2012-05-15(Tue)
黄昏乙女×アムネジア #06 復讐乙女
知ってる? 怪人アカヒトさんの噂。

…生きてる人間の方が幽霊より怖い。

冒頭はおどろしい文字が躍る「怪人アカヒトさん」の噂話から。遅くまで残っている生徒を捕まえて全身の血を抜く、返り血でコートが真っ赤に染まるからアカヒトさん。怖い、死にたくない。すると怯える生徒たちへ「ソレナラ」と囁く語り部の少女、ニヤマリと開いた赤い口がいかにも妖しいです。
「私ね、夕子さんに会いたくてここに来たの」
OP明けは閑古鳥が鳴いている怪異調査部のお化け屋敷。まあ立地の悪さに加えこのお化け屋敷は本気で怖い(笑)のでリピーターなど期待できず、なかなか連日盛況ってわけにはいかないでしょう。てな所へ現れたお客さん、足元から登場した女子生徒は次のカットで顔も映さず、入場者リストのカットでは絶妙に名前も隠していました。まさかこの「名前」にあれほどの意味、というか今回ストーリーの根源があったとは。
ほどなくお化け屋敷から出てきた女子生徒は夕子さんに会えたらしく「とても怖かった」と…口ではそう言いながら表情はそう見えず、追うように出てきた夕子さんも「彼女は何も見てない」と証言していました。室内には確かに夕子さんがいたのに怖いモノを見ていない、これは今の彼女に怖いモノなど無いということ。声からしてこの女子生徒はアバンでアカヒトさんの噂を語っていた子で、ならばアカヒトさんを怖れそうなものですが怖れていない。つまり先の噂話が彼女の創作である事を示しているのですね。そして彼女的に「夕子さんはここにいなくてはならない」ので「会えた」と嘘を吐いた。それはともかく幽霊コスの夕子さんが艶っぽいな。

「ありがとう、有子」
アカヒトさんの噂に怯える生徒たちにま~かせて!とポーズをキメる有子さん。例の女子生徒の名前は「霧島有子」で、字違いの「ゆうこ」…怪異調査部の貼り紙を破り捨てての顔見せはこの後の展開を考えるとじつに意味深なシーンでした。くだらない怪談や乗じて騒いでいる連中を一掃したい、それを実行すべき機は熟した。
その頃有子さん&貞一は学祭を満喫中。あれこれ食べたい有子さんは貞一を引っ張り回し、わたがしをぱくん! かわいい! 貞一の手を引いて満面笑顔のイチャラブ風景はしかし突然の展開を迎えます。異変に気付いた貞一が窓外を見上げると風に舞う包帯のシルエット、顔に落ちる赤い影も緊迫感を煽りますね。あれが噂のアカヒトさん!? 屋上へ急ぐシーンはカメラを激しく揺らした実写映像、面白い効果だったけれどちょっとズルい?(笑

貞一が屋上へ到着すると既に人が集まっていました。霧江さんは律儀にネコミミメイドか! ていうか小此木メンバーまで! こっちはタヌキメイド?(笑。アカヒトさんに襲われたらしい有子さんは流血しながら座り込み…弱々しい被害風景から一転して怪異調査部の三人を抜いたシルエットニヤマリ、有子さんの計画が着実に進行している事を窺わせます。
アカヒトさんへの生贄に走るシーン。目的地を示す怪異調査部お化け屋敷の貼り紙と恐怖を叫びながら走る生徒たちを交互に映す映像はなかなか凝った作りでした。矢印の向きどおりに生徒が走り、3Dの貼り紙には背景が3D化し、階段状の貼り紙には階段を駆け上がるカット。次第に流れる速度が上がる貼り紙は生徒たちの焦りを映していましたね。部室前に到着した生徒たちが阿鼻叫喚で「生贄」を求めるシーンも凄い。
夕子さんを守るべくドアを必死に押さえる部員たちの中でさすが小此木メンバーは抜かりなくポンコツっぷりを発揮し、その瞬間にロックが壊れて開いたドアから無数の手が伸び…貞一の腕を掴んで廊下へ引っ張り出し、赤く染まった世界にて取り囲む一連は、パニックを起こして見境が無くなっている集団の恐ろしさが伝わってきます。パニック集団に対して意外と冷静に応対する貞一、さすが普段が普段だけに肝が据わっているね(笑。すると赤く染まった窓が激しい破壊音と共に次々と割れて青く変化。この異変にまたしてもパニックを起こした集団は一目散に逃げて行きました。

嵐が去ってヤレヤレのタイミングで現れたバット娘。ロックが壊れる前に部室を抜け出した夕子さんは廊下の外へ回り込んでガラスを割り、集団ヒステリーを起こしていた生徒たちに先の幻影を見せていたのでした。するとそこへ有子さんが登場。夕子さんの姿が見えない有子さんは夕子さんを素通りして貞一と笑顔で対峙、夕子さんが聞いている前で「ゆうこ」という名前の辛さについて語り始めました。
「夕子さんなんて消えてしまえばいい」
「私は怪談を殺すの」
確かに狭いコミュニティの中で有名な怪談と同じ名前ってのは日常生活にいろいろ支障がありそう。リアルだと「貞子」とかいじめられそうですもの。そんな怪談に振り回される連中、面白がって騒いでいる連中を苦々しく思うのも無理はありません。でもそんな話を傍で聞いてる夕子さんも辛いだろうなあ。

Bパートは夕子さんネタがいじめに発展するまでのダイジェスト。同じ名前というだけで話を持ちかけられ、関係無いと判っても恐怖心を拭えない集団はじきに迫害を始めます。机にラクガキされ、制服をプールに落とされ、靴をトイレに落とされる。その理不尽さに「怪談ナンテ殺シテヤル」と恨みのベクトルを向けるのは仕方がないかも。
アカヒトさんが殺すのは夕子さん。アカヒトさんが殺すのはゆうこさん、アカヒトさんが殺すのは有子さん。屋上で佇む有子さんの所へ現れた件の三人、対峙する影の向きは考えのすれ違いを強調し…モノクロ画像の目に掛かった黒い帯に乗る文字の変化もじわじわ効きますね。会話のうちに移動した有子さんの姿が柱に隠れ、長く伸びた影だけが三人組に寄っていくカットも凄い。「有子さん」の存在が消え「忌まわしき名前」だけが一人歩きしている様子が伝わってきました。
「ありがとう有子。ううん、ゆうこさん」

その頃夕子さんは割ったガラス片を掃除しながら思い悩んでいました。自分のせいで有子さんは辛い目に遭っている、だから彼女が考える解決策を止める資格など自分には無い。ここで「辛くないですか?」と問われた夕子さん「辛いって?」とトボけたのは何か意味があるのだろうか? などと考える間もなく飛び込んで来た霧江さん、霧島有子がアカヒトさんの生贄に!と。アカヒトさんの正体を知っている貞一はこの展開に訳がわからず、しかし有子さんを助けなければ!
「それでも霧島さんは夕子さんが助けなきゃいけないんです」
渋る夕子さんにハッパを掛けて引っ張り出す貞一はなかなか男前でした。これで中一だってんだから先が楽しみです(笑。後姿からロングショット、そして目をフレームアウトさせたアングルと続けこの時の夕子さんの表情を明示しないのもラストへ向けた芸コマな演出。
さて生贄として後ろ手に縛られた有子さんは必死でアカヒトさん騒ぎのネタバラシをするも、恐怖による妄想に取り憑かれた集団は聞く耳を持たず、仮面の表情で取り囲んだままニヤマリ。みなさんすっかり正気を失っています。さんざん煽った自業自得とはいえこれは怖い。

生贄確保に安堵してヘラヘラ笑う妄想集団に有子さんは激昂、すると有子さんの叫びを切り裂くようにカッターが振り下ろされ、制服を見事に切り裂くとたわわなムネを包んだブラが丸出しに! ぽよよん! アムネジアのキャラはみんなグラマラスボディだな!(約一名を除く
夕子サンさえ差し出セバもう誰も襲ワレない。怯えて過ごす必要はナイ。生ヶ贄って何スルンダ? アカヒトさんは夕子サンの血を求めているのヨ。夕子サンの血? コートを赤ク染めル為ニ…などなど盲信の末にブレーキが壊れてしまった描写は、背後で蠢く集団と血のように赤い文字が狂気を感じさせまくり。誰かの犠牲で自分は助かろうという人間のエゴ丸出しです。まあ「生贄」ってのは元々そういうものなのだけれど、こうなってしまうと幽霊や怪談よりも生きている人間の方が怖いね。
そして「アリガトウ 夕子さん」と文字が浮かんだ次の瞬間、ズームアップされた有子さんの瞳に映ったカッターの刃! このまま殺られてしまうのか!?

すると響いた鐘の音を合図のようにアカヒトさんが現れました。赤い光を背負ったアカヒトさんはゆっくりと有子さんへ近付き…言ってしまえばこの正体は判っているのだけれど恐怖を煽りまくる演出に目が釘付けでした。今回はいろいろ過剰です(笑
「あなたは夕子さんじゃない。ごめんね」
夕子さんは各々が怖いと思う姿に見える。アカヒトさんの正体はもちろん夕子さんでした。自分のせいでこんな目に遭わせてしまった謝罪を小さく呟き、すると光に包まれ振り返った瞬間に見えた夕子さんの姿。きっと有子さんはこの瞬間に全てを悟ったのでしょう。
しかし他の連中には相変わらずアカヒトさんが映り、偽りを捧げた罪を血で償えと襲いかかります。赤く光った窓が次々と割れ、恐怖にかられた生徒たちは必死の表情で逃げ始めました。そりゃ怖いだろう。

一人残された有子さんの所へバットを持った貞一(笑)が現れて救出、制服の前を全開にしたまま縛られている状況にいたずら心を起こさない辺り紳士であります。アタリマエか。
一方アカヒトさんの姿で生徒たちを追いかけ回している夕子さん。小此木メンバーの時のように実際は経帷子の裾と胸元をチラチラさせた艶っぽい姿なのかも?(笑。とはいえ逃げる連中は必死必死! ミニスカの奥をチラチラさせるローアングルカットは「それどころじゃない感」を強調している? 単にサービスか(笑。迫り来るアカヒトさんから必死に逃げる女子生徒は次の瞬間光に包まれ、ふと気付くと旧校舎の外へ出ていました。非日常から突然戻った日常に唖然呆然の三人娘、いったい今まで見ていたアレは何だったの? というわけでこうして「怪談」は作られていくのでしょうね。

一件落着のエピローグ。自分を「ゆうこさん」と呼ばないはずの貞一が「夕子さん」と口走った事で夕子さんの存在に気付いた有子さん(紛らわしい)、姿が見えない相手へすれ違い様の「ごめんね」は夕子さんも救われる綺麗な締めでした。夕子さんが貞一へ感謝を伝えるラストシーンはかわいさ全開なのに過剰(というか妙)な動きが気になって少々残念だったかも。何故こんな動きに?
ED後のCパートはアカヒトさんの登場演出(鐘担当)に一役買った霧江さん&小此木メンバーの顛末です。鐘を鳴らした理由を「ちょっとした脅かし」と聞いて慌てて逃げ出す小此木メンバー、このままギャグタッチで締め?と思いきや…一人になった霧江さんは鈴の音に振り返り、するとそこに例の悪霊(?)が! いったいこれはどういう? これまでチラチラ描かれてきたとおり夕子さん以外の何か(黒い影)が存在するのか?
いやはや今回も面白かった。突発レビューも4回目になるとほとんど連載ですが毎回書かずにいられないのだから仕方がありません。記事が4本溜まったので便宜上「アムネジア」のカテゴリを作りましたが連載は未定です(笑。私的に今期新番は「さんかれあ」と「アポロン」と「アムネジア」の三本が図抜けている感じ、第二グループは「アクセルワールド」「Ω」「AO」「魔装少女」「パンツはさみ」かな。あまりの中二に頭を抱えたアクセルワールドは回を追うごとにノリに慣れてしまったか最近は注目中、デレた黒雪姫のお下げもかわいく、新キャラのメガネちゃんの活躍も気になります。いちばんかわいいのはハルだけど(笑。というわけで今後いきなり突発レビューをやるならおそらくこの中からでしょう。
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…生きてる人間の方が幽霊より怖い。

冒頭はおどろしい文字が躍る「怪人アカヒトさん」の噂話から。遅くまで残っている生徒を捕まえて全身の血を抜く、返り血でコートが真っ赤に染まるからアカヒトさん。怖い、死にたくない。すると怯える生徒たちへ「ソレナラ」と囁く語り部の少女、ニヤマリと開いた赤い口がいかにも妖しいです。
「私ね、夕子さんに会いたくてここに来たの」
OP明けは閑古鳥が鳴いている怪異調査部のお化け屋敷。まあ立地の悪さに加えこのお化け屋敷は本気で怖い(笑)のでリピーターなど期待できず、なかなか連日盛況ってわけにはいかないでしょう。てな所へ現れたお客さん、足元から登場した女子生徒は次のカットで顔も映さず、入場者リストのカットでは絶妙に名前も隠していました。まさかこの「名前」にあれほどの意味、というか今回ストーリーの根源があったとは。
ほどなくお化け屋敷から出てきた女子生徒は夕子さんに会えたらしく「とても怖かった」と…口ではそう言いながら表情はそう見えず、追うように出てきた夕子さんも「彼女は何も見てない」と証言していました。室内には確かに夕子さんがいたのに怖いモノを見ていない、これは今の彼女に怖いモノなど無いということ。声からしてこの女子生徒はアバンでアカヒトさんの噂を語っていた子で、ならばアカヒトさんを怖れそうなものですが怖れていない。つまり先の噂話が彼女の創作である事を示しているのですね。そして彼女的に「夕子さんはここにいなくてはならない」ので「会えた」と嘘を吐いた。それはともかく幽霊コスの夕子さんが艶っぽいな。

「ありがとう、有子」
アカヒトさんの噂に怯える生徒たちにま~かせて!とポーズをキメる有子さん。例の女子生徒の名前は「霧島有子」で、字違いの「ゆうこ」…怪異調査部の貼り紙を破り捨てての顔見せはこの後の展開を考えるとじつに意味深なシーンでした。くだらない怪談や乗じて騒いでいる連中を一掃したい、それを実行すべき機は熟した。
その頃有子さん&貞一は学祭を満喫中。あれこれ食べたい有子さんは貞一を引っ張り回し、わたがしをぱくん! かわいい! 貞一の手を引いて満面笑顔のイチャラブ風景はしかし突然の展開を迎えます。異変に気付いた貞一が窓外を見上げると風に舞う包帯のシルエット、顔に落ちる赤い影も緊迫感を煽りますね。あれが噂のアカヒトさん!? 屋上へ急ぐシーンはカメラを激しく揺らした実写映像、面白い効果だったけれどちょっとズルい?(笑

貞一が屋上へ到着すると既に人が集まっていました。霧江さんは律儀にネコミミメイドか! ていうか小此木メンバーまで! こっちはタヌキメイド?(笑。アカヒトさんに襲われたらしい有子さんは流血しながら座り込み…弱々しい被害風景から一転して怪異調査部の三人を抜いたシルエットニヤマリ、有子さんの計画が着実に進行している事を窺わせます。
アカヒトさんへの生贄に走るシーン。目的地を示す怪異調査部お化け屋敷の貼り紙と恐怖を叫びながら走る生徒たちを交互に映す映像はなかなか凝った作りでした。矢印の向きどおりに生徒が走り、3Dの貼り紙には背景が3D化し、階段状の貼り紙には階段を駆け上がるカット。次第に流れる速度が上がる貼り紙は生徒たちの焦りを映していましたね。部室前に到着した生徒たちが阿鼻叫喚で「生贄」を求めるシーンも凄い。
夕子さんを守るべくドアを必死に押さえる部員たちの中でさすが小此木メンバーは抜かりなくポンコツっぷりを発揮し、その瞬間にロックが壊れて開いたドアから無数の手が伸び…貞一の腕を掴んで廊下へ引っ張り出し、赤く染まった世界にて取り囲む一連は、パニックを起こして見境が無くなっている集団の恐ろしさが伝わってきます。パニック集団に対して意外と冷静に応対する貞一、さすが普段が普段だけに肝が据わっているね(笑。すると赤く染まった窓が激しい破壊音と共に次々と割れて青く変化。この異変にまたしてもパニックを起こした集団は一目散に逃げて行きました。

嵐が去ってヤレヤレのタイミングで現れたバット娘。ロックが壊れる前に部室を抜け出した夕子さんは廊下の外へ回り込んでガラスを割り、集団ヒステリーを起こしていた生徒たちに先の幻影を見せていたのでした。するとそこへ有子さんが登場。夕子さんの姿が見えない有子さんは夕子さんを素通りして貞一と笑顔で対峙、夕子さんが聞いている前で「ゆうこ」という名前の辛さについて語り始めました。
「夕子さんなんて消えてしまえばいい」
「私は怪談を殺すの」
確かに狭いコミュニティの中で有名な怪談と同じ名前ってのは日常生活にいろいろ支障がありそう。リアルだと「貞子」とかいじめられそうですもの。そんな怪談に振り回される連中、面白がって騒いでいる連中を苦々しく思うのも無理はありません。でもそんな話を傍で聞いてる夕子さんも辛いだろうなあ。

Bパートは夕子さんネタがいじめに発展するまでのダイジェスト。同じ名前というだけで話を持ちかけられ、関係無いと判っても恐怖心を拭えない集団はじきに迫害を始めます。机にラクガキされ、制服をプールに落とされ、靴をトイレに落とされる。その理不尽さに「怪談ナンテ殺シテヤル」と恨みのベクトルを向けるのは仕方がないかも。
アカヒトさんが殺すのは夕子さん。アカヒトさんが殺すのはゆうこさん、アカヒトさんが殺すのは有子さん。屋上で佇む有子さんの所へ現れた件の三人、対峙する影の向きは考えのすれ違いを強調し…モノクロ画像の目に掛かった黒い帯に乗る文字の変化もじわじわ効きますね。会話のうちに移動した有子さんの姿が柱に隠れ、長く伸びた影だけが三人組に寄っていくカットも凄い。「有子さん」の存在が消え「忌まわしき名前」だけが一人歩きしている様子が伝わってきました。
「ありがとう有子。ううん、ゆうこさん」

その頃夕子さんは割ったガラス片を掃除しながら思い悩んでいました。自分のせいで有子さんは辛い目に遭っている、だから彼女が考える解決策を止める資格など自分には無い。ここで「辛くないですか?」と問われた夕子さん「辛いって?」とトボけたのは何か意味があるのだろうか? などと考える間もなく飛び込んで来た霧江さん、霧島有子がアカヒトさんの生贄に!と。アカヒトさんの正体を知っている貞一はこの展開に訳がわからず、しかし有子さんを助けなければ!
「それでも霧島さんは夕子さんが助けなきゃいけないんです」
渋る夕子さんにハッパを掛けて引っ張り出す貞一はなかなか男前でした。これで中一だってんだから先が楽しみです(笑。後姿からロングショット、そして目をフレームアウトさせたアングルと続けこの時の夕子さんの表情を明示しないのもラストへ向けた芸コマな演出。
さて生贄として後ろ手に縛られた有子さんは必死でアカヒトさん騒ぎのネタバラシをするも、恐怖による妄想に取り憑かれた集団は聞く耳を持たず、仮面の表情で取り囲んだままニヤマリ。みなさんすっかり正気を失っています。さんざん煽った自業自得とはいえこれは怖い。

生贄確保に安堵してヘラヘラ笑う妄想集団に有子さんは激昂、すると有子さんの叫びを切り裂くようにカッターが振り下ろされ、制服を見事に切り裂くとたわわなムネを包んだブラが丸出しに! ぽよよん! アムネジアのキャラはみんなグラマラスボディだな!(約一名を除く
夕子サンさえ差し出セバもう誰も襲ワレない。怯えて過ごす必要はナイ。生ヶ贄って何スルンダ? アカヒトさんは夕子サンの血を求めているのヨ。夕子サンの血? コートを赤ク染めル為ニ…などなど盲信の末にブレーキが壊れてしまった描写は、背後で蠢く集団と血のように赤い文字が狂気を感じさせまくり。誰かの犠牲で自分は助かろうという人間のエゴ丸出しです。まあ「生贄」ってのは元々そういうものなのだけれど、こうなってしまうと幽霊や怪談よりも生きている人間の方が怖いね。
そして「アリガトウ 夕子さん」と文字が浮かんだ次の瞬間、ズームアップされた有子さんの瞳に映ったカッターの刃! このまま殺られてしまうのか!?

すると響いた鐘の音を合図のようにアカヒトさんが現れました。赤い光を背負ったアカヒトさんはゆっくりと有子さんへ近付き…言ってしまえばこの正体は判っているのだけれど恐怖を煽りまくる演出に目が釘付けでした。今回はいろいろ過剰です(笑
「あなたは夕子さんじゃない。ごめんね」
夕子さんは各々が怖いと思う姿に見える。アカヒトさんの正体はもちろん夕子さんでした。自分のせいでこんな目に遭わせてしまった謝罪を小さく呟き、すると光に包まれ振り返った瞬間に見えた夕子さんの姿。きっと有子さんはこの瞬間に全てを悟ったのでしょう。
しかし他の連中には相変わらずアカヒトさんが映り、偽りを捧げた罪を血で償えと襲いかかります。赤く光った窓が次々と割れ、恐怖にかられた生徒たちは必死の表情で逃げ始めました。そりゃ怖いだろう。

一人残された有子さんの所へバットを持った貞一(笑)が現れて救出、制服の前を全開にしたまま縛られている状況にいたずら心を起こさない辺り紳士であります。アタリマエか。
一方アカヒトさんの姿で生徒たちを追いかけ回している夕子さん。小此木メンバーの時のように実際は経帷子の裾と胸元をチラチラさせた艶っぽい姿なのかも?(笑。とはいえ逃げる連中は必死必死! ミニスカの奥をチラチラさせるローアングルカットは「それどころじゃない感」を強調している? 単にサービスか(笑。迫り来るアカヒトさんから必死に逃げる女子生徒は次の瞬間光に包まれ、ふと気付くと旧校舎の外へ出ていました。非日常から突然戻った日常に唖然呆然の三人娘、いったい今まで見ていたアレは何だったの? というわけでこうして「怪談」は作られていくのでしょうね。

一件落着のエピローグ。自分を「ゆうこさん」と呼ばないはずの貞一が「夕子さん」と口走った事で夕子さんの存在に気付いた有子さん(紛らわしい)、姿が見えない相手へすれ違い様の「ごめんね」は夕子さんも救われる綺麗な締めでした。夕子さんが貞一へ感謝を伝えるラストシーンはかわいさ全開なのに過剰(というか妙)な動きが気になって少々残念だったかも。何故こんな動きに?
ED後のCパートはアカヒトさんの登場演出(鐘担当)に一役買った霧江さん&小此木メンバーの顛末です。鐘を鳴らした理由を「ちょっとした脅かし」と聞いて慌てて逃げ出す小此木メンバー、このままギャグタッチで締め?と思いきや…一人になった霧江さんは鈴の音に振り返り、するとそこに例の悪霊(?)が! いったいこれはどういう? これまでチラチラ描かれてきたとおり夕子さん以外の何か(黒い影)が存在するのか?
いやはや今回も面白かった。突発レビューも4回目になるとほとんど連載ですが毎回書かずにいられないのだから仕方がありません。記事が4本溜まったので便宜上「アムネジア」のカテゴリを作りましたが連載は未定です(笑。私的に今期新番は「さんかれあ」と「アポロン」と「アムネジア」の三本が図抜けている感じ、第二グループは「アクセルワールド」「Ω」「AO」「魔装少女」「パンツはさみ」かな。あまりの中二に頭を抱えたアクセルワールドは回を追うごとにノリに慣れてしまったか最近は注目中、デレた黒雪姫のお下げもかわいく、新キャラのメガネちゃんの活躍も気になります。いちばんかわいいのはハルだけど(笑。というわけで今後いきなり突発レビューをやるならおそらくこの中からでしょう。
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