2016-06-01(Wed)
ばくおん!! #09 しんにゅうせい!!
つまるところ私にとってバイクとは…。

新入生「小さめ千雨」いよいよ参戦。


アバンは丘乃上女子高の入試当日、わらわらと集まる受験生に混じって校門へ入るツインテ女の子に由女ちゃんが声を掛け…第7話ラストでチラリと顔見せした「中野千雨(ちさめ)(CV.木戸衣吹)」の本格参戦であります。アニメ放映前は原作のドコまでやるか? 千雨までは厳しいか? と思っていたけれど、ご存じの超ハイペースによって結構あっさり千雨エピソードに到達、というか千雨を出すためのハイペースだったのでしょう。ちなみにハイペースと言っても(元ネタの)けいおん梓参入は第8話なのであっちより遅いのよね。意外。
千雨参入と同時にOPも小変更がありました。イントロパートの海沿いロードで来夢先輩に続いてPCXが映った時は思わず声を上げてしまった(笑。その後の各キャラカットや部室→走行シーンなどなど、今まで不自然に空いていたスペースに千雨がぴったりハマってこれにて完成? それにしてもこのOPは曲も映像も良いなあ。聞いていると無意識に目頭がじんわり来る。


というわけで原作第29話「にゅうし!!」のとおり、案内係のテイでバイク部をサブリミナル広告(笑)するシーンから。ここは細かい会話にオミットがあるもののほぼ原作マンマの流れで、始終バイク語で話す羽音のおかしさがアニメ化でよりブーストされた感じ。実際の音声としてひたすら「ぶおん! ぶおん! ぶろろろろろ!」と続ける羽音は結構キワキワかも(笑
「小さめ千雨」
ほどなく始まった試験では先のサブリミナル(笑)が効いて問題に集中できない千雨の回想を暫し。子供の頃から千雨が抱いてきた体が小さい事へのコンプレックスやメリット、そしてポリシーである「バイクは公道で乗るものじゃない」の理由がつらつらと描かれます。かけっこ、球技、給食などなど学校生活の全てで周りに劣っていた小さめ千雨が唯一輝けたポケバイレース。千雨はそれを自らのアイデンティティとし、行く行くは公道デビューを考えるも…父ちゃんが買ったCBR1000RRに跨った瞬間 厳しい現実を叩き付けられ、サーキット以外の居場所を改めて捨てた。でもそれは頑なな思い込みによる「逃げ」であり、本人もそれが判っている。ってのがツラいトコ。

「オフロード乗りはあれをしないと死んでしまうのです」
そんなこんなで試験が終わると校舎から出てきた受験生たちへアピールを続けるバイク部の面々。オフ乗りって難儀な生き物だね(笑。ここはバイクの魅力を切々と語る恩紗の傍らで黙々と曲芸している来夢先輩が良い味、さすが先輩はスタンディングもリアホップも華麗にこなしますなあ。トライアルでは今でこそ普通のテクニックですが、実戦でこれを使いこなすルジャーンを初めて見た時の衝撃は凄かったっけ。
「バイクより自転車の方がダイエットになるよ」
原作ではここで「女子がバイクに乗る理由」や「バイクに乗るとモテる」などの話題で受験生がたくさん集まって…という流れなのですがアニメではその辺がばっさりオミットされて千雨の人払いセリフが発動。ちなみに男の場合は当然ですがバイクに乗ってモテる人は乗らなくてもモテるし、素でモテない人はバイクに乗っても(以下略。逆に女子の場合は掃き溜めに鶴的要素があるのでオタサーの姫みたいなモテ方はあるかも。


原作ではここで第30話「びょーき!!」という強烈なエピソードが入りますが、ストーリーの流れから外れている単独話なのでアニメでは全カットされ、シーンは桜の季節にパッと進んで原作第31話「そつぎょう!!」へ。千雨&由女ちゃんの合格が決まり、新入生が入ってきて、自分たちは二年生に進級する季節…つまりそれは三年生の先輩が卒業する季節でもあるのです。これまでさんざ世話になった来夢先輩が卒業してしまう、思いもしなかった(笑)現実に直面して戸惑う羽音、寂しさを漏らす恩紗。
「パーティをやるべきですわ!」
そんな中 聖は感謝の気持ちを込めた卒業パーティを提案します。このテのお約束として先輩には秘密のサプライズパーティ、その一部始終をドア外で聞いてるトコもお約束です(笑。後輩たちの気持ちを知って悶絶しちゃう先輩かわいい。一方聖は「先輩がいなくてもやっていける事を証明する」と意気を上げて前振り完了。



「この春からうちの娘が丘乃上に入るのよ」
「娘さんがうちの高校にねえ……あんたいつの間に結婚なんか!?」
シーン変わって校長室では旧友アキナからの電話にトンデモサプライズのたづ子さん。この辺の会話は原作のエグさがかなりオミットされ、それによってたづ子さんが女子高生時代から引きずっている(というか卒業し損ねた)女子中高生病(潔癖症)の重症さが薄まってしまった=来夢先輩と続くフクザツな腐れ縁と「未婚」の関係が判りにくくなってしまったけれど、たづ子さんの置いてかれっぷりが十分伝わってきたのでまあ良いか(笑。というわけで千雨の母親はたづ子さんの旧友アキナ、チームバージンとして女子高生時代にツルんでいた仲間でした。ちなみに父親は原作どおりの流れなら次回明らかになるはず。
「あなたって昔から男を寄せ付けないトコがあったじゃない?」
たづ子さんへ結婚を知らせなかった理由を語りつつシーンは女子高生時代の回想へ。峠名物パンダトレノが停まる駐車場に並ぶNSR250&MVX250…バイク一筋だった若かりし日のたづ子さんが火の粉を払う(自分では払わない)一部始終、転じて今に続く独身生活の理由が描かれていきます。MVXはツレが乗っていたけど本当に煙幕&オイル飛沫が凄まじいので後ろを走るのはムリムリムッリー! また真ん中のシリンダが焼き付いてよく止まってたなあ。そういやある日そいつが色違いのMVXに乗ってきたのでどうしたのかと思ったら「壊れて仕方ないから乗り換えた」…MVXに乗り換えてどーすんだ!と総ツッコミされた挙げ句、やっぱり焼き付きまくって相変わらずよく止まって、ある日また色違いの(略。結局彼は3台続けてMVXに乗り、ようやく「あまり焼き付かない機体(焼き付かないとは言っていない)」と出会えてめでたしめでたし。人は何故MVXから離れられないのだろう。閑話休題、たづ子さんに迫る峠小僧の正装っぷり(メットの耳とかシッポとか)の懐かしさに笑う。空き缶をヒザにガムテで貼っていればカンペキだったのに。
「バイクの勝負であなたが勝ったら付き合ってあげてもいいわ」
「ただしあなたが戦うのはあの…カワサキマッハ、来夢先輩よ」


というわけでたづ子さんを賭けた峠バトルが始まります。勢いよく飛び出したMVXの排気音は例によって現車収録? パッと見4本のサイレンサーから3つだけ煙幕上げてる後姿はじつに微笑ましく小汚い(笑。そして排気量分のハンデ30秒を過ぎて飛び出すマッハ! こっちはこっちで豪快に煙を上げ爆音を轟かせてスタートダッシュセンセーション…音と絵のタイミングがビミョーに合っていないけどやはりマッハの音は良い良い。さぶいぼ立つ。ちなみにアニメのマッハはFブレーキがディスクになったH1B、原作ではいわゆる「エグリタンク」のH1(初期型)なのに何故変更されたのだろう。CGモデルのモデルが用意できなかったのかな。余裕をかますたづ子さんが読んでる分厚いオートバイ誌も懐かしい。プルタブが取れる缶コーヒーも懐かしいな。タバコのポイ捨てを注意しに行ったのに、結果的に自分がポイ捨てしてしまった空き缶が原因で先輩大クラッシュ→MVX大勝利、なのにオートバイ誌でぶん殴ってご破算とかたづ子さんフリーダムすぎる。それにしても先輩はよく飛ぶなあ。
「来夢先輩っていつからいるんだろうね。そしていつまでいるんだろう?」

先輩の存在について少々しんみりした会話から一転しバイク部部室前でマックスターンを練習するみなさん。せっかくターンするならブラックマーク描かないと、またいくら補助輪が付いててもマックスターンで水平移動はしません(笑。マックスターンは見た目の派手さや威圧感の割りに結構簡単、停止状態からクラッチをポンと離す度胸さえあれば誰でもできちゃいます。タイヤとクラッチと世間体がボロボロになるのでお勧めしませんけど。ともあれこれをして「バイク部ここにありと全校生徒へ知らしめる!」と意気上げ上げ…アサッテの方向へガッ飛んでいる後輩たちを置いて卒業なんてできない先輩が「留年」の紙を掲げてオチ。


「ホンダCB400スーパーフォア……教習車によく使われている車種でシート高は755mm」
「スズキGSX400S、シート高は750mm」
「ヤマハセロー225、オフローダーでも低めのシート高810mm」
「あのさ千雨ちゃん、何でシート高だけなの?」
「バイクで一番大切なのは重心の位置、つまりシート高だからよ」
桜のトンネルを抜けて行き会った羽音を皮切りに通り過ぎるバイクのシート高を次々と語る千雨、ってなトコでBパートは原作第32話「しんにゅうせい!!」から。小さめ千雨が最も重要視するスペックは「シート高」なれど、それを正直に言えずシロウト相手に尤もらしい理由で煙に巻く辺りひねくれ者千雨らしい(笑
「バイクで青春しよう!!」
入学式をサッサと終えると各部活の勧誘レースがスタート。ここは「略してバイ春!!!」まで原作マンマ再現されるとは思わなかった(笑。原作にあるけいおんネタに絡めた会話はさすがにオミット、また説明会に関わる会話やネタ振りも少々整理されてペースが速くなっています。そして生徒会室にてバイク部の説明について思案する生徒会副会長をチラリ。この子は第7話で凜に賭けた子で、その縁あってか通りすがりの凜に「説明会では舞台にバイクを上げてはダメ」とバイク部に伝えるように頼み、凜も笑顔で承諾するのですが――
「何だってー! 今さらバイクが出せないなんて、そんな事何で当日に判るんだよ!」
「黒光りして脈打つエンジンを見せ付ければイチコロだと思ってましたのに…」
「あと1時間しか無いよ」
「せめて昨日の段階で判ってたら何か手が打てたのに」
明けて翌日 説明会直前のバイク部部室に響く嘆き声。昨日言付けを快諾したはずの凜は当日ギリギリまで黙っていた=バイク部の説明会計画をご破算にして恥をかかせる算段なのでした。などなど原作では凜の性格の悪さがよく判るヒトコマなのですがアニメではほぼオミットされたためほとんど判らなくなってしまった。あと細かい事を言うと聖のセリフが「黒光りして脈打つエンジンを見せ付ければ女性は皆乗りたがりますわ」から改変されちゃって残念(そんなん放送でけん


「…以上軽音部による『じゃがいもは主食』の演奏でした。次はバイク部のみなさんです」
そうこうしているうちに部活説明会は淡々と進み、軽音部の小ネタをサラリと流していよいよバイク部の出番であります。先のとおりギリギリで作戦が白紙になったバイク部はいったいどうするどうなる? と思いきや。
「みんなで乗ろうよ楽しいバイク♪」
ハンドルを持ってステージに現れた四人娘はバイク部の歌でパフォーマンスを始めます。ここは原作だと結構あっさり気味ですが、さすが音&動きがあるアニメではたっぷり映してユニークなパフォーマンスをきっちり描写。一列に並んだウォーキングからキメポーズまで懐かしいホンダシティCMのアクションが再現されていました(笑
「見てよあのマヌケな格好、いい笑い者ね」
「でもただ笑われてるよだけじゃなくて、バイクは楽しいんだって伝わるかもしれないですよ」
「楽しい…」
客席から笑われるバイク部を眺めてしめしめの凜。ああゲスい。しかし由女ちゃんは「楽しさが伝わる」可能性を示し、一方千雨はこれまでの経験からバイクの楽しさ・仲間との馴れ合いを全否定。孤高の勝者という信念を思わず口に出し、似た境遇の凜へいきなり語りかけるヒトコマは千雨の思い込みの激しさ・鬱屈がよく判ります。千雨にとってのバイクはコンプレックスを跳ね返す唯一の手段であり勝つ事がアイデンティティーでもある。つまり「楽しい」という感情とは別モノで、ましてや仲間とツルむ楽しさなど到底理解できない。
「あれ? 何で私そんな思いまでしてオートバイに乗ってるんだろ?」
「…でも、でもね、どんな時でもみんなが私を待っていてくれたんだ」
「だからもしみんなの中でオートバイに乗りたくなった人がいたら、今度は私たちがみんなを待ってるよ!」
ステージパフォーマンスを終えるとマイクを持って説明タイム。ここで大観衆を前にした恩紗はビビって声を出せず、すかさず掛かった凜のヤジにさらにビビって羽音に無茶振り。すると羽音は戸惑いながらこれまで経験した大変な事ばかり思い浮かべ、それでも何故バイクに乗るのか?と自問自答。乗り物としてのバイクなんて採点要素が100あれば98くらいは苦行で、しかも一瞬ミスれば即死ねる危険さすら…なーんて理屈で考えたら賢い人はこんな物に乗らんでしょう。でも100のうち1つ2つの魅力でその他の苦行は全てチャラになってお釣りが来る。もちろんそれは人によって違うけれど、羽音の場合は「待っててくれる人がいる」=仲間との繋がりが大きな理由の一つなのですね。このシーンは上田さんの語り口もあって原作以上にココロに響くものがありました。羽音の語りを聞いて軽く反省する凜のカットはアニメオリジナルで、原作よりゲスっぽさが薄められた上にフォローはカンペキ、いかにアニメ凜のイメージが大切にされているか判るヒトコマです。

「バイクは笑われるような乗り物じゃない!」
いい話でまとめた部活説明を終えて舞台から掃けるその刹那、猛った表情で舞台に上がった千雨は羽音からハンドルを奪い取り「バイクの何たるか?」を全身を使って表現し始めます。自身の全てであるレースの経過をド真剣なアクション交えて叫び語り、しかしそれは傍から見たら先のバイクミュージカルよりも滑稽で…美学・拘りを上手く伝えられない歯がゆさにめげず、思いっきり滑って笑われる悔しさにもめげず、自分を貫き通すメンタルは確かにどこかの誰かと共通するものがありますね(笑
というわけで千雨入学エピソードが終わって原作は第5巻に突入、つまり4巻は完走したので後追いの方は4巻まで読んで大丈夫です(ステマ。今回も例によって小ネタのオミットが多数見られましたが、ストーリーの流れにほとんど影響が無い部分だったため、原作を気にしなければ気にならないレベルに上手くまとめていたと思います。たづ子さんの残念っぷりや凜のゲスっぷりが薄められたのは惜しいけれどアニメの尺やキャラ売りを考えれば妥当な判断かもしれない。次回は原作に無いサブタイ「こうはい!!」ですが、おそらく第34~36話の千雨入部エピソードでまとめてくるかと。個人的に気になるのは千雨パパの中の人かなあ。まさか!の起用をほんのり期待。

アイキャッチはDUCATI XDIAVEL S。ゴメンナサイ最近のづかちは全然判らない、というか今のドカってこんなんなのか。なーんて言いつつドカは900SSとF3くらいしか乗った事ないけど。

OP同様EDにも千雨が追加されていました。ボーカルも5人バージョンになっているようです。
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新入生「小さめ千雨」いよいよ参戦。


アバンは丘乃上女子高の入試当日、わらわらと集まる受験生に混じって校門へ入るツインテ女の子に由女ちゃんが声を掛け…第7話ラストでチラリと顔見せした「中野千雨(ちさめ)(CV.木戸衣吹)」の本格参戦であります。アニメ放映前は原作のドコまでやるか? 千雨までは厳しいか? と思っていたけれど、ご存じの超ハイペースによって結構あっさり千雨エピソードに到達、というか千雨を出すためのハイペースだったのでしょう。ちなみにハイペースと言っても(元ネタの)けいおん梓参入は第8話なのであっちより遅いのよね。意外。
千雨参入と同時にOPも小変更がありました。イントロパートの海沿いロードで来夢先輩に続いてPCXが映った時は思わず声を上げてしまった(笑。その後の各キャラカットや部室→走行シーンなどなど、今まで不自然に空いていたスペースに千雨がぴったりハマってこれにて完成? それにしてもこのOPは曲も映像も良いなあ。聞いていると無意識に目頭がじんわり来る。


というわけで原作第29話「にゅうし!!」のとおり、案内係のテイでバイク部をサブリミナル広告(笑)するシーンから。ここは細かい会話にオミットがあるもののほぼ原作マンマの流れで、始終バイク語で話す羽音のおかしさがアニメ化でよりブーストされた感じ。実際の音声としてひたすら「ぶおん! ぶおん! ぶろろろろろ!」と続ける羽音は結構キワキワかも(笑
「小さめ千雨」
ほどなく始まった試験では先のサブリミナル(笑)が効いて問題に集中できない千雨の回想を暫し。子供の頃から千雨が抱いてきた体が小さい事へのコンプレックスやメリット、そしてポリシーである「バイクは公道で乗るものじゃない」の理由がつらつらと描かれます。かけっこ、球技、給食などなど学校生活の全てで周りに劣っていた小さめ千雨が唯一輝けたポケバイレース。千雨はそれを自らのアイデンティティとし、行く行くは公道デビューを考えるも…父ちゃんが買ったCBR1000RRに跨った瞬間 厳しい現実を叩き付けられ、サーキット以外の居場所を改めて捨てた。でもそれは頑なな思い込みによる「逃げ」であり、本人もそれが判っている。ってのがツラいトコ。

「オフロード乗りはあれをしないと死んでしまうのです」
そんなこんなで試験が終わると校舎から出てきた受験生たちへアピールを続けるバイク部の面々。オフ乗りって難儀な生き物だね(笑。ここはバイクの魅力を切々と語る恩紗の傍らで黙々と曲芸している来夢先輩が良い味、さすが先輩はスタンディングもリアホップも華麗にこなしますなあ。トライアルでは今でこそ普通のテクニックですが、実戦でこれを使いこなすルジャーンを初めて見た時の衝撃は凄かったっけ。
「バイクより自転車の方がダイエットになるよ」
原作ではここで「女子がバイクに乗る理由」や「バイクに乗るとモテる」などの話題で受験生がたくさん集まって…という流れなのですがアニメではその辺がばっさりオミットされて千雨の人払いセリフが発動。ちなみに男の場合は当然ですがバイクに乗ってモテる人は乗らなくてもモテるし、素でモテない人はバイクに乗っても(以下略。逆に女子の場合は掃き溜めに鶴的要素があるのでオタサーの姫みたいなモテ方はあるかも。


原作ではここで第30話「びょーき!!」という強烈なエピソードが入りますが、ストーリーの流れから外れている単独話なのでアニメでは全カットされ、シーンは桜の季節にパッと進んで原作第31話「そつぎょう!!」へ。千雨&由女ちゃんの合格が決まり、新入生が入ってきて、自分たちは二年生に進級する季節…つまりそれは三年生の先輩が卒業する季節でもあるのです。これまでさんざ世話になった来夢先輩が卒業してしまう、思いもしなかった(笑)現実に直面して戸惑う羽音、寂しさを漏らす恩紗。
「パーティをやるべきですわ!」
そんな中 聖は感謝の気持ちを込めた卒業パーティを提案します。このテのお約束として先輩には秘密のサプライズパーティ、その一部始終をドア外で聞いてるトコもお約束です(笑。後輩たちの気持ちを知って悶絶しちゃう先輩かわいい。一方聖は「先輩がいなくてもやっていける事を証明する」と意気を上げて前振り完了。



「この春からうちの娘が丘乃上に入るのよ」
「娘さんがうちの高校にねえ……あんたいつの間に結婚なんか!?」
シーン変わって校長室では旧友アキナからの電話にトンデモサプライズのたづ子さん。この辺の会話は原作のエグさがかなりオミットされ、それによってたづ子さんが女子高生時代から引きずっている(というか卒業し損ねた)女子中高生病(潔癖症)の重症さが薄まってしまった=来夢先輩と続くフクザツな腐れ縁と「未婚」の関係が判りにくくなってしまったけれど、たづ子さんの置いてかれっぷりが十分伝わってきたのでまあ良いか(笑。というわけで千雨の母親はたづ子さんの旧友アキナ、チームバージンとして女子高生時代にツルんでいた仲間でした。ちなみに父親は原作どおりの流れなら次回明らかになるはず。
「あなたって昔から男を寄せ付けないトコがあったじゃない?」
たづ子さんへ結婚を知らせなかった理由を語りつつシーンは女子高生時代の回想へ。峠名物パンダトレノが停まる駐車場に並ぶNSR250&MVX250…バイク一筋だった若かりし日のたづ子さんが火の粉を払う(自分では払わない)一部始終、転じて今に続く独身生活の理由が描かれていきます。MVXはツレが乗っていたけど本当に煙幕&オイル飛沫が凄まじいので後ろを走るのはムリムリムッリー! また真ん中のシリンダが焼き付いてよく止まってたなあ。そういやある日そいつが色違いのMVXに乗ってきたのでどうしたのかと思ったら「壊れて仕方ないから乗り換えた」…MVXに乗り換えてどーすんだ!と総ツッコミされた挙げ句、やっぱり焼き付きまくって相変わらずよく止まって、ある日また色違いの(略。結局彼は3台続けてMVXに乗り、ようやく「あまり焼き付かない機体(焼き付かないとは言っていない)」と出会えてめでたしめでたし。人は何故MVXから離れられないのだろう。閑話休題、たづ子さんに迫る峠小僧の正装っぷり(メットの耳とかシッポとか)の懐かしさに笑う。空き缶をヒザにガムテで貼っていればカンペキだったのに。
「バイクの勝負であなたが勝ったら付き合ってあげてもいいわ」
「ただしあなたが戦うのはあの…カワサキマッハ、来夢先輩よ」



というわけでたづ子さんを賭けた峠バトルが始まります。勢いよく飛び出したMVXの排気音は例によって現車収録? パッと見4本のサイレンサーから3つだけ煙幕上げてる後姿はじつに微笑ましく小汚い(笑。そして排気量分のハンデ30秒を過ぎて飛び出すマッハ! こっちはこっちで豪快に煙を上げ爆音を轟かせてスタートダッシュセンセーション…音と絵のタイミングがビミョーに合っていないけどやはりマッハの音は良い良い。さぶいぼ立つ。ちなみにアニメのマッハはFブレーキがディスクになったH1B、原作ではいわゆる「エグリタンク」のH1(初期型)なのに何故変更されたのだろう。CGモデルのモデルが用意できなかったのかな。余裕をかますたづ子さんが読んでる分厚いオートバイ誌も懐かしい。プルタブが取れる缶コーヒーも懐かしいな。タバコのポイ捨てを注意しに行ったのに、結果的に自分がポイ捨てしてしまった空き缶が原因で先輩大クラッシュ→MVX大勝利、なのにオートバイ誌でぶん殴ってご破算とかたづ子さんフリーダムすぎる。それにしても先輩はよく飛ぶなあ。
「来夢先輩っていつからいるんだろうね。そしていつまでいるんだろう?」

先輩の存在について少々しんみりした会話から一転しバイク部部室前でマックスターンを練習するみなさん。せっかくターンするならブラックマーク描かないと、またいくら補助輪が付いててもマックスターンで水平移動はしません(笑。マックスターンは見た目の派手さや威圧感の割りに結構簡単、停止状態からクラッチをポンと離す度胸さえあれば誰でもできちゃいます。タイヤとクラッチと世間体がボロボロになるのでお勧めしませんけど。ともあれこれをして「バイク部ここにありと全校生徒へ知らしめる!」と意気上げ上げ…アサッテの方向へガッ飛んでいる後輩たちを置いて卒業なんてできない先輩が「留年」の紙を掲げてオチ。


「ホンダCB400スーパーフォア……教習車によく使われている車種でシート高は755mm」
「スズキGSX400S、シート高は750mm」
「ヤマハセロー225、オフローダーでも低めのシート高810mm」
「あのさ千雨ちゃん、何でシート高だけなの?」
「バイクで一番大切なのは重心の位置、つまりシート高だからよ」
桜のトンネルを抜けて行き会った羽音を皮切りに通り過ぎるバイクのシート高を次々と語る千雨、ってなトコでBパートは原作第32話「しんにゅうせい!!」から。小さめ千雨が最も重要視するスペックは「シート高」なれど、それを正直に言えずシロウト相手に尤もらしい理由で煙に巻く辺りひねくれ者千雨らしい(笑
「バイクで青春しよう!!」
入学式をサッサと終えると各部活の勧誘レースがスタート。ここは「略してバイ春!!!」まで原作マンマ再現されるとは思わなかった(笑。原作にあるけいおんネタに絡めた会話はさすがにオミット、また説明会に関わる会話やネタ振りも少々整理されてペースが速くなっています。そして生徒会室にてバイク部の説明について思案する生徒会副会長をチラリ。この子は第7話で凜に賭けた子で、その縁あってか通りすがりの凜に「説明会では舞台にバイクを上げてはダメ」とバイク部に伝えるように頼み、凜も笑顔で承諾するのですが――
「何だってー! 今さらバイクが出せないなんて、そんな事何で当日に判るんだよ!」
「黒光りして脈打つエンジンを見せ付ければイチコロだと思ってましたのに…」
「あと1時間しか無いよ」
「せめて昨日の段階で判ってたら何か手が打てたのに」
明けて翌日 説明会直前のバイク部部室に響く嘆き声。昨日言付けを快諾したはずの凜は当日ギリギリまで黙っていた=バイク部の説明会計画をご破算にして恥をかかせる算段なのでした。などなど原作では凜の性格の悪さがよく判るヒトコマなのですがアニメではほぼオミットされたためほとんど判らなくなってしまった。あと細かい事を言うと聖のセリフが「黒光りして脈打つエンジンを見せ付ければ女性は皆乗りたがりますわ」から改変されちゃって残念(そんなん放送でけん


「…以上軽音部による『じゃがいもは主食』の演奏でした。次はバイク部のみなさんです」
そうこうしているうちに部活説明会は淡々と進み、軽音部の小ネタをサラリと流していよいよバイク部の出番であります。先のとおりギリギリで作戦が白紙になったバイク部はいったいどうするどうなる? と思いきや。
「みんなで乗ろうよ楽しいバイク♪」
ハンドルを持ってステージに現れた四人娘はバイク部の歌でパフォーマンスを始めます。ここは原作だと結構あっさり気味ですが、さすが音&動きがあるアニメではたっぷり映してユニークなパフォーマンスをきっちり描写。一列に並んだウォーキングからキメポーズまで懐かしいホンダシティCMのアクションが再現されていました(笑
「見てよあのマヌケな格好、いい笑い者ね」
「でもただ笑われてるよだけじゃなくて、バイクは楽しいんだって伝わるかもしれないですよ」
「楽しい…」
客席から笑われるバイク部を眺めてしめしめの凜。ああゲスい。しかし由女ちゃんは「楽しさが伝わる」可能性を示し、一方千雨はこれまでの経験からバイクの楽しさ・仲間との馴れ合いを全否定。孤高の勝者という信念を思わず口に出し、似た境遇の凜へいきなり語りかけるヒトコマは千雨の思い込みの激しさ・鬱屈がよく判ります。千雨にとってのバイクはコンプレックスを跳ね返す唯一の手段であり勝つ事がアイデンティティーでもある。つまり「楽しい」という感情とは別モノで、ましてや仲間とツルむ楽しさなど到底理解できない。
「あれ? 何で私そんな思いまでしてオートバイに乗ってるんだろ?」
「…でも、でもね、どんな時でもみんなが私を待っていてくれたんだ」
「だからもしみんなの中でオートバイに乗りたくなった人がいたら、今度は私たちがみんなを待ってるよ!」
ステージパフォーマンスを終えるとマイクを持って説明タイム。ここで大観衆を前にした恩紗はビビって声を出せず、すかさず掛かった凜のヤジにさらにビビって羽音に無茶振り。すると羽音は戸惑いながらこれまで経験した大変な事ばかり思い浮かべ、それでも何故バイクに乗るのか?と自問自答。乗り物としてのバイクなんて採点要素が100あれば98くらいは苦行で、しかも一瞬ミスれば即死ねる危険さすら…なーんて理屈で考えたら賢い人はこんな物に乗らんでしょう。でも100のうち1つ2つの魅力でその他の苦行は全てチャラになってお釣りが来る。もちろんそれは人によって違うけれど、羽音の場合は「待っててくれる人がいる」=仲間との繋がりが大きな理由の一つなのですね。このシーンは上田さんの語り口もあって原作以上にココロに響くものがありました。羽音の語りを聞いて軽く反省する凜のカットはアニメオリジナルで、原作よりゲスっぽさが薄められた上にフォローはカンペキ、いかにアニメ凜のイメージが大切にされているか判るヒトコマです。

「バイクは笑われるような乗り物じゃない!」
いい話でまとめた部活説明を終えて舞台から掃けるその刹那、猛った表情で舞台に上がった千雨は羽音からハンドルを奪い取り「バイクの何たるか?」を全身を使って表現し始めます。自身の全てであるレースの経過をド真剣なアクション交えて叫び語り、しかしそれは傍から見たら先のバイクミュージカルよりも滑稽で…美学・拘りを上手く伝えられない歯がゆさにめげず、思いっきり滑って笑われる悔しさにもめげず、自分を貫き通すメンタルは確かにどこかの誰かと共通するものがありますね(笑
というわけで千雨入学エピソードが終わって原作は第5巻に突入、つまり4巻は完走したので後追いの方は4巻まで読んで大丈夫です(ステマ。今回も例によって小ネタのオミットが多数見られましたが、ストーリーの流れにほとんど影響が無い部分だったため、原作を気にしなければ気にならないレベルに上手くまとめていたと思います。たづ子さんの残念っぷりや凜のゲスっぷりが薄められたのは惜しいけれどアニメの尺やキャラ売りを考えれば妥当な判断かもしれない。次回は原作に無いサブタイ「こうはい!!」ですが、おそらく第34~36話の千雨入部エピソードでまとめてくるかと。個人的に気になるのは千雨パパの中の人かなあ。まさか!の起用をほんのり期待。

アイキャッチはDUCATI XDIAVEL S。ゴメンナサイ最近のづかちは全然判らない、というか今のドカってこんなんなのか。なーんて言いつつドカは900SSとF3くらいしか乗った事ないけど。

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