2016-10-07(Fri)
アイカツスターズ! #26 奪えない夢
みんな違ってみんないい。

白銀リリィ、このひとときに魂を込めて。

「だって大好きな友達が帰ってくるんだもん!」
アバン冒頭はS4お茶会にて上機嫌のゆず先輩から。先の第23話にて華麗に登場したリリエンヌがついに復学であります。話によると半年ぶりの復学らしく、つまり半年前に入学したゆめたちと入れ違いで休学に入ってしまわれたのですね。休学は夏場だけかと思ったら意外と長かった?
そこからシーン替わってアイ!カツ!の秋を堪能しながら走り込む四人娘。例によってあこだけいないのは何故? と思いつつ、劇組の特性を思えば常に一緒にいる方が不自然ではあるためこれで正解なのかもしれない。あこの姿が見えない時は稽古詰めor巡業中と勝手に解釈しときます(笑。というか頭デケー。今回はカットによって作画の変動が凄くてちょっと笑ってしまった。エルさんのグロス回はスタジオ色の強い作画が印象的とはいえボディバランスがこんなんなっちゃってるパターンはあまり記憶に無く、要するにエルさんどうしちゃったの?って感じ。いわゆる「エル顔」でもないので菊池氏の手が回らなかったか、それともいろんな都合で孫請け丸投げカットか? どちらにせよアバンパートはきっちり描いてくれないと全編通しの印象まで良くなくなってしまうため今後はどうにか。
「い、今のなに?」
「一気に冬になった?」
「まだ早いと思うけど…」
秋を堪能していた四人娘は突然の寒波に襲われて何?これ何? ってなトコで校門へ振り返ると来た!来た!来ました! 吹雪を纏ったツンドラ歌姫がついに四ツ星へ降臨であります。前回登場時以上にキャライメージを放散する様はもはや「個性」なんて言葉では括れない、人知を越えた存在感に溢れているとでも申しましょうか。

今回からの新OPは軽快なロックチューンの「1,2,Sing for You!」。作詞:空谷泉身氏、作曲:秋浦智裕氏、編曲:南田健吾(onetrap)氏、歌唱せな・りえ・みき・かな from AIKATSU☆STARS! さんです。作曲の秋浦氏は前作にて「サマー☆マジック」を手掛けた方ですがこういうロック調もイケるんですね。南田氏による編曲はいつものように華やかな音色満載のアレンジではなく3ピースロックバンド風のシンプルな構成(ギターが2本いるので厳密には4ピース?)で、ドライブ感アリアリの曲調は爽快で元気が出ます。まさにココロがひとりでに走り出しそうなギターリフがいちいち気持ち良い、ベースよりギターを弾いた方が楽しいタイプの曲です(笑。関係無いけど「フレンド」で鳴ってる左右のギターも地味に格好いいので気にした事が無い方はぜひ再聴を。歌唱メンツを見ると要するに「ゆめ&ローラ&あこ&真昼」ではありますが…作中ライブステージでやるならローラのソロのが合っていそう。
今回OPは絵コンテ・演出を木村隆一氏が担当と聞いていたため、スターズをはたしてどんな色に染めてくれるか?が興味ドコロだったのですが、キャラの顔見世パターンからして全体的にまるで前作OPを見ているような懐かしささえ(笑。いきなり表情抜群のゆめ&ローラご来光カットに目を奪われるも…小春ちゃん抜きのツーショットとはいったい? その後の顔見世カットを見ても小春ちゃんだけ制服を着ていない&セーヌ川ほとり風ロケなんて穏やかじゃありません。ぴょこぴょこ走るローラは初見時何事かと思ったけれどこれってBPMステップを踏みながら走っていて、だから同テンポのステップを踏むゆめへの繋がりが際立つのでした。いかにも森田氏作画のゆであこ(笑)から騒ぎに振り向くキワキワ真昼への繋がりも良い。それだけに作画上みんなと繋がっていない小春ちゃんが意味深すぎる。続いてS4の面々、リリエンヌ、アンナ先生などなどレギュラーキャラを一通り顔見世してキラめく太陽が見えるとジャージのゆめ&ローラが手を突き上げてサビへ。トレーニングもやっぱりこの二人だけ?

サビに入るとアイカツカードの乱舞からS4&5人娘の止め絵、そしてローラとゆめの止め絵へ。この曲調のサビで止め絵連発っていったい? いつもならこのタイミングでCGライブの一節くらい入りそうなものだけれど…あえて入れていないとするなら後半の隠し球的何かが来るのかもしれない。ローラのスクロール繋ぎは微妙に回転が入っていて地味に超面倒でしたが完成したらMAXかわいかったので良し。舞台縁に座るゆめは目を開く一瞬の表情が超セクシーだったため思わず別バージョンで繋いでしまった(笑。ゆめのドレスはなかなか貫禄があるけど後半ヤマ場で装備するのかな。そこからゆめ&ローラがツーショットに収まって締め。曲入りから徹頭徹尾ゆめ&ローラで通してきた辺りやはりそういう事なのだろうか。ううむ。

CM明けてAパート冒頭は引き続き吹雪の校門、あまりの寒さに意識を失いかける小春ちゃんへ「寝ちゃダメ!」のお約束に笑う。ってなトコへ飛び込んできたゆず先輩の軌跡に合わせてパァッと景色が戻る辺り、リリエンヌが放出する大寒波がイメージ=実際に吹雪を発生させている訳ではない事が判ります(アタリマエか。全身の喜びを表すようなジャンピングゆずを冷静にやり過ごすリリエンヌにちょっと笑った。
「あの! リリィ先輩ですよね?」
「どなた?」
そんなこんなで学園での再会を喜ぶ二人の後からゆめが声を掛けて初対面同士の顔合わせへ。会いたかった先輩に会えて感激するゆめに対し、寝耳に水であるリリエンヌの素っ気なさ=温度差がいい感じ。それでもゆず先輩から「ゆめちゃんはS4になるのが夢なんだゾ!」と聞かされると瞬時に闘争心を吹き荒らしちゃう辺り、物静かな無感情キャラの内に秘めたアツさを窺わせます。
「散りゆく花のように人と人との争いは悲しい事。しかしそれが定めならば背を向ける事はしません。降りかかる火の粉はこの手で払うのみです」
「負けないぞ~! って事だよね」
リリエンヌの回りくどいセリフを考えるの大変だろうなあと思っていたけれど、今回は全体的にゆず先輩の翻訳がギリギリ不要なレベルで、要するにリリエンヌのセリフだけで意味が通じるのだけれど…大友はともかくメイン視聴者レベルだとやはり翻訳が必要なのかも? この回りくどさの線引きは実際のセリフを考える以上に難しそう。というわけで初対面の挨拶を軽く交わした程度で顔合わせイベントは終了、資料ムービー以上に強烈だったツンドラ歌姫の後姿を見送る四人は一発で戦々恐々であります。まあいきなり猛吹雪をアテられちゃねえ(笑

「本日学園長は出張だ! だから学園長の代わりにアツいギターを聴かせるぜい! YEAH!」
学園長代理を務める=学園のナンバー2っぽい割にこのところ教師らしい事をあまりしていないアンナ先生。またリリエンヌ復学のタイミングで姿を見せない学園長も何だか怪しかったり? 全校集会(?)の場にも関わらずノリノリのギター演奏を延々と続けるのもよく判らない。後の展開からして集会登壇の長話をコメディ的に表しているとは思いますが、これではアンナ先生がタダのロック馬鹿にしか見えないような。というか他の教師は何やってんの。
「むむっ!」
というわけで長話(?)に耐えきれないリリエンヌがフラッと倒れ…た次の瞬間身を呈してフォローに飛び込むゆず先輩。なるほど予告で見せたニュータイプ覚醒顔(笑)はリリエンヌピンチセンサー発動場面でした。そのままゆず先輩におんぶされて保健室へゴー! S4の中で唯一の二年生=幼め妹ポジションと思われたゆず先輩がまさかこれほど頼もしい存在になるとは。
「昔からよく朝礼で倒れてたし、乗り物に乗れば絶対に酔っちゃうし、遠足では最後まで歩けた事ないし、風邪が流行れば絶対にかかっちゃう」
「でも昔に比べたらずいぶん元気になったんだゾ」
「あれで?」
保健室へお見舞いに来た三人娘に話すテイでリリエンヌの過去=幼い頃からの虚弱エピソードを紹介。つまりリリエンヌの虚弱体質はあくまで生まれつきのもので「あの力」の副作用ではないという事か。それにしても即座にツッコむローラが直球すぎて笑った。
「リリィ先輩ってずっと高原で療養してたのよね?」
「うん。去年のS4戦にでて決勝まで進んだみたいだけど体調不良で決勝には出られなかったんだって」
続いて四人娘の会話からリリエンヌの経歴及び結構重要な事項が明らかに。半年ぶりの復学=半年前は学園に来ていた=そのタイミングでS4戦決勝があったとすれば、件のS4戦は3月に行われるという事? いやそれ以前に「S4戦」の存在自体が初出で、まああらかた予想は付いてたけれど年度末のS4戦にて次期S4が決まる事が確定っぽい。しかし現三年生のひめ様はもう出ないとして、リリエンヌ、有莉ちゃん先輩、そしてもちろんローラを勝ち抜かないとS4になれないってのは今のゆめにはハードルが高いなあ。というか歌組トップへの道が険しすぎる。

「うわっ!」
「これって?」
「リリィ先輩!?」
保健室で休んでいたリリエンヌがレッスン室に登場! ざわめく一年生たちを制してリリエンヌの紹介からレッスン再開までそつなくこなす有莉ちゃん先輩が有能すぎて笑っていいのか判らない。これじゃアンナ先生要らないじゃん?(笑。まあ今回に限れば学園長代理(?)を務めるアンナ先生の代行ってコトで良しとしましょう。そんなこんなで歌組一年生たちと対面したリリエンヌは怪しいオーラで軽く威嚇し大物っぽい雰囲気を放つも、再開されたレッスンにて腕立て伏せを1回やっただけでHPが切れて見学へ。あらら。先のオーラカットからちょこんと三角座りへの落差が凄い(笑。やる気はあるのに体が追い付かない歯がゆさ、それは見学中の視線からして明らかなのですが…判りやすいデフォルメ表現とはいえ少々極端すぎる気がしなくなくも(略
そんなリリエンヌを気にしていたゆめはターンの練習でコケてしまってさあ大変です。立てないほど痛いのにレッスンを気に掛けるゆめの気概は良いものの無理は禁物、有莉ちゃん先輩の命ずるまま保健室へ行くと結構ハデにいわしていて驚きでした。保険医曰く全治一週間、その間一切運動禁止と言い渡されて焦るゆめ。しかしカフェにてみんなから優しい言葉を掛けてもらってホッと一息でしたが――

「みんな! 今日から新しいステップに入ります」
足を痛めて動けない中で他の生徒はどんどん先に進んでしまう。有莉ちゃん先輩の手本を見つめ、レッスンを続けるローラたちを見つめ、しかし見ているだけでは新しいステップを覚えられない。ゆめは大切なレッスンに体を動かせない歯がゆさ・一人取り残される焦りを募らせ…そんなゆめを一瞥しつつ次の瞬間見学に集中するリリエンヌとの意識差がよく判るヒトコマでした。
「明日、白銀リリィ学園復活ステージを開催する! YEAH!」
ってなトコへアンナ先生がいきなりやってきてリリエンヌの復活ステージ開催を宣言。もちろんリリエンヌは二つ返事で快諾するも…腕立て伏せすらできず見学続きの体調で今日の明日のステージができるのか?(という振り

「去年のS4戦で活躍した彼女が半年ぶりに帰ってきました!」
いつものアイカツTVにてS4直々によるライブ告知が流され、そのライブを全面サポートすべく幹部会が招集され…何故他組の幹部まで?と思ったけれど、そういやリリエンヌ自身が幹部生なので幹部同士の結束という意味もあるのか。いやこの幹部衆なら誰が対象でも同じようにサポートしてくれそうですが。どーでもいいけど6人掛けのテーブルなのに何故か4+2に別れている不思議。あっちの二人と仲悪いのかな(笑
「ステージ絶対観に行かないとだね…ゆめちゃん?」
「えっ? なに?」
「どうしたの? ボーッとして…」
幹部総動員のサポート体制を知ってステージへの期待を高める小春ちゃん、一方ゆめはその声も届かずボーッと何かを考えていました。
「あの…リリィ先輩は不安にならないんですか?」
「半年も学園を休学して…アイカツもできなかったんですよね?」
「私一週間してなきゃいけなくて…みんなとアイカツできなくて…何か焦っちゃって」
「そういう事ありませんか?」
その後保健室での会話にてゆめが何故ボーッとしていたのか明かされます。先の見学シーンでゆめが抱いた焦りや不安はリリエンヌだって同じはず、なのにどうしてこんなに落ち着いていられるのか?
「みんなと一緒でなければいけないのですか?」
するとリリエンヌはさも当然の如く口調で持論を語り始めます。みんな一人一人違う、様々な個性があるのだからレッスンの仕方も様々でいい、もちろん全員でのレッスンで得られる事も多いけれど、それが出来ない時はその時出来る事を精一杯やればいい。とはいえ人と同じレッスンを出来ないゆえに、心ない人から「君にアイドルは無理」と言われた事も…その心ない人が誰なのか大抵想像付きますが、逆に心あるからこそリリエンヌの体を案じて「無理」と言ったような気がしてならない。ゆめに対する数々の妨害カツドウ然り。でも言われた方はそう取らないんですよね。

「ここは極寒の地…長い冬に閉ざされどこにも行けず何もできない…いくら叫んでも声は吹雪にかき消されてしまう…でも今は堪え忍ぶ時。雪解けは必ずやってくる…明けない夜が無いように、いつか必ず冬は終わり春が来る」
存在すら否定された時リリエンヌは自らの身上を極寒の幽閉に例え、辛い吹雪(状況)を堪え忍び雪解け(夢)を決して諦めない意志力を高めるのでした。この例え話も以前に比べれば格段に判りやすく、というか語りのマンマなので大友的にはリリエンヌの回りくどさがイマイチもの足りなかったかもしれない(笑。そんな想像に共感したゆめが示した自らの想像図は、トップスターになった自分の歌声でみんなを笑顔に、そして世界は平和になる! という壮大なポジティブドリームでした。逆境を逆境と思わずひたすら前向きな姿勢が想像図にすら表れていますね。割と本気ってのも良い(笑
「でも想像するだけでは何も変わりません。想像で終わらせないために明日のステージ必ず成功させます」
ゆめのポジティブドリームを笑顔で聞いていたリリエンヌは次の瞬間表情をパッと変えて厳しさの一面をチラリ。想像を現実に変えるためには当然ながら相応の努力が必要であり、その生き様を示すべくステージの成功を誓うのでした。たっぷり休んで体調が戻ったトコで、おそらくこの後一人でレッスンに励むのでしょう。それにしても「ままならない状態での焦りの共感」や「みんな違っていていい」などなど教育的な流れまで、今回はいかにも成田先生らしい(説教くさいとか言わない)話運びだったような気がする

そして復活ライブ当日へ。会場を埋め尽くすモブキャラがエル顔(菊池氏の手癖顔)になっててちょっと安心(笑。というかBパートくらいからようやく作監修正が効いていたような感じ。ローラたちを含めて盛り上がる客席の中で一人心配顔を浮かべるゆめが印象的です。レッスン不足の不安を共有しただけにこの心配は当然でしょう。
「大丈夫大丈夫」
「その根拠は?」
「だってリリエンヌの事だから休学中も自主練してたんでしょ?
みんなと一緒にレッスンできなくても、体調に合わせた自分のペースでしっかりレッスンしていた事をゆず先輩は知っていた。だから絶対大丈夫。その力強い言葉によってリリエンヌは不安を払拭しいざ復活ステージへ。
「白銀リリィ、このひとときに魂を込めて」

コーデチェンジを終えて始まったステージは第23話と同じリリエンヌの持ち歌「Dreaming Bird」で、当然使い回しと思いながらも好きな曲だからまあいいかと眺めていたのですが…ファーストカットの照明エフェクトに「あれ? 何か違う?」と気付き、イントロ入りと共に映し出された映像が大幅にブラッシュアップされている事に気付いて軽く目眩。あの出来からさらに変えてきたのか。具体的にはカメラの振り方やズームレベルがほぼ全カット変更・調整され、全体的に寄りを多めにして演者の表情を前ムービーより細かく見せていました。また各カットでの表情もブラッシュアップされ、曲が持つ切なさをより高める表情芝居の数々はもはやCGである事を忘れるレベルかも。特にAメロ1choラストの「泣いてばかりいた」の瞳の動きなど凄いとしか言いようが無い。ちなみに今回バージョンは実測30cut(SpA除く)、第23話バージョンが45cutだったので大幅に再構成されているのが判ります。長回しが増えた事でリリエンヌの静かにアツいステージングにじっくり魅入る事ができますね。でもパッと入る足捌きのアップも嫌いじゃなかったので難しいトコ(笑
「これがツンドラの歌姫。凄い才能ね」
「違うよ。才能も凄い、でもそれだけじゃ…」
他人と同じ事ができなくとも努力次第でここまでできる。リリエンヌの気概を知るゆめはそのステージから「想像の実現」を見出しアイカツの何たるかを心に刻むのでした。とはいえローラの振りがいかにもお約束シナリオっぽくてちょっと笑ってしまった(笑

「ゆず、私は返せたのでしょうか。力になってくれた人たちに、半年も待っていてくれた人たちに、感謝と感動を渡せたのでしょうか?」
「この歓声を聞けば判るでしょ?」
ライブを終えてヨロヨロと戻ってきたリリエンヌは何よりまず恩人や観客への思いを伝えます。なるほどこういう気持ちが込められてこその超絶ステージなのですね。対するゆず先輩の返しはベタながら気が利いていて、客席から届いた大歓声に成功を確信し思わず抱き付くリリエンヌがかわいい。ちょっと浮いてる踵がまたかわいい。
「リリィ先輩のステージ感動しました。もう敵わないかなって思うくらい」
「でも私諦めません。だって私の夢もS4になる事ですから!」
感激涙目の勢いでリリエンヌへ宣戦布告(笑)のゆめへリリエンヌは神妙な表情で――
「強敵という名の友」
「とある有名な作品の名セリフです。『強敵と書いてともと読む』」
良きライバルの表現としてリリエンヌの口からまさかこんなセリフが飛び出すとは。確かに読書好きの設定はありますが…その範囲の広さに驚くばかりでございます。あたたたた! 下級生からのライバル宣言を笑顔で受け止めたリリエンヌはその証として右手を差し出し、ところが松葉杖のゆめは手が届かず…ってなトコでリリエンヌの方から手を伸ばして握手を交わす辺り、ステージ直後のセリフと合わせて彼女の本質がよく表れていた締めでした。

新EDは絵コンテ・演出にかの京極尚彦氏を配した「So Beautiful Story」。作詞はおなじみのこだまさおり氏、作曲・編曲もおなじみの広川恵一(MONACA)です。やはり広川氏の曲はベースが凝ってて面白いなあ。歌唱はるか・せなさん、すなわちキャラで言えばひめ様&ゆめのデュオであります。波紋から始まる映像は次カットで涙を流し一人佇むゆめ人形へ変わり、すると四ツ星学園全景にパッと変わって絵本のようなファンタジックワールドへ。この絵柄を見るとアイカツシリーズのEDだなあと(笑
見守るみんなに気付かないまま森を進んだゆめは崖の向こうにひめ様を見つけて大ジャンプ! ここで零れた涙が波紋を広げると今度はお花畑に変わり、ひめ様と手を取り合う夢の世界がグルグル回り(この辺は京極演出っぽい)、しかし夢から覚めた現実のゆめは相変わらず一人涙を流したまま。そんなゆめの涙を止められるのは…というお話でした。ゆめにとっていちばん大切な人、S4になる夢を一緒に誓った幼馴染みの存在の大きさが良く判るラストカットです。しかしこの描写は小春ちゃん好きにとって決して穏やかではありません。OPでの意味深な描写といい、この先の小春ちゃんの扱いが非常に気になる新EDでした。ううう。
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白銀リリィ、このひとときに魂を込めて。

「だって大好きな友達が帰ってくるんだもん!」
アバン冒頭はS4お茶会にて上機嫌のゆず先輩から。先の第23話にて華麗に登場したリリエンヌがついに復学であります。話によると半年ぶりの復学らしく、つまり半年前に入学したゆめたちと入れ違いで休学に入ってしまわれたのですね。休学は夏場だけかと思ったら意外と長かった?
そこからシーン替わってアイ!カツ!の秋を堪能しながら走り込む四人娘。例によってあこだけいないのは何故? と思いつつ、劇組の特性を思えば常に一緒にいる方が不自然ではあるためこれで正解なのかもしれない。あこの姿が見えない時は稽古詰めor巡業中と勝手に解釈しときます(笑。というか頭デケー。今回はカットによって作画の変動が凄くてちょっと笑ってしまった。エルさんのグロス回はスタジオ色の強い作画が印象的とはいえボディバランスがこんなんなっちゃってるパターンはあまり記憶に無く、要するにエルさんどうしちゃったの?って感じ。いわゆる「エル顔」でもないので菊池氏の手が回らなかったか、それともいろんな都合で孫請け丸投げカットか? どちらにせよアバンパートはきっちり描いてくれないと全編通しの印象まで良くなくなってしまうため今後はどうにか。
「い、今のなに?」
「一気に冬になった?」
「まだ早いと思うけど…」
秋を堪能していた四人娘は突然の寒波に襲われて何?これ何? ってなトコで校門へ振り返ると来た!来た!来ました! 吹雪を纏ったツンドラ歌姫がついに四ツ星へ降臨であります。前回登場時以上にキャライメージを放散する様はもはや「個性」なんて言葉では括れない、人知を越えた存在感に溢れているとでも申しましょうか。

今回からの新OPは軽快なロックチューンの「1,2,Sing for You!」。作詞:空谷泉身氏、作曲:秋浦智裕氏、編曲:南田健吾(onetrap)氏、歌唱せな・りえ・みき・かな from AIKATSU☆STARS! さんです。作曲の秋浦氏は前作にて「サマー☆マジック」を手掛けた方ですがこういうロック調もイケるんですね。南田氏による編曲はいつものように華やかな音色満載のアレンジではなく3ピースロックバンド風のシンプルな構成(ギターが2本いるので厳密には4ピース?)で、ドライブ感アリアリの曲調は爽快で元気が出ます。まさにココロがひとりでに走り出しそうなギターリフがいちいち気持ち良い、ベースよりギターを弾いた方が楽しいタイプの曲です(笑。関係無いけど「フレンド」で鳴ってる左右のギターも地味に格好いいので気にした事が無い方はぜひ再聴を。歌唱メンツを見ると要するに「ゆめ&ローラ&あこ&真昼」ではありますが…作中ライブステージでやるならローラのソロのが合っていそう。
今回OPは絵コンテ・演出を木村隆一氏が担当と聞いていたため、スターズをはたしてどんな色に染めてくれるか?が興味ドコロだったのですが、キャラの顔見世パターンからして全体的にまるで前作OPを見ているような懐かしささえ(笑。いきなり表情抜群のゆめ&ローラご来光カットに目を奪われるも…小春ちゃん抜きのツーショットとはいったい? その後の顔見世カットを見ても小春ちゃんだけ制服を着ていない&セーヌ川ほとり風ロケなんて穏やかじゃありません。ぴょこぴょこ走るローラは初見時何事かと思ったけれどこれってBPMステップを踏みながら走っていて、だから同テンポのステップを踏むゆめへの繋がりが際立つのでした。いかにも森田氏作画のゆであこ(笑)から騒ぎに振り向くキワキワ真昼への繋がりも良い。それだけに作画上みんなと繋がっていない小春ちゃんが意味深すぎる。続いてS4の面々、リリエンヌ、アンナ先生などなどレギュラーキャラを一通り顔見世してキラめく太陽が見えるとジャージのゆめ&ローラが手を突き上げてサビへ。トレーニングもやっぱりこの二人だけ?

サビに入るとアイカツカードの乱舞からS4&5人娘の止め絵、そしてローラとゆめの止め絵へ。この曲調のサビで止め絵連発っていったい? いつもならこのタイミングでCGライブの一節くらい入りそうなものだけれど…あえて入れていないとするなら後半の隠し球的何かが来るのかもしれない。ローラのスクロール繋ぎは微妙に回転が入っていて地味に超面倒でしたが完成したらMAXかわいかったので良し。舞台縁に座るゆめは目を開く一瞬の表情が超セクシーだったため思わず別バージョンで繋いでしまった(笑。ゆめのドレスはなかなか貫禄があるけど後半ヤマ場で装備するのかな。そこからゆめ&ローラがツーショットに収まって締め。曲入りから徹頭徹尾ゆめ&ローラで通してきた辺りやはりそういう事なのだろうか。ううむ。

CM明けてAパート冒頭は引き続き吹雪の校門、あまりの寒さに意識を失いかける小春ちゃんへ「寝ちゃダメ!」のお約束に笑う。ってなトコへ飛び込んできたゆず先輩の軌跡に合わせてパァッと景色が戻る辺り、リリエンヌが放出する大寒波がイメージ=実際に吹雪を発生させている訳ではない事が判ります(アタリマエか。全身の喜びを表すようなジャンピングゆずを冷静にやり過ごすリリエンヌにちょっと笑った。
「あの! リリィ先輩ですよね?」
「どなた?」
そんなこんなで学園での再会を喜ぶ二人の後からゆめが声を掛けて初対面同士の顔合わせへ。会いたかった先輩に会えて感激するゆめに対し、寝耳に水であるリリエンヌの素っ気なさ=温度差がいい感じ。それでもゆず先輩から「ゆめちゃんはS4になるのが夢なんだゾ!」と聞かされると瞬時に闘争心を吹き荒らしちゃう辺り、物静かな無感情キャラの内に秘めたアツさを窺わせます。
「散りゆく花のように人と人との争いは悲しい事。しかしそれが定めならば背を向ける事はしません。降りかかる火の粉はこの手で払うのみです」
「負けないぞ~! って事だよね」
リリエンヌの回りくどいセリフを考えるの大変だろうなあと思っていたけれど、今回は全体的にゆず先輩の翻訳がギリギリ不要なレベルで、要するにリリエンヌのセリフだけで意味が通じるのだけれど…大友はともかくメイン視聴者レベルだとやはり翻訳が必要なのかも? この回りくどさの線引きは実際のセリフを考える以上に難しそう。というわけで初対面の挨拶を軽く交わした程度で顔合わせイベントは終了、資料ムービー以上に強烈だったツンドラ歌姫の後姿を見送る四人は一発で戦々恐々であります。まあいきなり猛吹雪をアテられちゃねえ(笑

「本日学園長は出張だ! だから学園長の代わりにアツいギターを聴かせるぜい! YEAH!」
学園長代理を務める=学園のナンバー2っぽい割にこのところ教師らしい事をあまりしていないアンナ先生。またリリエンヌ復学のタイミングで姿を見せない学園長も何だか怪しかったり? 全校集会(?)の場にも関わらずノリノリのギター演奏を延々と続けるのもよく判らない。後の展開からして集会登壇の長話をコメディ的に表しているとは思いますが、これではアンナ先生がタダのロック馬鹿にしか見えないような。というか他の教師は何やってんの。
「むむっ!」
というわけで長話(?)に耐えきれないリリエンヌがフラッと倒れ…た次の瞬間身を呈してフォローに飛び込むゆず先輩。なるほど予告で見せたニュータイプ覚醒顔(笑)はリリエンヌピンチセンサー発動場面でした。そのままゆず先輩におんぶされて保健室へゴー! S4の中で唯一の二年生=幼め妹ポジションと思われたゆず先輩がまさかこれほど頼もしい存在になるとは。
「昔からよく朝礼で倒れてたし、乗り物に乗れば絶対に酔っちゃうし、遠足では最後まで歩けた事ないし、風邪が流行れば絶対にかかっちゃう」
「でも昔に比べたらずいぶん元気になったんだゾ」
「あれで?」
保健室へお見舞いに来た三人娘に話すテイでリリエンヌの過去=幼い頃からの虚弱エピソードを紹介。つまりリリエンヌの虚弱体質はあくまで生まれつきのもので「あの力」の副作用ではないという事か。それにしても即座にツッコむローラが直球すぎて笑った。
「リリィ先輩ってずっと高原で療養してたのよね?」
「うん。去年のS4戦にでて決勝まで進んだみたいだけど体調不良で決勝には出られなかったんだって」
続いて四人娘の会話からリリエンヌの経歴及び結構重要な事項が明らかに。半年ぶりの復学=半年前は学園に来ていた=そのタイミングでS4戦決勝があったとすれば、件のS4戦は3月に行われるという事? いやそれ以前に「S4戦」の存在自体が初出で、まああらかた予想は付いてたけれど年度末のS4戦にて次期S4が決まる事が確定っぽい。しかし現三年生のひめ様はもう出ないとして、リリエンヌ、有莉ちゃん先輩、そしてもちろんローラを勝ち抜かないとS4になれないってのは今のゆめにはハードルが高いなあ。というか歌組トップへの道が険しすぎる。

「うわっ!」
「これって?」
「リリィ先輩!?」
保健室で休んでいたリリエンヌがレッスン室に登場! ざわめく一年生たちを制してリリエンヌの紹介からレッスン再開までそつなくこなす有莉ちゃん先輩が有能すぎて笑っていいのか判らない。これじゃアンナ先生要らないじゃん?(笑。まあ今回に限れば学園長代理(?)を務めるアンナ先生の代行ってコトで良しとしましょう。そんなこんなで歌組一年生たちと対面したリリエンヌは怪しいオーラで軽く威嚇し大物っぽい雰囲気を放つも、再開されたレッスンにて腕立て伏せを1回やっただけでHPが切れて見学へ。あらら。先のオーラカットからちょこんと三角座りへの落差が凄い(笑。やる気はあるのに体が追い付かない歯がゆさ、それは見学中の視線からして明らかなのですが…判りやすいデフォルメ表現とはいえ少々極端すぎる気がしなくなくも(略
そんなリリエンヌを気にしていたゆめはターンの練習でコケてしまってさあ大変です。立てないほど痛いのにレッスンを気に掛けるゆめの気概は良いものの無理は禁物、有莉ちゃん先輩の命ずるまま保健室へ行くと結構ハデにいわしていて驚きでした。保険医曰く全治一週間、その間一切運動禁止と言い渡されて焦るゆめ。しかしカフェにてみんなから優しい言葉を掛けてもらってホッと一息でしたが――

「みんな! 今日から新しいステップに入ります」
足を痛めて動けない中で他の生徒はどんどん先に進んでしまう。有莉ちゃん先輩の手本を見つめ、レッスンを続けるローラたちを見つめ、しかし見ているだけでは新しいステップを覚えられない。ゆめは大切なレッスンに体を動かせない歯がゆさ・一人取り残される焦りを募らせ…そんなゆめを一瞥しつつ次の瞬間見学に集中するリリエンヌとの意識差がよく判るヒトコマでした。
「明日、白銀リリィ学園復活ステージを開催する! YEAH!」
ってなトコへアンナ先生がいきなりやってきてリリエンヌの復活ステージ開催を宣言。もちろんリリエンヌは二つ返事で快諾するも…腕立て伏せすらできず見学続きの体調で今日の明日のステージができるのか?(という振り

「去年のS4戦で活躍した彼女が半年ぶりに帰ってきました!」
いつものアイカツTVにてS4直々によるライブ告知が流され、そのライブを全面サポートすべく幹部会が招集され…何故他組の幹部まで?と思ったけれど、そういやリリエンヌ自身が幹部生なので幹部同士の結束という意味もあるのか。いやこの幹部衆なら誰が対象でも同じようにサポートしてくれそうですが。どーでもいいけど6人掛けのテーブルなのに何故か4+2に別れている不思議。あっちの二人と仲悪いのかな(笑
「ステージ絶対観に行かないとだね…ゆめちゃん?」
「えっ? なに?」
「どうしたの? ボーッとして…」
幹部総動員のサポート体制を知ってステージへの期待を高める小春ちゃん、一方ゆめはその声も届かずボーッと何かを考えていました。
「あの…リリィ先輩は不安にならないんですか?」
「半年も学園を休学して…アイカツもできなかったんですよね?」
「私一週間してなきゃいけなくて…みんなとアイカツできなくて…何か焦っちゃって」
「そういう事ありませんか?」
その後保健室での会話にてゆめが何故ボーッとしていたのか明かされます。先の見学シーンでゆめが抱いた焦りや不安はリリエンヌだって同じはず、なのにどうしてこんなに落ち着いていられるのか?
「みんなと一緒でなければいけないのですか?」
するとリリエンヌはさも当然の如く口調で持論を語り始めます。みんな一人一人違う、様々な個性があるのだからレッスンの仕方も様々でいい、もちろん全員でのレッスンで得られる事も多いけれど、それが出来ない時はその時出来る事を精一杯やればいい。とはいえ人と同じレッスンを出来ないゆえに、心ない人から「君にアイドルは無理」と言われた事も…その心ない人が誰なのか大抵想像付きますが、逆に心あるからこそリリエンヌの体を案じて「無理」と言ったような気がしてならない。ゆめに対する数々の妨害カツドウ然り。でも言われた方はそう取らないんですよね。

「ここは極寒の地…長い冬に閉ざされどこにも行けず何もできない…いくら叫んでも声は吹雪にかき消されてしまう…でも今は堪え忍ぶ時。雪解けは必ずやってくる…明けない夜が無いように、いつか必ず冬は終わり春が来る」
存在すら否定された時リリエンヌは自らの身上を極寒の幽閉に例え、辛い吹雪(状況)を堪え忍び雪解け(夢)を決して諦めない意志力を高めるのでした。この例え話も以前に比べれば格段に判りやすく、というか語りのマンマなので大友的にはリリエンヌの回りくどさがイマイチもの足りなかったかもしれない(笑。そんな想像に共感したゆめが示した自らの想像図は、トップスターになった自分の歌声でみんなを笑顔に、そして世界は平和になる! という壮大なポジティブドリームでした。逆境を逆境と思わずひたすら前向きな姿勢が想像図にすら表れていますね。割と本気ってのも良い(笑
「でも想像するだけでは何も変わりません。想像で終わらせないために明日のステージ必ず成功させます」
ゆめのポジティブドリームを笑顔で聞いていたリリエンヌは次の瞬間表情をパッと変えて厳しさの一面をチラリ。想像を現実に変えるためには当然ながら相応の努力が必要であり、その生き様を示すべくステージの成功を誓うのでした。たっぷり休んで体調が戻ったトコで、おそらくこの後一人でレッスンに励むのでしょう。それにしても「ままならない状態での焦りの共感」や「みんな違っていていい」などなど教育的な流れまで、今回はいかにも成田先生らしい(説教くさいとか言わない)話運びだったような気がする

そして復活ライブ当日へ。会場を埋め尽くすモブキャラがエル顔(菊池氏の手癖顔)になっててちょっと安心(笑。というかBパートくらいからようやく作監修正が効いていたような感じ。ローラたちを含めて盛り上がる客席の中で一人心配顔を浮かべるゆめが印象的です。レッスン不足の不安を共有しただけにこの心配は当然でしょう。
「大丈夫大丈夫」
「その根拠は?」
「だってリリエンヌの事だから休学中も自主練してたんでしょ?
みんなと一緒にレッスンできなくても、体調に合わせた自分のペースでしっかりレッスンしていた事をゆず先輩は知っていた。だから絶対大丈夫。その力強い言葉によってリリエンヌは不安を払拭しいざ復活ステージへ。
「白銀リリィ、このひとときに魂を込めて」

コーデチェンジを終えて始まったステージは第23話と同じリリエンヌの持ち歌「Dreaming Bird」で、当然使い回しと思いながらも好きな曲だからまあいいかと眺めていたのですが…ファーストカットの照明エフェクトに「あれ? 何か違う?」と気付き、イントロ入りと共に映し出された映像が大幅にブラッシュアップされている事に気付いて軽く目眩。あの出来からさらに変えてきたのか。具体的にはカメラの振り方やズームレベルがほぼ全カット変更・調整され、全体的に寄りを多めにして演者の表情を前ムービーより細かく見せていました。また各カットでの表情もブラッシュアップされ、曲が持つ切なさをより高める表情芝居の数々はもはやCGである事を忘れるレベルかも。特にAメロ1choラストの「泣いてばかりいた」の瞳の動きなど凄いとしか言いようが無い。ちなみに今回バージョンは実測30cut(SpA除く)、第23話バージョンが45cutだったので大幅に再構成されているのが判ります。長回しが増えた事でリリエンヌの静かにアツいステージングにじっくり魅入る事ができますね。でもパッと入る足捌きのアップも嫌いじゃなかったので難しいトコ(笑
「これがツンドラの歌姫。凄い才能ね」
「違うよ。才能も凄い、でもそれだけじゃ…」
他人と同じ事ができなくとも努力次第でここまでできる。リリエンヌの気概を知るゆめはそのステージから「想像の実現」を見出しアイカツの何たるかを心に刻むのでした。とはいえローラの振りがいかにもお約束シナリオっぽくてちょっと笑ってしまった(笑

「ゆず、私は返せたのでしょうか。力になってくれた人たちに、半年も待っていてくれた人たちに、感謝と感動を渡せたのでしょうか?」
「この歓声を聞けば判るでしょ?」
ライブを終えてヨロヨロと戻ってきたリリエンヌは何よりまず恩人や観客への思いを伝えます。なるほどこういう気持ちが込められてこその超絶ステージなのですね。対するゆず先輩の返しはベタながら気が利いていて、客席から届いた大歓声に成功を確信し思わず抱き付くリリエンヌがかわいい。ちょっと浮いてる踵がまたかわいい。
「リリィ先輩のステージ感動しました。もう敵わないかなって思うくらい」
「でも私諦めません。だって私の夢もS4になる事ですから!」
感激涙目の勢いでリリエンヌへ宣戦布告(笑)のゆめへリリエンヌは神妙な表情で――
「強敵という名の友」
「とある有名な作品の名セリフです。『強敵と書いてともと読む』」
良きライバルの表現としてリリエンヌの口からまさかこんなセリフが飛び出すとは。確かに読書好きの設定はありますが…その範囲の広さに驚くばかりでございます。あたたたた! 下級生からのライバル宣言を笑顔で受け止めたリリエンヌはその証として右手を差し出し、ところが松葉杖のゆめは手が届かず…ってなトコでリリエンヌの方から手を伸ばして握手を交わす辺り、ステージ直後のセリフと合わせて彼女の本質がよく表れていた締めでした。

新EDは絵コンテ・演出にかの京極尚彦氏を配した「So Beautiful Story」。作詞はおなじみのこだまさおり氏、作曲・編曲もおなじみの広川恵一(MONACA)です。やはり広川氏の曲はベースが凝ってて面白いなあ。歌唱はるか・せなさん、すなわちキャラで言えばひめ様&ゆめのデュオであります。波紋から始まる映像は次カットで涙を流し一人佇むゆめ人形へ変わり、すると四ツ星学園全景にパッと変わって絵本のようなファンタジックワールドへ。この絵柄を見るとアイカツシリーズのEDだなあと(笑
見守るみんなに気付かないまま森を進んだゆめは崖の向こうにひめ様を見つけて大ジャンプ! ここで零れた涙が波紋を広げると今度はお花畑に変わり、ひめ様と手を取り合う夢の世界がグルグル回り(この辺は京極演出っぽい)、しかし夢から覚めた現実のゆめは相変わらず一人涙を流したまま。そんなゆめの涙を止められるのは…というお話でした。ゆめにとっていちばん大切な人、S4になる夢を一緒に誓った幼馴染みの存在の大きさが良く判るラストカットです。しかしこの描写は小春ちゃん好きにとって決して穏やかではありません。OPでの意味深な描写といい、この先の小春ちゃんの扱いが非常に気になる新EDでした。ううう。
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