2011-08-22(Mon)
花咲くいろは #21 蘇る、死ね
「徹さんと付き合ってあげて!」

風呂場でのキャットファイトは意外な方向へ。

冒頭は女将部屋でしんみりの年寄り二人。深々と頭を下げる豆じいへ「そうかい」と返す女将、いったい何が起きているのか? 先の「息子さん」が関係している? 歳も歳なのでそろそろ潮時ってことかもしれません。そして創業以来のパートナーである豆じいの引退を機に女将は何か心に決めたのかも。
その一方で脳天気にハッピーなお二人さん。プールでのアレが決定打になったのかいきなり結婚ですって!? 世界に入っちゃってる二人を見守る喜翆荘ガールズのリアクションがいい味出しすぎ…この巴さんの表情だけで丼飯三杯いけそう(笑
てな所へ不機嫌そう(いつもどおりか)な女将さんが登場しました。女将さんはおめでたいバカップルへ「好きにすればいい」と言い放つと目も合わさずに本館を出て行き、しかし崇子さんは靴も履かずに追いかける。
「結婚するなら必ず式を挙げること」
式はやらないと宣言していた二人へ女将さんは許す条件「式を挙げること」を告げます。喜翆荘の番頭としての体面を守れ、それがわからないようではまだ任せられないと。今どきは籍だけ入れてオシマイ、宴をやるにしても身内だけってなパターンが多いけれど、こういうコミュニティにてそれは許されないのだなあ。只でさえ閑散としている旅館なのに映画の件で台所事情はさらに火の車のはず、なのに体面を重んじなければならないとは大変です。
まかないを食べながらホテルのブライダルプランの金額を呟く崇子さん、160万円と聞いて緒花は思わず声を上げます。まあ月給弐万円の緒花にとって160万円という金額は天文学的数字だろうね(笑。しかし貧乏旅館の番頭はともかく、適齢期の独身女性である崇子さんはそのくらいの貯金があるだろうに…インチキコンサルでは貯金も無いか。間違いなく巴さんは貯め込んでいそうだけど(笑
「そうだ! 喜翆荘でパァッと二人の結婚式をしましょう!」
すると緒花は豆じいのつぶやき「ここで…」から喜翆荘での挙式を提案しました。通常業務に差し障ると反対する崇子さん、しかし蓮さん&巴さんの機転でこれもクリアしみなさん一気に盛り上がりです。特に宴会料理を任された徹さんは張り切りまくり、まかないもそこそこに民子を連れて市場の下見に出掛けます。張り切る徹さんを見る民子の目がオトメすぎてナントモ。

市場へ着いても徹さんはテンション上がりっぱなし。宴会料理のアイデアに先のオムライスの話が出て一瞬ドキリの民子、しかし徹さんは「鯉の洗いに酢味噌でLOVE」とキッツイ料理を発案しちゃってさすがの民子も絶句です。酢味噌て(笑。それでも民子は張り切る徹さんを見てじつに嬉しそう、帰り道の車中でもドキドキは止まりません。子供好きの徹さんから「五人くらい欲しい」と聞かされた民子は顔を背けて複雑な表情、あははは! しかし徹さんはそんな民子の様子を誤解している?
子供の話の後に不意に音楽を止め「寄ってくか?」と誘う言葉の次に現れたホテルの看板、ドキドキ慌てながらも拒否しない民子ってば! そして二人はめくるめく官能の世界へ…は行かず、ハンドルを切った先は浜辺でありました。まあそんなところだろう。
最近様子がおかしい民子をして「仕事の悩み」と勘違いした徹さんは板場の先輩として暖かいアドバイスを語り、もちろんそれは的外れもいいところなのだけれど、「気にしてくれている」ことが嬉しい民子がオトメすぎて辛い。ああもう! そんな民子は結婚式への意気込み・徹さんと一緒に成功させたいという思いを叫び、成功の暁には…と考えたタイミングで一番聞きたくない名前を聞いてしまった。
「パァッと盛り上げる? 緒花みたいなこと言いやがって」
徹さんの中にいる緒花の大きさを思いがけず突き付けられてしまった民子。名前を聞いた瞬間に民子の表情が変わり、波が寄せ、邪心の無い徹さんの表情、呆然と聞く民子の表情、そして魂が抜けたような後姿の演出は民子のショックをこれでもか!の勢いで叩き付けてきます。きっつー。何という垂直落下。

その頃喜翆荘では緒花&菜子が招待状の準備をしながら「余興」についてアレコレ、すると次郎丸がやってきて「寸劇」を提案。その台本を読んだ菜子は見る見る表情を変えて「妊娠する~!」と逃げてしまいました。読んだだけで妊娠する文章ってどんなやねん(笑
なんてやってるうちに喜翆荘へ戻った二人を出迎える緒花。徹さんと軽い調子で話しているだけでも噴飯ものだろうに、先のこともあって民子は緒花を完全シカトであります。もちろん緒花はわけがわからず…勝手な嫉妬に振り回される緒花が気の毒でした。しかしこれはまだまだ序章。
次郎丸のエロシナリオを「変なの触っちゃった…」とは菜子も言うなあ。えんがちょ扱いか(笑。そのまま事務室の前を通り掛かった菜子は中で言い合う「ドレスと指輪」の話を聞いてしまった? ここでドレスの話を聞いたことで後のカーテンドレスを思いつくのだろうね。一人の時やエニシングの前では表情を曇らす崇子さんが従業員の前では全く匂わせずいつもの調子で振る舞う辺り大したもの、さすが一応経営コンサルだけあって経営者の心構えもわかってる?
普段ならば楽しい楽しい風呂シーンですが今回のいろはは見ていて辛い、きっついヒステリーキャットファイトの一幕でありました。髪を洗う民子が緒花に気付いての目つきがいきなり狂犬、わけがわからず話しかける緒花へ問答無用の全砲門オープンから一斉掃射、一方的に言われっぱなしの緒花はさすがに気の毒でした。傍から見れば勝手に嫉妬して勝手に当たり散らして勝手に自己完結している民子は痛々しさを通り越して「面倒くさい子」にしか見えません。何という生々しい「女」の描写…さすが岡田脚本としか。
徹さんの幸せを願うあまりに「徹さんと付き合ってあげて!」と叫ぶ民子。しかしそれじゃ民子の気持ちはどうなるの? 徹さんのこと好きなんでしょ? と詰め寄られると思考がオーバーフローして逃げ出すしかありません。突き飛ばされた緒花のケツが意外と柔らかそう(関係なし
「死ね!」
ホビロンと言い換える余裕も無くした民子の叫び。言われた緒花以上に民子は辛いだろうね。

翌日の民子は板場にて失敗を続けては牙を剥き、学校でも緒花を完全シカトと野良犬っぷりを遺憾なく発揮しております。一方あんな目に遭ってなお民子へ近付く緒花ってスゲエ。いい意味で。
さすが空気を読む天才たる結名姫は緒花をフォロー、「タマゴ焼き分けてあげる」と元気付けるセリフも優しいけれどやっぱり食い物なのか(笑。すると替えたカーテンが詰まった箱を運ぶ菜子&水野さんと遭遇、菜子のソックスがニーソになってる! というかいつの間にか制服が冬服になってる! 冬服の菜子もエロいなあ(結局それ。箱いっぱいの白いカーテン、もったいないの声に「これ使えないかなあ?」と菜子は何か思いついたようです。
その頃喜翆荘ではマリッジブラウン(違)真っ最中の崇子さんに巴さんは不満たらたら。まあ結婚できるだけ以下略だろうから巴さんの気持ちもわからんでもありません。あはは。ていうか生々しいなあ。混ぜすぎて泡立ってる納豆をして蓮さんと話が合い、たったそれだけでロックオンしちゃう嫁かず後家と、それを感じて電気が走る板長の小ネタは笑った。蓮さん早く逃げて!
というわけで民子を除いた娘たちは白いカーテンを加工して崇子さんのウエディングドレスを作るようです。晴れの舞台にカーテンドレスはどうなのか。しばらく使った品だろうからそれなりに汚れているだろうしなあ。生地も厚くて野暮ったいだろうに…なんて言ったらシマイか。そんなリアルはともかく、崇子さんの結婚式の力になりたいとハサミちょきちょきの菜子はドレス以上に純白なココロを持っていますね。いい子だなあ。こんないい子なのにどうして友達がいないんだろ。
てな会話の一方で黙々と人間ミシンの緒花。あれこれ考え事をしながら自動的に手が動くってのはあるある(笑。無意識の動きなのに驚異的な速さ&仕上がりは普段から手縫いに慣れているからでしょう。「文明の利器は苦手」と言いつつケータイは別、そういや修学旅行先の配膳コンテナに興味津々だったのはどういうことだろ。あそこでコンテナを否定してればこのシーンに説得力が増しただろうに。

本編のあちこちで事あるごとに表情を曇らせていた崇子さんはついに女将さんへ「結婚の白紙」を申し出ました。指輪の算段に必死なエニシングを始めとして喜翆荘の面々に無理をかけている現状が辛く、もちろん本丸たる女将さんの様子に崇子さんは「自分が認められていない」と考え、結婚を白紙にしたいと結論に至ったのでしょう。
しかし女将さんは黙って席を立つと仏壇から袱紗包みを取り出して崇子さんへ。それは亡き旦那からもらったという翆の指輪でした。これを渡すということは、つまり女将さんは結婚に反対しているわけではなかったのです。
ここで女将さんの若き日の回想へ。女将さんと旦那は旅館の仲居と板前として出会い、結婚を機に「跡取りがいない旅館」を任されたとのこと。喜翆荘は四十万家代々続く旅館ではなく女将さんが初代だったのですね。仲居と板前とはよくある話ですが、どうにも孫娘のそういうラインを暗示しているようでナントモ。考えすぎ?
「翆、お前が喜ぶ旅館で喜翆荘」
結婚式を挙げる余裕も先立つものも無かったけれど指輪だけは用意してくれた。それが件の翆の指輪で、さらに「喜翆荘」の名の意味がまた泣かせます。さすが女将さんが五回目の正直で落としたってだけあっていい旦那ですなあ。「お前が喜べば俺が嬉しい」なんて男前すぎる。おそらくエニシングはこの指輪の話を知っているからこそ結婚指輪に拘っているのでしょうね。というか女将さんの名前が「スイ」である意味に今まで気付かなかった自分が悔しい。ぐぬぬ。
「本当の一人には絶対にならない、絶対にさせない」
結構あっさり離婚してしまう現代にてこの考え方は些か古風だけれど、そう言い切れる相手と巡り会えた女将さんは例え旦那に先立たれても幸せな人生なのだろうね。そんな母親に育てられた皐月さんの旦那、つまり緒花の父親はどうなっているのか? 死別ではなく普通に離婚していたらどうしましょう。逆に言うとこういう母親だからこそ皐月さんは奔放に育ってしまったのかも。真実はわかりませんが。
女将さんは頭を下げてエニシングの喜びを崇子さんに託す。ダメな子ほどかわいいのかこの辺は母親の顔ですね。思いがけない女将さんの様子に驚く崇子さん、そりゃ驚くだろう。私もこれは驚いた(笑。しかしナミダナミダの感動シーンもここまで。
結婚を反対され、旅館を継がせるつもりも無いと思っていた。女将さんの様子に涙する崇子さんがそう話すと、女将さんは表情をキッと変えて
「そうだね。そのつもりは無いよ」
この「上げて落とす」容赦の無いシナリオは素晴らしすぎて拍手するしか。ラスト数秒でひっくり返してそのまま引く絵に描いたような岡田脚本のパターンです。いい意味で。結婚は許すが喜翆荘を継がせるつもりは無い。これは何を意味するのか。エニシングには継がせず他の誰かに任すのか、それとも一代限りで旅館を畳むつもりなのか。旦那との思い出が詰まった旅館を畳むのは辛いだろうけど、綺麗なまま幕を閉じるという選択も女将さんらしいような気がする。十分「喜び」を貰ったでしょうし、何しろ喜翆荘は「翆が喜ぶ旅館」ですから。
エニシング以外に継がせるルートは皐月さんか緒花か。何だかんだで実家を心配しつつ、女将さんの信頼も厚い皐月さんが帰って来れば丸く収まりそうですが…あの人はそう簡単にはいかないだろうなあ(笑。高校生の緒花が継ぐのは現実的に無理筋、だからと言って最終回ラスト1分で「あれから10年」、声がでかい癖っ毛の若女将が奮闘ってなオチは勘弁ね。
どちらにしても仲居頭の巴さんは引き続き婚活中なのだろうな。
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風呂場でのキャットファイトは意外な方向へ。

冒頭は女将部屋でしんみりの年寄り二人。深々と頭を下げる豆じいへ「そうかい」と返す女将、いったい何が起きているのか? 先の「息子さん」が関係している? 歳も歳なのでそろそろ潮時ってことかもしれません。そして創業以来のパートナーである豆じいの引退を機に女将は何か心に決めたのかも。
その一方で脳天気にハッピーなお二人さん。プールでのアレが決定打になったのかいきなり結婚ですって!? 世界に入っちゃってる二人を見守る喜翆荘ガールズのリアクションがいい味出しすぎ…この巴さんの表情だけで丼飯三杯いけそう(笑
てな所へ不機嫌そう(いつもどおりか)な女将さんが登場しました。女将さんはおめでたいバカップルへ「好きにすればいい」と言い放つと目も合わさずに本館を出て行き、しかし崇子さんは靴も履かずに追いかける。
「結婚するなら必ず式を挙げること」
式はやらないと宣言していた二人へ女将さんは許す条件「式を挙げること」を告げます。喜翆荘の番頭としての体面を守れ、それがわからないようではまだ任せられないと。今どきは籍だけ入れてオシマイ、宴をやるにしても身内だけってなパターンが多いけれど、こういうコミュニティにてそれは許されないのだなあ。只でさえ閑散としている旅館なのに映画の件で台所事情はさらに火の車のはず、なのに体面を重んじなければならないとは大変です。
まかないを食べながらホテルのブライダルプランの金額を呟く崇子さん、160万円と聞いて緒花は思わず声を上げます。まあ月給弐万円の緒花にとって160万円という金額は天文学的数字だろうね(笑。しかし貧乏旅館の番頭はともかく、適齢期の独身女性である崇子さんはそのくらいの貯金があるだろうに…インチキコンサルでは貯金も無いか。間違いなく巴さんは貯め込んでいそうだけど(笑
「そうだ! 喜翆荘でパァッと二人の結婚式をしましょう!」
すると緒花は豆じいのつぶやき「ここで…」から喜翆荘での挙式を提案しました。通常業務に差し障ると反対する崇子さん、しかし蓮さん&巴さんの機転でこれもクリアしみなさん一気に盛り上がりです。特に宴会料理を任された徹さんは張り切りまくり、まかないもそこそこに民子を連れて市場の下見に出掛けます。張り切る徹さんを見る民子の目がオトメすぎてナントモ。

市場へ着いても徹さんはテンション上がりっぱなし。宴会料理のアイデアに先のオムライスの話が出て一瞬ドキリの民子、しかし徹さんは「鯉の洗いに酢味噌でLOVE」とキッツイ料理を発案しちゃってさすがの民子も絶句です。酢味噌て(笑。それでも民子は張り切る徹さんを見てじつに嬉しそう、帰り道の車中でもドキドキは止まりません。子供好きの徹さんから「五人くらい欲しい」と聞かされた民子は顔を背けて複雑な表情、あははは! しかし徹さんはそんな民子の様子を誤解している?
子供の話の後に不意に音楽を止め「寄ってくか?」と誘う言葉の次に現れたホテルの看板、ドキドキ慌てながらも拒否しない民子ってば! そして二人はめくるめく官能の世界へ…は行かず、ハンドルを切った先は浜辺でありました。まあそんなところだろう。
最近様子がおかしい民子をして「仕事の悩み」と勘違いした徹さんは板場の先輩として暖かいアドバイスを語り、もちろんそれは的外れもいいところなのだけれど、「気にしてくれている」ことが嬉しい民子がオトメすぎて辛い。ああもう! そんな民子は結婚式への意気込み・徹さんと一緒に成功させたいという思いを叫び、成功の暁には…と考えたタイミングで一番聞きたくない名前を聞いてしまった。
「パァッと盛り上げる? 緒花みたいなこと言いやがって」
徹さんの中にいる緒花の大きさを思いがけず突き付けられてしまった民子。名前を聞いた瞬間に民子の表情が変わり、波が寄せ、邪心の無い徹さんの表情、呆然と聞く民子の表情、そして魂が抜けたような後姿の演出は民子のショックをこれでもか!の勢いで叩き付けてきます。きっつー。何という垂直落下。

その頃喜翆荘では緒花&菜子が招待状の準備をしながら「余興」についてアレコレ、すると次郎丸がやってきて「寸劇」を提案。その台本を読んだ菜子は見る見る表情を変えて「妊娠する~!」と逃げてしまいました。読んだだけで妊娠する文章ってどんなやねん(笑
なんてやってるうちに喜翆荘へ戻った二人を出迎える緒花。徹さんと軽い調子で話しているだけでも噴飯ものだろうに、先のこともあって民子は緒花を完全シカトであります。もちろん緒花はわけがわからず…勝手な嫉妬に振り回される緒花が気の毒でした。しかしこれはまだまだ序章。
次郎丸のエロシナリオを「変なの触っちゃった…」とは菜子も言うなあ。えんがちょ扱いか(笑。そのまま事務室の前を通り掛かった菜子は中で言い合う「ドレスと指輪」の話を聞いてしまった? ここでドレスの話を聞いたことで後のカーテンドレスを思いつくのだろうね。一人の時やエニシングの前では表情を曇らす崇子さんが従業員の前では全く匂わせずいつもの調子で振る舞う辺り大したもの、さすが一応経営コンサルだけあって経営者の心構えもわかってる?
普段ならば楽しい楽しい風呂シーンですが今回のいろはは見ていて辛い、きっついヒステリーキャットファイトの一幕でありました。髪を洗う民子が緒花に気付いての目つきがいきなり狂犬、わけがわからず話しかける緒花へ問答無用の全砲門オープンから一斉掃射、一方的に言われっぱなしの緒花はさすがに気の毒でした。傍から見れば勝手に嫉妬して勝手に当たり散らして勝手に自己完結している民子は痛々しさを通り越して「面倒くさい子」にしか見えません。何という生々しい「女」の描写…さすが岡田脚本としか。
徹さんの幸せを願うあまりに「徹さんと付き合ってあげて!」と叫ぶ民子。しかしそれじゃ民子の気持ちはどうなるの? 徹さんのこと好きなんでしょ? と詰め寄られると思考がオーバーフローして逃げ出すしかありません。突き飛ばされた緒花のケツが意外と柔らかそう(関係なし
「死ね!」
ホビロンと言い換える余裕も無くした民子の叫び。言われた緒花以上に民子は辛いだろうね。

翌日の民子は板場にて失敗を続けては牙を剥き、学校でも緒花を完全シカトと野良犬っぷりを遺憾なく発揮しております。一方あんな目に遭ってなお民子へ近付く緒花ってスゲエ。いい意味で。
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その頃喜翆荘ではマリッジブラウン(違)真っ最中の崇子さんに巴さんは不満たらたら。まあ結婚できるだけ以下略だろうから巴さんの気持ちもわからんでもありません。あはは。ていうか生々しいなあ。混ぜすぎて泡立ってる納豆をして蓮さんと話が合い、たったそれだけでロックオンしちゃう嫁かず後家と、それを感じて電気が走る板長の小ネタは笑った。蓮さん早く逃げて!
というわけで民子を除いた娘たちは白いカーテンを加工して崇子さんのウエディングドレスを作るようです。晴れの舞台にカーテンドレスはどうなのか。しばらく使った品だろうからそれなりに汚れているだろうしなあ。生地も厚くて野暮ったいだろうに…なんて言ったらシマイか。そんなリアルはともかく、崇子さんの結婚式の力になりたいとハサミちょきちょきの菜子はドレス以上に純白なココロを持っていますね。いい子だなあ。こんないい子なのにどうして友達がいないんだろ。
てな会話の一方で黙々と人間ミシンの緒花。あれこれ考え事をしながら自動的に手が動くってのはあるある(笑。無意識の動きなのに驚異的な速さ&仕上がりは普段から手縫いに慣れているからでしょう。「文明の利器は苦手」と言いつつケータイは別、そういや修学旅行先の配膳コンテナに興味津々だったのはどういうことだろ。あそこでコンテナを否定してればこのシーンに説得力が増しただろうに。

本編のあちこちで事あるごとに表情を曇らせていた崇子さんはついに女将さんへ「結婚の白紙」を申し出ました。指輪の算段に必死なエニシングを始めとして喜翆荘の面々に無理をかけている現状が辛く、もちろん本丸たる女将さんの様子に崇子さんは「自分が認められていない」と考え、結婚を白紙にしたいと結論に至ったのでしょう。
しかし女将さんは黙って席を立つと仏壇から袱紗包みを取り出して崇子さんへ。それは亡き旦那からもらったという翆の指輪でした。これを渡すということは、つまり女将さんは結婚に反対しているわけではなかったのです。
ここで女将さんの若き日の回想へ。女将さんと旦那は旅館の仲居と板前として出会い、結婚を機に「跡取りがいない旅館」を任されたとのこと。喜翆荘は四十万家代々続く旅館ではなく女将さんが初代だったのですね。仲居と板前とはよくある話ですが、どうにも孫娘のそういうラインを暗示しているようでナントモ。考えすぎ?
「翆、お前が喜ぶ旅館で喜翆荘」
結婚式を挙げる余裕も先立つものも無かったけれど指輪だけは用意してくれた。それが件の翆の指輪で、さらに「喜翆荘」の名の意味がまた泣かせます。さすが女将さんが五回目の正直で落としたってだけあっていい旦那ですなあ。「お前が喜べば俺が嬉しい」なんて男前すぎる。おそらくエニシングはこの指輪の話を知っているからこそ結婚指輪に拘っているのでしょうね。というか女将さんの名前が「スイ」である意味に今まで気付かなかった自分が悔しい。ぐぬぬ。
「本当の一人には絶対にならない、絶対にさせない」
結構あっさり離婚してしまう現代にてこの考え方は些か古風だけれど、そう言い切れる相手と巡り会えた女将さんは例え旦那に先立たれても幸せな人生なのだろうね。そんな母親に育てられた皐月さんの旦那、つまり緒花の父親はどうなっているのか? 死別ではなく普通に離婚していたらどうしましょう。逆に言うとこういう母親だからこそ皐月さんは奔放に育ってしまったのかも。真実はわかりませんが。
女将さんは頭を下げてエニシングの喜びを崇子さんに託す。ダメな子ほどかわいいのかこの辺は母親の顔ですね。思いがけない女将さんの様子に驚く崇子さん、そりゃ驚くだろう。私もこれは驚いた(笑。しかしナミダナミダの感動シーンもここまで。
結婚を反対され、旅館を継がせるつもりも無いと思っていた。女将さんの様子に涙する崇子さんがそう話すと、女将さんは表情をキッと変えて
「そうだね。そのつもりは無いよ」
この「上げて落とす」容赦の無いシナリオは素晴らしすぎて拍手するしか。ラスト数秒でひっくり返してそのまま引く絵に描いたような岡田脚本のパターンです。いい意味で。結婚は許すが喜翆荘を継がせるつもりは無い。これは何を意味するのか。エニシングには継がせず他の誰かに任すのか、それとも一代限りで旅館を畳むつもりなのか。旦那との思い出が詰まった旅館を畳むのは辛いだろうけど、綺麗なまま幕を閉じるという選択も女将さんらしいような気がする。十分「喜び」を貰ったでしょうし、何しろ喜翆荘は「翆が喜ぶ旅館」ですから。
エニシング以外に継がせるルートは皐月さんか緒花か。何だかんだで実家を心配しつつ、女将さんの信頼も厚い皐月さんが帰って来れば丸く収まりそうですが…あの人はそう簡単にはいかないだろうなあ(笑。高校生の緒花が継ぐのは現実的に無理筋、だからと言って最終回ラスト1分で「あれから10年」、声がでかい癖っ毛の若女将が奮闘ってなオチは勘弁ね。
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