2013-12-25(Wed)

WHITE ALBUM2 #12 卒業

次々と明らかになる本音。エゴ、焦り、涙。

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こんなはずじゃ無かったんだ。

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雪が舞う夜の街での急展開から今回アバンは自宅で寝込む春希、見舞う雪菜の図から。駆け去るかずさを前に膝を折った春希は結局あの後誕生日パーティへは行かず、それどころか雪菜を頼ってこの状態とか、彼氏として最低の下の所業であります。そういや同居しているはずの春希の母親が全く出て来ず、以前チラリと冷めた関係(?)を匂わせていたけれど、寝込むレベルでも干渉が無いほど心が離れているのだろうか。

かずさとのアレコレを知らぬまま健気に世話し頬を染める雪菜、一方春希はさすがに会わせる顔が無いのか雪菜に背を向け自分を責める。これほど悔いた上で、しかし本心が揺るがないのならもうどうにもならんというか、ここが別れを切り出すラストチャンスだったはず…眼前の雪菜へ何か言いかけるも結局春希は自分から別れを切り出せない。そんな胸中ぐるぐるの春希へ帰り際のキスをする雪菜。おそらくいろいろ察しているだろうにこのキスは天使の目で見れば一途の表れ、悪魔の目で見れば搦め手と言ったところか。じつに深いキャラです。雪菜が帰った後 渡せなかった指輪を抱えての嗚咽は、本音と建前の狭間から抜け出せない春希の苦しさが伝わってくるけれど、今回の結末を見てしまうと同情の余地があまりにも無い。

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かずさ勧誘の時に使ったファストフード店にて今回はお別れの報告。かずさの砂糖が4本に減ったのは心に苦いモノを抱えている表れ? 「ずっと三人」の約束を破ってごめん…嘘ではないとはいえ親(母親との新生活)を理由に使われたら雪菜としては返す言葉もありません。こりゃちょっとズルい。そしてここからかずさの嘘が立て続け、曰く春希が「笑って送ってくれる」」と言ったとか、「いつかまた三人で」なんて心にも無い事を言ったり、トドメには――

「やっぱりかずさ、まだ…」
「絶対にそんな事ない、ありえない」

カップを包む雪菜の手に手を重ね笑顔を湛えて友情を語るかずさ。春希に関しては息をするように嘘を吐きながらも雪菜との友情に嘘は無い、邪心無きかずさの笑顔にオンタイム時には心を抉られましたが…やはり今回ラストを踏まえて見るともう茶番にしか見えない。一方かずさの嘘に気付きながら手を重ね返す雪菜も後の屋上シーンを踏まえれば上辺だけにしか見えず、真実はどうあれ友達ごっこに酔っているようにしか。

何せこの子たちはナチュラルに嘘を吐きすぎ。というか「あの時はああ言ったけど本心はこうだった」「あの行動の裏側ではこんな事を思っていた」の前段部分がナチュラルすぎて、後に後段のネタバラシをされても取って付けにしか見えない作りはズルいというか反則的というか。謎を絡めたストーリー展開は私的には大好物なれど、度が過ぎた後出し説明にはどうしてもシラけてしまう。今やこの子たちがどれほど綺麗事を言ったところで狼少年にしか見えなくなってしまった。

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「俺みたいになって俺を失望させるなよ」

夕陽が射す第一音楽室にて武也の説教は、ややこしい裏事情を知らない作中キャラ視点の常識論でいちいちご尤も。作中のキャラポジションどおり雪菜贔屓の物言いもご尤も。ところが春希には春希の正義(?)があるため黙して語らず…前に立って見下ろす武也がイマイチ押し切れず、逆に見下ろされる形の春希に強い気を感じるのは夕陽の後光&上手下手演出の効果か。とはいえいくら心が決まっていても流されるままの現状ではどうにもこうにもなのですが。

「気が付いたら割り込んでた」

一方屋上では雪菜&依緒が核心のやり取り。こちらの夕陽は邪心を晒す雪菜の顔に暗い影を落とし、対する依緒へライトを当てて疑問の氷解+意外な真実への衝撃を強調していますね。風に靡く髪は真実暴露に震えるココロの表れか。

「告白したのが私からだとしたら?」
「そしたら春希くん、私を振るかなあ?」
「私の気持ちと自分の気持ち、どっちを優先するかなあ?」

春希はかずさに気があると誰もが察する中で何故「春希が雪菜に告白した=雪菜を選んだ」のか? 卒業間際の時期に何故急いで付き合い始めたのか? などなど依緒たちが抱いていた疑問に対する種明かしはたった一言「あの告白は私から」というもの。ライブ後の第二音楽室で繰り広げられたアレコレは視聴者的には既にご存じのとおりですが、依緒たちは真実を知らない…というわけで依緒への真実暴露のテイで「至る雪菜のディテール説明」への流れができるわけです。こういう風に前振りを絡めながらネタバラシを自然に入れ込む作りは私的に好感が持てます。続いて学祭の夜の回想シーンもインパクトありましたし、何よりこの独白が効いた。

「私、醜いから、汚い女の子だから、コロッと気が変わったんだ」

人の気持ちが判っていて、三人にとって一番いい答えが判っていて、それでも雪菜は自分のエゴを通してしまった。これまた視聴者的にはほとんど察していた事なれど本人の口からズバリ言われると結構グサリと来ます。とはいえ雪菜はライブ中の宣戦布告に続いて件の音楽室へ向かう前までは仁義を通すつもりでいたんですよね。しかしその歯車を狂わせるスイッチを入れたのは…と考えれば雪菜ばかりを責めるのは酷だと思う。むしろ散々嗾けられたにも関わらずクールな振りで知らぬ存ぜぬを通し、寝込みの隙にキスをして、泣いて謝り逃げ出すも翌日からはまた知らん顔で、あまつさえ雪菜との屋上シーンで友情を語っていたかずさの方が、冷静に考えるとよほどタチが悪いような気がする。以降雪菜との友情ごっこは抜け駆けの贖罪、その結果見せ付けられての拷問すら自業自得のようにさえ。一方策を巡らせすぎたゆえに飛雄馬のクリスマスを迎えてしまった雪菜も自業自得、半端な気持ちで雪菜を受け入れてしまったゆえに苦しみ続ける春希も自業自得と、揃いも揃って自分で仕掛けた地雷を踏み抜く地獄絵図には三人が幸せになる結末がどうにも見えない。

「こんなはずじゃ無かったんだ」

輝く夕陽=三人での輝ける日々に手を伸ばしてももう届かない。自身のエゴによって三人の関係を歪めてしまった雪菜の後悔…おそらく雪菜はこの時点で今後の成り行きを察していたのだろうなあ。

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時は進んで卒業式。講堂にて堅苦しい式典が執り行われる一方で桜をバックに佇む黒髪ロングの少女はもちろんあの人です。式が終わった教室にてクラスメイトたちと暫しの別れを惜しみつつ机に手を突っ込んだ雪菜はマフラーの上に手紙を発見。かずさはよく雪菜の席を知ってたね、ってのは野暮なツッコミか(笑。一方その頃男連中は未だかずさを忘れ得ぬ春希を煽り、雪菜を庇う。親志の煽りにあっさり反応する春希が分かりやすすぎるというか馬鹿っぽいというか、もう隠す気無い? そんな春希へ「雪菜ちゃんの前では絶対にやらかすなよ」と釘を刺すも、その直後に釘は飛び散り周囲は血まみれ大惨事に。

「かずさ来てたんだよ卒業式! ほんの今までここにいたんだよ!」

かずさからの手紙を持って駆け付けた雪菜の言葉に、春希は先の忠告など吹っ飛ばしてあっさりリミットブレイクであります。あらら。そんな春希をじっと見つめる雪菜が辛すぎるけれど、春希の感情を煽るようなセリフやその後の表情変化を見るに、ひょっとしたら春希の本心を確かめるべく最後の賭けに出たのかも? 武也に肩を掴まれ振り返った春希が目を逸らした瞬間の「やっぱりそうなんだ…」とでも言いたげな表情が凄まじく良い。

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そのまま学園を飛び出した春希はかずさ捜しの旅へ。後ろ姿がクリソツの黒髪メガネちゃんかわいい(笑。この捜索シーンは常にケータイを開いてメールを送り返事を待ち…前作(?)の「WHITE ALBUM」では公衆電話のすれ違いがドラマ作りに一役二役買っていた事を思うと時代の変化を感じます。こうしてしみじみ見ると携帯端末の普及は恋愛ドラマの話作りを大幅に変えてしまったというのも納得。

「どこにいるんだ連絡をくれ」
「一度会って話をさせてくれ」
「たのむから返事をしてくれ」
「たのむ」
「あいたい」

始めは事務連絡調だったメール文は次第に崩れ、最終的には変換すらもどかしい「あいたい」という最も正直な気持ちへ。この変遷は春希の切羽詰まり具合がよく伝わってきます。一方その必死ケータイへ電話を掛けている人もまた縋るような思いだったことでしょう。しかし春希への電話はついに繋がらなかった。あれだけ頻繁にケータイ画面を覗き込んでいた春希が雪菜からの着信に気付かないはずもなく、つまり春希は判っていて電話に出なかった。まああんな形で振り切ってかずさ捜しに駆け出した手前どのツラ下げて電話に出られるか?ってなものですけれども。

コールを続けても出ない電話に膝を抱えて俯く雪菜。さすがにもはやこれまでか。その頃春希は思い出の第二音楽室にて座り込んで嗚咽を漏らす。ううむ。何というどよんどのドミノ倒し。

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灯りも点けない暗い部屋にて雪菜からの着信履歴をボーッと見つめる春希、この待ち受け画面も今は昔の輝きなのだなあ。てな所で通知ボックスがパッと変わって表示の文字はかずさからの着信…雪菜からの3回の履歴をあっさり上書きする画面演出はとことん容赦がありません。ともあれ待望の着信に声を荒げて迫る春希、対するかずさは至極落ち着いた口調ではぐらかし、するとブレーキが壊れた春希は「好きだ」とついに告白――

「あたしは裏切り者は嫌いだね。だからお前は…」
「それと、あたし自身が大嫌いだ」

熱い告白に一瞬ハッとするも次の瞬間精一杯クールを装って答えるかずさ。雪菜と恋人関係である春希が「裏切り」であるのは当然として、続く自嘲の言葉は遠回しに同じ穴の狢を認めている=自分の本音は雪菜への裏切りと認識している=春希が好きと言っているようなもの? ともあれ裏切りを自覚する程度には雪菜との友情は存在したという事か。

ほどなく降り始めた雪を同時に眺める二人。違う場所から同じ風景を見る=同じ思いという演出はこのテの作品の定石パターン、と思って見ていたら。

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かずさがいた公園は春希宅を望める場所で、何度も空を仰いでいたのは雪を見に窓際に出てきた春希の姿を焼き付けるためという、舞い降る雪を使った再会演出はなかなかドラマチックでした。息を切らせて駆け付けた春希はようやくかずさと再会を果たし、すると彼はいくら何でも信じられないセリフを吐いた。

「俺を悲しませたまま消えようって、そんな酷い事考えてたのかよ」

この人は自分が雪菜に何をしたのかお忘れなのか。他人の気持ちが判らない堅物委員長の設定はかずさとのすれ違いに都合よく使われたけれど、ここまで自分本意の、性根が腐った男だとは思わなかった。自分は他人を悲しませまくるけれど、自分を悲しませる事はまかりならん! 酷い! ってどんだけ。

その後電話を通して素直な思いを叫ぶかずさが露骨にかわいくフォームチェンジ。しかしこの変貌も裏切りの後ろめたさより男への思いが勝った結果であり、つまりかずさにとって雪菜はその程度の存在だったという事か。そんなこんなで互いの思いはついに通じ、名前を呼び合い真正面からのキスは感動的なシーンのはずが…ここは例によって上手下手の立ち位置やカメラワーク、ライティングによる演出でいい感じに纏まっていたけれど、先の春希のセリフによってダダ下がった私のテンションを覆すには至らず。どうにもモヤモヤが止まらなかった。こんなはずじゃなかったのに。

強面の内に秘めた一途な思い。その純粋さゆえに他人を傷付け自分を傷付け、しかし一度素直になればこの蕩けっぷりを見せてしまうかずさは、デザイン含めてドンズバでハマるキャラなれど、一方負け犬好きの私としては雪菜も捨てがたい。というか雪菜が藻掻き苦しむほど愛おしく思えてしまう。今となってはもはや雪菜の目など完全に無いでしょうが、ならばせめて潔く引導を渡し、次回最終回ではフラレナオンの有終の美を堪能させていただきたい。

      

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WHITE ALBUM2「第12話 卒業」/ブログのエントリ

WHITE ALBUM2「第12話 卒業」に関するブログのエントリページです。

WHITE ALBUM2 #12「卒業」

WHITE ALBUM2の第12話を見ました。 #12 卒業 「雪菜、ごめん…」 「何が?」 「一つ目はパーティ行けなくて」 「どちらかっていうとこんな体調で家を出ようとしたことを謝ってほしいんだけどな」 「二つ目はわざわざ来てくれて」 「ううん、連絡くれたこと、頼ってくれたこと、嬉しかったよ」 かずさにキスをした後、熱を出して寝込んだ春希は雪菜に看病してもら...

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No title

今回の話を観ての感想は…もう、もうね…雪菜が幸せになる目が無さすぎて可哀相。黒髪スキー故にかずさ派である所の私でも、同情を禁じえませんでした。本当に「釘は飛び散り周囲は血まみれ大惨事」ですよ、ええ。
特に、かずさを追って走り出した春希を見送る(?)際のあの表情…深く胸の内を抉るナニカがありました(そして何故か背筋がぞくりとしましたが)。

私としては、今回気になったのはかずさのシュガースティックの本数。一番最初にシュガースティックが出て来たのは3話のかずさで、本数は7本。次に出て来たのは9話の春希で、本数は3本。そして12話である今回のかずさの本数は4本。7本-3本=4本ってなるんですよね。これの表す所を色々と捏ね回してますが、中々考察のしがいがあるかと。

にしても、春希は何故雪菜をフラないのか…。「俺は絶対に離れたりしない!」を律儀に守ってるつもりなんでしょうか?それとも、母との関係が春希のトラウマなんでしょうかね…。今の所父親の影が見当たりませんから、両親は離婚していると考えられますし、そこから関係が悪化したと考えれば契約=約束は破ってはならないモノ、と強迫観念でもあるのか。それが故に、今まで委員長キャラを努めていた…なんて、飛躍し過ぎな感はありますが、そうじゃないと春希の行動が…ねぇ?

No title

原作ではこの時点ですでに語られていることなので、春希の両親について補足です。

春希の両親は春希が子供のころに離婚しています。春希は母親に引き取られた訳ですが、その頃からずっと母親に必要なお金だけ渡されて無視や徹底的な無関心を貫かれています。

その事から春希には誰かの役に立ちたい、必要とされたいという想いが根底にあり、あのおせっかいな性格が形成されています。

「俺を悲しませたまま消えようって、そんな酷い事考えてたのかよ」

あのセリフを言ったときに春希の脳裏に浮かんだのは恐らく母親です。

雪菜の告白を受けた件にしても、別に雪菜で妥協しようとか、そういう考えではないと思います。雪菜に必要とされた、それがすべてだったのだと思います。

でも、かずさに対しては生まれて初めて春希自身が必要としていたのでしょうね・・・。

れすれす

>待宵草さん
かずさのシュガースティックは私も気になりました。春希の分の3本(?)を引いた本数ってのがまた。こういう細かい描写がホント面白い作品です。その春希に関しては「雪菜から離れない」と言いながらやってる事がアレですから援護のしようがありませんね。まあ最終回ではそういうのを全て突き抜けてしまった感があるのですが(笑

>enaさん
このレビューはあくまでアニメ版のWHITE ALBUM2を前提にしておりますので、アニメ作品内で描かれていない事を根拠にキャラの行動原理を語られてもリアクションに困ります。そもそも春希に関してはそのような性格形成を含め、内面が読み取りにくいため行動に不可解な点が多く、ありていに言えば「よく判らないキャラ」でした。あれほどまでかずさに拘る理由もよく判りませんでしたし。
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