2012-01-30(Mon)
スイートプリキュア♪ #48 ラララ~♪世界に響け、幸福のメロディニャ!
届け! みんなの組曲!

スイートプリキュア♪ 大団円の最終回でした。

前回引きにて姿が見えなかったハミィは「伝説の楽譜に守られていた」という形で生還しました。落下中に最後の力を振り絞って音符たちを楽譜に集め、しかし楽譜の完成を見届けるとそのまま意識を失ってしまいます。と同時にノイズから解放されたおっさんトリオは石像状態で地面へドスン! あの勢いで落ちたら割れちゃうだろう?(それは言わない約束。ノイズに取り込まれて形態変化の贄となったからには五体満足で戻る事はあるまい…と思っていたけれど、さすがにそんなシビアな話にはなりませんでした。取り込まれる時悪幹部衣装だったファルセットさんの衣装が元に戻っているのは、ノイズに「悪のエネルギー」を吸収されて浄化済みと解釈します。それにしても光球に包まれてソフトランディングのハミィとの扱いの差が泣ける(笑
生還以来眠り続けるハミィ。なかなか目覚めない眠り猫を囲んで交わされる会話は心配だったり気遣いだったり穏やかで優しく、またハミィの目覚めを信じて代理歌姫を笑顔で辞退するエレンの友情も静かに熱かった。沈みがちな雰囲気を払拭すべくみんなの前では明るく振る舞っている響が、手元のカップケーキに視線を落とすとつい弱気になっちゃう一瞬も響のメンタルを感じさせて良し。そしてギターを持った渡り猫(違)へ「元気な歌」をリクエストしました。もちろんハミィに対する思いもあるだろうけれど、この状況に沈みそうになる自分たちも元気が欲しかったのでしょう。
さすが最終回は渾身の高橋氏作監だけあって表情描写も美麗かつ繊細で、映像を眺めているだけで眼福気分。素晴らしい。特にエレンの歌を頬づえ付いて聴いている響のかわいさったら!

エレンの歌を聴きながら目を閉じた響は再び目を開くとそこはどこぞのお花畑、ここから始まったハミィの夢空感シーンはパッと見綺麗なお花畑なのだけれど、やり取りを見ているうちにここが「賽の河原」に思えて少々辛い。渡し船代金六文の川がいつ出てくるかとヒヤヒヤしながら見てました(笑
お花畑を駆けるハミィはその楽しさを歌うべくセイレーンを捜し、しかしハミィは目の前に立つエレン(セイレーン)の姿に気付かず、エレンの声も届かない。誰もいない事に焦って音符を探し始めるハミィへみんな揃って声を掛けても、みんなの姿が見えず、みんなの声が届かないハミィはどんどん遠くへ行ってしまう。
するとエレンは歌を歌い始めました。届かなかった声は歌によって届き、みんなの存在に気付いたハミィは安心したように目を閉じ、やがて目を覚まします。一時はどうなるかと思ったけれど「こっちの世界」へ戻って来てくれて本当によかった。

みんなの歌に包まれてついに目を覚ましたハミィ。ここで交わされたエレン(セイレーン)との会話は両者の絆を感じさせるもので、何度騙されても、何が起きても一途にセイレーンを信じ続けたハミィの思いと、それに応えたセイレーンの美しき友情物語であります。幸せのメロディーを歌う事に意気を上げるハミィをからかうように返すエレンの表情も良かった。
「さあ行こう、みんなの幸せを取り戻しに」

幸せのメロディーを歌うべく王宮のホールへ向かったみなさん。石化状態の市民に囲まれ、石化したアフロディテ様が立つステージのハミィは歌姫らしからぬ軽いノリで、同じノリで返すエレンを含めて他3名はジト目で呆れてます(笑。とはいえ手を振り終えてスッと素の表情に戻る一瞬を見れば、これが重責を担うハミィへの気遣い、緊張を解くための軽いノリだったことが窺えます。そんな表情に気付いた響がステージへ向き直ると一瞬の静寂の後、ついに幸せのメロディーが始まりました。
「なんて綺麗なメロディー」
ハミィが歌い始めると七色の音符が楽譜に定着し始め、それに伴って響き渡るメロディーはそよ風のように聴く者の髪を揺らし、幸せのメロディーを初めて聴いた奏・響は目を見開いて曲の美しさに驚く。一方ハミィの晴れ舞台を満足げに見守るエレン。メイジャーランド時代に一緒に歌い、歌い方を教えた日々を思い出し、この重責を見事に果たすほど成長した盟友が誇らしいのでしょう。時間的には一瞬でしたがエレンからの友情を見事に表現したシーンだと思います。

幸せのメロディーによって次々と石化が解かれ、元に戻っていくみなさん。石化が解かれたオーケストラの伴奏に乗って幸せのメロディーがさらに響き渡っていく様子を見ると、なるほどアフロディテ様とオーケストラの配置はこのシーンの段取りだったのだなあと妙に納得。復活したおっさんトリオは元上司(笑)へ愛のダイブ! すると即座に素に戻って「やかましいわ!」と怒鳴る辺りいい味出してます(笑。この三人についてはギャグで茶を濁すしかないだろうとも思いましたが。それはともかくおっさんトリオにとってこの人(猫)はやはり「セイレーン」なんだよね。ハミィも最後まで「セイレーン」の呼び名を変えなかったし、この呼び名に対する拘りはすなわち絆の太さなのかもしれない。
石版に封印されていた音吉さん&クレッシェンドトーンさんも復活。なぜ王宮へワープしてきたのはようわかりませんがあまり深く考えない。というか石版から復活した後、虚空のマイナーランドに立ち尽くす音吉さん&クレッシェンドトーンさんの絵面は少々切なかった。
復活した王様夫妻にご対面の響たち。これまで何度か描かれたこの身長比ですが、改めて見るとメイジャーランド王様夫妻はでっかいなあ。パッと見で2m半を超えてますね。他の市民は通常サイズのようだし、音吉さんも普通の身長なので、この二人だけ特殊な例なのかもしれない。ともあれアコにはこの血が流れているわけで、あと10年もするとかわいいかわいいミューズは身長2m超の巨女プリキュアに育ってしまうのだろうか? 想像すると恐ろしい。
「セイレーンが一緒にいてくれたおかげニャ」
アフロディテ様からのお褒めの言葉をセイレーンへ向けるハミィ。歌う前のあれこれを含め、ハミィは本心からそう思っているのだろうなあ。ハミィは最初から最後までセイレーンへの思いがまったくブレなかった。エレンの思いをきちんと判っているハミィ、そしてハミィの言葉に頬を染めるエレン。心温まる「思いの連鎖」は二人の友情をこれまた感じさせて良し良し。かわいいなエレン。
エレン&アコはメイジャーランドに残るのかと思ったら普通に宇宙戦艦しらべに乗って帰って行きました。しらべ動くのかよ! しかしメイジャーvsマイナーの戦いも終わり、ノイズも片付いた今となって、アコが地球へ戻る理由・意味はあまり無いような。というか親バカメフィスト様がよく許したね(笑

発進時にくり抜いた穴へすっぽりハマって現状復帰の調べの館、とはいえ数メートルの段差が出来ている辺り変にリアルです(笑。響たちは残してきたみなさんの様子を確かめに館の外へ出て、すると出発前に運び出した石像はすっかり元の姿に戻っていました。これはもちろん幸せのメロディーの効果なのだけど…ということは響たちが戻る前に石化が解かれており、つまり浮遊する宇宙戦艦しらべが着陸する瞬間を目撃されているのでは? 響たちを迎えた誰もその事を言わないのは「触れてはいけない」と野生の勘が働いたのかも?(笑。この辺の整合性は深く考えても仕方ないとはいえもう少し自然に描いてほしかった。
最終回らしくこれまでの主なサブキャラも総出演、スイーツ姫も和音ちゃんもいいキャラだったのに結局ほとんど活躍が無くて残念でした。言ってしまえば「追加戦士のミスリード要員」だとしてももう少し使いようがあっただろうにもったいない。セイレーン時代にいい感じになった王子先輩ネタもすっかりスルーでこれも残念、王子先輩を挟んで奏とエレンが丁々発止なんて展開も期待したんだけど今となってはアフターカーニバル。ぐぬぬ。
そういやこの人たちの時間ってクリスマスコンサートで止まっているんだよね。作中時間がどのくらい経過しているのかわからないけれど、コンサートを聴いていて、次に目が覚めたら数日後の広場だった、という異次元体験に誰もパニックを起こさないってのはある意味スゴイ人たちです。こういう所をきっちり収めてくれると見ていて気持ちいいのだけれど…小さいお友達はそこまで気にしないからどうでもいいのかも。

みんな元に戻って帰宅の途へ、しかし響たちは館に残って何かを待っている様子。プリキュアお約束の夕陽演出の中、大活躍のハミィへお礼の言葉を掛けたりしているうちに、響たちが待っていたものがやってきました。
「ピーーーーッ!」
その聞き覚えがありすぎる鳴き声に咄嗟に振り返る音吉さん&クレッシェンドトーンさん。あのピーちゃんすなわちノイズが戻ってきた!? ラスボスの復活に声を荒げる音吉さんに反し、響たちは「ピーちゃん!」と名を呼びながら駆け寄り、手を伸ばして全力ウエルカムでした。白く姿を変えたピーちゃんを抱き締める響、旧世代戦士である音吉さんはその行動を理解できません。そりゃ封印された後は成り行きを全く知らないままずっと寝てたからね(笑
もちろん響たちはピーちゃんが何者なのかわかった上で受け止めていたのです。
「いくら幸せな世界になっても悲しみや苦しみが全て消えるわけじゃないわ」
「私たちはピーちゃんを受け入れた上で前に進みたいの」
「悲しみを見ない振りをするのが幸せとは言えないもの」
「よく見ればかわいいよ」
人がいる限り悲しみは生まれる。これはどうしようもない事実であって、悲しみや苦しみを全て避けて生きる事など誰にもできない。ならばその悲しみときちんと向き合い、乗り越えるなり受け入れるなりして生きるしかないのです。このシナリオはおそらく昨年三月に起きた「大きな悲しみ」が影響しているのだろうなあ。幼い身で大きな悲しみを背負った小さいお友達が、プリキュアたちの言葉を励みに少しでも元気を取り戻してくれればと思って止みません。また全ての人からの嫌われ者と自暴自棄になっていたピーちゃん(ノイズ)が、他者との共存・受け入れてもらえる嬉しさから流した涙は非常に美しかった。他者から受け入れてもらえたピーちゃんはきっと自身の存在も受け入れ、だから決して以前のように寂しさ・悲しさ・自己否定から自滅を選ぶことなど無いと思う。
本作に対して言いたい事はグロス単位であるけれど、この締め方に全ての毒気を抜かれてしまった簡単な私。いやシリーズ後半、少なくともラスト二話は予想より遥かに良かった。だからと言ってそこへ至るまでの不満が全解消されるわけではありませんが、終盤を綺麗に纏めてくれれば作品全体の印象も良くなるもので、これからの「自分たちの成長」をプリキュアの変身に掛けた変身バンクでの締めや、そこからシームレスで続いたEDへの流れも綺麗で良かった。いい最終回でした。
途中で何度も放り出しそうになりましたが、結局1回休んだだけでほぼ毎回レビューしたスイートプリキュア♪ 毎週毎週このボリュームでよくも続けられたものです。開始当初は線が多いキャラデザに作画の不安を感じたものの致命的にキッツイ回は数えるほどしかなく、思わず見入るような演出の気配りも見られ、私レベルが見る限り映像面であまり不満を感じなかったのがレビュー継続のモチベーションだったかもしれません。
しかし各話シナリオは当たり外れが激しく、その戦犯が最も戦犯であってはならない人だったことが本作の悲劇だったような気がします。特にシリーズ前半は幼少児向けアニメにしては人間関係にリアリティがありすぎて刺々しいシーンが多く、ケンカばかりの二人を見て引いちゃう子も多かったのではあるまいか。まあそれらも全話見た後なら後に繋がる必要な描写だったと判るのだけれど、リアルタイムで追っていた時は決して楽しいばかりではありませんでした。
「型破り」に拘った追加戦士(ビート&ミューズ)は確かに盛り上がり、登場前後のエピソードは大いに楽しませていただきましたが…通例とはいえチート期間が終了すると最終話寸前までほぼ空気キャラになってしまい、またミューズについては作劇上の都合とはいえ出番を引っ張りすぎた感があります。多彩なサブキャラたちもほぼ活躍せぬまま終了してしまって残念。何というか開始前に危惧していた不安がそのまま現実になってしまった感じです。スイートプリキュア♪を一年見た後の印象を端的に表せば「もったいなかった」に尽きると思う。一年通してのストーリーは悪くないのに子供アニメ的牽引力が不足していた感じ。
というわけでスイートプリキュア♪ は今回でオシマイ。レビューもこれにてオシマイです。1年間楽しませて頂いたスタッフのみなさまお疲れさま、私もお疲れさま。

このところのスマイル押しから悲劇的な絵柄を想像していたけれど、最終回のエンドカードは本作キャラデザ担当の高橋氏による手書きカードでした。よかった。このエンドカードを見た瞬間、イマサラながら終わってしまう寂しさに襲われてしまいました。来週からもう響たちを見られないかと思うと切ないです。

来週2/5からスタートする「スマイルプリキュア!」。スタッフ陣が私的に最強メンバーなのでおそらくドハマリ、おそらく毎回レビューすることになるでしょう。非常に楽しみです。
↓記事が役立ったら一票どうぞ。

スイートプリキュア♪ 大団円の最終回でした。

前回引きにて姿が見えなかったハミィは「伝説の楽譜に守られていた」という形で生還しました。落下中に最後の力を振り絞って音符たちを楽譜に集め、しかし楽譜の完成を見届けるとそのまま意識を失ってしまいます。と同時にノイズから解放されたおっさんトリオは石像状態で地面へドスン! あの勢いで落ちたら割れちゃうだろう?(それは言わない約束。ノイズに取り込まれて形態変化の贄となったからには五体満足で戻る事はあるまい…と思っていたけれど、さすがにそんなシビアな話にはなりませんでした。取り込まれる時悪幹部衣装だったファルセットさんの衣装が元に戻っているのは、ノイズに「悪のエネルギー」を吸収されて浄化済みと解釈します。それにしても光球に包まれてソフトランディングのハミィとの扱いの差が泣ける(笑
生還以来眠り続けるハミィ。なかなか目覚めない眠り猫を囲んで交わされる会話は心配だったり気遣いだったり穏やかで優しく、またハミィの目覚めを信じて代理歌姫を笑顔で辞退するエレンの友情も静かに熱かった。沈みがちな雰囲気を払拭すべくみんなの前では明るく振る舞っている響が、手元のカップケーキに視線を落とすとつい弱気になっちゃう一瞬も響のメンタルを感じさせて良し。そしてギターを持った渡り猫(違)へ「元気な歌」をリクエストしました。もちろんハミィに対する思いもあるだろうけれど、この状況に沈みそうになる自分たちも元気が欲しかったのでしょう。
さすが最終回は渾身の高橋氏作監だけあって表情描写も美麗かつ繊細で、映像を眺めているだけで眼福気分。素晴らしい。特にエレンの歌を頬づえ付いて聴いている響のかわいさったら!

エレンの歌を聴きながら目を閉じた響は再び目を開くとそこはどこぞのお花畑、ここから始まったハミィの夢空感シーンはパッと見綺麗なお花畑なのだけれど、やり取りを見ているうちにここが「賽の河原」に思えて少々辛い。渡し船代金六文の川がいつ出てくるかとヒヤヒヤしながら見てました(笑
お花畑を駆けるハミィはその楽しさを歌うべくセイレーンを捜し、しかしハミィは目の前に立つエレン(セイレーン)の姿に気付かず、エレンの声も届かない。誰もいない事に焦って音符を探し始めるハミィへみんな揃って声を掛けても、みんなの姿が見えず、みんなの声が届かないハミィはどんどん遠くへ行ってしまう。
するとエレンは歌を歌い始めました。届かなかった声は歌によって届き、みんなの存在に気付いたハミィは安心したように目を閉じ、やがて目を覚まします。一時はどうなるかと思ったけれど「こっちの世界」へ戻って来てくれて本当によかった。

みんなの歌に包まれてついに目を覚ましたハミィ。ここで交わされたエレン(セイレーン)との会話は両者の絆を感じさせるもので、何度騙されても、何が起きても一途にセイレーンを信じ続けたハミィの思いと、それに応えたセイレーンの美しき友情物語であります。幸せのメロディーを歌う事に意気を上げるハミィをからかうように返すエレンの表情も良かった。
「さあ行こう、みんなの幸せを取り戻しに」

幸せのメロディーを歌うべく王宮のホールへ向かったみなさん。石化状態の市民に囲まれ、石化したアフロディテ様が立つステージのハミィは歌姫らしからぬ軽いノリで、同じノリで返すエレンを含めて他3名はジト目で呆れてます(笑。とはいえ手を振り終えてスッと素の表情に戻る一瞬を見れば、これが重責を担うハミィへの気遣い、緊張を解くための軽いノリだったことが窺えます。そんな表情に気付いた響がステージへ向き直ると一瞬の静寂の後、ついに幸せのメロディーが始まりました。
「なんて綺麗なメロディー」
ハミィが歌い始めると七色の音符が楽譜に定着し始め、それに伴って響き渡るメロディーはそよ風のように聴く者の髪を揺らし、幸せのメロディーを初めて聴いた奏・響は目を見開いて曲の美しさに驚く。一方ハミィの晴れ舞台を満足げに見守るエレン。メイジャーランド時代に一緒に歌い、歌い方を教えた日々を思い出し、この重責を見事に果たすほど成長した盟友が誇らしいのでしょう。時間的には一瞬でしたがエレンからの友情を見事に表現したシーンだと思います。

幸せのメロディーによって次々と石化が解かれ、元に戻っていくみなさん。石化が解かれたオーケストラの伴奏に乗って幸せのメロディーがさらに響き渡っていく様子を見ると、なるほどアフロディテ様とオーケストラの配置はこのシーンの段取りだったのだなあと妙に納得。復活したおっさんトリオは元上司(笑)へ愛のダイブ! すると即座に素に戻って「やかましいわ!」と怒鳴る辺りいい味出してます(笑。この三人についてはギャグで茶を濁すしかないだろうとも思いましたが。それはともかくおっさんトリオにとってこの人(猫)はやはり「セイレーン」なんだよね。ハミィも最後まで「セイレーン」の呼び名を変えなかったし、この呼び名に対する拘りはすなわち絆の太さなのかもしれない。
石版に封印されていた音吉さん&クレッシェンドトーンさんも復活。なぜ王宮へワープしてきたのはようわかりませんがあまり深く考えない。というか石版から復活した後、虚空のマイナーランドに立ち尽くす音吉さん&クレッシェンドトーンさんの絵面は少々切なかった。
復活した王様夫妻にご対面の響たち。これまで何度か描かれたこの身長比ですが、改めて見るとメイジャーランド王様夫妻はでっかいなあ。パッと見で2m半を超えてますね。他の市民は通常サイズのようだし、音吉さんも普通の身長なので、この二人だけ特殊な例なのかもしれない。ともあれアコにはこの血が流れているわけで、あと10年もするとかわいいかわいいミューズは身長2m超の巨女プリキュアに育ってしまうのだろうか? 想像すると恐ろしい。
「セイレーンが一緒にいてくれたおかげニャ」
アフロディテ様からのお褒めの言葉をセイレーンへ向けるハミィ。歌う前のあれこれを含め、ハミィは本心からそう思っているのだろうなあ。ハミィは最初から最後までセイレーンへの思いがまったくブレなかった。エレンの思いをきちんと判っているハミィ、そしてハミィの言葉に頬を染めるエレン。心温まる「思いの連鎖」は二人の友情をこれまた感じさせて良し良し。かわいいなエレン。
エレン&アコはメイジャーランドに残るのかと思ったら普通に宇宙戦艦しらべに乗って帰って行きました。しらべ動くのかよ! しかしメイジャーvsマイナーの戦いも終わり、ノイズも片付いた今となって、アコが地球へ戻る理由・意味はあまり無いような。というか親バカメフィスト様がよく許したね(笑

発進時にくり抜いた穴へすっぽりハマって現状復帰の調べの館、とはいえ数メートルの段差が出来ている辺り変にリアルです(笑。響たちは残してきたみなさんの様子を確かめに館の外へ出て、すると出発前に運び出した石像はすっかり元の姿に戻っていました。これはもちろん幸せのメロディーの効果なのだけど…ということは響たちが戻る前に石化が解かれており、つまり浮遊する宇宙戦艦しらべが着陸する瞬間を目撃されているのでは? 響たちを迎えた誰もその事を言わないのは「触れてはいけない」と野生の勘が働いたのかも?(笑。この辺の整合性は深く考えても仕方ないとはいえもう少し自然に描いてほしかった。
最終回らしくこれまでの主なサブキャラも総出演、スイーツ姫も和音ちゃんもいいキャラだったのに結局ほとんど活躍が無くて残念でした。言ってしまえば「追加戦士のミスリード要員」だとしてももう少し使いようがあっただろうにもったいない。セイレーン時代にいい感じになった王子先輩ネタもすっかりスルーでこれも残念、王子先輩を挟んで奏とエレンが丁々発止なんて展開も期待したんだけど今となってはアフターカーニバル。ぐぬぬ。
そういやこの人たちの時間ってクリスマスコンサートで止まっているんだよね。作中時間がどのくらい経過しているのかわからないけれど、コンサートを聴いていて、次に目が覚めたら数日後の広場だった、という異次元体験に誰もパニックを起こさないってのはある意味スゴイ人たちです。こういう所をきっちり収めてくれると見ていて気持ちいいのだけれど…小さいお友達はそこまで気にしないからどうでもいいのかも。

みんな元に戻って帰宅の途へ、しかし響たちは館に残って何かを待っている様子。プリキュアお約束の夕陽演出の中、大活躍のハミィへお礼の言葉を掛けたりしているうちに、響たちが待っていたものがやってきました。
「ピーーーーッ!」
その聞き覚えがありすぎる鳴き声に咄嗟に振り返る音吉さん&クレッシェンドトーンさん。あのピーちゃんすなわちノイズが戻ってきた!? ラスボスの復活に声を荒げる音吉さんに反し、響たちは「ピーちゃん!」と名を呼びながら駆け寄り、手を伸ばして全力ウエルカムでした。白く姿を変えたピーちゃんを抱き締める響、旧世代戦士である音吉さんはその行動を理解できません。そりゃ封印された後は成り行きを全く知らないままずっと寝てたからね(笑
もちろん響たちはピーちゃんが何者なのかわかった上で受け止めていたのです。
「いくら幸せな世界になっても悲しみや苦しみが全て消えるわけじゃないわ」
「私たちはピーちゃんを受け入れた上で前に進みたいの」
「悲しみを見ない振りをするのが幸せとは言えないもの」
「よく見ればかわいいよ」
人がいる限り悲しみは生まれる。これはどうしようもない事実であって、悲しみや苦しみを全て避けて生きる事など誰にもできない。ならばその悲しみときちんと向き合い、乗り越えるなり受け入れるなりして生きるしかないのです。このシナリオはおそらく昨年三月に起きた「大きな悲しみ」が影響しているのだろうなあ。幼い身で大きな悲しみを背負った小さいお友達が、プリキュアたちの言葉を励みに少しでも元気を取り戻してくれればと思って止みません。また全ての人からの嫌われ者と自暴自棄になっていたピーちゃん(ノイズ)が、他者との共存・受け入れてもらえる嬉しさから流した涙は非常に美しかった。他者から受け入れてもらえたピーちゃんはきっと自身の存在も受け入れ、だから決して以前のように寂しさ・悲しさ・自己否定から自滅を選ぶことなど無いと思う。
本作に対して言いたい事はグロス単位であるけれど、この締め方に全ての毒気を抜かれてしまった簡単な私。いやシリーズ後半、少なくともラスト二話は予想より遥かに良かった。だからと言ってそこへ至るまでの不満が全解消されるわけではありませんが、終盤を綺麗に纏めてくれれば作品全体の印象も良くなるもので、これからの「自分たちの成長」をプリキュアの変身に掛けた変身バンクでの締めや、そこからシームレスで続いたEDへの流れも綺麗で良かった。いい最終回でした。
途中で何度も放り出しそうになりましたが、結局1回休んだだけでほぼ毎回レビューしたスイートプリキュア♪ 毎週毎週このボリュームでよくも続けられたものです。開始当初は線が多いキャラデザに作画の不安を感じたものの致命的にキッツイ回は数えるほどしかなく、思わず見入るような演出の気配りも見られ、私レベルが見る限り映像面であまり不満を感じなかったのがレビュー継続のモチベーションだったかもしれません。
しかし各話シナリオは当たり外れが激しく、その戦犯が最も戦犯であってはならない人だったことが本作の悲劇だったような気がします。特にシリーズ前半は幼少児向けアニメにしては人間関係にリアリティがありすぎて刺々しいシーンが多く、ケンカばかりの二人を見て引いちゃう子も多かったのではあるまいか。まあそれらも全話見た後なら後に繋がる必要な描写だったと判るのだけれど、リアルタイムで追っていた時は決して楽しいばかりではありませんでした。
「型破り」に拘った追加戦士(ビート&ミューズ)は確かに盛り上がり、登場前後のエピソードは大いに楽しませていただきましたが…通例とはいえチート期間が終了すると最終話寸前までほぼ空気キャラになってしまい、またミューズについては作劇上の都合とはいえ出番を引っ張りすぎた感があります。多彩なサブキャラたちもほぼ活躍せぬまま終了してしまって残念。何というか開始前に危惧していた不安がそのまま現実になってしまった感じです。スイートプリキュア♪を一年見た後の印象を端的に表せば「もったいなかった」に尽きると思う。一年通してのストーリーは悪くないのに子供アニメ的牽引力が不足していた感じ。
というわけでスイートプリキュア♪ は今回でオシマイ。レビューもこれにてオシマイです。1年間楽しませて頂いたスタッフのみなさまお疲れさま、私もお疲れさま。

このところのスマイル押しから悲劇的な絵柄を想像していたけれど、最終回のエンドカードは本作キャラデザ担当の高橋氏による手書きカードでした。よかった。このエンドカードを見た瞬間、イマサラながら終わってしまう寂しさに襲われてしまいました。来週からもう響たちを見られないかと思うと切ないです。

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