2016-05-25(Wed)
ばくおん!! #08 ふゆやすみ!!
人の倍苦しむと書いて『倍苦』

人の倍 おーっ!と言うから『おーっ!と倍』
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人の倍 おーっ!と言うから『おーっ!と倍』
今回はサブタイからの予想どおり原作第4巻第24~28話(都合5話分)からの総集編というか、クリスマスからお正月にかけての冬休みエピソードをギュッと詰め込んできました。厳密に言うと原作第26話「せんでん!!」は偏りすぎ(?)、また原作第27話「みりょく!!」は時系列から外れた夏のエピソードのため丸々カット(せんでん!!の一部小ネタは採用)なので実質原作3話分と、まあいつものペースっちゃそうなんですけど。

ドテラを着込んでヤカンを下げて早朝の始動儀式は原作第26話「せんでん!!」から。今回Aパートは聖の免許云々が主軸と思っていたのでこの開幕は少々面食らってしまった。結果的にこれは「バイクと人間は同じ!」のAパート小オチに繋がる上手い改編だったと思います。バイクあるあるとして切っちゃうには惜しいネタですから。とはいえいくら厳寒の早朝でもエンジンにお湯掛けた事は無いなあ。電装怖いし錆びるし。ていうかせっかくお湯を掛けるならシリンダーヘッドじゃなくてキャブじゃない? セルモーターを回しているうちだんだん力を無くしていく描写はあるあるすぎて苦笑い、恩紗のセローみたくセルキック併用ならキックを蹴飛ばせば良いけど、セルオンリーだとバッテリージャンプするか押し掛けか…デカいバイクの押し掛けは汗どころか全体力を噴出してしまい、やっとエンジンが掛かっても乗る体力・気力が無くなってたりして(個人的あるある

「お金で解決できる事は全てお金で解決する、それが三ノ輪家の家訓ですわ!」
Aパート冒頭は聖の免許取得エピソード原作第24話「ごうかく!!」から。原作では普通に部室シーンから始まりますがアニメでは後への繋ぎかクリスマスの飾り付けをしています。お話としてはほぼ原作の流れどおり、細かい小ネタはオミットされているものの海外免許のくだりからスーパーカブでの運転練習、そして壊れた聖がスレッジハンマーを振り回すも不死身のカブは全てを受け容れ、ってなトコまでほぼ原作マンマです。というか仮にも協力企業の看板商品を怒りのまま叩き壊すエピソードを、結果的に良いお話に収まるとはいえマンマアニメ化するとは思わなかった。チャレンジャーだなあ。




というわけでニコイチモータースから練習用のカブを手に入れ、教習前に慣れるための練習が始まります。自転車にすら乗れない聖は初体験のカブに四苦八苦、プロテクターを着けてはいるものの、ミニスカ制服の女子高生がナマ脚でコケまくる映像はいろんな意味でヒヤヒヤものです。原作だとそれほど気にならないヒトコマですが動き&色&音が加わると生々しく映るというか(笑
「聖ちゃん、頭大丈夫!?」
言われるまま2速に入れるとアクセル全開でアイキャンフライ! グラウンドへの階段を駆け下り思いっきり前転してひっくり返る流れは原作よりリアルで痛々しかった。そしてすかさず羽音の「頭大丈夫?」…羽音が言うといろいろ奥深いヒトコトでしたが、聖の頭は大丈夫ではありませんでした。



瞳のハイライトが消え邪悪な影が落ちてキレッキレ、そこから問題のスレッジハンマーをガコンガコンと引きずって――
「このポンコツがぁ~っ!」
何の罪も無いカブに襲い掛かってボッコボコ!の一連は原作段階でもそれほど良い描写とは思えず、ましてや放送波に乗せるようなネタではないと思っていたため、先にも書きましたがこのシーンのマンマアニメ化には驚くばかりでした。これまで何でも思いどおりだった聖がぶつかった壁の大きさを示しているとはいえ、怒りに任せた八つ当たりでバイクを壊すってのは表現として結構ギリギリっぽい。同じようにボロボロになるとしても練習でコケすぎて壊れたのと人為的に壊すのでは天地ほど違うわけで。まあナチュラルにプロレタリアートを見下している聖の性根が露呈し、その一方でブルジョアジーの意地を見せた一幕とすれば、激高破壊のインパクトが必要だったのかもしれない。ともあれ壊れた(壊した)カブの包容力に泣き笑顔、続いて眼光鋭く立ち上がるヒトコマは聖のキャラが一皮剥けた感じ。でもこれ以降おそらく聖の見せ場が無いのよね…。
おそらくこの一連の元ネタ、一部で有名な海外動画「スーパーカブ伝説(22メートルのビルから落としても壊れないカブ)」をどうぞ。ビル落下は5分すぎくらいから。
それにしてもカブの丈夫さはシャレになりません。以前知り合いがカブのポンコツをどっかから拾ってきて、とりあえずエンジンオイルを見てみっかとドレンを開けたら何も出て来ず大笑い、どうせ死んでると思ってそこら辺に転がってた廃油を入れてキックしたら普通にエンジンが掛かって大笑いした経験があります。ちなみにカブ系のエンジンは4ストを初めてバラす時の教材(生贄とも言う)として最適、シンプルな構造ですが(当然だけど)4ストエンジンの基本パーツが全て入っていますからね。かくいう私も初めてバラした4ストはカブ系(CD50)でした。懐かしい。


「古いカブが売れて、さらにその修理をうちでやる事になるなんて、私商売の天才かも?」
このシーン/セリフは原作第26話のオチ=怪しいネット動画でポンコツ3台を売った後のセリフですが、今回アニメの展開に合わせて上手く改変されていました。そして「お前も売っちまうぞ」と言いながらセルを回すと一発始動、こんな風に「バイクには感情がある」ってな逸話は太古から数限りなくあるものです。曰く「女を乗せると機嫌が悪くなる」とか「他のバイクに色目を使うと機嫌が悪くなる」とか。ともあれそんな大発見をした恩紗は父ちゃんに報告、すると父ちゃんは「バイクも隙あらばゴロゴロしたいのさ」と真理を解いてぐぬぬの小オチ。あはは。そして晴れて原付免許を取得し、修理が済んだスペシャルカブで颯爽と登校する聖でオチ。
ちなみに聖が取り直した運転免許証は「原付」のみの緑免許。これって有効期限が「平成27年01月22日」と記載されていますが正しくは「平成26年01月23日」ですよね。まあ免許証番号が「141421356237(ルート2)」の免許証にツッコんでも仕方ないけど、ボカす必要が無い有効期限くらいは正しく記載した方が良いと思う。ちなみに冒頭のフルビット免許は「平成26年12月22日」と半端な日付、しかもフルビットなのに取得年月日が二・小・原・にしか記載されていないというテキトウさ。まあこれとて16歳の誕生日前にフルビット取得というファンタジー免許証なのでヤボなツッコミなんですけどね。


Bパートは原作第25話「クリスマス!!」から。クリスマスパーティのため羽音宅へ続々と集まるバイク部の面々、原作ではこのパーティに猿山先生も参加するのですがアニメでは存在そのものがカットされています。まあ先生が参加してもほとんど見せ場が無いためカットで正解か。
Bパートは原作第25話「クリスマス!!」から。クリスマスパーティのため羽音宅へ続々と集まるバイク部の面々、原作ではこのパーティに猿山先生も参加するのですがアニメでは存在そのものがカットされています。まあ先生が参加してもほとんど見せ場が無いためカットで正解か。
みなさん集まってさっそく始まったパーティの話題は前回レースの賞金の使い道について。ここで軽く「ヨシムラのマフラー」の振りが入ってオチへの布石、ていうかヨシムラ管を買えるくらいの賞金が出たのか。さらにサンタを信じる三年生(笑)から、信じていたコドモ凜の絶望、そしてブルジョア向けサンタのネタなど原作どおり進みます。ここは「良い子の所じゃなくて良い所の子に来るのね」というツッコミがカットされちゃって残念。ちっちゃい凜が欲しがってたタミヤ1/12カタナのプラモは私も作ったなあ、他にもRZ350改とかNSR250ストリップとか今だに飾ってあったりして。そんなこんなでプレゼント交換の前に凜がバイトで抜け出し、さっそく始まった交換会にて恩紗が当てた(?)凜フィギュアも原作マンマでしたが、落ちてから一呼吸置いてポロッと首が落ちると阿鼻叫喚!の演出が加わってインパクトありありに(笑。糊付け&セロハンテープで直したは良いけれど、パッと見た目が「事故ってギプス巻いてるライダー」になってしまって不吉極まりない。

「やっぱクリスマスプレゼントはクリスマスのうちに届けなきゃ!」
不吉なフィギュアが呼び水となったか、羽音はサンタ服を着込んで凜へクリスマスプレゼントを届けに出掛けます。いいトコあります。一方当の凛はサンタコスの三輪バイクでピザの配達…つまり凜はクリスマスの晩にも働いてカタナの維持費を稼いでいるのでした。女子高生なのに自分の稼ぎでカタナに乗っている、もうこれだけで凜のカタナ愛が伝わってきます。尊い。というかアニメの凜は全体的にゲスな部分が薄められかなりマイルド=良い子になってる感じ。
「う~ん、凜ちゃんドコだろう?」
闇雲に捜してもピザ配達で走り回っている凜を見つけるのは難しく…ってなトコでイントルーダーの神様が顕現して引き合わされる展開はアニメオリジナルでしたが、聖夜らしいドラマチックな良い改変だったかと。そういや前回も予定外(?)の神様出演がありましたし、おそらく終盤に向けての顔つなぎ的な意味もあったのかな。そんな邂逅の直前にバイトを終えた凜、原作ではここで「私のプレゼント、みんな笑ってくれたかな?」とボソッと呟くセリフがあって、要するにあの自作フィギュアは自己愛の表現ではなくパーティを盛り上げるべくウケ狙いの一品だった事が明らかになるのですがアニメではサクッとカット。みんなともっと仲良くなりたいのに上手く表せない凜の不器用さが端的に見て取れる良いセリフなのにもったいない。そして羽音との合流後 手渡されたクリスマスプレゼント「ヨシ○ラのマフラー」。これは誰しも思い付くけどベッタベタすぎて決して実行しなかったネタでしょう。あはは。
「ま、こんなヨシムラのマフラーなら付けてもいっかな」
ノーマル至上主義の凜が認めたヨシムラマフラーのオチはなかなか気が利いてる綺麗なオチ、と思いきや「ヨシワラ」て(笑。こんな風に綺麗なまま終わらせず必ずギャグで落とす辺りじつに本作らしい。

続いて原作第28話「しょうがつ!!」へ。年明けの瞬間全員でジャーンプ! は「年が変わった瞬間、私たちはこの地球上に存在していなかった!」というベッタベタなネタなのですがアニメでは触れられず。またそこからの新年メールネタやお願い事もオミット…みんなが新年メールで盛り上がっている中、誰からもメールが来ない ぼっち街道一直線の凜がかなりツボだったのに残念。
「あら? 中にタコ入ってなかった…」
というわけでおみくじで凶を引いてしまった羽音の不幸を暫し。まずはタコ焼きのタコが入っていないという地味な不幸から、犬吠埼での初日の出を目指す「房総を暴走!」でのこれまた地味ながら地味に効く不幸の数々へ。
「スーフォアの鍵 見つからなくて予備の鍵で来ちゃった」
「お? 電熱グリップの温度下がってる?」
「あれれ? いつの間にか電熱インナーまで冷めてる!」
「えー! 私 置いてけぼりなのー!?」
「寒いよー!」
真冬の高速道はバイクにとってかなりの苦行ではありますが、それなりの冬装備をしていれば我慢できないほどでも無かったりします。でも電熱グリップやら電熱インナーに頼りっぱなしの今どきの子はそうでもないらしい。贅沢な! というか電熱インナーよりハンドルカバーの方が効果あると思う。ちなみに私は500ガンマにもハンドルカバー付けてましたよ。フルカウルなので寒風防御は抜群、それどころかラジエターからの熱風でぽかぽか、さらに標準でシートヒーター装備(笑)なので冬のガンマは快適だったなあ。その分夏は灼熱地獄だけど。この高速道にて「バイク」を「オートバイ」と呼ぶ羽音との短い会話はラストへの振り、今どき「オートバイ」って呼ぶ子も珍しい? ちなみに私はblogでは「バイク」と書いていますが日常では「単車」と呼んでいます。これは二輪雑誌によっても呼称が違っていて、モーターサイクリストだと「MC」、モトライダーだと「モト」とか…さすがにモトは無いよなあと当時思った(笑
そういや今回の羽音は電熱インナーを付けた上にグリップの温度を上げすぎ=過電流でヒューズが飛んだようですが…この記事によるとホンダ純正のグリップヒーターはテールランプ系統から電源を取っているようで、つまりこのヒューズが飛ぶとテールランプも消えるはず。ところが作中の配線はヒューズボックスから直取りで、しかもNC39のヒューズボックスを見ると手前から2本目=IGN/START系統のヒューズなのでエンジン止まっちゃうんじゃ? そもそもヒューズボックスから直接電源を取る時は電源側から取るのが基本(後付けパーツの過電流で正規系統のヒューズが飛ぶのを防ぐため。もちろん分岐配線にもヒューズを入れる)なんだよね。今回みたく電熱系だけ止まるのならヒューズボックスではなく、正しく分岐させた電熱系統のヒューズが飛ばなければいけない。まあマンガ的に判りやすく見せているんだろうけどこういう嘘は気になるトコ(細かい事は気にスンナ

続いて信号待ちのエンジンストーブも冬ライダーのお約束、温まった頃に青信号で渋々発信するトコまでお約束です。あと冬ライダーの一息として街道沿いオートスナックの自販機うどんやグーテンバーガーがあればカンペキだけど今どきはすっかり絶滅してしまったようで寂しい限り。あの風情はコンビニでは味わえないんだよねえ。
「バイクってさあ、ホント大変だよな。同じ距離移動するのに何倍も疲れて苦労するんだから。人の倍苦しむと書いて『倍苦』」
「おーーーっ!」
「きっと人の倍 おーっ!と言うから『おーっ!と倍』」
辛く厳しい真冬の夜道をひた走る涙目の苦行を恩紗曰く「倍苦」、しかしその苦行をもって行き着いた犬吠埼で眺めた景色に全てが報われる。人の倍苦しんだ分 人の倍感動できる。冬場は寒いし雨が降ればずぶ濡れでろくに荷物も詰めない、この便利な世の中で何故わざわざバイクなんて不便な乗り物に乗るのか? 暖かい朝日に照らされた羽音の言葉はその答えの一つと言えましょう。走行中の涙目から一転した満面笑顔の締めもキレイでした。
などなど今回も例によって原作カットは著しかったものの、流れに沿わない部分をスパッと切って再構成したせいか、カット率(?)の割りに上手く纏まっていたような気がします。今回は原作未読でもイミフメな部分は無いのではなかろうか。そして次回は新入生のあの子が登場!? ペース早いね。

アイキャッチはYAMAHA TRICITY MW125、前二輪の三輪バイクであります。乗った事ないけどどんな乗り味なんだろ?

ドテラを着込んでヤカンを下げて早朝の始動儀式は原作第26話「せんでん!!」から。今回Aパートは聖の免許云々が主軸と思っていたのでこの開幕は少々面食らってしまった。結果的にこれは「バイクと人間は同じ!」のAパート小オチに繋がる上手い改編だったと思います。バイクあるあるとして切っちゃうには惜しいネタですから。とはいえいくら厳寒の早朝でもエンジンにお湯掛けた事は無いなあ。電装怖いし錆びるし。ていうかせっかくお湯を掛けるならシリンダーヘッドじゃなくてキャブじゃない? セルモーターを回しているうちだんだん力を無くしていく描写はあるあるすぎて苦笑い、恩紗のセローみたくセルキック併用ならキックを蹴飛ばせば良いけど、セルオンリーだとバッテリージャンプするか押し掛けか…デカいバイクの押し掛けは汗どころか全体力を噴出してしまい、やっとエンジンが掛かっても乗る体力・気力が無くなってたりして(個人的あるある

「お金で解決できる事は全てお金で解決する、それが三ノ輪家の家訓ですわ!」
Aパート冒頭は聖の免許取得エピソード原作第24話「ごうかく!!」から。原作では普通に部室シーンから始まりますがアニメでは後への繋ぎかクリスマスの飾り付けをしています。お話としてはほぼ原作の流れどおり、細かい小ネタはオミットされているものの海外免許のくだりからスーパーカブでの運転練習、そして壊れた聖がスレッジハンマーを振り回すも不死身のカブは全てを受け容れ、ってなトコまでほぼ原作マンマです。というか仮にも協力企業の看板商品を怒りのまま叩き壊すエピソードを、結果的に良いお話に収まるとはいえマンマアニメ化するとは思わなかった。チャレンジャーだなあ。




というわけでニコイチモータースから練習用のカブを手に入れ、教習前に慣れるための練習が始まります。自転車にすら乗れない聖は初体験のカブに四苦八苦、プロテクターを着けてはいるものの、ミニスカ制服の女子高生がナマ脚でコケまくる映像はいろんな意味でヒヤヒヤものです。原作だとそれほど気にならないヒトコマですが動き&色&音が加わると生々しく映るというか(笑
「聖ちゃん、頭大丈夫!?」
言われるまま2速に入れるとアクセル全開でアイキャンフライ! グラウンドへの階段を駆け下り思いっきり前転してひっくり返る流れは原作よりリアルで痛々しかった。そしてすかさず羽音の「頭大丈夫?」…羽音が言うといろいろ奥深いヒトコトでしたが、聖の頭は大丈夫ではありませんでした。



瞳のハイライトが消え邪悪な影が落ちてキレッキレ、そこから問題のスレッジハンマーをガコンガコンと引きずって――
「このポンコツがぁ~っ!」
何の罪も無いカブに襲い掛かってボッコボコ!の一連は原作段階でもそれほど良い描写とは思えず、ましてや放送波に乗せるようなネタではないと思っていたため、先にも書きましたがこのシーンのマンマアニメ化には驚くばかりでした。これまで何でも思いどおりだった聖がぶつかった壁の大きさを示しているとはいえ、怒りに任せた八つ当たりでバイクを壊すってのは表現として結構ギリギリっぽい。同じようにボロボロになるとしても練習でコケすぎて壊れたのと人為的に壊すのでは天地ほど違うわけで。まあナチュラルにプロレタリアートを見下している聖の性根が露呈し、その一方でブルジョアジーの意地を見せた一幕とすれば、激高破壊のインパクトが必要だったのかもしれない。ともあれ壊れた(壊した)カブの包容力に泣き笑顔、続いて眼光鋭く立ち上がるヒトコマは聖のキャラが一皮剥けた感じ。でもこれ以降おそらく聖の見せ場が無いのよね…。
おそらくこの一連の元ネタ、一部で有名な海外動画「スーパーカブ伝説(22メートルのビルから落としても壊れないカブ)」をどうぞ。ビル落下は5分すぎくらいから。
それにしてもカブの丈夫さはシャレになりません。以前知り合いがカブのポンコツをどっかから拾ってきて、とりあえずエンジンオイルを見てみっかとドレンを開けたら何も出て来ず大笑い、どうせ死んでると思ってそこら辺に転がってた廃油を入れてキックしたら普通にエンジンが掛かって大笑いした経験があります。ちなみにカブ系のエンジンは4ストを初めてバラす時の教材(生贄とも言う)として最適、シンプルな構造ですが(当然だけど)4ストエンジンの基本パーツが全て入っていますからね。かくいう私も初めてバラした4ストはカブ系(CD50)でした。懐かしい。


「古いカブが売れて、さらにその修理をうちでやる事になるなんて、私商売の天才かも?」
このシーン/セリフは原作第26話のオチ=怪しいネット動画でポンコツ3台を売った後のセリフですが、今回アニメの展開に合わせて上手く改変されていました。そして「お前も売っちまうぞ」と言いながらセルを回すと一発始動、こんな風に「バイクには感情がある」ってな逸話は太古から数限りなくあるものです。曰く「女を乗せると機嫌が悪くなる」とか「他のバイクに色目を使うと機嫌が悪くなる」とか。ともあれそんな大発見をした恩紗は父ちゃんに報告、すると父ちゃんは「バイクも隙あらばゴロゴロしたいのさ」と真理を解いてぐぬぬの小オチ。あはは。そして晴れて原付免許を取得し、修理が済んだスペシャルカブで颯爽と登校する聖でオチ。
ちなみに聖が取り直した運転免許証は「原付」のみの緑免許。これって有効期限が「平成27年01月22日」と記載されていますが正しくは「平成26年01月23日」ですよね。まあ免許証番号が「141421356237(ルート2)」の免許証にツッコんでも仕方ないけど、ボカす必要が無い有効期限くらいは正しく記載した方が良いと思う。ちなみに冒頭のフルビット免許は「平成26年12月22日」と半端な日付、しかもフルビットなのに取得年月日が二・小・原・にしか記載されていないというテキトウさ。まあこれとて16歳の誕生日前にフルビット取得というファンタジー免許証なのでヤボなツッコミなんですけどね。


Bパートは原作第25話「クリスマス!!」から。クリスマスパーティのため羽音宅へ続々と集まるバイク部の面々、原作ではこのパーティに猿山先生も参加するのですがアニメでは存在そのものがカットされています。まあ先生が参加してもほとんど見せ場が無いためカットで正解か。
Bパートは原作第25話「クリスマス!!」から。クリスマスパーティのため羽音宅へ続々と集まるバイク部の面々、原作ではこのパーティに猿山先生も参加するのですがアニメでは存在そのものがカットされています。まあ先生が参加してもほとんど見せ場が無いためカットで正解か。
みなさん集まってさっそく始まったパーティの話題は前回レースの賞金の使い道について。ここで軽く「ヨシムラのマフラー」の振りが入ってオチへの布石、ていうかヨシムラ管を買えるくらいの賞金が出たのか。さらにサンタを信じる三年生(笑)から、信じていたコドモ凜の絶望、そしてブルジョア向けサンタのネタなど原作どおり進みます。ここは「良い子の所じゃなくて良い所の子に来るのね」というツッコミがカットされちゃって残念。ちっちゃい凜が欲しがってたタミヤ1/12カタナのプラモは私も作ったなあ、他にもRZ350改とかNSR250ストリップとか今だに飾ってあったりして。そんなこんなでプレゼント交換の前に凜がバイトで抜け出し、さっそく始まった交換会にて恩紗が当てた(?)凜フィギュアも原作マンマでしたが、落ちてから一呼吸置いてポロッと首が落ちると阿鼻叫喚!の演出が加わってインパクトありありに(笑。糊付け&セロハンテープで直したは良いけれど、パッと見た目が「事故ってギプス巻いてるライダー」になってしまって不吉極まりない。

「やっぱクリスマスプレゼントはクリスマスのうちに届けなきゃ!」
不吉なフィギュアが呼び水となったか、羽音はサンタ服を着込んで凜へクリスマスプレゼントを届けに出掛けます。いいトコあります。一方当の凛はサンタコスの三輪バイクでピザの配達…つまり凜はクリスマスの晩にも働いてカタナの維持費を稼いでいるのでした。女子高生なのに自分の稼ぎでカタナに乗っている、もうこれだけで凜のカタナ愛が伝わってきます。尊い。というかアニメの凜は全体的にゲスな部分が薄められかなりマイルド=良い子になってる感じ。
「う~ん、凜ちゃんドコだろう?」
闇雲に捜してもピザ配達で走り回っている凜を見つけるのは難しく…ってなトコでイントルーダーの神様が顕現して引き合わされる展開はアニメオリジナルでしたが、聖夜らしいドラマチックな良い改変だったかと。そういや前回も予定外(?)の神様出演がありましたし、おそらく終盤に向けての顔つなぎ的な意味もあったのかな。そんな邂逅の直前にバイトを終えた凜、原作ではここで「私のプレゼント、みんな笑ってくれたかな?」とボソッと呟くセリフがあって、要するにあの自作フィギュアは自己愛の表現ではなくパーティを盛り上げるべくウケ狙いの一品だった事が明らかになるのですがアニメではサクッとカット。みんなともっと仲良くなりたいのに上手く表せない凜の不器用さが端的に見て取れる良いセリフなのにもったいない。そして羽音との合流後 手渡されたクリスマスプレゼント「ヨシ○ラのマフラー」。これは誰しも思い付くけどベッタベタすぎて決して実行しなかったネタでしょう。あはは。
「ま、こんなヨシムラのマフラーなら付けてもいっかな」
ノーマル至上主義の凜が認めたヨシムラマフラーのオチはなかなか気が利いてる綺麗なオチ、と思いきや「ヨシワラ」て(笑。こんな風に綺麗なまま終わらせず必ずギャグで落とす辺りじつに本作らしい。

続いて原作第28話「しょうがつ!!」へ。年明けの瞬間全員でジャーンプ! は「年が変わった瞬間、私たちはこの地球上に存在していなかった!」というベッタベタなネタなのですがアニメでは触れられず。またそこからの新年メールネタやお願い事もオミット…みんなが新年メールで盛り上がっている中、誰からもメールが来ない ぼっち街道一直線の凜がかなりツボだったのに残念。
「あら? 中にタコ入ってなかった…」
というわけでおみくじで凶を引いてしまった羽音の不幸を暫し。まずはタコ焼きのタコが入っていないという地味な不幸から、犬吠埼での初日の出を目指す「房総を暴走!」でのこれまた地味ながら地味に効く不幸の数々へ。
「スーフォアの鍵 見つからなくて予備の鍵で来ちゃった」
「お? 電熱グリップの温度下がってる?」
「あれれ? いつの間にか電熱インナーまで冷めてる!」
「えー! 私 置いてけぼりなのー!?」
「寒いよー!」
真冬の高速道はバイクにとってかなりの苦行ではありますが、それなりの冬装備をしていれば我慢できないほどでも無かったりします。でも電熱グリップやら電熱インナーに頼りっぱなしの今どきの子はそうでもないらしい。贅沢な! というか電熱インナーよりハンドルカバーの方が効果あると思う。ちなみに私は500ガンマにもハンドルカバー付けてましたよ。フルカウルなので寒風防御は抜群、それどころかラジエターからの熱風でぽかぽか、さらに標準でシートヒーター装備(笑)なので冬のガンマは快適だったなあ。その分夏は灼熱地獄だけど。この高速道にて「バイク」を「オートバイ」と呼ぶ羽音との短い会話はラストへの振り、今どき「オートバイ」って呼ぶ子も珍しい? ちなみに私はblogでは「バイク」と書いていますが日常では「単車」と呼んでいます。これは二輪雑誌によっても呼称が違っていて、モーターサイクリストだと「MC」、モトライダーだと「モト」とか…さすがにモトは無いよなあと当時思った(笑
そういや今回の羽音は電熱インナーを付けた上にグリップの温度を上げすぎ=過電流でヒューズが飛んだようですが…この記事によるとホンダ純正のグリップヒーターはテールランプ系統から電源を取っているようで、つまりこのヒューズが飛ぶとテールランプも消えるはず。ところが作中の配線はヒューズボックスから直取りで、しかもNC39のヒューズボックスを見ると手前から2本目=IGN/START系統のヒューズなのでエンジン止まっちゃうんじゃ? そもそもヒューズボックスから直接電源を取る時は電源側から取るのが基本(後付けパーツの過電流で正規系統のヒューズが飛ぶのを防ぐため。もちろん分岐配線にもヒューズを入れる)なんだよね。今回みたく電熱系だけ止まるのならヒューズボックスではなく、正しく分岐させた電熱系統のヒューズが飛ばなければいけない。まあマンガ的に判りやすく見せているんだろうけどこういう嘘は気になるトコ(細かい事は気にスンナ

続いて信号待ちのエンジンストーブも冬ライダーのお約束、温まった頃に青信号で渋々発信するトコまでお約束です。あと冬ライダーの一息として街道沿いオートスナックの自販機うどんやグーテンバーガーがあればカンペキだけど今どきはすっかり絶滅してしまったようで寂しい限り。あの風情はコンビニでは味わえないんだよねえ。
「バイクってさあ、ホント大変だよな。同じ距離移動するのに何倍も疲れて苦労するんだから。人の倍苦しむと書いて『倍苦』」
「おーーーっ!」
「きっと人の倍 おーっ!と言うから『おーっ!と倍』」
辛く厳しい真冬の夜道をひた走る涙目の苦行を恩紗曰く「倍苦」、しかしその苦行をもって行き着いた犬吠埼で眺めた景色に全てが報われる。人の倍苦しんだ分 人の倍感動できる。冬場は寒いし雨が降ればずぶ濡れでろくに荷物も詰めない、この便利な世の中で何故わざわざバイクなんて不便な乗り物に乗るのか? 暖かい朝日に照らされた羽音の言葉はその答えの一つと言えましょう。走行中の涙目から一転した満面笑顔の締めもキレイでした。
などなど今回も例によって原作カットは著しかったものの、流れに沿わない部分をスパッと切って再構成したせいか、カット率(?)の割りに上手く纏まっていたような気がします。今回は原作未読でもイミフメな部分は無いのではなかろうか。そして次回は新入生のあの子が登場!? ペース早いね。

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