2013-12-10(Tue)

WHITE ALBUM2 #10 雪が解け、そして雪が降るまで(前編)

夜の街に響く心の叫び。

whitealbum2_10_00.jpg

ついにかずさの本心が明かされます。

一人いそいそとパーティ準備の小木曽宅へかずさからの花が届き、一方春希は冬馬邸にて曜子さんとご対面、その頃かずさは成田着陸を控えた機上の人。といういかにも波乱を予感させる前回引きからいよいよ修羅場突入か!? と思いきや、曜子さんや雪菜との絡みもなく、これまでテッテ的に隠されてきたかずさの胸中を過去を含めて一気にネタバラシの今回。ううむ。視聴者的に丸わかりだっただけに溜めに溜めたかずさの本音吐露はなかなかドラマチックで、その思いに至る経緯も興味深いものでしたが…Aパートのドラマが一気に盛り上がっている所でBパート丸ごと回想(しかも次回へ続く?)ってのは、何というか構成的にどうなの?と思わなくもないと言ってあg(略

whitealbum2_10_01.jpg

冒頭は息も絶え絶えな春希からの電話。その声から風邪を心配する雪菜の一方で春希のカットは口元のみ、いかにも「雪菜に言えない事情」を抱えている演出です。続く会話でパーティの延期を提案する雪菜、しかし春希は頑として譲らず…自分に言い聞かせ追い詰めるように「今日でないとダメ」と話す口元からいろんなベクトルの辛さが伝わってきます。

「必ず行くからみんなで先に始めてて」

雪菜を除いた小木曽家が旅行へ出掛けている事を知らない春希はナニゲに気遣い、ところが実際の現場はご覧の有様です。待ち人は成田空港のゲートで項垂れ、愛する人のためいそいそと着替えてパーティ料理に腕を振るった女の子はぼっちで待ちぼうけ。テーブルに並んだ二人分の料理や食器、その傍らで項垂れる雪菜が切なすぎて見てられません。

whitealbum2_10_02.jpg

成田にて久々の対面を果たした二人はご覧の温度差で、その後都内へ向かうNEX車中でも曜子さんの話題を振る春希に素っ気なく返し、パーティ行きを遠回しに否定し、話の核心である海外行きの話題に二人とも押し黙ってしまう。

「それくらい自分で言えってか。優しくて冷たいな」

御宿駅に到着しサッサと帰路へ向かうかずさは、ふと立ち止まって曜子さんの意志を確認。おそらく曜子さんは学祭ステージの様子からかずさの春希に対する思いが判っていて、しかし本人不在の場でそんな野暮は伝えなかったのでしょう。

駅を出て夜の街をサッサと歩く道すがら、海外行きを雪菜へ伝えろ今すぐ伝えろと強く迫る春希に、かずさはのらりくらりとごまかし続ける。

「誰だよお前、本当にあの格好良かった冬馬かずさなのかよ!?」

雪菜への報告から逃げるかずさへ春希の言葉は一方的なイメージングの表れでしょう。冬馬かずさは誰よりも格好いい、だから凡人の自分とは到底釣り合わない・相手になんてされない、という思い込みの裏返し。その言葉に振り返ったかずさの背後をヘッドライトが走る演出は、春希が抱いたイメージが虚像(ピント外れの思い込み)だった事を強く印象付け、また勝手な設定(笑)に困惑するかずさの胸中も窺えます。目に見えるスペックはいろんな意味で異常に高いけれど中身は寂しがりのオンナノコなのに。

whitealbum2_10_03.jpg

「どうして俺の前からいなくなろうとするんだよ!?」
「どうして相談してくれなかったんだよ!?」
「俺ってその程度なのかよ!?」
「お前にとってそんなもんだったのかよ!?」

タクシーを拾って帰ろうとするかずさを引き留め、そしてついに春希は本音を叫ぶ。ここまでは何かと雪菜をダシに会話を続けてきたけれど、一番の本音は「俺の前から消えてしまう」焦りであり、かずさの中の自分の位置なのだなあ。するとかずさは食いしばった口を必死に緩め――

「お前はその程度だ」
「その程度だから何にも言えない」
「海外に行く事も、私がどんな気持ちでいるのかも」

こみ上げる思いを必死に抑え、背を向けて悪態を吐くかずさの声は次第に震え、その震えを笑いと捉えた春希は激高し…肩を掴んで振り向かせた泣き顔に、続く言葉に春希はようやくかずさの思いを悟るのでした。

「そんなのはなあ、親友の彼氏に言われるセリフじゃ無いんだよ!」

ここから始まるかずさの叫び・本音吐露は、格好いい冬馬のイメージと正反対のか弱きオンナノコでした。雪降る都会の街角にて繰り広げられる涙ナミダの自爆合戦はトレンディドラマチックな演出も効いて見応え十分。とはいえ「どうして私の気持ち判ってくれなかったんだよ」は、俯瞰で見ている視聴者はともかく、これまでのリアクションを春希視点で考えれば正直無理としか。逆にかずさも(教師による釘刺しがあるにせよ)春希の思いに気付いてあげられなかったわけで、まあお互い様なすれ違い話ではあります。それを言っちゃあシマイですが。

なーんて盛り上がる雪降る街角の一方で取り残された影が悲しい。

whitealbum2_10_04.jpg

Bパートはかずさが春希へ思いを募らせるけいかほうこく。音楽科の問題児だったかずさは三年次に普通科へ転科するも周囲からは腫れ物に触るように扱われ、唯一の肉親であり以前はかずさの全てだった曜子さんからもほぼ放置され、荒みきった日々を送っていました。誕生日に届いた子犬のぬいぐるみはやはり自身のメタファーか。じっと頭を撫でられるのを待っている=誰かが手を差し伸べてくれる事を待っている、迷子の子犬状態の自分が許せずビリビリビリ! ぬいさんに罪は無いのに! そういや第6話の寝室にぬいさんが健在なのは後で直したのかな。

そういや第二音楽室のエリートくんが正体不明だった頃、音楽科へ出向いて調査したくだりがありましたが、ここまで露骨に嫌われていたら誰か教えそうなものですよね。「普通科に転科したくせに占領している図々しい金持ち」みたいな。

whitealbum2_10_05.jpg

転科早々ウザい隣人に目を付けられてかずさの怒りは爆発寸前、いや実際爆発してしまわれた。第5話の小テスト中に春希が思い出した書類が舞い散るカットはこの経験によるものでしたか。

教師に疎まれ他生徒に疎まれ、隣人のウザさに耐え難きを耐えないかずさは第二音楽室にヒキコモってピアノに逃げる。もはやここしか居場所が無いのでしょう。そんな聖域を邪魔する、隣室から壊滅的なギターが聞こえ…この時点では露骨に嫌悪感を示して窓をピシャリ。

隣席のドタバタをボーッと眺めるかずさは少しずつ春希に興味を持ち始めたのでしょうか。それを決定づけたのは夕暮れの教室での進路調査の一件。突き付けられた書類をクシャポイしても拾い上げ、何食わぬ顔で机に広げて記入を促し、ここで書かねば家へ行くと意気込む春希へ記者やら警備員の話をチラリ。

「冬馬んちって何か有名なのか?」
「おまえ…」

何をするにも「冬馬曜子の娘」と見られてきたかずさにとって、背景を無視して構ってきたのは春希が初めてだったのかもしれません。「冬馬曜子の娘」ではなく「冬馬かずさ」として扱ってくれる。この時から春希に対する表情に柔らかさが見え始め、ウザい相手に心を許し始めているのが判ります。

whitealbum2_10_06.jpg

「北原を巻き込むのはやめろ。あいつはお前とは違う世界の人間なんだ」
「無視しろ。いつもそうしてただろ?」

せっかくいい雰囲気を見せ始めた所での教師による釘刺しは、かずさ視点で考えるとある意味ターニングポイントだったと思います。特に「違う世界の人間」という言葉は逆の意味(教師的には正論だけど)で春希を高嶺の花にしてしまい、「自分みたいな人間は受け入れてもらえない」と面倒くさい思い込みを植え付けてしまったような。

教師にボロクソ言われた怒りをピアノにぶつけ、すると相変わらずヘタクソなギターが聞こえ…先ほどまでと違って視線が優しくなっているのはヘタクソなりに頑張っている姿が見えたから? そしてその帰り際、第一音楽室のドアの隙間から見えたヘタクソギターの正体が、気になり始めたウザ委員長と知ってクリビツ! これにて「かずさは春希ギターを知っているけれど春希はエリートピアノの正体を知らない」という初期の構図が成立しました。

翌月の夏休みに度胸一発のカチ込み(笑)は入室前のドキドキ→入室して声掛けの思い切り→対面後の言い繕いとかわいさジェットストリーム。何このかわいい生き物。なるほど第3話でチラリと触れた夏服コーチはこういう流れからだったのですね。無愛想にギターを教える内側でオトメ回路がギュンギュン唸っていたと思うとじつにナントモ。

「コード押さえてるだけだろ? それでミスする理由が理解できない」
「やったこと無いヤツはみんなそう言うんだよ」

かずさのポテンシャルを知らずいっぱしの事をぶちかます春希、対するかずさは引き続く騒音に表情を曇らせ…そういやヘタクソに弾かれると楽器がかわいそうとか言うてたような? スイッチが入ったかずさはつかつかと春希へ迫り、夏服のブラウスを突き上げながら「それ、貸してみろ」と手を差し出して今回の引き。

本ストーリーの前提である「春希への思い」が形成される様をひとまとめの回想で見せてきたのは、かずさが秘める思いの演出・係る吐露時のインパクト重視と判りながら、安直というか取って付けというか、1本のアニメ作品として少々歪な作りに思える。この後出し構成が生きるか死ぬか、ラスト3話を楽しみにしときます。

      

関連記事
スポンサーサイト

↓記事が役立ったら一票どうぞ。
にほんブログ村 アニメブログ 深夜アニメ

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

プロフィール

nobuma


Author:nobuma
リンク、TBはご自由にどうぞ。
※連絡先(☆を@に):
seaside_megane☆yahoo.co.jp

イヴの時間
当blogはイヴの時間を応援しています。
アイカツスターズ! ステージソングまとめ

アイカツ! ステージソングまとめ

アイカツ! ライブステージムービーの変遷

Twitter
最近の記事
カテゴリ
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 
ブログ内検索
Bookmark
RSSフィード
Amazon
Powerd by FC2