2015-01-23(Fri)
アイカツ! #117 歌声はスミレ色
本当にやりたい事は「歌」or「モデル」?

自分の気持ちを信じて。

まずはお天気キャスター初仕事の朝の様子。まだ暗いうちから大あくびでの起床は朝帯レギュラーの洗礼か(笑。ちゃんとここから描くのだね。そんなあかりを見送るべく一緒に起きたスミレ、ピョンと跳ねたあかりの寝癖を直してあげる流れにて今回ネタの「髪の美しさ」を軽く振ります。出動準備完了してのお出掛け前に「大空お天気」のキメセリフをもじった「いってきまーす!」、やりたい事・得意な事を見つけ張り切って出掛けるあかりを見送ったスミレは「私も見つけなきゃ…」と今回テーマを呟いてOPへ。
OP明けて朝食を摂りながらあかりの出番を待つ三人。いよいよ出番になると乗り出して注目する珠璃がノリノリかわいい(笑。ほどなく始まった「大空お天気」はさすが初回の緊張がありありと映り…堅い動きや表情を見事に再現する作画、そしてひっくり返る寸前まで緊張した声演技などなど、ガッチガチの緊張が痛いほど伝わってくる映像には思わず引き込まれてしまった。劇場明けの効果(?)か最近の本作は作画も安定し、今回はさらにいちいち芸コマな演出にニヤマリが止まらない…と思ったら絵コンテにベテラン佐山聖子氏が入っていました。近作では「ハナヤマタ」の各話演出で見せた手腕(映像美)が印象に残っています。最近の本作ってば有名ドコロの演出家が続々参加してて何だか怖い(笑

引き続き「大空お天気」の中継では段取りがスポーンと抜けてのピンチを「おおぞラッコくん」に助けられて乗り切ったり、ラッコくんの登場で流れを取り戻したあかりの小芝居、そしてキメセリフから「いってらっしゃーい!」まで、いちいち芸コマなアクションを絶品作画で彩る全てのカットに頬が緩みっぱなし。凄いな。これホントに朝帯でやってくれないかな(笑。どうでもいいけど気温&湿度が表示されてるプレートっておしゃもじモチーフだったのね。毎朝さりげなくいちごリスペクト!?
「あの笑顔でいってらっしゃいって言われたら朝から熱くなれる!」
いつものキメから思わず踊り出す珠璃はどんどん変な子になっていく(笑。そして地味に脚をアピールしまくる作画に敬礼。


さてあかりの活躍を見たスミレは自身の「得意な事」について強く意識し、その筆頭である「歌」の個人レッスンに向かうも喉を痛めて咳き込んでしまって今日の所はお休みに。あらら。気ばかり焦っているところへ思わぬブレーキを掛けられてしょんぼり落ち込む表情描写が絶妙。すると学園マザーから呼び出しされて学園長室へ。
「今度新しく出るシャンプーのイメージモデルのオーディションよ」
「じつは有力な候補としてあなたの名前が挙がっているの」
「スポンサーがあなたの凜とした美しさを気に入っているそうなの」
それならオーディションなど開催せず普通にモデルのオファーで良いような気がしますが段取りの都合とかあるのでしょう。出来レースとか言わない! ともあれその話を聞いたスミレは相変わらず容姿の美しさだけが評価されている(本来やりたい歌の仕事が来ない)現実に落胆し…これって文章にするとえらい贅沢な悩みかも(笑。そんなスミレへ学園マザーは「いろいろな経験を経て自分だけの道を見つける」=広い視野を持つ事をアドバイスし、自分の目標(方向性)を自身で判断する大切さを説きます。結局は「自分がやりたい事」と「周りが求める事」のどちらを優先すべきか?という二択なれど、スミレの場合は容姿の評価が飛び抜けているだけに判断が難しい。これで容姿が十人並み(特段の評価点が無い子)だったなら遠慮なく己の道を邁進すれば良いわけで。それはそうとお辞儀をするスミレの後姿が(そういう所ばかり見ない

部屋に戻ったスミレは件のオーディション画面を眺めてボーッと思案、ってな所へ帰ってきたあかりは話を聞くや稲や「スミレちゃん髪きれいだもんね! ぴったりだよ!」
ああ、やっぱり私はそういう風に見られているんだ。やっぱり歌よりモデルの方が合ってるのかな? あかりの言葉に目を丸くし次の瞬間逸らすアクションはスミレのフクザツな胸中をズバリ描いていました。さらに咳き込むカットを続けて歌への遠い道程をさりげなく強調する念の入れよう。こういう何気ない所作を細かく描く事でキャラの心境が伝わる丁寧な作りは非常に好感が持てますね。これぞアニメーションならでは。なんて流れからお姉ちゃんの特製ハーブティの振りをサラリと描き…このお姉ちゃんがただただ「優しい」だけの人では無い事もチラリと窺わせます。
消灯後のベッドにてスミレへ話し掛けるあかり。先の会話でのリアクションに加え、スミレの歌を聴いたお姉ちゃんがスタライへの入学を勧めてくれた=スミレは本当はモデルよりも歌の仕事をしたい?と察して問い掛けるも、スミレは自分と周囲の温度差を冷静に見つめ――
「歌は好き。でも私にとってお仕事のオファーをもらうのはとっても嬉しい。一生懸命やりたい」
「プロの人たちが私にそれが向いてるって言ってくれるなら、それが私の得意な事なのかもしれない」
本意でなくとも周りのプロが認めてくれる道こそ正しい道と悟り、一方あかりは淡々と語る横顔から本心を見つけてしまって心配が止まらない。

明けて翌日スタジオでのモデル撮影をこなすスミレ。撮影チェックの評判も上々で、件のシャンプーモデルの話題も続けてスミレのモデル道を絶賛しまくっていました。そんな会話をふくざつな表情で聞いてたスミレは休憩中に見ていたアイカツフォンにて「新人歌手発掘オーディション(そのまんまだ)」の開催を知って色めき立つも、オーディション日がシャンプーモデルオーディション日と重なっちゃっててガガントス! せっかくのチャンスだけど期待されてる仕事を放り出せない、でも歌いたい。
帰りの車中でも未練全開葛藤全開でスマホ画面を見つめるスミレ。そこまで思い詰めてもモデルオーディション優先の意思を変えない=周囲の期待に応える事を最優先するスタンスはある意味「アイドル」としての完成形であり、また(良くも悪くも)オトナの考え方であります。思えば今回テーマは「自身の希望と周囲の評価(期待)との乖離・葛藤・その解決」という、誰しも経験がある(またはこれから経験する)普遍的な話で、だからこそ悩めるスミレに感情移入しやすいのかもしれない。しかもいちいちかわいい(それを言っちゃ

その頃あかりはお姉ちゃんを直撃していました。門の脇に佇むいかにもな変装姿からターゲットを補足するや稲や飼い主を見つけた子犬の如く駆け寄ってご挨拶。帽子娘の素顔を見た姉友が「天気予報の!」と気付くリアクションは朝帯のプロモーション効果の高さを窺わせます。こんな風に地味に顔を広げつつ人気を集めていくのかな。というかこういう地道なやり方ってあかりにドンピシャのような気がする。などと姉友の動き一つでここまで想像させちゃう演出レベルの高さに感心。
「あの子ああ見えて自分の事は自分で決める子だから」
悩めるスミレが歌の道へ進めるよう背中を押してあげてほしい。そう頼むあかりに対してお姉ちゃんはやんわり断り、そして長い付き合いゆえに知り尽くした妹の性分を語り、黙って見守るスタンスを守るのでした。ベタベタに優しい=甘いお姉ちゃんではなく、姉として気に掛けつつも干渉しすぎない距離感を持つ関係は結構理想的だけれど…先の寮での回想後会話にてお姉ちゃんの優しさを褒めるあかりへ「うん、優しいよ…」と言葉を濁したスミレの反応がちょっと気になったり。ひょっとしてお姉ちゃんがスミレに対して抱く実際以上のオトナ評価に重圧や距離感(ってほどでも無いだろうけど)を感じているのかもしれない。平たく言うと大好きなお姉ちゃんにもっと甘えたい! みたいな?

その頃スミレは学園長室に呼び出されて件のシャンプーモデルのプッシュを受けまくり。担当者が直々に参じて褒めちぎり、オーディションへの参加を熱望するってのは…もうオーディションやらなくていいんじゃね?としか思えず。主催側がこの状態では日程のダブりなど微々たる問題のような気もします(笑。そしてやっぱり曇っちゃうスミレかわいい、というか半ば諦めたような表情は絶妙だなあ。
オミヤゲのシャンプーを手にしょんぼりと部屋へ戻ったスミレ。続いて帰ってきたあかりは「ちょっと待ってて!」とヒトコト残してそそくさとキッチンへ走り、お姉ちゃん直伝の特製ハーブティで元気付け。一口飲んですぐに気付き、顛末を聞いて大感激&お姉ちゃんへの思いを馳せる一連はスミレのお姉ちゃんっ子っぷりがよく判ります。一人で歌っていたスミレをこっそり見ていてアイドルへの道を進める回想のヒトコマもほっこり。というか全カットいちいちかわいい&美人すぎるため目が乾いてたまらない。
ともあれここで「自分が何故スタライに入ったのか?」を思い出し、それでも悩めるスミレは頼みの占いを見るも、出た目は「行く手には深い霧が立ちこめ、どの道を行けばいいのかわからない」という不穏なもの。しかしこれも例によって「いいこと占い」で解釈すると――
「先の事なんて誰にも判らない。だったら自分のやりたい事をやりなさいって事だと思う」
そしてお天気キャスターのオーディションを受けた時のあかりの言葉「自分の気持ちを信じて進んでみようと思う」と合わせ、いよいよスミレの腹は決まったようでした。

さて腹を括ったものの期待されていた分のケジメはきっちり付けます。契約済みのオファーを破棄するわけでもなく、結果も知れぬオーディションを辞退するため直々に頭を下げに行くのは律儀すぎるとも思えますが、これがオトナのやり方というか、こういう真摯さから「信用」が培われるのだなあと妙に感心したり。スミレの意を汲み、付き添って頭を下げるジョニー先生も男前でした。
問題が片付いたところでスミレはいよいよ歌に向かって本格再始動。喉の痛みはいつしか治ってレッスンも再開され、そんなスミレを学園マザーは黙って見守り、いつもの仲間も余計な言葉は語らず、ただいつもどおり一緒に走るのでした。いい関係だなあ。これは四人組の友情がじんわり伝わる名シーンだったと思います。

ほどなく始まった「新人歌手発掘オーディション」の最終選考に残ったのはスタライ三人、ドリアカ三人、そしてフリー(?)の子が一人の計七人。ああドリアカのみなさんはどうしていらっしゃるのか。たまにはそら&マリアの姿を見たい(声だけではなく。スタライ食堂で固唾を呑んで見つめるひなき&珠璃は何だかヒマそう?(笑。一方あかりは朝帯の帰りかスタライカーの車内にて中継を注視、ひょっとしなくてもあかりが一番忙しくなっちゃった?
カードを携えフィッティングボックスの前に立ったスミレは瞳を輝かせ、自分の好きな道へ駆け出せる喜びに溢れています。こういう細かいカットまできちんと描いてくれてホント嬉しい。そして「マジックミッドナイトコーデ」へコーデチェンジを済ませてステージへ。やはりスミレはこういう色が似合うような気がする。


始まったライブステージはスミレの持ち曲「タルト・タタン」でしたが、前回のあかり同様 一皮剥けたスミレを表すようにカット割りやカメラワーク、そして表情付けなど演出を一新。同曲&同振り付けなのにこれほど印象が変わるとはちょっと驚きでした。音源的には以前よりちょっとリバーブ効かせてる?
これまでは長回し主体でじっくり見せていた本曲ですが、今回は結構頻繁にカットが変わります(通しで29cut(SpA除く))。とはいえ鏡を使った幻想的なカットを長回しでじっくり見せたり、キャッチーなショットをパパパッと続けたり、メリハリの効いたカット割りは馴染みの曲を飽かせず魅せてくれます。以前はロングからの回り込みが多かったけれど、アップ主体の今バージョンは表情がよく見えてスミレ好きには良し良し。回り込みで照明柱の影になっていた「万華鏡」のアクションもしっかり見えます。
SpAの位置が変わったため鏡の中と入れ替わるタイミングも若干変化。今バージョンではアウトロ入りのタイミング=瞳の超アップから入れ替わります(アイドルオーラが消える)。そして最も印象的な変化はラストの再入れ替わりパートで、鏡の中の自分(現実)と指を合わせるカットまでは同一なれど、今回は鏡枠をシュバッと回り込んで鏡の裏へカメラが回り、合わせ鏡に映った後姿がずらりと並び、しかもその鏡が割れずにフィニッシュ! これは弱い自分を認める強さを身に着けた?とでも解釈しておきましょうか。
そんなこんなでオーディションに見事したスミレは喜びを伝えるべくスタライへ駆け、校門を抜けると待ち構えていた三人へ飛び込んで笑顔満開の祝福。みんな良い笑顔です。特に普段は感情を抑え気味のスミレが見せた満面笑顔はひときわ輝いていました。何という破壊力。続いてお姉ちゃんへの報告シーンをチラリ。そわそわしながら連絡を待ってるお姉ちゃんかわいい! でも家のTVで中継見られなかったの?とふと思ったり(笑。黙って見守る緊張が解けて溢れた笑顔はこれまた極上、スタライ入学時に撮った写真を万感の思いで見つめる締めも良かった。今回はいろんなスミレを堪能できて満足しきり。
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自分の気持ちを信じて。

まずはお天気キャスター初仕事の朝の様子。まだ暗いうちから大あくびでの起床は朝帯レギュラーの洗礼か(笑。ちゃんとここから描くのだね。そんなあかりを見送るべく一緒に起きたスミレ、ピョンと跳ねたあかりの寝癖を直してあげる流れにて今回ネタの「髪の美しさ」を軽く振ります。出動準備完了してのお出掛け前に「大空お天気」のキメセリフをもじった「いってきまーす!」、やりたい事・得意な事を見つけ張り切って出掛けるあかりを見送ったスミレは「私も見つけなきゃ…」と今回テーマを呟いてOPへ。
OP明けて朝食を摂りながらあかりの出番を待つ三人。いよいよ出番になると乗り出して注目する珠璃がノリノリかわいい(笑。ほどなく始まった「大空お天気」はさすが初回の緊張がありありと映り…堅い動きや表情を見事に再現する作画、そしてひっくり返る寸前まで緊張した声演技などなど、ガッチガチの緊張が痛いほど伝わってくる映像には思わず引き込まれてしまった。劇場明けの効果(?)か最近の本作は作画も安定し、今回はさらにいちいち芸コマな演出にニヤマリが止まらない…と思ったら絵コンテにベテラン佐山聖子氏が入っていました。近作では「ハナヤマタ」の各話演出で見せた手腕(映像美)が印象に残っています。最近の本作ってば有名ドコロの演出家が続々参加してて何だか怖い(笑

引き続き「大空お天気」の中継では段取りがスポーンと抜けてのピンチを「おおぞラッコくん」に助けられて乗り切ったり、ラッコくんの登場で流れを取り戻したあかりの小芝居、そしてキメセリフから「いってらっしゃーい!」まで、いちいち芸コマなアクションを絶品作画で彩る全てのカットに頬が緩みっぱなし。凄いな。これホントに朝帯でやってくれないかな(笑。どうでもいいけど気温&湿度が表示されてるプレートっておしゃもじモチーフだったのね。毎朝さりげなくいちごリスペクト!?
「あの笑顔でいってらっしゃいって言われたら朝から熱くなれる!」
いつものキメから思わず踊り出す珠璃はどんどん変な子になっていく(笑。そして地味に脚をアピールしまくる作画に敬礼。


さてあかりの活躍を見たスミレは自身の「得意な事」について強く意識し、その筆頭である「歌」の個人レッスンに向かうも喉を痛めて咳き込んでしまって今日の所はお休みに。あらら。気ばかり焦っているところへ思わぬブレーキを掛けられてしょんぼり落ち込む表情描写が絶妙。すると学園マザーから呼び出しされて学園長室へ。
「今度新しく出るシャンプーのイメージモデルのオーディションよ」
「じつは有力な候補としてあなたの名前が挙がっているの」
「スポンサーがあなたの凜とした美しさを気に入っているそうなの」
それならオーディションなど開催せず普通にモデルのオファーで良いような気がしますが段取りの都合とかあるのでしょう。出来レースとか言わない! ともあれその話を聞いたスミレは相変わらず容姿の美しさだけが評価されている(本来やりたい歌の仕事が来ない)現実に落胆し…これって文章にするとえらい贅沢な悩みかも(笑。そんなスミレへ学園マザーは「いろいろな経験を経て自分だけの道を見つける」=広い視野を持つ事をアドバイスし、自分の目標(方向性)を自身で判断する大切さを説きます。結局は「自分がやりたい事」と「周りが求める事」のどちらを優先すべきか?という二択なれど、スミレの場合は容姿の評価が飛び抜けているだけに判断が難しい。これで容姿が十人並み(特段の評価点が無い子)だったなら遠慮なく己の道を邁進すれば良いわけで。それはそうとお辞儀をするスミレの後姿が(そういう所ばかり見ない

部屋に戻ったスミレは件のオーディション画面を眺めてボーッと思案、ってな所へ帰ってきたあかりは話を聞くや稲や「スミレちゃん髪きれいだもんね! ぴったりだよ!」
ああ、やっぱり私はそういう風に見られているんだ。やっぱり歌よりモデルの方が合ってるのかな? あかりの言葉に目を丸くし次の瞬間逸らすアクションはスミレのフクザツな胸中をズバリ描いていました。さらに咳き込むカットを続けて歌への遠い道程をさりげなく強調する念の入れよう。こういう何気ない所作を細かく描く事でキャラの心境が伝わる丁寧な作りは非常に好感が持てますね。これぞアニメーションならでは。なんて流れからお姉ちゃんの特製ハーブティの振りをサラリと描き…このお姉ちゃんがただただ「優しい」だけの人では無い事もチラリと窺わせます。
消灯後のベッドにてスミレへ話し掛けるあかり。先の会話でのリアクションに加え、スミレの歌を聴いたお姉ちゃんがスタライへの入学を勧めてくれた=スミレは本当はモデルよりも歌の仕事をしたい?と察して問い掛けるも、スミレは自分と周囲の温度差を冷静に見つめ――
「歌は好き。でも私にとってお仕事のオファーをもらうのはとっても嬉しい。一生懸命やりたい」
「プロの人たちが私にそれが向いてるって言ってくれるなら、それが私の得意な事なのかもしれない」
本意でなくとも周りのプロが認めてくれる道こそ正しい道と悟り、一方あかりは淡々と語る横顔から本心を見つけてしまって心配が止まらない。

明けて翌日スタジオでのモデル撮影をこなすスミレ。撮影チェックの評判も上々で、件のシャンプーモデルの話題も続けてスミレのモデル道を絶賛しまくっていました。そんな会話をふくざつな表情で聞いてたスミレは休憩中に見ていたアイカツフォンにて「新人歌手発掘オーディション(そのまんまだ)」の開催を知って色めき立つも、オーディション日がシャンプーモデルオーディション日と重なっちゃっててガガントス! せっかくのチャンスだけど期待されてる仕事を放り出せない、でも歌いたい。
帰りの車中でも未練全開葛藤全開でスマホ画面を見つめるスミレ。そこまで思い詰めてもモデルオーディション優先の意思を変えない=周囲の期待に応える事を最優先するスタンスはある意味「アイドル」としての完成形であり、また(良くも悪くも)オトナの考え方であります。思えば今回テーマは「自身の希望と周囲の評価(期待)との乖離・葛藤・その解決」という、誰しも経験がある(またはこれから経験する)普遍的な話で、だからこそ悩めるスミレに感情移入しやすいのかもしれない。しかもいちいちかわいい(それを言っちゃ

その頃あかりはお姉ちゃんを直撃していました。門の脇に佇むいかにもな変装姿からターゲットを補足するや稲や飼い主を見つけた子犬の如く駆け寄ってご挨拶。帽子娘の素顔を見た姉友が「天気予報の!」と気付くリアクションは朝帯のプロモーション効果の高さを窺わせます。こんな風に地味に顔を広げつつ人気を集めていくのかな。というかこういう地道なやり方ってあかりにドンピシャのような気がする。などと姉友の動き一つでここまで想像させちゃう演出レベルの高さに感心。
「あの子ああ見えて自分の事は自分で決める子だから」
悩めるスミレが歌の道へ進めるよう背中を押してあげてほしい。そう頼むあかりに対してお姉ちゃんはやんわり断り、そして長い付き合いゆえに知り尽くした妹の性分を語り、黙って見守るスタンスを守るのでした。ベタベタに優しい=甘いお姉ちゃんではなく、姉として気に掛けつつも干渉しすぎない距離感を持つ関係は結構理想的だけれど…先の寮での回想後会話にてお姉ちゃんの優しさを褒めるあかりへ「うん、優しいよ…」と言葉を濁したスミレの反応がちょっと気になったり。ひょっとしてお姉ちゃんがスミレに対して抱く実際以上のオトナ評価に重圧や距離感(ってほどでも無いだろうけど)を感じているのかもしれない。平たく言うと大好きなお姉ちゃんにもっと甘えたい! みたいな?

その頃スミレは学園長室に呼び出されて件のシャンプーモデルのプッシュを受けまくり。担当者が直々に参じて褒めちぎり、オーディションへの参加を熱望するってのは…もうオーディションやらなくていいんじゃね?としか思えず。主催側がこの状態では日程のダブりなど微々たる問題のような気もします(笑。そしてやっぱり曇っちゃうスミレかわいい、というか半ば諦めたような表情は絶妙だなあ。
オミヤゲのシャンプーを手にしょんぼりと部屋へ戻ったスミレ。続いて帰ってきたあかりは「ちょっと待ってて!」とヒトコト残してそそくさとキッチンへ走り、お姉ちゃん直伝の特製ハーブティで元気付け。一口飲んですぐに気付き、顛末を聞いて大感激&お姉ちゃんへの思いを馳せる一連はスミレのお姉ちゃんっ子っぷりがよく判ります。一人で歌っていたスミレをこっそり見ていてアイドルへの道を進める回想のヒトコマもほっこり。というか全カットいちいちかわいい&美人すぎるため目が乾いてたまらない。
ともあれここで「自分が何故スタライに入ったのか?」を思い出し、それでも悩めるスミレは頼みの占いを見るも、出た目は「行く手には深い霧が立ちこめ、どの道を行けばいいのかわからない」という不穏なもの。しかしこれも例によって「いいこと占い」で解釈すると――
「先の事なんて誰にも判らない。だったら自分のやりたい事をやりなさいって事だと思う」
そしてお天気キャスターのオーディションを受けた時のあかりの言葉「自分の気持ちを信じて進んでみようと思う」と合わせ、いよいよスミレの腹は決まったようでした。

さて腹を括ったものの期待されていた分のケジメはきっちり付けます。契約済みのオファーを破棄するわけでもなく、結果も知れぬオーディションを辞退するため直々に頭を下げに行くのは律儀すぎるとも思えますが、これがオトナのやり方というか、こういう真摯さから「信用」が培われるのだなあと妙に感心したり。スミレの意を汲み、付き添って頭を下げるジョニー先生も男前でした。
問題が片付いたところでスミレはいよいよ歌に向かって本格再始動。喉の痛みはいつしか治ってレッスンも再開され、そんなスミレを学園マザーは黙って見守り、いつもの仲間も余計な言葉は語らず、ただいつもどおり一緒に走るのでした。いい関係だなあ。これは四人組の友情がじんわり伝わる名シーンだったと思います。

ほどなく始まった「新人歌手発掘オーディション」の最終選考に残ったのはスタライ三人、ドリアカ三人、そしてフリー(?)の子が一人の計七人。ああドリアカのみなさんはどうしていらっしゃるのか。たまにはそら&マリアの姿を見たい(声だけではなく。スタライ食堂で固唾を呑んで見つめるひなき&珠璃は何だかヒマそう?(笑。一方あかりは朝帯の帰りかスタライカーの車内にて中継を注視、ひょっとしなくてもあかりが一番忙しくなっちゃった?
カードを携えフィッティングボックスの前に立ったスミレは瞳を輝かせ、自分の好きな道へ駆け出せる喜びに溢れています。こういう細かいカットまできちんと描いてくれてホント嬉しい。そして「マジックミッドナイトコーデ」へコーデチェンジを済ませてステージへ。やはりスミレはこういう色が似合うような気がする。


始まったライブステージはスミレの持ち曲「タルト・タタン」でしたが、前回のあかり同様 一皮剥けたスミレを表すようにカット割りやカメラワーク、そして表情付けなど演出を一新。同曲&同振り付けなのにこれほど印象が変わるとはちょっと驚きでした。音源的には以前よりちょっとリバーブ効かせてる?
これまでは長回し主体でじっくり見せていた本曲ですが、今回は結構頻繁にカットが変わります(通しで29cut(SpA除く))。とはいえ鏡を使った幻想的なカットを長回しでじっくり見せたり、キャッチーなショットをパパパッと続けたり、メリハリの効いたカット割りは馴染みの曲を飽かせず魅せてくれます。以前はロングからの回り込みが多かったけれど、アップ主体の今バージョンは表情がよく見えてスミレ好きには良し良し。回り込みで照明柱の影になっていた「万華鏡」のアクションもしっかり見えます。
SpAの位置が変わったため鏡の中と入れ替わるタイミングも若干変化。今バージョンではアウトロ入りのタイミング=瞳の超アップから入れ替わります(アイドルオーラが消える)。そして最も印象的な変化はラストの再入れ替わりパートで、鏡の中の自分(現実)と指を合わせるカットまでは同一なれど、今回は鏡枠をシュバッと回り込んで鏡の裏へカメラが回り、合わせ鏡に映った後姿がずらりと並び、しかもその鏡が割れずにフィニッシュ! これは弱い自分を認める強さを身に着けた?とでも解釈しておきましょうか。
そんなこんなでオーディションに見事したスミレは喜びを伝えるべくスタライへ駆け、校門を抜けると待ち構えていた三人へ飛び込んで笑顔満開の祝福。みんな良い笑顔です。特に普段は感情を抑え気味のスミレが見せた満面笑顔はひときわ輝いていました。何という破壊力。続いてお姉ちゃんへの報告シーンをチラリ。そわそわしながら連絡を待ってるお姉ちゃんかわいい! でも家のTVで中継見られなかったの?とふと思ったり(笑。黙って見守る緊張が解けて溢れた笑顔はこれまた極上、スタライ入学時に撮った写真を万感の思いで見つめる締めも良かった。今回はいろんなスミレを堪能できて満足しきり。
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