2016-07-29(Fri)
アイカツスターズ! #16 ミラクル☆バトンタッチ
頑張る二人の信頼のバトン。

距離を超えて思いを伝える。

♪ 夏バテ解消したいなら これを食べればいいんじゃない?
♪ ミラクル起こそう めでたいたい!
前回の舞組・美組に続いて四ツ葉夏フェス2日目は劇組・歌組の出番であります。というわけでトビラ明けの第一声は今回メインの歌組新入生トップであるローラによる美しい歌声で…いきなりめでたい焼きかい! 岬の切っ先で朝日を背負ったローラは例の被り物を着込んでノリノリのCM撮影、今回は夏バージョンの撮影って事で前バージョンと違ってナマ脚ですよ! イロモノ全振り上半身とミニスカひらひらイロ気全開下半身のギャップが際立ってます。ウインクキラリンのカットは使い回しと思いきやきっちり新規書き起こしでちょっと笑った。しかしこのロケでこのコスチュームは風に煽られたら崖下一直線っぽくて危険が危ないね。むしろそのまま泳げたいやk(略
「今日のひめちゃんとのステージ、私も…
「た、大変です! 社長!」
夏フェスの出番を控えた早朝ロケの撮影は無事オーケーが出てホッと一息、そこから夏フェスステージについてヒトコトフタコト立ち話をしているとスタッフの慌てた声が聞こえてきてOPへ。いきなり波乱含みのスタートであります。
「ひめ先輩とのステージには間に合わせてみせます!」
アンナ先生への報告によればカメラの故障で撮れておらず先の熱演は全てパァ、そして替わりの機材が届くのを待って撮り直しという事になってしまいました。あらら。社長さんは気を利かせて撮影延期を申し出ますが義理堅いローラは機材待ちでの撮り直しを申し出て、夜明け前後の撮影で夏フェス出番まで十分余裕があったはずなのに思わぬ事態でケツカッチンの大ピンチに急転であります。しかし太陽がすっかり昇って青空になっちゃってるけどCMコンテ的にはこれで良いのだろうか? 社長が良いってんだから良いんです。絶対に朝日前提なら有無を言わさず撮影延期でしょうから。というか朝日を背負うと演者が思いっきり逆光で絵面的にゲージツ寄りすぎ、しかもCMコピーで「夏バテ解消」を謳うのだからサンサンとしたお日さまの下で撮ったほうがマッチしている気がする。炎天下での着ぐるみ仕事はジゴクだろうけどローラは若いから平気(そんな
「歌組としては最悪の場合も考えといた方がいいね」
一方歌組責任者のアンナ先生は闇雲に待つばかりではなく万一への備えを考えていました。ローラはああ言っていたもののもし間に合わなかったらステージに穴を開けてしまうわけで、楽しみにしているお客さんを裏切るような事態は絶対に避けなければなりません。


「あと1時間で劇組のステージ、それが終われば…」
気が急く中で替えの機材が届いたのは既に8時半すぎ。ローラのセリフによれば9時半に劇組ステージが始まり、そこからおそらく小一時間程度で歌組の出番?…後のシーンから判断するとどうやら歌組は11時スタートっぽい(後述
「ひめ先輩のソロステージで大丈夫だったりしない?」
「だよね。他の組に負けたりは…」
「いいえ。今まで見た事がないS4と一年生のステージを皆さん心待ちにしていらっしゃるんです」
急遽集められた歌組ルーキーの中で余裕の発言をぶちかます愛理ちゃん(デカ頭)&ナナちゃん(お花飾り)をピシッと制してひめ様登場、続いて昨日の美組ステージを引き合いに「もう一人の力が必要不可欠」と言い切ります。なるほど舞組は既に眼中に無いのか(笑。そんなこんなで急遽代役候補を選ぶ事になり、1位のローラが来られないのなら2位の子に頼むという極めて合理的な采配の結果――
「2位といえば…ディス イズ 虹野ゆめ!」
「えっ?」
入学当初は発声すらロクにできないド素人だったゆめがさまざまな試練・努力の末に実力を伸ばしてきた事は判りますが、それにしてもまさかローラに続く2位まで上がっていたとは予想外の外でした。逆に言えば「あのゆめが2位に着けてた!?」というサプライズ場面ではありますが、以前の実力を思えばここへ至る何らかの前振りが欲しかったトコ。平たく言うといきなりすぎ。
一方突然代役を指名されたゆめは戸惑うばかりでした。ローラが頑張って頑張って手に入れた場所の重みが判っているためしれっと代わる事などできない、是が非でもローラ本人にステージに立ってもらいたい。そんな思いで頭がいっぱいのゆめは別室でのミーティングでも上の空で、ついにはローラを迎えに出ていってしまいます。などと自分の立場を理解せず、ひいてはアイドルとしての心構えすら怪しくなっているゆめを見るひめ様の表情がじつに厳しい。

ローラのCM撮影が今度こそアップし、と同時にゆめが迎えに出たタイミングで始まった劇組のステージ。つまりこの時点で早くも9時半って事ですね。そんなこんなで予定どおり壇上に立った劇組の二人、しかしあこは選抜決定時の大上段から打って変わって緊張の色を窺わせ…そんなキャラじゃないだろ!とツッコむより先に、二人のココロの会話にてこれが「借りてきたネコの演技」だった事が明らかになります。何このキックオフ空間(笑。そしてほどなく劇組のステージがスタート! と思ったらこれで終わりとか何事!? 舞組だって止め絵が5枚あったのに劇組は何も無しとはいったいどういう? これでは劇組が何をやったかすら判りません。劇組だけにこの寸劇から舞台劇へ進んだのか、それとも他組のようにライブで歌ったのか、それすら描かれないのでは視聴者的にもモヤモヤしか残らないような。そもそもタイプが違う4組で1番を争う事自体が無理な企画なのだと思う。歌手とモデルと役者とダンサーを並べて「どの子が一番でしょう?」と言われても畑違いのみなさんを比べようがありませんて。組対抗という試み自体は面白いのですが今回のようなやり方だと結果がスッと落ちず、またここへ至る描写も相まって、本作の特色であったはずの組分けの意義すら失いかねないと思う。
「うそ…」
一方学園へ急ぐローラはロケバスで送ってもらうもお約束どおり渋滞にハマり、その時見つけた駅に飛び込むと今度は信号機故障で電車が止まって万事休す。何というアンラッキーコンボか。このタイミングで劇組の出番が終わり、駅の行き先表示によれば現時点の時刻は10時55分より少々手前で、つまり劇組の持ち時間は9時半から11時前までの1時間半弱、そこから歌組のリハが30分あって本番=歌組のスタートは11時半くらい? いや駅に着いたのは待ち時間を考慮して10時半すぎとすれば劇組持ち時間は約1時間、そこから30分リハを行って歌組スタート11時でお昼に終了という事になりますね。こっちのが現実的かな。
というかこのタイムテーブルが明らかにされていないため「10:55の電車が20~30分遅れる事で絶望」する根拠がほとんど判らず、ローラの焦りや絶望感がダイレクトに伝わって来なかった。これって先のゆめ&ひめ様のミーティングの時に例えば「歌組の本番は11時開始」と一言言わせるか、タイムテーブルの表をパッと映せば済む話なんですよね。セリフではなく絵で心象・状況を語るのがアニメーションの醍醐味とはいえ、必要最小限の情報は判りやすく提示してくれないと見ているほうは置いてけぼりです。関係ないけど渋滞列でロケバスの後に付いてる赤い車が4~5回全損事故を起こしたトヨタ2000GTっぽくてちょっと笑った。
「ゆめ、頼みがあるんだ」
早くも詰んでしまった絶望のローラがいかにも深刻な横顔で電話を掛けてAパート引き。


先の口元だけの横顔から何この美人作画? と思って見ていたらCM明け早々のゆめが動く動く、ここから先もまたかわいらしく動く動く。いったい何事?と思いきやこの辺の見せ場はWさんが描いてたとの事で納得。やぱり上手いですね。挙動に合わせたツインテールの揺れ方など執念すら感じます。
「私できないよ! ローラの今までの努力を無駄にするような事!」
「なーんだ、そんな事気にしてたの?」
「そんな事って…」
ステージに間に合わない事を知らされたゆめは、憧れのひめ様とのステージにも関わらずずっと沈んでいた理由をついに明かします。あの場所はローラが弛まぬ努力の末に勝ち取ったもので、それを知っているからこそローラの場所を奪う事なんてできない。また実力はもとより努力でも敵わない自分が代わりに立つ資格など無く、だから「無駄」になってしまうと考えた。するとローラは突然脈絡のない事を言い出します。
「ゆめ、右の手のひらを広げて。それを高く掲げる」
「できた? それじゃあいくよ!」
「せーので…アイカツ!」
離れた場所で掲げた手と手で交わされるハイタッチ。続いてローラは「ゆめの頑張り」をきちんと見ていた事を伝え、だから「ゆめに頼む」と思いを伝えた。頑張って頑張って1位になった私の代役は、同じように頑張ってきたあなたになら任せられる。距離を超えた手のひらでローラの思いを受け止めたゆめは俯いていた顔をぐっと上げ、ツインテールをひらりと踊らせて代役の決意を固めるとひめ様が待つ控え室へ。
「虹野ゆめ、ただいま戻りました!」
飛び出して行った時とすっかり変わった表情を見たひめ様は一安心、さらに直前リハへの意気込みを確かめると安堵の笑みをほころばせて先生と共にレッスン室へ。


さっそく始まった直前リハのゆめはひめ様に負けないキラメキを発していました。ローラからの信頼を受け止め、代役として恥ずかしくないステージをやらなければならないという強い思いは、遠く離れたローラの姿をイリュージョンの如く呼び寄せ…ステージに対する思いの伝播を示すようにアップの瞳が瞬きして入れ替わる演出はなかなかグッときました。
「不思議ね。今三人で踊ってるみたい」
「ゆめちゃんの瞳の中にローラちゃんがいる」
そしてさらにグッと来たのは「三人」である事に気付いたひめ様の表情描写です。ここは三人目の存在を察して揺れる髪や、気付いた瞬間キュッと締まる瞳の描写も凄かった。ひめ様の心の動きがダイレクトに伝わる作画であります。ひょっとしたらひめ様が感じ取ったこの事(能力?)こそ「虹ブースト」に関する大ヒントなのかも。

「みんなで応援するから…頑張ってゆめちゃん!」
歌組の出番に合わせて控え室を出た二人を迎えたのはルーキー仲間による応援幕&応援の声でした。急場凌ぎで上から貼った応援イラストかわいい。そういや今回絡んだルーキーちゃんは何故か全員緑髪だ(笑。みんなからの応援を受けたゆめは気合いマシマシでフィッティングルームへ向かい、すると今度は真昼から思わぬエールを受けます。先の美組ステージで全力を尽くしたからこそ歌組の全力を見たい、要するに遠回しに「全力で頑張れ」と言っているんですね。ああもう真昼ったら!
二人並んでのコーデチェンジはひめ様が「オーロラバタフライコーデ」、ゆめが「スイートフラワーフェアリーコーデ」でした。ひめ様のキメ顔が微妙に修正されていて芸が細かい(画像左が今回、右が第11話)。こうして少しずつ進化していくのだなあ。

始まった曲はひめ様&ゆめのデュオによる「スタートライン!」でした。基本的なカメラ割りは第10話に準じているもののデュオライブ独自のアングルも増やされ、パッと見たとこリニューアル感が結構あります。また第1話では結構厳しかった同曲のひめ様は大幅にブラッシュアップされてかなりいい感じに。左右対称の振り付けもデュオらしくて良かったけれど、シンクロ率が高すぎ(平たく言うと反転コピーモーション)のため、同じ振り付けでも各々の個性がきちんと表現されていたアイカツライブの良さが見出せず個人的には少々残念。やはりゆめのダンスは実力差が判る程度にもたもたしてくれないと。
その不満を補って余りあったのは、これまでの同曲ソロライブでどうしても違和感が拭えなかったBメロ最後の「奇跡、一緒に飛ぼう」の振り付けが、今回デュオになってようやく意味のあるものになった事。手を繋いだ二人が目を合わせて頷き合ってジャンプの一瞬は思わず声を上げてしまった。サビ入り直後のオーラ大爆発のSEが「ドゴーン!」とド派手になってちょっと笑う。キラキラ華やかなステージにあの爆発音は何事かと(笑。細かいトコではSpA入りのターン時の背景がステージに変わり、もちろんSpAも二人バージョンに変わって、アウトロが終わるとステージが終わって注目の結果発表へ。

その後ほどなく学園へ戻ったローラは、大盛り上がりの会場でスポットライトを浴びるひめ様&ゆめを見つめて安堵の笑みを浮かべます。自分の代役をしっかり務めてくれたゆめへの労い、また信じて託した結果への喜びが自然に伝わる良い笑顔でした。
というわけで引き続き結果発表が始まるわけですが…思った以上に明暗別れた、白黒はっきり付けた結果はなかなか潔かったとはいえ、止め絵すら無かった劇組がダントツの4位、止め絵パタパタの舞組が僅差で3位、その後美組と歌組がグングン伸ばしてフルゲージ寸前のトップ争いってのはあまりに生々しすぎて苦笑いを禁じ得ない。本編描写で影が薄い劇組&舞組が大会でも冷遇されているようで、じゃあ彼女たちの存在意義っていったい?とつい考えてしまう。まあ心底悔しそうなハルカがかわいかったから今回はとりあえず良しとして、今後劇組&舞組の巻き返しに期待しときます。そういやツバサ先輩を煽っていたゆず先輩が直後のゲージ停止で絶句する瞬間もいい味でした。生真面目なツバサ先輩とフリーダムなゆず先輩の組み合わせはお約束っぽいけど結構好き。そんなこんなでトップ争いの二組は先に美組が止まって歌組の優勝がけってーい! でもモデル業がメインの美組ステージがランウェイではなく普通のライブステージで、要するに実質歌勝負だったのだから歌組が勝たないと面目丸潰れですよね…と思わなくなくも(略。また信頼を背負って立ったステージで負けたとなったらいろいろ微妙すぎるというか、そこから始まる人間ドラマドロドロ展開など個人的には大好物だけど本作の作風にはあまりに重すぎる試練なので、結果としてゆめを勝たせるのはある意味電車道シナリオだったかも。現在妖精さんのドアを開けたり閉めたりしている例の監督なら容赦なく奈落へ突き落とすだろうけど(笑
「とりあえずおめでとうと言っておくわ。ただ次は言われる番になると思うけど」
夏フェスを終えた後に伝えられた真昼流のヒネたお祝いが良い良い。お姉ちゃんと和解して一機に箍が緩むと思いきや素直じゃないキャラ性はしっかり継続していてじつに頼もしい&今後の活躍が楽しみ。
「私が出てたらもっと圧倒的な差で勝ってたのにね」
続いて合流したローラのヒネたお祝い&いたずらっぽいウインクも良かった。そしておそらく半分以上本心なのでしょう(笑。さらに「ランチ1ヶ月無料券」を絡めたやり取りから涙目ジャンピングハグの流れは…何というか仲良しすぎる二人にニマニマが止まらない。

そんな夏フェスの結果からゆめの才能に関して思慮する学園長がふと見つめた写真立ての主。S4の制服を着た、いかにも「虹ブースト」に関するキーパーソンになりそうなオンナノコはいったい何者だろうか? 今のトコ生死すら不明だけれど、もし故人(若しくは再起不能状態)なら十中八九例の力絡みなのでしょう。
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♪ 夏バテ解消したいなら これを食べればいいんじゃない?
♪ ミラクル起こそう めでたいたい!
前回の舞組・美組に続いて四ツ葉夏フェス2日目は劇組・歌組の出番であります。というわけでトビラ明けの第一声は今回メインの歌組新入生トップであるローラによる美しい歌声で…いきなりめでたい焼きかい! 岬の切っ先で朝日を背負ったローラは例の被り物を着込んでノリノリのCM撮影、今回は夏バージョンの撮影って事で前バージョンと違ってナマ脚ですよ! イロモノ全振り上半身とミニスカひらひらイロ気全開下半身のギャップが際立ってます。ウインクキラリンのカットは使い回しと思いきやきっちり新規書き起こしでちょっと笑った。しかしこのロケでこのコスチュームは風に煽られたら崖下一直線っぽくて危険が危ないね。むしろそのまま泳げたいやk(略
「今日のひめちゃんとのステージ、私も…
「た、大変です! 社長!」
夏フェスの出番を控えた早朝ロケの撮影は無事オーケーが出てホッと一息、そこから夏フェスステージについてヒトコトフタコト立ち話をしているとスタッフの慌てた声が聞こえてきてOPへ。いきなり波乱含みのスタートであります。
「ひめ先輩とのステージには間に合わせてみせます!」
アンナ先生への報告によればカメラの故障で撮れておらず先の熱演は全てパァ、そして替わりの機材が届くのを待って撮り直しという事になってしまいました。あらら。社長さんは気を利かせて撮影延期を申し出ますが義理堅いローラは機材待ちでの撮り直しを申し出て、夜明け前後の撮影で夏フェス出番まで十分余裕があったはずなのに思わぬ事態でケツカッチンの大ピンチに急転であります。しかし太陽がすっかり昇って青空になっちゃってるけどCMコンテ的にはこれで良いのだろうか? 社長が良いってんだから良いんです。絶対に朝日前提なら有無を言わさず撮影延期でしょうから。というか朝日を背負うと演者が思いっきり逆光で絵面的にゲージツ寄りすぎ、しかもCMコピーで「夏バテ解消」を謳うのだからサンサンとしたお日さまの下で撮ったほうがマッチしている気がする。炎天下での着ぐるみ仕事はジゴクだろうけどローラは若いから平気(そんな
「歌組としては最悪の場合も考えといた方がいいね」
一方歌組責任者のアンナ先生は闇雲に待つばかりではなく万一への備えを考えていました。ローラはああ言っていたもののもし間に合わなかったらステージに穴を開けてしまうわけで、楽しみにしているお客さんを裏切るような事態は絶対に避けなければなりません。


「あと1時間で劇組のステージ、それが終われば…」
気が急く中で替えの機材が届いたのは既に8時半すぎ。ローラのセリフによれば9時半に劇組ステージが始まり、そこからおそらく小一時間程度で歌組の出番?…後のシーンから判断するとどうやら歌組は11時スタートっぽい(後述
「ひめ先輩のソロステージで大丈夫だったりしない?」
「だよね。他の組に負けたりは…」
「いいえ。今まで見た事がないS4と一年生のステージを皆さん心待ちにしていらっしゃるんです」
急遽集められた歌組ルーキーの中で余裕の発言をぶちかます愛理ちゃん(デカ頭)&ナナちゃん(お花飾り)をピシッと制してひめ様登場、続いて昨日の美組ステージを引き合いに「もう一人の力が必要不可欠」と言い切ります。なるほど舞組は既に眼中に無いのか(笑。そんなこんなで急遽代役候補を選ぶ事になり、1位のローラが来られないのなら2位の子に頼むという極めて合理的な采配の結果――
「2位といえば…ディス イズ 虹野ゆめ!」
「えっ?」
入学当初は発声すらロクにできないド素人だったゆめがさまざまな試練・努力の末に実力を伸ばしてきた事は判りますが、それにしてもまさかローラに続く2位まで上がっていたとは予想外の外でした。逆に言えば「あのゆめが2位に着けてた!?」というサプライズ場面ではありますが、以前の実力を思えばここへ至る何らかの前振りが欲しかったトコ。平たく言うといきなりすぎ。
一方突然代役を指名されたゆめは戸惑うばかりでした。ローラが頑張って頑張って手に入れた場所の重みが判っているためしれっと代わる事などできない、是が非でもローラ本人にステージに立ってもらいたい。そんな思いで頭がいっぱいのゆめは別室でのミーティングでも上の空で、ついにはローラを迎えに出ていってしまいます。などと自分の立場を理解せず、ひいてはアイドルとしての心構えすら怪しくなっているゆめを見るひめ様の表情がじつに厳しい。

ローラのCM撮影が今度こそアップし、と同時にゆめが迎えに出たタイミングで始まった劇組のステージ。つまりこの時点で早くも9時半って事ですね。そんなこんなで予定どおり壇上に立った劇組の二人、しかしあこは選抜決定時の大上段から打って変わって緊張の色を窺わせ…そんなキャラじゃないだろ!とツッコむより先に、二人のココロの会話にてこれが「借りてきたネコの演技」だった事が明らかになります。何このキックオフ空間(笑。そしてほどなく劇組のステージがスタート! と思ったらこれで終わりとか何事!? 舞組だって止め絵が5枚あったのに劇組は何も無しとはいったいどういう? これでは劇組が何をやったかすら判りません。劇組だけにこの寸劇から舞台劇へ進んだのか、それとも他組のようにライブで歌ったのか、それすら描かれないのでは視聴者的にもモヤモヤしか残らないような。そもそもタイプが違う4組で1番を争う事自体が無理な企画なのだと思う。歌手とモデルと役者とダンサーを並べて「どの子が一番でしょう?」と言われても畑違いのみなさんを比べようがありませんて。組対抗という試み自体は面白いのですが今回のようなやり方だと結果がスッと落ちず、またここへ至る描写も相まって、本作の特色であったはずの組分けの意義すら失いかねないと思う。
「うそ…」
一方学園へ急ぐローラはロケバスで送ってもらうもお約束どおり渋滞にハマり、その時見つけた駅に飛び込むと今度は信号機故障で電車が止まって万事休す。何というアンラッキーコンボか。このタイミングで劇組の出番が終わり、駅の行き先表示によれば現時点の時刻は10時55分より少々手前で、つまり劇組の持ち時間は9時半から11時前までの1時間半弱、そこから歌組のリハが30分あって本番=歌組のスタートは11時半くらい? いや駅に着いたのは待ち時間を考慮して10時半すぎとすれば劇組持ち時間は約1時間、そこから30分リハを行って歌組スタート11時でお昼に終了という事になりますね。こっちのが現実的かな。
というかこのタイムテーブルが明らかにされていないため「10:55の電車が20~30分遅れる事で絶望」する根拠がほとんど判らず、ローラの焦りや絶望感がダイレクトに伝わって来なかった。これって先のゆめ&ひめ様のミーティングの時に例えば「歌組の本番は11時開始」と一言言わせるか、タイムテーブルの表をパッと映せば済む話なんですよね。セリフではなく絵で心象・状況を語るのがアニメーションの醍醐味とはいえ、必要最小限の情報は判りやすく提示してくれないと見ているほうは置いてけぼりです。関係ないけど渋滞列でロケバスの後に付いてる赤い車が4~5回全損事故を起こしたトヨタ2000GTっぽくてちょっと笑った。
「ゆめ、頼みがあるんだ」
早くも詰んでしまった絶望のローラがいかにも深刻な横顔で電話を掛けてAパート引き。



先の口元だけの横顔から何この美人作画? と思って見ていたらCM明け早々のゆめが動く動く、ここから先もまたかわいらしく動く動く。いったい何事?と思いきやこの辺の見せ場はWさんが描いてたとの事で納得。やぱり上手いですね。挙動に合わせたツインテールの揺れ方など執念すら感じます。
「私できないよ! ローラの今までの努力を無駄にするような事!」
「なーんだ、そんな事気にしてたの?」
「そんな事って…」
ステージに間に合わない事を知らされたゆめは、憧れのひめ様とのステージにも関わらずずっと沈んでいた理由をついに明かします。あの場所はローラが弛まぬ努力の末に勝ち取ったもので、それを知っているからこそローラの場所を奪う事なんてできない。また実力はもとより努力でも敵わない自分が代わりに立つ資格など無く、だから「無駄」になってしまうと考えた。するとローラは突然脈絡のない事を言い出します。
「ゆめ、右の手のひらを広げて。それを高く掲げる」
「できた? それじゃあいくよ!」
「せーので…アイカツ!」
離れた場所で掲げた手と手で交わされるハイタッチ。続いてローラは「ゆめの頑張り」をきちんと見ていた事を伝え、だから「ゆめに頼む」と思いを伝えた。頑張って頑張って1位になった私の代役は、同じように頑張ってきたあなたになら任せられる。距離を超えた手のひらでローラの思いを受け止めたゆめは俯いていた顔をぐっと上げ、ツインテールをひらりと踊らせて代役の決意を固めるとひめ様が待つ控え室へ。
「虹野ゆめ、ただいま戻りました!」
飛び出して行った時とすっかり変わった表情を見たひめ様は一安心、さらに直前リハへの意気込みを確かめると安堵の笑みをほころばせて先生と共にレッスン室へ。


さっそく始まった直前リハのゆめはひめ様に負けないキラメキを発していました。ローラからの信頼を受け止め、代役として恥ずかしくないステージをやらなければならないという強い思いは、遠く離れたローラの姿をイリュージョンの如く呼び寄せ…ステージに対する思いの伝播を示すようにアップの瞳が瞬きして入れ替わる演出はなかなかグッときました。
「不思議ね。今三人で踊ってるみたい」
「ゆめちゃんの瞳の中にローラちゃんがいる」
そしてさらにグッと来たのは「三人」である事に気付いたひめ様の表情描写です。ここは三人目の存在を察して揺れる髪や、気付いた瞬間キュッと締まる瞳の描写も凄かった。ひめ様の心の動きがダイレクトに伝わる作画であります。ひょっとしたらひめ様が感じ取ったこの事(能力?)こそ「虹ブースト」に関する大ヒントなのかも。

「みんなで応援するから…頑張ってゆめちゃん!」
歌組の出番に合わせて控え室を出た二人を迎えたのはルーキー仲間による応援幕&応援の声でした。急場凌ぎで上から貼った応援イラストかわいい。そういや今回絡んだルーキーちゃんは何故か全員緑髪だ(笑。みんなからの応援を受けたゆめは気合いマシマシでフィッティングルームへ向かい、すると今度は真昼から思わぬエールを受けます。先の美組ステージで全力を尽くしたからこそ歌組の全力を見たい、要するに遠回しに「全力で頑張れ」と言っているんですね。ああもう真昼ったら!
二人並んでのコーデチェンジはひめ様が「オーロラバタフライコーデ」、ゆめが「スイートフラワーフェアリーコーデ」でした。ひめ様のキメ顔が微妙に修正されていて芸が細かい(画像左が今回、右が第11話)。こうして少しずつ進化していくのだなあ。

始まった曲はひめ様&ゆめのデュオによる「スタートライン!」でした。基本的なカメラ割りは第10話に準じているもののデュオライブ独自のアングルも増やされ、パッと見たとこリニューアル感が結構あります。また第1話では結構厳しかった同曲のひめ様は大幅にブラッシュアップされてかなりいい感じに。左右対称の振り付けもデュオらしくて良かったけれど、シンクロ率が高すぎ(平たく言うと反転コピーモーション)のため、同じ振り付けでも各々の個性がきちんと表現されていたアイカツライブの良さが見出せず個人的には少々残念。やはりゆめのダンスは実力差が判る程度にもたもたしてくれないと。
その不満を補って余りあったのは、これまでの同曲ソロライブでどうしても違和感が拭えなかったBメロ最後の「奇跡、一緒に飛ぼう」の振り付けが、今回デュオになってようやく意味のあるものになった事。手を繋いだ二人が目を合わせて頷き合ってジャンプの一瞬は思わず声を上げてしまった。サビ入り直後のオーラ大爆発のSEが「ドゴーン!」とド派手になってちょっと笑う。キラキラ華やかなステージにあの爆発音は何事かと(笑。細かいトコではSpA入りのターン時の背景がステージに変わり、もちろんSpAも二人バージョンに変わって、アウトロが終わるとステージが終わって注目の結果発表へ。

その後ほどなく学園へ戻ったローラは、大盛り上がりの会場でスポットライトを浴びるひめ様&ゆめを見つめて安堵の笑みを浮かべます。自分の代役をしっかり務めてくれたゆめへの労い、また信じて託した結果への喜びが自然に伝わる良い笑顔でした。
というわけで引き続き結果発表が始まるわけですが…思った以上に明暗別れた、白黒はっきり付けた結果はなかなか潔かったとはいえ、止め絵すら無かった劇組がダントツの4位、止め絵パタパタの舞組が僅差で3位、その後美組と歌組がグングン伸ばしてフルゲージ寸前のトップ争いってのはあまりに生々しすぎて苦笑いを禁じ得ない。本編描写で影が薄い劇組&舞組が大会でも冷遇されているようで、じゃあ彼女たちの存在意義っていったい?とつい考えてしまう。まあ心底悔しそうなハルカがかわいかったから今回はとりあえず良しとして、今後劇組&舞組の巻き返しに期待しときます。そういやツバサ先輩を煽っていたゆず先輩が直後のゲージ停止で絶句する瞬間もいい味でした。生真面目なツバサ先輩とフリーダムなゆず先輩の組み合わせはお約束っぽいけど結構好き。そんなこんなでトップ争いの二組は先に美組が止まって歌組の優勝がけってーい! でもモデル業がメインの美組ステージがランウェイではなく普通のライブステージで、要するに実質歌勝負だったのだから歌組が勝たないと面目丸潰れですよね…と思わなくなくも(略。また信頼を背負って立ったステージで負けたとなったらいろいろ微妙すぎるというか、そこから始まる人間ドラマドロドロ展開など個人的には大好物だけど本作の作風にはあまりに重すぎる試練なので、結果としてゆめを勝たせるのはある意味電車道シナリオだったかも。現在妖精さんのドアを開けたり閉めたりしている例の監督なら容赦なく奈落へ突き落とすだろうけど(笑
「とりあえずおめでとうと言っておくわ。ただ次は言われる番になると思うけど」
夏フェスを終えた後に伝えられた真昼流のヒネたお祝いが良い良い。お姉ちゃんと和解して一機に箍が緩むと思いきや素直じゃないキャラ性はしっかり継続していてじつに頼もしい&今後の活躍が楽しみ。
「私が出てたらもっと圧倒的な差で勝ってたのにね」
続いて合流したローラのヒネたお祝い&いたずらっぽいウインクも良かった。そしておそらく半分以上本心なのでしょう(笑。さらに「ランチ1ヶ月無料券」を絡めたやり取りから涙目ジャンピングハグの流れは…何というか仲良しすぎる二人にニマニマが止まらない。

そんな夏フェスの結果からゆめの才能に関して思慮する学園長がふと見つめた写真立ての主。S4の制服を着た、いかにも「虹ブースト」に関するキーパーソンになりそうなオンナノコはいったい何者だろうか? 今のトコ生死すら不明だけれど、もし故人(若しくは再起不能状態)なら十中八九例の力絡みなのでしょう。
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