に。ここ一番のアップはさすが女神作画が効いてます。何というかわいさ! 良い先生になることを誓いながら帰って行く純先生、すると校門の前で足を止め…
「だから、先生じゃない私を見せるのはこれが最後だよ」
サッと駆け寄って背伸びの足元が映ると本作ヒロイン共通のエンディングであるキスシーンへ。このキスシーンを描かないと終わらないのは重々承知だけれど、ここは足元の描写から駆け魂出現へ飛ばしたほうがドラマチックだったような気がします。直接描写よりも想像してニマニマさせる余地が欲しかった。
理想の教師を目指して張り切っていた純先生が現実の壁に阻まれ、過去の記憶と相まって次第に表情を曇らせていく。周囲との温度差から挫折・孤独に陥っていく様子はなかなか辛く、そんな中で「同じ思い」を持つオタメガによって救われる流れ、教師という職業を彼女が崇拝するジャンボ鶴間に例えた後押しなど大筋ではいい話でした。しかし体育館での結末描写があまりに力技すぎて繊細さに欠け、説得力もイマイチだったような気がします。ううむ。前のちひろ編があまりに鮮やかだったので余計に粗が気になってしまうのかもしれませんが…どうにもスッキリしない結末で第二期ヒロイン攻略が終わってしまったのは少々残念気分だったり。

今回のエンドカード(予告バック)はうるし原智志氏。プロレスコスチュームの純先生はほとんどエロゲのポーズみたいな(笑。メッセージボックスでの隠し方が絶妙でありますね。
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