2012-02-07(Tue)
輪廻のラグランジェ #05 鴨川に来た男
掴み所のない天然ほわほわ娘の急転直下。

ヴィラジュリオに突き放されたムギナミはどうするどうなる?

アバンは幼少時のラン&若き日のヴィラジュリオの一幕。いかにも姫様なランとお戯れの様子や会話内容からしてヴィラジュリオはデメトリオの偉い人(青年王族)でしょうか、つまりこの時点ではレガリテとデメトリオは友好関係にあったと思われます。現在作中で明らかになっているのは「宇宙義賊キッスvsデメトリオ」という事実だけで、しかし今回ランの寝起きのセリフによって「宇宙義賊キッスvsレガリテ」の図式も加わり、てな所でデメトリオ三人衆がレガリテの姫様が乗るファロスを襲っている辺り現在のレガリテはデメトリオと敵対関係なのかも。それともレガリテ、デメトリオの共通の敵として「宇宙義賊キッス」が設定されているのかな。この三者の関係がようわかりません。
「どうして今頃、敵の夢なんか…」
そんな幼い日の夢から飛び起きたラン。シャチのぬいさんと寝てる! 和室に布団の寝所や丸い卓袱台などなど姫様らしからぬ質素さは、見るからに薄幸そうなランのキャラに妙にマッチしているかも(笑。窓の朝日の逆光効果が寝起きのランのどよんど気分を感じさせ、朝っぱらからダウンな気分はその後の朝食シーンでさらに加速することに。あらら。
そのヴィラジュリオは既に地球へ到着し鴨川の海を眺めていました。デメトリオ三人衆と手を組んだのにサッサと自ら降臨とは。鴨川沖に浮かぶファロスを目障り扱いしているのはそこにウォクスがあるから、つまりヴィラジュリオの目的はウォクスの破壊であって鴨川侵略ではないことを窺わせます。
今回の椅子演出は、ひっくり返ったムギナミ椅子がまどかとランに挟まれている図でした。これはヴィラジュリオに突き放されて嗚咽するムギナミを二人が見守っている様子でしょうか。かと言って泣き崩れるムギナミに近付き寄り添うわけでもなく、両者の微妙な距離感も見て取れる辺り上手いね。

みなさん揃って朝食のテーブルには朝3時から仕込んだというムギナミの手料理が並んでいました。まるまるまる! しかし寝起きのどよんどを引きずっているランはムギナミの料理に手を付けず席を立ってしまいます。前回さんざんムギナミへのジェラシーが描かれたためこの離席もジェラシー描写の一環?と思わせますが、きっとこの時のランはそれどころじゃなかったのでしょう。しかしムギナミは席を立ったランへ遠回しに好意を押し付け、周りもそれに同調し…考え事している時にこれは鬱陶しいよねえ。折れたランが仕方なく料理を口に運び、仕方なく感想を言う一連の表情描写が素晴らしかった。てなリアクションにニヘラ顔で喜ぶムギナミはどこまで本心なのやら。
正体不明のムギナミを監視し続けるラン。ムギナミはいつまであのスタイルで登校するつもりなのか? ソフトボールの授業にて超マジメな表情でバットを逆に構えるのは地球文化に疎い描写だろうけど…萌えてないで教えてあげて! もちろん三振終了のランから打席はムギナミへ。バットの受け渡しのすれ違い様に「監視に気付いている事」をナニゲに伝え、笑顔のまま打席に入るとホームランとかランへの当てつけも全力全壊です。
前回のスク水は学校指定品だったのに、この体育授業はいつもの服で参加している謎。制服はサイズやら何やらで揃うのに時間が掛かるとして、スク水は出来合いなので前回着ていたのかと思ってましたが、では何故今回ムギナミはジャージを着ていなかったのだろう。というかあの服装で体育はチャレンジャーすぎるよね(笑

なのでランはまどかへ「これ以上ムギナミに近付かないで」と忠告するも、お気楽なまどかは全く聞き入れてくれません。それどころか先の救命の事実を持ち出してムギナミを援護する始末です。ラン自身もムギナミに助けられた事はわかっているため強く言えず…ランもまどかも「ランが溺れた原因」を知らないからなあ。何を言っても聞き入れてもらえないランの溜息がじつに切ない。まどかも悪気が無い分だけ始末が悪いね。
部室ゲットのシーンにてあえてムギナミと行動を共にする宣言のラン。まどかの手前作り笑顔で申し出るランの向こうのムギナミの表情が何と黒い! きっとランの思惑を全部判っているのだろうね。そうとは知らないまどかは「部長らしさ」にご満悦のままお買い物へ出掛け、自販機にズラリと並ぶ「鴨川エナジー(グッズとして売り出しそう?)」で一服の後、ふと海岸を見ると酒盛りしているおっさん二人に気付きました。人に買い物させといて自分は昼間から酒盛りか!? そりゃまどかが怒るのも無理はありません。逆光仁王立ち怖ええ! スカートの際から白いものをチラリと覗かせて軽いサービス? とはいえ寝転がったヴィラジュリオが「まどかちゃん。君は白以外は合わ…」と言っていたくらいなので「白」ではないのか?(割とどうでもいい。BDではまどかの股間をガードしているヴィラジュリオの髪が無くなるので各自確認してくれ、という販促セリフなのかも?(笑
おっさんたちが散らかしたゴミを拾い、その後も海岸のゴミを黙々と拾うまどか。海を汚してはいけないでゲソ! 鴨川の海風景を褒められて「ありがとう」と返すのは自分が愛する鴨川を褒められた嬉しさでしょう。まどかがこの海・この街をどれだけ好きなのかわかる一瞬です。
「残り一個だったからなあ…その辺に転がってる物ならモメる事も無いだろ」
おっさんとモメた理由は残り一つの古着を巡ってのもの。最後の一つを取り合ってモメる、これはヴィラジュリオが鴨川へ来た理由にも繋がっているような意味深セリフでありました。

一方校舎裏でのランvsムギナミ。先ほど見せた作り笑顔を消し去ってムギナミへ迫るラン、するとムギナミもいつものほわほわ顔からキッと締まった口元で対抗します。例のゴーグルを投げ渡されてムギナミの体を見るとやはり下腹部に例の紋章(メモリア)がありました。これは「裸になって立ってたらチクッと刺された」とのことで…そんな簡単なものなのか。裸の女を見たら無差別に刺しちゃう? まあ裸のムギナミが目の前に立ってたら以下略。ともあれハンガーの監視カメラに映っていたムギナミが裸だった理由がここで明らかになりました。あれは事に及んだ後だったのか。
薄暗い影で交わされる二人の会話。フェンス越しのアングルでは網目に収まるランと、網目に重なるムギナミの配置が意味深で、二人の距離と「決して交わらない」印象、そしてもう少し深読みするとムギナミから発せられた言葉がランを包んでいく様子まで感じさせたりして。背景に明るい空を配置したムギナミの軽いノリ、さらに「あなたたちの思うようにはさせないわ」「だから戦争になるんでしょ?」と言い合う両者の対比も面白かった。このノリの差はもちろん性格的なものもあるだろうけど、ウォクスに乗って戦う事の恐ろしさを知っている者と知らない者の差もありそう。ムギナミは事の重大性を全く認識していないみたいですし。とはいえ「お互いもうちょっと楽しもう?」の直前に一瞬入ったカットはムギナミの割り切りや覚悟を感じさせ、おそらく見た目ほど軽い気持ちで話しているわけでは無いのかもしれない。
ムギナミから聞いた「オニイチャン」について調べ始めるも該当する人物は見つからずお手上げのラン&糸目兄ちゃん…そりゃそうだろう(笑。というかレガリテには「お兄ちゃん」という概念は無いのか? 冒頭シーンにて飛び立つ宇宙船をして「あなたのお兄様が…」と言っていたくらいなのでランにも「お兄ちゃん」がいるだろうに?

まどかはヴィラジュリオとご同伴で帰宅し、すると店の奥から出てきたムギナミがムネを揺らして駆け寄って抱き付き! ふかふか! ヴィラジュリオちょっと代われ!(違。ムギナミが「お兄ちゃん」と称していたのはヴィラジュリオの事で、血は繋がっていないけれどお兄ちゃんと慕っているようでした。逆に言うとこの大盛りまんま肉まんを無邪気に擦りつけてくるダイナマイトほわほわ娘が「血が繋がっていない妹」とか何それ美味しい!(さらに違
てな場面へ出くわしたランは意外な対面に大ショックでした。戦争をおっ始める問題の人物「オニイチャン」はヴィラジュリオ…朝の夢はこの再会を予知したものだったか。対して「ラフィンティ様」と声を掛けるヴィラジュリオの表情も憎い。この一瞬だけで二人の因縁を感じさせます。
これまで忠告を軽く流していたけれど、厳しい表情で立ち尽くすランを見てさすがに事の重さに気付いたようです。

さっそくベタベタなムギナミはムネに挟んでる! この状況に眉一つ動かさないヴィラジュリオは大した男です(笑。そして再び戦争の話題へ。ファロスを襲った三人組についての詰問にてヴィラジュリオの言葉を遮る流れは事の真相を上手くボカすシナリオでした。ぐぬぬ!
戦争してるのは私たち、だからまどかちゃんは関係無い。と言われて怒髪天を突くまどか。そりゃそうだ。しかしムギナミは調子を変えず、この生活を「楽しかった」と言い放ちます。戦争前提の「ラクチンな生活」を楽しんでいた…ムギナミが蕩々と語る間揺れ続けるカメラワークはわなわな震えるまどかの心境を映していました。ムギナミとの日々を楽しく過ごしていたのに、当のムギナミはそんなことを考えていた。そりゃキツい。全く悪びれずほわほわ語る態度も返ってキツいです。
「でもね。それは無理なの」
そんなムギナミが素に戻る一瞬。ラクチンな生活を一生続けたいけど現実はそうはいかない。同意を求められたランも返す言葉がありません。「これは運命」とすっぱり割り切って戦争前の生活を楽しめるムギナミはこれまでどんな人生を歩んできたのだろう。
なんて騒ぎに目を覚ましたヴィラジュリオ。シラケた場に席を立ったムギナミはヴィラジュリオに寄り添い「みんなの所へ帰ろう」とおねだり。すると返ってきた言葉は意外なものでした。
「お前、いつから俺たちの仲間になったんだ?」

ここからはまさに怒濤の展開でした。急変したヴィラジュリオをなだめようと辛い笑顔を向けてもことごとく跳ね返され、良かれと思って奪ったウォクスのメモリアも…この辺のシーンは見る見る固まるムギナミの表情と心理変化を示す雲の流れがじつに効果的でした。片手ネックハンギングを受けても愛想笑いを続けるムギナミ。しかしヴィラジュリオは容赦無く力を込め、トドメのセリフは「お兄ちゃん」と呼ぶ事の否定です。ムギナミの思いを全否定する一言は相当効いたようで、掴まれて歪んだ顔から涙を落とし、さらに「寄生虫」と呼ばれてムギナミの大きなムネは張り裂けんばかり。これは見ていてキツい。
すると先ほど受けたショックを忘れて思わず殴りかかるまどか。ちゃぶ台返しから拳を振りかぶる一瞬はまどかの怒りを十二分に表す迫力映像で、その拳をおじさんが掴み羽交い締めで止める緊迫感も良し。首を掴まれ涙目で震えるムギナミをナメて、怒りに震えるまどかのアングルは各キャラの心境を一発で見せる好カットでした。何もできずボーッと立ってるランもいかにも(笑
まあヴィラジュリオの急変は、おそらく寝たふりをしながら聞いていたムギナミの本心「こんなことが一生続けばいいって本気で思った」を叶えるため、つまりムギナミを戦いから遠ざけるためあえてキッツイ態度で突き放した、と考えるのが普通か。殴りかかるまどかを瞬時に止めたおじさんはヴィラジュリオの真意がわかっていた、ってのが定石でしょうね。その後のウォクスの処分を急ぐような捨て台詞や、去り際に壊れたムギナミを見る視線も思いっきりそんな感じです。しかしこの小学生でも判りそうな展開は判りやすすぎて、返って裏があるような気がしないでもありません。特にウォクスについてのアレコレは先の「残り一個だったからなあ…」のセリフと合わせて別の理由もありそうな。考えすぎ?
店を出たヴィラジュリオはいつの間にか現れたロボットに乗り、追って来たまどかをコクピットから見つめて「あの子はまるでお前みたいだよ。ユリカノ」と意味深なセリフで引き。このユリカノさんは公式サイトによるとどうやらデメトリオの王女様らしく、まさかまどかがユリカノの娘なーんてベタなオチは無いだろうね?
さてこの状況で突き放されたムギナミが、何を理由にウォクスに乗ることになるのか気になるところ。それ以上にムギナミのパイロットスーツ姿が(以下略

エンドカードは冬川基氏。とあるナントカシリーズの人ですね。逆さバットネタってことは今回のストーリーを知ってのイラストだろうけど…ジャージの色やムギナミの服装が違っているのはご愛敬か。
そろそろ誰かムギナミメインで描いてください。強烈なやつを(何
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ヴィラジュリオに突き放されたムギナミはどうするどうなる?

アバンは幼少時のラン&若き日のヴィラジュリオの一幕。いかにも姫様なランとお戯れの様子や会話内容からしてヴィラジュリオはデメトリオの偉い人(青年王族)でしょうか、つまりこの時点ではレガリテとデメトリオは友好関係にあったと思われます。現在作中で明らかになっているのは「宇宙義賊キッスvsデメトリオ」という事実だけで、しかし今回ランの寝起きのセリフによって「宇宙義賊キッスvsレガリテ」の図式も加わり、てな所でデメトリオ三人衆がレガリテの姫様が乗るファロスを襲っている辺り現在のレガリテはデメトリオと敵対関係なのかも。それともレガリテ、デメトリオの共通の敵として「宇宙義賊キッス」が設定されているのかな。この三者の関係がようわかりません。
「どうして今頃、敵の夢なんか…」
そんな幼い日の夢から飛び起きたラン。シャチのぬいさんと寝てる! 和室に布団の寝所や丸い卓袱台などなど姫様らしからぬ質素さは、見るからに薄幸そうなランのキャラに妙にマッチしているかも(笑。窓の朝日の逆光効果が寝起きのランのどよんど気分を感じさせ、朝っぱらからダウンな気分はその後の朝食シーンでさらに加速することに。あらら。
そのヴィラジュリオは既に地球へ到着し鴨川の海を眺めていました。デメトリオ三人衆と手を組んだのにサッサと自ら降臨とは。鴨川沖に浮かぶファロスを目障り扱いしているのはそこにウォクスがあるから、つまりヴィラジュリオの目的はウォクスの破壊であって鴨川侵略ではないことを窺わせます。
今回の椅子演出は、ひっくり返ったムギナミ椅子がまどかとランに挟まれている図でした。これはヴィラジュリオに突き放されて嗚咽するムギナミを二人が見守っている様子でしょうか。かと言って泣き崩れるムギナミに近付き寄り添うわけでもなく、両者の微妙な距離感も見て取れる辺り上手いね。

みなさん揃って朝食のテーブルには朝3時から仕込んだというムギナミの手料理が並んでいました。まるまるまる! しかし寝起きのどよんどを引きずっているランはムギナミの料理に手を付けず席を立ってしまいます。前回さんざんムギナミへのジェラシーが描かれたためこの離席もジェラシー描写の一環?と思わせますが、きっとこの時のランはそれどころじゃなかったのでしょう。しかしムギナミは席を立ったランへ遠回しに好意を押し付け、周りもそれに同調し…考え事している時にこれは鬱陶しいよねえ。折れたランが仕方なく料理を口に運び、仕方なく感想を言う一連の表情描写が素晴らしかった。てなリアクションにニヘラ顔で喜ぶムギナミはどこまで本心なのやら。
正体不明のムギナミを監視し続けるラン。ムギナミはいつまであのスタイルで登校するつもりなのか? ソフトボールの授業にて超マジメな表情でバットを逆に構えるのは地球文化に疎い描写だろうけど…萌えてないで教えてあげて! もちろん三振終了のランから打席はムギナミへ。バットの受け渡しのすれ違い様に「監視に気付いている事」をナニゲに伝え、笑顔のまま打席に入るとホームランとかランへの当てつけも全力全壊です。
前回のスク水は学校指定品だったのに、この体育授業はいつもの服で参加している謎。制服はサイズやら何やらで揃うのに時間が掛かるとして、スク水は出来合いなので前回着ていたのかと思ってましたが、では何故今回ムギナミはジャージを着ていなかったのだろう。というかあの服装で体育はチャレンジャーすぎるよね(笑

なのでランはまどかへ「これ以上ムギナミに近付かないで」と忠告するも、お気楽なまどかは全く聞き入れてくれません。それどころか先の救命の事実を持ち出してムギナミを援護する始末です。ラン自身もムギナミに助けられた事はわかっているため強く言えず…ランもまどかも「ランが溺れた原因」を知らないからなあ。何を言っても聞き入れてもらえないランの溜息がじつに切ない。まどかも悪気が無い分だけ始末が悪いね。
部室ゲットのシーンにてあえてムギナミと行動を共にする宣言のラン。まどかの手前作り笑顔で申し出るランの向こうのムギナミの表情が何と黒い! きっとランの思惑を全部判っているのだろうね。そうとは知らないまどかは「部長らしさ」にご満悦のままお買い物へ出掛け、自販機にズラリと並ぶ「鴨川エナジー(グッズとして売り出しそう?)」で一服の後、ふと海岸を見ると酒盛りしているおっさん二人に気付きました。人に買い物させといて自分は昼間から酒盛りか!? そりゃまどかが怒るのも無理はありません。逆光仁王立ち怖ええ! スカートの際から白いものをチラリと覗かせて軽いサービス? とはいえ寝転がったヴィラジュリオが「まどかちゃん。君は白以外は合わ…」と言っていたくらいなので「白」ではないのか?(割とどうでもいい。BDではまどかの股間をガードしているヴィラジュリオの髪が無くなるので各自確認してくれ、という販促セリフなのかも?(笑
おっさんたちが散らかしたゴミを拾い、その後も海岸のゴミを黙々と拾うまどか。海を汚してはいけないでゲソ! 鴨川の海風景を褒められて「ありがとう」と返すのは自分が愛する鴨川を褒められた嬉しさでしょう。まどかがこの海・この街をどれだけ好きなのかわかる一瞬です。
「残り一個だったからなあ…その辺に転がってる物ならモメる事も無いだろ」
おっさんとモメた理由は残り一つの古着を巡ってのもの。最後の一つを取り合ってモメる、これはヴィラジュリオが鴨川へ来た理由にも繋がっているような意味深セリフでありました。

一方校舎裏でのランvsムギナミ。先ほど見せた作り笑顔を消し去ってムギナミへ迫るラン、するとムギナミもいつものほわほわ顔からキッと締まった口元で対抗します。例のゴーグルを投げ渡されてムギナミの体を見るとやはり下腹部に例の紋章(メモリア)がありました。これは「裸になって立ってたらチクッと刺された」とのことで…そんな簡単なものなのか。裸の女を見たら無差別に刺しちゃう? まあ裸のムギナミが目の前に立ってたら以下略。ともあれハンガーの監視カメラに映っていたムギナミが裸だった理由がここで明らかになりました。あれは事に及んだ後だったのか。
薄暗い影で交わされる二人の会話。フェンス越しのアングルでは網目に収まるランと、網目に重なるムギナミの配置が意味深で、二人の距離と「決して交わらない」印象、そしてもう少し深読みするとムギナミから発せられた言葉がランを包んでいく様子まで感じさせたりして。背景に明るい空を配置したムギナミの軽いノリ、さらに「あなたたちの思うようにはさせないわ」「だから戦争になるんでしょ?」と言い合う両者の対比も面白かった。このノリの差はもちろん性格的なものもあるだろうけど、ウォクスに乗って戦う事の恐ろしさを知っている者と知らない者の差もありそう。ムギナミは事の重大性を全く認識していないみたいですし。とはいえ「お互いもうちょっと楽しもう?」の直前に一瞬入ったカットはムギナミの割り切りや覚悟を感じさせ、おそらく見た目ほど軽い気持ちで話しているわけでは無いのかもしれない。
ムギナミから聞いた「オニイチャン」について調べ始めるも該当する人物は見つからずお手上げのラン&糸目兄ちゃん…そりゃそうだろう(笑。というかレガリテには「お兄ちゃん」という概念は無いのか? 冒頭シーンにて飛び立つ宇宙船をして「あなたのお兄様が…」と言っていたくらいなのでランにも「お兄ちゃん」がいるだろうに?

まどかはヴィラジュリオとご同伴で帰宅し、すると店の奥から出てきたムギナミがムネを揺らして駆け寄って抱き付き! ふかふか! ヴィラジュリオちょっと代われ!(違。ムギナミが「お兄ちゃん」と称していたのはヴィラジュリオの事で、血は繋がっていないけれどお兄ちゃんと慕っているようでした。逆に言うとこの大盛りまんま肉まんを無邪気に擦りつけてくるダイナマイトほわほわ娘が「血が繋がっていない妹」とか何それ美味しい!(さらに違
てな場面へ出くわしたランは意外な対面に大ショックでした。戦争をおっ始める問題の人物「オニイチャン」はヴィラジュリオ…朝の夢はこの再会を予知したものだったか。対して「ラフィンティ様」と声を掛けるヴィラジュリオの表情も憎い。この一瞬だけで二人の因縁を感じさせます。
これまで忠告を軽く流していたけれど、厳しい表情で立ち尽くすランを見てさすがに事の重さに気付いたようです。

さっそくベタベタなムギナミはムネに挟んでる! この状況に眉一つ動かさないヴィラジュリオは大した男です(笑。そして再び戦争の話題へ。ファロスを襲った三人組についての詰問にてヴィラジュリオの言葉を遮る流れは事の真相を上手くボカすシナリオでした。ぐぬぬ!
戦争してるのは私たち、だからまどかちゃんは関係無い。と言われて怒髪天を突くまどか。そりゃそうだ。しかしムギナミは調子を変えず、この生活を「楽しかった」と言い放ちます。戦争前提の「ラクチンな生活」を楽しんでいた…ムギナミが蕩々と語る間揺れ続けるカメラワークはわなわな震えるまどかの心境を映していました。ムギナミとの日々を楽しく過ごしていたのに、当のムギナミはそんなことを考えていた。そりゃキツい。全く悪びれずほわほわ語る態度も返ってキツいです。
「でもね。それは無理なの」
そんなムギナミが素に戻る一瞬。ラクチンな生活を一生続けたいけど現実はそうはいかない。同意を求められたランも返す言葉がありません。「これは運命」とすっぱり割り切って戦争前の生活を楽しめるムギナミはこれまでどんな人生を歩んできたのだろう。
なんて騒ぎに目を覚ましたヴィラジュリオ。シラケた場に席を立ったムギナミはヴィラジュリオに寄り添い「みんなの所へ帰ろう」とおねだり。すると返ってきた言葉は意外なものでした。
「お前、いつから俺たちの仲間になったんだ?」

ここからはまさに怒濤の展開でした。急変したヴィラジュリオをなだめようと辛い笑顔を向けてもことごとく跳ね返され、良かれと思って奪ったウォクスのメモリアも…この辺のシーンは見る見る固まるムギナミの表情と心理変化を示す雲の流れがじつに効果的でした。片手ネックハンギングを受けても愛想笑いを続けるムギナミ。しかしヴィラジュリオは容赦無く力を込め、トドメのセリフは「お兄ちゃん」と呼ぶ事の否定です。ムギナミの思いを全否定する一言は相当効いたようで、掴まれて歪んだ顔から涙を落とし、さらに「寄生虫」と呼ばれてムギナミの大きなムネは張り裂けんばかり。これは見ていてキツい。
すると先ほど受けたショックを忘れて思わず殴りかかるまどか。ちゃぶ台返しから拳を振りかぶる一瞬はまどかの怒りを十二分に表す迫力映像で、その拳をおじさんが掴み羽交い締めで止める緊迫感も良し。首を掴まれ涙目で震えるムギナミをナメて、怒りに震えるまどかのアングルは各キャラの心境を一発で見せる好カットでした。何もできずボーッと立ってるランもいかにも(笑
まあヴィラジュリオの急変は、おそらく寝たふりをしながら聞いていたムギナミの本心「こんなことが一生続けばいいって本気で思った」を叶えるため、つまりムギナミを戦いから遠ざけるためあえてキッツイ態度で突き放した、と考えるのが普通か。殴りかかるまどかを瞬時に止めたおじさんはヴィラジュリオの真意がわかっていた、ってのが定石でしょうね。その後のウォクスの処分を急ぐような捨て台詞や、去り際に壊れたムギナミを見る視線も思いっきりそんな感じです。しかしこの小学生でも判りそうな展開は判りやすすぎて、返って裏があるような気がしないでもありません。特にウォクスについてのアレコレは先の「残り一個だったからなあ…」のセリフと合わせて別の理由もありそうな。考えすぎ?
店を出たヴィラジュリオはいつの間にか現れたロボットに乗り、追って来たまどかをコクピットから見つめて「あの子はまるでお前みたいだよ。ユリカノ」と意味深なセリフで引き。このユリカノさんは公式サイトによるとどうやらデメトリオの王女様らしく、まさかまどかがユリカノの娘なーんてベタなオチは無いだろうね?
さてこの状況で突き放されたムギナミが、何を理由にウォクスに乗ることになるのか気になるところ。それ以上にムギナミのパイロットスーツ姿が(以下略

エンドカードは冬川基氏。とあるナントカシリーズの人ですね。逆さバットネタってことは今回のストーリーを知ってのイラストだろうけど…ジャージの色やムギナミの服装が違っているのはご愛敬か。
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