2011-08-27(Sat)
バカとテストと召喚獣にっ! #08 ウチと日本と知らない言葉
「私と友達になってくれませんか?」

孤立した美波を救った明久の優しさ。
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孤立した美波を救った明久の優しさ。
第一期は連載レビューしていたけれど今期は木曜深夜の激戦区ってことで視聴のみで茶を濁していた本作、まったく関東の木曜深夜は地獄だぜ! それはともかく今回のバカテス、風呂騒動も一段落した前回引きの衝撃のキスシーンからどうするどうなる?とドキワクが止まらず録画分を再生してみたら…いきなり時間が一年巻き戻って、言葉の壁に苦しみ孤立する美波とその状況に手を差し伸べる明久の底抜けな優しさに私の涙腺堤防は決壊しまくり、なにこのいい話! というわけで今回だけ突発レビューを書きます。これは書かずにいられない。ちなみに原作はコミックも含めて未読です。

まずは一年前の来日前の様子から。本人的には気が進まないけど妹ちゃんのために来日を決意した美波は不安を抱えながら入学式に臨み、そしてクラスでの自己紹介にて失敗をしてしまいます。タダでさえ難しい日本語の難易度を「漢字」の存在が飛躍的に高めているのは周知のとおり、教壇へ立って自己紹介の時、美波は自分の名前を「美彼」と書き間違えてしまったのです。カタコトの日本語で自己紹介をしながらクラスメイトの妙な雰囲気を察し…この悪意に満ちた嘲笑の描写がいきなり凄い。そして教師の遠回しな指摘に「字を間違えたこと」に気付くと慌てて消して横文字で書き直す美波、これをして「日本人の陰湿さ」と言ってしまうのは極端だけれど確かにそういうところありますよね。何だかいきなり胃が痛い。

雄二、ムッツリーニ、秀吉とおなじみのメンツの自己紹介が続いて明久の順番がきました。って何でセーラー服着てんだ? ヘソチラがかわいい!? それまで登場した個性的(?)なクラスメイトは父親の言葉を反芻しながら自分を納得させていた美波も、さすがに明久のスタイルはフォローのしようが無くブチ切れ。あはは。最悪のファーストインプレッションです。
その後美波は帰国子女の物珍しさからクラスメイトに囲まれて質問攻め、しかし日本語がよくわからない美波は戸惑うばかりでした。バカテスはモブの顔を描かないことが多いけれど、このシーンはその「無表情」が美波の受ける戸惑いの演出に効いていました。何を言っているのか聞き取れない集団が無表情で迫ってくる、美波はこの時どれほど戸惑い・恐怖・孤立を感じただろう。
「DA…ダマリナサイ、ブタドモ」
その状況を打破すべく美波は朝方に見かけた美春の言葉、まとわりつく連中を一瞬で鎮めた言葉を思い出してクラスメイトのみなさんへ…いやいやいやそれは引用元が悪かった(笑。もちろんみなさん一瞬でドン引き、これにて美波は初日早々クラスで孤立してしまいました。あらら。

すっかり孤立してしまった美波を見つけた明久は教科書に書かれた「島田美彼」の文字にここで気付いた? ああもうイイ奴だなあ! 一人寂しく帰路に就く美波に声を掛けた明久、しかし美波はその声の主がセーラー服男と知るとどよんどMAXです。
てなところへ雄二が登場。出口を塞いでいる「バカ」を怒鳴る様子やその後の会話など最初は犬猿だったのだなあ。今も大して変わらんか(笑。「人を見た目と中身だけで判断するな!」ってなじつに明久らしい返しからの言い合いは腹抱えた。確かにそれ以上の判断材料はいらないね。そんな不毛な会話に呆れてフェードアウトする美波の気持ちもわかります。
その後トイレの男女で秀吉に翻弄(?)され、日本の習慣もわからず、言葉もわからず、わけがわからない中でいろんなことが起きまくる学校生活初日に美波は頭グルグルです。外へ出て校舎を見上げる煽りアングルの背景に流れる雲は美波の心のざわめきを示している? まあ雲よりもミニスカから伸びる脚に視線が行ってしまう…のはムッツリーニと私が同レベルということか!?(笑
帰宅後の家族との会話。心配させまいと空元気の美波へ「たくさんお友達ができるといいね」と笑顔の妹ちゃんが見ていて辛い。辛すぎる。この笑顔は美波の薄いムネをさらに抉ったことでしょう(大きなお世話

入学から一週間経って授業も本格的に始まりました。しかし日本語がわからない美波は現国の授業もわけがわからず、さらに古典ともなれば言うまでもありません。そんな古典の授業風景にて明久はバカっぷりを遺憾なく発揮、周囲の笑いに釣られて美波も明久を笑ってしまうけれど、ふと視線を落としたノートの内容、そして教科書の「美彼」の文字を見て我に返ります。自分は明久のことを笑えない、彼以上に日本語がわからないという現実を叩き付けられて落ち込む美波の表情は胃に来ます。きつー。
拷問のような授業が終わって美波は一人帰宅の途へ。すると明久がそんな美波に声を掛けました。「島田さん、どこ行くの?」。対する美波の返答「ワタシ」を「What a Sea?」と聞き間違え…そこから先の「言語の壁」の描写はあまりのリアリティに画面から目を離せず。

相手が何を言っているのかわからない。明久が何を言ってもそれは「言語」ではなく気持ち悪い「音」として美波の頭を浸食し…セリフの度に歪みを増す明久の映像と、真っ白になった美波が日本語の渦に黒く染まっていく演出は強烈すぎて見ているだけで動悸が速まっちゃいます。わからない言語でまくし立てられたら確かにこんな風になっちゃうかもしれない。凄いな今回。
日本語ができないことをバカにされていると勘違いした美波は怒り心頭、しかし明久はめげずに話し掛け、意を決したように何かを喋り始めます。とはいえ頭がグルグルの美波には全く通じず、グッと拳を握り締めると赤バックがパリンと割れて「ワカリマセン!」と叫んでサッサと帰ってしまいました。このシーンって明久の思いを知った後の二周目に見ると切なさ無限大ですなあ。
「どうしたらいいの?」
「どうしてみんなウチのことわかってくれないの?」
「こんなに一生懸命なのに。」
「もしかして、みんな、ウチのこと嫌いなのかな?」
「本当はここにいるべきじゃないのかな?」
帰宅後の美波は妹ちゃんの問いかけに笑顔を返し…しかしそんな笑顔と裏腹に、バックに流れるテレビドラマの音声は美波の「本心」そのものでした。言葉では「とても面白かったよ」「いい友達がいっぱいできたよ」「日本はいいところだよ」と返しながら心で泣いている美波、妹ちゃんを心配させまいと必死の笑顔で本心を隠す様子は見ていて辛い。

暗転の中から美波の机だけ浮かび、その反対側から次々と現れる机や教室の風景。美波の孤立を際立たせるこの演出も凄い。こうなってしまったのは入学式の日に名前の漢字を間違えてしまったから…そんなことを思い出しながらふと見た教科書の名前が「美波」と修正されていました。直した覚えは無いのにいったい何故? なんてタイミングで明久が再び美波の前へ現れ、またしても謎の言葉をしゃべり続けています。その言葉の最後に聞き取れた「モナミ」、私はモナミじゃないミナミだ、名前も覚えられないくせに馴れ馴れしくするな! そして美波はいつまでも止まらない明久の喋りに怒りが爆発!
「ハナシカケルナバカ!」
「What a shit man you are!」
必死の叫びも上手く伝わらず、思わず英語で罵声を飛ばすもこれも伝わらず。いやここは明久の超解釈を褒めるべきか。
WA TA SHI HA MAN YOU HA?
僕も男だけど…それじゃ島田さんって男?
違うんだ島田さん! 別に僕は島田さんの胸が小さ(略
日本語がわからないのに「胸が小さい」の部分だけきっちり聞き取ってアームロックの美波スゲエ(笑

怒って帰る美波に雄二が一言「あいつが言ったこと、調べてみろよ」と。まだ浅い付き合いながら明久の本質をズバリ見抜いている雄二おそるべし。頭が良い雄二の事だから明久の言っている意味がわかっていたのかも? 自宅へ戻った美波は勉強机に向かいながら英和辞典を開いて「明久が言ったこと」を調べ始め、しかし美波の辞典には聞き取った言葉が載っていません。ベッドに転がってあれこれ考える美波の脚が! キワキワ! それはともかく「モナミ」という言葉からそれがフランス語であることに気付き、美波は学校の図書室へ言葉の意味を調べに走ります。「ミナミ」と「モナミ」の引っ掛けをこんな形で生かしてくるとは。

図書館に仏独辞書が無かったため、まず英語に訳してからドイツ語へ訳すことに。スペルも発音もおぼろげながら明久の言葉を書き出し、美波は半ば意地になって翻訳を進めていました。そして少しずつ英訳が進み…単語ごとに訳される度「鎖」が砕けていく演出はこれまた凄かった。頑なだった美波の心は単語の意味を知るごとに少しずつ解き放たれ、やがて心を縛っていた鎖が全て砕けるとその全文が明らかになりました。
「私と友達になってくれませんか?」
ウザがられても怒鳴られても明久は「美波と友達になりたい」と繰り返していたのです。日本語がわからず孤立してしまった美波のために、日本語すらろくにわからない頭なのに一生懸命フランス語を調べて(ドイツ語と間違えたけど)声を掛けてくれた。明久ってば何て愛すべき馬鹿なんだ! いい意味で。
言語の壁を越えて明久の優しさが美波へ伝わり、美波は涙を落としながら「ワタシトトモダチニナッテクレマセンカ?」とカタコトの日本語で練習する。これは泣ける。というか涙で画面が見えません。まさかバカテスを見て号泣させられるとは。

明けて翌日の教室にて登校してきた明久を満面笑顔で迎える美波。明久にグッと近付いてカタコトの日本語で何か言いたそうです。指を添えた唇のアップが色っぽい! 「ワタシ」を「What a shit?」と聞き間違えて焦る明久へ笑顔で否定、そして指をくるくるさせながらあれこれ考える表情もかわいすぎて鼻血出そう。なにこのかわいさ。私は別に美波好きというわけではなかったけれどこれにはやられた。この仕草を見て何も感じるなという方が無理です。
こういう見せ場のカットをぬるぬる動かす演出を含めて今回は全体にシャフトっぽい作り、というかefっぽい感じでした。今回絵コンテ・演出・作監・原画を担当した坂本隆氏、これほど個性的なコンテを切りながら作監もこなせる人なら記憶に残っていそうなものだけれど憶えもなく、さりとて名前をググっても全くヒットせず、いったいこの人は何者なのだろう。シャフト関係者の二つ名だろうか。知ってる人は教えてください。
「ウチは-」
思案の後に発した一人称、なるほど美波が自分のことを「ウチ」と呼称しているのは「ワタシ」の発音が苦手だった頃の名残でしたか。深いなあ。「ウチは-」に続く言葉は…まあ野暮な事は言いっこなしで。さっきまで涙で画面が見えなかったのに今度はニマニマが止まらない。今回のバカテスは何という破壊力か。久しぶりにアニメ見てKOされてしまった。今年末にも話数単位で選ぶ、TVアニメ10選をやるようだったら間違いなくランクインしそうな素晴らしい出来だったと思います。

まずは一年前の来日前の様子から。本人的には気が進まないけど妹ちゃんのために来日を決意した美波は不安を抱えながら入学式に臨み、そしてクラスでの自己紹介にて失敗をしてしまいます。タダでさえ難しい日本語の難易度を「漢字」の存在が飛躍的に高めているのは周知のとおり、教壇へ立って自己紹介の時、美波は自分の名前を「美彼」と書き間違えてしまったのです。カタコトの日本語で自己紹介をしながらクラスメイトの妙な雰囲気を察し…この悪意に満ちた嘲笑の描写がいきなり凄い。そして教師の遠回しな指摘に「字を間違えたこと」に気付くと慌てて消して横文字で書き直す美波、これをして「日本人の陰湿さ」と言ってしまうのは極端だけれど確かにそういうところありますよね。何だかいきなり胃が痛い。

雄二、ムッツリーニ、秀吉とおなじみのメンツの自己紹介が続いて明久の順番がきました。って何でセーラー服着てんだ? ヘソチラがかわいい!? それまで登場した個性的(?)なクラスメイトは父親の言葉を反芻しながら自分を納得させていた美波も、さすがに明久のスタイルはフォローのしようが無くブチ切れ。あはは。最悪のファーストインプレッションです。
その後美波は帰国子女の物珍しさからクラスメイトに囲まれて質問攻め、しかし日本語がよくわからない美波は戸惑うばかりでした。バカテスはモブの顔を描かないことが多いけれど、このシーンはその「無表情」が美波の受ける戸惑いの演出に効いていました。何を言っているのか聞き取れない集団が無表情で迫ってくる、美波はこの時どれほど戸惑い・恐怖・孤立を感じただろう。
「DA…ダマリナサイ、ブタドモ」
その状況を打破すべく美波は朝方に見かけた美春の言葉、まとわりつく連中を一瞬で鎮めた言葉を思い出してクラスメイトのみなさんへ…いやいやいやそれは引用元が悪かった(笑。もちろんみなさん一瞬でドン引き、これにて美波は初日早々クラスで孤立してしまいました。あらら。

すっかり孤立してしまった美波を見つけた明久は教科書に書かれた「島田美彼」の文字にここで気付いた? ああもうイイ奴だなあ! 一人寂しく帰路に就く美波に声を掛けた明久、しかし美波はその声の主がセーラー服男と知るとどよんどMAXです。
てなところへ雄二が登場。出口を塞いでいる「バカ」を怒鳴る様子やその後の会話など最初は犬猿だったのだなあ。今も大して変わらんか(笑。「人を見た目と中身だけで判断するな!」ってなじつに明久らしい返しからの言い合いは腹抱えた。確かにそれ以上の判断材料はいらないね。そんな不毛な会話に呆れてフェードアウトする美波の気持ちもわかります。
その後トイレの男女で秀吉に翻弄(?)され、日本の習慣もわからず、言葉もわからず、わけがわからない中でいろんなことが起きまくる学校生活初日に美波は頭グルグルです。外へ出て校舎を見上げる煽りアングルの背景に流れる雲は美波の心のざわめきを示している? まあ雲よりもミニスカから伸びる脚に視線が行ってしまう…のはムッツリーニと私が同レベルということか!?(笑
帰宅後の家族との会話。心配させまいと空元気の美波へ「たくさんお友達ができるといいね」と笑顔の妹ちゃんが見ていて辛い。辛すぎる。この笑顔は美波の薄いムネをさらに抉ったことでしょう(大きなお世話

入学から一週間経って授業も本格的に始まりました。しかし日本語がわからない美波は現国の授業もわけがわからず、さらに古典ともなれば言うまでもありません。そんな古典の授業風景にて明久はバカっぷりを遺憾なく発揮、周囲の笑いに釣られて美波も明久を笑ってしまうけれど、ふと視線を落としたノートの内容、そして教科書の「美彼」の文字を見て我に返ります。自分は明久のことを笑えない、彼以上に日本語がわからないという現実を叩き付けられて落ち込む美波の表情は胃に来ます。きつー。
拷問のような授業が終わって美波は一人帰宅の途へ。すると明久がそんな美波に声を掛けました。「島田さん、どこ行くの?」。対する美波の返答「ワタシ」を「What a Sea?」と聞き間違え…そこから先の「言語の壁」の描写はあまりのリアリティに画面から目を離せず。

相手が何を言っているのかわからない。明久が何を言ってもそれは「言語」ではなく気持ち悪い「音」として美波の頭を浸食し…セリフの度に歪みを増す明久の映像と、真っ白になった美波が日本語の渦に黒く染まっていく演出は強烈すぎて見ているだけで動悸が速まっちゃいます。わからない言語でまくし立てられたら確かにこんな風になっちゃうかもしれない。凄いな今回。
日本語ができないことをバカにされていると勘違いした美波は怒り心頭、しかし明久はめげずに話し掛け、意を決したように何かを喋り始めます。とはいえ頭がグルグルの美波には全く通じず、グッと拳を握り締めると赤バックがパリンと割れて「ワカリマセン!」と叫んでサッサと帰ってしまいました。このシーンって明久の思いを知った後の二周目に見ると切なさ無限大ですなあ。
「どうしたらいいの?」
「どうしてみんなウチのことわかってくれないの?」
「こんなに一生懸命なのに。」
「もしかして、みんな、ウチのこと嫌いなのかな?」
「本当はここにいるべきじゃないのかな?」
帰宅後の美波は妹ちゃんの問いかけに笑顔を返し…しかしそんな笑顔と裏腹に、バックに流れるテレビドラマの音声は美波の「本心」そのものでした。言葉では「とても面白かったよ」「いい友達がいっぱいできたよ」「日本はいいところだよ」と返しながら心で泣いている美波、妹ちゃんを心配させまいと必死の笑顔で本心を隠す様子は見ていて辛い。

暗転の中から美波の机だけ浮かび、その反対側から次々と現れる机や教室の風景。美波の孤立を際立たせるこの演出も凄い。こうなってしまったのは入学式の日に名前の漢字を間違えてしまったから…そんなことを思い出しながらふと見た教科書の名前が「美波」と修正されていました。直した覚えは無いのにいったい何故? なんてタイミングで明久が再び美波の前へ現れ、またしても謎の言葉をしゃべり続けています。その言葉の最後に聞き取れた「モナミ」、私はモナミじゃないミナミだ、名前も覚えられないくせに馴れ馴れしくするな! そして美波はいつまでも止まらない明久の喋りに怒りが爆発!
「ハナシカケルナバカ!」
「What a shit man you are!」
必死の叫びも上手く伝わらず、思わず英語で罵声を飛ばすもこれも伝わらず。いやここは明久の超解釈を褒めるべきか。
WA TA SHI HA MAN YOU HA?
僕も男だけど…それじゃ島田さんって男?
違うんだ島田さん! 別に僕は島田さんの胸が小さ(略
日本語がわからないのに「胸が小さい」の部分だけきっちり聞き取ってアームロックの美波スゲエ(笑

怒って帰る美波に雄二が一言「あいつが言ったこと、調べてみろよ」と。まだ浅い付き合いながら明久の本質をズバリ見抜いている雄二おそるべし。頭が良い雄二の事だから明久の言っている意味がわかっていたのかも? 自宅へ戻った美波は勉強机に向かいながら英和辞典を開いて「明久が言ったこと」を調べ始め、しかし美波の辞典には聞き取った言葉が載っていません。ベッドに転がってあれこれ考える美波の脚が! キワキワ! それはともかく「モナミ」という言葉からそれがフランス語であることに気付き、美波は学校の図書室へ言葉の意味を調べに走ります。「ミナミ」と「モナミ」の引っ掛けをこんな形で生かしてくるとは。

図書館に仏独辞書が無かったため、まず英語に訳してからドイツ語へ訳すことに。スペルも発音もおぼろげながら明久の言葉を書き出し、美波は半ば意地になって翻訳を進めていました。そして少しずつ英訳が進み…単語ごとに訳される度「鎖」が砕けていく演出はこれまた凄かった。頑なだった美波の心は単語の意味を知るごとに少しずつ解き放たれ、やがて心を縛っていた鎖が全て砕けるとその全文が明らかになりました。
「私と友達になってくれませんか?」
ウザがられても怒鳴られても明久は「美波と友達になりたい」と繰り返していたのです。日本語がわからず孤立してしまった美波のために、日本語すらろくにわからない頭なのに一生懸命フランス語を調べて(ドイツ語と間違えたけど)声を掛けてくれた。明久ってば何て愛すべき馬鹿なんだ! いい意味で。
言語の壁を越えて明久の優しさが美波へ伝わり、美波は涙を落としながら「ワタシトトモダチニナッテクレマセンカ?」とカタコトの日本語で練習する。これは泣ける。というか涙で画面が見えません。まさかバカテスを見て号泣させられるとは。

明けて翌日の教室にて登校してきた明久を満面笑顔で迎える美波。明久にグッと近付いてカタコトの日本語で何か言いたそうです。指を添えた唇のアップが色っぽい! 「ワタシ」を「What a shit?」と聞き間違えて焦る明久へ笑顔で否定、そして指をくるくるさせながらあれこれ考える表情もかわいすぎて鼻血出そう。なにこのかわいさ。私は別に美波好きというわけではなかったけれどこれにはやられた。この仕草を見て何も感じるなという方が無理です。
こういう見せ場のカットをぬるぬる動かす演出を含めて今回は全体にシャフトっぽい作り、というかefっぽい感じでした。今回絵コンテ・演出・作監・原画を担当した坂本隆氏、これほど個性的なコンテを切りながら作監もこなせる人なら記憶に残っていそうなものだけれど憶えもなく、さりとて名前をググっても全くヒットせず、いったいこの人は何者なのだろう。シャフト関係者の二つ名だろうか。知ってる人は教えてください。
「ウチは-」
思案の後に発した一人称、なるほど美波が自分のことを「ウチ」と呼称しているのは「ワタシ」の発音が苦手だった頃の名残でしたか。深いなあ。「ウチは-」に続く言葉は…まあ野暮な事は言いっこなしで。さっきまで涙で画面が見えなかったのに今度はニマニマが止まらない。今回のバカテスは何という破壊力か。久しぶりにアニメ見てKOされてしまった。今年末にも話数単位で選ぶ、TVアニメ10選をやるようだったら間違いなくランクインしそうな素晴らしい出来だったと思います。
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