2011-07-24(Sun)

スイートプリキュア♪ #23 ザザ~ン!涙は世界で一番ちいさな海ニャ!

「私はプリキュアになりたい!」

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心のビートはもう止められない。

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帰る所も行く所も無く一人佇むエレン。太陽に手をかざし眩しい光を受けながら、しかし自らを「陽の下に出るべき存在ではない」と考えるエレンの表情は彼女を照らす陽の明るさに反して暗く落ち込んでいました。てな所へ響&奏が現れて声を掛けるもエレンはそそくさと離れてしまう。ここは陽の下から話しかける響&奏と木陰のエレンが二組の立ち位置を表すいい対比になっていますね。

「私にはそんな資格が無い」

プリキュアとして一緒に戦おう!との二人の言葉を頑なに拒絶するエレン。過去に囚われ心を閉ざし、俯いたまま語る表情はセイレーン本来の生真面目さ・これまでの悪行への悔いを感じさせ、一方日向の二人は努めて明るく語りかけるもやはり逃げられてしまった。今回はエレンの善転びターンの締めってことで気合入りまくり、子供アニメとは思えない凝った演出と高橋作監による絶妙な表情描写にアバンっから見入ってしまいます。

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行く所が無いエレンは結局調べの館へ。すると一匹の子猫が近付いて来て…さすが猫同士だけあって相手も警戒しないのか(笑。子猫を抱いて一瞬の笑顔っを見せるエレンの所へ今回のキーキャラであるマモルくんが登場、「猫好き?」「うん!」「そう」とマモルくんが猫好きであることを知って表情を緩めるエレンがかわいい。すると調べの館へマモルくんを探す父ちゃんが飛び込んで来て…今日の館は千客万来だなあ(笑。しかし当のマモルくんはエレンの手を取って物陰へ隠れてやり過ごし、腹の虫の鳴き声を止められないマモルくんとエレンのやり取りでとりあえず一息ほっこり。

一方の響&奏はエレンを説得すべく作戦をいろいろ考えて…「楽しくおしゃべりすればすぐ仲良しニャ」と相変わらず天然マイペースなハミィ、「だよねぇ」と軽い響、餌付け用のカップケーキに自信満々な奏と、あまり考えてないか(笑。するとそこへ件の父ちゃんがカドから走ってきました。食パンくわえた美少女転校生のラッキーパンチラみたいな偶然の出会い、とはいえマモルくんを探す父ちゃんはパンチラを見せる間もなく走り去ってしまいます。

調べの館で一息中のエレン&マモルくんの所へ餌付け隊が到着しました。欠食児童二名にカップケーキを与えながらマモルくんが所持するカバンについて尋問を開始する奏刑事、それは件の父ちゃんの仕事道具で、「それがないとお父さん困るんじゃない?」と響刑事の追及にマモルくんは不機嫌そうに立ち去ってしまう。階段を上りきって振り返るワンカットがいちいち舞台演出っぽく、今回はこんな風に全体に舞台劇っぽい演出が目立ちました。

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館から出て行ったマモルくんを追うみなさんのシーン、遺跡のような大道具に囲まれてのやり取りもこれまたいちいち舞台すぎて凄い。マモルくんがカバンを持って逃げた理由は「船医」として旅立つ父ちゃんに対する抵抗で、長期間離ればなれになる寂しさがそうさせたのでした。「離れていても心が繋がっているから全然寂しくない」と、同じような境遇にある響はテレポートを繰り返しながら説得し、奏も「マモルくんは決して一人じゃない」と続け、さらに「エレンもそう思わない?」と降ります。すると

「私はそうは思わないわ」

壁の影から返されたエレンの言葉は冷めたもので、日向に立っていたマモルくんがエレンの言葉に誘われるように日陰へ移動する流れは彼の心理を見事に描いていましたね。そしてエレンは石台へ上がって冷めた言葉を続けます。帰る所もない、仲間もいない、自分一人で生きていくには強くなるしかない。台上の俯瞰アングルは孤高のエレンを強調し、しかし一瞬入るアップの表情はその寂しさを僅かに窺わせるもの。なにこの繊細すぎるな演出。

「私はひとりぼっち!」

そんなエレンを響&奏は説得するも強い調子で一蹴。心の繋がりなんてちょっとしたきっかけであっけなく消えてしまう、だったら最初から無いほうがマシ…幸せのメロディーの歌姫選考で負けた事をきっかけにハミィとの心の繋がりを無くしてしまった、しかしハミィはそう思っていないんだよね。

エレンの言葉に頷いたマモルくんは一緒に館から離れていく。すれ違い様も後姿を見送る時も何も喋らず黙って見ているハミィが印象的でした。うう泣ける。

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「こんなにたくさん人がいるのに私たちはひとりぼっち」

そのまま街へ出た二人のシーンも凄まじい演出でした。彩度が落とされた街並み・顔が描かれない通行人を背景に呟かれるセリフはエレンの孤独感を強調しまくり、付いて歩くマモルくんもその世界に引きずられてどよんどMAXへ。こんな重苦しい映像を日曜の朝に流していいのか?(笑

ボーッと歩くマモルくんは信号が赤であることに気付かず、間一髪でエレンに手を引かれて助かるもカバンを放り投げてしまい…飛んだカバンへ駆け寄るカットのアングルもいちいち凝ってます。そのカバンからこぼれ落ちた手作りの猫マスコットは父ちゃんの手によるもので、しばらく離ればなれになってしまう息子への思いが込められた品でした。父ちゃんのそんな思いにようやく気付いたマモルくんはあっさり改心、そしてエレンへ逆襲を仕掛けます。

「ねえ、お姉ちゃんにも本当はいるんでしょ? 大好きな人、大好きになりたい人」

ぼっち仲間の本心を聞いたエレンが浮かべたみんなの顔。ハミィが大好き、そして響&奏を大好きになりたい。自分の中にあった正直な思いに気付き、「戻ろっか」とはにかむ表情は極上の一瞬でしたね。かわいい! かわいすぎる! ここで横断歩道の赤信号が青に変わる信号演出も気が利いてます。ほんとに子供アニメかこれ。

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納まる所へ納まったマモルくん親子を見守りながら、しかし自分のことになると俯いてしまうエレン。するとそこへハミィは「必ず戻ってくるって知ってたニャ」と。セイレーンとは昔からずっと心が繋がっている、戻ってくるのがわかっていたから去って行った時も何も言わなかった。ハミィさんかっこいい!

なーんていいシーンをぶち壊すべく現れたマイナーズのみなさん。ハミィ視点のローアングルがエレンの絶対領域を以下略。体を固めるエレンの脇をつかつかと歩んで前へ出る響&奏は戦隊ヒーローっぽい? というわけで絶対に許さない二人はプリキュアへ変身です。

さすがシリーズ中盤の盛り上げどころだけあって今回のアクションもなかなか見応え、火花散るファーストコンタクトからスタッと着地するとダッシュで再び飛びかかり、ネガトーンに翻弄されながら諦めない! 負けない!

「何であの二人はあんなにがんばれるの?」
「守りたいもののために全力でがんばる。力を合わせる。それがハーモニーパワー」
「それがプリキュア…」

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プリキュアの何たるかを目の前で見ながら、容赦無く続くネガトーンの攻撃に嘆くエレン。酷いことはもうやめて! しかしそんなエレンへバスドラさんも容赦無しです。酷い? 貴様も今までさんざんやってきたことではないか。

古傷を抉るバスドラさんにエレンは返す言葉も無く、手にしたモジューレも落としてしまいます。そのモジューレがハミィの足元へ転がり、エレンを優しく諭す流れは私の涙腺堤防を破壊するに十分でした。ほんと凄いな今回の演出は。

「セイレーンは今、どうしたいニャ?」

心の絆を私はもう、二度と壊したくない。
そのための力が、その資格が
この私にあると言うのなら
私はプリキュアになりたい!

過去の悪行に囚われ閉ざしていた心を解放したエレン。今すべきこと今できることをしたい、心の絆を守るため私はプリキュアになりたい。セリフに合わせたカット割りはエレンの心の叫びを十二分に描き、聞いてる私の心にもダイレクトに伝わってきて…ただでさえ涙目進行の私は画面が滲んで何も見えませんよ! 

そして今度こそ本当の変身へ。

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かっこよろしい変身バンクを抜けるとアホ毛を弾いてギャーーン!とギターのディストーション音が響いて「心のビートは止められない」とキメ。あのアホ毛は音が出るのか! さすがお披露目期間はビート無双で、ネガトーンフルボッコの後、マイナーズの人間ロケットを受けてもラブギターロッドによる「ビートバリア」で防ぎ、さらに「ビートソニック」で自在な攻撃と攻守兼ね備えた得物を登場二回目で使いこなしちゃってます。さすがプリキュアシステム。しかしこの性能は先輩二名の得物を軽く凌駕してますね。ギターロッドを構えての着地からビートソニックの発動ターンは無駄にかっこよろしい、というかこれ何て音撃斬?(笑

一瞬の隙を突いて襲ってくるネガトーンを援護で防くメロディ&リズム。目と目で通じ合う瞬間のビートの表情変化がこれまた素晴らしい。そしてハートフルビートロックでフィナーレ。

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「涙は世界で一番ちいさな海」

船医として出発する父ちゃんを見送るマモルくん。その心の絆を目の当たりにしたエレンは思いがけず涙を落とし、すると音吉さんがどこからともなく現れてアンデルセンの言葉を呟きます。あなたいったい何者なんだ?(笑

心に海があるならば誰かと繋がることができる。だって地球は丸いんだもん! と言ったかどうだか知らないけれどみなさん揃って水平線を望む夕陽の海へ。ここでエレンは自分の弱さを語り、プリキュアになることの恐れを涙ながらに告白します。その恐れから震える手をギュッと握り「エレンはもう一人じゃない」と微笑む響&奏はどんだけ心強いか。さらに「言いたいことは全部言っちゃえば?」と促されて夕陽の海へ向かって懺悔を叫ぶ。

「ごめんなさい! 今まで酷い事をして、たくさんの心の絆を壊して、ごめんなさい! でもこれからは守るから、心の絆を守っていくから、だから私もハミィやみんなと、心と心で繋がりたい!」

海へ向かって叫ぶ、という昭和の青春ドラマな演出をこれほど真正面から見るのはいつ以来だろうか。プリキュアシリーズに夕陽の締めは定番だけれどこれほどベタな夕陽シーンは初めてなんじゃ?(笑。とはいえエレンの懺悔をはっきり言葉に表したのは良かった。これまで行ってきた「悪いこと」をきちんと反省し、仲間と共にやり直すエレンの姿はは小さいお友達への教育的意味もありそう。がんばれエレン!

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エンドカードは久しぶりにキュアビート以外の絵です(笑。このところシリアスが続いたのでたまには緩い話を見たいかも。次回は浜辺が舞台のようですがプリキュアシリーズの掟により水着シーンは無いのだろうな。

     

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はじめまして!

初コメント&TB失礼します。
「あおいろ部屋」のさかいと申します^^
このたび、リンクも貼らせていただきました。
よろしくお願い致します!

さて、スイートプリキュア♪23話の記事を
読ませていただきました!
今回は本当に演出が秀逸でっ…!
エレンとマモル君の街での重すぎるシーンは
もうどうしようかと…。
夕陽のシーンまで観て、ようやく安心しました今回。。

来週は海で、楽しいシーンも見られそうですが。
やはり!水着はナシでしょうねえ(笑)
固い掟です…。

Re: はじめまして!

>さかいさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
今回はさながら舞台劇のような濃い演出の連続でした。あまりに凝りすぎていてこれが「プリキュア」であることを忘れてしまうほど。これまでさんざん悪行を働いてきたセイレーンの転身を見事に描いてくれましたね。ここまで見続けてきてよかったです。

次回は海へ行くようですが例の掟によりもちろん水着シーンは無いでしょう。子供だって海へ行けば水着になるだろうに…頑なに水着を否定するのは返って不自然ですよねえ。というかメロディの衣装なんて水着より際どいような(笑
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