2012-06-26(Tue)

黄昏乙女×アムネジア #12 黄昏乙女

ありがとう――そして――サヨウナラ。

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美しく切ない別れから…本作らしい最終回でした。

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手首から抜け落ちた鈴、拾う手をすり抜ける鈴。どうにも不穏な前回引きから、今回アバンは「夕子さん関連」の諸々が解決した雪の朝のドタバタへ。雪が積もって寒いのは判るけれど小此木メンバーってば着込みすぎだろう(笑。部室の地下から身元不明の遺体を発見、地下には儀式か何かの跡があって~などなど立て板に水の如く顛末を報告する小此木メンバーにいちいちツッコむ夕子さんカワイイ! 2人の仲を冷やかされて胸キュンハンターずっきゅん!の夕子さんもカワイイ! すると小此木メンバーが取り出したる例のラブラブ日誌…見られてた! でもあの日誌って前回貞一が破っちゃわなかったっけ?

登校してきた貞一&霧江さんをいつもどおり校門でお出迎えの夕子さん。自分のお葬式の清め塩を自ら貞一へ振ってあげてるのはちょっとシュールな状況かも(笑。一方霧江さんにはテーブルソルトを渡してセルフサービス。いろいろ間違っているような気がするけど、何だかんだ言いながら頭に振りかけている霧江さんカワイイ!

地下の遺体発見からお葬式まで少々時間が掛かったのは一応「変死体」なので検死を行ったため。つまり夕子さんの体の一番奥まで覗かれてしまったのです。てな話を聞いた夕子さんは顔に影を落として怨念の炎をめらめらと立ち上らせ…「恥ずかしい~っ!」はわかっていてもやっぱりカワイイ! というか叫び声がピタッと止まって次カット(旧校舎前で静かに佇む3人)へパッと変わるテンポ良いコンテ割りが、いかにも「お約束消化」「それはさておき」っぽくて面白かった。

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「貞一くん、デートしよ!」

夕子さん関連のアレコレが全て片付いた事で少々しんみりの貞一へ思いっきり抱き付いてデートに誘う夕子さん。戸惑う貞一の手を引いて掛け出す様子はいかにも「急いでいる(時間が無い)」感じです。夕子さんが笑顔であればあるほど不穏なな予感が止まりません。

嬉し恥ずかし校内デート、まずは演劇部の衣装を借りて大胆かつオシャレな装いに。というかシャツのサイズが合ってませんよ! ぱっつんぱっつんのシャツに収まりきらないムネはやがてボタンを飛ばし…じつに浪漫だなあ。貞一ははだけたムネに「危ない!」と手を伸ばすとそのままムギュ! これまでの夕子さんならここで喜ぶはずなのですが…突然の不埒にビンタ炸裂! 恥ずかしがる表情も新鮮でカワイイ!

それは影夕子と融合した事で「怒り」の感情を取り戻したため。60年前の回想映像で描かれたとおり頭に血が上るとすぐに手が出る性格も戻っているようです。あははは。陰陽を強調したモノクロカットは夕子さん&影夕子の融合を改めて意識させ、そして貞一は「今の夕子さん」も好きと…ほんとラブラブだな! 霧江さんじゃないけど爆発しろ!

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カフェテラスにて出汁巻き玉子あーんのリベンジ。弁当箱いっぱいに詰められた各種出汁巻き玉子は某魔装少女の弁当みたいな(笑。誰にも邪魔されずついに本懐を遂げた夕子さんは感激の涙を落とし、貞一からのお返しあーんにも感激。なーんて幸せな時間は長く続きませんでした。消えかかった手からするりと抜け落ちた箸。そこから落ちた箸を拾う夕子さんは「どうか拾えますように」と…つまり(消えかかっている事を)貞一に気付かれないように祈りながら覚悟を決めて手を伸ばすのです。この一瞬に夕子さんの思いが込められていましたね。芸コマすぎ切なすぎ。

その後スケートをするはずの屋上プールにてベンチに並んで一休み。出汁巻き玉子を食べ過ぎたせいで動けないとか(笑。日も傾き始めていい雰囲気の中、幸せそうに肩にもたれられたら思わず手を回しちゃうのもわかります。貞一ってば中学一年生なのに扱い方がわかってらっしゃる。しかしこの幸せタイムもほどなく終了、夕子さんの手首をすり抜けた鈴がチリンと落ちてしまいます。

体が消えかかっている。いよいよタイムリミットを察した夕子さんは鈴を拾う事もなく、ベンチから離れて向き直ると貞一へ「お別れ」を告げました。

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別々になっていた自分を1つに戻す。夕子さんが死後60年もの間この世に存在してきた理由は貞一のおかげで見事に解決し、つまり「思い残す事(存在理由)」が無くなったのだから後は消えるのみ。まあこれはあらかた予想していたのでイマサラ驚きもありませんが、改めて夕子さんの口から言われるとさすがに切ない。夕暮れを背景にシルエットで語るカットは限りなく美しく儚く、スッと伸ばした手から手袋が落ちるカットも切なさMAXです。

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影夕子と融合したイメージの横を歩く足跡、途中で靴が脱げて足跡が素足に変わる演出も効果的でした。貞一への感謝を語りながら残り時間は着々と無くなっていく。夕子さんは悟った口調で淡々と語っていたけれど相当辛いのだろうね。広角歪みの端と端に位置する2人を分ける監視椅子、これは夕子さんが本心を歪めて貞一から離れようとしている事の表れか。しかし貞一はそんな別れは受け入れられず、あらゆる手を使って夕子さんを留めようと足掻く。傍から見たら見苦しい足掻きですが、惚れた女が消えていくのを「はいそうですか」と笑顔で見送れる出来た人間はそういないでしょう。

調査部の仲間を呼ぶべくケータイを取り出した貞一、邪魔を呼ばないで!と夕子さん。それでも必死に食い下がる貞一でしたが…ケータイを取り合う手がするりと抜けた事でついに事態に気付き、しかし貞一はまだ諦めきれません。この辺のシーンは夕子さんが透けたり現れたり、まさに残り時間の少なさを示しながら、その僅かな残り時間に必死に思いを伝える夕子さんと真っ直ぐな貞一のやり取りがじつに切なかった。

私が消えてもあなたは生き続ける。だから私の事を忘れて。
絶対に忘れない。絶対にこの手を離さない。

透けていた手を今度はがっちりと握り「夕子さんを愛してるから」と思いをぶつける貞一。貞一が受けるであろう寂しさを全て背負うつもりで、綺麗に別れるつもりだった夕子さんでしたが、ここまでされたら決心が揺らいでしまう。泣きじゃくる顔からこぼれ落ちる涙は、これまで必死に抑えていた本心が溢れてきているようでした。

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そしていよいよ最後の時へ。会話中に声が途切れ始めた時はTVの故障かと思った(笑。いや笑い事ではありません。声が聞こえなくなってからの筆談シーンは限りなく切なく、降り注ぐ雪エフェクトも儚さを演出していました。BGMも含めて全体に泣かせモード全開です。

「夕子さんの心残りになるような事はしません」

涙を浮かべながら「泣きません」。消えゆく夕子さんに心配をかけず、心残りが無いよう必死にがんばる殊勝な姿は見ているこっちが辛いです。そんな貞一を見た夕子さんは「やっぱり私のこと忘れて」とサイゴニオネガイ、それが夕子さんのためならばと「忘れる」ことを約束する貞一。

最後の言葉を書きかけた時にコロリと転がったペン。この瞬間の貞一のリアクションも見ていて辛かった。覚悟はできていたはずなのに本当に消えてしまったらそれどころではなく、「泣かない」という約束も忘れて涙ながらに夕子さんの名前を呼び続ける。ううう。すると夕子さんの手が貞一の頬へスッと伸び…

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最後のキスを交わすと夕子さんは今度こそ消えてしまいました。消えた直後はさすがに相当落ち込んでいたようでしたが、窓を通じて描かれる時間経過と共に貞一は少しずつ夕子さんの事を忘れ、少しずつ元気を取り戻していく。そして季節は進んで桜が舞い散る頃、貞一はついに夕子さんに別れを告げます。夕子さんとの約束どおりに。

相変わらず元気いっぱいの小此木メンバー、相変わらずポーズをキメている霧江さん。紫子理事長の計らいで取り壊しを免れた旧校舎は立ち入り禁止も解かれて怪異調査部も復活し、貞一はすっかり元気を取り戻して全て元通りの平穏な日々へ。

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それは-
まだ何も知らない頃-
僕が覚えていない-
僕の話。

ここで第2話アバンで語られた貞一のセリフの意味が明らかになりました。夕子さんを忘れる(夕子さんに関する記憶を封じ込める)事が彼女の望み、だから僕はもう何も知らない、思い出す事はない。なるほど本作タイトルの「アムネジア」は夕子さんだけではなく貞一にも掛かっていて、だから「僕が覚えていない-僕の話」なのか。辛さ・悲しみ・苦しみから逃げ出すために記憶を切り離した夕子さん、そんな彼女を救い愛ゆえに同じ事をする貞一。この構成にはちょっとさぶいぼ。高山氏らしいっちゃそうなのだけど原作ではこの辺どうなってんだろ?

夕子さんに纏わる数々の怪異は全て夢、全て幻。夕陽が落ちる廊下に夕子さんの影は走らず、大鏡の前で振り返っても襲う手は現れない。意識しなければ夕子さんは見えない、つまり第2話アバン映像からの変更は貞一の中から夕子さんの記憶が消えている事を示しているのですね。

立ち入り禁止が解かれた旧校舎の部室はすっかり片付いていました。小此木メンバー手際が良いな。わざとらしく大鏡の前に置かれた謎の箱も良いね(笑。「開けたら呪う」と書いてあるのに構わず開けちゃう貞一、この時点までは本当に記憶を封印していたのでしょう。

「あーあ、開けちゃった」

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思わぬ声に振り返ると夕子さんが立っていました。片足が「影」になっているとは最後の最後まで気が利いてます。夕子さん曰く最後のキスが未練になって成仏できなかった。というわけでセーラー服の胸元から谷間をチラチラさせて迫り、じたばた慌てる貞一の唇を奪う夕子さん。しっとり終わると思わせてこのオチとは何とアムネジアらしい最終回か。もはやグゥの音も出ません。いつまでもお幸せに(笑

以前マンマに楽しげな怪異調査部の様子を映し、飲み干した牛乳瓶ナメでポーズを決める霧江さんを映し、先程までのしんみりした雰囲気を吹き飛ばすED(OPテーマ曲)から作品タイトルで締め。ああ面白かった。

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エンドカードは原作者のめいびい氏。さすがよく似ています(アタリマエ

連載レビューをする予定は無かったのに気付けば第3話以降きっちり続けて無事完走してしまいました。原作未読の私は単に「大沼-高山ペア」の作品って事で期待していたのですが、いざ始まった第1話ではあの構成に面食らい、続く第2話では第1話を無視していきなり始まった(巻き戻った)ストーリーに面食らいながらも引きずり込まれ、以降は見事すぎる演出と夕子さんのかわいさ&影夕子の謎、そして霧江さんの全力空回り(笑)を熱く見守る毎週が続く事になります。常にウルトラハッピーな小此木メンバーもいいキャラでした。よくあるハーレム軟弱主人公ではなく、男の子らしい強さと弱さをきちんと見せてくれた貞一も良かった。やはり1クール作できちんとキャラを描くにはこのくらいの人数がちょうどいいのでしょう。

そういえば中の人たちの演技も良かったですね。特に夕子さん役の原さんはこれほどハマる役もそう無いんじゃ?と思うほど。お花畑モードでも闇モードでもしっかり「夕子さん」を演じきった力量は評価に値するかと。余談ながらキタエリの安定感も凄かった(笑

適度なお色気&コメディタッチの緩い流れとドス黒いホラーチックな描写を組み合わせたコントラスト激しい演出にもハマりました。緊張と弛緩のバランスが絶妙で、常に目を離せず魅入ってしまう事もしばしば。またどのシーンも映像が綺麗というか、レイアウトの気遣い含めて私の好みにドンズバで、「黄昏乙女」のタイトルどおり多用された夕暮れ風景も絶品。映像美という点でも私の中で記憶に残る作品になったと思います。

というわけで「黄昏乙女×アムネジア」は今回でおしまい、レビューもこれにておしまいです。おつかれさまでした。

    

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