2012-07-09(Mon)
スマイルプリキュア! #22 いちばん大切なものって、なぁに?
キャンディを助うべくまずはメルヘンランドへ!

そこで待っていたのは究極の選択でした。

ようやく集まったデコルを丸ごと奪われ、キャンディを拘束したジョーカーはどこかへ消えてしまった。上手い事いく寸前に全てを失い、愕然と肩を落としたみなさんは秘密基地にてお通夜状態です。あまりに気の毒&切実だったので面倒くさいけどテロ消しで繋いでみました(それはどうでも。
そんなどよんどMAXの空気の中、何かを思い出したみゆきはロフトに上がり、笹に飾った星デコルを手に取ります。前回の七夕飾りにてデコールから勝手に抜いて飾った事が結果的にGJとなった…まあこの流れはあらかた予想どおり、欲を言えばもう少し意外性が欲しかったかも。
「みゆきたちとずっといっしょにあそぶくる」
ロフトに集ったみなさんはキャンディの短冊を見つけ、さらにスマイルチーム各々に向けて書かれた短冊も見つけました。後々の決断のきっかけとなる小道具としてこの短冊(キャンディからの思い)の仕込みは上手かった。小さいお友達にもわかりやすそうですし。また画面構成として俯瞰と表情アップを上手く使い分けて「焦燥」「不安」「決意」などなどの感情を的確に描いていたと思います。と思ったら今回の演出はタナカリオン(田中裕太)氏でしたか。そりゃ私のツボに来るはずだ。
キャンディの思いを知ったみなさんは落ち込んでいた顔を上げ、ピエーロの名に少々ビビりながらもキャンディ救出のため、まずは例の絵本に入ってメルヘンランドへゴー! メルヘンランドにも本棚くらいあるだろうに本棚ワープは使えないのね。というかこの「ひみつ図書館」ってメルヘンランドの一部じゃなかったのか。

バッドエンド王国にて囚われのキャンディは怯えるでもなく普段の調子でした。逞しいな。怖い顔で脅かしても答えないキャンディは本当に何も知らない? さらにデコル欠品に気付いたジョーカーはプリキュアたちに直接聞きに行く事に。そして最後のバッドエナジーを彼女たちから…と実に性格がよろしくありません。などとノリノリで悪役してるグレーゾーンさん、最近くだらないバラエティ番組での露出が増えていますが、本業となればさすがベテランの味わいです。
一方メルヘンランドへ到着したスマイルチームのみなさん。安定の顔面着地から周囲を見回すとかの地は妙に静かでありました。メルヘンの地の人々が引きこもってちゃダメだろう?(笑。なんて所へジョーカーがいきなり登場、いつもの調子でキモチワルイ丁寧口調で話しかけるもデコル強奪に「よこせ!」と素を出す辺りベタながらいい悪役っぷりです。
絶対に許さないみゆきたちはプリキュアに変身してジョーカーとの戦い。ところがさすがいつもの三馬鹿(笑)を出し抜いて来ただけあってジョーカーは強い強い。トランプを使った技に翻弄され、肉弾戦でも触れる事すら叶わず、飄々と逃げ回っては的確に攻撃してくるジョーカーにプリキュアたちは大苦戦。

業を煮やしたハッピーがぶっ放したハッピーシャワー。早めの変身、早めの必殺技は負けフラグと相場が決まっていますが今回もその例に漏れず、哀れトランプに吸収されたハッピーシャワーはドス黒いビームとなって返ってきてしまう。ジョーカーのカードがクルリと回ってハートのAに変わって返しビーム発射は面白いアイデア。なるほどジョーカーは何のカードにでも変わるのね。意外な返し技にハッピーは呆然と立ち尽くし、するとその前に飛び出したポップが盾に変身しプリキュアたちを守る流れも良かった。ポップは文字通り体を張ってます。
黒ビームにやられたポップの敵討ちとばかり一斉に必殺技をぶち込むプリキュアたち。もちろんそれが効くはずもなく…命中した笑顔が次の瞬間曇り、5倍になった返しビームに吹っ飛ばされる一連は凄い絶望感です。まさにジョーカー相手に手も足も出ません。

「輝く未来もスマイルも、もうありえない」
何の苦もなく星デコルを拾い上げたジョーカーは仕上げとして「最後のバッドエナジー」をプリキュアたちから吸い上げるべくどよんど時空を発生。ニヤ付いた表情で絶望の淵に落とすジョーカー、この辺のいやらしさもグレーゾーンさんがいい仕事してました。年収1億円のジョーカーの語りに次々と落ちていくプリキュアたちの描写はこれまた壮絶で、必死に抗いながらも現実を叩き付けられ、トランプタワーは崩れ、目の前の花は無残に散ってしまう。泣き虫設定のピースが泣き声すら上げられない絶望の表情は凄い。
そして絶望に囚われたプリキュアたちからついにバッドエナジーが表れ始めます。諦めない負けない、希望の象徴であるプリキュアが絶望に打ちひしがれ、バッドエナジーを放出している絵面は何よりも衝撃的でした。五条のバッドエナジーを吸い上げたジョーカーは高笑いで去り、残されたプリキュアたちは限りなく打ちのめされて立ち上がる事すらできません。これはキッツイ。

全てを奪われ、ジョーカーにも歯が立たず、はたしてこれからどうすべきか? 囚われのキャンディに気が急くポップの言葉を聞いて、それでも「どうしようもない」事が判っているのか、救出に同調しながらどこかよそよそしいなおちゃん&あかねちゃんの反応が絶妙でした。それはそうとこのカットのなおちゃんが塗りミスのせいで左腕が2本あるように見えてびっくり。ううむ。こんな些細なミスを見つけられないほど現場は切迫しているのか(先週の6本指に続いて
「もしピエーロが復活しちゃって、デコルも取り返せなかったら…どうなるの?」
絶対的な敵を相手にココロが折れてさあどうする?的な展開はプリキュアのお約束なれど、しかしそこへ個人のエゴが絡む事はまずありませんでした。キャンディを助けたい、世界を救いたい、でもその代わりに自分の全てを賭けられるか? 失敗したら元の世界へ戻れなくなるとしてもキャンディ救出に向かうべきか? プリキュアとしての使命は大切だけれど自分だって同じくらい大切で、万一の事があったら…と考えると怖くて仕方がない。
「じゃあ、キャンディはどうなるの?」
揺れ動く少女たちへのトドメの一言。失敗を怖れてこのまま帰れば「キャンディを見捨てる」ことになる。その言葉をあかねちゃん&やよいは必死に否定するけれど直球勝負のなおちゃんは現実から逃げない。この辺はキャラの性格が表れていますね。それを含めてこの雨宿りシーンは、視線を交わさないやり取り、絶妙なアングル取り・カット割り、そして降り続ける雨によって彩度が落とされた映像などなど、辛い決断を迫られる彼女たちのフクザツな胸中を見事に描いていました。凄いな。またプリキュアのNGワードである「死ぬ(殺される)」という表現を一切使わずにここまで緊迫感を描くシナリオもよく出来ています。

するとポップはココロを揺らす少女たちから離れ「巻き込んですまない」と言い残し一人で戦う決意を示します。大切な家族のためプリキュアたちに無理強いはできない、しかしポップにとってキャンディはその「大切な家族」そのものなのです。キャンディに「泣き虫でござるな」と優しい笑顔を向けていたポップの大泣きはじつに来るものがありました。
泣き叫ぶポップに言葉を失うみなさん。ここで情にほだされた安直な正義感に走らさせず「きちんと考える時間」を設ける展開はヒーロー系少女アニメとは思えない斬新さです。自分にとって何が一番大切なのか? 全てを捨ててキャンディを助けるか、それとも自分たちの家族や友人を取るか。それとももっと違う何か…。
まあ冷静に考えればピエーロ討伐に失敗したら「元の世界に戻れない」どころか元の世界自体が無くなってしまうわけで、キャンディを救う事は元の世界全体を救う事と同義なのです。つまりどちらを選んだとしても撤退の選択肢は無い。そもそも「仲間を見捨てて自分が助かる」というシナリオはヒーロー物の禁忌です(笑。だからこれまでの作品では似たような状況でも「個人の選択」に突っ込まなかったのでしょう。それをあえて突き付ける事で少女たちのリアルな感情を描く試みはなかなか挑戦的だと思います。プリキュアだって人間だもの。

石版に寝転がって考えるみゆき、高い所に腰掛けて考えるあかねちゃん、アーチに籠もって考えるやよい、風に吹かれて考えるなおちゃん、そして川の畔で水面を見つめて考えるれいかさんなどなど、キャラの性格に合わせた思考スタイルは気が利いてました。薄く曇った月明かりを意識させる各カットも決断しきれない胸中を窺わせます。
「私は家族も友達もキャンディも、みんな一緒がいい」
夜空を見上げて考えたみゆきが浮かべた思いはキャンディが短冊に書いた願い事と同じでした。みんなとずっと一緒にいたい。家族も友達もキャンディもどれかを捨ててどれかを選ぶなんてできない。元々選べるものではないのです。そして各々は各々に向けたキャンディの短冊を見つめ、自分に向けられた純粋な思いを受け止めます。
そんな中キャンディは助けを求めている。何を選ぶかではなく今何をしたいか。大切な友達を失う事の方が怖い。などなど三者三様の答えを見つけて歩き始めるシーンは予定調和と思いながらも響くモノがありました。特にアーチ(安全な場所の象徴?)から自分の意思で出ていくやよいにはグッと来ましたよ。立派になったなあ。

そして褌ならぬポニーテールを締め直して決意を示すなおちゃん、約束の地への一本「道」を凛とした表情で歩むれいかさん。背中で語るこの二人はキまりすぎです(笑
というわけで丘に集ったみなさんを迎えたみゆき。結局いくら考えても「何が一番大切なのか?」の答えを出せなかった。キャンディが大好き。それと同じだけ友達も家族も大好き。だからみんな一緒がいい。みんな一緒の未来がきっとわたしのウルトラハッピー。これがみゆきの結論でした。
「わたしたちの、やろ?」
その思いはみんな同じ。みゆきの言葉に差し出したあかねちゃんの手に次々と手が重なり、みゆきを迎えてスマイルチームの口上の流れは五人のキャンディへの思い・絆を感じさせる好演出でした。そりゃポップも泣きます。ポップは泣き虫だなあ。
一方バッドエンド王国では最後のバッドエナジーを召し上がってフルゲージとなった皇帝ピエーロが復活。ジョーカーにすら歯が立たなかったプリキュアたちははたしてピエーロ相手にどう戦うのか? 度重なるネタバレエンドカードによってオチは見えている(笑)けれどそこへ行き着くまでの経緯が気になるところです。

ネタバレエンドカードのしんがりはビューティ。何という勇ましい表情、というか本気で○しに掛かっている感じ(笑
↓記事が役立ったら一票どうぞ。

そこで待っていたのは究極の選択でした。

ようやく集まったデコルを丸ごと奪われ、キャンディを拘束したジョーカーはどこかへ消えてしまった。上手い事いく寸前に全てを失い、愕然と肩を落としたみなさんは秘密基地にてお通夜状態です。あまりに気の毒&切実だったので面倒くさいけどテロ消しで繋いでみました(それはどうでも。
そんなどよんどMAXの空気の中、何かを思い出したみゆきはロフトに上がり、笹に飾った星デコルを手に取ります。前回の七夕飾りにてデコールから勝手に抜いて飾った事が結果的にGJとなった…まあこの流れはあらかた予想どおり、欲を言えばもう少し意外性が欲しかったかも。
「みゆきたちとずっといっしょにあそぶくる」
ロフトに集ったみなさんはキャンディの短冊を見つけ、さらにスマイルチーム各々に向けて書かれた短冊も見つけました。後々の決断のきっかけとなる小道具としてこの短冊(キャンディからの思い)の仕込みは上手かった。小さいお友達にもわかりやすそうですし。また画面構成として俯瞰と表情アップを上手く使い分けて「焦燥」「不安」「決意」などなどの感情を的確に描いていたと思います。と思ったら今回の演出はタナカリオン(田中裕太)氏でしたか。そりゃ私のツボに来るはずだ。
キャンディの思いを知ったみなさんは落ち込んでいた顔を上げ、ピエーロの名に少々ビビりながらもキャンディ救出のため、まずは例の絵本に入ってメルヘンランドへゴー! メルヘンランドにも本棚くらいあるだろうに本棚ワープは使えないのね。というかこの「ひみつ図書館」ってメルヘンランドの一部じゃなかったのか。

バッドエンド王国にて囚われのキャンディは怯えるでもなく普段の調子でした。逞しいな。怖い顔で脅かしても答えないキャンディは本当に何も知らない? さらにデコル欠品に気付いたジョーカーはプリキュアたちに直接聞きに行く事に。そして最後のバッドエナジーを彼女たちから…と実に性格がよろしくありません。などとノリノリで悪役してるグレーゾーンさん、最近くだらないバラエティ番組での露出が増えていますが、本業となればさすがベテランの味わいです。
一方メルヘンランドへ到着したスマイルチームのみなさん。安定の顔面着地から周囲を見回すとかの地は妙に静かでありました。メルヘンの地の人々が引きこもってちゃダメだろう?(笑。なんて所へジョーカーがいきなり登場、いつもの調子でキモチワルイ丁寧口調で話しかけるもデコル強奪に「よこせ!」と素を出す辺りベタながらいい悪役っぷりです。
絶対に許さないみゆきたちはプリキュアに変身してジョーカーとの戦い。ところがさすがいつもの三馬鹿(笑)を出し抜いて来ただけあってジョーカーは強い強い。トランプを使った技に翻弄され、肉弾戦でも触れる事すら叶わず、飄々と逃げ回っては的確に攻撃してくるジョーカーにプリキュアたちは大苦戦。

業を煮やしたハッピーがぶっ放したハッピーシャワー。早めの変身、早めの必殺技は負けフラグと相場が決まっていますが今回もその例に漏れず、哀れトランプに吸収されたハッピーシャワーはドス黒いビームとなって返ってきてしまう。ジョーカーのカードがクルリと回ってハートのAに変わって返しビーム発射は面白いアイデア。なるほどジョーカーは何のカードにでも変わるのね。意外な返し技にハッピーは呆然と立ち尽くし、するとその前に飛び出したポップが盾に変身しプリキュアたちを守る流れも良かった。ポップは文字通り体を張ってます。
黒ビームにやられたポップの敵討ちとばかり一斉に必殺技をぶち込むプリキュアたち。もちろんそれが効くはずもなく…命中した笑顔が次の瞬間曇り、5倍になった返しビームに吹っ飛ばされる一連は凄い絶望感です。まさにジョーカー相手に手も足も出ません。

「輝く未来もスマイルも、もうありえない」
何の苦もなく星デコルを拾い上げたジョーカーは仕上げとして「最後のバッドエナジー」をプリキュアたちから吸い上げるべくどよんど時空を発生。ニヤ付いた表情で絶望の淵に落とすジョーカー、この辺のいやらしさもグレーゾーンさんがいい仕事してました。年収1億円のジョーカーの語りに次々と落ちていくプリキュアたちの描写はこれまた壮絶で、必死に抗いながらも現実を叩き付けられ、トランプタワーは崩れ、目の前の花は無残に散ってしまう。泣き虫設定のピースが泣き声すら上げられない絶望の表情は凄い。
そして絶望に囚われたプリキュアたちからついにバッドエナジーが表れ始めます。諦めない負けない、希望の象徴であるプリキュアが絶望に打ちひしがれ、バッドエナジーを放出している絵面は何よりも衝撃的でした。五条のバッドエナジーを吸い上げたジョーカーは高笑いで去り、残されたプリキュアたちは限りなく打ちのめされて立ち上がる事すらできません。これはキッツイ。

全てを奪われ、ジョーカーにも歯が立たず、はたしてこれからどうすべきか? 囚われのキャンディに気が急くポップの言葉を聞いて、それでも「どうしようもない」事が判っているのか、救出に同調しながらどこかよそよそしいなおちゃん&あかねちゃんの反応が絶妙でした。それはそうとこのカットのなおちゃんが塗りミスのせいで左腕が2本あるように見えてびっくり。ううむ。こんな些細なミスを見つけられないほど現場は切迫しているのか(先週の6本指に続いて
「もしピエーロが復活しちゃって、デコルも取り返せなかったら…どうなるの?」
絶対的な敵を相手にココロが折れてさあどうする?的な展開はプリキュアのお約束なれど、しかしそこへ個人のエゴが絡む事はまずありませんでした。キャンディを助けたい、世界を救いたい、でもその代わりに自分の全てを賭けられるか? 失敗したら元の世界へ戻れなくなるとしてもキャンディ救出に向かうべきか? プリキュアとしての使命は大切だけれど自分だって同じくらい大切で、万一の事があったら…と考えると怖くて仕方がない。
「じゃあ、キャンディはどうなるの?」
揺れ動く少女たちへのトドメの一言。失敗を怖れてこのまま帰れば「キャンディを見捨てる」ことになる。その言葉をあかねちゃん&やよいは必死に否定するけれど直球勝負のなおちゃんは現実から逃げない。この辺はキャラの性格が表れていますね。それを含めてこの雨宿りシーンは、視線を交わさないやり取り、絶妙なアングル取り・カット割り、そして降り続ける雨によって彩度が落とされた映像などなど、辛い決断を迫られる彼女たちのフクザツな胸中を見事に描いていました。凄いな。またプリキュアのNGワードである「死ぬ(殺される)」という表現を一切使わずにここまで緊迫感を描くシナリオもよく出来ています。

するとポップはココロを揺らす少女たちから離れ「巻き込んですまない」と言い残し一人で戦う決意を示します。大切な家族のためプリキュアたちに無理強いはできない、しかしポップにとってキャンディはその「大切な家族」そのものなのです。キャンディに「泣き虫でござるな」と優しい笑顔を向けていたポップの大泣きはじつに来るものがありました。
泣き叫ぶポップに言葉を失うみなさん。ここで情にほだされた安直な正義感に走らさせず「きちんと考える時間」を設ける展開はヒーロー系少女アニメとは思えない斬新さです。自分にとって何が一番大切なのか? 全てを捨ててキャンディを助けるか、それとも自分たちの家族や友人を取るか。それとももっと違う何か…。
まあ冷静に考えればピエーロ討伐に失敗したら「元の世界に戻れない」どころか元の世界自体が無くなってしまうわけで、キャンディを救う事は元の世界全体を救う事と同義なのです。つまりどちらを選んだとしても撤退の選択肢は無い。そもそも「仲間を見捨てて自分が助かる」というシナリオはヒーロー物の禁忌です(笑。だからこれまでの作品では似たような状況でも「個人の選択」に突っ込まなかったのでしょう。それをあえて突き付ける事で少女たちのリアルな感情を描く試みはなかなか挑戦的だと思います。プリキュアだって人間だもの。

石版に寝転がって考えるみゆき、高い所に腰掛けて考えるあかねちゃん、アーチに籠もって考えるやよい、風に吹かれて考えるなおちゃん、そして川の畔で水面を見つめて考えるれいかさんなどなど、キャラの性格に合わせた思考スタイルは気が利いてました。薄く曇った月明かりを意識させる各カットも決断しきれない胸中を窺わせます。
「私は家族も友達もキャンディも、みんな一緒がいい」
夜空を見上げて考えたみゆきが浮かべた思いはキャンディが短冊に書いた願い事と同じでした。みんなとずっと一緒にいたい。家族も友達もキャンディもどれかを捨ててどれかを選ぶなんてできない。元々選べるものではないのです。そして各々は各々に向けたキャンディの短冊を見つめ、自分に向けられた純粋な思いを受け止めます。
そんな中キャンディは助けを求めている。何を選ぶかではなく今何をしたいか。大切な友達を失う事の方が怖い。などなど三者三様の答えを見つけて歩き始めるシーンは予定調和と思いながらも響くモノがありました。特にアーチ(安全な場所の象徴?)から自分の意思で出ていくやよいにはグッと来ましたよ。立派になったなあ。

そして褌ならぬポニーテールを締め直して決意を示すなおちゃん、約束の地への一本「道」を凛とした表情で歩むれいかさん。背中で語るこの二人はキまりすぎです(笑
というわけで丘に集ったみなさんを迎えたみゆき。結局いくら考えても「何が一番大切なのか?」の答えを出せなかった。キャンディが大好き。それと同じだけ友達も家族も大好き。だからみんな一緒がいい。みんな一緒の未来がきっとわたしのウルトラハッピー。これがみゆきの結論でした。
「わたしたちの、やろ?」
その思いはみんな同じ。みゆきの言葉に差し出したあかねちゃんの手に次々と手が重なり、みゆきを迎えてスマイルチームの口上の流れは五人のキャンディへの思い・絆を感じさせる好演出でした。そりゃポップも泣きます。ポップは泣き虫だなあ。
一方バッドエンド王国では最後のバッドエナジーを召し上がってフルゲージとなった皇帝ピエーロが復活。ジョーカーにすら歯が立たなかったプリキュアたちははたしてピエーロ相手にどう戦うのか? 度重なるネタバレエンドカードによってオチは見えている(笑)けれどそこへ行き着くまでの経緯が気になるところです。

ネタバレエンドカードのしんがりはビューティ。何という勇ましい表情、というか本気で○しに掛かっている感じ(笑
- 関連記事
スポンサーサイト
↓記事が役立ったら一票どうぞ。
