2016-07-31(Sun)
ラブライブ!サンシャイン!! #05 ヨハネ堕天
伊豆のビーチから登場した待望のニューカマー、ヨハネよ!

みんなで一緒に~堕天しない?


舌っ足らずな前回の~!が明けたファーストカットは蝋燭越しのビデオカメラとぶんぶん回る扇風機、いったい何が起きてるんです?と思ったら堕天使ヨハネの生放送風景でした。最近の堕天使はハイテクだ! 禍々しい放送映像と撮影現場の生活感のギャップに笑いつつ、雰囲気作りにここまで拘るヨハネの重症っぷりがヒトコマで見て取れる開幕シーンです。あはは。学校サボって何やってんの!?(笑
「やってしまった~~~っ!」
ところが放送を終えた瞬間 我に返った善子はベランダへ駆け出して後悔を叫び、拘っていたはずの中二設定を片っ端から大否定。彼女的にはどうやら高校入学を機に中二病からの卒業&リア充デビューを決意していたようで…にも関わらずオンタイムで黒歴史を刻んでしまった入学式当日のアレ(笑)を思い出して床を転がり頭を抱える一連は善子の切実さが痛々しいほど溢れています。あはは。
「なんであんな事言ったのよ~! 学校行けないじゃない~っ!
ガチの中二病患者が一般人との価値観差に耐えきれずヒキコモってしまったのかと思いきや、リア充デビューを目論んだ初っ端についやっちまった恥ずかしさによるもので、つまりテンプレ的な中二病キャラではなく「現実を認識しつつも地(中二病)を隠しきれない」という非常に面倒くさい子である事が判ります。またここでの生放送が善子の痛々しさ描写だけではなく、後の堕天使騒動の仕込みになっている点も面白い。

Aパート冒頭は思うように上がらぬランキングに悶々とするみなさん。まあそう簡単にはいかないよね。ってなヒトコマにてノートPCのネット画面に食い付く花丸…文明に触れた沼津原人が狂喜乱舞していました(笑。まあそれなりの市街地を舞台とする今どきの女子高生ストーリーにこの設定は結構無理がありそうですが、日常会話で「ずら」を付けちゃうレベルの年寄りっ子である事を鑑みれば何となく納得できてしまうかもしれない。とはいえ自動水栓やハンドドライヤーにいちいち驚く回想はさすがに話を盛りすぎ(笑。またこれだけ文明に疎いのだからスマホなど言語道断=花丸の連絡手段は家電or公衆電話のはずで、つまり今どき出先で連絡が取れないトラブルを自然に描ける貴重なキャラかも。ともあれ電源ボタンをポチッと押して画面暗転→周囲の騒ぎから事態を察してフリーズする花丸の表情変化が絶妙でした。わかるわー。
「やっぱり目立たなきゃダメなの?」
その後練習着に着替えて屋上へ。相変わらずPCに食い付く花丸を尻目にランキングアップの手段を模索する千歌たちでしたが…もっと奇抜なグループ名ってコトでせっかく忘れかけてた「スリーファイブマーメイド」を蒸し返し、さらに実現イメージとして人魚コスを披露。貝殻ブラ! というか下腹の肉感が妙にリアルだなあ(笑。なーんてお遊びカットでもノートPCに齧り付く花丸のハマりっぷりが微笑ましい。知的好奇心が高い子が初めてネットに触れると確かにこうなっちゃうよね(笑
「善子ちゃん?」
「ずらまる!?」
脱線しまくる人魚話に盛り上がるみなさんの一方で屋上を窺う怪しい人影vsそれに気付いた花丸…善子がついに学校に来た!? いきなり来た!?

「学校来たずらか」
バツが悪くて逃げ出してロッカーに隠れていた善子をあっさり見つけた花丸のジト目かわいい。もうこの時点で内面の力関係が判ろうというものです(笑。先のとおり善子は件のやらかしを気にしていて、欠席中のクラスの様子を全身アクションで訊きまくった挙げ句、はっきり答えない花丸の様子に絶望して再びロッカーの人に。追い詰められると中二病が発症してしまうものの、ロッカーに引き籠もった途端素の弱気が顔を出し…「大丈夫だよ」と優しく語りかける花丸の言葉を何度も何度も確認し、確信を得た瞬間ロッカーを飛び出して大上段の構えに豹変。何というダイナミックレンジの広さ、何というローアングル(笑
「ずらまる! 余 たってのお願いがあるの!」
そして勢いのまま花丸に迫ると今度は神妙な表情で「お願い」を伝えます。カットごとに忙しく変わる表情は内面の不安定さが見て取れますね。じつに面倒くさい(笑

シーン変わって登校風景。黙っていれば超美人の善子はクラスメイトたちが見とれる中をしゃなりしゃなりと歩を進め、麗しい笑顔で振り返ると「おはよう」と声を掛け…そこは「ごきげんよう」でしょ?(笑。その後教室に収まるとさっそく渦中の人となった善子は欠席理由の質問を上手くごまかし、名前を訊かれればはっきり「よ・し・こ!」と答え、リア充への道を着実に進んでいると思われましたが。
「津島さんって趣味とかないの?」
まさか堕天使云々を言うわけにもいかず、しかしこれをクラスに溶け込むチャンスと踏んだ善子は、本来の趣味を無難にアレンジし「占いをちょっと…」と引きつり気味に答えます。いちいちいい顔です(笑。ところがジョシコーセー相手に「趣味は占い」なんて言ったら「占って!」と返ってくるのがお約束、一方思わぬ好反応にテンションが上がった善子は勢いのまま禁断のスイッチを――
「堕天の時が来たのです!」
バッグから敷物を取り出し、黒衣を纏い、黒羽根を装着し、差し出した蝋燭に火を灯し、クラスメイトたちを相手に禍々しい表情で堕天してしまわれた。あららら。というか先の約束「危なくなったら止めて」にも関わらず一部始終をジト目で見てる花丸ってばひょっとしたら確信犯(誤用)なんじゃ?
「やってしまったぁぁぁ」
ドン引きクラスメイトたちをしてようやく我に返った善子は再びやらかしちまった事に気付いてフリーズ、ってなトコでジト目の花丸が蝋燭をふっと消して暗転の演出は善子の絶望がアリアリと伝わってきます(笑

「どうして止めてくれなかったのぉぉぉ!」
入学式でのやらかしどころではない、ノリノリのヨハネオンステージを披露してしまった善子は部室にて絶望を叫び、止めてくれなかった花丸に八つ当たりを叫び、するとルビィが善子の中学時代の逸話を始め…フリルを追加したセーラー服に黒マントを靡かせ、衆人環視の屋上でポーズをキメて「堕天しましょ?」のヒトコマは痛々しいのレベルを超えた重症患者でありました。それにしてもホント黙っていれば超美人だなあ。
「判ってる。自分が堕天使のはずなんてないって…そもそもそんなものいないんだし」
「だったらどうしてあんなもの学校に持ってきたの?」
「それはまあ…ヨハネのアイデンティティーみたいなもので…あれがなかったら私は私でいられないって言うか…あっ!」
「何か心が複雑な状態にあるという事はよく判った気がするわ…」
理屈では判っているのに心が追い付いていかない。今の善子の複雑な精神状態(笑)を改めて示しつつ、それを部員全体が認識するヒトコマ。で、そうなると普通は「いかにして善子を人の道に戻すか」が主題になりそうなものですが、さすが千歌の思考はひと味違って。
「かわいい…これだ! これだよ!」
「津島善子ちゃん! いや堕天使ヨハネちゃん! スクールアイドルやりませんか!?」
「……なに?」
ルビィが示した堕天使占い放送を見た千歌は、みなさんドン引きの中でキラッキラの笑顔を弾かせ、そしてこれまたキラッキラの笑顔で善子を仲間に誘うのでした。ああこれはロクな事考えてない顔だ(笑。一方突然の申し出にカメラ目線で引く善子のリアクションが往年のバラエティぽくてちょっと笑った。



「これで歌うの!? この前より短い…これでダンスしたらさすがに見えるわ」
「だいじょうぶ!」
Bパート冒頭は舞台を千歌宅に移して新衣装(笑)のフィッティングから。ミニスカをクローズアップしたパンアップ→ノースリーブの肩越しを抜いたいかにもなカット割りと、羞恥プレイ全開の梨子のセリフがじつにナントモなヒトコマであります。その隣でハーフパンツ装備でたくし上げて笑ってる千歌が豪快すぎる。あはは。でもどんだけ短くしても絶対に見えないから安心して。というか毎度思うけれど、普段着ている制服がキワキワMAXの短さなのでミニスカ衣装を恥ずかしがる説得力がイマイチ無いのだなあ。これが梨子の制服だけ膝丈とかだったら普段とのギャップが際立っていろいろオイシイのに。
ともあれ屋上でいろいろ言ってたテコ入れ作戦のアイデアとして「堕天使アイドル」を目指す事になったAqoursのみなさん。もちろん他のメンツも堕天使衣装に着替え…善子と対称的な白ベースの衣装を纏ったルビィは天使そのもの、続いて着慣れぬふりふりミニスカの違和感を訴える花丸は脚が脚が。そういやお寺の子が堕天使コスで歌い踊るってのもなかなかファンキーではありますね。
「ねえ本当に大丈夫なの? こんな格好で歌って…」
「かわいいね~!」
「…そういう問題じゃない」
などなど妙に盛り上がる一方で梨子は本質的な疑問を放ち、しかし例によって話を聞かない千歌は綺麗にスルー…これが後々大問題に発展するとは。さらに千歌は聴衆のドン引きを最も恐れる堕天使ヨハネをうっとりと説き伏せ、ってな言葉に乗せられてほくそ笑む善子がまた言い味、というか全然止める気ないよね(笑
「い~~~や~~~!」
そんな堕天使ミーティングが一段落して廊下に出た梨子はしいたけと御対面! どうしてこんなトコに!(笑。全力で逃げる梨子を全力で追うしいたけ、回を追うごとにヒートアップする二者の対峙は絵面的には面白いけどこれってストーリー上何か意味があるのだろうか。

「それそれ特徴があって、魅力的で、だから大丈夫じゃないかなって」
ベランダ大ジャンプからシーンは一転して夕暮れのバス停。バスに乗る善子&曜を見送り、徒歩で帰って行く花丸&ルビィを見送ると、千歌はAqoursに対する本音や自身の責任&非力さについての不安をしんみりと語り始めます。でもみんなの事を知るにつれて「大丈夫」と思うようになった。一方梨子は千歌の言葉に微笑みながら「地味で普通のみんなが集まって何ができるか頑張っていこう」と返し…何も考えていないようで結構考えてた千歌の胸中を理解した梨子、二人の心がまた一歩近付いた瞬間であります。
「みんなで一緒に~堕天しない?」
などと雰囲気アリアリの夕暮れシーンから一転して堕天使モードのAqoursがパッと登場。善子のリードに揃って応えるみなさんはすっかりノリノリであります。あははは。痛さMAXの映像なれど客受けは良かったらしく、注目のランキングは一気に三桁台へ急上昇! コメントによると特にルビィの人気が高いようで、曰く「ルビィちゃん最高!」「ルビィちゃんのミニスカートがとても良いです」「ルビィちゃんの笑顔をずっと眺めてたい」
「ヨハネ様のリトルデーモン4号の黒澤ルビィです…いちばん小さい悪魔で…かわいがってね!」
舌っ足らずな自己紹介から無理無理のポーズをキメるルビィがプリティーボンバヘッ! これはズルいよ(笑。ところがその映像を見たお姉ちゃんは怒髪天を衝き、破廉恥なイロモノキャラで人気を取る無意味さを叫び、ひいてはスクールアイドルの在り方について再考セヨと課題を突き付け…何だかすっかり鬼コーチの様相でありますね。ダイヤさんについてはこの顛末を素直に反省するルビィに対しそれ以上攻め込まない優しさも良かった。またエアホッケー状態のノートPCを見事キャッチした曜もGJ(笑。などなど堕天使モードを完膚無きまで全否定された善子はさすがに堪えたようで――

「やっぱり高校生にもなって通じないよね…」
「何かすっきりした。明日から今度こそ普通の高校生になれそう」
「じゃあスクールアイドルは!?」
「うーん…やめとく。迷惑掛けそうだし」
この騒動でいよいよ現実を叩き付けられた善子は堕天使からの卒業を強く決意し、堕天使が縁で誘われた自分が部に残る理由も無くなり、また騒動に関する責任の意味も含めてスクールアイドルから身を引く事を告げ…この一連シーンの表情を見せない演出は、務めて明るく振る舞う善子の本心=寂しさを浮き彫りにしていて実にナントモもの悲しい。
「少しの間だけど堕天使に付き合ってくれてありがとね。楽しかったよ」
それだけに別れ際に振り返った精一杯の笑顔&セリフの破壊力は尋常ではなかった。第1話での登場以来エキセントリックなイロモノキャラと思っていた善子の印象がこの1カットで全てひっくり返った気分です。それはそうとここでのルビィのセリフ「千歌ちゃんが悪いわけではないです」が妙にツボにハマってしまった。最初は舌っ足らずなあざとい芝居と思っていたのにいつの間にか中毒に(笑
「これが本当の自分なのかなあ?って」
続いて花丸により善子の、というかこの世代のオンナノコに共通する内面語りが始まります。地味で普通な今の自分は本当の自分じゃない、元々は天使みたいにキラキラしてて、何かの弾みでこうなっちゃってるんじゃないか?
「私本当は天使なの! いつか羽根が生えて天に帰るんだ!」
「ずら~」
花丸が浮かべた幼稚園時代の善子は自らを天使と名乗っていて、それから歳月が経っても思いは変わらずというか尖った方向へ拗らせて「堕天使」を名乗るようになった。つまりこんな小さい頃から「普通の自分」を否定し「特別な存在」である事を信じていた善子はそんじょそこらの中二病患者とは年季が違って…たいていの少年少女は思春期(自我が芽生える頃)に程度の差はあれそういう思考を経験し、現実とのギャップに藻掻き苦しみ、やがて紛れもない現実を認識すると落ち着いていくものですが、「特別な存在」に対する憧れが常人離れしていた善子は意識の切り替えが上手くできず、周りとは少々違ったベクトル(笑)で苦しんでいたのですね。そんな誰しも経験する思春期メンタルを通じて善子の気持ちを理解し受け容れる流れは甘酸っぱくも爽やかでした。青春だなあ。というか幼稚園時代から黒羽根を付けてたのね。小っさい堕天使かわいすぎずら。

シーン変わって早朝の善子の部屋。部屋を飾り身に纏っていた中二装備一式を箱に詰めていよいよ最後のお別れであります。マンションのゴミ置き場に置いた箱をじっと見つめる寂しそうな顔が絶品でした。そしてほどなくゴミ置き場から出ると朝日の中に何やら見知った姿が立っていました。
「堕天使ヨハネちゃん、スクールアイドルに入りませんか?」
「はぁ?」
改めてスクールアイドルに誘うみなさんに対して理解が追い付かない善子の表情変化がまた絶品。しかし中二からの卒業を決めた善子は頑なに拒否し、すると千歌も負けじと善子の「好き」を認め受け容れ――
「いいんだよ堕天使で! 自分が好きならそれでいいんだよ!」
辛い別れを押し切って決めた「卒業」をそう簡単に変えるわけにはいかず、このまま押し問答をしていたら押し切られてしまうと思ったか…「ダメよ!」と叫んで逃げ出してしまう辺りじつに善子っぽい反応でした。そしてここから追跡劇のテイで沼津の名所案内を暫し。街並みを映しながらのチェイスシーンでも脚のアップを忘れない拘りや良し。でもμ'sの例えはもういいです。

「お客さんにどう思われるかとか、人気がどうとかじゃない、自分が一番好きな姿を、輝いてる姿を見せる事なんだよ」
「だから善子ちゃんは捨てちゃダメなんだよ。自分が堕天使を好きな限り」
というわけで千歌なりに答えを出したスクールアイドルの何たるかを善子へ伝え、堕天使モードに理解を示し、それでも「ヤだったらヤだって言う」と正直な許容ラインを宣言して善子が最も危惧する「暴走」への歯止めを表し…すなわちお互い不自然な我慢など無い「対等な関係」で仲間になってほしいと真正面から言われた善子は逃げ回る事を止めて千歌の誘いを受け容れ、そんな思いの伝達を示す黒羽根演出も綺麗な締めでした。
「鞠莉さん! あのメールは何ですの!?」
「何って、書いてあったとおりです」
「そんな…嘘でしょ…?」
綺麗に終わると思いきやラストにこんな爆弾を。二人の様子からして尋常じゃない波乱を予感させますがはたして?
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みんなで一緒に~堕天しない?


舌っ足らずな前回の~!が明けたファーストカットは蝋燭越しのビデオカメラとぶんぶん回る扇風機、いったい何が起きてるんです?と思ったら堕天使ヨハネの生放送風景でした。最近の堕天使はハイテクだ! 禍々しい放送映像と撮影現場の生活感のギャップに笑いつつ、雰囲気作りにここまで拘るヨハネの重症っぷりがヒトコマで見て取れる開幕シーンです。あはは。学校サボって何やってんの!?(笑
「やってしまった~~~っ!」
ところが放送を終えた瞬間 我に返った善子はベランダへ駆け出して後悔を叫び、拘っていたはずの中二設定を片っ端から大否定。彼女的にはどうやら高校入学を機に中二病からの卒業&リア充デビューを決意していたようで…にも関わらずオンタイムで黒歴史を刻んでしまった入学式当日のアレ(笑)を思い出して床を転がり頭を抱える一連は善子の切実さが痛々しいほど溢れています。あはは。
「なんであんな事言ったのよ~! 学校行けないじゃない~っ!
ガチの中二病患者が一般人との価値観差に耐えきれずヒキコモってしまったのかと思いきや、リア充デビューを目論んだ初っ端についやっちまった恥ずかしさによるもので、つまりテンプレ的な中二病キャラではなく「現実を認識しつつも地(中二病)を隠しきれない」という非常に面倒くさい子である事が判ります。またここでの生放送が善子の痛々しさ描写だけではなく、後の堕天使騒動の仕込みになっている点も面白い。

Aパート冒頭は思うように上がらぬランキングに悶々とするみなさん。まあそう簡単にはいかないよね。ってなヒトコマにてノートPCのネット画面に食い付く花丸…文明に触れた沼津原人が狂喜乱舞していました(笑。まあそれなりの市街地を舞台とする今どきの女子高生ストーリーにこの設定は結構無理がありそうですが、日常会話で「ずら」を付けちゃうレベルの年寄りっ子である事を鑑みれば何となく納得できてしまうかもしれない。とはいえ自動水栓やハンドドライヤーにいちいち驚く回想はさすがに話を盛りすぎ(笑。またこれだけ文明に疎いのだからスマホなど言語道断=花丸の連絡手段は家電or公衆電話のはずで、つまり今どき出先で連絡が取れないトラブルを自然に描ける貴重なキャラかも。ともあれ電源ボタンをポチッと押して画面暗転→周囲の騒ぎから事態を察してフリーズする花丸の表情変化が絶妙でした。わかるわー。
「やっぱり目立たなきゃダメなの?」
その後練習着に着替えて屋上へ。相変わらずPCに食い付く花丸を尻目にランキングアップの手段を模索する千歌たちでしたが…もっと奇抜なグループ名ってコトでせっかく忘れかけてた「
「善子ちゃん?」
「ずらまる!?」
脱線しまくる人魚話に盛り上がるみなさんの一方で屋上を窺う怪しい人影vsそれに気付いた花丸…善子がついに学校に来た!? いきなり来た!?

「学校来たずらか」
バツが悪くて逃げ出してロッカーに隠れていた善子をあっさり見つけた花丸のジト目かわいい。もうこの時点で内面の力関係が判ろうというものです(笑。先のとおり善子は件のやらかしを気にしていて、欠席中のクラスの様子を全身アクションで訊きまくった挙げ句、はっきり答えない花丸の様子に絶望して再びロッカーの人に。追い詰められると中二病が発症してしまうものの、ロッカーに引き籠もった途端素の弱気が顔を出し…「大丈夫だよ」と優しく語りかける花丸の言葉を何度も何度も確認し、確信を得た瞬間ロッカーを飛び出して大上段の構えに豹変。何というダイナミックレンジの広さ、何というローアングル(笑
「ずらまる! 余 たってのお願いがあるの!」
そして勢いのまま花丸に迫ると今度は神妙な表情で「お願い」を伝えます。カットごとに忙しく変わる表情は内面の不安定さが見て取れますね。じつに面倒くさい(笑

シーン変わって登校風景。黙っていれば超美人の善子はクラスメイトたちが見とれる中をしゃなりしゃなりと歩を進め、麗しい笑顔で振り返ると「おはよう」と声を掛け…そこは「ごきげんよう」でしょ?(笑。その後教室に収まるとさっそく渦中の人となった善子は欠席理由の質問を上手くごまかし、名前を訊かれればはっきり「よ・し・こ!」と答え、リア充への道を着実に進んでいると思われましたが。
「津島さんって趣味とかないの?」
まさか堕天使云々を言うわけにもいかず、しかしこれをクラスに溶け込むチャンスと踏んだ善子は、本来の趣味を無難にアレンジし「占いをちょっと…」と引きつり気味に答えます。いちいちいい顔です(笑。ところがジョシコーセー相手に「趣味は占い」なんて言ったら「占って!」と返ってくるのがお約束、一方思わぬ好反応にテンションが上がった善子は勢いのまま禁断のスイッチを――
「堕天の時が来たのです!」
バッグから敷物を取り出し、黒衣を纏い、黒羽根を装着し、差し出した蝋燭に火を灯し、クラスメイトたちを相手に禍々しい表情で堕天してしまわれた。あららら。というか先の約束「危なくなったら止めて」にも関わらず一部始終をジト目で見てる花丸ってばひょっとしたら確信犯(誤用)なんじゃ?
「やってしまったぁぁぁ」
ドン引きクラスメイトたちをしてようやく我に返った善子は再びやらかしちまった事に気付いてフリーズ、ってなトコでジト目の花丸が蝋燭をふっと消して暗転の演出は善子の絶望がアリアリと伝わってきます(笑

「どうして止めてくれなかったのぉぉぉ!」
入学式でのやらかしどころではない、ノリノリのヨハネオンステージを披露してしまった善子は部室にて絶望を叫び、止めてくれなかった花丸に八つ当たりを叫び、するとルビィが善子の中学時代の逸話を始め…フリルを追加したセーラー服に黒マントを靡かせ、衆人環視の屋上でポーズをキメて「堕天しましょ?」のヒトコマは痛々しいのレベルを超えた重症患者でありました。それにしてもホント黙っていれば超美人だなあ。
「判ってる。自分が堕天使のはずなんてないって…そもそもそんなものいないんだし」
「だったらどうしてあんなもの学校に持ってきたの?」
「それはまあ…ヨハネのアイデンティティーみたいなもので…あれがなかったら私は私でいられないって言うか…あっ!」
「何か心が複雑な状態にあるという事はよく判った気がするわ…」
理屈では判っているのに心が追い付いていかない。今の善子の複雑な精神状態(笑)を改めて示しつつ、それを部員全体が認識するヒトコマ。で、そうなると普通は「いかにして善子を人の道に戻すか」が主題になりそうなものですが、さすが千歌の思考はひと味違って。
「かわいい…これだ! これだよ!」
「津島善子ちゃん! いや堕天使ヨハネちゃん! スクールアイドルやりませんか!?」
「……なに?」
ルビィが示した堕天使占い放送を見た千歌は、みなさんドン引きの中でキラッキラの笑顔を弾かせ、そしてこれまたキラッキラの笑顔で善子を仲間に誘うのでした。ああこれはロクな事考えてない顔だ(笑。一方突然の申し出にカメラ目線で引く善子のリアクションが往年のバラエティぽくてちょっと笑った。



「これで歌うの!? この前より短い…これでダンスしたらさすがに見えるわ」
「だいじょうぶ!」
Bパート冒頭は舞台を千歌宅に移して新衣装(笑)のフィッティングから。ミニスカをクローズアップしたパンアップ→ノースリーブの肩越しを抜いたいかにもなカット割りと、羞恥プレイ全開の梨子のセリフがじつにナントモなヒトコマであります。その隣でハーフパンツ装備でたくし上げて笑ってる千歌が豪快すぎる。あはは。でもどんだけ短くしても絶対に見えないから安心して。というか毎度思うけれど、普段着ている制服がキワキワMAXの短さなのでミニスカ衣装を恥ずかしがる説得力がイマイチ無いのだなあ。これが梨子の制服だけ膝丈とかだったら普段とのギャップが際立っていろいろオイシイのに。
ともあれ屋上でいろいろ言ってたテコ入れ作戦のアイデアとして「堕天使アイドル」を目指す事になったAqoursのみなさん。もちろん他のメンツも堕天使衣装に着替え…善子と対称的な白ベースの衣装を纏ったルビィは天使そのもの、続いて着慣れぬふりふりミニスカの違和感を訴える花丸は脚が脚が。そういやお寺の子が堕天使コスで歌い踊るってのもなかなかファンキーではありますね。
「ねえ本当に大丈夫なの? こんな格好で歌って…」
「かわいいね~!」
「…そういう問題じゃない」
などなど妙に盛り上がる一方で梨子は本質的な疑問を放ち、しかし例によって話を聞かない千歌は綺麗にスルー…これが後々大問題に発展するとは。さらに千歌は聴衆のドン引きを最も恐れる堕天使ヨハネをうっとりと説き伏せ、ってな言葉に乗せられてほくそ笑む善子がまた言い味、というか全然止める気ないよね(笑
「い~~~や~~~!」
そんな堕天使ミーティングが一段落して廊下に出た梨子はしいたけと御対面! どうしてこんなトコに!(笑。全力で逃げる梨子を全力で追うしいたけ、回を追うごとにヒートアップする二者の対峙は絵面的には面白いけどこれってストーリー上何か意味があるのだろうか。

「それそれ特徴があって、魅力的で、だから大丈夫じゃないかなって」
ベランダ大ジャンプからシーンは一転して夕暮れのバス停。バスに乗る善子&曜を見送り、徒歩で帰って行く花丸&ルビィを見送ると、千歌はAqoursに対する本音や自身の責任&非力さについての不安をしんみりと語り始めます。でもみんなの事を知るにつれて「大丈夫」と思うようになった。一方梨子は千歌の言葉に微笑みながら「地味で普通のみんなが集まって何ができるか頑張っていこう」と返し…何も考えていないようで結構考えてた千歌の胸中を理解した梨子、二人の心がまた一歩近付いた瞬間であります。
「みんなで一緒に~堕天しない?」
などと雰囲気アリアリの夕暮れシーンから一転して堕天使モードのAqoursがパッと登場。善子のリードに揃って応えるみなさんはすっかりノリノリであります。あははは。痛さMAXの映像なれど客受けは良かったらしく、注目のランキングは一気に三桁台へ急上昇! コメントによると特にルビィの人気が高いようで、曰く「ルビィちゃん最高!」「ルビィちゃんのミニスカートがとても良いです」「ルビィちゃんの笑顔をずっと眺めてたい」
「ヨハネ様のリトルデーモン4号の黒澤ルビィです…いちばん小さい悪魔で…かわいがってね!」
舌っ足らずな自己紹介から無理無理のポーズをキメるルビィがプリティーボンバヘッ! これはズルいよ(笑。ところがその映像を見たお姉ちゃんは怒髪天を衝き、破廉恥なイロモノキャラで人気を取る無意味さを叫び、ひいてはスクールアイドルの在り方について再考セヨと課題を突き付け…何だかすっかり鬼コーチの様相でありますね。ダイヤさんについてはこの顛末を素直に反省するルビィに対しそれ以上攻め込まない優しさも良かった。またエアホッケー状態のノートPCを見事キャッチした曜もGJ(笑。などなど堕天使モードを完膚無きまで全否定された善子はさすがに堪えたようで――

「やっぱり高校生にもなって通じないよね…」
「何かすっきりした。明日から今度こそ普通の高校生になれそう」
「じゃあスクールアイドルは!?」
「うーん…やめとく。迷惑掛けそうだし」
この騒動でいよいよ現実を叩き付けられた善子は堕天使からの卒業を強く決意し、堕天使が縁で誘われた自分が部に残る理由も無くなり、また騒動に関する責任の意味も含めてスクールアイドルから身を引く事を告げ…この一連シーンの表情を見せない演出は、務めて明るく振る舞う善子の本心=寂しさを浮き彫りにしていて実にナントモもの悲しい。
「少しの間だけど堕天使に付き合ってくれてありがとね。楽しかったよ」
それだけに別れ際に振り返った精一杯の笑顔&セリフの破壊力は尋常ではなかった。第1話での登場以来エキセントリックなイロモノキャラと思っていた善子の印象がこの1カットで全てひっくり返った気分です。それはそうとここでのルビィのセリフ「千歌ちゃんが悪いわけではないです」が妙にツボにハマってしまった。最初は舌っ足らずなあざとい芝居と思っていたのにいつの間にか中毒に(笑
「これが本当の自分なのかなあ?って」
続いて花丸により善子の、というかこの世代のオンナノコに共通する内面語りが始まります。地味で普通な今の自分は本当の自分じゃない、元々は天使みたいにキラキラしてて、何かの弾みでこうなっちゃってるんじゃないか?
「私本当は天使なの! いつか羽根が生えて天に帰るんだ!」
「ずら~」
花丸が浮かべた幼稚園時代の善子は自らを天使と名乗っていて、それから歳月が経っても思いは変わらずというか尖った方向へ拗らせて「堕天使」を名乗るようになった。つまりこんな小さい頃から「普通の自分」を否定し「特別な存在」である事を信じていた善子はそんじょそこらの中二病患者とは年季が違って…たいていの少年少女は思春期(自我が芽生える頃)に程度の差はあれそういう思考を経験し、現実とのギャップに藻掻き苦しみ、やがて紛れもない現実を認識すると落ち着いていくものですが、「特別な存在」に対する憧れが常人離れしていた善子は意識の切り替えが上手くできず、周りとは少々違ったベクトル(笑)で苦しんでいたのですね。そんな誰しも経験する思春期メンタルを通じて善子の気持ちを理解し受け容れる流れは甘酸っぱくも爽やかでした。青春だなあ。というか幼稚園時代から黒羽根を付けてたのね。小っさい堕天使かわいすぎずら。

シーン変わって早朝の善子の部屋。部屋を飾り身に纏っていた中二装備一式を箱に詰めていよいよ最後のお別れであります。マンションのゴミ置き場に置いた箱をじっと見つめる寂しそうな顔が絶品でした。そしてほどなくゴミ置き場から出ると朝日の中に何やら見知った姿が立っていました。
「堕天使ヨハネちゃん、スクールアイドルに入りませんか?」
「はぁ?」
改めてスクールアイドルに誘うみなさんに対して理解が追い付かない善子の表情変化がまた絶品。しかし中二からの卒業を決めた善子は頑なに拒否し、すると千歌も負けじと善子の「好き」を認め受け容れ――
「いいんだよ堕天使で! 自分が好きならそれでいいんだよ!」
辛い別れを押し切って決めた「卒業」をそう簡単に変えるわけにはいかず、このまま押し問答をしていたら押し切られてしまうと思ったか…「ダメよ!」と叫んで逃げ出してしまう辺りじつに善子っぽい反応でした。そしてここから追跡劇のテイで沼津の名所案内を暫し。街並みを映しながらのチェイスシーンでも脚のアップを忘れない拘りや良し。でもμ'sの例えはもういいです。

「お客さんにどう思われるかとか、人気がどうとかじゃない、自分が一番好きな姿を、輝いてる姿を見せる事なんだよ」
「だから善子ちゃんは捨てちゃダメなんだよ。自分が堕天使を好きな限り」
というわけで千歌なりに答えを出したスクールアイドルの何たるかを善子へ伝え、堕天使モードに理解を示し、それでも「ヤだったらヤだって言う」と正直な許容ラインを宣言して善子が最も危惧する「暴走」への歯止めを表し…すなわちお互い不自然な我慢など無い「対等な関係」で仲間になってほしいと真正面から言われた善子は逃げ回る事を止めて千歌の誘いを受け容れ、そんな思いの伝達を示す黒羽根演出も綺麗な締めでした。
「鞠莉さん! あのメールは何ですの!?」
「何って、書いてあったとおりです」
「そんな…嘘でしょ…?」
綺麗に終わると思いきやラストにこんな爆弾を。二人の様子からして尋常じゃない波乱を予感させますがはたして?
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