2016-11-08(Tue)

響け!ユーフォニアム2 #05 きせきのハーモニー

うん。行く。全国に。

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運命の関西大会へ。

2015年7月に一区切りを収めた第1期から早くも1年3ヶ月、待ちに待った第2期ももちろん毎回ドキドキハラハラ楽しく視聴しております。第1期最終回で意味深に姿を見せた希美(vsみぞれ)のすれ違いも無事に収束し、ゴタゴタが収まった北宇治吹奏楽部はいよいよ運命の関西大会へ! という流れにグッと引き込まれながら、引き込まれ過ぎててレビューを書き始めたら大変なコトになりそうなので我慢我慢の毎週でしたが…今回描かれた自由曲「三日月の舞」演奏シーンがあまりにとんでもなかったため自制モードを突発シャットオフしてしまいます。本当に今回ばかりは凄すぎた。

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「あなたのできますという言葉を私は忘れていませんよ」

まずは本番を明日に控えた最後の練習日風景から。いかにも真夏らしい日差し&入道雲の下、吹部のみなさんは関西大会への仕上げに汗を流していました。空調が効いている音楽室にて流れる汗&上気した肌は暑さならぬ熱さをアリアリと感じさせます。本番直前らしくますます熱を帯びた指導が飛ぶ中、滝先生は久美子の仕上がりを認め…京都大会でパートを外された悔しさを濯ぐ、「できます」と誓った言葉を現実とすべく重ねた猛練習が報われた瞬間です。良かったなあ久美子。とはいえ本番を前にまだまだ気は抜けず、先生の言葉を受けてなお気合いを入れる表情がまた熱い熱い。

「我々が明日するのは練習でやってきた事をそのまま出す、それだけです」

古今東西あらゆる試合の前に言われ、またいちいち言われんでも各々が浮かべるであろうこの言葉。それが出来れば苦労はないんだよ! までがセットメニューか(笑。ってなトコから臨時コーチの橋本先生&新山先生とのお別れへ。壇に上がった各先生は温かく力強い言葉を生徒たちへ掛け、一方生徒たちはすすり泣き…短い期間ながら各パートとも濃ゆい時間を過ごした事が伝わってきますね。男泣きで別れを惜しむナックル先輩は恩師との別れ以上に女社会でのオアシス(笑)を失う辛さもありそう。部内で望めぬ「頼れるアニキ」との別れはさぞかし辛いでしょう。ってな様子を隣でニヤリの加山さんも良し(笑

「特に鎧塚さん、見違えるほど良くなった。何か良い事あったの?」
「…はい」

演奏技術はあれど感情を感じられなかったみぞれのオーボエ。これはあくまで勝手なイメージだけれど人の息が音色の源泉である管楽器は他の楽器よりもメンタルが表れやすいような気がする。ご存じのとおり前話での怒濤の決着にてオーボエを吹く理由を再び見出したみぞれが、人の心に届く音を出せるようになったのは当然かもしれません。何よりこんな素敵な笑顔を見せられる子だったのだなあ。しみじみ。

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「私たちもそこで吹きたいって思えるように」

帰路の電車で明かされた葉月の「願い」。大会に出られない立場だからこそ「全国」の場を見てみたい、それを励みにもっともっと上手くなりたい頑張りたい。吊革にぷらぷらぶら下がりながら、しかし肝心の言葉はキッと正面を見据えて告げる。そんな所作のいちいちが葉月らしくて思わずおっさんの目尻も下がります。なーんて気合いを見せられちゃ久美子も気合いが入ろうというもの。

「全国へ行く」
「うん。行く。全国に」

ちゃんと言葉にしなくちゃ願いは叶わない。京都大会の演奏中に心に刻んだ事を今度は盟友麗奈と共に強く言葉に表す久美子…静かな気合いに満ちた二人の横顔の何と熱い事か。しかしそんな熱気は帰宅後のTVに映る名門「大阪東照高等学校」の演奏ですっかり消え失せ緊張に襲われ、ってなトコへ立華のトロンボーンちゃんから電話が来て暫しお話。帰宅したお母さんをスルーしてのっそり立ち上がりベランダへ出る一連、先ほどから打って変わって谷底テンションはいかにも自宅の久美子らしい。ここでさりげなく見せた逆向きサンダルの履き方とか絶妙なベランダあるある、こういう細かい生活感描写は作品のリアリティに細かく貢献していると思う。

「明日もし私の事を見かけても話し掛けないでほしい」
「え?」
「多分冷静じゃないと思うから
「…わかった」

明日の大会について話す中で突然の断絶宣言に一瞬驚く久美子でしたが、それが名門校レギュラーのただならぬ緊張によるものと判ると静かに了承。そう、関西大会常連校だろうが急浮上校だろうが同じ人間、本番前のナーバスも同じなのです。

《吹奏楽コンクールは年に1度。その1度の大会を目指して、私たちは朝も放課後も夏休みも、汗と涙を枯れるほど流して、休む事なく練習した。たった12分間の本番のために。おそらく今、本当に冷静でいられる人なんて、一人だっていやしない》

夕陽を見つめる久美子のモノローグに重ねて本番を控える吹部メンバーの様子をチラリ。相変わらず仲良くケンカしている二人(笑)はともかく、各々が各々の形で本番への緊張を紛らわせている事がよく判ります。吹部を続ける意味を失っていたみぞれは望み(希美)を見出し顔を上げ、最後の大会に掛ける三年生組は校舎へ深々と一礼…後のあすか先輩の言葉どおり現三年生にとって関西大会への出場なんて夢の夢、思いがけない躍進に万感の思いを抱きつつもここまで来られればもう十分、ありがとうございました、みたいな一礼でした。そしてそんな気持ちは本番直前の舞台裏でのヒトコマに表れているのだなあ。こういう繊細な作りがお見事すぎてさぶいぼが出るレベル。一方こんな時でも練習を続けている麗奈は究極ストイックなのかそれとも練習していないと落ち着かないのか。まあいずれにせよ麗奈らしい時間の過ごし方ではあります。先の電話どおりナーバス全開の梓は見るからに辛い。これでは実力を出し切れないだろうなあ(前振り?

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Bパート冒頭はあっという間に本番当日の午後へ。午前中の結果を駆け足で伝える斥候ララはいかにもな役回りでした。東照含めた三校が金、そして強豪立華が銀と聞けばそりゃ穏やかじゃありません。あの立華がまさか…大舞台の緊張へ拍車を掛けるニュースに吐くほど動揺しちゃうのも判ります。そんなざわめきをビシッと抑える晴香部長が意外(?)なリーダーシップを見せていたのは「最後の大会」への肝が据わっていたからかも? 続いてパッと映った立華の制服、なるほど銀賞となれば代表選出の発表を待つまでもなくお帰りなのか。何ともシビアなものです。一人遅れてバスに着いた梓はやり取りの様子からして本当に何かやらかしてしまったのだろうか。

シーンは控え室に移って音出し風景を暫し。すると滝先生は緊張を解すため深呼吸を指示し笑顔を向け…引き攣るみなさんの中で一人頬を染める麗奈が良い味でした(笑

「部長、何かありますか?」
「へっ!?」

滝先生らしいシンプルな訓示の後、突然の指名に声がひっくり返る晴香部長かわいすぎ。やはりこの人はこうでないと(笑。するとあすか先輩が割って入って部長が言うべき事を全部言ってしまう荒技へ。ここまで引っ張ってくれた滝先生への感謝、感謝の気持ちを込めた演奏への意気込み、そして――

「私はここで負けたくない。関西に来られて良かったで終わりにしたくない。ここまで来た以上何としてでも次へ進んで北宇治の音を全国に響かせたい。だからみんな、これまでの練習の成果を今日全部出し切って!」

内に秘めていた「全国」への思いを叫ぶあすか先輩。常々どこか醒めていた彼女が見せた激情はなかなかクるものがあります。本当はこんな熱い人、前回ラストの久美子への吐露はまさしく本心だったのですね。控え室の全員に響き渡るあすかの声は「願いは言葉にしなければ叶わない」の実践でもあり、そんなん目の当たりにした久美子が瞳を輝かせるのも判ります。また「負けたくない」と聞いた晴香部長の小さなリアクションも芸コマでした。あすかの意外な激情に驚きつつ「関西に来られて良かった」と考えていた意識を変えた。それは他の部員も同様で、あすかの締めにますます意気を高めたみなさんは全国出場を勝ち取るべく気持ちを一つに。アツいな!

「じゃあ部長、例のやつを」
「えっ!? あっ、はい」
「ではみなさんご唱和ください。北宇治ファイト~」
「おー!!!」

などなど部長の役割を全てやってしまったあすか先輩でしたが、肝心の締めはきちんとバトンを渡す心憎さ。ふっと緩めた表情も良かった。一方またしても突然振られて声をひっくり返す晴香部長がやっぱりかわいすぎ(笑。そこからすぐに我に返って出撃前の気合い入れ、楽器を運ぶモナカたちも気合い十二分でついに本番が始まります。表舞台に出る者、裏で支える者問わず、吹部全体が一つになっている事がよく判るヒトコマでした。今や気持ちとしては北宇治吹部の一員であるこっちも思わず一緒に拳を突き上げたくなります。ていうかこの時点で泣きそう(笑

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滝先生の体を張ったリラクゼーション(笑)&あすか先輩による気合い入れの効果もあってか、本番直前の舞台裏は吐くほどの緊張感に包まれる事もなく、思い思いの相手と出番までの時間を過ごしています。少々ナーバス気味なみぞれに応援の声を掛ける希美、するとみぞれは「私、希美のために吹く」と…ポッカリ空いた心のまま来る日も来る日も朝イチから練習を続けたみぞれが激動の末に取り戻した「吹く意味」。この気持ちがあればこそ情熱的なオーボエを奏でられるのだなあ。大会に間に合って良かったよ(笑。それはそうと希美の呼び掛けにリードをくわえたままキョトンと見つめ返す表情がかわいすぎる。これは反則。そのカメラがスッと引いて久美子&麗奈の見つめ合い、そこから引いてトロンボーン組、視点が回ってペット組のやり取りへと、巧みなカメラワークで本番前の舞台裏を映していきます。

「優子ちゃん。これからも部の事よろしくね」
「みんなも今までこんな私に付いてきてくれて…」
「香織先輩、違います!」
「え?」
「ここで終わりじゃありません!」
「私たちが目指しているのは全国です。私たちは香織先輩と一緒に全国へ行くんです!」

そのペット組では試合前から終戦モードの香織先輩へ優子の激。先の気合い入れで部員一丸となったとはいえ、昨年までの吹部カツドウにて辛酸を嘗め尽くした香織先輩には「関西に来られて良かった」という意識が心の根底に残っていたのでしょう。ってなトコへ思いっきり噛み付く優子の愛が重くも熱い。昨年度の騒動を知っているだけに香織先輩を絶対に全国へ連れて行きたい。その思いを掲げるように突き出した指はやがて部員全員に伝播し――

「行きましょう。みんなで。全国へ」

香織先輩の熱い言葉を合図に全国への思いを一層高め、いよいよ北宇治の演奏が始まります。

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ステージに揃ったみなさんを前の滝先生が立ち、独特の緊張感に包まれる中まず始まった課題曲「プロヴァンスの風」…のはずが一音も映されぬままシーンは会場外へ移り、ラスト数小節が漏れ聞こえてくるのみで即終了。いったい何事? と戸惑ううちに自由曲「三日月の舞」の譜面がパラリと映り、今度こそきちんと演奏を見せてくれるんだろうね? と野暮な心配を浮かべる中で始まった演奏は、まさかまさかの約7分間に渡るノーカット通し演奏でした。作中人物同様の緊張感に包まれながら、アリモノと判りながらも「トチるなよ!トチるなよ!」と祈るように画面を見つめ続け、瞬きする隙もなく下手すりゃ呼吸を忘れるほど演奏に入り込み、異様に集中したままふと気付けば通し演奏が終わり、グチャグチャの涙目で安堵と脱力感に襲われる。まさしく作品と一体になった移入体験でありました。私も長い事アニメを見ていますが作中にこれほど入り込んだ体験はそうそう記憶に無い。何とも凄いものを見た。こんなのTVアニメでやる事じゃないですよ。

そもそもアイドルアニメの2分弱のライブシーンすらえらいこっちゃなのに、バンク映像が散見されたとはいえ約7分の吹奏楽曲を通しで、しかも見ている方をこれほど引き込むクオリティで描くなんて正気の沙汰とは思えません。これが京アニの底力なのか。こんなの見せられたら白旗を揚げるしかない。

というわけで怒濤の演奏シーンについてつらつらと。滝先生の指揮の下 高らかなトランペットで始まった曲は、曲に合わせたカメラワークの妙もあってグイグイ視線を引き込みます。華やかな音色と金管の輝き、各楽器ごとの演奏アクション、そして緊張感溢るる吹部メンバーの表情などなど、控え目に言って瞬きする間も惜しい。もはやすっかり涙目なので目を開け続けてもドライアイの心配が無いのは思わぬメリットか(笑。演奏に合わせてパッと映るフリーダムな譜面(笑)はますますエスカレート、今や合宿の写真が貼られ譜面としての役割はほぼ果たしていません。まあ全国を目指すレベルの子たちなので譜面などとっくに入っていますし、形骸化した譜面はモチベーションを高める道具として使われているのが判ります。京都大会からの進化(?)を見比べるのも面白い。

淡々と進む演奏の中で、曲きっかけとなる音&アクションが派手なパーカス組は見栄えが凄い。特に全力で響かせるシンバルちゃんのアクションはハッとするほど目を引きます。普段は緩いホルン隊もこの時ばかりは真剣な横顔を揃え、前述どおり見ているこっちも妙な緊張感に包まれてしまいます。まさに舞台裏で手を組み祈る葉月の気持ち(笑

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そんな演奏の真っ最中にトリップしてしまう久美子。プレイヤーズハイと申しましょうか、全ての雑念が消えて演奏に入った時のファンタジックな映像は、久美子がいかに集中しているかよく伝わってきました。演奏が完璧にハマるとこんな気分になるのよね。そしてあすか先輩の目配せの後、麗奈のトランペットソロが始まります。すると久美子はかつて一緒に見た花火を瞳に浮かべ、麗奈と心を通わせた時の風景を思い出し…この共通体験への思いは麗奈視点でも同様であり、すなわち「久美子のために吹く」と告げた麗奈の思いが音に乗っている事が判ります。凄い演出。そこから情感溢れるクラリネットの音色→新山先生を交えた写真、ティンパニの響き→橋本先生との写真、そして希美に向けたみぞれのソロへ続く流れも涙を誘いました。ズルいわこんなの。などなどしっとりした木管パート終わりでサッと楽器をスタンバるペット&ピッコロ・フルート隊に鼓動が高まります。ほんと見ていて気が抜けない。

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スネアドラム→ティンパニ→マリンバの流れで曲は一気に盛り上がり、クラリネットの前振りの後、これまでの作中にて聞き覚えがありすぎるユーフォニアムのパートが始まります。先の久美子のモノローグではないけれど、このたった数秒のために鼻血を出すほど汗を流し悔し涙を叫び、厳しく辛い練習を続けてきたと思うとじつに感慨深い8小節でありました。その後曲の盛り上がりとともにパッパと切り替わるアップショットやド派手なシンバルアクションなどなど、吹部の熱気をこれでもか!の勢いで見せる演出もアツい。本編中ではあまり出番が無い部員たちも今回ばかりはみんな主役!とばかりに気合いマシマシ、尺が許せば今大会に懸ける各々のドラマも見てみたかった…などと部員の数だけドラマがあるとさえ思わせる演奏シーンに圧倒されるばかり。というかもはや画面が滲みすぎて何が何だか。溢れる涙を拭く間も惜しいので流れ落ちるまま&鼻ズルズルでTV画面を凝視するおっさんの姿はさぞかしキモかったであろう。放っといて。

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チューブラベルの澄んだ音色をきっかけに怒濤のフィナーレへ。ここもまた最後の力を振り絞るアップショットの連続に両手を握ってただただ祈るのみでした。葉月&夏樹先輩が他人とは思えないほどに(笑。滝先生が汗を散らして曲を締めると全員立ち上がって北宇治の演奏は無事終了。部員たちは持つもの全てを出し切ったが如く肩で息して呆然と立ち、一方舞台裏のモナカたちは仲間の完璧なフィニッシュに感激の涙を流す。この表裏の対比がまた熱かった。来年はその感激をステージ上で味わってほしいものです。がんばれモナカたち。

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ちなみに第1期第13話京都大会から今回関西大会の、長尺化による新規作画やカット調整(入れ替え) 及び件の譜面進化(笑)以外にパッと目に付いた変更点は、麗奈ソロパートを聴く香織先輩(&優子)の横顔と、フィナーレ直前のあすか先輩の表情。麗奈のソロを俯いて聴いていた香織先輩は顔を真っ直ぐ上げ、どこか陰りがあったあすか先輩は鬼神如くの気合い(笑)が見て取れます。各々の心の整理や意気込みが窺える芸コマな変更でありました。※画像左列が第1期第13話、右列が今回第5話。

というわけで演奏を終えると画面はEDに入り、結果発表は次回持ち越し? と思いきや。

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EDが終わると結果発表のCパートが始まりました。おおお! 一気にやっちまいますか! 京都大会以上の本気の本気で臨んだだけに緊張感もひとしお、事務的に淡々と進む結果発表を神妙な面持ちで待つうち告げられた北宇治の結果は…無事金賞を取って深く一息の久美子に対し小さいピースを返す麗奈にほっこり。そうここで大喜びしている場合では無いのです。彼女たちのターゲットはあくまで「全国」なのだから。

ほどなく関西代表三校の発表が始まると緊張メーターはガンガン上がり、全員が全員両手を組んで祈る様子は見ているこっちの胃が痛むほどであります(笑。まずは強豪大阪東照が選出され、さすが慣れているのか喜びも落ち着いたもの。続いて呼ばれた明星工科は全員が立ち上がって喜びを表し…こういうリアクション差まで一切手を抜かない拘りにただ感心するばかりです。希美以外の事では全く動じないみぞれのヒトコマも良かった(笑。というわけでついに残り一枠となって部員たちの緊張メーターはもはや振り切れ、ってなトコで発表された校名は――

「プログラム16番、京都府代表 北宇治高等学校」

まあこれをお話のご都合と言ってしまえばシマイだけれど、それでも何でも北宇治の子たちの頑張りが形になって表れた事は素直に喜ばしい。極限の緊張が解けて歓喜にむせぶ各カットには見ているこっちも涙ナミダ、じっと喜びを噛みしめる希美はできれば冬制服でこの場にいたかっただろうなあ。京都大会に続いてお約束どおり鬼軍曹の目にも涙、今回はそれに加えてパートコーチの二人も喜びを表していました。ちゃんと見に来てくれてたんですね。そんなこんなで全国大会進出への喜びが描かれる中 久美子は静かに立ち上がって麗奈と喜びを分かち合い、するとその後席に相変わらずの無表情で佇むみぞれを見つけ――

「先輩、コンクールはまだ嫌いですか?」
「…たった今好きになった」

みぞれにとって吹部は希美の影を追うだけの場所だった。中学時代のリベンジを誓った希美はいつしか吹部を去り、知らぬ間に取り残されたみぞれはそれでも希美との唯一の繋がりのためオーボエを続けた。時は流れ京都大会で待望の金賞を取るも、希美がいない金賞の虚しさに打ちひしがれるだけ。審査員の好みに振り回され、勝っても負けても人を悲しませるだけのコンクールを「嫌い」と言っていたみぞれは、しかし希美との和解をもってオーボエを吹く意味を取り戻し、また吹部に対する意識変化によって結果を出せた喜びを感じ取れるようになった。コンクールは悲しみだけではない事に気付けたのです。久美子の問いに一瞬キョトンと溜め、次の瞬間表れた素直な笑顔はみぞれの総決算と言えるもの。良かったなあみぞれ。

それにしてもこの瞬間の輝きのために第1期からずーっと無表情を貫いてきたと思うと仕込みの妙に頭が下がります。こんな風に今までスポットが当たらずとも地味に仕込みが入っているキャラが他にもいるのかな。何せ原作未読なものなので先の展開が読めず、毎回ドキワク楽しめるのは良いけれど、張られた伏線に気付けないのが何とももどかしい。まあそれとてプレイバックしてパズルピースを見つける楽しみがあるわけで、そんな未読者の特権をもって最後まで付き合おうかと思っている次第。1期が終わった時に原作に手を出そうかぐーるぐる悩んだけれど、いざ2期の怒濤の展開を体験したらやっぱり我慢して良かったと思いましたし(笑。既読は既読でアレンジチェックが楽しいけれど、私の場合はどうしても間違い探し&オミット探しモードになってしまい、アニメを素直に楽しめなくなっちゃう事が多々ありますゆえ{これは余談。

というわけで久々のユーフォレビューでした。やっぱり無駄にダラダラ書いてしまった。こうなる事が判っていたから自制していたのだけれど…今回ばかりはご容赦って事で。

      

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管理人さんありがとう

本当にすばらしかったんじゃないでしょうか(ボキャ貧 冒頭で「12分」っていう言葉が出てきた時点でまさか・・・と思ったのですが、このBパート、歴史に残るんじゃないでしょうかね。

これまでの来し方を交えて個別のキャラを描いていたのもすごいと思うのですが、何よりも演奏シーンそれ自体にリアリティっていうか命があって、個人の思い入れすら全部吹き飛ばすくらいの迫力が備わっていたように思います。「ええっ!こんなにリアルに演出しちゃうと誰かミスっちゃうんじゃないの!?」みたいな筋違いもはなはだしい状態(笑)。なぜか見ている私までこの演奏に今後の人生全てが掛かっているような心持ちで、ちょっとどぎつく表現しすぎかもしれませんが「出征」を見てるような感じでした。京アニの音楽演出はある種「名物」だったと思うのですが、ここまで音楽自体が前景化したのは初めてだと思います。

これまで個々のキャラたちの感情とか関係とかに焦点が当たってきたわけですが、今回の話数は演奏そのものの一体感というか、恐ろしさも込みでの迫力みたいなものを中心に据えることでことで話の次元が一段高くなって、見え方が変わってきたよう思います。あすか先輩に見えていた風景はこれだったのか!みたいな(笑)
ただ個人的には最後まで来て演奏まだ全部終ってないのに(でしたよね?)こらえきれずに泣いちゃうもなか組が一番シンクロしました。自分たちは袖にいるんだけど、舞台の上にいるメンバーのこれまでの頑張りは誰よりも知ってるし、それに今の演奏にどれだけそんな思いが乗っかっているかは痛いほどよくわかっている。だからたんに演奏中だから泣けないみんなの代わりに泣いてる、そんな感がして勝敗の結果以上に伝わるものがありました。っていうかまあ私はここで泣いていた(笑)

ラストは個人的には意外にも新キャラ(ではない)みぞれの笑顔にフォーカスして終わってましたが(一連の騒動を見るに、この子ってほんとーに素直な子なんですね。あすか先輩の見立ては正しい!)、ということは今回は一過程に過ぎず、部員全員向けのエンディングが次に待っている?しかし今回の出来を越えるものが出てくるんでしょうか。もうすでに劇場版並の勢いが出ているわけですが、これ以上ユーフォはどこへ行ってしまうんだ。

最後になりますが、記事ご執筆ありがとうございました。まさか管理人さんが反応しないはずはないだろうと思っていました(笑)

れすれす

>tamanoさん
あまりの出来にレビューしようかしまいか考えていたトコであちらのコメントに押されてついつい。ほーらやっぱり長くなっちゃったでしょう?(笑。吹部の知識(経験)があればもう少し突っ込んだ記事を書けるだろうけど、残念ながら私の吹奏楽経験は小学校時代の鼓笛隊でトランペットを吹いてた程度なのでナントモ…。

それはともかく劇場版でもやらなかった通し演奏をまさかTVで見られるとは予想外の外でしたね。タダでさえ心を揺さぶる管楽器のハーモニーに絶妙なステージ演出が重なり、この上なく濃密な時間を過ごさせていただきました。どのカットを切り取っても吹奏部員一人一人の人生が凝縮されたような迫力に溢れていて、それだけに見ているこっちもハンパな気持ちで見ていられず…ふと気付けばグチャグチャのダラダラという(笑。マメに入ったモナカたちの描写はまさに視聴者とのシンクロ狙いでしょうね。どうしたって同じ気持ちになっちゃいますもの(笑。しかしおっしゃるとおりこの段階でこんな映像をぶちかましてしまって残り7話(8話?)&大ヤマはどうするんだろう?という心配はあります。通し演奏なんて飛び道具を何度も使えないでしょうし、やった所で今回ほどのインパクトは得られないとも思います。こうなったら課題曲+自由曲の12分通し?(笑

待ってました

 2期が始まってはや5話目、今期は本作の感想記事を読むことは叶わないのかと寂しく思っていただけに、今回それが叶ったこと、そして管理人様も思わず記事を書きたくなるくらい今期も楽しんで視聴しておられると分かったことが、同じく原作未読ながら本作を1期から楽しんでいる者として嬉しいです。

 今回も大変読み応えのある記事で楽しく読ませて頂きました。特に 〝人の息が音色の源泉である管楽器は他の楽器よりもメンタルが表れやすいような気がする〟 という一文には思わず「成程!そうかもしれない」と唸らされました。確かに、体調やメンタルの違いは声や息等の口から出るものに特に表れやすそうな感じがしますね(私も特に根拠がある訳ではありませんが)。

 それにしても、こうしてバンクの変更点を比較して見てみると、それだけで今期が始まってからの色々な場面がパッと思い出されて感慨深いと同時に、それが各々のここまでの成長やこの演奏に対する本気度をより強く意識させる効果も果たしていて、とてもいい演出ですね。次に演奏のシーンがあればまたどこか変わっていたりするかもしれないと思うと、今からちょっと楽しみです。

 最後に、私からもお礼を言わせて頂きます。ありがとうございました。

No title

ユーフォニアムのレビュー嬉しいですー!1期も視聴し、こちらのレビューも楽しみに拝見していたのですが
作品から伝わる緊張感や瑞々しさに胸がぎゅうぎゅうになって、ボキャ貧な私には気持ちをうまく綴れそうになく感想の書き込みも出来ずでした。

2期のレビューもいつかいつかと期待しておりました。前回の4話にしてもう時間の半分くらいは泣いてました。
絵の描写、気持ちの描写の両方が細やかで鮮やかで、これほど見応えのある作品を見せていただけるなんて嬉しいったら。
それに何と言っても黒沢ともよちゃんの久美子の演技が抜群に良いなと。昨今のアニメ女子高生でテンション低めとなると
無感情系にまで振り切れてしまう子が多い中(作品のカラーというものがあるのでしょうが)、
久美子の低さは凄くリアリティがあるし、日常での淡泊さと音楽やユーフォに対する熱意への対比が効いてグッときます。
(1期の「うまくなりたいうまくなりたい」ダッシュは大好きなシーンです)

やっぱり言葉が足りない…まとまりなくて申し訳ないです。
たくさんの要素が詰め込まれてるこの作品だからこそ大変な作業になってしまうでしょうが、また終盤にでもレビューをしていただけると嬉しいです。

れすれす

>48さん
もちろん毎回全力で楽しんでますよ~。レビューが無いのは今回記事中で書いたとおり、ハマりすぎているがゆえに歯止めが利かなくなる怖れからです(笑。そんな自制を振り切って書いた長々とした記事を読んで頂いてこちらこそありがとうございます。演奏シーンの変更点は全比較しようかとも思いましたがそれだけで一記事になってしまいそうだったので断念し抜粋のみで茶を濁しました(笑。京都大会からの心理変化が表れた件のカットに制作姿勢が表れていますよね。本当に素晴らしい。

>リツさん
1期のレビューはラスト数話だけでしたが楽しんで頂けたようで何より。そういえばあの時も我慢しきれずに書いてしまったのでした(笑。黒沢さんの演技は本当に良いですよね。おっしゃるとおり自宅での低テンションと吹部での熱さが良い対比になっていて、久美子のオンオフを際立たせる事で各々シーンのコントラストがよりはっきり伝わってきます。1期では演奏(吹部)に対するスタンスの変化=京都大会中のモノローグで語られた意識変化を全話通して上手く演じてくれたと思います。この2期ではみぞれに対する受け答えの変化が面白かったですね。当初は明らかに訝しげでしたし(笑

胸が締めつけられる

今までこんなにも心揺さぶられたのは初めてです。私もおっさんですが、涙が止まらないです。(でも良いものは良い!)
もう胸が締めつけられた感がすごくて食欲が落ちました。こんな風に思ってる人がいるのか、いろんなレビュー見てたらここにきました。管理人様のレビューは描写が良くて、ぜんぜん長いと感じません。そしてすごく感情移入して脱力感がとの部分に、俺だけじゃないって、ちょっとホッとしたりもしました。次のユーフォのレビューも期待してます。

遅コメ失礼します

散々レビュー急かしといて2週間以上の遅刻コメントになりました汗現在受験前最後の定期考査期間中なのです。いやこの回は本当に鳥肌たちましたね…。出だしのトランペットの音でこれはスゴいって分かりました。もう音と音が畳み掛ける駆け抜ける勢いの演奏シーンはどんな語彙を持ってでも形容できないです。映像と脚本家で誰かの人生を表せるとはもう脱帽しかない、、

nobumaさんのレビューを見たら何か気づかなかった小ネタが分かるだろうと思ってましたが、麗奈との花火回想シーンはそういうことだったのですね。私は久美子が麗奈のために吹いてるということしか分からなかったのですが、しっかりと『久美子のために吹く』なんて言ってますし、それをしっかり表してくれてたのか…。
プレイヤーズハイ…私が呼ぶところのZONE状態は経験したことがあります。コンクール三日前、話すと長くなるので省略しますが心身ボロボロだったで『ここまできたらやってやる』の精神で吹いた時、体の芯から光というか、熱というか、とにかく伝わってくるんです。久美子達も同じ状態と文で気づいたとき、すっと納得できました。〝人の息が音色の源泉である管楽器は他の楽器よりもメンタルが表れやすいような気がする、ってことですかね.それだけ一人一人が本気で取り組んだ全国への道…初期のことを思い出すと感慨深いです。感化されて三日月の舞Horn1&2の譜面をついに買いましたが、これ滝先生の力だけでは吹き切れませんって。ホルン隊、よく頑張ったよ…

他にも書きたいことはあった気がしますが、また長々とした部長回レビュー待ってます!やはり宝島で興奮したのは私だけではなかったのですね。

れすれす

今頃大阪城ホールは全日本マーチングコンテストの本番直前。まさに「朝も放課後も夏休みも、汗と涙を枯れるほど流して、休む事なく練習した。たった6分間の本番のために」の極地にいるわけです。みんながんばれー。
http://www.ajba.or.jp/marcon29koukou.htm

あれ? 今年の立華は全国行けてないじゃん(笑

>ノリさん
演奏にハマり込んだおっさん(笑)仲間がいらっしゃって私も嬉しいです。放送から早や二週間経ちますが何度見返しても心が震えますね。ラストに向けてこれを超える演奏シーンをはたして描けるのだろうか?と余計な心配すら。次のレビューは…本作記事は尋常じゃないHPを消費するので先行きはナントモ。なーんて言いながらラストはおそらく書く、というか書かずにいられなくなるようなラストを期待してます。

>ミント揚げさん
受験対策の方が遥かに大切なので全然お気遣いなく。この記事もあくまで「書かずにいられなく」て書いたものですから(笑。ZONE状態は極限まで頑張った人へのご褒美みたいなものかも。同じ経験があると映像の説得力や移入感が高まってより作品を楽しめますね。第7話の「宝島」には普段触りもしないtwitterに吐き出すほど(笑)気分が上がりました。私は原曲のギター&ベースですが、吹奏の定番曲だけにミント揚げさんも演奏経験ありそう。これまた経験があるとつい入り込んじゃいますよね(笑。部長のソロは彼女の生き方そのものを表しているようで泥臭く格好良かった。華やかに澄んだアルトではなくバリサクってのがまた合っていたというか。

ありがとうございます

早速のコメントへの対応ありがとうございます。今原作読んでますが、あの一瞬のシーンにはこんな意味が込められてたのかと、ほんと深いです。(それを知ってまた泣ける)
怒涛のレビュー期待してます。

れすれす

上レスのマーチングコンテストページに結果が追記。
精華女子は安定の金賞でした。おめでとうございます!
http://ameblo.jp/seikateikiensoukai/entry-12221296022.html
演奏も行進も完璧なだけにかわいい衣装を着せてあげたい。
…いや精華はあの芋ジャージ(笑)でやるからいいのか。

>ノリさん
原作との照合はこの2期終了後まで取っときます(笑。そういやノリさんの書き込みを見て、普段ほとんど気にしない他の方のレビュー記事をちらほら読んでみましたが…みなさん結構あっさり書いていてて驚き。というか作品タイトルでググると上位がいわゆるまとめblogばっかりで結構萎えますね。これも時代か。
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