2015-02-21(Sat)

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS #07 I wonder where I find the light I shine...

私を照らす光はどこにあるの?

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それは写真の片隅に。

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前回ラストの「辞める」宣言から早や一週間。どうなることか? とドキドキの幕開けは砕け散るガラスヒール、そして逃げ出す未央を追うようにP氏から離れていく複数の影など冒頭っから不穏を煽る煽る。言うまでもなくこれはP氏のトラウマを抉るイメージ映像で、暗い背景にて無言で俯き立ち尽くす絵面からして相当のダメージを感じさせます。

OP無しで始まったAパート冒頭は未央が来ないプロジェクトルームで沈む二人。ポッカリ空いた真ん中の指定席が空白感を強調していますね。ってな所へ入って来たP氏は例によって何の説明もなく、未央を心配し住所を訊く二人へ返した言葉は「こちらに任せてください」だけ。まあ本人の承諾無くホイホイ住所を教えられても困りますが、それ以前に「他の子を巻き込むわけにはいかない」、また立場上「他の子に説得を任せる(頼る)訳にはいかない」とでも考えたのでしょう。それにしたって他に言いようがあるだろうに…それができないからこのトラブルなんだけど。

あの騒動の後だけにレッスン室もビミョーな空気に包まれ、しかし正直な子供は空気を読まず「未央ちゃん辞めちゃうの?」「じゃあNGも解散!?」とお通夜場面へ直球ストレートの爆弾を炸裂させます。

「そんなのプロ失格にゃ」

そんな空気の中で立ち上がったのはもちろんみく。第五話での騒動にて示された彼女のアイドルへの思いを考えれば当然の流れでしょう。いいぞみく、もっと言ってやれ! なんならそのまま殴り込め! と思ったらレッスン中にコケた凛を見て消沈。これまで器用にレッスンをこなしてきた凛がコケるとは相当ダメージが深い? つまり当事者たちのダメージを鑑みれば外野は黙っとくしかないという事か。そこへ割り込んでいくほどの仲でも無さそうですし。

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その頃未央はしまむーからのメールも無視して自室に絶賛ヒキコモリ中。テーブル下からベッドを望む狭苦しいアングルが身動き取れ無さを強調し、また画面の大部分を影にすることで未央の心境も映している感じ。カーテンが引かれ灯りも点けない薄暗い部屋、しかもその窓に映るのは鈍い雨空という、画面全体で未央の現状を語っています。その片隅(TVの前)にルービックキューブが置かれていてちょっと笑った。みくとの勝負に備えて密かに練習してた?(笑

「そんなのわかってるよ!」

ってな所へP氏がやってきますが当然ながら門前払い→弟くん(?)に引っ張られて仕方なくインターホン越しの会話へ。すると例によって要領を得ないP氏は焦りからか「これは…あなた一人の問題では…」と追い込まれてヒキコモってる女の子に正論をぶつけて火に油、激高の返答からようやく未央の胸中に気付いたところで時既に遅し。あららあ。と同時にガラス片を粉々に踏み砕くカットが入って取り返しの付かなさを印象付けます。きっつー。その後ちょうど社へ戻ってきたP氏と行き会って状況確認&住所を教えて!と食い下がる二人、ところがP氏は「本田さんが今は会いたくないと言っている」と取り合わず、それでも食ってかかる凛を無視してサッサと社屋へ消えてしまいます。ううむ。これでは凛が不信感に囚われるのも無理はありません。

「このままあの人に任せておいていいのかなぁ?」

P氏への不信感を募らせながら激おこぷんぷん丸(死語)で帰路を進む凛、すると一緒に歩いていたはずの卯月がいつしか遅れ…いかにも調子が悪そう&仄かに紅潮した頬は寝込みの前振りでしたか。きちんとフラグが立ってたのね。

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というわけで今度は卯月まで来なくなっちゃって広いプロジェクトルームにポツンと一人取り残された形の凛。事務所建屋のあちこちを探しても卯月の姿は無く、電話を掛けても繋がらない。さすがにこれは焦るでしょう。そして凛はついに動きます。

「卯月が来てないんだけど?」
「先ほど連絡がありました。体調不良で今日は休まれるそうです」

それならそうと凛に伝えてあげればいいのに。というかこの時点では絶対に仮病(未央復帰のために何らかの動きをしていた)だと思ってました(笑。続いて未央への対応情況を聞いた凛は溜まりに溜まった疑問や不満を一斉掃射し始めます。

「私たちどうなるの?」
「この情況はなんなの?」
「あんたはどうするつもり?」
「なんで未央を連れ戻しに行かないの?」

堰を切ったように投げかけられる強い言葉にP氏は冷や汗掻きつつ言葉を濁すのみ。凛の視線から逃げるようにモニタへ視線を落とし、視線に追われれば目を逸らし…業を煮やした凛に「逃げないでよ」と追い込まれると小動物の如く怯えた目を向け固まってしまう。

「あんたは…何を考えてるの?」

大してやる気が無かったアイドル道へ足を踏み入れたのは「夢中になれる何かを見つけられる」というP氏の言葉を信じたから。しかし今回の対応から凛はP氏への信頼を失ってしまった。激高して畳み掛ける表情はP氏の要領を得ない返答を受けて一変、諦め顔で「信じてもいいと思ったのに…」と静かに呟き部屋を出て行ってしまいます。ここの表情芝居はさすが気合い入ってました。というわけで凛の心がP氏から離れた瞬間またしても例のトラウマが発動してすっかりドツボに。どうすんのこれ。

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凛が帰ってしまった事を聞いた他メンバーに動揺が走り、最初にダンサーに誘った美嘉姉ちゃんは責任を感じ、続いてちっさい二人へP氏の情況を訊くと――

「なんにも…」
「あの人、何考えてるかわかんないんだもん…」

さすが子供は正直であります(笑。とはいえ大人から見ても今のP氏にこれ以上的確な表現が見つからない。

ほどなく自宅へ帰った凛はお母ちゃんの声すらスルーし倒れるようにベッドへ。机に飾られた一輪はアネモネから青いアスターに変わり、その横に無造作に置かれた二組のデビューCD→降り続く雨→胸に置いた手(第1話ラストにて決意を示した手)が力無く落ちる一連もまた凛の心的虚脱が伝わってきます。花屋の娘という設定は定番の花言葉演出を使いやすそうで、おそらく花を変えたこのカットもそういう効果を狙っているのでしょう。とはいえ凛が映る度に花をチラチラ映して心境を照らすとか、あまり頻発されるとクドいというか鼻につくというか…さらに言うなら陰影や天候や時間帯(夕暮れ)や美術カットインなどなど今や記号と化した演出手法を羅列されても今さら面白味が無かったりします。薄暗い室内や鈍い雨空で重たい雰囲気、問題解決してパァッと日が射すなんてもはやゲップが出そう。

そんな中、冒頭二人いたプロジェクトルームは凛一人となり、そしてついに誰もいなくなってしまう=事態の深刻化を静かに示す演出は面白かった。進むにつれて暗さが増していくのも芸が細かい。その後チラリと映ったラブライカ組もすっかり意気消沈。ミニライブ直後の感激から急転直下の現状が気の毒すぎます。

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「熱下がって良かったわ。今日はゆっくりしてなさいね」

シーン変わってドコゾの一軒家がパッと映り、解熱のおしらせと共にいかにもお嬢さんの明るい部屋が映り、続いてスマホの不在着信を確認する冷えピタ卯月が映り…オンタイム時は思わず「本当に体壊してたのかよ!」とツッコんでしまった(笑。凛の不安トリガーを引いてしまった不在着信は単に寝込んでいたせいという、じつに不幸なタイミングによるものでした。ってな所で鳴ったノックをママと思って油断MAXから、それがP氏来訪と知って飛び起き&パニクって固まるリアクションがかわいすぎ。しかしケーキの箱を廊下に直置きするカットは何事かと思った。ヒキコモリのエサだってお盆に乗せるくらいするでしょ。

おでこの冷えピタを取ってカーディガンを羽織ってリビングでの面会シーンへ。ボサボサ頭をぺたぺた直す仕草やら話し好きのママさんに困ってる仕草がかわいすぎてどうしよう。何このかわいい生き物。ここでチラリと映った写真はピースサインの笑顔が並んでこれまた卯月らしいけれど、一番左の写真が車椅子に見えるような見えないような? やたら構ってくるママさんやTV横に並んだ大量のCDなどを見ると卯月に対する親の愛情が溢れていて、いかにも大切に育てられた子っぽく、すぐに熱を出し、しかも単なる風邪に処方が7日分…これらから邪推すると、卯月はひょっとして最近まで体が弱くて入院がちで、思うように好きな事ができない子供時代を過ごしてきて、だからこそ今は何事にも一生懸命頑張る子に育った、みたいな? ダンスが苦手なのは体を動かす事に慣れていないからとか、レッスンに水筒を持ってきているのも健康管理のためとか、自慢の笑顔は両親を心配させないため身に着けたものとか妄想が捗ります。いや万一こんな邪推が当たっちゃったらシリーズ後半のヤマがシャレにならなそうなのでやっぱり無しで。

「プロデューサーさんも風邪なんですか?」
「私たちこの先どんなお仕事するんでしょう?」

卯月は何故か元気がないP氏を気遣いながら、アイドルとしての今後を前向き全開で問い掛けます。まるで先日のトラブルなど無かったように次の仕事への希望を無邪気に語る様子にP氏は呆気に取られ、しかして次なる言葉

「じつはこの前のミニイベントなんですけど、ちょっと心残りがあって…」

そう聞いた途端P氏は体を固めて身構えるも

「私、せっかくのステージなのに、最後まで笑顔でやりきる事ができなくて…」
「だから次は最後まで笑顔でステージに立ちたいなって。凜ちゃんと未央ちゃんと一緒に」

卯月はNGの今後に疑いも不安も持たず、凛を未央を信じ、真っ直ぐな瞳を輝かせてリベンジを誓うのでした。その根底にはもちろんP氏への全面的な信頼があるわけで…拒絶を恐れて逃げ続けている自分をこれほど信頼してくれる子がいる、その事に気付いてしまったらこれ以上逃げるわけにはいかない。凄い、天然って凄い。卯月天使の純白っぷりには言葉もない。

――と思ったものの、オンタイムで見ていた時は度を過ぎた天然に少々無理を感じたのも確か。ライブ中もその後も明らかに異常な状態だったにも関わらず全てスルーして今後を夢見るなんて天然を通り過ぎた無神経じゃ?とも。

ところが今回ラストを見ればやはり卯月天使は大天使だったと判明します。実は全て判った上で、この事態を収拾させるべく一芝居打ったのでしょう。不穏に気付きながらも決して表に出さず、前向きな姿勢だけを積極的に示す事で自分へ向けられる心配を回避し、と同時にトラブルに落ち込むP氏を励ましていた。そもそも未央へのメールの言葉選びを見れば無神経などとても思えず、要するに天然ちゃんを匂わせた子が実は一番の気遣いさんだったということ。

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雨の中を駆けて戻ったP氏は先のイベントにて撮影した写真をかき集めてカバンへ放り込み、トンボ返りで事務室を飛び出し…た瞬間、不安MAXのみくたちと鉢合わせ、プロジェクトルームに集まったメンバーと対峙する事に。緊迫する空気の中ですっかり他人事の杏にちょっと笑った。そういや今回かな子がお菓子を食べていない辺り事の深刻さが窺えます。テレ東が臨時特番を流したらオシマイ的な。どんな例えだ。それはともかく誰より必死なみくの叫び。

「やっとデビューまで信じて待ってようって思えたのに…みくたちどうしたら!?」

籠城騒ぎまで起こした割りに今回のみくはずいぶん小動物です。「未央が辞めるなら私がやる!」くらいの気概があると思ったのに。そしてまさかこのまま本当に「待ってるだけ」で終わるとは。第5話の籠城騒ぎは何だったん? ともあれそんなみくの問い掛けにこれまでのP氏だったら言葉を濁してやり過ごす場面ですが

「大丈夫です。NGは解散しません。誰かが辞める事もありません」
「絶対に、彼女たちは絶対に連れて帰ります」
「だから待っていてください」

P氏はいつになく強い意志を示すとプロジェクトルームを飛び出していきます。そう、この子たちはこういうしっかりとした言葉が欲しかったのでしょう。どれほどの考えや思いがあろうとも言葉にしなければ伝わらない。スタート当初から延々と匂わせ続けてきた問題点にようやく解決の糸口が見えてきました。

するとP氏と入れ替わるように部長さん&美嘉姉ちゃんが入って来て、ここから暫く部長さんによるP氏の裏側語りが続きます。その内容は九分九厘予想どおりで、要するに熱意に溢れていた過去のP氏はやりすぎて担当アイドルからウザがられ逃げられ、幾度も繰り返されたそんな結末を恐れるあまりいつしか口を噤んでしまったと。

「さて、その魔法が解けるかどうかもう少し待ってみようじゃないか」

必要最低限の事以外は黙して語らず、シンデレラを華やかなお城へ送る馬車の車輪に徹する。まあそれで仕事がきっちり回るのならいいのだけれど現状はそうでなく、彼の寡黙さはアイドルたちとの不調和やトラブルの原因になってしまっている。それでも担当を続けているのはこれまで何度か描かれたように件の部長さんとの関係ありきで…「魔法が解けるか待ってみようじゃないか」なんて何となくいい話風になっちゃってますが、ダメージ社員の再起動に付き合わされる=リハビリ機器として使われるアイドルはたまらないでしょう。まさに前回のみくがそうだったわけですから。というか騒動の根本たる話を第三者の語りだけで済ませてしまうお手軽さにちょっと目眩がした。いいのかそんなんで。

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さて再び未央の家へ向かったP氏はまたしても不審者に間違われ、気付いた未央が降りてきて説明→放免に。もはや様式美です。そのままサッサと帰ろうとする未央へP氏は勇気を振り絞って後を追い、閉まりかけの自動ドアにギリギリ入って必死の叫び。

「もう一度、ちゃんとお話をさせてください!」

ようやく未央と向き合ったP氏はエレベータ前での話し合いにて件の写真を見せ、引き続き拗ねる未央へ「客は少なかったけど笑顔があったから成功」「歌を聴いてくれたから成功」と語り…なるほど先の言葉どおり成功か失敗かの「見解の相違」という事であっさり収まってしまいました。「失敗」と勘違いした事から始まった騒動の原点をひっくり返せば将棋倒し的に万事解決ってのは理屈ではそうかもですが、しかしどうにもスッキリ腑に落ちない。そんなシンプルな話じゃないでしょう?

この一連の未央の最たる問題点は「失敗(という誤解)」及びそれに起因するマイナス感情(クラスメイトに恥を掻いた・リーダー失格の烙印を押されたなど)によってキレた事よりも、追い詰められた挙げ句に飛び出した「アイドル辞める!」という意識の低さにあります。必死にデビューを目指している仲間たちの目の前で、ライブ自体「NG組以外」の全員が成功を喜んでいる場で、その全てに泥をぶちまけた挙げ句「辞める」と言い放った。要するに未央は失敗した時(と思い込んだだけでも)周囲の状況に関わらずあっさり「辞める」と言えちゃう子=アイドルへの思いがその程度の子という事が明らかになってしまった。周りから何を言われようが、笑顔どころか完全ソッポで観客ゼロだろうが全力でステージに向かい、いつか必ずトップアイドルになる! という気概もプロ意識も無い。失敗は誤解で本当は成功していたからオケオケオッケー!では何の解決にも成長にもならないんですよ。ではもし今後本当に「失敗」をやらかしたら? また全て放り出して辞めちまうの? 例え失敗しても歯を食い縛って前を向くから成長なのです。

だから誰かが未央の甘さを叱責しなければならなかった。誤解によって浮き彫りになった弱点を克服しなければ成長には繋がりません。その役割はP氏でも良いし、現時点のアイドル仲間なら美嘉姉ちゃんorみくでしょう。前話の惨劇立ち会いや第5話での籠城劇はその前振りだと思っていたのですが…美嘉姉ちゃんは良き先輩アピールで終わり、みくは怯える子猫で終わり、他の子たちは雁首揃えて薄暗い事務所でオロオロするだけ、という見事な空振りに笑うやら唖然とするやら。この部分がボンヤリしたまま収束に至ってしまったためどうにもスッキリしないのです。待機組の描写にしても実際何も動けないにせよ、各々思う所や打開策を話し合うくらいできそうなのに何も無し。こういうピンチに対するリアクションこそ各キャラの個性を際立たせる絶好のチャンスでしょうに、それを僅かに窺わせたのがプロジェクト外の美嘉姉ちゃんだけってのは…。アイドルマスターなのにアイドルを描く気が無い?

他にも頭にハテナマークを浮かべるやり取りがいくつか。

「先日『あれは当然の結果』と言ったのは『失敗して当然』という意味ではありません。あれは成功だと思っています」

ではP氏は何に対して「当然」と言ったのか。前回の会話は

 「つまりあの時に比べて盛り上がりが足りないと?」
 「……」
 「いいえ、今日の結果は当然のものです」

この「いいえ」がクセ物で、未央の思い上がりへの否定にも取れるし、「盛り上がりが足りない」の否定にも取れる巧妙&ヤラしいシナリオです(笑。どうやらP氏は後者の意味(十分盛り上がった)として使ったようですが、会話の流れからして「美嘉さんのライブに比べて盛り上がりが足りないのは当然(もちろん悪い意味ではない)」=前者の意味と受け取った人が多いと思う。私もそうでしたし、おそらく未央もそう取ってアクロバティックな誤爆(盛り上がらなくて当然→お前がリーダーだったから盛り上がらなかったという責め苦からの辞めゆ!)に繋がった…と思っていましたが、何故か今回一足飛びに「成功or失敗」の話にすり替わり、いきなり「あれは成功という意味」と言い出した。

などと会話が噛み合っていないからこそ齟齬が発生してこの騒動なわけですが、それにしたってズレ方が不自然すぎ、要するにトラブルを起こすためにわざわざねじ曲げているようにしか見えない。前回ラスト付近の未央を見ればタダならぬ様子なのは誰が見ても明らかで、ましてや客が少なかった事にヒートアップしている(=失敗と思い込んでいる)子へ「今回の結果は当然」なんて言葉を選ぶ方が難易度高いと思う。てな具合に会話があまりに作為的なため「成功という意味」と言われてもスッと入って来ないのです。

そもそも今回言い分によればP氏は当日から「成功」と捉えていて、盛り上がりが足りないか?足りてるか?が論点なのだから

 「つまりあの時に比べて盛り上がりが足りないと?」
 「……」
 「いいえ、第一歩として十分な盛り上がりでした」

自然な日本語会話ならばこう答えると思うのだけど。

そんなこんなであっさり誤解が解けた未央は自身の行動を全力で恥じ、今さらどんな顔して戻ればいいの?とお約束どおりの流れに。未央の不安はご尤もだけれど「逃げ出しちゃった」事を取り返すには「その場所に戻る」しかない。アイドルと向き合う事から逃げていたP氏が未央を追ったように…という各キャラのテーマを絡めた落とし所はなかなかキレイにハマりました。でも実際は誰一人文句一つ言わず受け入れてくれる優しい世界なのですね。この印象はこの騒動全てに共通していて、これでもか!の勢いで場面の空気感やキャラの心情を映像に乗せ盛り上げている割に話自体は大して進まずオチもあっさり、言ってしまえば大仰な演出に酔っているだけの雰囲気アニメになっちゃっている感じ。好きか嫌いかなら大好きですが、面白いか面白くないかだったらそれほど面白くないというビミョーな立ち位置。

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続いて夕暮れの公園で一人溜息の凛の所へ未央&P氏が現れて凛サイドの解決編へ。まず未央が頭を下げますが、凛がこうなったのはP氏への不信感からなので未央に謝られても解決せず、必死な未央に対して言葉もなく俯くのみ。続いてP氏が歩み寄りこれまで逃げてきた事を謝罪し改める事を宣言。しかし不安にかられたままの凛にそんな言葉は通じません。続いてP氏はさらに凛へ歩み寄って「信じてもらえるように努力します」と手を差し出すも凛は不安を拭えず手を伸ばせない。この辺の繊細な描写は見応え十二分でしたが…凛ってこんなに繊細メンタルな子だっけ?と思わなくなくも(略。ところが未央がパッと渡し船を出してあっさり解決。いいのかそれで。騒動の種を蒔いた未央はそれで良いだろうけど凛的には何の解決になっていないような。まあ思えばアイドルになったきっかけも卯月を通じてP氏を信頼した事が始まりなのだから、今回未央を通じて以下同文でも不思議ではないのかも。孤高の人と思わせて実は自主性が無い=依存体質ベッタリ?

そんなこんなで未央&凛がプロジェクトメンバーに深々とゴメンナサイして万事解決。二人→一人→無人と減っていった暗い暗いプロジェクトルームに全員揃ってすっかり明るく窓外も青空に、という演出はベッタベタだけど悪くありません。

「凛ちゃん、未央ちゃん、よかったです~!」

復帰した二人へ涙顔で抱き付く卯月。つまり先の風邪引きシーンでは全く気にしていないテイだったけれど本音は心配で仕方なかった、卯月自身不安に押し潰されそうだったのにP氏へあの笑顔を向けていたという事です。卯月ってばいい子すぎ、天使すぎ。でも卯月は昨日の凛の行動について知らないはずなのに突然ゴメンナサイされて混乱しなかったのだろうか?

その後再起動を誓うP氏へ丁寧口調云々の流れは正直どうでもいい。というかこのオチをしてスタート以来7話かけた内容が「P氏の成長物語」に収束した事に違和感を禁じ得ない。いやP氏の成長話を否定するのではなく、そのためにアイドルを舞台装置にしちゃったのは違うんじゃないの?って事。しかもそれすら大したドラマではなく、NG組以外のアイドルはモブ同然、全体のストーリーはほぼ停滞したまま。前述どおり細かい描写や演出は凝りまくり、映像はキレイでキャラの絵面もかわいいけれど、既に7話を終えたというのに未だ作品の全体像が見えてこない。今回ラストでNG組が改めて階段を上り始め、次回からいよいよシンデレラプロジェクトが本格的に描かれ始める? と思ったら特番(総集編?)とか何なのよもう。

    

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No title

これにて第一章終了~。
前回「おいしいから大丈夫だよ」という至言を発したかな子がお菓子を食べなくなるほど深刻な事態ですか・・・。
きらりも空気読んでおとなしくなるし、こういう状況に合わせたキャラクターの行動は気になりますね。

No title

奇人変人キャラを人間として描く試みとか
色々論点はあるのに。

長所短所の裏表とか沢山描写されていると思いますけど。

Pと自分の同一視も無いですね。
ゲーム経験の無い人には持ち辛い視点でしょうけど。

完成された偶像の話とか美少女動物園がお望みでもないよう
ですけど、ただ単にストーリーが進んでないの一行を水増し
しただけの文章でしょうか。

No title

いつも楽しく拝見しています。
この回、(自分を含め)周りではひたすら称賛されていて、たまに聞こえる不満やモヤモヤの声を理解できなかったのですが、この感想を読んですっと胸に落ちる感じがしました。
言われてみれば特にラブライカなんてPの舞台装置であるニュージェネのさらに舞台装置、と相当な割を食ってる気がします。。。

そうまでしてようやく一歩を踏み出したPなんですから、これからプロジェクトのメンバーをどう輝かせていくのかとても楽しみです。

れすれす

>オルタフォースさん
かな子もきらりもパッと見で目立つものの内面描写はサッパリなので、要するにNG組とみく以外は今のところ目立つモブ程度なんですね。せっかく個性的なキャラがたくさんいるのだから今後各々の掘り下げを期待したいです。

>岸さん
美少女動物園は好きですよ。飼育係の話はそれほど興味がありませんけど。

>来さん
好きな作品を好意的に見るってのは間違いとは思いませんし、現に私もそういう視点で見る事が多いです。ただ好きな分だけアラが気になる時もままあって、たいていは好意的解釈を盛って乗り切るのですが…その枠を越えてしまうとアラを受け容れるしかなく、その結果が今回記事という次第。P氏の成長話を描くとしてももう少し自然に、また肝心のアイドルたちを無闇に落とさない方法で描いてくれたら印象がまったく違ったと思います。
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