2012-05-29(Tue)

黄昏乙女×アムネジア #08 追憶乙女

切り離した記憶の恢復。

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貞一くん、だ~い好き!

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アバンは衝撃の前回ラストの続き。黒バックに白抜きで「あなたは……だぁれ?」と夕子さんの冷たいセリフで引いた前回から、今回は白バックに黒文字で「もう私と会わないで」…あまりの衝撃に貞一の頭が真っ白になっている様子が窺えます。貞一に関する記憶が消えている事から彼が「負の感情の原因」と察し、さらに足のケガを見ていよいよ突き放す夕子さん。貞一が手を伸ばしても冷たく拒絶、感情の抜け落ちた目で「あなたはだぁれ?」と呟くのみです。これは辛い。

屋上での霧江さんとの会話。現状の夕子さんを「アムネジア (陳述記憶の喪失)」と宣言し、万年お花畑な性格形成の理由を語る霧江さん。アバンを締めたタイトルコールはちょっとゾクッとしました。なるほど作品タイトルはそういう意味だったのか。

「お前も夕子の事を忘れるんだな」

夕子さんに拒絶されておめおめと帰ってきた貞一は厳しい口調でハッパを掛けられても諦め気分、「よりを戻す気があるのか?」と問われても俯いたまま。業を煮やした霧江さんにギプスの足を蹴飛ばされても答えを出せません。まあ相手が自分の事をすっかり忘れちゃっている上に「傷付きたくないから近寄るな」と言われ、その言葉の意味もわかっている貞一が沈むしかないのもわかります。

そんな貞一に対して霧江さんはしばらく空を見つめ、おそらく一世一代の覚悟を決めて夕子さんの代わりを提案するもあっさり玉砕。「髪を伸ばせばきっとそっくりだぞ」とふざけ半分の表情、当然の如く拒否されると冗談とごまかし、そこからソッポを向いたアップで「私だって女の子だって言ったくせに」と呟く一連は、直球で思いを伝えられない霧江さんのかわいらしくひねくれた告白シーンでした。霧江さんかわいい! またここは作画の表情に加えてキタエリがいい仕事しすぎてたまりません。さすが玉砕役をやらせたら右に出る者がいませんね(酷

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霧江さんと別れた貞一は渡り廊下で夕子さんと遭遇。気付いた夕子さんが無表情に見つめる中、貞一は何も言えないままその場を逃げ出してしまいます。夕子さんから逃げながら「あなたはだぁれ?」のリフレインに苛まれ涙を落とす貞一。思えばこれが「夕子さんが見えなくなる」事のトリガーだったのかも。この辛さを「切り離したい」と思い、結果その通りになったとか。

てな所へ通り掛かった小此木メンバーは倒れた貞一を心底心配しているようでした。怪異調査部の仲間として!と言いながら表情を見ればモロバレです(笑。かいがいしく肩を貸し、足が悪い貞一のサポートに張り切る表情もわかりやすい。健気だなあ、かわいいなあ。

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そして2人きりのランチタイムへ。ここもまた貞一との時間が嬉しくてたまらない小此木メンバーが恋するオトメすぎて辛い。タコさんウインナーを差し出してあーん! すると貞一は一瞬夕子さんの後姿を見つけ、しかし次の瞬間消えてしまう。小此木メンバーの猛アタックに心が揺れ始めた貞一は夕子さんの姿が見えなくなってきた?

「部室には顔出してくれないんですか?」
「ちょっと行きづらくて…」
「それもそうですね。旧校舎は床が悪いから転ぶといけませんしね」

部活復帰を望みながら貞一を気遣って笑顔の小此木メンバー、しかし貞一が言う「行きづらい」は別の意味からのもの。この微妙なすれ違いも切ない。そして小此木メンバーが出汁巻き玉子を差し出し、今度は貞一も「あーん」と待ち…このデレた馬鹿面(笑)が我慢できなかったのだろうなあ。前回同様ビシッ!と箸ごと叩き落とされ、遠目に見ていた霧江さんはもの悲しそうな表情です。なるほど霧江さんには全て見えているんだよね。

嫉妬という感情を切り離した夕子さんが嫉妬からの行動をしている。現在この感情を持っているのは影夕子であり、しかし霧江さんのリアクションは影夕子を見た時のそれではありません。これは後のシーンでも描かれますが霧江さんが見ているのは紛れもなく夕子さんで…考えてみれば「多重人格者」ってのは本体は1人なんですよね。多重人格者本人は別人格を認識できるけれど、他人から見たら入れ物は同じ。

考えてみれば前回での影夕子との対峙シーンで、貞一も霧江さんも、夕子さんを認識しながら影夕子へ話しかける事はありませんでした。簡単に例えれば「あれが影夕子ですか!? 夕子さん!」というシーンが無く、画面上両者が映っていても貞一が影夕子を相手している時は夕子さんを気にせずその逆も然り。モノクロでの対峙シーンでは逃げ走った夕子さんを貞一が追った後 霧江さんが振り返ると影夕子は消え、屋上での対峙シーンでも夕子さんvs影夕子が激しいやり取りをしているのに貞一は黙って立っているだけです。貞一が口を開くのは影夕子に襲い掛かられ目を瞑り、霧江さんの声で目を開いた瞬間。その時影夕子は姿を消していました。

つまり影夕子は夕子さんと別の存在(個体)ではなく、状況に応じてモード(?)が切り替わっているだけなのかも。もしこの推論どおりなら画面トリックの見事さに脱帽するしか。

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朝っぱらからイチャイチャしている若い二人を遠目に見て目を逸らす霧江さん。悔しいのう(違。ひょっとしてこの時もどこかに夕子さんが立っているのかな。ランチタイムのイチャイチャを見てももの悲しい。そして体育授業を見学している貞一が投げたバスケットボールをゴール直前で妨害したバレーボール。次のカットで犯人(?)っぽく映った霧江さんでしたが、ネットの位置からして霧江さんはボールを当てられないはず。さらに床を不自然に転がるバレーボールをまたしてももの悲しい表情で見つめています。

そう。前にも書きましたが「霧江さんには全て見えている」のですね。

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「新谷、本当にそれでいいのか?」

いろいろちょっかいを出していたのに貞一は何も気付かない。夕子さんが見えていない。つまり貞一の意識から夕子さんが消えてしまった。夕子を忘れてしまっていいのか? 雨の中 貞一を呼び出した霧江さんは確かめるように問いかけ、しかし質問の意味すら判らない貞一に肩を落として「本当に終わったんだな」と呟くだけ。俯いた視線の先の「夕子」の墓標が霧江さんの複雑な思いを窺わせますね。切ねー。

イチャラブランチの隣のテーブル、体育館の隅、転がるボール。霧江さんがもの悲しい表情で見つめていた先には全て夕子さんがいました。憧れの夕子さんの沈んだ姿、それに気付きもしない貞一に霧江さんが激昂するのも無理はありません。泣き叫びながら掴み掛かる霧江さん、貞一は訳が判らないながらも背中へ手を回し…その瞬間霧江さんは何物かに掴まれて吹っ飛ばされてしまう。貞一が抱き締めていいのは「自分」だけ、という主張なのか。呆然と見上げた空に響く鈴の音。つまりこれは影夕子の仕業で、この時点の影夕子は貞一への感情(霧江さんへの嫉妬)を持っているということ。

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「夕子さん、いるんですか?」

夕子さんの事をすっかり忘れた貞一はもはや当然のように小此木メンバーとツーショットタイムを楽しみ、しかし怪異調査部日誌に描かれた夕子さんからのメッセージを見て大切な事を思い出します。夕子さんの回想が特定のカットばかりなのは健康な男子中学生である証か(笑

飲み物を買って戻って来た小此木メンバーは強風で転びそうになったとか。おそらくこれもまた…。てな所へ茶々入れメンバーが登場して図星を突かれた小此木メンバーは真っ赤っか。その勢いでもじもじしながらほとんどコクってる仕草もかわいかった。

「何かに向かって真剣にがんばってる。誰かのためにがんばってる感じがする」

小此木メンバーが貞一を「かっこ良く」見えるのはそう思っているから。ちんちくりんの短髪でも健気な小此木メンバーはかわいらしく見えますし、ひねくれながらも好意を隠せない霧江さんだって同じ事。かわいいと思って見ればかわいく見える。かっこいいと思って見れば、実際は夕子さんにデレているだけの貞一だってかっこよく見えるのです。思ったように見えるのは人間も幽霊も同じって事かもしれません。

「新谷さんに好きな人はいるんですか?」

白く飛ばした背景で描かれる一世一代の告白シーン。厳密にはコクっているわけではないのだけれどほとんど同じ事でしょう。しかし先の言葉とこの問いかけで貞一は「自分の気持ち」をはっきりと思い出してしまった。何とも皮肉なものです。

「何となくわかってました。わかってましたけど…」

貞一の答えを聞いてスカートをグッと握って俯く小此木メンバー。まさかここからパァッと顔を上げて「ちょっとだけがんばってみました」と笑顔を見せてくれるとは。なんと健気な! 思いは報われなかったけどこのがんばりはきっと糧になるはず。旧校舎へ向かう貞一を見送る笑顔も眩しかったです。いい子だなあ。

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記憶が夕子さんの心ならこれ以上失ってほしくない。そして僕は夕子さんに忘れられたくない。貞一は霧江さんの制止を振り切って部室の戸を開けるも蛻の殻、しかし夕子さんへの思いを確立した貞一の呼び掛けに姿を現してくれた。とはいえ当の夕子さんは相変わらず無表情を返すのみ。

触らないでと言われた事などお構いなしに夕子さんの手を握り、足を引きずりながら連れて行った先は二人の思い出の場所…ドアを開けた瞬間に目映い光に包まれ、燃えるような一面の紅葉に包まれて回り込む映像美も素晴らしかった。夕子の夕は夕陽の夕、赤い夕陽に掛けた赤い紅葉は夕子さんへの思いを象徴したものか。貞一の思いを表すように降り積もる紅葉は夕子さんへ静かに流れ、涙ながらの告白にバァッと舞い上がる演出も貞一の心の動きを効果的に表現していました。

戸惑う夕子さんへ足を引きずりながら近付く貞一。すると杖が滑ってコケてしまい…お約束どおりラッキースケベのムネムギュがまさか記憶の再起動スイッチになるとは!(笑

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上下ひっくり返った視点から180度ぐるりと回って潤んだ瞳で見つめる夕子さんのアップ。記憶恢復を表す反転演出はわかりやすくいい感じだったと思います。

「また触ってくれた。初めて触れてくれた所」

貞一が夕子さんに初めて触れた場所。その時の印象がよほど強かったのか、同じ場所をムギュっと触られた夕子さんは貞一くんスイッチが入ってしまいました。まさか第2話でのムネムギュが伏線になっていたとは。ナニゲに上手い作りだけどいいのかこれで(笑

貞一に関する記憶を取り戻した夕子さんは以前に増して甘々、コクった貞一も抱き締め返してラブラブなお二人でしたが…そこへ現れた小此木メンバーは失恋の痛手など微塵も見せずに一人盛り上がってます。あはははは! 福圓さんスゲー(笑。貞一は夕子さんに譲って、あなたはピーターパンに想いを馳せていてください(作品違い

記憶が戻ってめでたしめでたし、からのCパートは古いアルバムを眺める霧江さん。写真に写った黒髪ロングの二人は生前の夕子さんと祖母でしょう、前回見た写真と違うのは三人目が写っている事。夕子さんに甘える小さい女の子は何者なのか、今後の展開に絡んでくるのかな。

てな所へ鈴の音が響いて影夕子が現れました。夕子さんが切り離した記憶を持っていたはずの影夕子、雨中でのシーンを思い返せばおそらくそれには霧江さんに関する記憶(嫉妬の対象ですから)も含まれているでしょうに、ここで現れた影夕子は「あなたは…だぁれ?」と記憶が抜けている。つまり影夕子が持っていた嫉妬の感情も夕子さんへ戻り、影夕子はそれを失った。これを良い意味で取れば記憶恢復が完全に行われた証だけれど、おそらく何か他の意味があるんだろうなあ。そもそも貞一絡みの記憶が戻っただけでは本質的な解決になっておらず、影夕子が引き受けている忌まわしい記憶が全て夕子さんへ戻り、それを受け入れる事でストーリーは完結へ向かうはず。ともあれ前回ラストの夕子さんのセリフと対称位置に赤文字で書かれた「あなたは…だぁれ?」が意味深すぎる締めでした。

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エンドカードは清原紘氏。

    

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ミドエリもまた散る…

CV.キタエリってだけで負け犬フラグ…まっひろさ~んになるとモテるのに(笑)
霧江さんはだいぶこじらした厨二病ですが、実はいちばん心優しく、いちばん苦労して、やっぱいちばん報われない…個人的には霧江さんの頭をよしよして抱きしめてやりたいですな(^o^)
でもお話はここからシリアス展開っぽいですかね…いずれにせよ中途半端な感じになるくらいならバッドエンドでも良いかな、とは思います。

Re: ミドエリもまた散る…

霧江さんいいですよねー。キタエリがハマりすぎていて怖いくらい(褒め言葉
「髪を伸ばせばそっくりだぞ」のシーンなど何度見ても悶絶してしまいますよ。
貞一もムネ見て黙るなって(笑

最新話では夕子さんの過去回想話へ進むようで、つまり霧江さんの出番が無くなってしまうのが寂しいです。もっと報われない痛々しい姿を見たいのに。

夕子さんと影夕子が融合し貞一が受け入れ一件落着までは既定路線として、しかし融合した所で夕子さんが幽霊である事に変わりは無いので問題はその先どうなるかですね。成仏して消えてしまうか、相変わらずのラブイチャで微笑ましく終わるか。どっちにしろ霧江さん大逆転の目は無さそうですけれども。
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