2014-07-15(Tue)

ハナヤマタ #02 ジェラシー・ローズ

なるの変化に焦り戸惑いしょんぼり一直線。

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絶対あいつなんかに私のなるを渡さないんだから!

ずっと仲良くしてきた一番の友達。自分の全てを受け入れてくれるその子は小さくおとなしく、だから自分がずっと守ってあげなきゃ…と思っていた相手が突然現れた他の子(しかも印象最悪の子)と仲良くし始め、自分よりもそちらを優先する気配を察して焦り戸惑う幼い独占欲。それは「守ってあげよう」との言葉どおり立場&心理的に絶対優位に立ち「頼られている」はずの自分が実は「頼っていた(依存していた)」という王道の逆転劇も重なり、完全無欠のカンペキ少女が見せる揺れ動く少女心にニマニマが止まらない。

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あれほど逃げ回っていた謎のガイジンと妙に仲良し&明るくなったなるに冒頭っから不穏MAXのヤヤ。ジト目で聞き耳を立て、なるのリアクションにいちいち反応し、予想に反した=自分が知らないなるの返答に思わず声を上げてしまう。デフォルメ絵を挟んだオーバーなリアクションは今回の主題を強く印象付けながら、「ジェラシー」から連想する陰湿な雰囲気を軽く飛ばす軽妙さでストーリーの幕を開きます。背後の会話とヤヤの表情変化をFIXで淡々と映してリアクションを追い、トドメの一発でカメラがスッと動いてなる&ヤヤのツーショットの表情対比を強調するカット締めも気が利いてます。あはは。

Aパート冒頭は先の件で大荒れに荒れてドラム乱打のヤヤ。棹物を下げた三人のカットは前回よりもバランスが良くなった? それでもまだレスポールが大きいなあ。目方は重いけどそんなデカくないっしょ(笑。逆にプレベはもう一回り大きく描いたほうがそれっぽい。楽器はムズカシイネ。

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「ヤヤ以外の友達が家に来るのは1年ぶり」との事でテッテ的に部屋を片付け受け入れ準備を万端整え、それでも慣れない訪問に緊張が止まらない。なるの部屋は和風建築の居合い道場(?)の割にフローリング仕上げで、本好きらしく本棚がたくさん並び、個人用のTV&レコーダやPCなど装備も万全。ぬいさんが飾ってあったりコルクボードにポエム(笑)が貼ってあったりカーテンがピンクだったり女子中学生の部屋っぽい雰囲気も窺えます。

その頃ヤヤは家業の蕎麦屋を手伝いながらなるの動向が気になって仕方がない。普段は派手目のヤヤが和服を着込んで髪をポニテで纏め、その姿を含めて板に付いてる女給っぷりは普段から手伝いをしている事が窺えますね。というか女給姿かわいい。ずっとポニテでいいのに。

「私は誰かと繋がっていたい」

シーンはなる部屋へ戻って物理的にも心理的にも急接近の二人の様子をつらつら。ハナは前回見せた超人的運動能力のネタバラシ(フリーランニング)や、ヒーローの孤独に例えたよさこいへの思いを語り…一人の寂しさを知っているなるがしんみりシンクロ、タイプ的に全く正反対の二人は根っこの部分で繋がっていたのでした。なるほど。思わぬ本音トークの恥ずかしい空気に耐えられない二人を引っ張って引っ張ってポン!には笑った。何という微笑ましさ。そこからよさこいのDVDを見るシーンではごく自然にPCへ向かう辺り今どきの子だなあと(笑

ググった写真とDVDでは受ける印象が全然違うのか大感激のなるは華やかなよさこいワールドに惹き込まれて一気にやる気フルスロットル、続いてプレゼントされた鳴子をカツーン!と鳴らしてなる開眼の流れは光眩しい気持ち良い演出でした。とはいえこの一連をして私にはよさこいの素晴らしさが伝わってこない=なるの心境変化にシンクロできなかったため、絵面的には綺麗だったけれどいまいち感動は薄かった。おそらく作品的にキモであろうこのパートが(私的に)不発で終わったのはちょっと残念。

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明けて翌朝の教室にてヤヤのジェラシー描写を再びじっくり。ハナからもらった鳴子を起点に描かれるヤヤのリアルタイムリアクションはハナの登場でさらに加速、アバン同様微笑ましく蚊帳の外っぷりを見せてくれます。でも何かと入るデフォルメ顔は少々頻度が高すぎるような。それが作風ってなら仕方ありませんが。

キャッキャ連れ立ってよさこいショップへ向かう二人を窓から見送るヤヤの疎外感が凄い。さすがにこれは気の毒になります。Aパートを締めるバラの蕾(ヤヤの幼さの表れ)がまた切ない。

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さてよさこいショップへ着いたは良いけどいかにもその筋のおっさんにビビって逃げ出し後日出直し。あらら。まあOPに出てくるくらいなのでこの店(おっさん)については追々描かれていくでしょう。一方ヤヤはテンション最低のバンド練習から帰り道でLINE送信、この切羽詰まった表情なのに、

 よさこいショップってどんなだった?
 怪しくなかった?
 私は今練習終わったとこ

メッセージでは精一杯明るく振る舞っている辺り、なるに動揺を悟られたくない=いつもの自分(頼られる存在)でいたい心理が窺えます。また聞かれてもいない行動アピールを入れているのは承認欲求の表れか。あのガイジンばっかりじゃなくて私の事も見て! 練習お疲れさまって言って! みたいな。

ところがなるはメッセージに気付かないままハナとあんみつを堪能。帰り道をとぼとぼ歩くヤヤは来ない返信に焦り悲しみ、帰宅後ようやく届いた返信に笑顔で飛び付き、なるらしいよさこいショップの報告に微笑み、しかしページをスクロールして現れた

 だからハナちゃんと一緒に志るこ屋の
 あんみつ食べてきちゃった

ハナとの仲良し報告を見てしょんぼりの極みへ。おそらくこの「志るこ屋」とはなるとの思い出がある店なのでしょう。二人の場所だったあの店に私ではない誰かと行ってしまった。いやそんな大仰な話じゃないかもだけど(笑。ともあれメッセージごとに上げて落とす表情変化はヤヤの落ち込みをブーストし、そこから引き絵で「取り残された寂しさ」を示すダメ押し演出はよく効きました。幼いジェラシーでココロがぐるぐる回ってバターになる寸前なのがよく伝わってきます。

ヤヤの部屋はなるに比べてオトナっぽく、というか女子中学生の部屋にしてはアダルティな雰囲気アリアリ(笑。いくら赤い薔薇が好きでも赤すぎて落ち着かない。そして何より畳敷きの部屋にこのインテリアのアンバランスさがヤヤの本質を体現しているような。

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ズンドコ落ちているヤヤへトドメの一撃。明けて翌日の学校にて仲良し全開のなる&ハナに朝一番からアテられ、当てつけのように抱き付くハナにムッとした次の瞬間、自分を差し置き二人で盛り上がっている所を見たヤヤはサッと青ざめ…自分の加護から抜け出し、自分の知らない世界へ行ってしまった事を見せ付けられ、それはつまりなるの中での自分の存在を否定されたようなもの。ずっと私が一番の友達だったのに私よりその金髪ガイジンの方が大切なんだ、よさこいの方が大切なんだ。

「笹目ヤヤさん…でしたっけ?」

青ざめるヤヤへハナからの声掛けがまた強烈。私はこんな名前もろくに覚えていない相手になるを取られたんだ、気安く名前を呼ばないでよ! みたいな感情は拗れたハートを良くない方向へ燃え上がらせ、涙目で拗ねながら怒りの矛先をハナに向け、するとあろう事かなるがハナを援護し始め、逆上したヤヤは――

「そんなのなるには絶対無理。小さい頃から弱虫で、いつもおどおどして、人前じゃすぐ赤くなっちゃうくせに!」

追い詰められた挙げ句の本音を最悪の形でぶつけてしまう。もちろんそれはヤヤにとって意地の悪い見下し要素ではなく「だから私が守ってあげる」と続くのだけれど、痛い所をクリティカルに突かれたなるは一転意固地となり売り言葉に買い言葉、普段の弱気を振り切って強く言い返すのでした。

「そんな事ないもん! だいたい何でヤヤちゃんがそんな事言うの? 見た事も無いのに!」

今までに無い「距離」に戸惑っていたヤヤへトドメの一撃、拗れた形で一方的に感情をぶつけた結果として二人の間に決定的な溝が出来てしまい…階段の段差に加えて上手下手の立ち位置で関係の逆転をズバリ見せる演出に思わず唸った。これまで「守ってあげていた」はずの相手から見下ろされ強い言葉を向けられ、取り返しが付かない事になってしまったヤヤは涙目で絶句するのみ。最高に素晴らしい表情です。なのに何故カットの最後をギャグ顔で締めるのか。作風的に過度のドロドロを避けたい意図とは思いますが不意のギャグ顔で全て台無し。ううむ。

などなど思わぬ急転・不穏のきっかけであるハナがすっかり取り残されてるってのは面白い。つまりハナは文字通り「きっかけ」であって、遅かれ早かれこの二人は時の経過とともに変わってきた関係を清算しなければならず、その精算過程を含めて「成長」を描いているという事でしょう。

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とまあ勢い任せで啖呵を切ったもののよさこいなどまったく踊れず、ビターン!とコケて厳しい現実に膝を抱えるなる。立て膝の脚が際どい!(そういう所ばかり見ない(いやこれは見るよ。一方ヤヤも自室で膝を抱えて思い出回想、幼い二人の下校シーンは胸を張って前を歩くヤヤと俯き気味で後を追うなるがいかにもです。その頃からヤヤはなるに全面的に認められていて、立場的にはなるを「守る」としながら、いつしか常に承認欲求を満たしてくれる存在として無意識に依存するようになっていたのかも。過剰とも思える動揺はハナ登場によるジェラシーに欲求不満が重なって心のバランスが取れなくなった結果でしょう。

「だから絶対あいつなんかに私のなるを渡さないんだから!」
「…????? あれ?」

というわけで心のモヤモヤの原因に気付いたヤヤは自分の幼さに超赤面。あらかわいい。てな所へハナがボディアタックを食らわせて仲直りの橋渡しを申し出るも、あまりに直球の物言いにヤヤはあれこれ苦しい理由を付けて本心をカモフラージュ。とはいえ本心丸判りのモジモジ状態にハナはブチ切れて問答無用に引っ張っていくのでした。あはは。

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連れて行かれた屋上にて練習に励むなるは意外と踊れてる? と思ったらペシャっとコケてやっぱりダメダメ…の一連を見守るヤヤはほとんど保護者のリアクションで運動が苦手のなるを心配しきり。ところがなるは――

「ちゃんと踊れるようになってヤヤちゃんに認めてもらうんだから!」

苦手意識を乗り越える強い意志を示していた。ヤヤはなるの思わぬ頑張りに驚き、と同時にこれまで全てを認めてくれていた相手が「認めてほしい」と考えている事を知り、つまりフェアな関係ではなかった事に気付いてようやく目を覚ますのでした。ツンデレ!

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階段に残ったヤヤは独占欲に囚われていた自分の間違いを一人語り。今回のまとめとして判りやすいのは良いけれど思いの全てをモノローグで語らせてしまったのは少々野暮に感じた。こういう心の動きを映像で語るのがアニメーションの醍醐味でしょうに。ここに至るまでさんざ描写されてきた事を改めてセリフで語られるとシラけてしまう、ってのもあります。

「見せて! よさこい」

階段を駆け上がって屋上へ出たヤヤはなるに正対してこのセリフ。階段駆け上がり→同じ高さでの正対(しかもヤヤが上手に立っている)は先の校門階段シーンとの対比で、なるが今頑張っている事へ正面から向き合えるようになった=ヤヤの成長&自我復活を鮮やかに描いています。こういうのでいいんですよ、いちいちセリフで語らずとも映像で伝わるのですから。

ド緊張の中で始まったなるの踊りはぎこちなく決して上手くはないけれど、必死に踊る中に浮かんだ一瞬の笑顔(楽しんでいる表情)を見つけたヤヤは、なるの意思や情熱をきちんと受け止め「認める」ことができた。

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踊りはクライマックスのターンに差し掛かり、気合一発鳴子を振って回り始めたなるの姿にヤヤは心を突き抜かれ、しかし例によってビターン!とコケてきゅー。あらら。なるはここ一番の大失敗に大泣きするも、もちろんヤヤはとっくに認めていて、あとは赤面全開ツンデレ仲直りの一幕からA終わりの薔薇の蕾が誇らしく開いて綺麗な締め。

頻繁に入るギャグ顔や過剰な赤面に少々醒めてしまいますが、成長過程の少女の心理をほどよくリアルに描いた今回はなかなか良くできていたと思います。全てに優秀でオトナっぽいはずのヤヤがミソ子のなるよりコドモだったってのも王道ながら楽しめました。とはいえ今回エピソードをしてヤヤがよさこい仲間になったわけではなく、ハナへの感情やバンドオーディションの件を考えると仲間入りまで遠い道、ってな調子だと5人揃うまでまだ暫く掛かりそう? というか揃った頃には1クール終わっちゃうんじゃ?(笑

   

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