2016-07-24(Sun)
ラブライブ!サンシャイン!! #04 ふたりのキモチ
世界の隅々まで照らせるような、その輝きを、大空に放ってあげたかった。

それがまるの夢だった。
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それがまるの夢だった。
前回第3話まででメイン世代の二年生組初ライブを済ませ、ってなトコで今回は通例どおり(?)一年生組の加入エピソードであります。本作はメンバー人数や学年ごとの立ち位置が前作とほぼ同じで、従って二年生→一年生→いろいろ拗らせてる三年生というメンバー集めのパターンも似通ってしまうのはある程度仕方ないとは思いますが、それにしたって前作一期の流れマンマってのはせっかくの新作なのに新鮮味が薄いかも。

というわけで一年生組のエピソードは日記帳を捲る形で始まった花丸の回想シーンから。幼稚園時代は砂場で一人で遊ぶ目立たない子、小学校に上がると運動が苦手で学芸会では木の役をするやっぱり目立たない子、だから花丸は一人で没頭できる本の世界の子に育った。それはそうと「幼稚園で一緒だったよしこちゃん」がしっかり映り込んでいて笑う。この頃からヨハネだったのね(笑
「読み終わった時ちょっぴり寂しかったけれど、それでも本があれば大丈夫だと思った」
一人でいるのは寂しくないけどお話が終わってしまうのは寂しい。これは小さい頃から一人で過ごしてきた花丸らしい感性で、かく言う私も集団よりも一人で没頭できる遊びの方が好きなタイプなので何となく判るような。このセリフは今回終盤でのキーワードになっていて、なるほど花丸のキャラ性を活かし、読後の心境と解決後の心境を絡めた綺麗な仕掛けでありました。
そんな一人上手の花丸は件の図書室で謎の小動物(笑)と出会います。ルビィはJC時代もかわいいな! キワキワミニスカを見慣れた目に紺セーラーの膝下スカートはなかなか新鮮。本編でも一人くらい膝丈の子がいても良さそうで、キャラの個性も引き立つと思うのですが、何せお堅い生徒会長や生真面目な梨子まで揃って限界丈なので望むべくもなく。というかアイドルアニメのスカートはキワキワ丈じゃないといけない決まりでもあるのだろうか(笑。話戻して本棚の陰に潜む小動物、隠れるようにこっそり読んでいるのは場所柄もあるでしょうけど、何よりお姉ちゃんの目を盗んで読む習慣が癖になってる感じ。ってなトコを見つけた花丸は慌てて顔を隠すルビィに笑顔を向けるとかわいらしい照れ笑顔が返ってきて、これをきっかけに二人はお互い大切な友達になるのでした。

中学セーラーの花丸。なるほどこの頃から花丸丘陵の主張が見て取れます。


前回の課題クリアをして約束どおり「スクールアイドル陪部」の承認を勝ち取った三人娘は宛がわれた部室にさっそく看板プレートを付けてご満悦。というか第一話で掲げていたアレって看板だったのか(笑。ファイナルフュージョン承認! の如くアクションで承認印を押す鞠莉さんの思惑は未だ明らかではありませんが…聡明な曜&梨子は何らかの疑念を抱いている様子です。それにしても前回後半でアクションを抑圧されていた反動か、今回の鞠莉さんは隙あらばアクションしまくり動きまくり、メーター諸氏もノリノリで描いてる感じ(笑
「片付けて使えって言ってたけど…」
「これ全部!?」
さて意気揚々と自分たちの城へ乗り込んだ三人娘は部屋内の惨状に暫し呻き声を上げて脱力。あらら。パッと見たところ以前は部室と使われていた部屋が空室ついでに各運動部の物置化してしまった感じ? 全力でブーたれる千歌に対し腕まくりで尻を叩く二人がじつに頼もしい。すると千歌はホワイトボードにボンヤリと残っていた歌詞らしき痕跡に食い付き…これは誰が書いたものなのか?など大概予想が付きますが、今のトコは黙って三年生組のエピソードを待ちます。なーんて一部始終を窓外から覗いていた小動物が一匹。
「やっぱり部室できてた! スクールアイドル部承認されたんだよ!」
「よかったね~」
「うん! またライブ見られるんだ…びぇっ!」
覗き見た部室の顛末を花丸に報告しつつ天に昇る勢いで喜んでいたルビィは、しかし次の瞬間図書室を訪れた三人娘に慌てふためき鳴き声を上げてカウンターの奥へ逃げ隠れてしまいます。パニクったルビィの鳴き声は最初は大丈夫か?と思ったけれど第4話を数えた今では脳幹をくすぐるかわいらしさとして認知されてしまった。ヤバいこの声は麻薬だ(大丈夫か俺。まーた端から丸見えの扇風機の後に縮こまって隠れているつもりってのもかわいすぎる。一方ルビィの習性(笑)に今や慣れっこの千歌は慌てず騒がずロックオン。あはは。というか立て膝の裏ももが際どすぎ。
「スクールアイドル部へようこそ!」
片付けていた部室から出てきた本の山を届けに来た流れから花丸&ルビィの手をガシッと握り、いかにも怪しげな表情で勧誘に走る千歌。「絶対悪いようにはしませんよ~」とかドコのピンクスカウトか(笑。後の二人の呆れ顔もいい味。ところが「そういうの」が苦手な花丸は遠慮気味にご辞退申し上げ、続くルビィも花丸に同調し…部の承認をあれほど喜び、スクールアイドルが大好きなはずなのに言葉を濁して逃げるばかり。そんなルビィを悲しげに見つめる花丸の表情が印象的で、これ以降幾度も繰り返される同様の表情描写によって、ルビィに対する花丸の思いが着々と印象付けられていきます。

「お姉ちゃん、昔はスクールアイドル好きだったんだけど…」
シーンは帰宅のバス停へ移り、スクールアイドルが大好きなのに誘いを断る理由語りを暫し。ご存じのとおり何だかんだ言いながら今も重度のμ'sオタ(笑)であるダイヤさんは、元々ルビィと自作衣装でモノマネするほどのファンでありました。この衣装は「Dancing stars on me!」のエリチ&ぱなよですか。手作り感溢れる衣装、ダンボール製の羽根やアクセ、マイク代わりのおたま&掛け軸などなどチープながら心底楽しそうで、キラキラの表情でマイクを向け合う仲良し姉妹の微笑ましさに思わずニマニマ。ところがそんな楽しい日々はダイヤさんが高校へ入って暫く経ったある日突然終わってしまいます。
「お姉ちゃんが見たくないって言うもの好きでいられないよ」
冷たい表情でスクールアイドルを全否定するお姉ちゃんに戸惑いつつ、ルビィはお姉ちゃんを気遣って「自分も嫌いにならなければいけない」と思い込み、さらに――
「花丸ちゃんは興味ないの? スクールアイドル」
「ないない! 運動苦手だし、オラとか言っちゃう時あるし」
「じゃあルビィも平気」
お姉ちゃんに加えて花丸に対しても気を使ってスクールアイドルへの思いを抑えていたのでした。優しいルビィはそれが最善と思っていて、対する花丸もそれがルビィの優しさと判っていて、判っているからこそ正面から扉を開けてあげられない。ああ辛い。

シーン変わってダイビングショップ。前回ライブシーンで意味深な視線を向けていた鞠莉が本能の赴くまま(笑)いきなりぱふぱふを堪能し、引き剥がされてもめげずに抱きつく再会シーンであります。スキンシップ過剰! さすがガイジンは違う。
「どうしたのいきなり」
「スカウトに来たの!」
「休学が終わったらスクールアイドル始めるのよ、浦の星で」
「本気?」
「でなければ戻ってこないよ」
インチキくさいガイジン訛りでスクールアイドルに誘う鞠莉は流れるようなダンスで果南を煽り、一方動じず見据える果南へ今度は声のトーンを落として本気を示す。というわけでこれまで何かと意味深だった鞠莉の真意が明らかとなり、また大方の予想どおり果南と鞠莉は何らかの因縁で繋がっている事も明らかに。二年ぶりの戻ってきた鞠莉、ダイヤさんが変わってしまったのは高校入学暫く=一年生時=二年前、そして現在休学中の果南と、この三人に何があったのか? それが本筋にどう絡んでいくのか? 今後の三年生展開が楽しみであります。それはそうとこのシーンはやたら動く鞠莉のアクションがいちいち凄かった。これは彼女のダンスパフォーマンスの高さも地味に(いや地味じゃないけど)アピールしていて、要するに「経験者」である事を強く印象付けています。そういや例のガイジン訛りも口調変化を見ると彼女なりのキャラ作りだったようですね。インチキ関西弁ののんちゃんみたいな。

自宅の一室で物陰に隠れてアイドル雑誌を眺めるルビィ。大好きなμ'sの記事を見ているうちにお姉ちゃんとわいわい語り合った楽しい日々を思い浮かべ、しかしそれはもう手が届かない思い出になってしまった事にしょんぼり沈んでしまいます。ああ切ない。それでもμ'sの記事を眺めていると笑顔を戻し…そんな妹を黙って見つめ、何も言わず立ち去るダイヤさんはルビィの気持ちが判っているのでしょう。判っているけどやはりこちらも正面から言い出す事はなく、ルビィ自身が踏み出す事を待っているような感じ。
「μ'sかあ…オラには無理ずら」
アイドル雑誌を捲る手の袖の色が違う! と思ったらページ捲りをきっかけとしたシーンチェンジでありました。芸コマ。というわけで例の本屋でアイドル雑誌を眺める花丸は華やかなアイドルに自嘲の溜息を吐きつつ、ウエディング凛ちゃんの写真に惹かれる素振りを見せ…あれは数ある凛ちゃんの中でも飛びきりかわいかったからなー。そんな本屋にグラサン+マスクの怪しい人物が出没! 何やってんだよもう! サボってないで早く本編に参加してよ!(笑。というか今回終盤で明らかになった作中日付が「6月18日」、つまり入学式以来もう2ヶ月も登校拒否っている!? どーすんのよしこちゃん!?

「μ'sも階段登って鍛えたって!」
「でもこんなに長いなんて…はぁぁ」
「こんなの毎日登ってたら体が保たないわ…」
μ'sの神田明神階段登りに倣って階段特訓を始めた三人娘。千歌&梨子はともかく現役水泳部の曜が息切れ切れなのはどうなの? と思いつつ、本家の階段と比較にならない淡島神社の階段…標高137m、道中650m、往復50分の行程は体力作りの日常トレーニングに使うには少々過酷そうではあります。
「果南ちゃん!? もしかして上まで走って行ったの!?」
「一応ね。日課だから」
すると息も切らさず走ってきた果南とバッタリ。毎日登ってたら体が保たないと言ってたトコへ涼しい顔で「日課」と言われちゃグゥの音も出ません(笑。ここの短い会話にてスクールアイドルの話題に対しあからさまにソッポを向いてサッサと離脱の果南は、まあそういう事なのでしょう。というわけで果南はこのフィジカル、鞠莉は先のシーンで見せたダンス力、ダイヤさんは…知識か! 知識だけなのか!?
「ルビィちゃんと一緒に見ているうちにいいなぁって。だからルビィちゃんも一緒にやらない?」
「やってみたいんでしょ?」
「それはそうだけど…人前とか苦手だし…お姉ちゃんが嫌がると思うし…」
シーン変わって教室では突然スクールアイドルに目覚めた花丸がルビィを誘っていました。ついさっきまで「ないない!」と言っていた花丸がいきなりどうした? 凜ちゃんの写真を見ただけで目覚めた? どんだけショートカットなのか? などなどこの急展開にご都合臭を感じた方々も多かろう事でしょう。正直私もそうでした。しかしこれはルビィの自発を促す花丸の作戦で、正面から誘ってもお姉ちゃんに気を使って煮え切らないルビィに対し、花丸は「体験入部」というワンクッションを置いてどうにかこうにか誘い出します。

「ほんと! やった! やったー!」
CM明けてBパート冒頭は部室を訪れたルビィ&花丸を大大大歓迎の千歌ジャンプから。この高さからして嬉しさレベルが判ろうというものです(笑。というか躍動する脚のキワキワっぷりが凄い。こんだけ動かしても決して見せない鉄壁ガードも凄い。体験入部と言っているのに全国制覇の妄想爆発、さらに「内密に」と言っているのにチラシに名前を書いちゃう千歌の暴走が際立ちます。あはは。人の話は聞こうね。
「本物のスクールアイドルの練習…」
例のホワイトボードに貼られた練習スケジュール表を見て感動のルビィ。モノマネ遊びではなく「本物」の練習を始められる、幼い頃からの憧れが現実となった喜びが溢れる一言です。一方スケジュールに対し冷静に意見を述べる曜、いちいち手を上げて言う辺り真面目な子なんだなあと。そういやホワイトボードに残っていた歌詞は綺麗に消してしまった? 何となく裏面に残っている気がするけど如何に。

ルビィの一声で練習場所は前作踏襲の屋上にけってーい。ここで何か一悶着あるかと思ったらあっさり決まってちょっと拍子抜けでした。まあダイヤさんが何か言ってきても理事長のお墨付きがあるからどうにでもなっちゃいますし…そう考えると最高権力者の後ろ盾ってのはお話を平坦にしちゃう感じで少々モニョるかも。ここでも千歌の大ジャンプが炸裂! どんだけ飛ぶのか。
「あったかい…」
屋上のコンクリ床に手を当てて温かさを実感する千歌、それに倣って手を当てるみなさん。ちょっといいシーンですが真夏になったらそんなん言うてられんだろうな(笑。それはそうとこのヒトコマも脚アピールが凄い。座った千歌の脚からケツから、前を横切るルビィの絶対領域から、本作スタッフはどんだけ脚を描きたいのか。いや拘りは脚だけではなく花丸丘陵も凄(略
さっそく始まったダンスレッスンではルビィが才能の片鱗を見せ、心底楽しそうに、部室に戻っても熱中している様子を花丸は満足げに見守ります。ここで新曲歌詞について振られたのは文学少女設定を歌詞作りに繋げる仕込み?

そして練習は例の階段登りへ。ところが元々運動が苦手な花丸は必死に走っても一人だけ大きく遅れてしまい、その事に気付いたルビィは途中で止まって花丸を待ちます。
「一緒に行こう!」
「ダメだよ…ルビィちゃんは走らなきゃ」
「ルビィちゃんはもっと自分の気持ち大切にしなきゃ」
「自分に嘘吐いて、無理に人に合わせても辛いだけだよ」
息を切らせていかにも辛そうな花丸を置いて先に行く。これはルビィが今置かれている立場や「無理に合わせる辛さ」を花丸が体を張って伝え、「ルビィ自身の決断」を迫っているのです。しかし優しいルビィは花丸を置いて行けず立ち止まり、すると花丸は――
「さあ、行って」
踏ん切りが付かないルビィを後押しするよう強い瞳で何度も訴えかけ、その瞳から花丸の思いをついに受け止めたルビィは踵を返して階段を駆け上がっていくのでした。
まると一緒に図書室で過ごしてくれたその子は、とても優しくて、とても思いやりがあって、でも気にしすぎな子。素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部胸に閉じ込めてしまう子。その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた。中に詰まっている、いっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるような、その輝きを、大空に放ってあげたかった。それがまるの夢だった。
夢に向かって走り始めたルビィを見送った花丸は満足げな表情を浮かべると階段を降り始めます。頂上へ向かって必死に走るルビィと万感の思いで降りる花丸を交互に映す演出は、花丸が描いた夢が成就した=一つの物語が終わり、その結果として各々違う道を歩んでいく事を示唆しているのでしょう。花丸自ら望んだ「夢」が叶って満足だけどちょっぴり寂しい…冒頭で語った花丸の読書に対するスタンスがそのまま今の心境に重なります。とはいえ友達のために自身の寂しさを受け容れるってのは、裏を返せばルビィの優しさと同じ事。お互いに友達の事を思うばかりに自分を抑えて無理をする、そんな二人だからこそ仲良くなれたのかもしれないけれど、傍から見てるとこの結末はちょっぴり寂しい。


ほどなく長く辛い階段を登り切ったルビィへの祝福が街に響き、果南、鞠莉が各々の場所でその声を聞いている時、もう一人の三年生も同じ声を聞いていました。そんなゴールを確かめて満足げな花丸は最後の仕上げに向かいます。
「ルビィちゃんの話を、ルビィちゃんの気持ちを聞いてあげてください」
階段下へ呼び出したダイヤさんへそう告げると走り去る花丸。一方現場に残されたダイヤさんは風に吹かれて「そんなの判ってる」と憂い顔であります。もちろん妹の気持ちなどとっくに判っていて、遠慮して何も言い出せない妹の性格も判っていて、それでもスクールアイドルへの複雑な思いを消す事ができず両手を挙げて応援などできない。難しいね。ってなトコへ三人娘+ルビィが降りてきて、まさかの御対面に一瞬で厳しい表情に変わるダイヤさん。凄い迫力であります。こんな形相と対峙したらルビィじゃなくても泣いちゃいそう(笑
「お姉ちゃん…ルビィ、ルビィね…」
しかしここのルビィは違っていました。千歌のフォローを振り切って自分の足で姉の前に立ち、自分の口で思いを伝えた。自分の気持ちを抑え付けていた小さい妹の変化、その強い瞳にダイヤさんは目を見開き…皆まで言わさず表情だけで全てを伝える演出はなかなかドラマチックでした。ベッタベタだけどおっさんはこういうのに弱い。そういやこの姉妹って髪色も顔も全然他人だけど瞳色だけは共通してるのね。とはいえ無粋だとは思いますがもう少し姉妹らしい共通点がほしいトコ。現状だと単に「姉妹という設定のお芝居」みたいに見えなくなくも。

「良かったね、やっと希望が叶って…」
シーンは翌日の学園に飛んで、相変わらず厳しい表情で生徒たちを見据えるダイヤさんへ鞠莉が意外な一言を掛けます。面と向かえば厳しいお姉ちゃんも本心では妹の憧れを叶えてあげたかった、気弱な妹が自分の脚で踏み出す事を望んでいた、それが姉としての希望だったのでしょう。というかそういうレベルまでツーカーな鞠莉&ダイヤさんの関係性&過去のアレコレがいよいよ気になるトコです。まあ十中八九トラブルの原因は鞠莉にありそうだけど(笑
これでまるの話はおしまい。もう夢は叶ったから。まるは本の世界に戻るの。
「大丈夫、一人でも」
入部届を提出して晴れてスクールアイドル部に入ったルビィ。夢が叶って笑顔を綻ばせるルビィの一方で、同じく夢が叶って図書館へ戻る黒スト少女の姿がありました。たった一人で定位置へ戻った花丸は自分に言い聞かせるように「大丈夫」と呟き、机の引き出しに残ったアイドル雑誌に一抹の未練を浮かばせ、それでも「話」が終わった以上一瞬体験したキラキラ世界ともお別れです。ばいばい。
「ルビィね、花丸ちゃんの事見てた。ルビィに気を使ってスクールアイドルやってるんじゃないかって。ルビィのために無理してるんじゃないかって心配だったから。でも練習の時も屋上の時もみんなで話してる時も花丸ちゃん嬉しそうだった」
すると花丸が一人佇む図書室へカチ込んできたルビィは堰を切ったように自分の気持ちを伝えます。そう、ルビィはきちんと花丸の気持ちが判っていたのですね。だから常々花丸の様子を窺い、神社の階段で花丸を待ち、花丸の気持ちを受け止めて階段を登り、怖い怖いお姉ちゃん(笑)へ自分の気持ちを伝える事ができた。と同時に花丸自身がアイドルに憧れていた事にも気付いていて、今度はルビィの方から本気の誘いを掛けます。ところが花丸は「向いていない」と首を振るばかり。ってなトコで凜ちゃんのエピソードを絡め、ふっと現れた三人娘が手を差し伸べ、それでも踏ん切りが付かない花丸へ――
「ルビィ、スクールアイドルがやりたい! 花丸ちゃんと!」
人に遠慮して自分を抑え続けてきたルビィが放った心からの言葉。そこへ追い討ちを掛けるように普通星人の千歌が「一番大切なのはやりたいかどうか」と問い掛け、だから花丸も自分の気持ちに正直になれた。というわけで一人遊びが好きな花丸の回想から始まったお話は、夢が叶っておしまいではなく、花丸に「仲間」ができて幕を閉じます。一見ルビィの成長劇と思わせた今回は、じつは花丸の成長こそが主題だったという綺麗な締め。その過程で一歩を踏み出したルビィといい、妹思いのお姉ちゃんといい、ドラマを予感させる鞠莉&果南といい、今後の期待を含めてじつによくできたエピソードでした。そういや前作も一年生組のエピソードは出来が良かった気がする。まあ私自身が「自縛からの解放」的なお話が好みなだけかもしれませんけど。

「上に5000組もスクールアイドルがいるってこと?…しゅごい数…」
五人揃ってついにエントリーしたAqoursのランクは何と4999位、ちょっと見ない間に参加校がどえらい増えてますなあ。ちなみにμ'sのエントリー直後は999位だったのでざっと5倍、すなわち前作時代に比べてスクールアイドルの隆盛(一般化)が進んでいる事の表れでしょう。とはいえ現在日本全国の高等学校数は国公立・私立全て含めて5000校+程度のため、ほぼ限界値近くまで普及が進んでいると予想できます。というかこの数字は男子校も含めてなので、作中で描かれない所では全裸の男子が踊るキミを見てるようなキングオブラブライブ大会が開催されているのかもしれない。

というわけで一年生組のエピソードは日記帳を捲る形で始まった花丸の回想シーンから。幼稚園時代は砂場で一人で遊ぶ目立たない子、小学校に上がると運動が苦手で学芸会では木の役をするやっぱり目立たない子、だから花丸は一人で没頭できる本の世界の子に育った。それはそうと「幼稚園で一緒だったよしこちゃん」がしっかり映り込んでいて笑う。この頃からヨハネだったのね(笑
「読み終わった時ちょっぴり寂しかったけれど、それでも本があれば大丈夫だと思った」
一人でいるのは寂しくないけどお話が終わってしまうのは寂しい。これは小さい頃から一人で過ごしてきた花丸らしい感性で、かく言う私も集団よりも一人で没頭できる遊びの方が好きなタイプなので何となく判るような。このセリフは今回終盤でのキーワードになっていて、なるほど花丸のキャラ性を活かし、読後の心境と解決後の心境を絡めた綺麗な仕掛けでありました。
そんな一人上手の花丸は件の図書室で謎の小動物(笑)と出会います。ルビィはJC時代もかわいいな! キワキワミニスカを見慣れた目に紺セーラーの膝下スカートはなかなか新鮮。本編でも一人くらい膝丈の子がいても良さそうで、キャラの個性も引き立つと思うのですが、何せお堅い生徒会長や生真面目な梨子まで揃って限界丈なので望むべくもなく。というかアイドルアニメのスカートはキワキワ丈じゃないといけない決まりでもあるのだろうか(笑。話戻して本棚の陰に潜む小動物、隠れるようにこっそり読んでいるのは場所柄もあるでしょうけど、何よりお姉ちゃんの目を盗んで読む習慣が癖になってる感じ。ってなトコを見つけた花丸は慌てて顔を隠すルビィに笑顔を向けるとかわいらしい照れ笑顔が返ってきて、これをきっかけに二人はお互い大切な友達になるのでした。

中学セーラーの花丸。なるほどこの頃から花丸丘陵の主張が見て取れます。


前回の課題クリアをして約束どおり「スクールアイドル
「片付けて使えって言ってたけど…」
「これ全部!?」
さて意気揚々と自分たちの城へ乗り込んだ三人娘は部屋内の惨状に暫し呻き声を上げて脱力。あらら。パッと見たところ以前は部室と使われていた部屋が空室ついでに各運動部の物置化してしまった感じ? 全力でブーたれる千歌に対し腕まくりで尻を叩く二人がじつに頼もしい。すると千歌はホワイトボードにボンヤリと残っていた歌詞らしき痕跡に食い付き…これは誰が書いたものなのか?など大概予想が付きますが、今のトコは黙って三年生組のエピソードを待ちます。なーんて一部始終を窓外から覗いていた小動物が一匹。
「やっぱり部室できてた! スクールアイドル部承認されたんだよ!」
「よかったね~」
「うん! またライブ見られるんだ…びぇっ!」
覗き見た部室の顛末を花丸に報告しつつ天に昇る勢いで喜んでいたルビィは、しかし次の瞬間図書室を訪れた三人娘に慌てふためき鳴き声を上げてカウンターの奥へ逃げ隠れてしまいます。パニクったルビィの鳴き声は最初は大丈夫か?と思ったけれど第4話を数えた今では脳幹をくすぐるかわいらしさとして認知されてしまった。ヤバいこの声は麻薬だ(大丈夫か俺。まーた端から丸見えの扇風機の後に縮こまって隠れているつもりってのもかわいすぎる。一方ルビィの習性(笑)に今や慣れっこの千歌は慌てず騒がずロックオン。あはは。というか立て膝の裏ももが際どすぎ。
「スクールアイドル部へようこそ!」
片付けていた部室から出てきた本の山を届けに来た流れから花丸&ルビィの手をガシッと握り、いかにも怪しげな表情で勧誘に走る千歌。「絶対悪いようにはしませんよ~」とかドコのピンクスカウトか(笑。後の二人の呆れ顔もいい味。ところが「そういうの」が苦手な花丸は遠慮気味にご辞退申し上げ、続くルビィも花丸に同調し…部の承認をあれほど喜び、スクールアイドルが大好きなはずなのに言葉を濁して逃げるばかり。そんなルビィを悲しげに見つめる花丸の表情が印象的で、これ以降幾度も繰り返される同様の表情描写によって、ルビィに対する花丸の思いが着々と印象付けられていきます。

「お姉ちゃん、昔はスクールアイドル好きだったんだけど…」
シーンは帰宅のバス停へ移り、スクールアイドルが大好きなのに誘いを断る理由語りを暫し。ご存じのとおり何だかんだ言いながら今も重度のμ'sオタ(笑)であるダイヤさんは、元々ルビィと自作衣装でモノマネするほどのファンでありました。この衣装は「Dancing stars on me!」のエリチ&ぱなよですか。手作り感溢れる衣装、ダンボール製の羽根やアクセ、マイク代わりのおたま&掛け軸などなどチープながら心底楽しそうで、キラキラの表情でマイクを向け合う仲良し姉妹の微笑ましさに思わずニマニマ。ところがそんな楽しい日々はダイヤさんが高校へ入って暫く経ったある日突然終わってしまいます。
「お姉ちゃんが見たくないって言うもの好きでいられないよ」
冷たい表情でスクールアイドルを全否定するお姉ちゃんに戸惑いつつ、ルビィはお姉ちゃんを気遣って「自分も嫌いにならなければいけない」と思い込み、さらに――
「花丸ちゃんは興味ないの? スクールアイドル」
「ないない! 運動苦手だし、オラとか言っちゃう時あるし」
「じゃあルビィも平気」
お姉ちゃんに加えて花丸に対しても気を使ってスクールアイドルへの思いを抑えていたのでした。優しいルビィはそれが最善と思っていて、対する花丸もそれがルビィの優しさと判っていて、判っているからこそ正面から扉を開けてあげられない。ああ辛い。

シーン変わってダイビングショップ。前回ライブシーンで意味深な視線を向けていた鞠莉が本能の赴くまま(笑)いきなりぱふぱふを堪能し、引き剥がされてもめげずに抱きつく再会シーンであります。スキンシップ過剰! さすがガイジンは違う。
「どうしたのいきなり」
「スカウトに来たの!」
「休学が終わったらスクールアイドル始めるのよ、浦の星で」
「本気?」
「でなければ戻ってこないよ」
インチキくさいガイジン訛りでスクールアイドルに誘う鞠莉は流れるようなダンスで果南を煽り、一方動じず見据える果南へ今度は声のトーンを落として本気を示す。というわけでこれまで何かと意味深だった鞠莉の真意が明らかとなり、また大方の予想どおり果南と鞠莉は何らかの因縁で繋がっている事も明らかに。二年ぶりの戻ってきた鞠莉、ダイヤさんが変わってしまったのは高校入学暫く=一年生時=二年前、そして現在休学中の果南と、この三人に何があったのか? それが本筋にどう絡んでいくのか? 今後の三年生展開が楽しみであります。それはそうとこのシーンはやたら動く鞠莉のアクションがいちいち凄かった。これは彼女のダンスパフォーマンスの高さも地味に(いや地味じゃないけど)アピールしていて、要するに「経験者」である事を強く印象付けています。そういや例のガイジン訛りも口調変化を見ると彼女なりのキャラ作りだったようですね。インチキ関西弁ののんちゃんみたいな。

自宅の一室で物陰に隠れてアイドル雑誌を眺めるルビィ。大好きなμ'sの記事を見ているうちにお姉ちゃんとわいわい語り合った楽しい日々を思い浮かべ、しかしそれはもう手が届かない思い出になってしまった事にしょんぼり沈んでしまいます。ああ切ない。それでもμ'sの記事を眺めていると笑顔を戻し…そんな妹を黙って見つめ、何も言わず立ち去るダイヤさんはルビィの気持ちが判っているのでしょう。判っているけどやはりこちらも正面から言い出す事はなく、ルビィ自身が踏み出す事を待っているような感じ。
「μ'sかあ…オラには無理ずら」
アイドル雑誌を捲る手の袖の色が違う! と思ったらページ捲りをきっかけとしたシーンチェンジでありました。芸コマ。というわけで例の本屋でアイドル雑誌を眺める花丸は華やかなアイドルに自嘲の溜息を吐きつつ、ウエディング凛ちゃんの写真に惹かれる素振りを見せ…あれは数ある凛ちゃんの中でも飛びきりかわいかったからなー。そんな本屋にグラサン+マスクの怪しい人物が出没! 何やってんだよもう! サボってないで早く本編に参加してよ!(笑。というか今回終盤で明らかになった作中日付が「6月18日」、つまり入学式以来もう2ヶ月も登校拒否っている!? どーすんのよしこちゃん!?

「μ'sも階段登って鍛えたって!」
「でもこんなに長いなんて…はぁぁ」
「こんなの毎日登ってたら体が保たないわ…」
μ'sの神田明神階段登りに倣って階段特訓を始めた三人娘。千歌&梨子はともかく現役水泳部の曜が息切れ切れなのはどうなの? と思いつつ、本家の階段と比較にならない淡島神社の階段…標高137m、道中650m、往復50分の行程は体力作りの日常トレーニングに使うには少々過酷そうではあります。
「果南ちゃん!? もしかして上まで走って行ったの!?」
「一応ね。日課だから」
すると息も切らさず走ってきた果南とバッタリ。毎日登ってたら体が保たないと言ってたトコへ涼しい顔で「日課」と言われちゃグゥの音も出ません(笑。ここの短い会話にてスクールアイドルの話題に対しあからさまにソッポを向いてサッサと離脱の果南は、まあそういう事なのでしょう。というわけで果南はこのフィジカル、鞠莉は先のシーンで見せたダンス力、ダイヤさんは…知識か! 知識だけなのか!?
「ルビィちゃんと一緒に見ているうちにいいなぁって。だからルビィちゃんも一緒にやらない?」
「やってみたいんでしょ?」
「それはそうだけど…人前とか苦手だし…お姉ちゃんが嫌がると思うし…」
シーン変わって教室では突然スクールアイドルに目覚めた花丸がルビィを誘っていました。ついさっきまで「ないない!」と言っていた花丸がいきなりどうした? 凜ちゃんの写真を見ただけで目覚めた? どんだけショートカットなのか? などなどこの急展開にご都合臭を感じた方々も多かろう事でしょう。正直私もそうでした。しかしこれはルビィの自発を促す花丸の作戦で、正面から誘ってもお姉ちゃんに気を使って煮え切らないルビィに対し、花丸は「体験入部」というワンクッションを置いてどうにかこうにか誘い出します。

「ほんと! やった! やったー!」
CM明けてBパート冒頭は部室を訪れたルビィ&花丸を大大大歓迎の千歌ジャンプから。この高さからして嬉しさレベルが判ろうというものです(笑。というか躍動する脚のキワキワっぷりが凄い。こんだけ動かしても決して見せない鉄壁ガードも凄い。体験入部と言っているのに全国制覇の妄想爆発、さらに「内密に」と言っているのにチラシに名前を書いちゃう千歌の暴走が際立ちます。あはは。人の話は聞こうね。
「本物のスクールアイドルの練習…」
例のホワイトボードに貼られた練習スケジュール表を見て感動のルビィ。モノマネ遊びではなく「本物」の練習を始められる、幼い頃からの憧れが現実となった喜びが溢れる一言です。一方スケジュールに対し冷静に意見を述べる曜、いちいち手を上げて言う辺り真面目な子なんだなあと。そういやホワイトボードに残っていた歌詞は綺麗に消してしまった? 何となく裏面に残っている気がするけど如何に。

ルビィの一声で練習場所は前作踏襲の屋上にけってーい。ここで何か一悶着あるかと思ったらあっさり決まってちょっと拍子抜けでした。まあダイヤさんが何か言ってきても理事長のお墨付きがあるからどうにでもなっちゃいますし…そう考えると最高権力者の後ろ盾ってのはお話を平坦にしちゃう感じで少々モニョるかも。ここでも千歌の大ジャンプが炸裂! どんだけ飛ぶのか。
「あったかい…」
屋上のコンクリ床に手を当てて温かさを実感する千歌、それに倣って手を当てるみなさん。ちょっといいシーンですが真夏になったらそんなん言うてられんだろうな(笑。それはそうとこのヒトコマも脚アピールが凄い。座った千歌の脚からケツから、前を横切るルビィの絶対領域から、本作スタッフはどんだけ脚を描きたいのか。いや拘りは脚だけではなく花丸丘陵も凄(略
さっそく始まったダンスレッスンではルビィが才能の片鱗を見せ、心底楽しそうに、部室に戻っても熱中している様子を花丸は満足げに見守ります。ここで新曲歌詞について振られたのは文学少女設定を歌詞作りに繋げる仕込み?

そして練習は例の階段登りへ。ところが元々運動が苦手な花丸は必死に走っても一人だけ大きく遅れてしまい、その事に気付いたルビィは途中で止まって花丸を待ちます。
「一緒に行こう!」
「ダメだよ…ルビィちゃんは走らなきゃ」
「ルビィちゃんはもっと自分の気持ち大切にしなきゃ」
「自分に嘘吐いて、無理に人に合わせても辛いだけだよ」
息を切らせていかにも辛そうな花丸を置いて先に行く。これはルビィが今置かれている立場や「無理に合わせる辛さ」を花丸が体を張って伝え、「ルビィ自身の決断」を迫っているのです。しかし優しいルビィは花丸を置いて行けず立ち止まり、すると花丸は――
「さあ、行って」
踏ん切りが付かないルビィを後押しするよう強い瞳で何度も訴えかけ、その瞳から花丸の思いをついに受け止めたルビィは踵を返して階段を駆け上がっていくのでした。
まると一緒に図書室で過ごしてくれたその子は、とても優しくて、とても思いやりがあって、でも気にしすぎな子。素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部胸に閉じ込めてしまう子。その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた。中に詰まっている、いっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるような、その輝きを、大空に放ってあげたかった。それがまるの夢だった。
夢に向かって走り始めたルビィを見送った花丸は満足げな表情を浮かべると階段を降り始めます。頂上へ向かって必死に走るルビィと万感の思いで降りる花丸を交互に映す演出は、花丸が描いた夢が成就した=一つの物語が終わり、その結果として各々違う道を歩んでいく事を示唆しているのでしょう。花丸自ら望んだ「夢」が叶って満足だけどちょっぴり寂しい…冒頭で語った花丸の読書に対するスタンスがそのまま今の心境に重なります。とはいえ友達のために自身の寂しさを受け容れるってのは、裏を返せばルビィの優しさと同じ事。お互いに友達の事を思うばかりに自分を抑えて無理をする、そんな二人だからこそ仲良くなれたのかもしれないけれど、傍から見てるとこの結末はちょっぴり寂しい。



ほどなく長く辛い階段を登り切ったルビィへの祝福が街に響き、果南、鞠莉が各々の場所でその声を聞いている時、もう一人の三年生も同じ声を聞いていました。そんなゴールを確かめて満足げな花丸は最後の仕上げに向かいます。
「ルビィちゃんの話を、ルビィちゃんの気持ちを聞いてあげてください」
階段下へ呼び出したダイヤさんへそう告げると走り去る花丸。一方現場に残されたダイヤさんは風に吹かれて「そんなの判ってる」と憂い顔であります。もちろん妹の気持ちなどとっくに判っていて、遠慮して何も言い出せない妹の性格も判っていて、それでもスクールアイドルへの複雑な思いを消す事ができず両手を挙げて応援などできない。難しいね。ってなトコへ三人娘+ルビィが降りてきて、まさかの御対面に一瞬で厳しい表情に変わるダイヤさん。凄い迫力であります。こんな形相と対峙したらルビィじゃなくても泣いちゃいそう(笑
「お姉ちゃん…ルビィ、ルビィね…」
しかしここのルビィは違っていました。千歌のフォローを振り切って自分の足で姉の前に立ち、自分の口で思いを伝えた。自分の気持ちを抑え付けていた小さい妹の変化、その強い瞳にダイヤさんは目を見開き…皆まで言わさず表情だけで全てを伝える演出はなかなかドラマチックでした。ベッタベタだけどおっさんはこういうのに弱い。そういやこの姉妹って髪色も顔も全然他人だけど瞳色だけは共通してるのね。とはいえ無粋だとは思いますがもう少し姉妹らしい共通点がほしいトコ。現状だと単に「姉妹という設定のお芝居」みたいに見えなくなくも。

「良かったね、やっと希望が叶って…」
シーンは翌日の学園に飛んで、相変わらず厳しい表情で生徒たちを見据えるダイヤさんへ鞠莉が意外な一言を掛けます。面と向かえば厳しいお姉ちゃんも本心では妹の憧れを叶えてあげたかった、気弱な妹が自分の脚で踏み出す事を望んでいた、それが姉としての希望だったのでしょう。というかそういうレベルまでツーカーな鞠莉&ダイヤさんの関係性&過去のアレコレがいよいよ気になるトコです。まあ十中八九トラブルの原因は鞠莉にありそうだけど(笑
これでまるの話はおしまい。もう夢は叶ったから。まるは本の世界に戻るの。
「大丈夫、一人でも」
入部届を提出して晴れてスクールアイドル部に入ったルビィ。夢が叶って笑顔を綻ばせるルビィの一方で、同じく夢が叶って図書館へ戻る黒スト少女の姿がありました。たった一人で定位置へ戻った花丸は自分に言い聞かせるように「大丈夫」と呟き、机の引き出しに残ったアイドル雑誌に一抹の未練を浮かばせ、それでも「話」が終わった以上一瞬体験したキラキラ世界ともお別れです。ばいばい。
「ルビィね、花丸ちゃんの事見てた。ルビィに気を使ってスクールアイドルやってるんじゃないかって。ルビィのために無理してるんじゃないかって心配だったから。でも練習の時も屋上の時もみんなで話してる時も花丸ちゃん嬉しそうだった」
すると花丸が一人佇む図書室へカチ込んできたルビィは堰を切ったように自分の気持ちを伝えます。そう、ルビィはきちんと花丸の気持ちが判っていたのですね。だから常々花丸の様子を窺い、神社の階段で花丸を待ち、花丸の気持ちを受け止めて階段を登り、怖い怖いお姉ちゃん(笑)へ自分の気持ちを伝える事ができた。と同時に花丸自身がアイドルに憧れていた事にも気付いていて、今度はルビィの方から本気の誘いを掛けます。ところが花丸は「向いていない」と首を振るばかり。ってなトコで凜ちゃんのエピソードを絡め、ふっと現れた三人娘が手を差し伸べ、それでも踏ん切りが付かない花丸へ――
「ルビィ、スクールアイドルがやりたい! 花丸ちゃんと!」
人に遠慮して自分を抑え続けてきたルビィが放った心からの言葉。そこへ追い討ちを掛けるように普通星人の千歌が「一番大切なのはやりたいかどうか」と問い掛け、だから花丸も自分の気持ちに正直になれた。というわけで一人遊びが好きな花丸の回想から始まったお話は、夢が叶っておしまいではなく、花丸に「仲間」ができて幕を閉じます。一見ルビィの成長劇と思わせた今回は、じつは花丸の成長こそが主題だったという綺麗な締め。その過程で一歩を踏み出したルビィといい、妹思いのお姉ちゃんといい、ドラマを予感させる鞠莉&果南といい、今後の期待を含めてじつによくできたエピソードでした。そういや前作も一年生組のエピソードは出来が良かった気がする。まあ私自身が「自縛からの解放」的なお話が好みなだけかもしれませんけど。

「上に5000組もスクールアイドルがいるってこと?…しゅごい数…」
五人揃ってついにエントリーしたAqoursのランクは何と4999位、ちょっと見ない間に参加校がどえらい増えてますなあ。ちなみにμ'sのエントリー直後は999位だったのでざっと5倍、すなわち前作時代に比べてスクールアイドルの隆盛(一般化)が進んでいる事の表れでしょう。とはいえ現在日本全国の高等学校数は国公立・私立全て含めて5000校+程度のため、ほぼ限界値近くまで普及が進んでいると予想できます。というかこの数字は男子校も含めてなので、作中で描かれない所では全裸の男子が踊るキミを見てるようなキングオブラブライブ大会が開催されているのかもしれない。
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