2015-06-03(Wed)
Go! プリンセスプリキュア #18 絵本のヒミツ!プリンセスってなぁに?
終わりね。全ての夢はここで消え去る。

ついに自ら手を下すトワイライトさんの本気。

アバンは寮食堂にてパフの髪型で遊んでるはるはるから。地味に販促? オンナノコってこんな風に髪いじる系のおもちゃ好きそう…と思ったらトイネスランキング(女の子向け・2015年4月)で堂々の一位ですか。なるほど。あれこれいじってピンと来ず、すると棚の花瓶にピンと来て「花のプリンセス」にキメてあらかわいい! なーんて盛り上がってるトコへ駆け込んできた超テンションのゆいゆい。その勢いのままはるはるを押し倒す勢いで…いきなりの急接近に真っ赤に照れてるはるはるかわいい。ってなゆいゆいからの本題は――
「花のプリンセスの作者、望月ゆめ先生が夢ヶ浜に来るんだよ!」
今さら言わずもがなの「花のプリンセス」。夢の根源たる絵本の作者と会うことができると知ってじたばた飛び上がり、ハートのボリューム急上昇の満面笑顔をグッとタメてOPへ。などと短いアバンで今回の振りをキレイに完了。ゆいゆいいい仕事してます。某ユウちゃんみたくアバンの女王化しつつあるのが気になりますが。

掲示板に貼られた「花のプリンセス 原画展」のポスターを見てテンションマシマシのはるはる&ゆいゆい。件の絵本をバイブルと言い切るはるはるが盛り上がるのはもちろん、絵本作家が夢のゆいゆいも尊敬する作家と会えるとなればこのテンションも当然でしょう。そしてそのポスターにはサイン会のお知らせと共に「絵本生誕50周年」の記述があり、なるほどこれが地味な伏線になっていたのでした。芸コマ。
一方ディスダーク城では度重なる失態にブチ切れ寸前のディスピア様がひれ伏す幹部二名へ静かにキツい叱責を向け、するといつものように優雅にヴァイオリンを弾いていたトワイライトさんがついにやる気を見せて御自ら出撃宣言。ここはヴァイオリンの弦がブツッと切れる=トワイライトさん自制解除(静かにブチ切れ)の演出も面白かった。
「ならばこれを持っていくがいい」
立て続けの新キー攻勢に後れを取らず! とばかりディスダークサイドも新キーが発現しました。娘の思いに呼応した母親のムネがピカッと光って新キー発現は文字にすれば前回きららと同じ構図だろうに、今回の絵面は前回と180度違っていて面白い。

そんなこんなで大賑わいの絵本美術館にて原画展を眺めながら、はるはるのバイブル「花のプリンセス」の内容についての語りが始まります。メインヒロインはるはるの夢の根源=本作の根本たる重要アイテム・この絵本の内容について、そう言えばこれまでほとんど語られていませんでした。
お花に囲まれたお城で育ったプリンセスはとっても優しくてみんなに愛されていた。彼女が笑うとどんな所でもお花が咲いて、みんなが笑顔になった。ところが人気者のプリンセスに焼き餅を焼いた鳥さんが、隣の国の王子さまに会いに行く途中のプリンセスを、嘘を吐いて、恐ろしい魔女の棲む森へ連れて行ってしまった。でも彼女は魔女を恐れず、嘘を吐いた鳥さんの事も絶対に責めなかった。その優しさに鳥さんは自分の行いを反省してプリンセスを助け出した。そして「ひどいことをしてごめんなさい」って泣きながら何度も謝った。
「助けてくれてありがとう。鳥さんも笑って」
ならぬ堪忍するが堪忍。嘘を吐いて騙した鳥を笑顔で許し、その寛容に打たれた鳥がプリンセスと同じ笑顔になると魔女の森が消えて綺麗なお花畑になってめでたしめでたし、というのがこの絵本のあらすじでした。
普通に考えるとこの絵本は本作ストーリーのベースになっているはず。主役のプリンセスはもちろんフローラ(はるはる)として、「嘘つきの鳥」をトワイライトさんとするとしっくりハマりそう、というか2クール目のヤマ場の流れが想像付くような。人の過ちを笑顔で赦せる寛容さこそ本当の強さ=それができた時グランプリンセスに…みたいな。つまりこういう想像をかき立てさせるため物語解説をここまで引っ張ったのかも。あまり初期に紹介しちゃうとメイン視聴者層は内容を忘れちゃうし(笑
「でも一つだけ気になってる事があるんだよね」
「旅を続けた花のプリンセスは王子さまには会えないままで、お話はちゃんと終わってないんだ」
そんな「花のプリンセス」には明確な結末が無いらしく、はるはるはその事について原作者先生に訊こうと気合いマシマシ。まあ結末が無い物語ってのは「読者の数だけ結末がある」ってな良くあるパターンと踏み、現に予想どおりの意味だったため今回のキモと言えど私的にはそれほど気にならず(と言っちゃシマイだけど)、むしろ「恐ろしい魔女の棲む森」と言いながら魔女について何も触れられない不気味さ=今だ正体などまるで判らないディスピア様の不気味さに通じるものを感じた絵本解説の一幕でした。

なーんて絵本の解説が終わると今回のメインイベント、長い行列を待って待ってドキドキのご対面へ。係員に案内されて入った個室で待っていた原作者先生は意外と普通の上品なおばあちゃんでした。
「あら…ごきげんよう」
部屋の入り口で固まるはるはるを見た先生は何かに気付いて「ごきげんよう」と声を掛けます。もうこの時点で先生がノーブル学園関係者である事は丸わかりで、背格好からして白金さん同様の大先輩(初代卒業生?)かと思いきや(以下ラストシーンへ
「花のプリンセスは王子さまに会えるんですか? 最後どうなるんですか?」
「ごめんなさい。私はその質問には答えられないわ」
「私はこの絵本の結末を書くつもりは無いの」
ガッチガチになりながら先の質問を振り絞ったはるはるへ、先生からの答えはあまりに意外なものでした。結末を書くつもりはない。長年知りたかった事をここ一番であっさりかわされ否定されてボーゼンのはるはる。立ち尽くす脚のアップと背後のみなさんの様子からして、この時のはるはるがいかにボーゼンとしていたか判ろうというものです。

もちろん納得いかないはるはるはお約束どおり出待ちして直撃。すると先生は結末を書かない理由を教えてくれたのでした。
「みんな思い思いにプリンセスの未来を想像していたわ」
「娘が想像した未来もとても素敵で幸せな未来だった」
「思いの数だけ物語はある。そういう本でいいと思ったの」
「あなたの中にもプリンセスにはこうなってほしいという未来があるのでしょ?」
「それがきっと、あなたにとっての花のプリンセスなのよ」
最初は娘のために書いたお話ってのはこのテの話のド王道。また思いっきり昭和な物書き部屋が時代を感じさせます。先生曰く制作当初は結末を考えてはいたものの、たくさん送られてくるお手紙を見るにつれ、そこに書かれたたくさんの未来を見るにつれ、また娘さんが浮かべた未来を見るにつれ、「それぞれの未来」を尊重すべく結末を決めないことにしたとか。ってな話を聞いたはるはるは「思いの数だけ未来がある=プリンセスに絶対の形は無い」事を悟ってめでたしめでたし…ってなトコへトワイライトさんが登場します。美術館の屋根上から全力の大上段はいかにも彼女らしい登場パターン、いかにも悪役っぽい冷たい笑みも相変わらず素敵であります。そして例の新キーをトワ棒にセットすると邪悪な蒼い光が周囲を包み、見物人たちを次々と闇の鏡に封印してしまいます。あららら。ゆいちゃんってば封印のベテランになっちゃう!

「気品と立ち居振る舞いはなかなか…だけど私には勝てないわ」
突然の惨事をして三人娘は速攻でプリンセスエンゲージ! からついに本気のトワイライトさんとガチンコバトルが始まります。まずはマーメイドとのタイマン。鋭く入った掌底をトワ棒で受けて軽くご挨拶から、いつものように超速キックを振り回すマーメイドの脚をガシッと受けると格の差を見せ付けるように回し蹴り一発で吹っ飛ばし…吹っ飛んだ先の十字結界に激突→大爆発→炎に焼かれて大絶叫の流れは結構シャレになってません。トワイライトさんいきなり本気出しすぎ。

「その才能の輝きも私の前では星屑も同然ね」
続いてトゥインクルのターン。人魚の焼き物を見たトゥインクルは頭をフットーさせて全力全壊の突撃! 迎え撃つトワイライトさんを変わり身の術でひらりとかわし、バックからいいヤツを一発ぶち込む!…トコを倒立姿勢から蹴り上げられ、その流れからマーメイドと同様に十字結界へ吹っ飛ばされて以下同文。ほとんど電流爆破デスマッチであります。これはキッツイ。スピード感あふるる各プリキュアの攻撃も強烈でしたが、それを受けて余裕で跳ね返すトワイライトさんのキレ味が数段上を行ってる感じ。ゼツボーグなしのリアルファイトはかなり見応えがあります。各カットの表情描写も本気すぎて小さいお友達にはトラウマレベルかも。

「気品も才能も持ち合わせないあなたのような存在がプリンセスの名を汚す」
次々と倒れる仲間に唖然と立つフローラへ迫るトワイライトさん。先の二名と違って対フローラには思う所があるようで迫る表情もかなりシャレになってません。ガチンコ120%の三白眼で歩を進めるトワイライトさん、一方フローラは叫び声を上げながら全力で突撃するも…やはり片手一本で止められ、怯えるフローラを容赦なく吹っ飛ばします。力の差が歴然すぎて勝てる気が全くしない!
「高貴なる者は生まれた時から高貴な者。私は絶望を統べる母・ディスピアの娘、ディスダークの黒きプリンセス」
「あなたは違う」
「終わりね。全ての夢はここで消え去る」
吹っ飛ばされて倒れたフローラへ畳み掛けるトワイライトさんの語りはいつもどおり出自を根拠としたプリンセスの資格云々。語り口も何もかもいい感じに小憎らしいけれど、理屈として言ってる事はあながち間違いでもないトコがあるので余計小憎らしい(笑。まあ正統な王女様がドレスを着て王女様気取りの平民を見たら憐れと共に叩き潰すのも無理はないかも。
「そうはさせない。私たちは夢を守る!」
「そうよ! 絶望のエナジーなんて全然通用しない!」
「あなたが何を言おうと私たちはプリンセスプリキュアなんだから!」
一方諦めない負けないプリキュアサイドは絶望のエナジーを振り切って立ち上がり、新キーの技を三人続けてトワイライトさんへ集中砲火…明らかに効かないの丸わかりな中で「はぁぁぁぁ!」と気合いを入れる三人、案の定トワイライトさんは集中砲火をあっさり跳ね返し――
「ニセモノ共が!」
「プリンセスとは私のような唯一無二の存在。いくら努力を重ねた所で届きはしない!」
絶望のエナジーを身に纏い、蒼い炎を高らかと上げてプリキュアたちを吹き飛ばします。本気のトワイライトさん強すぎ。とはいえこのセリフが自身に跳ね返ってくる展開が来そう…な気がしてならない。

プリキュア名物巨大クレーターの爆発跡に倒れるフローラ。ってなトコへのこのこ現れた(笑)パフから例の絵本を取り上げてトドメの絶望へ。
「かわいそうに…こんなものがあるから報われない夢を見てしまったのね」
「夢から覚ましてあげますわ」
フローラの夢を絶ち切るべく冷徹な目で絵本に火を着けるトワイライトさん。いいねいいね、いい感じの悪役MAXです。すると絶叫のフローラは絵本を奪い返し、望月先生のお言葉で気付いた自身のプリンセス論を語り始めます。
「私だけが目指せるプリンセスがあるかもしれないって思ったの」
「魔女を恐れない強さ、相手を思いやる優しさ、そして世界に花咲かせる心の美しさ」
「小さい頃からずっと憧れてきた花のプリンセス。それが私が目指すプリンセス!」
トワイライトさんの存在を認めながら、しかしそれだけが絶対ではない事に気付いた。みんなの中にいろんなプリンセスがいる=各々が思う理想の姿が各々の心の中にあり、それこそが「自分が目指すプリンセス」であると。ってな二人の会話を冷静に見ると「血統による資質」と「目指すイメージ」は本来全く別次元の話で、だからそれらを混同した挙げ句イマイチ噛み合っていない互いの主張に少々モニョってしまうかも。現実のプリンセスと、イメージとしてのプリンセスの埋められない差を強引に埋めてる感というか。もちろん少女アニメ的にはフローラの言い分が正解なのだろうけど、トワイライトさんが固持する「正統性」も一理あるので難しい…そんな難しく考えなくてもいいと判っているものの(以下ループ
さてフローラが「自分が目指すプリンセス」を自覚した瞬間、トワ棒からの拘束を光がはじき飛ばし、思いの強さはトワ棒にヒビを入れ――

「舞え、ユリよ! プリキュア リィス トルビヨン!」
次の瞬間 例の絵本がピカッと光ってフローラの新しいミラクルドレスアップキー「リリィキー」が出現します。先の薔薇キーから百合キーとは何やら穏やかじゃない並びですが深く考えない。そしてフローラはリリィキーをプリキュア棒にセットし新必殺技を発動、文字どおりユリの花をぶっ放す新技はトワイライトさんが発射する絶望エナジーを押し押し、押し切った力はトワ棒を砕き、と同時に三人のプリキュア棒が光ってトドメの一撃へ。
「勝てるつもりかしら? お前たちの夢はここで潰えるのよ!」
トワイライトさん…そのセリフは思いっきり負けフラグです。

「プリキュア トリニティ エクスプロジオン!」
いつものシーケンスでモードエレガントと化した三人のドレスは各々の新キーに対応したお色直しで揃い、新たにリボンが付いたプリキュア棒をくるくる回して発射体勢から、形作った王冠をぶっ放してシメ。映像はほぼ新作カットにも関わらず、イメージ的に「トリニティリュミエール」と大差なく感じた新技…何というかビミョーに損してる感がなくなくも(略
「あっ…この私が…こんな…」
新技を正々堂々真正面から受けたトワイライトさんはやがて耐えきれず吹っ飛ばされ…鏡に写った髪が解けた姿はこれこそ彼女の本来の姿なのでしょう。そして「絶対に認めない」と捨て台詞を残していつもどおりサッサと退散。さすが御自ら出撃した今回は好バトルを見せてくれましたが、結果を見ればトワイライトさん全敗なので、高貴な立ち居振る舞いの割に結構ビミョーな立ち位置だったりして。とはいえ去り際の屈辱に満ちた表情は良かった。この悔しさをバネに次の出撃ではプリキュアをもっと苦しめて差し上げて。残り時間は限られているぞ!
そんなこんなで闘い終わって、トワイライトさんバックレと共にみなさんを閉じ込めていた絶望の鏡が解けて事も無し。そして今回のハイライトへ。
「なぜ今になって個展を開いたのですか?」
「絵筆を置いて、子供達の未来を育てたいとノーブル学園を開いて50年。いい節目だと思ったの」
「今年の一年生も素敵な生徒ばかりね」
いかにも学園長室で白金さんが話し掛けた女性がパッと振り返るとそれはかの望月先生でした。サイン会の個室シーンからしてノーブル学園の関係者と予想できたものの、まさかまさか学園長さんだったとは。はるはるは入学式で会ってないのか? というか下々の生徒はともかくみなみんは学園長の顔くらい知っていそうなものだけれど? おタカさん的サプライズ(笑)は良いとしてもう一練り欲しかった気がする。
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ついに自ら手を下すトワイライトさんの本気。

アバンは寮食堂にてパフの髪型で遊んでるはるはるから。地味に販促? オンナノコってこんな風に髪いじる系のおもちゃ好きそう…と思ったらトイネスランキング(女の子向け・2015年4月)で堂々の一位ですか。なるほど。あれこれいじってピンと来ず、すると棚の花瓶にピンと来て「花のプリンセス」にキメてあらかわいい! なーんて盛り上がってるトコへ駆け込んできた超テンションのゆいゆい。その勢いのままはるはるを押し倒す勢いで…いきなりの急接近に真っ赤に照れてるはるはるかわいい。ってなゆいゆいからの本題は――
「花のプリンセスの作者、望月ゆめ先生が夢ヶ浜に来るんだよ!」
今さら言わずもがなの「花のプリンセス」。夢の根源たる絵本の作者と会うことができると知ってじたばた飛び上がり、ハートのボリューム急上昇の満面笑顔をグッとタメてOPへ。などと短いアバンで今回の振りをキレイに完了。ゆいゆいいい仕事してます。某ユウちゃんみたくアバンの女王化しつつあるのが気になりますが。

掲示板に貼られた「花のプリンセス 原画展」のポスターを見てテンションマシマシのはるはる&ゆいゆい。件の絵本をバイブルと言い切るはるはるが盛り上がるのはもちろん、絵本作家が夢のゆいゆいも尊敬する作家と会えるとなればこのテンションも当然でしょう。そしてそのポスターにはサイン会のお知らせと共に「絵本生誕50周年」の記述があり、なるほどこれが地味な伏線になっていたのでした。芸コマ。
一方ディスダーク城では度重なる失態にブチ切れ寸前のディスピア様がひれ伏す幹部二名へ静かにキツい叱責を向け、するといつものように優雅にヴァイオリンを弾いていたトワイライトさんがついにやる気を見せて御自ら出撃宣言。ここはヴァイオリンの弦がブツッと切れる=トワイライトさん自制解除(静かにブチ切れ)の演出も面白かった。
「ならばこれを持っていくがいい」
立て続けの新キー攻勢に後れを取らず! とばかりディスダークサイドも新キーが発現しました。娘の思いに呼応した母親のムネがピカッと光って新キー発現は文字にすれば前回きららと同じ構図だろうに、今回の絵面は前回と180度違っていて面白い。

そんなこんなで大賑わいの絵本美術館にて原画展を眺めながら、はるはるのバイブル「花のプリンセス」の内容についての語りが始まります。メインヒロインはるはるの夢の根源=本作の根本たる重要アイテム・この絵本の内容について、そう言えばこれまでほとんど語られていませんでした。
お花に囲まれたお城で育ったプリンセスはとっても優しくてみんなに愛されていた。彼女が笑うとどんな所でもお花が咲いて、みんなが笑顔になった。ところが人気者のプリンセスに焼き餅を焼いた鳥さんが、隣の国の王子さまに会いに行く途中のプリンセスを、嘘を吐いて、恐ろしい魔女の棲む森へ連れて行ってしまった。でも彼女は魔女を恐れず、嘘を吐いた鳥さんの事も絶対に責めなかった。その優しさに鳥さんは自分の行いを反省してプリンセスを助け出した。そして「ひどいことをしてごめんなさい」って泣きながら何度も謝った。
「助けてくれてありがとう。鳥さんも笑って」
ならぬ堪忍するが堪忍。嘘を吐いて騙した鳥を笑顔で許し、その寛容に打たれた鳥がプリンセスと同じ笑顔になると魔女の森が消えて綺麗なお花畑になってめでたしめでたし、というのがこの絵本のあらすじでした。
普通に考えるとこの絵本は本作ストーリーのベースになっているはず。主役のプリンセスはもちろんフローラ(はるはる)として、「嘘つきの鳥」をトワイライトさんとするとしっくりハマりそう、というか2クール目のヤマ場の流れが想像付くような。人の過ちを笑顔で赦せる寛容さこそ本当の強さ=それができた時グランプリンセスに…みたいな。つまりこういう想像をかき立てさせるため物語解説をここまで引っ張ったのかも。あまり初期に紹介しちゃうとメイン視聴者層は内容を忘れちゃうし(笑
「でも一つだけ気になってる事があるんだよね」
「旅を続けた花のプリンセスは王子さまには会えないままで、お話はちゃんと終わってないんだ」
そんな「花のプリンセス」には明確な結末が無いらしく、はるはるはその事について原作者先生に訊こうと気合いマシマシ。まあ結末が無い物語ってのは「読者の数だけ結末がある」ってな良くあるパターンと踏み、現に予想どおりの意味だったため今回のキモと言えど私的にはそれほど気にならず(と言っちゃシマイだけど)、むしろ「恐ろしい魔女の棲む森」と言いながら魔女について何も触れられない不気味さ=今だ正体などまるで判らないディスピア様の不気味さに通じるものを感じた絵本解説の一幕でした。

なーんて絵本の解説が終わると今回のメインイベント、長い行列を待って待ってドキドキのご対面へ。係員に案内されて入った個室で待っていた原作者先生は意外と普通の上品なおばあちゃんでした。
「あら…ごきげんよう」
部屋の入り口で固まるはるはるを見た先生は何かに気付いて「ごきげんよう」と声を掛けます。もうこの時点で先生がノーブル学園関係者である事は丸わかりで、背格好からして白金さん同様の大先輩(初代卒業生?)かと思いきや(以下ラストシーンへ
「花のプリンセスは王子さまに会えるんですか? 最後どうなるんですか?」
「ごめんなさい。私はその質問には答えられないわ」
「私はこの絵本の結末を書くつもりは無いの」
ガッチガチになりながら先の質問を振り絞ったはるはるへ、先生からの答えはあまりに意外なものでした。結末を書くつもりはない。長年知りたかった事をここ一番であっさりかわされ否定されてボーゼンのはるはる。立ち尽くす脚のアップと背後のみなさんの様子からして、この時のはるはるがいかにボーゼンとしていたか判ろうというものです。

もちろん納得いかないはるはるはお約束どおり出待ちして直撃。すると先生は結末を書かない理由を教えてくれたのでした。
「みんな思い思いにプリンセスの未来を想像していたわ」
「娘が想像した未来もとても素敵で幸せな未来だった」
「思いの数だけ物語はある。そういう本でいいと思ったの」
「あなたの中にもプリンセスにはこうなってほしいという未来があるのでしょ?」
「それがきっと、あなたにとっての花のプリンセスなのよ」
最初は娘のために書いたお話ってのはこのテの話のド王道。また思いっきり昭和な物書き部屋が時代を感じさせます。先生曰く制作当初は結末を考えてはいたものの、たくさん送られてくるお手紙を見るにつれ、そこに書かれたたくさんの未来を見るにつれ、また娘さんが浮かべた未来を見るにつれ、「それぞれの未来」を尊重すべく結末を決めないことにしたとか。ってな話を聞いたはるはるは「思いの数だけ未来がある=プリンセスに絶対の形は無い」事を悟ってめでたしめでたし…ってなトコへトワイライトさんが登場します。美術館の屋根上から全力の大上段はいかにも彼女らしい登場パターン、いかにも悪役っぽい冷たい笑みも相変わらず素敵であります。そして例の新キーをトワ棒にセットすると邪悪な蒼い光が周囲を包み、見物人たちを次々と闇の鏡に封印してしまいます。あららら。ゆいちゃんってば封印のベテランになっちゃう!

「気品と立ち居振る舞いはなかなか…だけど私には勝てないわ」
突然の惨事をして三人娘は速攻でプリンセスエンゲージ! からついに本気のトワイライトさんとガチンコバトルが始まります。まずはマーメイドとのタイマン。鋭く入った掌底をトワ棒で受けて軽くご挨拶から、いつものように超速キックを振り回すマーメイドの脚をガシッと受けると格の差を見せ付けるように回し蹴り一発で吹っ飛ばし…吹っ飛んだ先の十字結界に激突→大爆発→炎に焼かれて大絶叫の流れは結構シャレになってません。トワイライトさんいきなり本気出しすぎ。

「その才能の輝きも私の前では星屑も同然ね」
続いてトゥインクルのターン。人魚の焼き物を見たトゥインクルは頭をフットーさせて全力全壊の突撃! 迎え撃つトワイライトさんを変わり身の術でひらりとかわし、バックからいいヤツを一発ぶち込む!…トコを倒立姿勢から蹴り上げられ、その流れからマーメイドと同様に十字結界へ吹っ飛ばされて以下同文。ほとんど電流爆破デスマッチであります。これはキッツイ。スピード感あふるる各プリキュアの攻撃も強烈でしたが、それを受けて余裕で跳ね返すトワイライトさんのキレ味が数段上を行ってる感じ。ゼツボーグなしのリアルファイトはかなり見応えがあります。各カットの表情描写も本気すぎて小さいお友達にはトラウマレベルかも。

「気品も才能も持ち合わせないあなたのような存在がプリンセスの名を汚す」
次々と倒れる仲間に唖然と立つフローラへ迫るトワイライトさん。先の二名と違って対フローラには思う所があるようで迫る表情もかなりシャレになってません。ガチンコ120%の三白眼で歩を進めるトワイライトさん、一方フローラは叫び声を上げながら全力で突撃するも…やはり片手一本で止められ、怯えるフローラを容赦なく吹っ飛ばします。力の差が歴然すぎて勝てる気が全くしない!
「高貴なる者は生まれた時から高貴な者。私は絶望を統べる母・ディスピアの娘、ディスダークの黒きプリンセス」
「あなたは違う」
「終わりね。全ての夢はここで消え去る」
吹っ飛ばされて倒れたフローラへ畳み掛けるトワイライトさんの語りはいつもどおり出自を根拠としたプリンセスの資格云々。語り口も何もかもいい感じに小憎らしいけれど、理屈として言ってる事はあながち間違いでもないトコがあるので余計小憎らしい(笑。まあ正統な王女様がドレスを着て王女様気取りの平民を見たら憐れと共に叩き潰すのも無理はないかも。
「そうはさせない。私たちは夢を守る!」
「そうよ! 絶望のエナジーなんて全然通用しない!」
「あなたが何を言おうと私たちはプリンセスプリキュアなんだから!」
一方諦めない負けないプリキュアサイドは絶望のエナジーを振り切って立ち上がり、新キーの技を三人続けてトワイライトさんへ集中砲火…明らかに効かないの丸わかりな中で「はぁぁぁぁ!」と気合いを入れる三人、案の定トワイライトさんは集中砲火をあっさり跳ね返し――
「ニセモノ共が!」
「プリンセスとは私のような唯一無二の存在。いくら努力を重ねた所で届きはしない!」
絶望のエナジーを身に纏い、蒼い炎を高らかと上げてプリキュアたちを吹き飛ばします。本気のトワイライトさん強すぎ。とはいえこのセリフが自身に跳ね返ってくる展開が来そう…な気がしてならない。

プリキュア名物巨大クレーターの爆発跡に倒れるフローラ。ってなトコへのこのこ現れた(笑)パフから例の絵本を取り上げてトドメの絶望へ。
「かわいそうに…こんなものがあるから報われない夢を見てしまったのね」
「夢から覚ましてあげますわ」
フローラの夢を絶ち切るべく冷徹な目で絵本に火を着けるトワイライトさん。いいねいいね、いい感じの悪役MAXです。すると絶叫のフローラは絵本を奪い返し、望月先生のお言葉で気付いた自身のプリンセス論を語り始めます。
「私だけが目指せるプリンセスがあるかもしれないって思ったの」
「魔女を恐れない強さ、相手を思いやる優しさ、そして世界に花咲かせる心の美しさ」
「小さい頃からずっと憧れてきた花のプリンセス。それが私が目指すプリンセス!」
トワイライトさんの存在を認めながら、しかしそれだけが絶対ではない事に気付いた。みんなの中にいろんなプリンセスがいる=各々が思う理想の姿が各々の心の中にあり、それこそが「自分が目指すプリンセス」であると。ってな二人の会話を冷静に見ると「血統による資質」と「目指すイメージ」は本来全く別次元の話で、だからそれらを混同した挙げ句イマイチ噛み合っていない互いの主張に少々モニョってしまうかも。現実のプリンセスと、イメージとしてのプリンセスの埋められない差を強引に埋めてる感というか。もちろん少女アニメ的にはフローラの言い分が正解なのだろうけど、トワイライトさんが固持する「正統性」も一理あるので難しい…そんな難しく考えなくてもいいと判っているものの(以下ループ
さてフローラが「自分が目指すプリンセス」を自覚した瞬間、トワ棒からの拘束を光がはじき飛ばし、思いの強さはトワ棒にヒビを入れ――

「舞え、ユリよ! プリキュア リィス トルビヨン!」
次の瞬間 例の絵本がピカッと光ってフローラの新しいミラクルドレスアップキー「リリィキー」が出現します。先の薔薇キーから百合キーとは何やら穏やかじゃない並びですが深く考えない。そしてフローラはリリィキーをプリキュア棒にセットし新必殺技を発動、文字どおりユリの花をぶっ放す新技はトワイライトさんが発射する絶望エナジーを押し押し、押し切った力はトワ棒を砕き、と同時に三人のプリキュア棒が光ってトドメの一撃へ。
「勝てるつもりかしら? お前たちの夢はここで潰えるのよ!」
トワイライトさん…そのセリフは思いっきり負けフラグです。

「プリキュア トリニティ エクスプロジオン!」
いつものシーケンスでモードエレガントと化した三人のドレスは各々の新キーに対応したお色直しで揃い、新たにリボンが付いたプリキュア棒をくるくる回して発射体勢から、形作った王冠をぶっ放してシメ。映像はほぼ新作カットにも関わらず、イメージ的に「トリニティリュミエール」と大差なく感じた新技…何というかビミョーに損してる感がなくなくも(略
「あっ…この私が…こんな…」
新技を正々堂々真正面から受けたトワイライトさんはやがて耐えきれず吹っ飛ばされ…鏡に写った髪が解けた姿はこれこそ彼女の本来の姿なのでしょう。そして「絶対に認めない」と捨て台詞を残していつもどおりサッサと退散。さすが御自ら出撃した今回は好バトルを見せてくれましたが、結果を見ればトワイライトさん全敗なので、高貴な立ち居振る舞いの割に結構ビミョーな立ち位置だったりして。とはいえ去り際の屈辱に満ちた表情は良かった。この悔しさをバネに次の出撃ではプリキュアをもっと苦しめて差し上げて。残り時間は限られているぞ!
そんなこんなで闘い終わって、トワイライトさんバックレと共にみなさんを閉じ込めていた絶望の鏡が解けて事も無し。そして今回のハイライトへ。
「なぜ今になって個展を開いたのですか?」
「絵筆を置いて、子供達の未来を育てたいとノーブル学園を開いて50年。いい節目だと思ったの」
「今年の一年生も素敵な生徒ばかりね」
いかにも学園長室で白金さんが話し掛けた女性がパッと振り返るとそれはかの望月先生でした。サイン会の個室シーンからしてノーブル学園の関係者と予想できたものの、まさかまさか学園長さんだったとは。はるはるは入学式で会ってないのか? というか下々の生徒はともかくみなみんは学園長の顔くらい知っていそうなものだけれど? おタカさん的サプライズ(笑)は良いとしてもう一練り欲しかった気がする。
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