2016-06-10(Fri)
アイカツスターズ! #10 ゆめのスタートライン!
ガラガラのファーストソロライブ。

私、誰のために歌うんだろう?

アバンはいかにも波乱含みな雷雨の学園、今やほとんど定例化(笑)している学園長室の動きから。雷鳴が轟く中で電話の相手は「土曜日に来日ライブを行う外タレ」との事で、妖しく嗤う口元からゆめの写真へのカットなど見るからに学園長による画策が窺えます。
「ひめ先輩のライブ楽しみだね。早く土曜日にならないかなあ」
シーン変わって翌日の学園では土曜日に行われるひめ様の定期ライブについて盛り上がっていました。なに土曜日? ってなトコで学園長室へ呼び出されたゆめはいきなり呼ばれた意味が判らず、ドアを前にビビる表情はいかにも(笑。そんなこんなで意を決してドアを開け、先のひめ様ライブについてヒトコトフタコト話した後――
「ライブは中止だ。代わりにキミのライブをしようと思う」
「私のライブ?」
「虹野ゆめ、ファーストソロライブだ」
「えーーーっ!」
振って湧いた話にポカーン→絶叫のゆめ。そりゃそーだ(笑。前回対決の結果どおり実力的にはローラの6割程度、さしたる実績も無い自分が何故S4歌姫の代わりに? なーんて疑問をぶつける間もなく決定事項の代役ライブを宣告されて今回のプロローグをパッパと完了。先の展開がある程度読めてるだけにこの時点で手のひらにイヤな汗がが。

CM明けてAパート冒頭は教室のみなさんへ「虹野ゆめソロライブ!!」のおしらせ。アンナ先生によると冒頭の電話相手である「マーライオン・キャリー」の来日ライブに急遽ひめ様が呼ばれ、穴が空いた定期ライブの代役としてゆめに白羽の矢が立ったとの事…どう見ても学園長によるネジ込み・画策であります。そんな裏事情など露知らないローラは「面白いじゃない!」といつものセリフでテンション上げ上げ、当のゆめも初めてのソロライブに気合いビシビシであります。教室のみんなも拍手で応援しますが、ここでアンナ先生が「歌組のみんなは白鳥のライブの手伝いよろしく!」と告げ、実質ゆめはローラ以外の同期生と分断される事に。芸コマ。そういや教室にあこがいない&他クラスの歌組の子がいるトコを見ると今回教室シーンは歌組の座学? こういう違いをメンツで見分けるしかないってのはちょっと不親切かもしれない。
「ゆめ、大丈夫? ひめ先輩が立つはずのステージなんだよ?」
そういやカフェの二階席って初? ともあれここから暫しソロライブ開催に盛り上がる三人娘、そして果てしなく舞い上がるゆめの様子が描かれていきます。憧れのひめ様の代役って事で超舞い上がってるゆめはローラの言葉の意味も判らず瞳をキラキラ輝かせ、大歓声に包まれたライブを夢見てワクワクが止まりません。この果てしない脳天キラキラのしっぺ返しが怖い怖い。

記念すべきファーストライブにドレスも気合い! というわけで「グレードアップグリッター」の販促タイムが始まります。販促担当(笑)の有莉先輩によるデフォルメ絵チュートリアルは毎度毎度かわいくて良いな。ノーマルドレスにグリッターをドロップするとレアドレスに早替わり、なーんて説明どおりに自分のドレスを「マイリトルハート シトラスティータイムコーデ」にグレードアップさせてますます張り切るゆめ。部屋に帰ると思い出のライブ曲「スタートライン!」の譜面を小春ちゃんに見せてアクセルを踏み抜く勢いで張り切っていました。そんな様子に小春ちゃんは共通の夢である「S4」へ近付いている手応えを喜び、一方ゆめは親友からの嬉しい言葉にライブへ向けてのテンションが上がる一方であります。ああ辛い。

このシーンで映った「スタートライン!」の譜面を見ると初披露時から感じていた音域の広さがよく判ります。上は頭サビ「スタートライン!」の「スタート」のhi D♭、下はAメロ「瞳閉じてココロの声を聞いて」の「ロ」のmid1 E♭、つまりほぼ2オクターブなのですね。これは初聴の時に音を拾って判っていましたが譜面で明示されると改めて驚き。AメロBメロは総じて低音寄り、当然地声にもよりますが女性ボーカルには相当厳しい音域で、曲を聞いてもよく判る歌唱担当の頑張りが譜面からも伝わってきました。正直せなさんはかなり辛そう。

「もしもゆめちゃんがライブを成功させられなかったら?」
「その時は四ツ星学園を去ってもらうまでだ」
ゆめが幸せスパイラルに身を任せている一方、学園長室では何やら不穏な会話が繰り広げられていました。これを見ると定期ライブ中止はあくまで学園長の独断で、ひめ様はゆめの実力をよく判っていて、無謀な代役ソロライブを心底心配している事が判ります。共謀じゃなかった! 学園長による「ダメだったら即退学」というデジタルな裁定は以前から仄めかしていたもので、ゆめが持つ「虹ブースト」の可能性とリスクを秤に掛けて…ってなトコでしょう。しかし出てくる度に不穏さを強調しているのは素かブラフか? 私としてはどちらでもいいけど、せっかくだから彼に「悪意」があった方が面白いような気がする。
「えっと、招待するのはお父さんとお母さん、それから小春ちゃんとローラと…チケットまだ取れるかな?」
「わっ、満席!?…ん?」
両親と一緒に小春ちゃん&ローラを招待しようと予約サイトを見たゆめは一面同じ座席表示を見てビックリ、そして次の瞬間逆ベクトルでビックリです。これは今どきのチケット販売法を上手く使った演出だなあとちょっと感心。てなわけでゆめはチケットが1枚も売れていないという厳しすぎる現実を思いっきり叩き付けられ、浮かれて舞い上がっていたトコから真っ逆さまに墜落するのでした。あらら。
「チケット1枚の重みを知れ!」
というわけでスーツケースいっぱいのチケットを引きずってゆめの手売りクエストが始まります。まずは出先で偶然行き会った現場スタッフの山口さんに営業するも土曜日は地方の仕事で行けません、続いてドラマの岡本監督は撮影で行けません、たい焼きの幸本社長はハワイでバカンス中なので行けません、その後も手当たり次第営業電話を掛けるもことごとく断られ…結局一枚も売れないまま時間ばかりが過ぎていく辛さキツさは地味に効きます。ちなみに電話を掛けていた相手は「テルヨちゃん」「テルヨちゃんのお姉ちゃん」「小春ちゃんのいとこ」「小春ちゃんのはとこ」「小春ちゃんの親せき」「田中山さん」「イムさん」などなど本気で手当たり次第っぽい(笑
「ノーモアネガティブ!」
電話を掛けても掛けても全く売れない現実に打ちひしがれつつ、それでもゆめはココロを奮い立たせて再び街へ!


「みなさーん! 今なら一枚買ったらもう一枚付けちゃいます! しかも半額ですよ!」
「そこのお兄さん、一枚どうですか!?」
ところが街頭で大声を張り上げても、破格のダンピングを叫んでも通行人は誰一人立ち止まってくれません。ああ辛いキツいもうやめて! ってなトコをすばるくんが目撃して後への仕込み。
「ねーねー知ってる? 虹野さんのライブ、お客さんガラガラなんだって」
「無理もないよ。まだファンもいないんだもん」
「なのにどうして虹野さんなんだろ?」
「わかんないけど一年生には難しいよね」
歌組のレッスン室にて交わされるゆめライブについての噂話。こういうトコへ偶然通りがかってしまうのもお約束とはいえキッツイキッツイ地味に効く。この二人に悪意は無いのだろうけれど、不在時にふと漏れた本音を聞いてしまったダメージは計り知れません。
「ゆめー! チケット三枚売れたよ!」
「ほんと!?」
「うん! 私のファンの子が見に来てくれるって!」
ズンドコに落ち込んでるトコへローラからの朗報。売れた事を心から喜んでくれているローラの様子にゆめも表情をほころばせますが、その売れた相手が「ローラのファン」と聞いて再びしょんぼり。その子たちは「虹野ゆめ」を見たくて買ったんじゃない、ローラに頼まれたから買ったんだ。
「私、誰のために歌うんだろう?」
それを察したゆめは逃げ出すように走り去り、誰も望まないライブのポスターを前にさらなるズンドコに落ちてしまいます。誰も私のライブになんて興味が無い、ならば誰のため何のために歌うのか。


そんな精神状態ではレッスンに集中できず、実力不足の現実も相まってアンナ先生の叱責を受けるばかり。しかも帰り道ではひめ様を見送るファンの残酷な声「ひめ様のライブが見たかったのに~」が聞こえてきて…無慈悲にも突き付けられた厳しすぎる現実、ゆめの薄っすいムネが張り裂けんばかりに追い込まれていきます。いや今回はある方か(そういう問題ではない
「そんな! 誰もいないの!? ねえみんな!」
すると暗いステージにスポットが落ちて暗黒ライブの辛すぎるイメージ映像が始まります。誰もいない客席に向かって叫ぶゆめの動揺・失意、そしてあれほど親身に応援してくれていたローラすら去ってしまった絶望感…ここは作画&BGM&中の人の演技が相まってじつにキリキリ胃を攻めます。きっつー。ひめ様とのレベル差を考えず舞い上がっていた愚かさに今さら気付いても後の祭り、一方今さらそんな泣き言を聞かされたローラが怒って帰ってしまうのも判るだけにフォローのしようがありません。そして目覚めた後に見た「S4になること!!」の宣言書きも現実を知った今となっては夢物語もいいところ。などなどゆめはHPをガンガン削られてほとんど瀕死状態まで追い込まれます。

「自信が無いならやめれば?」
「でも今さらそんなこと…」
「じゃあやるしかないな?」
「でも…」
「どっちなんだよ、はっきりしろよ」
いたたまれず部屋を飛び出したゆめは通行人すばる君とゴッツンコ! そこからいつもの東屋へ移動し、事の次第を聞くとどっち付かず揺れるゆめを理屈でバッサリのすばる君…じつにナントモ男女の会話で笑えます(笑えない。ド直球で攻めてくるすばる君に対して目が泳いでるゆめがまたいかにも。この上なく弱っているのにバツの悪さを捨てきれない、素直に泣き付けないビミョーな距離感も良い良い。そしてゆめは「誰のために歌えばいいのか…」とライブの根本に対する惑いを吐露し、すると業を煮やしたすばる君はゆめの手を引いて街角へ向かうのでした。ここはすばる君の強い口調&アクションに一瞬たじろぐゆめの表情が絶品。細かい表情までよく描かれてます。
「虹野ゆめファーストソロライブ、チケットありまーす!」
「これおもしろいの?」
「もちろんです! 私たちも今からワクワクしてるんです」
「ゆめちゃんなら絶対すごいライブしてくれます」
「少なくともあの二人はお前のライブを楽しみにしてるんだ」
ほどなく着いた公園広場で見たのは、手描きのポップをベンチに貼り、通行人に一生懸命アピールしてゆめのチケットを手売りするローラ&小春ちゃんの姿でした。二人はゆめのライブを心から楽しみにしていて、成功を信じてチケットを宣伝していたのです。聞いてくれる人が二人もいるのにお前は「誰のために歌う?」なんて悩んでいるのか? 俺なんか一人だったぞ…どんな売れっ子でも最初のライブは閑古鳥、聞いてくれる人が一人でもいればその人のために全力で歌う、やがてそれが10人になり100人になり、というアイドルの何たるか?を説くすばる君。これは今やベッタベタの王道シナリオなれどやっぱり王道は良いものです。
「たい焼きのオーディション見ました!」
「今度ライブがあるんだけど…」
「ゆめちゃんの? 行きたい!」「行こう!」
「んだよ…ファンいるじゃん」
ってなトコへ前回オーディションをTVで見ていたニコココちゃんが早くも再登場、こうして見ると誰かの血縁者ではなく純粋にファン枠なのかな? そんな小っさいファンを見てふて腐れるすばる君が果てしなくいいヤツです。ああもう! 自分が歌う意味にようやく気付いたゆめは拳をギュッと握って気合い一発踵を返し…忙しく走り去った後に手の中のチケットを眺めるすばる君がまーたベッタベタながらいいヤツすぎてニマニマが止まらない。もう結婚しちゃえよ!(気が早い。などなど初回での言い合いから着実に距離が詰まってる二人の関係が微笑ましくてたまりません。頼むから空振り三振してくださるな(笑

学園に戻ったゆめは別人のように気合いが入ったアイ!カツ! 夜遅くまで居残って汗を散らしていました。あのゆめがこんな本気の顔を見せたってだけで著しい成長を感じます。ってなトコへ通りがかった歌組二人は遅くまで頑張り続けるゆめに気付き、するとローラが現れて――
「もしも二人がゆめの立場だったら逃げずに向き合えた?」
先の歌組レッスンにてゆめライブの噂話をしていた二人へ強烈なカウンターが入ります。ひめ様の代役というプレッシャーに耐え、ガラガラの客席を前に歌う覚悟ができたか? 一年生だからファンがいなくても仕方がない? そんな気持ちで全力のライブをできたか? ローラの問い掛けに自分たちの言動を恥じた二人は俯いてしまい…一部始終を神視点で見ている視聴者的に二人へのカウンターはさもありなんなのですが、そのトリガー役としてローラが突然割り込んで来たのは少々違和感だったかも。例の噂話があの後も続いてローラは廊下から聞いていたとか、教室へ入った後も噂話が続いていたとか、要するにローラと例の二人の接点がヒトコマでも描写されていれば通じる話なんですけどね。またゆめがチケット売上不振でズンドコに落ち込み→復活した事をローラは知らないはずなのに何故か全て知っているテイで話しているのも気にすりゃ気になるトコ。作中での接点は三枚売れたチケットを渡すカットが最後なので、その一瞬でゆめのズンドコ状態を全て察したとすればアリだけどそれではエスパーすぎるし(笑。まあローラは基本的に口調がキツいので内容以上にキツく取れてしまうため、こういう役回りでは損をしている感じはあります。
というわけで「虹野ゆめファーストソロライブ」当日へ。会場は四ツ葉学園所有の大ホールとの事ですが、モデルとしてはミューザ川崎シンフォニーホールっぽい? 当該ホールの客席数は約2000席なので規模もドンピシャです。Zepp系が常ハコだった前作に比べスターズは少々格調高くなった?(笑。それはともかくゆめライブ、広い会場のロビーも客席も気の毒なほど人影まばらで、ここに至る顛末が判っていても結構ココロが抉られます。何かのきっかけで一発逆転→満席御礼にならない辺りスターズはシビアですなあ。ってなトコでゆめの父ちゃん&母ちゃんが楽屋を訪れ初登場。パッと見 極めて普通のご両親で、手土産どおり父ちゃんはケーキ職人のようです。でも虹色ケーキは体に悪そう(笑。そして子供アニメの通例どおり母ちゃん若くてかわいい。というかゆめは「お父さん」呼びなのね。ローラは「パパ・ママ」呼びっぽい? 馴染みの小春ちゃんに続いて挨拶するローラが礼儀正しくて好印象、とはいえこういうトコを見ると初回のアンナ先生に対する尖りは何だったんだ?と思わなくもなくなくも(略
「ふぅ~、間に合った!」
用事があって来られなかったはずのお三方が開演直前の会場へ滑り込むシーンも地味にグッと来ます。これまで関わった大人たちがゆめのライブを見るために駆け付けてくれた…各エピソードでのゆめはほとんどミソコ状態(笑)でしたが、それだけに各々にとって目が離せない存在になっているのでしょう。んだよ、ファンいるじゃん! そんなこんなで2割満席くらいの客要りにてゆめのファーストソロライブがスタート。定石ながらこの客席が1年後には、と思うと結構ムネが高まります。

先にグレードアップしたレアドレスに着替えて始まった曲は作中の予告どおり思い出の曲「スタートライン!」。たった10話前の出来事ですが、入学前に瞳を輝かせたひめ様ライブと同じ曲でファーストソロライブを飾るってのは結構感慨深かったり。まさに曲名どおりゆめのスタートラインとなりました。歌唱もゆめ担当のせなさんによるソロで、ぶっちゃけOPバージョン+αなのですが…先のひめ様バージョンに比べて明らかに初々しい歌唱にはついニマニマしてしまった(言葉を選んでいます。
映像に目を移すとひめ様による第1話バージョンから短い期間で結構進化しているようで、キメの表情付けも良くなり、またカメラ割り自体は変わらないもののズーミングの調整で前バージョンとかなり印象が違って見えます。ゆめバージョンは少し寄り気味なので表情がよく見える=ゆめへの親近感を重視した演出なのかも。口パクのズレが以前ほど気にならなかったのは調整されたのか見慣れたのか。サビ入りと同時に発動した虹ブーストは結構さぶいぼ、特大アイドルオーラを纏ってのステージングはなるほど見栄えがしますね。ゆめバージョンのブランドアピール(?)もかわいかった。それにしても「かわいい娘にはウインクさせたい」のがCG制作者の常とはいえウインクさせすぎ(笑


例え客席がガラガラでも今できる全力で歌いたい。そんなゆめの思いが通じたか第1話以来の虹ブーストが発動し、その結果観客たちはゆめのライブに大満足。黒幕の学園長も何やら納得したご様子であります。ブーストが掛かっても倒れなくなったのは四ツ星入学以来のアイ!カツ!の効能? ともあれまばらな客席に向かって全力笑顔で手を振るゆめ、ってなトコへ駆け付けたひめ様はゆめの笑顔を見て一安心…すれ違った学園長を完全スルーするほど急いでいる=それほどまでゆめを心配していた事が判ります。いい人、というかやはりひめ様は例のブーストの危険性を知っているのでしょう。
「虹野ゆめ…あの力を越える事ができなければ、キミのアイドル生命は…」
というわけで含みいっぱいの学園長の呟きで締め。開始当初っから謎だった「あの力」についてそろそろ何らかのヒントが欲しいトコ、次回予告にひめ様が倒れるカットがあった辺り多少は言及がありそう? そして「あの力」に気付きかけてるローラの動向も気になります。
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私、誰のために歌うんだろう?

アバンはいかにも波乱含みな雷雨の学園、今やほとんど定例化(笑)している学園長室の動きから。雷鳴が轟く中で電話の相手は「土曜日に来日ライブを行う外タレ」との事で、妖しく嗤う口元からゆめの写真へのカットなど見るからに学園長による画策が窺えます。
「ひめ先輩のライブ楽しみだね。早く土曜日にならないかなあ」
シーン変わって翌日の学園では土曜日に行われるひめ様の定期ライブについて盛り上がっていました。なに土曜日? ってなトコで学園長室へ呼び出されたゆめはいきなり呼ばれた意味が判らず、ドアを前にビビる表情はいかにも(笑。そんなこんなで意を決してドアを開け、先のひめ様ライブについてヒトコトフタコト話した後――
「ライブは中止だ。代わりにキミのライブをしようと思う」
「私のライブ?」
「虹野ゆめ、ファーストソロライブだ」
「えーーーっ!」
振って湧いた話にポカーン→絶叫のゆめ。そりゃそーだ(笑。前回対決の結果どおり実力的にはローラの6割程度、さしたる実績も無い自分が何故S4歌姫の代わりに? なーんて疑問をぶつける間もなく決定事項の代役ライブを宣告されて今回のプロローグをパッパと完了。先の展開がある程度読めてるだけにこの時点で手のひらにイヤな汗がが。

CM明けてAパート冒頭は教室のみなさんへ「虹野ゆめソロライブ!!」のおしらせ。アンナ先生によると冒頭の電話相手である「マーライオン・キャリー」の来日ライブに急遽ひめ様が呼ばれ、穴が空いた定期ライブの代役としてゆめに白羽の矢が立ったとの事…どう見ても学園長によるネジ込み・画策であります。そんな裏事情など露知らないローラは「面白いじゃない!」といつものセリフでテンション上げ上げ、当のゆめも初めてのソロライブに気合いビシビシであります。教室のみんなも拍手で応援しますが、ここでアンナ先生が「歌組のみんなは白鳥のライブの手伝いよろしく!」と告げ、実質ゆめはローラ以外の同期生と分断される事に。芸コマ。そういや教室にあこがいない&他クラスの歌組の子がいるトコを見ると今回教室シーンは歌組の座学? こういう違いをメンツで見分けるしかないってのはちょっと不親切かもしれない。
「ゆめ、大丈夫? ひめ先輩が立つはずのステージなんだよ?」
そういやカフェの二階席って初? ともあれここから暫しソロライブ開催に盛り上がる三人娘、そして果てしなく舞い上がるゆめの様子が描かれていきます。憧れのひめ様の代役って事で超舞い上がってるゆめはローラの言葉の意味も判らず瞳をキラキラ輝かせ、大歓声に包まれたライブを夢見てワクワクが止まりません。この果てしない脳天キラキラのしっぺ返しが怖い怖い。

記念すべきファーストライブにドレスも気合い! というわけで「グレードアップグリッター」の販促タイムが始まります。販促担当(笑)の有莉先輩によるデフォルメ絵チュートリアルは毎度毎度かわいくて良いな。ノーマルドレスにグリッターをドロップするとレアドレスに早替わり、なーんて説明どおりに自分のドレスを「マイリトルハート シトラスティータイムコーデ」にグレードアップさせてますます張り切るゆめ。部屋に帰ると思い出のライブ曲「スタートライン!」の譜面を小春ちゃんに見せてアクセルを踏み抜く勢いで張り切っていました。そんな様子に小春ちゃんは共通の夢である「S4」へ近付いている手応えを喜び、一方ゆめは親友からの嬉しい言葉にライブへ向けてのテンションが上がる一方であります。ああ辛い。

このシーンで映った「スタートライン!」の譜面を見ると初披露時から感じていた音域の広さがよく判ります。上は頭サビ「スタートライン!」の「スタート」のhi D♭、下はAメロ「瞳閉じてココロの声を聞いて」の「ロ」のmid1 E♭、つまりほぼ2オクターブなのですね。これは初聴の時に音を拾って判っていましたが譜面で明示されると改めて驚き。AメロBメロは総じて低音寄り、当然地声にもよりますが女性ボーカルには相当厳しい音域で、曲を聞いてもよく判る歌唱担当の頑張りが譜面からも伝わってきました。正直せなさんはかなり辛そう。

「もしもゆめちゃんがライブを成功させられなかったら?」
「その時は四ツ星学園を去ってもらうまでだ」
ゆめが幸せスパイラルに身を任せている一方、学園長室では何やら不穏な会話が繰り広げられていました。これを見ると定期ライブ中止はあくまで学園長の独断で、ひめ様はゆめの実力をよく判っていて、無謀な代役ソロライブを心底心配している事が判ります。共謀じゃなかった! 学園長による「ダメだったら即退学」というデジタルな裁定は以前から仄めかしていたもので、ゆめが持つ「虹ブースト」の可能性とリスクを秤に掛けて…ってなトコでしょう。しかし出てくる度に不穏さを強調しているのは素かブラフか? 私としてはどちらでもいいけど、せっかくだから彼に「悪意」があった方が面白いような気がする。
「えっと、招待するのはお父さんとお母さん、それから小春ちゃんとローラと…チケットまだ取れるかな?」
「わっ、満席!?…ん?」
両親と一緒に小春ちゃん&ローラを招待しようと予約サイトを見たゆめは一面同じ座席表示を見てビックリ、そして次の瞬間逆ベクトルでビックリです。これは今どきのチケット販売法を上手く使った演出だなあとちょっと感心。てなわけでゆめはチケットが1枚も売れていないという厳しすぎる現実を思いっきり叩き付けられ、浮かれて舞い上がっていたトコから真っ逆さまに墜落するのでした。あらら。
「チケット1枚の重みを知れ!」
というわけでスーツケースいっぱいのチケットを引きずってゆめの手売りクエストが始まります。まずは出先で偶然行き会った現場スタッフの山口さんに営業するも土曜日は地方の仕事で行けません、続いてドラマの岡本監督は撮影で行けません、たい焼きの幸本社長はハワイでバカンス中なので行けません、その後も手当たり次第営業電話を掛けるもことごとく断られ…結局一枚も売れないまま時間ばかりが過ぎていく辛さキツさは地味に効きます。ちなみに電話を掛けていた相手は「テルヨちゃん」「テルヨちゃんのお姉ちゃん」「小春ちゃんのいとこ」「小春ちゃんのはとこ」「小春ちゃんの親せき」「田中山さん」「イムさん」などなど本気で手当たり次第っぽい(笑
「ノーモアネガティブ!」
電話を掛けても掛けても全く売れない現実に打ちひしがれつつ、それでもゆめはココロを奮い立たせて再び街へ!


「みなさーん! 今なら一枚買ったらもう一枚付けちゃいます! しかも半額ですよ!」
「そこのお兄さん、一枚どうですか!?」
ところが街頭で大声を張り上げても、破格のダンピングを叫んでも通行人は誰一人立ち止まってくれません。ああ辛いキツいもうやめて! ってなトコをすばるくんが目撃して後への仕込み。
「ねーねー知ってる? 虹野さんのライブ、お客さんガラガラなんだって」
「無理もないよ。まだファンもいないんだもん」
「なのにどうして虹野さんなんだろ?」
「わかんないけど一年生には難しいよね」
歌組のレッスン室にて交わされるゆめライブについての噂話。こういうトコへ偶然通りがかってしまうのもお約束とはいえキッツイキッツイ地味に効く。この二人に悪意は無いのだろうけれど、不在時にふと漏れた本音を聞いてしまったダメージは計り知れません。
「ゆめー! チケット三枚売れたよ!」
「ほんと!?」
「うん! 私のファンの子が見に来てくれるって!」
ズンドコに落ち込んでるトコへローラからの朗報。売れた事を心から喜んでくれているローラの様子にゆめも表情をほころばせますが、その売れた相手が「ローラのファン」と聞いて再びしょんぼり。その子たちは「虹野ゆめ」を見たくて買ったんじゃない、ローラに頼まれたから買ったんだ。
「私、誰のために歌うんだろう?」
それを察したゆめは逃げ出すように走り去り、誰も望まないライブのポスターを前にさらなるズンドコに落ちてしまいます。誰も私のライブになんて興味が無い、ならば誰のため何のために歌うのか。


そんな精神状態ではレッスンに集中できず、実力不足の現実も相まってアンナ先生の叱責を受けるばかり。しかも帰り道ではひめ様を見送るファンの残酷な声「ひめ様のライブが見たかったのに~」が聞こえてきて…無慈悲にも突き付けられた厳しすぎる現実、ゆめの薄っすいムネが張り裂けんばかりに追い込まれていきます。いや今回はある方か(そういう問題ではない
「そんな! 誰もいないの!? ねえみんな!」
すると暗いステージにスポットが落ちて暗黒ライブの辛すぎるイメージ映像が始まります。誰もいない客席に向かって叫ぶゆめの動揺・失意、そしてあれほど親身に応援してくれていたローラすら去ってしまった絶望感…ここは作画&BGM&中の人の演技が相まってじつにキリキリ胃を攻めます。きっつー。ひめ様とのレベル差を考えず舞い上がっていた愚かさに今さら気付いても後の祭り、一方今さらそんな泣き言を聞かされたローラが怒って帰ってしまうのも判るだけにフォローのしようがありません。そして目覚めた後に見た「S4になること!!」の宣言書きも現実を知った今となっては夢物語もいいところ。などなどゆめはHPをガンガン削られてほとんど瀕死状態まで追い込まれます。

「自信が無いならやめれば?」
「でも今さらそんなこと…」
「じゃあやるしかないな?」
「でも…」
「どっちなんだよ、はっきりしろよ」
いたたまれず部屋を飛び出したゆめは通行人すばる君とゴッツンコ! そこからいつもの東屋へ移動し、事の次第を聞くとどっち付かず揺れるゆめを理屈でバッサリのすばる君…じつにナントモ男女の会話で笑えます(笑えない。ド直球で攻めてくるすばる君に対して目が泳いでるゆめがまたいかにも。この上なく弱っているのにバツの悪さを捨てきれない、素直に泣き付けないビミョーな距離感も良い良い。そしてゆめは「誰のために歌えばいいのか…」とライブの根本に対する惑いを吐露し、すると業を煮やしたすばる君はゆめの手を引いて街角へ向かうのでした。ここはすばる君の強い口調&アクションに一瞬たじろぐゆめの表情が絶品。細かい表情までよく描かれてます。
「虹野ゆめファーストソロライブ、チケットありまーす!」
「これおもしろいの?」
「もちろんです! 私たちも今からワクワクしてるんです」
「ゆめちゃんなら絶対すごいライブしてくれます」
「少なくともあの二人はお前のライブを楽しみにしてるんだ」
ほどなく着いた公園広場で見たのは、手描きのポップをベンチに貼り、通行人に一生懸命アピールしてゆめのチケットを手売りするローラ&小春ちゃんの姿でした。二人はゆめのライブを心から楽しみにしていて、成功を信じてチケットを宣伝していたのです。聞いてくれる人が二人もいるのにお前は「誰のために歌う?」なんて悩んでいるのか? 俺なんか一人だったぞ…どんな売れっ子でも最初のライブは閑古鳥、聞いてくれる人が一人でもいればその人のために全力で歌う、やがてそれが10人になり100人になり、というアイドルの何たるか?を説くすばる君。これは今やベッタベタの王道シナリオなれどやっぱり王道は良いものです。
「たい焼きのオーディション見ました!」
「今度ライブがあるんだけど…」
「ゆめちゃんの? 行きたい!」「行こう!」
「んだよ…ファンいるじゃん」
ってなトコへ前回オーディションをTVで見ていたニコココちゃんが早くも再登場、こうして見ると誰かの血縁者ではなく純粋にファン枠なのかな? そんな小っさいファンを見てふて腐れるすばる君が果てしなくいいヤツです。ああもう! 自分が歌う意味にようやく気付いたゆめは拳をギュッと握って気合い一発踵を返し…忙しく走り去った後に手の中のチケットを眺めるすばる君がまーたベッタベタながらいいヤツすぎてニマニマが止まらない。もう結婚しちゃえよ!(気が早い。などなど初回での言い合いから着実に距離が詰まってる二人の関係が微笑ましくてたまりません。頼むから空振り三振してくださるな(笑

学園に戻ったゆめは別人のように気合いが入ったアイ!カツ! 夜遅くまで居残って汗を散らしていました。あのゆめがこんな本気の顔を見せたってだけで著しい成長を感じます。ってなトコへ通りがかった歌組二人は遅くまで頑張り続けるゆめに気付き、するとローラが現れて――
「もしも二人がゆめの立場だったら逃げずに向き合えた?」
先の歌組レッスンにてゆめライブの噂話をしていた二人へ強烈なカウンターが入ります。ひめ様の代役というプレッシャーに耐え、ガラガラの客席を前に歌う覚悟ができたか? 一年生だからファンがいなくても仕方がない? そんな気持ちで全力のライブをできたか? ローラの問い掛けに自分たちの言動を恥じた二人は俯いてしまい…一部始終を神視点で見ている視聴者的に二人へのカウンターはさもありなんなのですが、そのトリガー役としてローラが突然割り込んで来たのは少々違和感だったかも。例の噂話があの後も続いてローラは廊下から聞いていたとか、教室へ入った後も噂話が続いていたとか、要するにローラと例の二人の接点がヒトコマでも描写されていれば通じる話なんですけどね。またゆめがチケット売上不振でズンドコに落ち込み→復活した事をローラは知らないはずなのに何故か全て知っているテイで話しているのも気にすりゃ気になるトコ。作中での接点は三枚売れたチケットを渡すカットが最後なので、その一瞬でゆめのズンドコ状態を全て察したとすればアリだけどそれではエスパーすぎるし(笑。まあローラは基本的に口調がキツいので内容以上にキツく取れてしまうため、こういう役回りでは損をしている感じはあります。
というわけで「虹野ゆめファーストソロライブ」当日へ。会場は四ツ葉学園所有の大ホールとの事ですが、モデルとしてはミューザ川崎シンフォニーホールっぽい? 当該ホールの客席数は約2000席なので規模もドンピシャです。Zepp系が常ハコだった前作に比べスターズは少々格調高くなった?(笑。それはともかくゆめライブ、広い会場のロビーも客席も気の毒なほど人影まばらで、ここに至る顛末が判っていても結構ココロが抉られます。何かのきっかけで一発逆転→満席御礼にならない辺りスターズはシビアですなあ。ってなトコでゆめの父ちゃん&母ちゃんが楽屋を訪れ初登場。パッと見 極めて普通のご両親で、手土産どおり父ちゃんはケーキ職人のようです。でも虹色ケーキは体に悪そう(笑。そして子供アニメの通例どおり母ちゃん若くてかわいい。というかゆめは「お父さん」呼びなのね。ローラは「パパ・ママ」呼びっぽい? 馴染みの小春ちゃんに続いて挨拶するローラが礼儀正しくて好印象、とはいえこういうトコを見ると初回のアンナ先生に対する尖りは何だったんだ?と思わなくもなくなくも(略
「ふぅ~、間に合った!」
用事があって来られなかったはずのお三方が開演直前の会場へ滑り込むシーンも地味にグッと来ます。これまで関わった大人たちがゆめのライブを見るために駆け付けてくれた…各エピソードでのゆめはほとんどミソコ状態(笑)でしたが、それだけに各々にとって目が離せない存在になっているのでしょう。んだよ、ファンいるじゃん! そんなこんなで2割満席くらいの客要りにてゆめのファーストソロライブがスタート。定石ながらこの客席が1年後には、と思うと結構ムネが高まります。

先にグレードアップしたレアドレスに着替えて始まった曲は作中の予告どおり思い出の曲「スタートライン!」。たった10話前の出来事ですが、入学前に瞳を輝かせたひめ様ライブと同じ曲でファーストソロライブを飾るってのは結構感慨深かったり。まさに曲名どおりゆめのスタートラインとなりました。歌唱もゆめ担当のせなさんによるソロで、ぶっちゃけOPバージョン+αなのですが…先のひめ様バージョンに比べて明らかに初々しい歌唱にはついニマニマしてしまった(言葉を選んでいます。
映像に目を移すとひめ様による第1話バージョンから短い期間で結構進化しているようで、キメの表情付けも良くなり、またカメラ割り自体は変わらないもののズーミングの調整で前バージョンとかなり印象が違って見えます。ゆめバージョンは少し寄り気味なので表情がよく見える=ゆめへの親近感を重視した演出なのかも。口パクのズレが以前ほど気にならなかったのは調整されたのか見慣れたのか。サビ入りと同時に発動した虹ブーストは結構さぶいぼ、特大アイドルオーラを纏ってのステージングはなるほど見栄えがしますね。ゆめバージョンのブランドアピール(?)もかわいかった。それにしても「かわいい娘にはウインクさせたい」のがCG制作者の常とはいえウインクさせすぎ(笑


例え客席がガラガラでも今できる全力で歌いたい。そんなゆめの思いが通じたか第1話以来の虹ブーストが発動し、その結果観客たちはゆめのライブに大満足。黒幕の学園長も何やら納得したご様子であります。ブーストが掛かっても倒れなくなったのは四ツ星入学以来のアイ!カツ!の効能? ともあれまばらな客席に向かって全力笑顔で手を振るゆめ、ってなトコへ駆け付けたひめ様はゆめの笑顔を見て一安心…すれ違った学園長を完全スルーするほど急いでいる=それほどまでゆめを心配していた事が判ります。いい人、というかやはりひめ様は例のブーストの危険性を知っているのでしょう。
「虹野ゆめ…あの力を越える事ができなければ、キミのアイドル生命は…」
というわけで含みいっぱいの学園長の呟きで締め。開始当初っから謎だった「あの力」についてそろそろ何らかのヒントが欲しいトコ、次回予告にひめ様が倒れるカットがあった辺り多少は言及がありそう? そして「あの力」に気付きかけてるローラの動向も気になります。
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