2016-08-07(Sun)
ラブライブ!サンシャイン!! #06 PVを作ろう
追いかけてみせるよ。

この場所から始めよう!

「沼津の高校と統合して浦の星女学院は廃校になる。わかっていた事でしょ?」
前回ラストの緊迫した引きから今回はいきなりネタバラシ。いかにもな引きからしてラブライブお得意のミスリードじゃ?と半々くらい思っていたけどマンマ直球で返ってびっくり。やはり廃校話に舵を取るのね。と言っても近年の少子化に加えて地方の過疎を鑑みると前作の廃校話よりも現実感があるような気がします。むしろリアルすぎてシャレにならんというか。
「あの時も言ったでしょう? 私は諦めないと」
この場所に強い思い入れがある鞠莉さんは廃校を何としても阻止したい。その思いの一端であろう幼少期の回想は今とは逆に果南の方から鞠莉さんに抱きついて、小っさいダイヤさんがびっくり目で見ているというもの…果南&鞠莉さんの関係性の違いからしてこの二人にはいろいろ面倒くさい経緯がありそうな。また二人の後を付いていく風だったダイヤさんが、今や鞠莉さんの意に真っ向から逆らってスクールアイドルを拒絶しているってのも興味深い話。というかこの三人ってこんな小さい頃から繋がりがあったのね。要するに転校生の梨子以外は浦の星入学前から何らかの繋がりがある=町の狭さ(田舎の人間関係の濃さ)を実感させる設定であります。
「ほんとダイヤは好きなのね。果南が…」
鞠莉さんが差し伸べた手を一瞥して理事長室を出ていくダイヤさん。その後姿を見送る鞠莉さんの呟きがまた意味深で…果南が好きだからスクールアイドルを拒絶している、つまりそのきっかけはおそらく果南にあるという事でしょう。今回はこの後チラチラと事情を窺わせる映像が現れ、焦らしながらも少しずつ核心に近付いているような。

「疲れた…普通って難しい」
「無理に普通にならなくてもいいと思うずら~」
さて学校に復帰した善子はクラスでの生活をどうしているのか?と思いきや、クラスメイトたちのジョシコーセーノリに調子を合わせ、どーにかこーにか普通の女子高生を演じておりました。あははは。すると疲れ果てて机に突っ伏す善子のお団子に黒羽根をブスッとやる花丸、するとキラリン☆とスイッチが入って堕天使降臨…やはりあのお団子が善子の本体だったのか! ってなトコへ大慌てのルビィが飛び込んできて――
「廃校?………来た! ついに来た!」
部室に集まったみなさんは件の廃校話を聞いて驚き嘆きそして静まり返って俯き…と思ったら目ぇキラキラさせて喜んでいる人がいますよ? 喜びのあまり部室を飛び出し、体育館を一周して戻ってきた千歌は「音ノ木坂とお揃い! 私たちが学校を救うんだよ!」と、要するに憧れのアイドルと同じシチュエーションを手に入れた=スクールアイドルとしてこの上ない大義名分を得て喜んでいたのです。あはは子供か! まあ憧れが高じてこうなっちゃうのは判らんでもないけれど梨子がツッコんだとおり現実はそんな簡単じゃありません。なるほど予告でキャッチーだったキメポーズでのジト目はこういう経緯だったのか(笑。そういや今さらだけど梨子のスカートって他の子よりちょっとだけ長いんですね。逆にヨハネは短すぎの上にニーソ装備なのでどうしても視線が引っ張られてしまう(そういうトコばかり見ない
「みらいずら~!」
統廃合を喜んでいるのは千歌だけではなく、花丸は花丸で「あの街に通える!?」と違うアプローチで廃校を喜んでいました。なら最初から沼津の学校へ行けば?と言ったらシマイか。善子が語ったセンサーライトエピソードは花丸の文明への飽くなき憧れが脈々と続いている事を示し、と同時に花丸&善子の関係性も仄かに匂わせていますね。パッと見は堕天使のが危ない子だけれど、中身としては大差ないというか、むしろ花丸の方が自己世界に入り込みやすい子っぽい。ここでアングル変わりの花丸がナマ脚になっててちょっと笑った。
「良かったずらね~中学の頃の友達に会えるずら~」
オサレな善子も統廃合賛成派でしたが、ナチュラルに臑のキズを抉られると絶対反対派にコロッと寝返るのでした。あはは。なるほどこれは同意せざるを得ない。
「Aqoursは学校を救うため行動します! えへっ」
「ヨーソロー! スクールアイドルだもんね!」
「でも行動って何するつもり?」
妙なテンションで廃校阻止の行動を宣言する千歌、楽しげに話に乗る曜、続く梨子は笑顔を向けつつ具体的な行動内容を訊きますが…お約束どおり千歌は何も考えていません(笑

「スクールアイドルとしてランキングに登録して…ラブライブに出て有名になって…生徒を集める」
「それだけなの!?」
屋上練習→階段登りとレッスンを重ねながらμ'sのパターンを思い出し、具体的な行動について考える千歌。とはいえ本家の方も外から見える部分としては本当にそれだけなので、いくらお手本にしようとしてもそれ以上の事は見えてこないのですね。というか善子は練習着っから主張激しいな(そういうトコばかり見
「そもそも受験人数が減っているんですものね…」
シーン変わって生徒会室では年度別志願者数の一覧を見て溜息のダイヤさん。特にこの二年の落ち込みが激しく、昨年など募集100人に対して志願者14人・入学者12人とか…確かにこの状況では統廃合止む無しでしょう。減り方がまた妙にリアルで笑えない。なるほど第2話でチラッと映った1年生教室を振り返ってみると本当に12人しか生徒がいません。教室の生徒が少ないなあと思っていたけどまさかこれで新入生全員だったとは。
「千歌ちゃんがPV作るんだって…」
「わかりましたわ」
ってなトコへ顔を出したルビィはおそるおそる「部活で帰りが遅くなる」ことをダイヤさんに伝え、ところが意外な事にダイヤさんは穏やかに快諾。その答えを聞いた途端表情がパッと明るくなるルビィかわいい。そのまま部室へ向かうルビィを呼び止めたダイヤさんはスクールアイドルカツドウを楽しむ妹に頬を緩め、一方スクールアイドル大好きなお姉ちゃんの気持ちが痛いほど判っているルビィは――
「おねぇ…」
「早く行きなさい」
思わず誘いの声を掛けるもビシィと遮られてそれ以上何も言えず。ああ辛い。

そしてここから暫し件のPV撮影の様子が描かれていきます。まずは曜が構えたカメラに向かって撮影スタート! 4Kカメラか! と思ったら恥ずかしがりのルビィがパッとフレームアウトしてしまい、さてドコ行った? 善子が見据えた木に登ってる? と思ったら全然当てずっぽうだったというオチ。あはは。とはいえ気の影に隠れるだけだった頃より逃げ技がレベルアップしてます(笑。そしていかにも素人っぽい両手カチンコから内浦の風景を次々と紹介、ところが人に紹介するほどの名所名物があるわけでもなく、ついには「町には…特に何も無いです!」とついつい本音をポロリ。それ言っちゃダメ! 続いてちょっと離れた沼津の街を紹介し、たくさん離れた伊豆長岡を紹介し…ハードな坂道をカメラ片手に登り切り、みなさんグロッキーの中で一人元気に撮影を続ける曜の体力がハンパありません。さすが水泳部は伊達ではない。あ、ヨハネはそのままでいいです(笑

その後みなさんは喫茶店に集まって作戦会議。いつもの千歌宅へ行かないのは放し飼いのしいたけを怖がる梨子への対応策との事ですが…家に集まった時だけ繋いでおけば済む事なのに何故。しかもここでも犬嫌いの梨子へ犬慣れを強制したり、特に面白い要素でも無い事を延々天丼する意図がよく判らない。もはや梨子に顔芸をさせたいだけ?とすら思えます。
「簡単に編集しただけだけど…魅力的とは言えないわね」
さすが生放送をこなす善子だけあって映像編集はお手のモノ? とはいえ出来上がったPVはロクな出来では無さそうで…ならばと沼津の街をメインとした詐欺ムービーをパッと思い付くも即却下、これは千歌の場当たりな性格を物語っているような。そんなこんなで早くも終バスが来てしまって曜&善子はサッサと離脱、日暮れまでに帰る約束のルビィ&花丸もダッシュで離脱、などなど慌ただしくも楽しいみんなとの時間の大切さに気付いた千歌は――
「無くなっちゃダメだって。私この学校好きなんだ」
μ'sのモノマネではない、自分なりの「学校を守る理由」に辿り着くのでした。何てコトない毎日が掛け替え無いの。オトナはそう言うけれど…その大切さは今を生きる自分ではなかなか気付けないものなんですよね。それはそうとこの喫茶店シーンで最初っから最後までどら焼き食べてる花丸が面白くて仕方がない。あとEDでアピールしまくっている曜&善子の組み合わせはバス通学繋がりだったとは。ヨーシコー!

「来るなら来ると先に言ってよ」
そして夜の三年生組をチラリ。鞠莉の部屋へウエットスーツで突然現れた果南はまさか潜行潜入してきた? 続いて廃校問題について軽くキャッチボールをした後
「だからもう一度果南の力がほしい」
廃校を阻止するためには「もう一度」果南の力が必要と復学届をチラ付かせて迫る鞠莉さん、一方果南は苦い顔で「本気?」と返し、さらに鞠莉さんは「私は果南のストーカーだから」と意味深なヒトコトを。また別アングルからこの二人の様相を深読みすると、減少傾向だった志願者が二年前(つまり鞠莉さんたちが一年生の年度)に一気に減っている事と関連しているようなしないような?

「…以上今日も一日がんばるびぃ! こと黒澤ルビィがお伝えしました!」
かわいいけど時事ネタは風化するぞ(違。ともあれ完成したPVの出来は鞠莉さんが意識を失うほどのテイタラクで、どれほど苦労しようが町と学校の魅力を理解していない=伝わって来ないのでは意味が無いとダメ出し三昧でありました。さらに「判らないなら教えてあげる」と言わんばかりに大上段の対峙…正座して聞いてる部員とのコントラストがよく効いて、立場的な力関係はもとより内面のレベル差さえも浮き彫りにしています。そしてこの状況でも唯一膝を折らない善子の頼もしさったら(笑
「どうして聞かなかったの?」
「なんか聞いちゃダメな気がしたから」
「何意地張ってんのよ?」
「意地じゃないよ…」
そこから映像は昇降口の靴にパッと移ってこのやり取り。結局鞠莉さんのご教授を聞かなかったようで、その理由は「自分で気付けなければPVを作る資格がない」という王道まっしぐらなものでした。判っちゃいてもなかなかの覚悟であります。ってなトコで千歌を質す善子、千歌の思いを聞くみなさん、そこから鬼門の千歌宅での打ち合わせへ続ける曜のニヤ顔&梨子の危機顔(笑)、そんなみんなを見て思わず笑い出す千歌などなど、キャラの心境を映す表情変化も微に入り細に入り描写されて感心感心、目が離せません。
「あ、忘れ物した」
ちょっと褒めるとすぐこれだ(笑。というのはともかく、ここでいきなり忘れ物→体育館への場面転換は少々かなり力技っぽい。

「凄いです! 私感動しました!」
その体育館にて遭遇したダイヤさんの日舞に大感動の千歌。エリチカのバレエ転じて今度の生徒会長の嗜みは日舞ですか。古い良家のお嬢様的には尤もな設定ですが、バレエと違ってアイドルダンスにはあまり応用できない気がする。まあ日舞設定の是非はともかく、体育館の舞台で署名書を手に踊っているという場面設定はやっぱり少々かなり力技っぽい。などと演出的には綺麗だけれどその反面リアリティを欠いた「シナリオどおりの演劇」チックに見えてしまう、ともすれば絵面最優先のあまり演出過剰のシーンを散見するのが本作(というか本シリーズ)の欠点であり魅力なのかもしれない。
「今は言わないで! ごめんなさい…」
舞台の踊り子へ直球で誘いを掛けるもあっさり断られ、しかしダイヤさんのスクールアイドルへの思いをルビィから聞いた千歌は思わず声を…ってなトコへ割って入って止めるルビィのお姉ちゃん思いが辛く切なかった。あれほどスクールアイドルが大好きだったお姉ちゃんを変えてしまった何か、いや今でも大好きなのに何かの理由で封印しているのは明らかで、その重さが判っているルビィはお姉ちゃん自身が解決するのを待っているのでしょう。自身の意志で気持ちを開いてくれる事を待っている。要するにお姉ちゃんが妹に対して思っていたのと同じ事をルビィは思っているのですね。周りがとやかく言ってもダメなのです。
「ダイヤ、逃げていても何も変わりはしないよ」
「逃げてるわけではありませんわ。あの時だって…」
体育館からの渡り廊下でダイヤさんが浮かべた過去の回想。まああらかた予想は付いていましたが現三年生の三人は過去にスクールアイドルをやっていて、しかしそれは何らかのトラブル(?)によって崩壊し三者三様の現状に至ったぽい。客席からの結構な歓声が聞こえた辺り無観客ショックでは無さそうで、なのに張り切ってステージへ飛び出した果南が瞬間戸惑い顔を見せ→歓声が消えて暗転客席を前にした三人がスポットに浮かぶ…いったい何が起きたのだろう? 来るには来ていたけどお客さん少ないじゃん!的な(以下自重。まあ状況描写的には逆に想像以上の大舞台&大歓声に圧倒され潰れてしまったと考えるのが妥当か。
「明日みんな早いんだから今日はあんまり遅くなっちゃダメよ」
先のとおり千歌宅にて作戦会議のみなさん。しいたけの所在にビビりつつベッドのモゾモゾを千歌と思って部屋へ入った梨子は、お茶を持ってきたお姉ちゃんの言葉に疑問を浮かべ、続いて曜も「さあ? 何かあったかなあ?」と…なるほど曜は内浦住みじゃないから即答できなかったか。
「海開きだよ」
ってなトコで障子の間から顔を出した千歌のお答え。ってコトはベッドのモゾモゾは…何故これほどまでしいたけネタを重ねるのか割りと本気で判らない。この積み重ねがクライマックスの感動に繋がるとも思えんし(だとしたらどんなストーリーラインだ

しいたけショックの暗転から目覚まし時計が鳴って布団の梨子へ。「明日は早い」と言っていたもののまさか三時半とは!? あくびをしながらジャージ姿で向かった先はご町内のみなさん総出の浜で、提灯片手に海開きの準備=浜の掃除をしていたのでした。オハヨーソロー! 沼津の子まで揃っているのは学院による動員なのでしょう。そんなこんなでまだ暗い浜辺に町中の人が集まって海開きに備える風景を見た梨子は――
「これなんじゃないかな? この町や学校の良いところって…」
これが日常になっている地元民には判らない、余所者の梨子だからこそ気付いた町の良さ。名所名物よりもここに住む人々の一体感・温かさこそがこの町のアピールポイントと気付いたのですね。思えば人が少ない町での動員を心配した第3話の時点で町民の温かさが描かれていたわけで、それを改めて体感した余所者が「町の良さ」として気付くという流れは結構上手くできています。
「あの、みなさん! 私たち浦の星女学院でスクールアイドルをやっているAqoursです。私たちは学校を残すために、ここに生徒をたくさん集めるために、みなさんに協力してほしい事があります!」
梨子の言葉から何か思い付いた千歌は台に駆け上って町のみなさんにお願いを叫び…と思ったら次のカットで突然ライブが始まってさすがに驚いた(笑


「みんなの気持ちを形にするために!」
始まった曲はAqoursの新曲「夢で夜空を照らしたい」。青く抜けた空と海を背負った屋上ステージは内浦の自然に囲まれた学院の所在を強くアピールするもので、その映像に乗る曲といえば本シリーズのライブ曲としては珍しく、聴衆に語りかけるような温かみに溢れた曲でした。曲調どおりゆったりしっとりと歌い踊るAqoursの一方でPV制作に至る準備風景をパッパと挟み「みんなで一緒に作り上げたPV」である事を強調した映像はこれまでの本シリーズライブムービーと少々毛色の違いを感じさせます。そういやサビでぶった切った第3話でのライブも通例離れした意外な作りでしたっけ。シリーズ変わった事でライブの使い方をいろいろ模索している感じがしますね。エピソードのクライマックスで完パケムービーを流す作りも嫌いじゃないけど、このようにストーリーのヤマ場に融合させたライブ演出も悪くありません。大雑把に言うならアイカツ型とプリティーリズム型みたいな?
映像的には厳しい目で見れば作画パートの質は特筆するほど高くはなく、またCGパートもバストアップ程度ならともかく顔アップまで使われているため、気にし始めると結構CG臭がきつく…やはり顔アップまではまだ厳しいかもしれない。これはしっとりした曲調のため速いダンス(カット割り)で誤魔化せないせいもあるかも。
サビに入ると「Aqours」の文字が描かれたスカイランタンが一斉に夜明けの空へ舞い上がってライブを盛り上げます。町のみなさんの温かさを象徴するスカイランタンの光に包まれたサビパートは幻想的で綺麗綺麗。そんな光を見つめる三年生組、特に果南は何か思うところがありそうな? まあその前に今回チラ見せした二年前のオトシマエが必要なのでしょうけれど。
「私、心の中でずっと叫んでた。『助けて』って。ここには何も無いって」
「でも違ったんだ。追いかけてみせるよ、ずっと、ずっと…」
「この場所から始めよう。できるんだ!」
ここで放映前の本作キャッチコピー「助けて! ラブライブ!」を絡めた千歌の心境変化が示されます。何も無い町に住む何者でもない自分を誰かに助けてほしかった。けれどここには仲間がいる、町のみんなもいる。今回の一連でその事に気付き前を向いた千歌の笑顔はじつに眩しかった。
さて次回はこの流れから何故か東京へ出張するようですが、そうするとスクールアイドル関係者に遭遇する確立もグッと上がり、と同時に過去のスクールアイドルに詳しい御仁と遭遇する可能性も…ってな切り口から三年生組の過去が明らかになるとか?(当てずっぽう

※「夢で夜空を照らしたい」ウインクまとめ
Bメロラスト明日への道がわかる梨子パチ、そして繋がれ千歌パチ、サビに入って消えない善子パチ、カメラ引いて判りにくいけれど善子パチ、カメラ回って飛びだそう曜パチ、三人アップで梨子パチ、ラストキメで曜&善子パチ。
計7カット。
内訳
・善子:3回
・梨子:2回
・曜:2回
・千歌:1回
↓記事が役立ったら一票どうぞ。

この場所から始めよう!

「沼津の高校と統合して浦の星女学院は廃校になる。わかっていた事でしょ?」
前回ラストの緊迫した引きから今回はいきなりネタバラシ。いかにもな引きからしてラブライブお得意のミスリードじゃ?と半々くらい思っていたけどマンマ直球で返ってびっくり。やはり廃校話に舵を取るのね。と言っても近年の少子化に加えて地方の過疎を鑑みると前作の廃校話よりも現実感があるような気がします。むしろリアルすぎてシャレにならんというか。
「あの時も言ったでしょう? 私は諦めないと」
この場所に強い思い入れがある鞠莉さんは廃校を何としても阻止したい。その思いの一端であろう幼少期の回想は今とは逆に果南の方から鞠莉さんに抱きついて、小っさいダイヤさんがびっくり目で見ているというもの…果南&鞠莉さんの関係性の違いからしてこの二人にはいろいろ面倒くさい経緯がありそうな。また二人の後を付いていく風だったダイヤさんが、今や鞠莉さんの意に真っ向から逆らってスクールアイドルを拒絶しているってのも興味深い話。というかこの三人ってこんな小さい頃から繋がりがあったのね。要するに転校生の梨子以外は浦の星入学前から何らかの繋がりがある=町の狭さ(田舎の人間関係の濃さ)を実感させる設定であります。
「ほんとダイヤは好きなのね。果南が…」
鞠莉さんが差し伸べた手を一瞥して理事長室を出ていくダイヤさん。その後姿を見送る鞠莉さんの呟きがまた意味深で…果南が好きだからスクールアイドルを拒絶している、つまりそのきっかけはおそらく果南にあるという事でしょう。今回はこの後チラチラと事情を窺わせる映像が現れ、焦らしながらも少しずつ核心に近付いているような。

「疲れた…普通って難しい」
「無理に普通にならなくてもいいと思うずら~」
さて学校に復帰した善子はクラスでの生活をどうしているのか?と思いきや、クラスメイトたちのジョシコーセーノリに調子を合わせ、どーにかこーにか普通の女子高生を演じておりました。あははは。すると疲れ果てて机に突っ伏す善子のお団子に黒羽根をブスッとやる花丸、するとキラリン☆とスイッチが入って堕天使降臨…やはりあのお団子が善子の本体だったのか! ってなトコへ大慌てのルビィが飛び込んできて――
「廃校?………来た! ついに来た!」
部室に集まったみなさんは件の廃校話を聞いて驚き嘆きそして静まり返って俯き…と思ったら目ぇキラキラさせて喜んでいる人がいますよ? 喜びのあまり部室を飛び出し、体育館を一周して戻ってきた千歌は「音ノ木坂とお揃い! 私たちが学校を救うんだよ!」と、要するに憧れのアイドルと同じシチュエーションを手に入れた=スクールアイドルとしてこの上ない大義名分を得て喜んでいたのです。あはは子供か! まあ憧れが高じてこうなっちゃうのは判らんでもないけれど梨子がツッコんだとおり現実はそんな簡単じゃありません。なるほど予告でキャッチーだったキメポーズでのジト目はこういう経緯だったのか(笑。そういや今さらだけど梨子のスカートって他の子よりちょっとだけ長いんですね。逆にヨハネは短すぎの上にニーソ装備なのでどうしても視線が引っ張られてしまう(そういうトコばかり見ない
「みらいずら~!」
統廃合を喜んでいるのは千歌だけではなく、花丸は花丸で「あの街に通える!?」と違うアプローチで廃校を喜んでいました。なら最初から沼津の学校へ行けば?と言ったらシマイか。善子が語ったセンサーライトエピソードは花丸の文明への飽くなき憧れが脈々と続いている事を示し、と同時に花丸&善子の関係性も仄かに匂わせていますね。パッと見は堕天使のが危ない子だけれど、中身としては大差ないというか、むしろ花丸の方が自己世界に入り込みやすい子っぽい。ここでアングル変わりの花丸がナマ脚になっててちょっと笑った。
「良かったずらね~中学の頃の友達に会えるずら~」
オサレな善子も統廃合賛成派でしたが、ナチュラルに臑のキズを抉られると絶対反対派にコロッと寝返るのでした。あはは。なるほどこれは同意せざるを得ない。
「Aqoursは学校を救うため行動します! えへっ」
「ヨーソロー! スクールアイドルだもんね!」
「でも行動って何するつもり?」
妙なテンションで廃校阻止の行動を宣言する千歌、楽しげに話に乗る曜、続く梨子は笑顔を向けつつ具体的な行動内容を訊きますが…お約束どおり千歌は何も考えていません(笑

「スクールアイドルとしてランキングに登録して…ラブライブに出て有名になって…生徒を集める」
「それだけなの!?」
屋上練習→階段登りとレッスンを重ねながらμ'sのパターンを思い出し、具体的な行動について考える千歌。とはいえ本家の方も外から見える部分としては本当にそれだけなので、いくらお手本にしようとしてもそれ以上の事は見えてこないのですね。というか善子は練習着っから主張激しいな(そういうトコばかり見
「そもそも受験人数が減っているんですものね…」
シーン変わって生徒会室では年度別志願者数の一覧を見て溜息のダイヤさん。特にこの二年の落ち込みが激しく、昨年など募集100人に対して志願者14人・入学者12人とか…確かにこの状況では統廃合止む無しでしょう。減り方がまた妙にリアルで笑えない。なるほど第2話でチラッと映った1年生教室を振り返ってみると本当に12人しか生徒がいません。教室の生徒が少ないなあと思っていたけどまさかこれで新入生全員だったとは。
「千歌ちゃんがPV作るんだって…」
「わかりましたわ」
ってなトコへ顔を出したルビィはおそるおそる「部活で帰りが遅くなる」ことをダイヤさんに伝え、ところが意外な事にダイヤさんは穏やかに快諾。その答えを聞いた途端表情がパッと明るくなるルビィかわいい。そのまま部室へ向かうルビィを呼び止めたダイヤさんはスクールアイドルカツドウを楽しむ妹に頬を緩め、一方スクールアイドル大好きなお姉ちゃんの気持ちが痛いほど判っているルビィは――
「おねぇ…」
「早く行きなさい」
思わず誘いの声を掛けるもビシィと遮られてそれ以上何も言えず。ああ辛い。

そしてここから暫し件のPV撮影の様子が描かれていきます。まずは曜が構えたカメラに向かって撮影スタート! 4Kカメラか! と思ったら恥ずかしがりのルビィがパッとフレームアウトしてしまい、さてドコ行った? 善子が見据えた木に登ってる? と思ったら全然当てずっぽうだったというオチ。あはは。とはいえ気の影に隠れるだけだった頃より逃げ技がレベルアップしてます(笑。そしていかにも素人っぽい両手カチンコから内浦の風景を次々と紹介、ところが人に紹介するほどの名所名物があるわけでもなく、ついには「町には…特に何も無いです!」とついつい本音をポロリ。それ言っちゃダメ! 続いてちょっと離れた沼津の街を紹介し、たくさん離れた伊豆長岡を紹介し…ハードな坂道をカメラ片手に登り切り、みなさんグロッキーの中で一人元気に撮影を続ける曜の体力がハンパありません。さすが水泳部は伊達ではない。あ、ヨハネはそのままでいいです(笑

その後みなさんは喫茶店に集まって作戦会議。いつもの千歌宅へ行かないのは放し飼いのしいたけを怖がる梨子への対応策との事ですが…家に集まった時だけ繋いでおけば済む事なのに何故。しかもここでも犬嫌いの梨子へ犬慣れを強制したり、特に面白い要素でも無い事を延々天丼する意図がよく判らない。もはや梨子に顔芸をさせたいだけ?とすら思えます。
「簡単に編集しただけだけど…魅力的とは言えないわね」
さすが生放送をこなす善子だけあって映像編集はお手のモノ? とはいえ出来上がったPVはロクな出来では無さそうで…ならばと沼津の街をメインとした詐欺ムービーをパッと思い付くも即却下、これは千歌の場当たりな性格を物語っているような。そんなこんなで早くも終バスが来てしまって曜&善子はサッサと離脱、日暮れまでに帰る約束のルビィ&花丸もダッシュで離脱、などなど慌ただしくも楽しいみんなとの時間の大切さに気付いた千歌は――
「無くなっちゃダメだって。私この学校好きなんだ」
μ'sのモノマネではない、自分なりの「学校を守る理由」に辿り着くのでした。何てコトない毎日が掛け替え無いの。オトナはそう言うけれど…その大切さは今を生きる自分ではなかなか気付けないものなんですよね。それはそうとこの喫茶店シーンで最初っから最後までどら焼き食べてる花丸が面白くて仕方がない。あとEDでアピールしまくっている曜&善子の組み合わせはバス通学繋がりだったとは。ヨーシコー!

「来るなら来ると先に言ってよ」
そして夜の三年生組をチラリ。鞠莉の部屋へウエットスーツで突然現れた果南はまさか潜行潜入してきた? 続いて廃校問題について軽くキャッチボールをした後
「だからもう一度果南の力がほしい」
廃校を阻止するためには「もう一度」果南の力が必要と復学届をチラ付かせて迫る鞠莉さん、一方果南は苦い顔で「本気?」と返し、さらに鞠莉さんは「私は果南のストーカーだから」と意味深なヒトコトを。また別アングルからこの二人の様相を深読みすると、減少傾向だった志願者が二年前(つまり鞠莉さんたちが一年生の年度)に一気に減っている事と関連しているようなしないような?

「…以上
かわいいけど時事ネタは風化するぞ(違。ともあれ完成したPVの出来は鞠莉さんが意識を失うほどのテイタラクで、どれほど苦労しようが町と学校の魅力を理解していない=伝わって来ないのでは意味が無いとダメ出し三昧でありました。さらに「判らないなら教えてあげる」と言わんばかりに大上段の対峙…正座して聞いてる部員とのコントラストがよく効いて、立場的な力関係はもとより内面のレベル差さえも浮き彫りにしています。そしてこの状況でも唯一膝を折らない善子の頼もしさったら(笑
「どうして聞かなかったの?」
「なんか聞いちゃダメな気がしたから」
「何意地張ってんのよ?」
「意地じゃないよ…」
そこから映像は昇降口の靴にパッと移ってこのやり取り。結局鞠莉さんのご教授を聞かなかったようで、その理由は「自分で気付けなければPVを作る資格がない」という王道まっしぐらなものでした。判っちゃいてもなかなかの覚悟であります。ってなトコで千歌を質す善子、千歌の思いを聞くみなさん、そこから鬼門の千歌宅での打ち合わせへ続ける曜のニヤ顔&梨子の危機顔(笑)、そんなみんなを見て思わず笑い出す千歌などなど、キャラの心境を映す表情変化も微に入り細に入り描写されて感心感心、目が離せません。
「あ、忘れ物した」
ちょっと褒めるとすぐこれだ(笑。というのはともかく、ここでいきなり忘れ物→体育館への場面転換は少々かなり力技っぽい。

「凄いです! 私感動しました!」
その体育館にて遭遇したダイヤさんの日舞に大感動の千歌。エリチカのバレエ転じて今度の生徒会長の嗜みは日舞ですか。古い良家のお嬢様的には尤もな設定ですが、バレエと違ってアイドルダンスにはあまり応用できない気がする。まあ日舞設定の是非はともかく、体育館の舞台で署名書を手に踊っているという場面設定はやっぱり少々かなり力技っぽい。などと演出的には綺麗だけれどその反面リアリティを欠いた「シナリオどおりの演劇」チックに見えてしまう、ともすれば絵面最優先のあまり演出過剰のシーンを散見するのが本作(というか本シリーズ)の欠点であり魅力なのかもしれない。
「今は言わないで! ごめんなさい…」
舞台の踊り子へ直球で誘いを掛けるもあっさり断られ、しかしダイヤさんのスクールアイドルへの思いをルビィから聞いた千歌は思わず声を…ってなトコへ割って入って止めるルビィのお姉ちゃん思いが辛く切なかった。あれほどスクールアイドルが大好きだったお姉ちゃんを変えてしまった何か、いや今でも大好きなのに何かの理由で封印しているのは明らかで、その重さが判っているルビィはお姉ちゃん自身が解決するのを待っているのでしょう。自身の意志で気持ちを開いてくれる事を待っている。要するにお姉ちゃんが妹に対して思っていたのと同じ事をルビィは思っているのですね。周りがとやかく言ってもダメなのです。
「ダイヤ、逃げていても何も変わりはしないよ」
「逃げてるわけではありませんわ。あの時だって…」
体育館からの渡り廊下でダイヤさんが浮かべた過去の回想。まああらかた予想は付いていましたが現三年生の三人は過去にスクールアイドルをやっていて、しかしそれは何らかのトラブル(?)によって崩壊し三者三様の現状に至ったぽい。客席からの結構な歓声が聞こえた辺り無観客ショックでは無さそうで、なのに張り切ってステージへ飛び出した果南が瞬間戸惑い顔を見せ→歓声が消えて暗転客席を前にした三人がスポットに浮かぶ…いったい何が起きたのだろう? 来るには来ていたけどお客さん少ないじゃん!的な(以下自重。まあ状況描写的には逆に想像以上の大舞台&大歓声に圧倒され潰れてしまったと考えるのが妥当か。
「明日みんな早いんだから今日はあんまり遅くなっちゃダメよ」
先のとおり千歌宅にて作戦会議のみなさん。しいたけの所在にビビりつつベッドのモゾモゾを千歌と思って部屋へ入った梨子は、お茶を持ってきたお姉ちゃんの言葉に疑問を浮かべ、続いて曜も「さあ? 何かあったかなあ?」と…なるほど曜は内浦住みじゃないから即答できなかったか。
「海開きだよ」
ってなトコで障子の間から顔を出した千歌のお答え。ってコトはベッドのモゾモゾは…何故これほどまでしいたけネタを重ねるのか割りと本気で判らない。この積み重ねがクライマックスの感動に繋がるとも思えんし(だとしたらどんなストーリーラインだ

しいたけショックの暗転から目覚まし時計が鳴って布団の梨子へ。「明日は早い」と言っていたもののまさか三時半とは!? あくびをしながらジャージ姿で向かった先はご町内のみなさん総出の浜で、提灯片手に海開きの準備=浜の掃除をしていたのでした。オハヨーソロー! 沼津の子まで揃っているのは学院による動員なのでしょう。そんなこんなでまだ暗い浜辺に町中の人が集まって海開きに備える風景を見た梨子は――
「これなんじゃないかな? この町や学校の良いところって…」
これが日常になっている地元民には判らない、余所者の梨子だからこそ気付いた町の良さ。名所名物よりもここに住む人々の一体感・温かさこそがこの町のアピールポイントと気付いたのですね。思えば人が少ない町での動員を心配した第3話の時点で町民の温かさが描かれていたわけで、それを改めて体感した余所者が「町の良さ」として気付くという流れは結構上手くできています。
「あの、みなさん! 私たち浦の星女学院でスクールアイドルをやっているAqoursです。私たちは学校を残すために、ここに生徒をたくさん集めるために、みなさんに協力してほしい事があります!」
梨子の言葉から何か思い付いた千歌は台に駆け上って町のみなさんにお願いを叫び…と思ったら次のカットで突然ライブが始まってさすがに驚いた(笑


「みんなの気持ちを形にするために!」
始まった曲はAqoursの新曲「夢で夜空を照らしたい」。青く抜けた空と海を背負った屋上ステージは内浦の自然に囲まれた学院の所在を強くアピールするもので、その映像に乗る曲といえば本シリーズのライブ曲としては珍しく、聴衆に語りかけるような温かみに溢れた曲でした。曲調どおりゆったりしっとりと歌い踊るAqoursの一方でPV制作に至る準備風景をパッパと挟み「みんなで一緒に作り上げたPV」である事を強調した映像はこれまでの本シリーズライブムービーと少々毛色の違いを感じさせます。そういやサビでぶった切った第3話でのライブも通例離れした意外な作りでしたっけ。シリーズ変わった事でライブの使い方をいろいろ模索している感じがしますね。エピソードのクライマックスで完パケムービーを流す作りも嫌いじゃないけど、このようにストーリーのヤマ場に融合させたライブ演出も悪くありません。大雑把に言うならアイカツ型とプリティーリズム型みたいな?
映像的には厳しい目で見れば作画パートの質は特筆するほど高くはなく、またCGパートもバストアップ程度ならともかく顔アップまで使われているため、気にし始めると結構CG臭がきつく…やはり顔アップまではまだ厳しいかもしれない。これはしっとりした曲調のため速いダンス(カット割り)で誤魔化せないせいもあるかも。
サビに入ると「Aqours」の文字が描かれたスカイランタンが一斉に夜明けの空へ舞い上がってライブを盛り上げます。町のみなさんの温かさを象徴するスカイランタンの光に包まれたサビパートは幻想的で綺麗綺麗。そんな光を見つめる三年生組、特に果南は何か思うところがありそうな? まあその前に今回チラ見せした二年前のオトシマエが必要なのでしょうけれど。
「私、心の中でずっと叫んでた。『助けて』って。ここには何も無いって」
「でも違ったんだ。追いかけてみせるよ、ずっと、ずっと…」
「この場所から始めよう。できるんだ!」
ここで放映前の本作キャッチコピー「助けて! ラブライブ!」を絡めた千歌の心境変化が示されます。何も無い町に住む何者でもない自分を誰かに助けてほしかった。けれどここには仲間がいる、町のみんなもいる。今回の一連でその事に気付き前を向いた千歌の笑顔はじつに眩しかった。
さて次回はこの流れから何故か東京へ出張するようですが、そうするとスクールアイドル関係者に遭遇する確立もグッと上がり、と同時に過去のスクールアイドルに詳しい御仁と遭遇する可能性も…ってな切り口から三年生組の過去が明らかになるとか?(当てずっぽう

※「夢で夜空を照らしたい」ウインクまとめ
Bメロラスト明日への道がわかる梨子パチ、そして繋がれ千歌パチ、サビに入って消えない善子パチ、カメラ引いて判りにくいけれど善子パチ、カメラ回って飛びだそう曜パチ、三人アップで梨子パチ、ラストキメで曜&善子パチ。
計7カット。
内訳
・善子:3回
・梨子:2回
・曜:2回
・千歌:1回
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