2013-07-29(Mon)
プリティーリズム・レインボーライブ #17 気高く強くべるは咲く
孤高の薔薇人形は友情の夢を見るか?

世話が焼けるにゃあ、昔も今も。
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世話が焼けるにゃあ、昔も今も。
未だ謎の存在である天羽ジュネの欠場を受けてディアクラウンのイベント出場を打診されるべる様。実力をアピールする絶好のチャンス、しかもプリズムショー協会会長・氷室氏の推薦によるものと聞いて心を決め、しかし出るからにはカンペキにこなさなければ! と、今回は重責に一人立ち向かう、ここ最近盛り上がりすぎの感すらあるエーデルローズ組ターンのどん尻に控えしべる様のお話です。美しく気高く咲く薔薇の棘、その本質をチラリと覗かせた今回は…結論から言うとべる様のべる様によるべる様のためのわかな回でした。そういやおとは回でも同じような事書いたっけ(笑

A冒頭は恒例の家族描写。名前負けしない豪邸の蓮城寺家にて交わされる母娘の会話は、前回の森園家とまた違ったベクトルでキッツイものでした。全てに於いてトップを義務付けられた娘、その価値観を当然のように強いる母親。過度な期待と要求に雁字搦めのべる様は、それでも期待に応えるべく笑みを返す。しかしその表情はまるで人形のようです。母親の思い通りに動くお人形…これは古今東西お嬢様キャラによくある定石設定で、おとは→わかなと変化球が続いた後だけにべる様も? と思っていただけにド真ん中ストレートの攻めは返って意外でした。というか母ちゃんの中の人(沢海陽子さん(AD/DMFのケイさん役))がハマりすぎていて、もう声を聞いただけ胸のザワザワが止まりません(笑
一方呑気なプリズムストーン組は屋外のプリズムリンク(?)にてショーの練習、を見物している大人たち。これまで何度も描かれているとおり冷却系が弱そうな千里さんはともかく、真夏の炎天下でCOOさんのDJスタイルはそりゃ暑かろう。てな所へ気配りおとはがアイスクリームを差し入れて一息、の次の瞬間映された千里ロボのモモガッパ排出シーンは衝撃的でした。微妙に掛かったシャドウが怪しさを増していますね(笑。思いっきり普通にボディオープンしてたけど、おとはに、というか往来でこんなん見せちゃっていいのだろうか?
万事行き届いた気配りを絶賛のCOOさん。しかしおとははべる様との一件を思い出して自分を責めるばかり。
「今日はすっきり爽やか、アールグレイのアイスティーです」

おとははおらず、べる様はレッスンに忙しく、いつもそれなりに賑やかだったエーデルカフェ(?)のテーブルは退屈そうなわかなが一人。いやエスニがいるか(笑。そのエスニにしても自由気ままにストーンで一人遊び、てな所へやってきたヒロさんがエスニを構って「寂しそうなのに構うと怒る」とは言い得て妙でした。すると猛レッスンから戻ったべる様が合流、表情からしてオーバーワークによる疲労が始まっている雰囲気アリアリ。
「今日はアールグレイのアイスティーの日ですよね、女王様」
これはおとはの紅茶を必要としている事が判って言ってるんだろうなあ。とはいえドス黒い悪意からではなく、生意気なお嬢様をからかって遊んでいるような感じ。スケジュールの詰め込みすぎを心配してみたり、彼ってばコウジくんさえ絡まなければお茶目な爽やかイケメンなのに。
一方おとははプリズムストーン店内にてスケジュール管理能力を発揮しまくりでした。こんな風にシーンごとのキーワードを連想ゲームのように繋げていくシナリオは判りやすく面白い。というかなる店長って仕事してたのか!(笑。なーんてヒトコマからディアクラウンのショーについてあれこれ。今年のショーはべる様が出るって事で話は盛り上がり…全力で行きたいのにべる様を気遣って身を引く構えのおとはが切ない。ここまで控え目だとおとは側から和解を申し出る事など不可能に近く、というわけで嫌が応でもわかなの存在が浮上してくるのだなあ。上手いバランスです。このシーンは身を引くおとはをジッと見ているクロス王子の表情も良かった。幾度となく描かれているとおりおとはのこういう所にもどかしさが止まらないのでしょう。

その気配りおとはがべる様のレッスンルームに生霊として登場(違。ハードなレッスンについ名を呼び幻覚まで見てしまう辺り、おとはの自然な気配りにどれだけ頼っていたかが判ろうというもの。ここで素直に「帰ってきて」と言えたならどんだけラクに生きられる事か。
さて再びエーデルカフェへ現れたべる様はほとんどゾンビ状態に。テーブルに近づくべる様へ軽く声を掛けたわかなの表情変化、その後オーバーワークを注意する表情もべる様を本気で心配している様子が窺えます。しかしべる様に忠告は届かずついに電池切れ。あらら。


CM明けてBパート冒頭はいきなりショー当日、しかもべる様は寝込んだままでした。このシーンで気になったのはベッドの枕元や部屋中に置かれた無数のクマのぬいぐるみ。いくらクマ好きでも数が尋常ではなく、またあの厳しい母親がクマまみれの部屋について何も言わないはずがありません。逆に言うと母親が文句を言わない理由がある…ここで浮上するのは今回出番が無かったべる様の父親か。母親と違って娘溺愛のパパさんが、仕事で訪れた世界のあちこちからクマぐるみを送ってきて、みたいな。クマぐるみといえば抱き締め抱き締められ欲求の象徴とも取れ、そのまんま受け止めればべる様の深層と一致しそうだけれど、それにしてもあの数は(笑
母親が部屋に入ってくると一瞬縋るような視線を送るべる様。しかし当の母親は娘を心配どころか「チャンスを失った事」を叱責するばかりでした。これはキッツイ。愛情の欠片すらない冷徹な物言い、娘として人として愛されていない虚しさ。なのに唇を噛み毛布を握り締め、ベッドから起き上がると自分に言い聞かせるように――
「大丈夫。私できるわ、ママ」
期待に応える事だけが自分の存在意義、応えられなかったら見放されてしまう、ママの娘であるためには常にトップを演じ続けなければならない、という思い込み。しかしそれが「べる様自身が望むもの」ではないのは逸らした視線が物語っています。
その頃ディアクラウンの客席に佇むわかな、話し掛けるヒロくん。何故わかなはべる様と一緒にいるのか? ヒロくんの問いかけにわかなはべる様との出会いを思い起こします。

というわけでスーパーわかな劇場の開幕です。前回ラストでチラリと写った緑髪の女の子はもちろん幼い頃のわかなで、転校生のわかなはクラスメイトに囲まれてあれこれ話すもやはりおとなしめ、てな所で気付いた窓際席の赤髪少女は「ツンツンして怖い」と評判の蓮城寺べる様です。まあ何でもかんでも一番を要求される生活ではクラスメイトと仲良く遊ぶヒマなど無く、そうしているうちにどんどん孤立してしまったのでしょう。並外れたスペックの高さゆえいじめには発展せず、ただただ孤独な「ママのお人形」の毎日を送る。
「完璧じゃないとダメなの。ママに怒られる…」
しかしお人形でいられるうちはまだよかった。先のクラスメイトの話からわかなは偶然居合わせたべるに警戒するも泣いている事に気付き…話し掛ける前の躊躇(タメ)に幼いわかなの性格が現れていました。芸コマ。98点の答案を前に戸惑うわかなへ涙の告白、べる様は幼い日からこれほどのプレッシャーに一人で耐えてきたのだなあ。そりゃ歪むよ。

ここで一旦回想が終わってシーンは再びディアクラウンの客席。ふらふらとした足取りで会場に現れたべる様は見るからに体調サイアク、もはや気力だけで立っているような状態でしたが…つまりその気力さえあれば大丈夫である事をわかなは判っている。
「このステージは誰にも渡さない」
べる様の鬼気迫る表情を見たわかなは逆に安心したように「好きにしたらいいニャ」と言い放ち、いつもの軽い調子で客席を立ってお出かけ。そして「世話が焼けるにゃあ、昔も今も」とどこかへ駆け出しながら、先の回想の続きへ。
98点の答案をどう納得させるか? という課題にわかなが頭を捻って浮かべたアイデアは、自分の85点の答案を使ったショック軽減&持ち上げ作戦でした。一度落として上げるってのはキャラ造形に通じるモノがあるかも?(笑。ここでわかなは髪を纏め上げて気合い一発明るいキャラへ変身、やはりあの髪型は違う自分に変身するスイッチのようなものでしたか。それにしても母ちゃんチョロいって(笑
「ありがとう…」
べるちゃんはありがとうが言えるようになりました! それはともかく答案の内容からこの時二人はおそらく小学六年生、現在中学二年生なのでつまり二年前の話ということになります。前回語られた「(友達ができたから)転勤を断って云々」と合わせて考えるとこの時点からわかなは引っ越しを嫌がったのか? それともこの後すぐ転校し、再びこの町に越してきてべる様と再会し以下同文なのだろうか。第11話でチラリと見せたエーデルローズの入試列にわかなは同じ列(べる様の5人前)に並んでおり、入試時点のわかなとべる様は別行動=再会前と予想でき、エーデルローズに入ったタイミングで再会→現在に至るとすれば辻褄は合います。とはいえ入試列のべる様と今回のコドモべる様が同じ服なので、つまりそれほど時間が経っていないと考えるとエーデルローズで再会説は苦しい?
まあこの時の「ありがとう」をきっかけにべる様を放っておけなくなって転校を拒み始め…とするのが綺麗かつシンプルですが、転勤事情や入試列を考え始めると上記のようなアレコレが浮かんでしまって面倒くさい人なんです私は。

「正義の味方ちゃんは引っ込んでてもらえるかニャ?」
予告で見せたプリズムストーン前で仁王立ちのわかなのカットは寝返り直前のヒトコマ…ではありませんでした。まったく本作の予告映像には毎度毎度ヤキモキさせられます。本編を見た後に予告を見直すと巧妙さに唸りますよ(笑。そのまま店へカチ込むとおとはの腕を掴んで力ずくでも連れてく構え、止めに入ったあんに対しては「正義の味方~」といつものセリフで即斬です。「嫌がってるからやめろ」ってのは至極正論なれど世の中は正論だけでは回らないのだなあ。
「お願い、べるを助けて!」
その後あんを完全アウトオブ眼中で続けられる状況説明&お願いは語尾を演じる余裕を無くした切迫感あふるるもの。一方べるさんが倒れたと聞いて一刻も早く駆け付けたい、でも…という葛藤を乗り越えてディアクラウンへ向かうおとはの覚悟&健気さも泣かせます。
駆け付けた控え室のべる様はほとんど半死半生まで弱りながらも意地で追い返しのテイ、しかしおとはは黙ってケットを掛け…この瞬間のべる様の表情に正直な気持ちが表れていますね。テーブルを拭き、薔薇を飾り、お菓子とお茶の用意を淡々と進めるおとは。そして最後にミントティーを入れると静かに帰っていきました。
「ミントティーなんて気休めでしょ…」
「そういう事じゃないでしょ?」
「おとはの前で、情けない姿は意地でも見せられないんじゃないの?」
おとはの思いがブレンドされたミントティーは、崩れる寸前だったべる様のココロに再び火を着けた。熱があるのに火を着けちゃダメか(笑。ここで「気休めでしょ」と嘯くべる様へ気休めを返さないわかなのメンタルコントローラーっぷりは凄い。これらはべる様の気質を十二分に理解しているからこそ言えるセリフで…わかながおとはを引っ張ってきたのはもちろん控え室のセッティングや体調管理もあるだろうけれど、今のべる様に一番効く薬は「べるさんを大好きなおとはが身近にいる事」と判っているから。ハンパな励ましよりプライドに着火した方が効く、「べるはそういう子」と判っているのです。

というわけでいざステージへ!めが姉ぇ時空のコーデチェンジでは今回もキメポーズにアレンジが入りました。エーデルローズ組は優遇されてますね(笑。ここは追々プリズムストーン組もバージョンアップされるでしょうけど…そういやなる店長のマトモなプリズムショーっていつから見てないんだろ。ドリーミングセッションではプリズムライブ以降だけでしたし、まさかイロトリドリームお披露目回(第5話)が最後?
始まったステージはもちろんべる様のマイソング「Get music!」、曲も存在もセクシー担当のべる様にマゴギャルチックな今回コーデは合っているのかどうなのか?と思わなくもないと言ってあg(略)な感じですが、ひらひらミニスカから伸びる脚&チューブトップの肩周りが良い感じなので良し。
「おとはもわかなも…何よ、二人ともそんな心配そうな顔をして」
まーたプライド全開のこのセリフが泣かせます。このセリフの瞬間に私の涙腺堤防が仕事を放棄し画面が見づらくて困った。そんなべる様のショーを貴賓席から見つめる銀髪ダブルドリル、ついに本編に姿を現したジュネ様はまだまだ正体不明なれど…氷室会長の物言いからしてジュネ様最優先っぽく、逆にジュネ様を復活させるためには手段を選ばないって感じ? べる様すら単なるアテ馬扱いでしたし、今後展開されるであろう氷室会長主催のイベントもおそらく。またOPにもチラリと映っているジュネ様のペアともがテーブルにちんまり、これをよく見ると頭に☆っぽい飾りが付いていて、ひょっとして「スター属性」のペアとも? 本作でスター属性といえば…そもそもイメージボードのりんねの隣に…と考え始めるとまたいろいろ深読みできそうな。
力尽き倒れそうな瞬間を気合いで乗り越え3連続ジャンプをキメたべる様。視聴者の予想を常にひっくり返す本作だけにまさかの転倒エンド!? と一瞬思いましたがさすがにそこまでの崖落としは無く気合一発の王道展開でした。

どうにか無事にショーを終えて戻ってきたべる様は体力を使い果たして足元ふらふら、そしてよろけて倒れた所をおとはが支え…普通の少女アニメならここでべる様は身勝手さを反省し、おとははもちろん受け入れ、俯瞰で見ているわかなはニンマリと、チームの絆・友情を再確認する大団円へ繋がりそうなものですが、さすがプリティーリズムは一味違いました。
「一人で歩けるわ!」
支えるおとはの手を強引に振りほどいて一人去っていくべる様。まああれほどいろいろこじらせた子があっさり転んでしまうのも安直な話で、どうするべきか理屈では判っているのに素直に自分をさらけ出せないべる様の面倒くさい子っぷり(笑)を見事に描いたこの展開は、キャラ描写に時間を掛けられる1年モノならではの面白さと言えるでしょう。
「昔はありがとうって言えてたよ」
ポットの分まで飲み干されたミントティーはおとはへの思いの表れ。そこへびっしり書き込まれたスケジュール帳が加わって、やさぐれべる様の胸中をかき乱す。一方わかなはべる様を責めるでもなく一言呟いてそっと控え室を出て行く。凄いなこれ。
そしてこれだけ盛り上げといて次回がヒロくん回ってのも凄い。

A冒頭は恒例の家族描写。名前負けしない豪邸の蓮城寺家にて交わされる母娘の会話は、前回の森園家とまた違ったベクトルでキッツイものでした。全てに於いてトップを義務付けられた娘、その価値観を当然のように強いる母親。過度な期待と要求に雁字搦めのべる様は、それでも期待に応えるべく笑みを返す。しかしその表情はまるで人形のようです。母親の思い通りに動くお人形…これは古今東西お嬢様キャラによくある定石設定で、おとは→わかなと変化球が続いた後だけにべる様も? と思っていただけにド真ん中ストレートの攻めは返って意外でした。というか母ちゃんの中の人(沢海陽子さん(AD/DMFのケイさん役))がハマりすぎていて、もう声を聞いただけ胸のザワザワが止まりません(笑
一方呑気なプリズムストーン組は屋外のプリズムリンク(?)にてショーの練習、を見物している大人たち。これまで何度も描かれているとおり冷却系が弱そうな千里さんはともかく、真夏の炎天下でCOOさんのDJスタイルはそりゃ暑かろう。てな所へ気配りおとはがアイスクリームを差し入れて一息、の次の瞬間映された千里ロボのモモガッパ排出シーンは衝撃的でした。微妙に掛かったシャドウが怪しさを増していますね(笑。思いっきり普通にボディオープンしてたけど、おとはに、というか往来でこんなん見せちゃっていいのだろうか?
万事行き届いた気配りを絶賛のCOOさん。しかしおとははべる様との一件を思い出して自分を責めるばかり。
「今日はすっきり爽やか、アールグレイのアイスティーです」

おとははおらず、べる様はレッスンに忙しく、いつもそれなりに賑やかだったエーデルカフェ(?)のテーブルは退屈そうなわかなが一人。いやエスニがいるか(笑。そのエスニにしても自由気ままにストーンで一人遊び、てな所へやってきたヒロさんがエスニを構って「寂しそうなのに構うと怒る」とは言い得て妙でした。すると猛レッスンから戻ったべる様が合流、表情からしてオーバーワークによる疲労が始まっている雰囲気アリアリ。
「今日はアールグレイのアイスティーの日ですよね、女王様」
これはおとはの紅茶を必要としている事が判って言ってるんだろうなあ。とはいえドス黒い悪意からではなく、生意気なお嬢様をからかって遊んでいるような感じ。スケジュールの詰め込みすぎを心配してみたり、彼ってばコウジくんさえ絡まなければお茶目な爽やかイケメンなのに。
一方おとははプリズムストーン店内にてスケジュール管理能力を発揮しまくりでした。こんな風にシーンごとのキーワードを連想ゲームのように繋げていくシナリオは判りやすく面白い。というかなる店長って仕事してたのか!(笑。なーんてヒトコマからディアクラウンのショーについてあれこれ。今年のショーはべる様が出るって事で話は盛り上がり…全力で行きたいのにべる様を気遣って身を引く構えのおとはが切ない。ここまで控え目だとおとは側から和解を申し出る事など不可能に近く、というわけで嫌が応でもわかなの存在が浮上してくるのだなあ。上手いバランスです。このシーンは身を引くおとはをジッと見ているクロス王子の表情も良かった。幾度となく描かれているとおりおとはのこういう所にもどかしさが止まらないのでしょう。

その気配りおとはがべる様のレッスンルームに生霊として登場(違。ハードなレッスンについ名を呼び幻覚まで見てしまう辺り、おとはの自然な気配りにどれだけ頼っていたかが判ろうというもの。ここで素直に「帰ってきて」と言えたならどんだけラクに生きられる事か。
さて再びエーデルカフェへ現れたべる様はほとんどゾンビ状態に。テーブルに近づくべる様へ軽く声を掛けたわかなの表情変化、その後オーバーワークを注意する表情もべる様を本気で心配している様子が窺えます。しかしべる様に忠告は届かずついに電池切れ。あらら。


CM明けてBパート冒頭はいきなりショー当日、しかもべる様は寝込んだままでした。このシーンで気になったのはベッドの枕元や部屋中に置かれた無数のクマのぬいぐるみ。いくらクマ好きでも数が尋常ではなく、またあの厳しい母親がクマまみれの部屋について何も言わないはずがありません。逆に言うと母親が文句を言わない理由がある…ここで浮上するのは今回出番が無かったべる様の父親か。母親と違って娘溺愛のパパさんが、仕事で訪れた世界のあちこちからクマぐるみを送ってきて、みたいな。クマぐるみといえば抱き締め抱き締められ欲求の象徴とも取れ、そのまんま受け止めればべる様の深層と一致しそうだけれど、それにしてもあの数は(笑
母親が部屋に入ってくると一瞬縋るような視線を送るべる様。しかし当の母親は娘を心配どころか「チャンスを失った事」を叱責するばかりでした。これはキッツイ。愛情の欠片すらない冷徹な物言い、娘として人として愛されていない虚しさ。なのに唇を噛み毛布を握り締め、ベッドから起き上がると自分に言い聞かせるように――
「大丈夫。私できるわ、ママ」
期待に応える事だけが自分の存在意義、応えられなかったら見放されてしまう、ママの娘であるためには常にトップを演じ続けなければならない、という思い込み。しかしそれが「べる様自身が望むもの」ではないのは逸らした視線が物語っています。
その頃ディアクラウンの客席に佇むわかな、話し掛けるヒロくん。何故わかなはべる様と一緒にいるのか? ヒロくんの問いかけにわかなはべる様との出会いを思い起こします。

というわけでスーパーわかな劇場の開幕です。前回ラストでチラリと写った緑髪の女の子はもちろん幼い頃のわかなで、転校生のわかなはクラスメイトに囲まれてあれこれ話すもやはりおとなしめ、てな所で気付いた窓際席の赤髪少女は「ツンツンして怖い」と評判の蓮城寺べる様です。まあ何でもかんでも一番を要求される生活ではクラスメイトと仲良く遊ぶヒマなど無く、そうしているうちにどんどん孤立してしまったのでしょう。並外れたスペックの高さゆえいじめには発展せず、ただただ孤独な「ママのお人形」の毎日を送る。
「完璧じゃないとダメなの。ママに怒られる…」
しかしお人形でいられるうちはまだよかった。先のクラスメイトの話からわかなは偶然居合わせたべるに警戒するも泣いている事に気付き…話し掛ける前の躊躇(タメ)に幼いわかなの性格が現れていました。芸コマ。98点の答案を前に戸惑うわかなへ涙の告白、べる様は幼い日からこれほどのプレッシャーに一人で耐えてきたのだなあ。そりゃ歪むよ。

ここで一旦回想が終わってシーンは再びディアクラウンの客席。ふらふらとした足取りで会場に現れたべる様は見るからに体調サイアク、もはや気力だけで立っているような状態でしたが…つまりその気力さえあれば大丈夫である事をわかなは判っている。
「このステージは誰にも渡さない」
べる様の鬼気迫る表情を見たわかなは逆に安心したように「好きにしたらいいニャ」と言い放ち、いつもの軽い調子で客席を立ってお出かけ。そして「世話が焼けるにゃあ、昔も今も」とどこかへ駆け出しながら、先の回想の続きへ。
98点の答案をどう納得させるか? という課題にわかなが頭を捻って浮かべたアイデアは、自分の85点の答案を使ったショック軽減&持ち上げ作戦でした。一度落として上げるってのはキャラ造形に通じるモノがあるかも?(笑。ここでわかなは髪を纏め上げて気合い一発明るいキャラへ変身、やはりあの髪型は違う自分に変身するスイッチのようなものでしたか。それにしても母ちゃんチョロいって(笑
「ありがとう…」
べるちゃんはありがとうが言えるようになりました! それはともかく答案の内容からこの時二人はおそらく小学六年生、現在中学二年生なのでつまり二年前の話ということになります。前回語られた「(友達ができたから)転勤を断って云々」と合わせて考えるとこの時点からわかなは引っ越しを嫌がったのか? それともこの後すぐ転校し、再びこの町に越してきてべる様と再会し以下同文なのだろうか。第11話でチラリと見せたエーデルローズの入試列にわかなは同じ列(べる様の5人前)に並んでおり、入試時点のわかなとべる様は別行動=再会前と予想でき、エーデルローズに入ったタイミングで再会→現在に至るとすれば辻褄は合います。とはいえ入試列のべる様と今回のコドモべる様が同じ服なので、つまりそれほど時間が経っていないと考えるとエーデルローズで再会説は苦しい?
まあこの時の「ありがとう」をきっかけにべる様を放っておけなくなって転校を拒み始め…とするのが綺麗かつシンプルですが、転勤事情や入試列を考え始めると上記のようなアレコレが浮かんでしまって面倒くさい人なんです私は。

「正義の味方ちゃんは引っ込んでてもらえるかニャ?」
予告で見せたプリズムストーン前で仁王立ちのわかなのカットは寝返り直前のヒトコマ…ではありませんでした。まったく本作の予告映像には毎度毎度ヤキモキさせられます。本編を見た後に予告を見直すと巧妙さに唸りますよ(笑。そのまま店へカチ込むとおとはの腕を掴んで力ずくでも連れてく構え、止めに入ったあんに対しては「正義の味方~」といつものセリフで即斬です。「嫌がってるからやめろ」ってのは至極正論なれど世の中は正論だけでは回らないのだなあ。
「お願い、べるを助けて!」
その後あんを完全アウトオブ眼中で続けられる状況説明&お願いは語尾を演じる余裕を無くした切迫感あふるるもの。一方べるさんが倒れたと聞いて一刻も早く駆け付けたい、でも…という葛藤を乗り越えてディアクラウンへ向かうおとはの覚悟&健気さも泣かせます。
駆け付けた控え室のべる様はほとんど半死半生まで弱りながらも意地で追い返しのテイ、しかしおとはは黙ってケットを掛け…この瞬間のべる様の表情に正直な気持ちが表れていますね。テーブルを拭き、薔薇を飾り、お菓子とお茶の用意を淡々と進めるおとは。そして最後にミントティーを入れると静かに帰っていきました。
「ミントティーなんて気休めでしょ…」
「そういう事じゃないでしょ?」
「おとはの前で、情けない姿は意地でも見せられないんじゃないの?」
おとはの思いがブレンドされたミントティーは、崩れる寸前だったべる様のココロに再び火を着けた。熱があるのに火を着けちゃダメか(笑。ここで「気休めでしょ」と嘯くべる様へ気休めを返さないわかなのメンタルコントローラーっぷりは凄い。これらはべる様の気質を十二分に理解しているからこそ言えるセリフで…わかながおとはを引っ張ってきたのはもちろん控え室のセッティングや体調管理もあるだろうけれど、今のべる様に一番効く薬は「べるさんを大好きなおとはが身近にいる事」と判っているから。ハンパな励ましよりプライドに着火した方が効く、「べるはそういう子」と判っているのです。

というわけでいざステージへ!めが姉ぇ時空のコーデチェンジでは今回もキメポーズにアレンジが入りました。エーデルローズ組は優遇されてますね(笑。ここは追々プリズムストーン組もバージョンアップされるでしょうけど…そういやなる店長のマトモなプリズムショーっていつから見てないんだろ。ドリーミングセッションではプリズムライブ以降だけでしたし、まさかイロトリドリームお披露目回(第5話)が最後?
始まったステージはもちろんべる様のマイソング「Get music!」、曲も存在もセクシー担当のべる様にマゴギャルチックな今回コーデは合っているのかどうなのか?と思わなくもないと言ってあg(略)な感じですが、ひらひらミニスカから伸びる脚&チューブトップの肩周りが良い感じなので良し。
「おとはもわかなも…何よ、二人ともそんな心配そうな顔をして」
まーたプライド全開のこのセリフが泣かせます。このセリフの瞬間に私の涙腺堤防が仕事を放棄し画面が見づらくて困った。そんなべる様のショーを貴賓席から見つめる銀髪ダブルドリル、ついに本編に姿を現したジュネ様はまだまだ正体不明なれど…氷室会長の物言いからしてジュネ様最優先っぽく、逆にジュネ様を復活させるためには手段を選ばないって感じ? べる様すら単なるアテ馬扱いでしたし、今後展開されるであろう氷室会長主催のイベントもおそらく。またOPにもチラリと映っているジュネ様のペアともがテーブルにちんまり、これをよく見ると頭に☆っぽい飾りが付いていて、ひょっとして「スター属性」のペアとも? 本作でスター属性といえば…そもそもイメージボードのりんねの隣に…と考え始めるとまたいろいろ深読みできそうな。
力尽き倒れそうな瞬間を気合いで乗り越え3連続ジャンプをキメたべる様。視聴者の予想を常にひっくり返す本作だけにまさかの転倒エンド!? と一瞬思いましたがさすがにそこまでの崖落としは無く気合一発の王道展開でした。

どうにか無事にショーを終えて戻ってきたべる様は体力を使い果たして足元ふらふら、そしてよろけて倒れた所をおとはが支え…普通の少女アニメならここでべる様は身勝手さを反省し、おとははもちろん受け入れ、俯瞰で見ているわかなはニンマリと、チームの絆・友情を再確認する大団円へ繋がりそうなものですが、さすがプリティーリズムは一味違いました。
「一人で歩けるわ!」
支えるおとはの手を強引に振りほどいて一人去っていくべる様。まああれほどいろいろこじらせた子があっさり転んでしまうのも安直な話で、どうするべきか理屈では判っているのに素直に自分をさらけ出せないべる様の面倒くさい子っぷり(笑)を見事に描いたこの展開は、キャラ描写に時間を掛けられる1年モノならではの面白さと言えるでしょう。
「昔はありがとうって言えてたよ」
ポットの分まで飲み干されたミントティーはおとはへの思いの表れ。そこへびっしり書き込まれたスケジュール帳が加わって、やさぐれべる様の胸中をかき乱す。一方わかなはべる様を責めるでもなく一言呟いてそっと控え室を出て行く。凄いなこれ。
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