在宅アニメ評論家

このところいろいろ大変な響を気遣って朝寝を許す寛容なハミィさんは、しかしフェアリートーンの中が空っぽであることに気付くと「フギャー！」と大騒ぎ。フェアリートーン目覚ましの連係プレイと、寝ボケ顔の響と、取り乱すハミィの三段攻撃に冒頭っから大騒ぎです。あはは（笑い事ではありません。というかまた失くしたのか!?　それにしてもこの響の幸せそうな寝ボケ顔ったら。

今回もまた映画ネタバレOP。公開からほぼ1ヶ月経つのでもうそろそろいい？ってことで本作映画の最も見どころ部分をここに。メフィスト様の腕に抱かれたアフロディテ様のこの表情、愛しい旦那をうっとり見つめて頬を染めるアフロディテ様を見るためだけでもシアターへ足を運ぶ価値がありますぞ。夫婦善哉アタック！

知らない間に音符が消えてしまった一大事を受けてさっそく集まる面々。だらしない旦那へ厳しい嫁と、仲良し夫婦の漫才に居場所が無い長女、そんなの聞いちゃいない末娘と思いっきり家族の肖像であります。すると家長がテーブルをドン！と叩いて立ち上がり「諦めたら負け」と逆境にめげない漢っぷりを遺憾なく発揮…サッカーの試合話は例えとして適切かどうかよくわかりませんが、とりあえず「勝負は終わるまでわからない」ってことでみなさん揃って音符探しへゴー！



ノイズの気配もチラ付くためたくさんの音符を一気に集めたい。そこで音吉さんにパイプオルガンを弾いてもらって音符を誘き出すことになりました。そういや以前そんな話がありましたね。依然調整中の最終兵器(？)をそう気軽に鳴らしていいのだろうか？と思わなくもないけれど、はたして両刃の剣のパイプオルガンは音色を響かせ、その音色に惹かれた音符たちがたくさん姿を現し始めました。さあ大急ぎで回収すべし！

とはいえ人間である響＆奏には音符が見えないためハミィの一閃で音符を可視化。と同時にたくさんの音符を前にして「見えた！」と目に輪っかの響がかわいい！　そして右へ左へと走り間話合って音符捕獲のみなさん。高い所にいる音符を掴もうとアコちゃんが手を伸ばすと背が高いエレンにサッと取られ、もちろんエレン的に悪気は皆無なのだけれど背が小さいアコちゃんは面白くありません。拗ねた顔があらかわいい（笑。すると取り出したのは見覚えがある底上げブーツ…まさか仮面状態との身長差の矛盾をこんな形でネタバラシしてくるとは！　そういや仮面ミューズの正式名称って「黒ミューズ」なのね。



引き続き加音町を音符探しに走り回るみなさん。件のピーちゃんも音符探しをお手伝い…このワンカットも今回ラストを見た後だと地味に恐ろしい絵面です。そういや響たちの前ではふよふよ浮いてるだけの音符が、ピーちゃんに対しては逃げているようにも見えますね。やはり音符的に何か感じるものがあるのだろうか？

試合中のサッカーボールに音符を発見するもいきなり突っ込まず、試合終了まで待つ気遣いを見せる響。この試合まで積み重ねた練習を無駄にさせたくない、って考えはさすがスポーツ少女の響らしい。しかしそんな気遣いの上を通過する黒い影…バスドラさんの登場シーンは明から暗への切り換えが効いていかにも「悪役登場」っぽい。

サッカー場は巨大バスドラさんに占拠され、さらに現れたファルセットさんはハミィが隠すカゴの中身を見破っていきなりピンチです。ハミィほんと役に立たないな（笑

「絶対渡さない！」



するとファルセットさんがネガトーンを発動してサッカー少年たちを悲しみに落とし、今度こそ「絶対に許さない」4人はプリキュアへ変身してアクションシーンへ。今回は対ネガトーンだけではなく、モンスター化したバスドラさん＆ファルセットさんも相手。いつもネガトーンだけでいっぱいいっぱいのプリキュアたちは予想どおり、いや予想以上に大苦戦でした。バスドラさんでかすぎ強すぎ、一方バリトンさんも嫁小姑ペアの攻撃を見事に見切って鼻歌半分です。というかバリトンさんそのアングルだとスカートの中身丸見えじゃ？

屈強なおっさんたちにオモチャのように弄ばれる女子中学生＆小学生。その様子を橋上から黙って見下ろすピーちゃんが地味に恐ろしい。



「お前たちの負け、けってーい！」

我らがリーダーのぞみさんのキメゼリフを横取りするとはファルセットさんてば何て恐れ知らずなのでしょう。5の面々はスイートと違って本気の武闘派集団ですよ？　普通に殺しに来ますよ？　この借りはぜひオールスターズで返してあげてさしあげて＞のぞみさん

さてそんな調子乗りのファルセットさんを完全スルーで作戦会議のプリキュアたち。話がまとまると円陣を組んで「765プロ、ファイト！」とステージへ向けて(違)、もとい「戦いは終わってない、ファイト、オー！」と…冒頭で見せた家族会議の気合をここで再現。あのセリフは音符探しだけではなくネガトーン戦にも通じるものでした。3点差を諦めずに戦っての勝利になぞえ、3人相手に逆転勝利の流れはなるほど上手いこと作ってます。

ここからの逆転激はプリキュアたちの連携プレイが見どころ。サッと四方に散らばって相手を引きつけ、僅かに生じた隙を遊撃のメロディが刺し、追い詰められたミューズの前へネガトーンを引きつけてきたリズムが割って入り、ミューズ＆ビートはバスドラさん＆バリトンさんを引きつけながらタイミングを合わせて上手く誘導しゴッツンコ。さらにリズム＆メロディのハットトリックスター(違)で三匹まとめてピヨらせた後、スイートセッションアンサンブルでフィナーレの流れはじつにお見事でした。



ネガトーンを片付けた後はファルセットさんに取られた音符をミューズが奪取し空中へ放流…そういや黒ミューズの時も同じようなことしてたっけ。その音符を回収するフェアリートーンたちの嬉しそうな表情ったら！　よく働くしかわいいよねフェアリートーン。

一方プリキュアたちは勝利を祝ってハイタッチ。戸惑うミューズはエレンに促され…上目遣いでおずおずと初めてのハイタッチはどんだけあざといのか！　いちいちかわいいなあもう！　こうして着実に家族の絆を深めていくのでありました。

ここで終わっていればいい話で終わったのだけれどそうはいきません。前回の予告でチラリと見せたピーちゃんの黒シーンをまだ見せていないのだから。



というわけで今回のハイライト。知らぬ間に音符を奪われてしまうことを阻止すべく防災頭巾を装備したフェアリートーンたち。何かあったらベルが鳴る報知器機能も万全です。万全の管理体制に安心して部屋を出て行く響、しかしその窓外では怪しい後姿が室内を見つめていました。

訓練のために反復横跳びに励むフェアリートーンたちを見ていたピーちゃん。その目が赤く光ると時間の流れが遅くなり、防災頭巾の甲斐もなくトーンたちから音符が吸い出されていきます。しかしピーちゃんはその音符を奪い取るわけでもなく、発した「ノイズ」に飲み込まれるように消えてしまいました。あらら。さすが音吉さんはその異変に気付くけれど、確かにこんな一瞬では「ノイズの気配」を感じるだけで終わってしまいますね。

ピーちゃんがノイズ様関連であることはほぼ確定事項でしたがまさかこんなに早く正体を現すとは。音符集めが命題の本作にて消えてしまった音符はどうなるのか？　消えてしまったら「不幸のメロディー」も作れないので「消えた」というより「どこかへ転送された」と考えるほうが適切か？　ともあれメイジャーランドの王女様がこのやっかいな鳥を引き込んでしまい、さらにあのカラーリングからしてメフィスト様が無関係とは思えず、つまりメイジャーランド王室関係者が意志と無関係とはいえ騒動の立役者になっているのですね。するとそれを解決できるのはもう一人の王室関係者、つまりアフロディテ様が映画版の借りを返して夫婦善哉アタックをかましてくれれば…と考えるのは安直か（笑



エンドカードは曇るアコちゃん。音吉さんの身に何ががが!?

　　　　　

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