2016-05-18(Wed)
ばくおん!! #07 ぶんかさい!!
丘女祭 バイクダービー開幕!

各メーカーの威信を懸けた闘いを制する者は!?

前回「じゅんび!!」でレース用マシンが揃った今回はサッサと文化祭当日、原作第21話「ぶんかさい!!」の導入どおりまずはメイドスタイルのレース用コスチュームお披露目です。
「みなさんレース用コスチュームがお似合いですわ。じつにプロレタリアートっぽくて!」
「恩紗ちゃん、プロレタリアートって?」
「そりゃ羽音お前…アートって事は芸術だよ、プロフェッショナルな感じの?」
さすが本物のブルジョアたる聖は仲間相手でもナチュラルに凄いコトを言います。とはいえ言われてる方は判ってないのでまあいいか(笑

コースは校庭を半周後階段坂を登って校舎外周→中庭をぐるっと回り、再び階段坂を下りてグラウンド半周しスタートゲートをくぐって1ラップ。これを10周で競う結構長丁場なレースであります。原作では校舎とグラウンドが面一で例の「エキサイトバイク」要素としてジャンプ台が設置されていますが、アニメではグラウンドが一段低くされジャンプ台の代わりに階段坂を設定。コースには前話で聖が拘っていた「上を通り過ぎるとバイクのエンジンが何故か冷える板」も設置されレースへの準備は万端、残る仕事は「営業」です。
「私を買って~! 私を買ってくださ~い!」
名目が賭けレースなので羽音のセールストークはあながち間違いではないのだけれど、ジョシコーセーが往来でそんなん言っちゃダメだろ的な(笑。そんなこんなでまずは聖のクラスへ出向いて営業開始。このシーンは原作だと聖のクラスの出し物「ビッグ錠カフェ(ビッグ錠のマンガに出てくるトンデモ料理が食べられるカフェ)」がフォーカスされますがアニメでは全カット、黒板/窓ガラスの文字に僅かな痕跡が見られるだけでサラッと流されました。許可云々以前に通じる対象がピンポイントすぎるためカットも止む無しか。

「どれだけ知らないって言っても国内四大メーカーとカタナは知ってるでしょ?」
「四大バイクメーカーって言うと…ホンダ、ヤマハ、カワサキ、、あとMr.ハーレーダビッドソン!」
バイクの事をまったく知らないブルジョア組お嬢様のご尤もなお言葉。実際リアルのジョシコーセーに「四大メーカーは?」と訊いたらホンダ以外出て来ないかもしれない。ヤマハは楽器、川崎重工は船や電車、スズキはアルトだろうし、単車乗りには常識中の常識である四大メーカーも興味が無い人には判らんでしょう。たいていのバイク馬鹿がジョシコーセーに人気のブランドを全く知らないのと同じです。というか「四大メーカーとカタナ」って辺り凜の並外れたカタナ信仰が窺えてほっこり(笑。続いてメーカー代表選手の紹介では来夢先輩がいつもの12Rからカワサキ エプシロン250というハンデを発表、乗り手を考えればこれでもユルいハンデかも? 来夢先輩ならチョイノリでもカタナをぶち抜きそうですし。その後 羽音や恩紗に賭ける子が現れる中でスズキの不人気に拗ねる凜、すると先の子がスッと近付いて――
「私はあなたに賭けるわ」
「あなた…スズキがバイク作ってた事知らなかったじゃない?」
「ええ、でももう知ってるわ」
凜の熱意に打たれたB組女子とのちょっといいシーン。お嬢様らしい真っ直ぐな瞳で見つめられて照れちゃう凜がかわいい。

「レディース&ジェントルメン! &おとっつぁんおっかさん!」
「やってきました本日のメインイベント、史上初! 女子高生によるメーカー対抗バイクダービー!」
「司会は悪のベーダー軍団・ヒジリアン女王がお送りしまーす!」
ほどなくテンションマシマシの聖による開幕宣言、ここは原作どおりへドリアン女王のそのまんまコスで登場してきました。トニー谷の口上までマンマです。750SS側車からクラウザー・ドマーニに乗り換えたのも原作ママですが走行しながらの実況中継はオミット。走ってるトコ見たかったな。羽音たちの速度変化を自然に表現する良い小道具だったのでオミットは残念でした。
「勝つのはあのバイクだ」
暗い通路を抜けた羽音たちは光と歓声が溢れる会場へ。結構お約束な絵面ですがやはりこういう効果はアニメならではでしょう。ただ大仰な演出の割にガラガラのスタンド席はちょっとショボかった。スタンド側からの次カットでは結構入っているのでなおさら先カットに違和感を覚えてしまいます。要修正? そしてスタンドから声援を送る由女ちゃんに続いて例の「神様」がチラリと登場。これはアニメオリジナルの改変ですが結果的にかなり重いヒトコトになり、またこのペースだともう1回出番があるはずなので顔つなぎ的にも効果的な改変でした。スタンドからの声援を受けてアツく燃える各選手、そんな中で一人天を仰ぐ来夢先輩。
「そういえば来夢先輩には応援してくれる友達いるのかな?」


羽音のヒトコトからシーンは一転してドコぞのサーキットへ。
「あれ? 王様に押し掛け大将先輩。何見てんすか?」
「猿顔ピアスか。日本の女子高生たちのレースだ」
原作では「バレンシアサーキット」のMotoGP最終戦早朝6時とありますがアニメではそこまで明記されず、まあ映像から察してください的な。そんなサーキットスタンドにてタブレットを眺めながら話すおっさんたちはそのニックネームから判る人には判る存在で、「友達いるのかな?」と心配された来夢先輩の交友関係の強烈さ(笑)を示す重要なシーンでもあります。ちなみに「王様」はキングケニー(Kenny Roberts)、「押し掛け大将」はファーストフレディ(Freddie Spencer)、「猿顔ピアス」は今だ現役のロッシフミ(Valentino Rossi)…そういや作中年(2011年)はドカに乗ってたっけ。私的に押し掛け大将といえばロケットロン(Ronald Haslam)なんですけどね。ともあれこのシーンは原作だとかなり濃いぃ回想語り(来夢先輩リスペクト話)があるのですがアニメでは全てオミット…これまたネタ自体が結構不謹慎なのでオミット止む無しか。それにしても往年の名ライダーすら勝てなかった来夢先輩って…。
「一番不人気のカワサキ選んじゃったわー」
一方学校ではバイクダービーの投票に盛り上がっていました。ってなトコへ現れたたづ子さんは来夢先輩の不人気にニヤマリ、親から借りた300万をここぞとばかりぶち込むも、そのせいでオッズが急変しガガントス! ここは原作以上のゲス顔が強烈でしたが全体的にカネへの執着はかなり薄められてた感じ。
ほどなく聖の角笛を合図に各車一斉にスタート! 意外というか当然というかスタートダッシュでポーンと飛び出した来夢先輩でしたが、次の瞬間後輪をロックさせたと同時にケツを浮かせてそのまま前転&ガッシャーン! 原作ではここでたづ子さんの「まさか来夢先輩はオートマが運転できない!?」と説明ともつかぬセリフが入りますが…ありそうな話であえて理由を考えるなら、シフトチェンジのクラッチを握るつもりでリヤブレーキを思いっきり握ってしまった? 前後連動ブレーキのエプシロンで両輪ロックするまで握り込み、スタート直後の前傾姿勢+ダートコース、しかもニコイチモータース提供の車両(笑)という点を考えれば十分起こりえる自爆クラッシュかも。かく言う私も似たような事を何度かやりましたし(笑。とはいえこの自爆は普通に見てると「いきなり何が!?」なので何かしら演出上の工夫が欲しかった。まあ細々理屈を付けず単に「手懐ける前の荒馬から振り落とされた」みたいなオカルト的落車でも来夢先輩ならオケオケオッケーなんですけどね(笑。その自爆クラッシュ自体の映像はもんどり打ってカメラに突っ込み中継が途絶える一瞬まで臨場感アリアリ、間髪入れず叫ぶたづ子さんへの繋がりも良かった。さて自爆後ぴくりとも動かない来夢先輩はどうするどうなる? というか安全第一を謳う割りに倒れたまま放置、コースマーシャルすらいないなんて危険が危ない(笑


一方無事にスタートを切った羽音たちは来夢先輩を心配しつつもメーカーの威信を賭けてアツい勝負へ! コーナードンガメの直線番長、羽音に至っては追加されたウインカーをピカピカさせて曲がる絵面が果てしなくほんわかです(笑。ジャンプ台代わりの階段坂もゆっくり登って安全第一、レースと呼ぶにはどこまでものんびりした展開でありました。それでも直線路に入ればそれなりにスピードを乗せ、カタナの後でタイミングを待つさんま、さんまの煙に巻かれるスーフォア(って書くと焼き魚みたい)の順でラップを重ねていきます。せっかく作った謎の板を完スルーされて膨れる聖は原作絵の方がかわいかったかも。

「この煙どうにか…そっかぁ、私が先頭に立てば全部解決じゃん!」
確かにさんまの後は煙くてたまらん(笑。というわけでアクセルを思いっきり開けてさんまを抜き、その勢いでカタナも抜いてトップに躍り出た羽音。HYPER VTECの作動音も相まって羽音の覚醒(?)はなかなか爽快でした。一方倒れたままだった来夢先輩はたづ子さんからのコールを受けて力強く立ち上がり…ここだけ見るとたづ子さんの愛と誤解しそう。結局は親を騙して借りた300万を心配していただけでしたが(笑。ちなみに原作ではここへ至るまでかーなーりゲスな恨み言が続き、レース復帰後も延々とカネの話を呟き続けるため同じ状況でも印象が全然違います。それはともかく倒れたエプシロンを起こした先輩はスタンドを掛けて正面へ回り、メットのバイザーを開けて対峙。
「来夢先輩は我々がバイクに乗るのとは根本的に違うのさ」
「彼女の前では全てのバイクが命を捧げる」
来夢先輩に睨まれたエプシロンはガタガタ震え、従順の証の如くエンジンを再始動させてレース復帰! 中継を見ていた往年のライダーはしたり顔でニヤリであります。来夢先輩ってばいったい何者なんだ(イマサラ

復活した来夢先輩の鬼神の如き追い上げに引きずられた恩紗は先行するカタナへ仕掛け、凜のスズキ愛と恩紗の意地によってアツいバトルがスタート。とはいえオーバースピードでコースアウトした羽音のシーンがカットされ、また周回数とレース展開&係る実況シーンも大幅カットされてしまったためレースの流れがよく判らなくなってしまったかも。3XVより速い3MAに乗りつつ400カタナを抜けない不条理も原作では「ヘタレハングオン」の小ネタによってフォロー(?)され、それはレプリカ乗りへの痛烈な皮肉にもなっているのですがアニメでは全カットで残念。
「お姉ちゃん、そのバイクには翼があるよ」
階段坂を安全に下りた先行2台を追う羽音は気合いを入れて大ジャンプ! たくさん付けたミラー&ウインカーの軌跡が翼となって由女ちゃんの瞳に映る、原作では1コマのカットにアニメの動き&音が加わってより印象的なシーンとなりました。自由の翼を纏って空を飛ぶ羽音の笑顔も良かった。ちなみに原作ではジャンプ台の周囲がダートコースになっていて、先行の2台がダートでモタモタやってるトコへ大ジャンプで追い付き!という展開なのですが、階段坂ジャンプで追い付くアニメ版の方が自然に思えます。
「そして来夢選手もジャーンプ!」
羽音以上に豪快な大ジャンプをキメてついにトップに躍り出た来夢先輩。しかしスクーターの加速力では他三台に敵わず並ばれ…ってなトコで例の板を通過すると急激に冷やされたエンジンがドッカーン!(よく飛ぶ。コース上で追い込みを掛ける三台と空中からゴールを目指すエプシロン、ほとんど同着の中でゴールラインを最初に越えたのはどのバイクだ!? というか来夢先輩よく死なないな(笑


「これは奇跡だ…バイクにまるで興味が無かった女子たちがあんなに必死に…」
際どいゴールの後「どのメーカーのバイクが一番か?」について大モメの観客たち。ってな光景を見て感動に震える恩紗でしたが…モメてる原因はバイクの優劣じゃなくて掛け金だと思うよ(笑。そしてほどなく発表された写真判定によって勝者はカタナ400の凜にけってーい!
「スズキが勝ったー! スズキを選んだあなたたちが勝ったのよ!」
「みんな! これからも最高のメーカー、スズキを選べ! スズキを買え!」
原作屈指の名シーン、勝者の雄叫びを上げる凜のシーンは思ったよりあっさりでした。ここはもっとコッテコテに濃いぃ演出が欲しかったなあ。ワゴンR、スイフト、他に何売ってたっけ?の声に「バイクは!?」の後にB組のあの子がクスッと笑う演出は良かった。バイク部以外に友達がいない凜の初めての友達になれそう?


レース終了と共に神様は姿を消し、300万スッてしまったたづ子さんは校長権限を発動しレース無効に!…猿山先生のささやかな幸せを見て思い直す辺り根っからのゲスではないみたいです(笑
「ねえ千雨ちゃん、来年ここ受けるんでしょ? やっぱりバイク通学できるから?」
「バイクってのは公道なんかで乗るもんじゃないんだよ」
そしてそして由女ちゃんと一緒にレースを見ていた、悟りきって冷めてる謎のツインテ少女を顔見せして締め。チサメきた! 声のイメージはいまいち違ったけど聞いてるうちに慣れるでしょう。千雨が加わるとお話が膨らむので本格参戦が楽しみ。
今回は予想どおり文化祭レースを1話で纏めてきました。オミットされた小ネタもほぼ予想どおりで、予想外のコース改変はアニメ演出的にも上手く機能していたと思います。ただやはりレースそのものをカットしすぎたためレース展開がよく判らず、クール前半のヤマ場の割りにあっさり終わってしまった感じ。あとゴール後の凜の雄叫び「スズキを選べ! スズキを買え!」がイマイチ心に響かなかった。ここは軽く狂気じみた原作凜の迫力勝ちだなあ。そういや番組最後のコーションで賭博行為云々が追加されててちょっと笑った。今の世はギャグアニメも大変です。
さて次回サブタイは原作に無い「ふゆやすみ!!」、おそらくそのサブタイどおり第4巻・第24~28話の冬休み中イベントから抜粋して1本に纏めるのでしょう。というわけで今回までで原作第3巻を終了。後追いする方は3巻まで読んで大丈夫ですよ(ステマ

アイキャッチはSUZUKI GSX1300R ハヤブサ。1340cc・197psのエンジンを搭載した、最高速度300km/h以上を叩き出すスズキが誇るメガスポーツであります。
↓記事が役立ったら一票どうぞ。

各メーカーの威信を懸けた闘いを制する者は!?

前回「じゅんび!!」でレース用マシンが揃った今回はサッサと文化祭当日、原作第21話「ぶんかさい!!」の導入どおりまずはメイドスタイルのレース用コスチュームお披露目です。
「みなさんレース用コスチュームがお似合いですわ。じつにプロレタリアートっぽくて!」
「恩紗ちゃん、プロレタリアートって?」
「そりゃ羽音お前…アートって事は芸術だよ、プロフェッショナルな感じの?」
さすが本物のブルジョアたる聖は仲間相手でもナチュラルに凄いコトを言います。とはいえ言われてる方は判ってないのでまあいいか(笑

コースは校庭を半周後階段坂を登って校舎外周→中庭をぐるっと回り、再び階段坂を下りてグラウンド半周しスタートゲートをくぐって1ラップ。これを10周で競う結構長丁場なレースであります。原作では校舎とグラウンドが面一で例の「エキサイトバイク」要素としてジャンプ台が設置されていますが、アニメではグラウンドが一段低くされジャンプ台の代わりに階段坂を設定。コースには前話で聖が拘っていた「上を通り過ぎるとバイクのエンジンが何故か冷える板」も設置されレースへの準備は万端、残る仕事は「営業」です。
「私を買って~! 私を買ってくださ~い!」
名目が賭けレースなので羽音のセールストークはあながち間違いではないのだけれど、ジョシコーセーが往来でそんなん言っちゃダメだろ的な(笑。そんなこんなでまずは聖のクラスへ出向いて営業開始。このシーンは原作だと聖のクラスの出し物「ビッグ錠カフェ(ビッグ錠のマンガに出てくるトンデモ料理が食べられるカフェ)」がフォーカスされますがアニメでは全カット、黒板/窓ガラスの文字に僅かな痕跡が見られるだけでサラッと流されました。許可云々以前に通じる対象がピンポイントすぎるためカットも止む無しか。

「どれだけ知らないって言っても国内四大メーカーとカタナは知ってるでしょ?」
「四大バイクメーカーって言うと…ホンダ、ヤマハ、カワサキ、、あとMr.ハーレーダビッドソン!」
バイクの事をまったく知らないブルジョア組お嬢様のご尤もなお言葉。実際リアルのジョシコーセーに「四大メーカーは?」と訊いたらホンダ以外出て来ないかもしれない。ヤマハは楽器、川崎重工は船や電車、スズキはアルトだろうし、単車乗りには常識中の常識である四大メーカーも興味が無い人には判らんでしょう。たいていのバイク馬鹿がジョシコーセーに人気のブランドを全く知らないのと同じです。というか「四大メーカーとカタナ」って辺り凜の並外れたカタナ信仰が窺えてほっこり(笑。続いてメーカー代表選手の紹介では来夢先輩がいつもの12Rからカワサキ エプシロン250というハンデを発表、乗り手を考えればこれでもユルいハンデかも? 来夢先輩ならチョイノリでもカタナをぶち抜きそうですし。その後 羽音や恩紗に賭ける子が現れる中でスズキの不人気に拗ねる凜、すると先の子がスッと近付いて――
「私はあなたに賭けるわ」
「あなた…スズキがバイク作ってた事知らなかったじゃない?」
「ええ、でももう知ってるわ」
凜の熱意に打たれたB組女子とのちょっといいシーン。お嬢様らしい真っ直ぐな瞳で見つめられて照れちゃう凜がかわいい。

「レディース&ジェントルメン! &おとっつぁんおっかさん!」
「やってきました本日のメインイベント、史上初! 女子高生によるメーカー対抗バイクダービー!」
「司会は悪のベーダー軍団・ヒジリアン女王がお送りしまーす!」
ほどなくテンションマシマシの聖による開幕宣言、ここは原作どおりへドリアン女王のそのまんまコスで登場してきました。トニー谷の口上までマンマです。750SS側車からクラウザー・ドマーニに乗り換えたのも原作ママですが走行しながらの実況中継はオミット。走ってるトコ見たかったな。羽音たちの速度変化を自然に表現する良い小道具だったのでオミットは残念でした。
「勝つのはあのバイクだ」
暗い通路を抜けた羽音たちは光と歓声が溢れる会場へ。結構お約束な絵面ですがやはりこういう効果はアニメならではでしょう。ただ大仰な演出の割にガラガラのスタンド席はちょっとショボかった。スタンド側からの次カットでは結構入っているのでなおさら先カットに違和感を覚えてしまいます。要修正? そしてスタンドから声援を送る由女ちゃんに続いて例の「神様」がチラリと登場。これはアニメオリジナルの改変ですが結果的にかなり重いヒトコトになり、またこのペースだともう1回出番があるはずなので顔つなぎ的にも効果的な改変でした。スタンドからの声援を受けてアツく燃える各選手、そんな中で一人天を仰ぐ来夢先輩。
「そういえば来夢先輩には応援してくれる友達いるのかな?」


羽音のヒトコトからシーンは一転してドコぞのサーキットへ。
「あれ? 王様に押し掛け大将先輩。何見てんすか?」
「猿顔ピアスか。日本の女子高生たちのレースだ」
原作では「バレンシアサーキット」のMotoGP最終戦早朝6時とありますがアニメではそこまで明記されず、まあ映像から察してください的な。そんなサーキットスタンドにてタブレットを眺めながら話すおっさんたちはそのニックネームから判る人には判る存在で、「友達いるのかな?」と心配された来夢先輩の交友関係の強烈さ(笑)を示す重要なシーンでもあります。ちなみに「王様」はキングケニー(Kenny Roberts)、「押し掛け大将」はファーストフレディ(Freddie Spencer)、「猿顔ピアス」は今だ現役のロッシフミ(Valentino Rossi)…そういや作中年(2011年)はドカに乗ってたっけ。私的に押し掛け大将といえばロケットロン(Ronald Haslam)なんですけどね。ともあれこのシーンは原作だとかなり濃いぃ回想語り(来夢先輩リスペクト話)があるのですがアニメでは全てオミット…これまたネタ自体が結構不謹慎なのでオミット止む無しか。それにしても往年の名ライダーすら勝てなかった来夢先輩って…。
「一番不人気のカワサキ選んじゃったわー」
一方学校ではバイクダービーの投票に盛り上がっていました。ってなトコへ現れたたづ子さんは来夢先輩の不人気にニヤマリ、親から借りた300万をここぞとばかりぶち込むも、そのせいでオッズが急変しガガントス! ここは原作以上のゲス顔が強烈でしたが全体的にカネへの執着はかなり薄められてた感じ。
ほどなく聖の角笛を合図に各車一斉にスタート! 意外というか当然というかスタートダッシュでポーンと飛び出した来夢先輩でしたが、次の瞬間後輪をロックさせたと同時にケツを浮かせてそのまま前転&ガッシャーン! 原作ではここでたづ子さんの「まさか来夢先輩はオートマが運転できない!?」と説明ともつかぬセリフが入りますが…ありそうな話であえて理由を考えるなら、シフトチェンジのクラッチを握るつもりでリヤブレーキを思いっきり握ってしまった? 前後連動ブレーキのエプシロンで両輪ロックするまで握り込み、スタート直後の前傾姿勢+ダートコース、しかもニコイチモータース提供の車両(笑)という点を考えれば十分起こりえる自爆クラッシュかも。かく言う私も似たような事を何度かやりましたし(笑。とはいえこの自爆は普通に見てると「いきなり何が!?」なので何かしら演出上の工夫が欲しかった。まあ細々理屈を付けず単に「手懐ける前の荒馬から振り落とされた」みたいなオカルト的落車でも来夢先輩ならオケオケオッケーなんですけどね(笑。その自爆クラッシュ自体の映像はもんどり打ってカメラに突っ込み中継が途絶える一瞬まで臨場感アリアリ、間髪入れず叫ぶたづ子さんへの繋がりも良かった。さて自爆後ぴくりとも動かない来夢先輩はどうするどうなる? というか安全第一を謳う割りに倒れたまま放置、コースマーシャルすらいないなんて危険が危ない(笑


一方無事にスタートを切った羽音たちは来夢先輩を心配しつつもメーカーの威信を賭けてアツい勝負へ! コーナードンガメの直線番長、羽音に至っては追加されたウインカーをピカピカさせて曲がる絵面が果てしなくほんわかです(笑。ジャンプ台代わりの階段坂もゆっくり登って安全第一、レースと呼ぶにはどこまでものんびりした展開でありました。それでも直線路に入ればそれなりにスピードを乗せ、カタナの後でタイミングを待つさんま、さんまの煙に巻かれるスーフォア(って書くと焼き魚みたい)の順でラップを重ねていきます。せっかく作った謎の板を完スルーされて膨れる聖は原作絵の方がかわいかったかも。

「この煙どうにか…そっかぁ、私が先頭に立てば全部解決じゃん!」
確かにさんまの後は煙くてたまらん(笑。というわけでアクセルを思いっきり開けてさんまを抜き、その勢いでカタナも抜いてトップに躍り出た羽音。HYPER VTECの作動音も相まって羽音の覚醒(?)はなかなか爽快でした。一方倒れたままだった来夢先輩はたづ子さんからのコールを受けて力強く立ち上がり…ここだけ見るとたづ子さんの愛と誤解しそう。結局は親を騙して借りた300万を心配していただけでしたが(笑。ちなみに原作ではここへ至るまでかーなーりゲスな恨み言が続き、レース復帰後も延々とカネの話を呟き続けるため同じ状況でも印象が全然違います。それはともかく倒れたエプシロンを起こした先輩はスタンドを掛けて正面へ回り、メットのバイザーを開けて対峙。
「来夢先輩は我々がバイクに乗るのとは根本的に違うのさ」
「彼女の前では全てのバイクが命を捧げる」
来夢先輩に睨まれたエプシロンはガタガタ震え、従順の証の如くエンジンを再始動させてレース復帰! 中継を見ていた往年のライダーはしたり顔でニヤリであります。来夢先輩ってばいったい何者なんだ(イマサラ

復活した来夢先輩の鬼神の如き追い上げに引きずられた恩紗は先行するカタナへ仕掛け、凜のスズキ愛と恩紗の意地によってアツいバトルがスタート。とはいえオーバースピードでコースアウトした羽音のシーンがカットされ、また周回数とレース展開&係る実況シーンも大幅カットされてしまったためレースの流れがよく判らなくなってしまったかも。3XVより速い3MAに乗りつつ400カタナを抜けない不条理も原作では「ヘタレハングオン」の小ネタによってフォロー(?)され、それはレプリカ乗りへの痛烈な皮肉にもなっているのですがアニメでは全カットで残念。
「お姉ちゃん、そのバイクには翼があるよ」
階段坂を安全に下りた先行2台を追う羽音は気合いを入れて大ジャンプ! たくさん付けたミラー&ウインカーの軌跡が翼となって由女ちゃんの瞳に映る、原作では1コマのカットにアニメの動き&音が加わってより印象的なシーンとなりました。自由の翼を纏って空を飛ぶ羽音の笑顔も良かった。ちなみに原作ではジャンプ台の周囲がダートコースになっていて、先行の2台がダートでモタモタやってるトコへ大ジャンプで追い付き!という展開なのですが、階段坂ジャンプで追い付くアニメ版の方が自然に思えます。
「そして来夢選手もジャーンプ!」
羽音以上に豪快な大ジャンプをキメてついにトップに躍り出た来夢先輩。しかしスクーターの加速力では他三台に敵わず並ばれ…ってなトコで例の板を通過すると急激に冷やされたエンジンがドッカーン!(よく飛ぶ。コース上で追い込みを掛ける三台と空中からゴールを目指すエプシロン、ほとんど同着の中でゴールラインを最初に越えたのはどのバイクだ!? というか来夢先輩よく死なないな(笑


「これは奇跡だ…バイクにまるで興味が無かった女子たちがあんなに必死に…」
際どいゴールの後「どのメーカーのバイクが一番か?」について大モメの観客たち。ってな光景を見て感動に震える恩紗でしたが…モメてる原因はバイクの優劣じゃなくて掛け金だと思うよ(笑。そしてほどなく発表された写真判定によって勝者はカタナ400の凜にけってーい!
「スズキが勝ったー! スズキを選んだあなたたちが勝ったのよ!」
「みんな! これからも最高のメーカー、スズキを選べ! スズキを買え!」
原作屈指の名シーン、勝者の雄叫びを上げる凜のシーンは思ったよりあっさりでした。ここはもっとコッテコテに濃いぃ演出が欲しかったなあ。ワゴンR、スイフト、他に何売ってたっけ?の声に「バイクは!?」の後にB組のあの子がクスッと笑う演出は良かった。バイク部以外に友達がいない凜の初めての友達になれそう?


レース終了と共に神様は姿を消し、300万スッてしまったたづ子さんは校長権限を発動しレース無効に!…猿山先生のささやかな幸せを見て思い直す辺り根っからのゲスではないみたいです(笑
「ねえ千雨ちゃん、来年ここ受けるんでしょ? やっぱりバイク通学できるから?」
「バイクってのは公道なんかで乗るもんじゃないんだよ」
そしてそして由女ちゃんと一緒にレースを見ていた、悟りきって冷めてる謎のツインテ少女を顔見せして締め。チサメきた! 声のイメージはいまいち違ったけど聞いてるうちに慣れるでしょう。千雨が加わるとお話が膨らむので本格参戦が楽しみ。
今回は予想どおり文化祭レースを1話で纏めてきました。オミットされた小ネタもほぼ予想どおりで、予想外のコース改変はアニメ演出的にも上手く機能していたと思います。ただやはりレースそのものをカットしすぎたためレース展開がよく判らず、クール前半のヤマ場の割りにあっさり終わってしまった感じ。あとゴール後の凜の雄叫び「スズキを選べ! スズキを買え!」がイマイチ心に響かなかった。ここは軽く狂気じみた原作凜の迫力勝ちだなあ。そういや番組最後のコーションで賭博行為云々が追加されててちょっと笑った。今の世はギャグアニメも大変です。
さて次回サブタイは原作に無い「ふゆやすみ!!」、おそらくそのサブタイどおり第4巻・第24~28話の冬休み中イベントから抜粋して1本に纏めるのでしょう。というわけで今回までで原作第3巻を終了。後追いする方は3巻まで読んで大丈夫ですよ(ステマ

アイキャッチはSUZUKI GSX1300R ハヤブサ。1340cc・197psのエンジンを搭載した、最高速度300km/h以上を叩き出すスズキが誇るメガスポーツであります。
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