2016-05-04(Wed)
ばくおん!! #05 つーりんぐ!!
北海道ツーリング後編。

1、2、3、らべんだー!




アバンは上富良野のキャンプ場でテント泊の早朝シーンから(原作第13話「さいこうそく!!」)。ちなみに函館(前回引きの海浜温泉)から上富良野(キャンプ場)までぐぐる地図によると455km、一部道央道を使っても6時間前後の行程らしい。前日700km・20時間耐久走破した翌日、北海道の道は走りやすいとはいえ海浜温泉→ドカ爆発の後(笑)にこの距離は結構キツそう。若いって素晴らしいね。というわけで雑魚寝テントから起き出した羽音は日の出前のモーニングコーヒー、するとほどなく地平線が明るくなり…この流れはあまりの寒さ(笑)に凜&恩紗が起き出すトコまでほぼ原作マンマですが、アニメならではの臨場感に思わず見入り。またこの雰囲気アリアリのシーンから猪木のモノマネに繋げる作り…ドラマチックをギャグで茶化すまでがセットで、そのバランスの妙が本作の面白いトコだったりします。
「ちょっとお花畑が…」
「ああトイレね」
「ん?」
早起き理由への凜の返しにハテナの羽音。イマサラ説明要らないかもですが、これは山言葉の一つで、登山隊の女性がトイレに行く時ストレートには言い難いため「お花を摘みに行く」と言って隊から離れる事に由来します。まあこの時の羽音は本当にお花畑に行ってたんですけどね(笑
その後の朝食シーンは原作どおりセイコーマート押しを暫し。アニメオリジナルの孫悟空カットはアニメ羽音のスタイルの良さが際立ってます。こんなボディを晒されては凜の売りが…というかアニメのバイク部はみなさん大盛り特盛りですなあ。
「スピードと言えば、ワルのみなさんはどれほどのスピードを出した事が?」
ペースが速い北海道の交通事情を話すうちに流れは最高速経験の話へ。おそらく大抵の単車乗りは公道フルアクセル・6速全開で何km/h出したか? が武勇伝の定番ネタでありましょう。単車乗り同士だけではなく高速道のSAで休憩中に話し掛けてくるドライバーがまず聞いてくるのは「大きいオートバイだね。これ何ccなの?」「何キロくらい出るの?」ですもの(笑。ちなみにこんな風に排気量を聞いてくる人々を「ナンシーさん」と呼んでいたり。閑話休題、最高速体験の話は見栄の張り合いが通例の単車界では盛って話す事が多々ありますが…1秒でバレる凜がかわいいかわいい。大ホラがバレて差し出した大量のお守りに「恋愛成就」が紛れ込んでてちょっと笑った。意外と普通のオンナノコなのね(笑。凜のホラはともかく実際400カタナって200km/h出るのかな。カタナも1100だとカンタンに出るけどノーマルだとフレームがヨレて絶叫マシンになっちゃう。知り合いのGSX-R1100にチョイノリした時はローで120、セコで180、サードで以下略なんて阿呆な加速を味わいましたが、来夢先輩の12Rは今どきのメガスポーツだけにもっと酷いんだろうな。スピード出過ぎて300km/hリミッターを付けられちゃうくらいですからねえ。おそろしい。
「女子高生の速度自慢は微笑ましいものですなあ。我々200km/hクラブにとっては…ん?」
「バイクはコーナーリングが命!」
速度自慢で盛り上がってるバイク部の傍らで余裕を見せてた早川さんでしたが来夢先輩が差し出した色紙を見るとサッと曇って…アニメだとよく判りませんが、このシーンは原作だと「私の出した最高速は、」と書かれた紙を見せる=来夢先輩の経験を見て態度を変えるという場面なのです。何せ来夢先輩が乗る12Rは上記のとおり阿呆なバイクなので、いくらドカ750SSが魂のある名車と言えど性能面では全く歯が立ちません。とはいえ側車付きで「コーナーリング命」と言い張るのも妙な話ではあります。負けず嫌い早川さんかわいい。

「お守りで思い出した。はいこれ凜ちゃんにあげる」
ここで羽音が差し出したのは前回神様から頂戴した聖杯、いわゆるスズキの聖杯湯飲みであります。何度か復刻版が出ていますがこの聖杯は貴重なオリジナル版…凜がまず底を確認したのは、復刻版には底に[復刻版]って入っているから(芸コマ。頬ずりして無邪気に喜ぶ凜かわいい。やったー! 続いて羽音は「不死の杯」の曰くを告げます。ちなみに原作では前回の受領時にこれがスズキの湯飲みである事が明示され、キャンプ場でのコーヒーも件の湯飲みで飲んでいるんですよ。アニメではこのシーンまで湯飲みネタを引っ張りましたがテンポよく収まったため良い改変だったと思います。
「今日のルートは一路北へ」
キャンプ場を出発したご一行は恩紗の言葉どおり北へ…原作だと東へ向かうのですがこれは?と思ったらルート自体が変わっていたという(後述





「ちょっとだけ、ちょっとだけよ…いっけー!」
そんな道中 靴紐が解けたと言って隊列を離れた凜の最高速チャレンジが始まります。ライディングブーツで靴紐云々ってのが最初っから嘘丸バレ=みんなも気付いているだろうにじつに微笑ましい(笑。滑走路みたいな直線道路を前に全開くれたくなるのは単車乗りの宿命か、気合いマシマシでアクセルを開ける凜はメットの中で大盛り上がり。勇ましい音の割りにスピードメーターが60km/hってのはいろいろ大人の都合なのかな(笑。でも400って赤まで回してこの程度だっけ? ともあれここは高速度の緊張感をフルフェイスの狭い視界で表す演出がなかなかそれっぽかった。ってなトコへ悪魔の使者がほてほてと現れ…幼少時の悪夢が頭をよぎり、出発前の「躊躇なく轢け!」が頭をよぎり、すると凜は取り憑かれたようにアクセルを開け――
「逃げてよもう…しっしっ! 人懐っこいのもいい加減にしてよ!」
「よかった…よかったね…あの子たちが助かってよかったね…本当によかった」
件の聖杯が凜のメットを直撃し、その反動でフルブレーキングした凜はギリギリの所で停車。キタキツネの命を、ひいては凜の命を聖杯の不思議な力が救ったのでした。つまり幼少時の北海道体験や神様は全てここへの伏線で、凜の優しい本音が炸裂する号泣シーンは手間かけた分破壊力がありました。
「北海道ではどれだけ飛ばしてもどれだけ走っても辿り着くのはここさ。ゆったり行こうや」
ほどなくみなさんと合流したのはまたしてもセイコーマート。ここでみなさんが飲んでるソフトカツゲン私も飲みたい。イオンの北海道展でたまに売っていたりするのよね。あと北海道モノならやきそば弁当食べたい。…と原作第13話はここまで。


前述どおり原作では上富良野キャンプ場を出たあと東へ向かい、網走刑務所を経由してから宗谷岬に向かうのですがアニメではばっさりカット。言うても網走はストーリー上の意味があまり無いのでカットしても問題ないのですが、せめて止め絵の一枚二枚くらい入れてもバチは当たらんというか…「今日のルートは一路北へ」のセリフどおり上富良野キャンプ場を出て宗谷岬へ直行だと281km・5時間弱の行程なので経過時間と合わず、そもそもこれではせっかくの北海道なのにどこにも寄らない味気ないツーリングに見えてしまう。なのに宿にて凜が「脱獄囚」のTシャツを着ている=網走に寄った痕跡を見せているのがまた微妙だったり。どっちなんだよ! まあ宗谷岬への道中カットが楽しそうだったから細かいコトはキニシナーイ。
「もうここから先にオートバイで行ける道は無いんだね」
「ああ、ここが終点。後は全部帰り道だ」
日没ギリギリ宗谷岬に到着して続々と停車する一方で、横断歩道の側に問題のApe(笑)がしっかり停まっていて芸コマ。続いて例によって恩紗のクッサイセリフから日本最北端碑と記念撮影、ところが碑の側に一人の女性が立っていて…この状況を「重すぎる」と涙ぐむ凜、一方恩紗はそんな凜の肩を抱いて「自分の事は見えないものだよなあ」としみじみ。まあ凜もちょっと歯車がズレたら一人でソフトクリームを食べる子ですからね(笑
「男に振られた女性が宗谷岬からバイクダイブですわ!」
「命を大事に!」
「親が泣くわ!」
「その先は高さ100mの断崖絶壁!」
そんなこんなで、のタイミングで起きたハプニング。碑の側に立っていた謎の女性がいつの間にやらバイクに跨り、崖に向かって止まる気がないチキンレースをおっぱじめてさあ大変です。大変なのに誰も止めずスマホカメラで追ってる辺り今どきっぽい?
「…じゃなかったね」
岬のキワキワに立っていたのだから崖の先も見えてたでしょうに、とはヤボなツッコミか(笑。あの岩場にあの勢いで落ちたら無事じゃ済まないだろうけどそれはそれ、ともあれ結構みじめに着地した件の女性の正体は同学園の猿山先生!? ってトコでAパート引き。






稚内での宿のシーンは原作丸ごとほぼそのマンマ、正直「いいのかこれ?」と心配するほどでした。男に振られた傷心旅行のくだりはともかく、酔っぱらって下ネタフルアクセル、さらに妙なスイッチ(笑)が入ってアレコレまでマンマだったのは驚きです。チャレンジャーだなあ。下品な下ネタに照れる来夢先輩かわいい。原作で羽音を騙してビールを飲ませるシーンは匂いで酔っぱらった風に改変され、法令違反をサラリと避けつつ元々の流れに上手く沿わせた感じ。酔寝ではだける羽音の寝姿や剥かれてめくれ上がったシャツのシーンはアニメ化による大盛りとカラー化によってかーなーりオイシイ絵面に。全裸よりこういうのがクるようになったらおっさんです。それ以降の猿山先生ご乱心シーンは全体的に昭和エロギャグテイストだったため、肌色面積の割りにエロくささはあまり感じず。まあ本気でエロ描かれても反応に困るし(笑


などなど猿山先生ご乱心はたづ子さんから脅された来夢先輩によって終止符。あはは。

そんなこんなで一夜明けて走り出したみなさんはウィリーネタから札幌ラーメン…と思ったらここも全部カットされて早くも帰りの苫小牧フェリーターミナルです。つまり最終日の行程はぐぐる地図によると389km・6時間弱、これでは稚内へ行って帰ってきただけ(函館→上富良野→稚内→苫小牧)なのでいくらなんでも駆け足ツーリングすぎ。ベッタベタだけど止め絵の数枚でもパッパと入れて北海道を楽しんだ様子を入れてほしかった。
「この思いは北海道に置いていけ。持ち帰るのはおみやげだけだ」
夜の港で北海道に後ろ髪を引かれる羽音へ恩紗のセリフ。楽しかった北海道との別れは寂しく切なく、しかし夢の時間はもう終わり、明日からの現実と切り替えなければならない。いつにも増してクサく恥ずかしいセリフでしたが、旅の終わりに誰しも味わうセンチな気持ちを綺麗に纏めた好シーンと言えましょう。北海道への思いをポイッと投げ捨てるカットも綺麗でした。
「さようなら、北海道!」
ほどなく出航したフェリーから大きく手を振り明るく別れを告げる羽音。こういう前向きな気持ちで旅を終えられるってのは本当に素晴らしい。おっさんなんて楽しかった時間を振り返ってばかりでしたもの。ううむ。


「さあ北海道ツーリングの汚れを落とそう!」
そして夏休み明けの学校でクラスメイトと北海道ツーリングの後日談…を丸ごとカットして原作第16話「せんしゃ!!」へ。おおお何ということだ。結局ろくに観光地へ行かなかった事をクラスメイトに指摘され「何しに行ったの?」と問われた挙げ句、羽音が見事に切り返す、言わばこのツーリング話を見事に締める名セリフをオミットするとは。2話に渡った北海道ツーリングのドタバタはこのセリフを言わせるための伏線と言っても過言ではなく、さらに言うならおそらくツーリングに出掛ける全てのライダーの行動原理を代弁する一言、他のドコを切ってもここだけはカットしちゃダメでしょうに。まあロンツーから帰ってきてまず洗車ってのは時系列上自然な流れですし、次回学校での後日談シーンがある可能性が高いため今のトコは評価保留&ネタバレ自重しときます。






というわけで水着姿のお嬢さんが各々バイクと戯れる一幕で締め。ツーリングの汚れを落とすついでにおっさんのヨゴレた心も洗い流して…こんなん見たらヨゴレが溜まる一方だ。やっぱりアニメ羽音は大盛り大型、特盛り大特な凜はともかく、聖の水着が超センスすぎてどーにもこーにも(原作どおり。そしてバイクに跨りぬるぬるあわあわ泡踊りまで原作マンマやるとは思わなかった。バイクへの愛を張り合う凜が羽音に負けじとぬるぬるあわあわも頭オカシイ展開であります(原作どおり。下げ担当の凜がビターンと落車するとみなさんゾロゾロと休憩へ。泡塗れのまま炎天下に放っておいたらシミになっちゃうよ! すると一人残った世話人来夢先輩が泡を流して磨き上げ、ホッと一息も束の間。
何故バイクを洗うと雨が降るのか(あるある
今回も大胆な原作カットが見られ、ツーリング内容がざっくり抜け落ちたのは寂しかったけれど、小エピソードが丸ごとカットされたため話の繋がりにそれほど違和感を覚えず、サクサクとテンポ良くお話が進んだのは良かった。とはいえ上でも書きましたがテンポが良すぎてツーリング自体があっさり薄味になってしまったかもしれない。難しいね。
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1、2、3、らべんだー!




アバンは上富良野のキャンプ場でテント泊の早朝シーンから(原作第13話「さいこうそく!!」)。ちなみに函館(前回引きの海浜温泉)から上富良野(キャンプ場)までぐぐる地図によると455km、一部道央道を使っても6時間前後の行程らしい。前日700km・20時間耐久走破した翌日、北海道の道は走りやすいとはいえ海浜温泉→ドカ爆発の後(笑)にこの距離は結構キツそう。若いって素晴らしいね。というわけで雑魚寝テントから起き出した羽音は日の出前のモーニングコーヒー、するとほどなく地平線が明るくなり…この流れはあまりの寒さ(笑)に凜&恩紗が起き出すトコまでほぼ原作マンマですが、アニメならではの臨場感に思わず見入り。またこの雰囲気アリアリのシーンから猪木のモノマネに繋げる作り…ドラマチックをギャグで茶化すまでがセットで、そのバランスの妙が本作の面白いトコだったりします。
「ちょっとお花畑が…」
「ああトイレね」
「ん?」
早起き理由への凜の返しにハテナの羽音。イマサラ説明要らないかもですが、これは山言葉の一つで、登山隊の女性がトイレに行く時ストレートには言い難いため「お花を摘みに行く」と言って隊から離れる事に由来します。まあこの時の羽音は本当にお花畑に行ってたんですけどね(笑
その後の朝食シーンは原作どおりセイコーマート押しを暫し。アニメオリジナルの孫悟空カットはアニメ羽音のスタイルの良さが際立ってます。こんなボディを晒されては凜の売りが…というかアニメのバイク部はみなさん大盛り特盛りですなあ。
「スピードと言えば、ワルのみなさんはどれほどのスピードを出した事が?」
ペースが速い北海道の交通事情を話すうちに流れは最高速経験の話へ。おそらく大抵の単車乗りは公道フルアクセル・6速全開で何km/h出したか? が武勇伝の定番ネタでありましょう。単車乗り同士だけではなく高速道のSAで休憩中に話し掛けてくるドライバーがまず聞いてくるのは「大きいオートバイだね。これ何ccなの?」「何キロくらい出るの?」ですもの(笑。ちなみにこんな風に排気量を聞いてくる人々を「ナンシーさん」と呼んでいたり。閑話休題、最高速体験の話は見栄の張り合いが通例の単車界では盛って話す事が多々ありますが…1秒でバレる凜がかわいいかわいい。大ホラがバレて差し出した大量のお守りに「恋愛成就」が紛れ込んでてちょっと笑った。意外と普通のオンナノコなのね(笑。凜のホラはともかく実際400カタナって200km/h出るのかな。カタナも1100だとカンタンに出るけどノーマルだとフレームがヨレて絶叫マシンになっちゃう。知り合いのGSX-R1100にチョイノリした時はローで120、セコで180、サードで以下略なんて阿呆な加速を味わいましたが、来夢先輩の12Rは今どきのメガスポーツだけにもっと酷いんだろうな。スピード出過ぎて300km/hリミッターを付けられちゃうくらいですからねえ。おそろしい。
「女子高生の速度自慢は微笑ましいものですなあ。我々200km/hクラブにとっては…ん?」
「バイクはコーナーリングが命!」
速度自慢で盛り上がってるバイク部の傍らで余裕を見せてた早川さんでしたが来夢先輩が差し出した色紙を見るとサッと曇って…アニメだとよく判りませんが、このシーンは原作だと「私の出した最高速は、」と書かれた紙を見せる=来夢先輩の経験を見て態度を変えるという場面なのです。何せ来夢先輩が乗る12Rは上記のとおり阿呆なバイクなので、いくらドカ750SSが魂のある名車と言えど性能面では全く歯が立ちません。とはいえ側車付きで「コーナーリング命」と言い張るのも妙な話ではあります。負けず嫌い早川さんかわいい。

「お守りで思い出した。はいこれ凜ちゃんにあげる」
ここで羽音が差し出したのは前回神様から頂戴した聖杯、いわゆるスズキの聖杯湯飲みであります。何度か復刻版が出ていますがこの聖杯は貴重なオリジナル版…凜がまず底を確認したのは、復刻版には底に[復刻版]って入っているから(芸コマ。頬ずりして無邪気に喜ぶ凜かわいい。やったー! 続いて羽音は「不死の杯」の曰くを告げます。ちなみに原作では前回の受領時にこれがスズキの湯飲みである事が明示され、キャンプ場でのコーヒーも件の湯飲みで飲んでいるんですよ。アニメではこのシーンまで湯飲みネタを引っ張りましたがテンポよく収まったため良い改変だったと思います。
「今日のルートは一路北へ」
キャンプ場を出発したご一行は恩紗の言葉どおり北へ…原作だと東へ向かうのですがこれは?と思ったらルート自体が変わっていたという(後述





「ちょっとだけ、ちょっとだけよ…いっけー!」
そんな道中 靴紐が解けたと言って隊列を離れた凜の最高速チャレンジが始まります。ライディングブーツで靴紐云々ってのが最初っから嘘丸バレ=みんなも気付いているだろうにじつに微笑ましい(笑。滑走路みたいな直線道路を前に全開くれたくなるのは単車乗りの宿命か、気合いマシマシでアクセルを開ける凜はメットの中で大盛り上がり。勇ましい音の割りにスピードメーターが60km/hってのはいろいろ大人の都合なのかな(笑。でも400って赤まで回してこの程度だっけ? ともあれここは高速度の緊張感をフルフェイスの狭い視界で表す演出がなかなかそれっぽかった。ってなトコへ悪魔の使者がほてほてと現れ…幼少時の悪夢が頭をよぎり、出発前の「躊躇なく轢け!」が頭をよぎり、すると凜は取り憑かれたようにアクセルを開け――
「逃げてよもう…しっしっ! 人懐っこいのもいい加減にしてよ!」
「よかった…よかったね…あの子たちが助かってよかったね…本当によかった」
件の聖杯が凜のメットを直撃し、その反動でフルブレーキングした凜はギリギリの所で停車。キタキツネの命を、ひいては凜の命を聖杯の不思議な力が救ったのでした。つまり幼少時の北海道体験や神様は全てここへの伏線で、凜の優しい本音が炸裂する号泣シーンは手間かけた分破壊力がありました。
「北海道ではどれだけ飛ばしてもどれだけ走っても辿り着くのはここさ。ゆったり行こうや」
ほどなくみなさんと合流したのはまたしてもセイコーマート。ここでみなさんが飲んでるソフトカツゲン私も飲みたい。イオンの北海道展でたまに売っていたりするのよね。あと北海道モノならやきそば弁当食べたい。…と原作第13話はここまで。


前述どおり原作では上富良野キャンプ場を出たあと東へ向かい、網走刑務所を経由してから宗谷岬に向かうのですがアニメではばっさりカット。言うても網走はストーリー上の意味があまり無いのでカットしても問題ないのですが、せめて止め絵の一枚二枚くらい入れてもバチは当たらんというか…「今日のルートは一路北へ」のセリフどおり上富良野キャンプ場を出て宗谷岬へ直行だと281km・5時間弱の行程なので経過時間と合わず、そもそもこれではせっかくの北海道なのにどこにも寄らない味気ないツーリングに見えてしまう。なのに宿にて凜が「脱獄囚」のTシャツを着ている=網走に寄った痕跡を見せているのがまた微妙だったり。どっちなんだよ! まあ宗谷岬への道中カットが楽しそうだったから細かいコトはキニシナーイ。
「もうここから先にオートバイで行ける道は無いんだね」
「ああ、ここが終点。後は全部帰り道だ」
日没ギリギリ宗谷岬に到着して続々と停車する一方で、横断歩道の側に問題のApe(笑)がしっかり停まっていて芸コマ。続いて例によって恩紗のクッサイセリフから日本最北端碑と記念撮影、ところが碑の側に一人の女性が立っていて…この状況を「重すぎる」と涙ぐむ凜、一方恩紗はそんな凜の肩を抱いて「自分の事は見えないものだよなあ」としみじみ。まあ凜もちょっと歯車がズレたら一人でソフトクリームを食べる子ですからね(笑
「男に振られた女性が宗谷岬からバイクダイブですわ!」
「命を大事に!」
「親が泣くわ!」
「その先は高さ100mの断崖絶壁!」
そんなこんなで、のタイミングで起きたハプニング。碑の側に立っていた謎の女性がいつの間にやらバイクに跨り、崖に向かって止まる気がないチキンレースをおっぱじめてさあ大変です。大変なのに誰も止めずスマホカメラで追ってる辺り今どきっぽい?
「…じゃなかったね」
岬のキワキワに立っていたのだから崖の先も見えてたでしょうに、とはヤボなツッコミか(笑。あの岩場にあの勢いで落ちたら無事じゃ済まないだろうけどそれはそれ、ともあれ結構みじめに着地した件の女性の正体は同学園の猿山先生!? ってトコでAパート引き。






稚内での宿のシーンは原作丸ごとほぼそのマンマ、正直「いいのかこれ?」と心配するほどでした。男に振られた傷心旅行のくだりはともかく、酔っぱらって下ネタフルアクセル、さらに妙なスイッチ(笑)が入ってアレコレまでマンマだったのは驚きです。チャレンジャーだなあ。下品な下ネタに照れる来夢先輩かわいい。原作で羽音を騙してビールを飲ませるシーンは匂いで酔っぱらった風に改変され、法令違反をサラリと避けつつ元々の流れに上手く沿わせた感じ。酔寝ではだける羽音の寝姿や剥かれてめくれ上がったシャツのシーンはアニメ化による大盛りとカラー化によってかーなーりオイシイ絵面に。全裸よりこういうのがクるようになったらおっさんです。それ以降の猿山先生ご乱心シーンは全体的に昭和エロギャグテイストだったため、肌色面積の割りにエロくささはあまり感じず。まあ本気でエロ描かれても反応に困るし(笑


などなど猿山先生ご乱心はたづ子さんから脅された来夢先輩によって終止符。あはは。

そんなこんなで一夜明けて走り出したみなさんはウィリーネタから札幌ラーメン…と思ったらここも全部カットされて早くも帰りの苫小牧フェリーターミナルです。つまり最終日の行程はぐぐる地図によると389km・6時間弱、これでは稚内へ行って帰ってきただけ(函館→上富良野→稚内→苫小牧)なのでいくらなんでも駆け足ツーリングすぎ。ベッタベタだけど止め絵の数枚でもパッパと入れて北海道を楽しんだ様子を入れてほしかった。
「この思いは北海道に置いていけ。持ち帰るのはおみやげだけだ」
夜の港で北海道に後ろ髪を引かれる羽音へ恩紗のセリフ。楽しかった北海道との別れは寂しく切なく、しかし夢の時間はもう終わり、明日からの現実と切り替えなければならない。いつにも増してクサく恥ずかしいセリフでしたが、旅の終わりに誰しも味わうセンチな気持ちを綺麗に纏めた好シーンと言えましょう。北海道への思いをポイッと投げ捨てるカットも綺麗でした。
「さようなら、北海道!」
ほどなく出航したフェリーから大きく手を振り明るく別れを告げる羽音。こういう前向きな気持ちで旅を終えられるってのは本当に素晴らしい。おっさんなんて楽しかった時間を振り返ってばかりでしたもの。ううむ。


「さあ北海道ツーリングの汚れを落とそう!」
そして夏休み明けの学校でクラスメイトと北海道ツーリングの後日談…を丸ごとカットして原作第16話「せんしゃ!!」へ。おおお何ということだ。結局ろくに観光地へ行かなかった事をクラスメイトに指摘され「何しに行ったの?」と問われた挙げ句、羽音が見事に切り返す、言わばこのツーリング話を見事に締める名セリフをオミットするとは。2話に渡った北海道ツーリングのドタバタはこのセリフを言わせるための伏線と言っても過言ではなく、さらに言うならおそらくツーリングに出掛ける全てのライダーの行動原理を代弁する一言、他のドコを切ってもここだけはカットしちゃダメでしょうに。まあロンツーから帰ってきてまず洗車ってのは時系列上自然な流れですし、次回学校での後日談シーンがある可能性が高いため今のトコは評価保留&ネタバレ自重しときます。






というわけで水着姿のお嬢さんが各々バイクと戯れる一幕で締め。ツーリングの汚れを落とすついでにおっさんのヨゴレた心も洗い流して…こんなん見たらヨゴレが溜まる一方だ。やっぱりアニメ羽音は大盛り大型、特盛り大特な凜はともかく、聖の水着が超センスすぎてどーにもこーにも(原作どおり。そしてバイクに跨りぬるぬるあわあわ泡踊りまで原作マンマやるとは思わなかった。バイクへの愛を張り合う凜が羽音に負けじとぬるぬるあわあわも頭オカシイ展開であります(原作どおり。下げ担当の凜がビターンと落車するとみなさんゾロゾロと休憩へ。泡塗れのまま炎天下に放っておいたらシミになっちゃうよ! すると一人残った世話人来夢先輩が泡を流して磨き上げ、ホッと一息も束の間。
何故バイクを洗うと雨が降るのか(あるある
今回も大胆な原作カットが見られ、ツーリング内容がざっくり抜け落ちたのは寂しかったけれど、小エピソードが丸ごとカットされたため話の繋がりにそれほど違和感を覚えず、サクサクとテンポ良くお話が進んだのは良かった。とはいえ上でも書きましたがテンポが良すぎてツーリング自体があっさり薄味になってしまったかもしれない。難しいね。
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