2012-07-10(Tue)
TARI TARI #02 集ったり あがいたり
合唱部始動、そして早くも発表会へ。

去年の恥の上書きなるか!?

今回のアバンは来夏の幼少時です。こんな風にメインキャラの子供時代を順繰りで見せていくのかな。TVから流れるコンドルクインズの「Amigo!Amigo!」にノリノリで踊る幼い来夏、小っさい頃から元気いっぱいの子だったのだね。今でも小っさいけど(タッパの事ですよ(笑。一緒に踊っているのはお爺ちゃん? とはいえ今後のストーリーに絡んで来るとは思いにくく、むしろ絡んで来るとすればコンドルクインズの方か。
後の合唱曲選定時に「心の旋律」の一節を聴いた来夏が言う「ちょっとコンドルクインズに似てる」…和奏母がハミングで歌っていたパートと「Amigo!Amigo!」のメロは確かに似ています。パクリパクラレなどの下衆な話でないのなら両曲の作曲者同士に何か繋がりがあるはずで、さらに今回の描写から「心の旋律」に和奏母&教頭先生が関わっている事はほぼ間違い無く、つまり「Amigo!Amigo!」の作曲者とこの二人は何らかの繋がりがある事も予想できますね。単純に予想すれば「Amigo!Amigo!」の作曲者は和奏父で、仲良しだった二人(OPでじゃれ合う二人の女子生徒はどう見ても若き日の和奏母&教頭先生)が一人の男を取り合った愛憎劇(?)の結末ゆえ、教頭先生は「心の旋律」に特別な思いを持っている――のかも。って、僅か数秒のアバンだけで延々と語ってしまった。
Aパートは駅前ライブ(笑)の現場で鉢合わせたみなさん、で引いた前回の続きから。知らん顔してソフトクリームをペロペロする来夏を筆頭にまったく噛み合わないというか交錯しまくる会話、これで会話が成立しているのがまず凄い。今の若い子って聖徳太子能力が標準装備なのか。ウィーンだヴィーンだとやかましい中、大声で仕切る紗羽は和奏の身柄を確保。急に腕を引っ張られてソフトクリームを落としちゃった来夏の表情も良し(笑
女子三人はそのまま紗羽の家へ。ゾンビが隠れていそうなアジサイ寺への道中にて行き会ったサーフィン姉さんは紗羽の母ちゃん!? 若い! というか最近の能登さんは若作りのお○さん役がすっかり定番になっちまったような(笑。家に入ると今度は紗羽の父ちゃんが登場。一心不乱に現ナマを数える生臭坊主(笑)が廊下を歩く来夏に無反応なのはしょっちゅう来ているから? 初めて来た和奏には愛想良く返答したり現金なモノです。現金なだけに。

紗羽の部屋にてさっそく「昨年の来夏の失敗」が明らかになりました。ニコニコ動画風の投稿動画サイトに登録された「【大失敗】某高校合同発表会」と題された動画…参照数342・コメント11とか妙にリアルな数字だなあ(笑。震える脚を手で押さえ、緊張しすぎて追い詰められた来夏の奇声。なるほどプロや関係者が見に来るという大切な発表会でこの失敗はシャレになりません。1年間厳しい練習を続けてきた声楽部メンバーの晴れ舞台・将来に思いっきり泥を投げ付けたようなもので、学校の名前に泥を塗り、音大への推薦にも影響が出そうな大失敗は確かに厳罰モノでしょう。好きなだけではダメなのです。
そんな大失敗をケラケラ笑い飛ばす紗羽。もちろん笑いに悪意は無く、それどころか「緊張から逃げずに声を出した事」を褒めていました。ギリギリまで追い詰められても逃げずに立ち向かう、そんな来夏の性格が判っているからあえて「笑い飛ばして」いるのかもしれません。こういうのって笑ってもらった方が気がラクだったりしますし。ベッドでふてくされている来夏もその事は判っていて、でも笑われるのは悔しいから枕でぼふぼふ叩いちゃう。仲いいなあもう!
来夏が頼んでも即断却下だった合唱部話を上手く通した紗羽。自宅に招いて警戒を解き、「名前だけ貸して」と外堀から埋めるやり方はさすが策士としか(笑。OKの返事に思わず見せたガッツポーズは紗羽の癖なのかな。弓道部シーンでも的中の後ガッツポーズを見せていましたし(笑
というわけで合唱部のメンツ集めについてあれこれ相談。考える時にベッドに掛けた脚をじたばたさせるのは来夏の癖かな。スカート姿でそのポーズははしたないよ? 捲れ上がって絶対領域チラチラさせてるし! などと軽いサービスカットから「気心が知れた仲」と意識させる演出はじつに巧妙な作りです。というかきもなこち盛りすぎだろう!?

女子会議から一転して風呂シーンは今度こそ! と思ったらまた弟か! エロ本の隠し場所をネタに部員集めを強いる姉様無敵すぎ(笑。ぶつくさ文句を言い、ふてくされながらもきちんと部員を集めている辺り脅迫効果がありすぎです。あはは。
部員候補の頭数が揃った所で校長先生に合唱部設立を直訴。ところがこの校長はとんだ食わせ者と言うか、電話相手の理事長(?)にヘコヘコしながら、電話を切ると大きな溜息の後にA音叉を鳴らしてうっとりしてたり、開いたノートPCの画面にソリティアが映っていたり…ろくに仕事していない感アリアリです。神妙な顔つきで校長室を訪れ、必死に趣旨説明する来夏に対しても全くやる気がございません。後ろ向きの椅子で大あくびとか酷すぎ(笑
というわけでケンもホロロに却下の流れだったはずですが、机上に置かれた入部届に和奏の名を見つけると態度が一変! このリアクションから察するにおそらく和奏は校長が目を掛けていた生徒で、音楽科の期待株だった? つまり普通科への転科理由は少なくとも「学校側の都合ではない」ということでしょう。和奏の音楽復帰に遠い目をする校長も意味深であります。そうとは知らず小躍りで出て行く来夏が単純かわいい。

合唱部活動スタート前の選曲に通りすがりの和奏が巻き込まれ、ウヤムヤのうちに手伝う流れは少々強引かも。まあ来夏のあのピアノを聴いてしまったらスルーするわけにはいかないか(笑。名前を貸しただけとはいえ一応合唱部メンバーだし、活動前にちょっと手伝うくらいならいいか…と思ったのが運の尽き(笑
山積みの楽譜から差し出された最初の曲はラクガキ付き手書き譜面の「心の旋律」でした。表紙右下にある、いかにも何かをぐちゃぐちゃ消した跡はストーリーの鍵になるのでしょう。暫くキャプ画像を眺めてみたけれど全く判読できなくて悔しい。譜面を広げてピアノを弾き始めた和奏は曲のメロから母親との日々を思い出し、来夏はコンドルクインズの曲を思い出し…これら描写からの推察(妄想)は冒頭に書いたとおり、はたしてどこまで当たるかそれとも大ハズレか、こういう楽しみはオリジナル作品ならでは。
その後の合唱部揃っての選曲シーンでも曲の合間に母親の姿が映し出されました。この様子を見ると入院中のようで、つまり和奏の母親は病気で亡くなった? 母親に関してはまだ「死んだ」と名言されていませんがいかにもそれっぽい。
合唱部はメインキャラの5人かと思ったら意外とたくさん集まりましたね。弟GJ(笑。まあここから一人抜け二人抜け、最終的にメインキャラ5人だけになるとは思いますが。

「これはあなたたちが遊びで歌う曲ではありません」
部員も集まり曲も決まって順風満帆の合唱部に珍客登場。選んだ曲に難癖を付けられ譜面を没収され、しかし来夏は負けずに思いの丈をぶちかまします。このシーンは教頭先生の「心の旋律」への思い入れ(トラウマ?)がアリアリと見え、一旦全否定するものの来夏の曲への真剣な思いを聞くと譜面を返してあげちゃったりいいツンデレです。教頭先生にとってこの曲を表に出す事は古傷を抉られるようなもので、前回語られた才能の件や「楽しむ事と楽しませる事の両立」もおそらく他の誰かに言われた言葉なのでしょう。なのに譜面を来夏に返した。この意味を考えれば、態度や口調は厳しいけどいい先生じゃありませんか。
そういや第1話レビュー後にいくつかの本作レビュー記事を読んでみたところ教頭先生全否定、ババア○ね!的な記事が意外と多くて驚きました。これほどわかりやすいキャラ設定を読んであげないなんて少々悲しくなります。なるほど「いろは」第1話の女将さんも大概ボロクソだったっけ。やはり今の若い子にこのテのキャラは理解されないのか。ううむ。見たマンマの印象ではなく、キャラの裏に隠された様々な感情をあれこれ想像するのがこのテのドラマの醍醐味でしょうに…この辺は人それぞれなので大きなお世話か。それはともかく合唱部の練習風景がナニゲに○比べになっていて笑った。きもなこちでけー! 来夏小っせー!(くどいようですがタッパの話です
さて超速展開にて早くも発表会当日となりました。発表会で最終回じゃなかったのか! つまり発表会関連は本作の1エピソードでしかなく本筋は別にあるということ。現時点でもやたらネタが仕込まれているので今後の展開が楽しみです。
不穏を予感させる雨降りの中、ずらりと並んだ大型バスの一方で合唱部のマイクロバスがぽつんと停まり、その乗車口にて人待ちの紗羽。運転手である校長先生が未だ現れず、代わりに運転できる先生もいないため出発できず立ち往生とか。パッと見で乗車定員10名以上ありそうなマイクロバスなので普通免許では運転できず、大型免許(または限定なしの中型免許)を持っている教員もそう多くは無いでしょうから仕方ありません。校長は免許持ってるのか。というかこの規模の学校なら専属の運転手くらいいそうなものですがそれは言わない。
とりあえず校長を待つしかない合唱部バスの所に教頭先生がやって来ました。「顧問の引率が無いなら授業に戻れ」「引率なく校外の部活動は禁止」などなど厳しい事を言っていましたがそれは全て正論で、来夏に待機を命じて「リハ要員」を連れて行くと…何だかんだ言いながらしっかり面倒みてくれているんですよね。もう凄いツンデレ。

楽譜が読める生徒じゃないとリハ要員として連れて行けない。ここでわざわざ和奏を指名したのも考えがあっての事なのだろうなあ。というわけで授業中の和奏へ体裁悪そうに頼む来夏。不機嫌そうに着替えて無言のままバスへ向かう和奏、だんだん離れる二人の距離も見ていてヒヤヒヤもので、しかしそこからパッと振り返って「ケーキ2つね!」の表情に救われた気分でした。いいとこあるじゃん。というか来夏の必死さについついなのだろうけど着実に巻き込まれてます。これを良く解釈すれば前話で語られた「人の心を動かすには特別な何かが必要」に対する解答、来夏の思いが和奏の心を動かした、つまり来夏は「何か」を持っているという事なのだろうけど…期間も描写も薄すぎていまいち説得力を感じません。正直なところ「和奏ちょろいな」くらい?(笑
その頃紗羽はカッパを着込んで自転車を飛ばし、副顧問である妊婦先生の自宅へゴー! ところが先生は病院へ検診に出掛けた後で不在、一方の来夏も「校長先生が見つかった」との報せを受けてこれまた病院へ。どうやら校長先生はワックスを掛けた自転車(笑)で交通事故に巻き込まれたようで、口先だけは相変わらず達者だけれど発表会へ行ける状態では無さそう。って学校で待ってる合唱部はどうなるの? と思ったら校長の連絡によってバスは出発できたらしい。凄い勢いでドタバタしてます。
妊婦先生担当の紗羽の羞恥プレイは強烈な小ネタでした。花も恥じらう女子高生(死語)に産婦人科の待合いはキツい、周囲の妊婦の興味深そうな視線に晒される紗羽の表情がたまりません。しかも診察室から出てきた妊婦先生は開口一番「妊娠?」とかフランクにも程がある(笑。そんなドタバタの後、奇しくも同じ病院に揃った来夏&紗羽は妊婦先生の車で会場へ。切迫した通話の次の瞬間「ここかよ!」と顔を見合わせるカットは出来すぎです(褒め言葉

その頃合唱部のみなさんを会場で待つ和奏は教頭先生に深々と頭を下げて出番変更を頼んでいました。名前を貸しただけの合唱部のために頭を下げる和奏、つまり彼女にとって合唱部は「他人事」では無くなっているのですね。校長からの連絡もあって出番変更を渋々了承した教頭先生、お礼を言って立ち去る和奏を見送る視線は「和奏の変化」を見逃していない感じです。当然ながら教頭先生は和奏の転科理由を知っているはずで、それによる落ち込みからの変化、合唱部に入った事による急速な変化(妊婦先生曰く化学反応?)をきちんとチェックしているのだなあ。
大騒ぎの道中から妊婦先生の車で会場入りした二人は大急ぎでステージへ。ところが他の部員がまだ到着していません。渋滞のせいで遅れたバスはもう間に合わない。この絶望的な状況にさすがの来夏も「もう帰る…」と諦めの表情、しかし紗羽はそんな来夏を許しません。
「あんた! これだけの人を巻き込んどいて何もしないで帰る気!?」
思いっきり振りかぶって思いっきりビンタ!? と思ったら紗羽の手は来夏のケツにヒット! そしてこのセリフですよ。紗羽男前すぎる! 紗羽の強烈な一発で目が覚めた来夏は顔を上げて出撃宣言、去年の恥を上書きしなきゃ。歌ってナンボ、恥かいたっていい、行けるとこまで行こう。意気を取り戻した来夏に力強く頷く紗羽の表情も気合MAXです。何と男前な。ううむ。ここまで無双なキャラだと弱点が発覚した時の破壊力も凄いだろうなあ(歪んだ先読み

「この前の答え、探してくるね」
たった二人でステージに向かう後姿は先ほどの気合マンマに力強く、そして出撃直前に和奏へ向けた言葉も決意に満ちていました。自分は何で歌っているのか? 前回問われた時には判らなかった答えがこのステージにあるはず。声楽部を飛び出し、メンバーを集め、自分で選んだ曲を一生懸命練習し、当日のトラブルを乗り越えてようやく辿り着いたステージ。確かに予定より人数は少ないけれど隣には心強い盟友がいる。来夏の全てがここにあるのだから。
とはいえステージに立った来夏は持ち前の小心が顔を出し、緊張から脚を震わせちゃったりかわいいかわいい。そう簡単に意識改革なんてできませんよね。なーんて所でまたしても紗羽が頼りになるのだなあ。大観衆を前にしても緊張など微塵も見せず、カボチャ畑やらスイカ畑やらの会話で来夏をリラックスさせる紗羽はどんだけ万能なのか。厳粛な弓道場でガッツポーズしちゃうだけあって緊張とは無縁の子なのかも(笑。それにしても盛ってる盛ってる、おっとスイカ畑はここにも!(違
などなど緊張が解けたタイミングでピアノから和奏が合図。3つ目のケーキで契約完了のウインクは粋なやり取りでした。こういうノリ好きだなあ。ケーキの前振りをきちんと回収するシナリオにニマニマが止まりません。
というわけで「心の旋律」を歌い始めた二人。来夏のソロから紗羽が重なってハモる歌声は結構シャレにならないほど上手い。早見さんの歌声はそらおとテーマ曲やエクリプスで知っていたけど、瀬戸さんってこんなに歌が上手かったのか。和奏役の高垣さんが上手いのは確定、なるほど合唱部アニメだけあって歌唱力重視のキャスティングなのですね。こりゃ三人のコーラスが楽しみです。
若い二人のステージを見つめる教頭先生は何を思うか。ひょっとしたら自身の若かりし日々を思い出していたのかも? 居眠りしていたスイカおばさんも耳を傾け、声楽部のピアノちゃんが譜めくりの気を利かせ、気持ち良さそうに歌う二人の歌はそのままEDへ。リズム隊きっかけのED入りも神がかっていたような。思わずさぶいぼ立った。
結局校長はあのまま入院のようでその間教頭先生が代理を務めるとか。ガチガチのお約束展開なれど教頭先生と関わらざるを得なくなった合唱部はどうするどうなる? 視点を変えれば合唱部と関わる事で教頭先生がどう変わっていくか楽しみ。私的に本作のヒロインは教頭先生なのでむしろそっちの行方が気になったりして。
――この気分はオーロラドリームを見ていた時と同じかも。
※追記

「心の旋律」譜面表紙のラクガキがどうにも気になったのでどうにか解読しようとキャプ画像を弄んでいるうちに何となく「ま」と「る」が浮かび、そういえば和奏の母親の名は「坂井まひる」だったなあ…と思って、グチャグチャっと走ったペンの運びから外れた線を力技でトレースしてみたところ、やはり件のラクガキの下は「まひる」というサインが隠れていたようです。断言はできませんが「ま」の縦線が音符になっているみたい? まあこれは「まひる」という字ありきで線を拾った感を否定できないので参考までに。

また来夏の部屋に貼られたコンドルクインズのポスターに次回予告で登場したブタさんを発見。じつはこのカットに映っている来夏のコンポを特定しようとキャプを眺めていて気付いたんですけど(笑。アナログレコードプレイヤーや多機能そうなWデッキの佇まいからしていかにもバブル期のミニコン、ロゴ周辺を見るとパイオニアっぽいけどアンプやチューナー周りはケンウッドROXYっぽく、その辺からいろいろ調べてみましたが結局正解には辿り着けませんでした。どちらにしても来夏が生まれる前の機種なのでおそらく親のお下がりかと。この時代のミニコンって音良いんだよなあ。
閑話休題。件のポスターのブタさんをかまっている男の髪が校長にそっくりで驚き。とはいえこのブタさん男が校長の若い頃とすれば時代的に古すぎる気がします(校長の現年齢から逆算するとGS後のフォークブーム時代のバンドになってしまう?)。曲調やバンド名からしておそらく「ジプシーキングス」のオマージュで、活動時期も同じような設定でしょうし。それ以前に来夏が幼い頃にTVに出ていたほど売れたバンドのメンバーが人知れず校長に収まっているというのも不自然で、そもそもファンの来夏が気付かないはずありません。さらに言えばもしポスターのブタさんと予告のブタさんが同じブタさんとすればさすがに校長本人説は無しとなり、するとこのブタさん男は…校長の息子さん? ああもう知恵熱が出そう。本作はネタを仕込みすぎです(笑
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去年の恥の上書きなるか!?

今回のアバンは来夏の幼少時です。こんな風にメインキャラの子供時代を順繰りで見せていくのかな。TVから流れるコンドルクインズの「Amigo!Amigo!」にノリノリで踊る幼い来夏、小っさい頃から元気いっぱいの子だったのだね。今でも小っさいけど(タッパの事ですよ(笑。一緒に踊っているのはお爺ちゃん? とはいえ今後のストーリーに絡んで来るとは思いにくく、むしろ絡んで来るとすればコンドルクインズの方か。
後の合唱曲選定時に「心の旋律」の一節を聴いた来夏が言う「ちょっとコンドルクインズに似てる」…和奏母がハミングで歌っていたパートと「Amigo!Amigo!」のメロは確かに似ています。パクリパクラレなどの下衆な話でないのなら両曲の作曲者同士に何か繋がりがあるはずで、さらに今回の描写から「心の旋律」に和奏母&教頭先生が関わっている事はほぼ間違い無く、つまり「Amigo!Amigo!」の作曲者とこの二人は何らかの繋がりがある事も予想できますね。単純に予想すれば「Amigo!Amigo!」の作曲者は和奏父で、仲良しだった二人(OPでじゃれ合う二人の女子生徒はどう見ても若き日の和奏母&教頭先生)が一人の男を取り合った愛憎劇(?)の結末ゆえ、教頭先生は「心の旋律」に特別な思いを持っている――のかも。って、僅か数秒のアバンだけで延々と語ってしまった。
Aパートは駅前ライブ(笑)の現場で鉢合わせたみなさん、で引いた前回の続きから。知らん顔してソフトクリームをペロペロする来夏を筆頭にまったく噛み合わないというか交錯しまくる会話、これで会話が成立しているのがまず凄い。今の若い子って聖徳太子能力が標準装備なのか。ウィーンだヴィーンだとやかましい中、大声で仕切る紗羽は和奏の身柄を確保。急に腕を引っ張られてソフトクリームを落としちゃった来夏の表情も良し(笑
女子三人はそのまま紗羽の家へ。ゾンビが隠れていそうなアジサイ寺への道中にて行き会ったサーフィン姉さんは紗羽の母ちゃん!? 若い! というか最近の能登さんは若作りのお○さん役がすっかり定番になっちまったような(笑。家に入ると今度は紗羽の父ちゃんが登場。一心不乱に現ナマを数える生臭坊主(笑)が廊下を歩く来夏に無反応なのはしょっちゅう来ているから? 初めて来た和奏には愛想良く返答したり現金なモノです。現金なだけに。

紗羽の部屋にてさっそく「昨年の来夏の失敗」が明らかになりました。ニコニコ動画風の投稿動画サイトに登録された「【大失敗】某高校合同発表会」と題された動画…参照数342・コメント11とか妙にリアルな数字だなあ(笑。震える脚を手で押さえ、緊張しすぎて追い詰められた来夏の奇声。なるほどプロや関係者が見に来るという大切な発表会でこの失敗はシャレになりません。1年間厳しい練習を続けてきた声楽部メンバーの晴れ舞台・将来に思いっきり泥を投げ付けたようなもので、学校の名前に泥を塗り、音大への推薦にも影響が出そうな大失敗は確かに厳罰モノでしょう。好きなだけではダメなのです。
そんな大失敗をケラケラ笑い飛ばす紗羽。もちろん笑いに悪意は無く、それどころか「緊張から逃げずに声を出した事」を褒めていました。ギリギリまで追い詰められても逃げずに立ち向かう、そんな来夏の性格が判っているからあえて「笑い飛ばして」いるのかもしれません。こういうのって笑ってもらった方が気がラクだったりしますし。ベッドでふてくされている来夏もその事は判っていて、でも笑われるのは悔しいから枕でぼふぼふ叩いちゃう。仲いいなあもう!
来夏が頼んでも即断却下だった合唱部話を上手く通した紗羽。自宅に招いて警戒を解き、「名前だけ貸して」と外堀から埋めるやり方はさすが策士としか(笑。OKの返事に思わず見せたガッツポーズは紗羽の癖なのかな。弓道部シーンでも的中の後ガッツポーズを見せていましたし(笑
というわけで合唱部のメンツ集めについてあれこれ相談。考える時にベッドに掛けた脚をじたばたさせるのは来夏の癖かな。スカート姿でそのポーズははしたないよ? 捲れ上がって絶対領域チラチラさせてるし! などと軽いサービスカットから「気心が知れた仲」と意識させる演出はじつに巧妙な作りです。というかきもなこち盛りすぎだろう!?

女子会議から一転して風呂シーンは今度こそ! と思ったらまた弟か! エロ本の隠し場所をネタに部員集めを強いる姉様無敵すぎ(笑。ぶつくさ文句を言い、ふてくされながらもきちんと部員を集めている辺り脅迫効果がありすぎです。あはは。
部員候補の頭数が揃った所で校長先生に合唱部設立を直訴。ところがこの校長はとんだ食わせ者と言うか、電話相手の理事長(?)にヘコヘコしながら、電話を切ると大きな溜息の後にA音叉を鳴らしてうっとりしてたり、開いたノートPCの画面にソリティアが映っていたり…ろくに仕事していない感アリアリです。神妙な顔つきで校長室を訪れ、必死に趣旨説明する来夏に対しても全くやる気がございません。後ろ向きの椅子で大あくびとか酷すぎ(笑
というわけでケンもホロロに却下の流れだったはずですが、机上に置かれた入部届に和奏の名を見つけると態度が一変! このリアクションから察するにおそらく和奏は校長が目を掛けていた生徒で、音楽科の期待株だった? つまり普通科への転科理由は少なくとも「学校側の都合ではない」ということでしょう。和奏の音楽復帰に遠い目をする校長も意味深であります。そうとは知らず小躍りで出て行く来夏が単純かわいい。

合唱部活動スタート前の選曲に通りすがりの和奏が巻き込まれ、ウヤムヤのうちに手伝う流れは少々強引かも。まあ来夏のあのピアノを聴いてしまったらスルーするわけにはいかないか(笑。名前を貸しただけとはいえ一応合唱部メンバーだし、活動前にちょっと手伝うくらいならいいか…と思ったのが運の尽き(笑
山積みの楽譜から差し出された最初の曲はラクガキ付き手書き譜面の「心の旋律」でした。表紙右下にある、いかにも何かをぐちゃぐちゃ消した跡はストーリーの鍵になるのでしょう。暫くキャプ画像を眺めてみたけれど全く判読できなくて悔しい。譜面を広げてピアノを弾き始めた和奏は曲のメロから母親との日々を思い出し、来夏はコンドルクインズの曲を思い出し…これら描写からの推察(妄想)は冒頭に書いたとおり、はたしてどこまで当たるかそれとも大ハズレか、こういう楽しみはオリジナル作品ならでは。
その後の合唱部揃っての選曲シーンでも曲の合間に母親の姿が映し出されました。この様子を見ると入院中のようで、つまり和奏の母親は病気で亡くなった? 母親に関してはまだ「死んだ」と名言されていませんがいかにもそれっぽい。
合唱部はメインキャラの5人かと思ったら意外とたくさん集まりましたね。弟GJ(笑。まあここから一人抜け二人抜け、最終的にメインキャラ5人だけになるとは思いますが。

「これはあなたたちが遊びで歌う曲ではありません」
部員も集まり曲も決まって順風満帆の合唱部に珍客登場。選んだ曲に難癖を付けられ譜面を没収され、しかし来夏は負けずに思いの丈をぶちかまします。このシーンは教頭先生の「心の旋律」への思い入れ(トラウマ?)がアリアリと見え、一旦全否定するものの来夏の曲への真剣な思いを聞くと譜面を返してあげちゃったりいいツンデレです。教頭先生にとってこの曲を表に出す事は古傷を抉られるようなもので、前回語られた才能の件や「楽しむ事と楽しませる事の両立」もおそらく他の誰かに言われた言葉なのでしょう。なのに譜面を来夏に返した。この意味を考えれば、態度や口調は厳しいけどいい先生じゃありませんか。
そういや第1話レビュー後にいくつかの本作レビュー記事を読んでみたところ教頭先生全否定、ババア○ね!的な記事が意外と多くて驚きました。これほどわかりやすいキャラ設定を読んであげないなんて少々悲しくなります。なるほど「いろは」第1話の女将さんも大概ボロクソだったっけ。やはり今の若い子にこのテのキャラは理解されないのか。ううむ。見たマンマの印象ではなく、キャラの裏に隠された様々な感情をあれこれ想像するのがこのテのドラマの醍醐味でしょうに…この辺は人それぞれなので大きなお世話か。それはともかく合唱部の練習風景がナニゲに○比べになっていて笑った。きもなこちでけー! 来夏小っせー!(くどいようですがタッパの話です
さて超速展開にて早くも発表会当日となりました。発表会で最終回じゃなかったのか! つまり発表会関連は本作の1エピソードでしかなく本筋は別にあるということ。現時点でもやたらネタが仕込まれているので今後の展開が楽しみです。
不穏を予感させる雨降りの中、ずらりと並んだ大型バスの一方で合唱部のマイクロバスがぽつんと停まり、その乗車口にて人待ちの紗羽。運転手である校長先生が未だ現れず、代わりに運転できる先生もいないため出発できず立ち往生とか。パッと見で乗車定員10名以上ありそうなマイクロバスなので普通免許では運転できず、大型免許(または限定なしの中型免許)を持っている教員もそう多くは無いでしょうから仕方ありません。校長は免許持ってるのか。というかこの規模の学校なら専属の運転手くらいいそうなものですがそれは言わない。
とりあえず校長を待つしかない合唱部バスの所に教頭先生がやって来ました。「顧問の引率が無いなら授業に戻れ」「引率なく校外の部活動は禁止」などなど厳しい事を言っていましたがそれは全て正論で、来夏に待機を命じて「リハ要員」を連れて行くと…何だかんだ言いながらしっかり面倒みてくれているんですよね。もう凄いツンデレ。

楽譜が読める生徒じゃないとリハ要員として連れて行けない。ここでわざわざ和奏を指名したのも考えがあっての事なのだろうなあ。というわけで授業中の和奏へ体裁悪そうに頼む来夏。不機嫌そうに着替えて無言のままバスへ向かう和奏、だんだん離れる二人の距離も見ていてヒヤヒヤもので、しかしそこからパッと振り返って「ケーキ2つね!」の表情に救われた気分でした。いいとこあるじゃん。というか来夏の必死さについついなのだろうけど着実に巻き込まれてます。これを良く解釈すれば前話で語られた「人の心を動かすには特別な何かが必要」に対する解答、来夏の思いが和奏の心を動かした、つまり来夏は「何か」を持っているという事なのだろうけど…期間も描写も薄すぎていまいち説得力を感じません。正直なところ「和奏ちょろいな」くらい?(笑
その頃紗羽はカッパを着込んで自転車を飛ばし、副顧問である妊婦先生の自宅へゴー! ところが先生は病院へ検診に出掛けた後で不在、一方の来夏も「校長先生が見つかった」との報せを受けてこれまた病院へ。どうやら校長先生はワックスを掛けた自転車(笑)で交通事故に巻き込まれたようで、口先だけは相変わらず達者だけれど発表会へ行ける状態では無さそう。って学校で待ってる合唱部はどうなるの? と思ったら校長の連絡によってバスは出発できたらしい。凄い勢いでドタバタしてます。
妊婦先生担当の紗羽の羞恥プレイは強烈な小ネタでした。花も恥じらう女子高生(死語)に産婦人科の待合いはキツい、周囲の妊婦の興味深そうな視線に晒される紗羽の表情がたまりません。しかも診察室から出てきた妊婦先生は開口一番「妊娠?」とかフランクにも程がある(笑。そんなドタバタの後、奇しくも同じ病院に揃った来夏&紗羽は妊婦先生の車で会場へ。切迫した通話の次の瞬間「ここかよ!」と顔を見合わせるカットは出来すぎです(褒め言葉

その頃合唱部のみなさんを会場で待つ和奏は教頭先生に深々と頭を下げて出番変更を頼んでいました。名前を貸しただけの合唱部のために頭を下げる和奏、つまり彼女にとって合唱部は「他人事」では無くなっているのですね。校長からの連絡もあって出番変更を渋々了承した教頭先生、お礼を言って立ち去る和奏を見送る視線は「和奏の変化」を見逃していない感じです。当然ながら教頭先生は和奏の転科理由を知っているはずで、それによる落ち込みからの変化、合唱部に入った事による急速な変化(妊婦先生曰く化学反応?)をきちんとチェックしているのだなあ。
大騒ぎの道中から妊婦先生の車で会場入りした二人は大急ぎでステージへ。ところが他の部員がまだ到着していません。渋滞のせいで遅れたバスはもう間に合わない。この絶望的な状況にさすがの来夏も「もう帰る…」と諦めの表情、しかし紗羽はそんな来夏を許しません。
「あんた! これだけの人を巻き込んどいて何もしないで帰る気!?」
思いっきり振りかぶって思いっきりビンタ!? と思ったら紗羽の手は来夏のケツにヒット! そしてこのセリフですよ。紗羽男前すぎる! 紗羽の強烈な一発で目が覚めた来夏は顔を上げて出撃宣言、去年の恥を上書きしなきゃ。歌ってナンボ、恥かいたっていい、行けるとこまで行こう。意気を取り戻した来夏に力強く頷く紗羽の表情も気合MAXです。何と男前な。ううむ。ここまで無双なキャラだと弱点が発覚した時の破壊力も凄いだろうなあ(歪んだ先読み

「この前の答え、探してくるね」
たった二人でステージに向かう後姿は先ほどの気合マンマに力強く、そして出撃直前に和奏へ向けた言葉も決意に満ちていました。自分は何で歌っているのか? 前回問われた時には判らなかった答えがこのステージにあるはず。声楽部を飛び出し、メンバーを集め、自分で選んだ曲を一生懸命練習し、当日のトラブルを乗り越えてようやく辿り着いたステージ。確かに予定より人数は少ないけれど隣には心強い盟友がいる。来夏の全てがここにあるのだから。
とはいえステージに立った来夏は持ち前の小心が顔を出し、緊張から脚を震わせちゃったりかわいいかわいい。そう簡単に意識改革なんてできませんよね。なーんて所でまたしても紗羽が頼りになるのだなあ。大観衆を前にしても緊張など微塵も見せず、カボチャ畑やらスイカ畑やらの会話で来夏をリラックスさせる紗羽はどんだけ万能なのか。厳粛な弓道場でガッツポーズしちゃうだけあって緊張とは無縁の子なのかも(笑。それにしても盛ってる盛ってる、おっとスイカ畑はここにも!(違
などなど緊張が解けたタイミングでピアノから和奏が合図。3つ目のケーキで契約完了のウインクは粋なやり取りでした。こういうノリ好きだなあ。ケーキの前振りをきちんと回収するシナリオにニマニマが止まりません。
というわけで「心の旋律」を歌い始めた二人。来夏のソロから紗羽が重なってハモる歌声は結構シャレにならないほど上手い。早見さんの歌声はそらおとテーマ曲やエクリプスで知っていたけど、瀬戸さんってこんなに歌が上手かったのか。和奏役の高垣さんが上手いのは確定、なるほど合唱部アニメだけあって歌唱力重視のキャスティングなのですね。こりゃ三人のコーラスが楽しみです。
若い二人のステージを見つめる教頭先生は何を思うか。ひょっとしたら自身の若かりし日々を思い出していたのかも? 居眠りしていたスイカおばさんも耳を傾け、声楽部のピアノちゃんが譜めくりの気を利かせ、気持ち良さそうに歌う二人の歌はそのままEDへ。リズム隊きっかけのED入りも神がかっていたような。思わずさぶいぼ立った。
結局校長はあのまま入院のようでその間教頭先生が代理を務めるとか。ガチガチのお約束展開なれど教頭先生と関わらざるを得なくなった合唱部はどうするどうなる? 視点を変えれば合唱部と関わる事で教頭先生がどう変わっていくか楽しみ。私的に本作のヒロインは教頭先生なのでむしろそっちの行方が気になったりして。
――この気分はオーロラドリームを見ていた時と同じかも。
※追記

「心の旋律」譜面表紙のラクガキがどうにも気になったのでどうにか解読しようとキャプ画像を弄んでいるうちに何となく「ま」と「る」が浮かび、そういえば和奏の母親の名は「坂井まひる」だったなあ…と思って、グチャグチャっと走ったペンの運びから外れた線を力技でトレースしてみたところ、やはり件のラクガキの下は「まひる」というサインが隠れていたようです。断言はできませんが「ま」の縦線が音符になっているみたい? まあこれは「まひる」という字ありきで線を拾った感を否定できないので参考までに。

また来夏の部屋に貼られたコンドルクインズのポスターに次回予告で登場したブタさんを発見。じつはこのカットに映っている来夏のコンポを特定しようとキャプを眺めていて気付いたんですけど(笑。アナログレコードプレイヤーや多機能そうなWデッキの佇まいからしていかにもバブル期のミニコン、ロゴ周辺を見るとパイオニアっぽいけどアンプやチューナー周りはケンウッドROXYっぽく、その辺からいろいろ調べてみましたが結局正解には辿り着けませんでした。どちらにしても来夏が生まれる前の機種なのでおそらく親のお下がりかと。この時代のミニコンって音良いんだよなあ。
閑話休題。件のポスターのブタさんをかまっている男の髪が校長にそっくりで驚き。とはいえこのブタさん男が校長の若い頃とすれば時代的に古すぎる気がします(校長の現年齢から逆算するとGS後のフォークブーム時代のバンドになってしまう?)。曲調やバンド名からしておそらく「ジプシーキングス」のオマージュで、活動時期も同じような設定でしょうし。それ以前に来夏が幼い頃にTVに出ていたほど売れたバンドのメンバーが人知れず校長に収まっているというのも不自然で、そもそもファンの来夏が気付かないはずありません。さらに言えばもしポスターのブタさんと予告のブタさんが同じブタさんとすればさすがに校長本人説は無しとなり、するとこのブタさん男は…校長の息子さん? ああもう知恵熱が出そう。本作はネタを仕込みすぎです(笑
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