2014-08-21(Thu)
ハナヤマタ #07 ガール・アイデンティティー
拗れに拗れた悲しいすれ違い。

一番大切な物は何?
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一番大切な物は何?
青春と言ったらバンドでしょ。よく青春は儚いって言うけど私は絶対そんな毎日を送りたくない。私はみんなが憧れるような、羨むような、そんな輝く私を全力で手に入れる。
学業優秀 容姿端麗、誰しも羨むようなカンペキ少女はさらなる輝きを求め手を伸ばす。しかし当然手に入るはずだったそれは掴み取る前に指の隙間から呆気なくこぼれ落ちてしまった。しかも一緒に燃え上がっていたバンド仲間はあっさりと鎮火し日常へ沈んでいく。輝きたかったんじゃないの? どうしてみんなそんな簡単に諦めちゃうの? 輝きたかったのは私だけ?
終わって初めて気付いた悲しい一人相撲に落ち込むヤヤは、自分と入れ替わるように輝き始めたよさこい部のみんなが羨ましくて仕方がない。屋上での練習は楽しそうに盛り上がり、イベントへ向けてあれこれ悩み奔走する姿さえも輝いて見える。しかもその相手はこれまで自分を眩しげに見ていたおとなしく人見知りだった子。いつの間にかの逆転劇にヤヤの気持ちは追い付かず、居場所を失った雛鳥は拗ねて当たり散らし大切な友人からも離れ、それでも一人で全て抱えて立ち行かず…てな所でなるのまっすぐな思いに意固地なココロが氷解し収まる所へ収まったオチは正直しょうもないのだけれど、大人から見たらしょうもない事に一生懸命な少女たちの足掻きはいちいち愛おしく、張り詰めていた糸が切れて仲間の思いをようやく受け入れたローティーン少女の素直な涙顔にはついついもらい泣きしてしまった。
今回オーディション落選後の騒動について「よさこい部に構っていたせい」とする流れを予想していましたがバンドメンバー含めて誰一人他人のせいにしなかったのは意外で、後から思えばそれはメンバーの熱量の低さとヤヤのプライドの高さに繋がっていたのだなあと。また当のヤヤですら落選自体が落ち込みの原因ではなかったというシナリオはなかなか興味深かった。

アバンで映ったバンド仲間からのメッセージにおっさん的にまずハテナ、それなりに燃えて挑んで落選→ズンドコだった割りに一晩経ったら軽い軽い…この変わり身の早さこそ彼女たちのバンドへの熱量を示し、仲間との熱量差に気付いて落ち込むヤヤはよさこいに燃える二人(同じ熱量で盛り上がる二人)が羨ましくてたまらない。ここは笑顔で教室を駆け出していく二人を見送るヤヤの表情描写が光っていました。単に落選で落ち込んだり、落選を言い出せない事に落ち込んだりではなく、自分の居場所を自分で拓いて輝き始めた二人への羨望(裏返せば自分の格好悪さの自覚)に落ち込んでいるというフクザツな胸中を絶妙に描いていました。
CM明けてAパート冒頭はサリーちゃん先生による特訓シーン、アニマルコスでハートを飛ばす媚び媚びのキメ(笑)から昭和少女マンガ風の回想、そしてサリーちゃん先生の本性バレまでコミカルキュートな描写が続きます。先生ってば妙に張り切ってると思ったら優勝賞品のハワイ旅行が欲しかったのね。テヘペロ。このアニマルコスは各々のキャラが良い感じにハマってましたね。なるは耳が良くて(周囲の事ばかり気にしている)気が小さいウサギ、ハナは誰にでも懐いて常に元気いっぱいの子犬、多美さんは賢くて狡猾(笑)な狐、この後コスが渡されたヤヤは気まぐれだけど必ず帰ってくるツンデレ猫、ってトコ?

「私だってそれなりにナウいよ?」
件の曲のクラシカルさを指摘されるともふもふシッポを抱いてプンスカの多美さんかわいい。かわいすぎる。そういやあれほど違和感アリアリだった大坪さんの声がいつしか馴染んでしまった。こっちの耳が慣れたのか演者さんが演技に慣れて来たのか、ともあれもう他の声では多美さんにならないような感じ。そんな賑やかな屋上をこっそり覗いたヤヤは頼りにされて頬を染め、続いてなるの「ヤヤちゃんにばっかり頼っていられないし」とのセリフに思わず声を上げて驚きます。いつも後に付いて来るのが当然だったなるが私を頼りにしなくなった!? もう私の助けは要らないって? なるの世話を焼く事も自分の居場所だったのにそれさえも無くなってしまうの?
「人前で踊るならスカートの下何か履いた方がいいと思う」
イベントで着る衣装の話から脚を振り上げスカート全開のハナへヤヤの釘刺し。そういや第5話の多美さんもフルオープンでしたし、社会性があるヤヤ以外は案外キワキワ視線への意識が薄い(女子校独特?)子たちかもしれません(笑。衣装をどうにか! と言った所で予算は無く、ならば手作り? となってどよんどの二名は後のシーンできっちり不器用さを露呈する事に。あはは。
多美さん発案の生徒会駆け引きはアニマルコスのまま会長へ直訴、なんて姿にポッとなってる会長ってば…生徒会室で繰り広げられる天然らぶゆ~多美さんvsちょろ会長の戦いはナントモ微笑ましく、会長ってばもっとキッツイ子かと思ったら早くもOPでの緩さをチラ付かせてます。でもそうなる前に一山来るんだろうなあ。

そんなこんなで廃部になった部活の衣装を漁る中ヤヤに届いたメッセは「解散」の報せでした。あっさり。意地でもミニスカの脚を映すアングル取りに以下略。ともあれトントン拍子に無くなった居場所から逃げるように帰宅した後、なるから届いた前向きなお誘いメッセは今のヤヤには眩しくて見られない。ああ辛い。
さらに翌日落研の羽織をリサイクルした衣装を纏って踊る三人娘をナマで見てその眩しさに耐えられずそっと引き返してしまう。曲も衣装も踊りもいつしか揃い、自分(ヤヤ)がいなくてもよさこい部はやっていけると突き付けられ、そのまま逃げ帰ったかつての居場所は自分以外誰もいない…瞬く間に全てを失ってしまったカンペキ少女の嘆きが伝わってきます。

「ずっと言ってるじゃない! 私そんなの興味ないって!」
靴があるのに屋上へ来なかったヤヤを気にするご一行の所へ本人登場、衣装へ貼るマークの件で「よさこい部に必要とされている」なるに嫉妬し唇を噛み、さらにハナから揃いの鳴子を差し出され…輝いているよさこい部の波状攻撃にヤヤのココロはついに耐えきれず、感情の昂ぶりから思わずキツイ口調で断わってしまう。失言に気付いた時にはもう手遅れで、あまりの剣幕に唖然呆然の三人を残して逃げるように走り去るのみ。ああ見事な泥沼。

楽しいはずのマーク付けは一転どよんど会と化し、頼りない二人(笑)には打開策も浮かばず、なんて所で多美さんは包み込むような口調で子供たちへ考えを伝えます。
「そもそも誰かに頼るって選択肢が無いんだと思う」
きっと友達に頼らず一人で解決しようとしている、自分もそういう所があるし、似たような人を一人知ってるから判る…孤高のヤヤの次に出てきた多美さんの知り合いは見たとおり会長さん、どうやらこちらはヤヤ以上に面倒くさい性格みたいです(笑。でも多美さんに頼まれたら頬を染めつつ承諾しちゃいそう? いや彼女が本気で意固地になったら多美さんでも崩せないかも? 勧誘エピソードが楽しみであります。そんな話をしながらハナの針糸をサッと通す=解決の糸口をさりげなく提示する多美さんは良いお姉さんキャラが確立された感じ。

多美お姉ちゃんのアドバイスによって自分の気持ちを確かめたなるはハナと共に行動開始、ところが追いかけられれば逃げるのが道理(笑)で、一目散に逃げ出したヤヤは校舎の裏で一休み。アングル的に狭い隙間に小さく収まるヤヤはいつものカンペキ感など微塵もなく、それどころか友達からコソコソ逃げ回る惨めさすら感じさせます。そしてふと見た水たまりに写った姿からリボンを落とした事に気付き、一方追っ手側は落ちていたリボンを見つけ…あのアニマルコスは伏線だったのか。犬と化したハナへ思わずツッコミ→超スピードで先回りするハナのシーンはテンポ良いコメディタッチが気持ち良かった。ひーこら追いかけてくるなるの鈍くささも良し(笑

「そう解散。来年他の学校を受験する子もいるし、彼氏できちゃった子もいてさ、私たちなりに頑張ってたんだけど、この前のオーディションも落ちちゃったし、だからもういいかなって」
「これからヤヤに会うなら謝っといてくれない? 何かヤヤはもう少しバンド続けたかったみたいだから」
バンド解散を聞いたなる&ハナはもちろんその事で落ち込んでいると思って慰め、ところがヤヤはそんな二人に唇を噛み…慰めの言葉を聞く度に今の自分と正反対に輝く二人の姿を浮かべ、ますます惨めになった所でこれまで自分が世話をしていた相手から勘違いの情けを掛けられる。ヤヤ視点で考えるとこれはキツイでしょう。当然ながらなるたちは良かれと思ってやっているのだけれど、だからこそ始末が悪いとも言えます。
「やめてって言ってるの! 私は別にそんな事で落ち込んでる訳じゃない!」
「勝手に仲良しごっこに巻き込まないで!」
叫ぶように言葉を投げ付けながら、やはり気持ちが高ぶって思ってもいない事を言ってしまうヤヤ。小さい世界でなけなしのプライドにしがみ付いている子にとってこれは溺れた者の藁しべみたいなもので、こうでも言わないとサブタイどおりアイデンティティが保てないのですね。痛々しいけどヤヤらしい。言い放って後悔全開な所を含めて。
「ヤヤちゃんのバカーーーっ!」
「いつもかっこつけて孤独ぶって、本当は寂しがり屋のくせに!」
酷い言葉と態度で否定されても自分の思いを貫き、ガチで言い返すなるの叫び。強くなったねえ。しかし「寂しがり屋」の図星を突かれたヤヤは売り言葉に買い言葉でますますヒートアップ、続いてハナの畳み掛けに――
「もう好きじゃない。あんたたちなんか大っ嫌い!」
拗れに拗れた悲しいすれ違いはついに最悪の結論へ至ってしまうのでした。あらら。おっさん的には「青いなあ」で終わっちゃうヒトコマも当人たちにとっては世界の全て、自我を守るため他の全てを捨てたヤヤ、捨てられて泣き崩れるなる、世界を否定されて全力で問い詰めるハナなどなど中学生の箱庭心理を巧みに積み上げて出来上がった修羅場はなかなか迫真でありました。

で、帰宅後の風呂場でスマホに打った「ゴメンね」を送れない、謝りたいのに謝れない。このところの悪循環を判っていながら、原因も判っていながら、そしてこのままでは本当に全て失ってしまうのが判っていながらアイデンティティの崩壊を恐れて身動き取れないやるせなさが伝わってきます。縁に足を掛け大胆に浸かる湯船は立派な総檜作り、老舗の蕎麦屋って儲かるんだな(笑。カメラさんがもう少し俯瞰気味に映してくれたら(以下自重。
一方よさこい部の面々は部室にて対策会議。しかし踊り場に据えられた仮部室とは思えないほど背景が馴染んでいますね(笑。クマのぬいさんに巻かれたヤヤのリボンは、あの騒動を経ても変わらずメンバーである事の意思表示でしょう。「嫌い」と言われてハイソウデスカサヨウナラなんて絶対に認めない、嫌いに何てならない、全部全部好きだもん。
「きっとヤヤちゃんもそうなんじゃないかな」
ヤヤへの思いを必死に叫ぶなるを優しく導く多美さん。余計に踏み込まず首を突っ込まず、あくまでアドバイスに留めて見守る様子はじつに出来たお姉さんでした。
「ヤヤちゃんに私たちのこの気持ちを伝える方法を考えよう!」


さてどんな方法で? と思ったら朝の屋上・給水塔の上からしょんぼり登校してきたヤヤを名指しで罵倒…追っても追っても逃げられて避けられてしまうのならばあっちから来させれば良いという理屈でしょうか(笑。でも屋上手すりをホイホイ歩くハナはともかく、鈍くさいなるが給水塔に登っては危険が危ないような。
ともあれヤヤは屋上へフルスロットルで駆け上がり、ドアを開けてカチ込み…のつもりが待ち構えた二人に突然抱き付かれて「は?」。私も思わずヤヤと同じリアクションを取ってしまった(笑。続いてなる&ハナは自分たちの非力さを詫び、一緒にいたいと涙の訴え、そして衣装と鳴子を差し出しすも、ヤヤは「やめてよ…」と後ずさり。これほどの思いを伝えても受け入れてもらえないのか?
「そんな事言わないでよ。悪いのは私なのに…」
自分たちで居場所を見つけて輝いていたみんなが輝いて見えた、羨ましかった。それに引き替え一人じゃ何も出来ない、必死に自分を守っているだけの格好悪い私。酷い態度を取ったにも関わらず真っ直ぐな思いを向けてくれる二人を前に、ヤヤはついに本心を晒す事ができた。そんなヤヤに対しなるはヤヤからもらったたくさんの「居場所」に感謝し、友情に感謝し、ハナもまたよさこい部を一緒に作ってくれた事に感謝し、さすがの意地っ張りヤヤもここまで言われては素直に大泣きするしか…という所でなる&ハナが先に大号泣を始めちゃって泣くタイミングを失ってしまうオチは、ヤヤのメンツをギリギリでキープさせる上手い演出でした。ドアの影でひっそり見守り涙を拭う多美さんも良かった。もうこの子たちったら愛おしすぎる。見ているこっちも涙目&頬が緩んで大変でしたよ(ちょろい

クマのリボンは無事持ち主に返って四人でのよさこい部が正式(?)にスタートを切りました。大泣きの涙はとっくに乾いてみんないつもの調子を取り戻し、それどころかなるのイチャイチャは加速するばかり。平和でよろしい。大切な物を失わずに済んで良かったねヤヤ。
次回はイベント本番? またしてもサリーちゃん先生大爆走? そしてミニスカから伸びる脚、体操服にてついに明かされるおっとりおっぱいさんの持ち物(笑)などなど見どころてんこ盛りです。こんな大きかったのか!
学業優秀 容姿端麗、誰しも羨むようなカンペキ少女はさらなる輝きを求め手を伸ばす。しかし当然手に入るはずだったそれは掴み取る前に指の隙間から呆気なくこぼれ落ちてしまった。しかも一緒に燃え上がっていたバンド仲間はあっさりと鎮火し日常へ沈んでいく。輝きたかったんじゃないの? どうしてみんなそんな簡単に諦めちゃうの? 輝きたかったのは私だけ?
終わって初めて気付いた悲しい一人相撲に落ち込むヤヤは、自分と入れ替わるように輝き始めたよさこい部のみんなが羨ましくて仕方がない。屋上での練習は楽しそうに盛り上がり、イベントへ向けてあれこれ悩み奔走する姿さえも輝いて見える。しかもその相手はこれまで自分を眩しげに見ていたおとなしく人見知りだった子。いつの間にかの逆転劇にヤヤの気持ちは追い付かず、居場所を失った雛鳥は拗ねて当たり散らし大切な友人からも離れ、それでも一人で全て抱えて立ち行かず…てな所でなるのまっすぐな思いに意固地なココロが氷解し収まる所へ収まったオチは正直しょうもないのだけれど、大人から見たらしょうもない事に一生懸命な少女たちの足掻きはいちいち愛おしく、張り詰めていた糸が切れて仲間の思いをようやく受け入れたローティーン少女の素直な涙顔にはついついもらい泣きしてしまった。
今回オーディション落選後の騒動について「よさこい部に構っていたせい」とする流れを予想していましたがバンドメンバー含めて誰一人他人のせいにしなかったのは意外で、後から思えばそれはメンバーの熱量の低さとヤヤのプライドの高さに繋がっていたのだなあと。また当のヤヤですら落選自体が落ち込みの原因ではなかったというシナリオはなかなか興味深かった。

アバンで映ったバンド仲間からのメッセージにおっさん的にまずハテナ、それなりに燃えて挑んで落選→ズンドコだった割りに一晩経ったら軽い軽い…この変わり身の早さこそ彼女たちのバンドへの熱量を示し、仲間との熱量差に気付いて落ち込むヤヤはよさこいに燃える二人(同じ熱量で盛り上がる二人)が羨ましくてたまらない。ここは笑顔で教室を駆け出していく二人を見送るヤヤの表情描写が光っていました。単に落選で落ち込んだり、落選を言い出せない事に落ち込んだりではなく、自分の居場所を自分で拓いて輝き始めた二人への羨望(裏返せば自分の格好悪さの自覚)に落ち込んでいるというフクザツな胸中を絶妙に描いていました。
CM明けてAパート冒頭はサリーちゃん先生による特訓シーン、アニマルコスでハートを飛ばす媚び媚びのキメ(笑)から昭和少女マンガ風の回想、そしてサリーちゃん先生の本性バレまでコミカルキュートな描写が続きます。先生ってば妙に張り切ってると思ったら優勝賞品のハワイ旅行が欲しかったのね。テヘペロ。このアニマルコスは各々のキャラが良い感じにハマってましたね。なるは耳が良くて(周囲の事ばかり気にしている)気が小さいウサギ、ハナは誰にでも懐いて常に元気いっぱいの子犬、多美さんは賢くて狡猾(笑)な狐、この後コスが渡されたヤヤは気まぐれだけど必ず帰ってくるツンデレ猫、ってトコ?

「私だってそれなりにナウいよ?」
件の曲のクラシカルさを指摘されるともふもふシッポを抱いてプンスカの多美さんかわいい。かわいすぎる。そういやあれほど違和感アリアリだった大坪さんの声がいつしか馴染んでしまった。こっちの耳が慣れたのか演者さんが演技に慣れて来たのか、ともあれもう他の声では多美さんにならないような感じ。そんな賑やかな屋上をこっそり覗いたヤヤは頼りにされて頬を染め、続いてなるの「ヤヤちゃんにばっかり頼っていられないし」とのセリフに思わず声を上げて驚きます。いつも後に付いて来るのが当然だったなるが私を頼りにしなくなった!? もう私の助けは要らないって? なるの世話を焼く事も自分の居場所だったのにそれさえも無くなってしまうの?
「人前で踊るならスカートの下何か履いた方がいいと思う」
イベントで着る衣装の話から脚を振り上げスカート全開のハナへヤヤの釘刺し。そういや第5話の多美さんもフルオープンでしたし、社会性があるヤヤ以外は案外キワキワ視線への意識が薄い(女子校独特?)子たちかもしれません(笑。衣装をどうにか! と言った所で予算は無く、ならば手作り? となってどよんどの二名は後のシーンできっちり不器用さを露呈する事に。あはは。
多美さん発案の生徒会駆け引きはアニマルコスのまま会長へ直訴、なんて姿にポッとなってる会長ってば…生徒会室で繰り広げられる天然らぶゆ~多美さんvsちょろ会長の戦いはナントモ微笑ましく、会長ってばもっとキッツイ子かと思ったら早くもOPでの緩さをチラ付かせてます。でもそうなる前に一山来るんだろうなあ。

そんなこんなで廃部になった部活の衣装を漁る中ヤヤに届いたメッセは「解散」の報せでした。あっさり。意地でもミニスカの脚を映すアングル取りに以下略。ともあれトントン拍子に無くなった居場所から逃げるように帰宅した後、なるから届いた前向きなお誘いメッセは今のヤヤには眩しくて見られない。ああ辛い。
さらに翌日落研の羽織をリサイクルした衣装を纏って踊る三人娘をナマで見てその眩しさに耐えられずそっと引き返してしまう。曲も衣装も踊りもいつしか揃い、自分(ヤヤ)がいなくてもよさこい部はやっていけると突き付けられ、そのまま逃げ帰ったかつての居場所は自分以外誰もいない…瞬く間に全てを失ってしまったカンペキ少女の嘆きが伝わってきます。

「ずっと言ってるじゃない! 私そんなの興味ないって!」
靴があるのに屋上へ来なかったヤヤを気にするご一行の所へ本人登場、衣装へ貼るマークの件で「よさこい部に必要とされている」なるに嫉妬し唇を噛み、さらにハナから揃いの鳴子を差し出され…輝いているよさこい部の波状攻撃にヤヤのココロはついに耐えきれず、感情の昂ぶりから思わずキツイ口調で断わってしまう。失言に気付いた時にはもう手遅れで、あまりの剣幕に唖然呆然の三人を残して逃げるように走り去るのみ。ああ見事な泥沼。

楽しいはずのマーク付けは一転どよんど会と化し、頼りない二人(笑)には打開策も浮かばず、なんて所で多美さんは包み込むような口調で子供たちへ考えを伝えます。
「そもそも誰かに頼るって選択肢が無いんだと思う」
きっと友達に頼らず一人で解決しようとしている、自分もそういう所があるし、似たような人を一人知ってるから判る…孤高のヤヤの次に出てきた多美さんの知り合いは見たとおり会長さん、どうやらこちらはヤヤ以上に面倒くさい性格みたいです(笑。でも多美さんに頼まれたら頬を染めつつ承諾しちゃいそう? いや彼女が本気で意固地になったら多美さんでも崩せないかも? 勧誘エピソードが楽しみであります。そんな話をしながらハナの針糸をサッと通す=解決の糸口をさりげなく提示する多美さんは良いお姉さんキャラが確立された感じ。

多美お姉ちゃんのアドバイスによって自分の気持ちを確かめたなるはハナと共に行動開始、ところが追いかけられれば逃げるのが道理(笑)で、一目散に逃げ出したヤヤは校舎の裏で一休み。アングル的に狭い隙間に小さく収まるヤヤはいつものカンペキ感など微塵もなく、それどころか友達からコソコソ逃げ回る惨めさすら感じさせます。そしてふと見た水たまりに写った姿からリボンを落とした事に気付き、一方追っ手側は落ちていたリボンを見つけ…あのアニマルコスは伏線だったのか。犬と化したハナへ思わずツッコミ→超スピードで先回りするハナのシーンはテンポ良いコメディタッチが気持ち良かった。ひーこら追いかけてくるなるの鈍くささも良し(笑

「そう解散。来年他の学校を受験する子もいるし、彼氏できちゃった子もいてさ、私たちなりに頑張ってたんだけど、この前のオーディションも落ちちゃったし、だからもういいかなって」
「これからヤヤに会うなら謝っといてくれない? 何かヤヤはもう少しバンド続けたかったみたいだから」
バンド解散を聞いたなる&ハナはもちろんその事で落ち込んでいると思って慰め、ところがヤヤはそんな二人に唇を噛み…慰めの言葉を聞く度に今の自分と正反対に輝く二人の姿を浮かべ、ますます惨めになった所でこれまで自分が世話をしていた相手から勘違いの情けを掛けられる。ヤヤ視点で考えるとこれはキツイでしょう。当然ながらなるたちは良かれと思ってやっているのだけれど、だからこそ始末が悪いとも言えます。
「やめてって言ってるの! 私は別にそんな事で落ち込んでる訳じゃない!」
「勝手に仲良しごっこに巻き込まないで!」
叫ぶように言葉を投げ付けながら、やはり気持ちが高ぶって思ってもいない事を言ってしまうヤヤ。小さい世界でなけなしのプライドにしがみ付いている子にとってこれは溺れた者の藁しべみたいなもので、こうでも言わないとサブタイどおりアイデンティティが保てないのですね。痛々しいけどヤヤらしい。言い放って後悔全開な所を含めて。
「ヤヤちゃんのバカーーーっ!」
「いつもかっこつけて孤独ぶって、本当は寂しがり屋のくせに!」
酷い言葉と態度で否定されても自分の思いを貫き、ガチで言い返すなるの叫び。強くなったねえ。しかし「寂しがり屋」の図星を突かれたヤヤは売り言葉に買い言葉でますますヒートアップ、続いてハナの畳み掛けに――
「もう好きじゃない。あんたたちなんか大っ嫌い!」
拗れに拗れた悲しいすれ違いはついに最悪の結論へ至ってしまうのでした。あらら。おっさん的には「青いなあ」で終わっちゃうヒトコマも当人たちにとっては世界の全て、自我を守るため他の全てを捨てたヤヤ、捨てられて泣き崩れるなる、世界を否定されて全力で問い詰めるハナなどなど中学生の箱庭心理を巧みに積み上げて出来上がった修羅場はなかなか迫真でありました。

で、帰宅後の風呂場でスマホに打った「ゴメンね」を送れない、謝りたいのに謝れない。このところの悪循環を判っていながら、原因も判っていながら、そしてこのままでは本当に全て失ってしまうのが判っていながらアイデンティティの崩壊を恐れて身動き取れないやるせなさが伝わってきます。縁に足を掛け大胆に浸かる湯船は立派な総檜作り、老舗の蕎麦屋って儲かるんだな(笑。カメラさんがもう少し俯瞰気味に映してくれたら(以下自重。
一方よさこい部の面々は部室にて対策会議。しかし踊り場に据えられた仮部室とは思えないほど背景が馴染んでいますね(笑。クマのぬいさんに巻かれたヤヤのリボンは、あの騒動を経ても変わらずメンバーである事の意思表示でしょう。「嫌い」と言われてハイソウデスカサヨウナラなんて絶対に認めない、嫌いに何てならない、全部全部好きだもん。
「きっとヤヤちゃんもそうなんじゃないかな」
ヤヤへの思いを必死に叫ぶなるを優しく導く多美さん。余計に踏み込まず首を突っ込まず、あくまでアドバイスに留めて見守る様子はじつに出来たお姉さんでした。
「ヤヤちゃんに私たちのこの気持ちを伝える方法を考えよう!」


さてどんな方法で? と思ったら朝の屋上・給水塔の上からしょんぼり登校してきたヤヤを名指しで罵倒…追っても追っても逃げられて避けられてしまうのならばあっちから来させれば良いという理屈でしょうか(笑。でも屋上手すりをホイホイ歩くハナはともかく、鈍くさいなるが給水塔に登っては危険が危ないような。
ともあれヤヤは屋上へフルスロットルで駆け上がり、ドアを開けてカチ込み…のつもりが待ち構えた二人に突然抱き付かれて「は?」。私も思わずヤヤと同じリアクションを取ってしまった(笑。続いてなる&ハナは自分たちの非力さを詫び、一緒にいたいと涙の訴え、そして衣装と鳴子を差し出しすも、ヤヤは「やめてよ…」と後ずさり。これほどの思いを伝えても受け入れてもらえないのか?
「そんな事言わないでよ。悪いのは私なのに…」
自分たちで居場所を見つけて輝いていたみんなが輝いて見えた、羨ましかった。それに引き替え一人じゃ何も出来ない、必死に自分を守っているだけの格好悪い私。酷い態度を取ったにも関わらず真っ直ぐな思いを向けてくれる二人を前に、ヤヤはついに本心を晒す事ができた。そんなヤヤに対しなるはヤヤからもらったたくさんの「居場所」に感謝し、友情に感謝し、ハナもまたよさこい部を一緒に作ってくれた事に感謝し、さすがの意地っ張りヤヤもここまで言われては素直に大泣きするしか…という所でなる&ハナが先に大号泣を始めちゃって泣くタイミングを失ってしまうオチは、ヤヤのメンツをギリギリでキープさせる上手い演出でした。ドアの影でひっそり見守り涙を拭う多美さんも良かった。もうこの子たちったら愛おしすぎる。見ているこっちも涙目&頬が緩んで大変でしたよ(ちょろい

クマのリボンは無事持ち主に返って四人でのよさこい部が正式(?)にスタートを切りました。大泣きの涙はとっくに乾いてみんないつもの調子を取り戻し、それどころかなるのイチャイチャは加速するばかり。平和でよろしい。大切な物を失わずに済んで良かったねヤヤ。
次回はイベント本番? またしてもサリーちゃん先生大爆走? そしてミニスカから伸びる脚、体操服にてついに明かされるおっとりおっぱいさんの持ち物(笑)などなど見どころてんこ盛りです。こんな大きかったのか!
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