2017-06-02(Fri)
アイカツスターズ! #59 あなたにも輝きを
私だけじゃなくて、みんなにももっともっと輝いてもらいたい!

みんなをキラキラ輝かせる、それがベリーパルフェ!

ファーストカットはヴィーナスアークの一室。全ての船室がこの仕様なのかそれとも留学生待遇なのか判りませんが、これまでチラチラ見せて来たヴィーナスアークのセレブ趣味が行き渡った結構豪華な部屋であります。そういやいつも一緒だったコアラのぬいさん連れて来なかったんだね(笑。その部屋にてゆめはミューズの課題たるプレミアムレアドレスのデザインに頭を悩ませていました。たくさんのデザイン資料を机に積み、ひめ様のデザイン画を眺めリスペクトを高めるも…ゆめ直筆のデザイン画は以前に比べればかーなーりマシになったもののまだまだプレミアムレアドレスの域には達していない感じ。片隅に描かれたコアラの落書きが煮詰まりを表しているような。
「プレミアムレアドレスはミューズそのものだってエルザ様もおっしゃっていたよ」
ってなトコへ訪れた小春ちゃんからのヒトコト。曰く「一番大切にしたい思いが込められた特別なドレス」との事でしたが…今のゆめはその最も肝心な部分を見据えていないため何度描いても「何かが足りない」、すなわちその「何か」を見出す事でドレスデザインを完成させるというストーリーラインの前振りでありましょう。仲良く飛んでる二羽のカモメをポーッと見つめるアバン引きはなかなか意味深で、現に本編中途で何か匂わせる描写があったものの今回の結末にほぼ結びつかず。つまりこの描写は今後の課題というか来るべくSPRドレスデザインのストーリーに活かされると思われます。判りやすい比喩ですし。

CM明けてAパート冒頭はS4ゆめの仕事風景から。まずはスタジオでのグラビア撮影、担当の女性カメラマンさんは今回も美人です(笑。続くTV番組収録もそつなくこなし、ひめ様と同様に出待ちのフアンとカメラに収まり…つい先日の食レポシーンなどなど2ndシーズンでは売れっ子アイドルとしての仕事風景がちょいちょい描かれ、学内描写がほとんどだった1stシーズンに比べるとアイドルアニメの雰囲気を感じられるようになってきました。まあ前期でも描かれていないトコで働いている想像はできますが、やはり実際に描かれる事による説得力には敵いませんからね。しかし毎週欠かさず見ているのにいつの間にか頼もしくなったものです(笑。それはそうと出待ち写真のフアン層を見る限りゆめは子供に人気があるっぽい(伏線
さてその仕事の合間合間にドレスデザインと格闘するも形にならず、移動の車中ではS4の多忙さゆえにスケブ片手につい居眠りをしてしまう始末。同じ状況でデザインもきっちりこなしていたひめ様との力量差=ゆめの未熟さが見て取れるシーンです。S4だからと言って誰しもひめ様のようにカンペキにはいかないって辺りリアルっぽいというかゆめらしいというか。そんなこんなで船に戻ったゆめは一人で遅い夕食をかっ込み、ってなトコへ三人娘がやってきました。
「まるで深い海の底をデザインが魚みたいに泳いでて…一生懸命釣り上げようとしてるのに全然無理って感じ」
「やっぱスランプなのかな…」
「ゆめ。スランプってのは実力のある人がなるものよ?」
多忙な仕事と進まぬデザイン、釣りに例えて落ち込むゆめへローラからの会心の一撃!は笑った。それを言っちゃあオシマイよ(笑。実も蓋もないクリティカルヒットに魂が抜けて瀕死のゆめ、すると小春ちゃんが優しい笑顔で何やら企み。


「七倉小春プレゼンツ! フィッシング大会!」
Earthraceにクリソツな三胴高速船にて夜明け前の沖に出たみなさん、小春ちゃんの宣言どおり気分転換の釣り大会開催であります。どんぱふ~。先の釣りの例えがまさか現実になるとは。船長ルックの執事氏は新鮮な魚を仕入れるため毎日釣りに出ているそうで…いやいや維持費と手間と漁獲量を考えたら市場で仕入れたほうが合理的だろう?(笑。というかこの執事氏ってば何者やねん。そんなこんなでいつの間にか同乗していたきらら&レイさんと共に釣り大会がスタート、各々釣り上げる中でタコを釣り上げるゆめ…共食い?(笑。釣った魚をさっそく捌いて新鮮な海鮮料理をみんなで楽しみ、食後はデッキラウンジで優雅なひととき。贅沢な朝の時間は良いとしてこんなのんびりしていて仕事や授業は大丈夫なのだろうか?(野暮
そのラウンジにてドレスデザインの煮詰まりを打ち明け、「それでね…」と言いかけたトコで例のカモメが映る演出はなかなか秀逸でした。アバンの船室で一緒に悩み、またデザインが進まず沈んでいたゆめへナイスタイミングで気分転換を勧めてくれたメガネ少女とのランデブーを印象付けるヒトコマです。そして悩めるゆめへレイさんのお言葉。
「綺麗事じゃなく自分がワクワクする事。それが見つけられればきっとドレスは完成するよ」
それはひめ様を目標としS4になる事を目標にしてきたゆめへ「アイドル 虹野ゆめ」としての本質を問う言葉でした。形式や社交辞令ではない本心、自分は何のためステージに立つのか? 観客に何を伝えたいのか? それが不鮮明なままでは観客の心に響くドレスを作れないのは道理であり、ひいてはアイドルとしてステージに立つ意味も揺らいでしまう。まあ今のポジション(S4)に立ってから悩むような事でも無いのですが、がむしゃらに上を目指して駆け抜けて、いざ目標だった場所に立ってみたら空っぽの自分に気付いた=ゴールの先に必要なものに気付くという流れはこれはこれで悪くないかも。S4としての未熟さはさんざ描写されていますし、分不相応なトップが一人前になっていく過程ってのもゆめらしくて面白い。
さてそんなこんなで寛いでいると一陣の風がきららの帽子を飛ばし、それを追った小春ちゃんが勢い余って海へバッシャーン! ここは舞う帽子→掴む手元→バランスを崩し→デッキから浮く足→バッシャーン!と妙に凝ったカット割りでインパクトありあり。てな具合にカット割りで動きを強調する絵作りは見応えあるけど、きららの帽子が飛ばされて海へ落ちるまで9カットも使うのは贅沢すぎるような?

もちろん無事に引き上げられたものの全身ずぶ濡れ&足を打ったため有無を言わさず救急搬送→検査入院のコンボへ。思わぬ大事になってしまって困り顔の小春ちゃんかわいい。いい顔してます(笑
「ミューズが思いを込めてデザインやコンセプトを打ち出してくれれば必ず素晴らしいドレスが出来上がるわ」
一方ゆめはベリーパルフェの事務所にてデザインの煮詰まりをゴメンナサイ。先日もそうでしたが得体の知れぬオーナーを相手に机を挟んで小さくなってる風景はミューズらしさが全く無く、とはいえ今回は上記セリフどおりドレス作りの流れがボンヤリながら判ったのでまあ良いか。やはりデザインの実作業はブランドのデザイナーが行うようで、ならばドレスデザインの心得が無いミューズとしてはコンセプトイメージの構築に専念した方がいいような? どちらにせよ第53話で「悩む事も楽しまなきゃ!」と無理くり結論付けた割りにあまり楽しんでいないように見えるのは如何なものか。
そんなこんなでシーン変わって小春ちゃんの入院先へ。お花を持って見舞うゆめは行き掛けの駄賃にデザインのアドバイスをもらおうと…ってなトコで病室を覗く小さいお友達を発見! さすがS4すっかり顔バレして盛り上がる小さいフアンたちをゆめは快く受け入れてサービス!サービス! 突然ほっぺを突かれて驚く表情や正面へ向き直って挨拶する笑顔も満点のかわいさであります。ゆめってばいちいちかわいいな。翻って小さいフアンからしたら憧れのS4直々にデザイン画を見せてもらえたり、ブランドのサンプル品をプレゼントしてもらったり、こちらはこちらで極上の笑顔になろうというもの。
「見ている私たちまで楽しくなっちゃう」
キラキラ笑顔で駆け出す小さいフアンたちを見たゆめの言葉が今回テーマのトリガーとなり、ってなトコで――

「ちょっと来い」
袖を掴んだ不躾な物言いはいかにもこの年頃の男の子っぽく、そして歩を進めながら「入院している妹が沈んでいるので元気付けてやってほしい」との事情をこれまたぶっきらぼうに。無愛想不器用なお兄ちゃんの精一杯が見て取れるヒトコマです。一方強制連行(笑)されたゆめはお兄ちゃんの思いを察して笑顔で快諾、その頃病室では足にギプスを巻いた女の子が窓外をしょんぼりと見つめ…余計な説明セリフが無くとも状況が一目で判る絵作りに感心のヒトコマでした。
「スズちゃん、こんにちは!」
「おじゃまします!」
「あ…え~っ!? ゆめちゃんに小春ちゃん!?」
突然の訪問に驚きながら瞳をキラキラ輝かせるスズちゃん。続いて先のプレゼントを直々に付けてもらうとさっきまで沈んでいた顔が一転して極上の笑顔に。ここで無言で鏡を構えるお兄ちゃんがじつに良い味、笑顔を取り戻した妹ちゃんに涙するヒトコマもグッと来た。この不器用な妹愛には思わず頬と涙腺が緩んでしまったよ。
「こんなに喜んでもらえたら私も嬉しいよ!」
一方ゆめは先の女の子たちやスズちゃんの笑顔から何かを感じ取ったようでした。自分の行動で笑顔が輝き、その笑顔が自分の輝きの糧となるポジティブスパイラル。まあよくあるパターンっちゃそうですが、こういうアイドルものの王道を積み重ねる事が今の本作に必要と思ったり。

というわけで「いちばん大切にしたい事」を掴んだゆめは憑き物が落ちたように笑顔を戻し、夕暮れの中 急く気持ちを全身で表しながら帰路を駆け…それら胸中を示す脚や表情の作画が気合い入りすぎていったい何事かと。ほんと今回は作画凝ってんなあ、と思っていたら。
「私だけじゃなくて、みんなにももっともっと輝いてもらいたい!」
「みんなをキラキラ輝かせる、それがベリーパルフェ!」
ゆめの語りと共にシーンは病院の屋上へ戻ります。空の色を見たとおりこれは先の病室シーンと夕暮れダッシュシーンの間の時間、つまり小さいフアンの笑顔から何かを掴んだゆめが小春ちゃんに思いを語り、対する小春ちゃんはブランドコンセプトを見出したゆめへアドバイスを送り、いてもたってもいられなくなったゆめが船へダッシュ!以下直前のシーンへ繋がるって塩梅です。その語りにしても寄り引きアオリ俯瞰と頻繁にアングルを切り替え、二人の立ち位置や機微を綺麗に落とし込む凝りよう。ううむ。子供アニメとしてはえらく凝った演出です。結果をパッと見せた後 時間を巻き戻して詳細を語る演出は結構常套な手法ではありますが、はたして小さいお友達はこの時間遡行や凝りすぎてる画角演出に混乱したりせんだろうか? まあおっさん的には面白い演出を楽しめましたし、何より二人の表情が絶品だったので全然オッケーだけれども。それにしてもゆめを見送る小春ちゃんの笑顔が煌めきすぎてどうにかなりそう。早くステージを! 間に合わなくなっても知らんぞ!

その後ヴィーナスアークへ戻ったゆめはもの凄い勢いでデザインに取り組み、ほどなく強い瞳で完成を宣言。ただここで見上げた空に例の一番星が輝いていなかったのが気がかりではありました。まあ結果を見ればなるほどの演出だったわけですが。
そしてあっという間に「ベリーパルフェ プレミアムレアドレス新作発表会」当日へ。いつものホールは満員御礼、その客席にはもちろんいつものメンツの顔も見え…シャレオツ番長の真昼が髪型アレンジしすぎていてパッと見 誰だか判らなかった。フライトジャケットのローラはこれもおしゃれなのだろうけど、何というか田舎のテキ屋にしか見えなくてナントモ(笑。そういや今回はリリエンヌの時と違って二階席もほぼ満席です。さすがS4。って二階はヴィーナスアーク生で埋まってる!? これはつまりエルザ様が四ツ星アイドルを認め始めた兆候と捉えて良いのかも。というわけで新作プレミアムレアドレス「プルミエールベリーコーデ」のカードを手に虹野ゆめ行きまーす!

コーデキメの雰囲気が変わっているような気がしたのでお約束どおり比較(画像左列が第52話、中列が第57話、右列が第59話)。この後に披露された曲ムービーがえらくかわいくなっていたのでモデリングも変わった? と思っていたのですが、比べてみたらご覧のとおりモデル自体の修正は確認できず、髪の動きとドレスの揺れと僅かにポジション(57話ver.から数ピクセル上に移動)が修正されただけでした。今回のドレスについてはボリューム差の反映っぽいので修正のうちには入らないかも、というか第52-57話では同じスクールドレスなのに揺れ方が違っていて驚くやら感心するやら(今回気付いた)。下2コマ目の右腕の振りが第57話から若干変わっている気がしなくなくもないけどこんなの肉眼じゃ絶対判らんからどーでも(笑

ほどなく始まった発表会ステージは「STARDOM!」のゆめソロバージョンでした。曲全体の流れは第52話バージョンと同じなのですが、ムービーはソロ仕様に再構成され、またプレミアムレアドレスステージらしくエフェクトも盛り盛りとなり以前とはすっかり別モノに。特に煌めく星のアイドルオーラ&足元に輝く魔方陣オーラには感激しきり、サビ入りで発射されるアイカツビーム(笑)の迫力も凄い。これぞ歌組トップのステージ!って感じです。
デュオバージョンで見られたポジションチェンジやアイコンタクトは当然無く、デュオからのソロ化は画面的に少々の寂しさもありましたが、そんなこんなもソロ化で増えたアップの超絶かわいらしさによって帳消しどころかお釣りが来そう。動きも表情もめっちゃかわいく、私的にはちょうど良いドレスの盛り具合もあり、難産だったプレミアムレアドレスのお披露目としてかなりココロに迫ってきました。SpAは大滝すべりを滑り降りてミニトランポリンをピョンと跳んでキメ。スカートでこのアクションは危険が危ない気がするけどそれを言うたら全部そんなものなので不問とします(笑。ともあれ素晴らしいお披露目ができて良かったなあゆめ…と思ったらツバサが出ぬまま曲締めへ。やはり先の星空はこの前振り? しかしこれで認定されないとはアイカツシステム厳しいなあ。

「星のツバサ現れなかったですわね」
「スタープレミアムレアコーデと認められなかったって事?」
「アイカツシステムが故障してるとか?」
終演後の三人娘はツバサ不認定についてあれこれ語り、ってなトコへ現れたゆめは消沈する三人と裏腹に――
「良かった…お客さんたちすっごく喜んでくれてた」
「大切な思いはちゃんと伝わってるんだなって、それが嬉しいんだ」
ツバサの結果よりもお客さんの笑顔を確かめ喜んでいました。そんなゆめを見た私も嬉しい…ベタな流れと思いながらもつい涙腺が緩んでしまったよ。立派になったなあ(しみじみ。そして落ち込む事なく次のチャレンジに意気を上げ、さっきまで沈んでいたみなさんはそんなゆめにつられて温かい笑顔へ。後ろで見守る小春ちゃんの嫁感が凄い(笑。それはそうと帽子を追加装備したローラがいよいよテキ屋の兄ちゃんに見えてナントモ(笑。このスタイルで露天でめでたい焼き売ってるトコをぜひ見てみたい。
「私に足りないものって何ですか?」
「デザインの実力よ」
「もっともっと今まで以上に素晴らしいドレスでなければスタープレミアムレアコーデとは認められないということ」
ラストシーンは星空煌めくヴィーナスアークのデッキ。ここでゆめはエルザ様から厳しいアドバイスを頂戴するわけですが…実デザインの出来についてはゆめではなくてベリーパルフェの制作スタッフの問題なのでは? ドレスを纏うアイドル自体に「デザインの実力」が必須となればデザインを起こせないアイドル(ミューズ)は永遠にSPRを手に入れられない事になってしまう。そもそも今回本編中 未熟を自省する新米デザイナーに対し「大丈夫。ミューズが思いを込めてデザインやコンセプトを打ち出してくれれば必ず素晴らしいドレスが出来上がるわ」とブランドオーナー直々に言っていた=未熟なデザインのフォローは制作スタッフ(専業デザイナー)が行うという意味ではないのだろうか。SPRを狙うアイドルは専業デザイナー以上のデザイン力を持っていなければいけないなんて無理ゲーすぎる。それもこれも「ミューズ」や「デザイン」の定義がイマイチよう判らんため起きる齟齬なので、少々の尺を使ってもその辺の説明を一度きっちりした方が良いと思った。
ヒールから登場したエルザ様の威厳ありありな大人っぽさ、続く星空語りの説得力。一方エルザ様の言葉に通じて星雲の輝きが映り込み一番星を見つめるゆめの瞳の力強さ。そんなゆめへ視線を送りながら導くエルザ様の優しさなどなど、このシーンもカットをバシバシ切り替えてキャラの機微をこれでもかと演出。上でも書きましたがこういう濃いぃ演出はおっさん的には面白いのだけれど、演出のお約束や効果を汲み取れない小さいお友達的はどうなのだろう? などなど子供アニメの制作って私みたいなシロウトオタが考えるより相当難しいと思う。

今回のA終わりアイキャッチはS4ルックのゆめでした。ってな具合に2ndシーズンアイキャッチは図柄が単発で増えるのでなかなかまとめられない(笑
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みんなをキラキラ輝かせる、それがベリーパルフェ!

ファーストカットはヴィーナスアークの一室。全ての船室がこの仕様なのかそれとも留学生待遇なのか判りませんが、これまでチラチラ見せて来たヴィーナスアークのセレブ趣味が行き渡った結構豪華な部屋であります。そういやいつも一緒だったコアラのぬいさん連れて来なかったんだね(笑。その部屋にてゆめはミューズの課題たるプレミアムレアドレスのデザインに頭を悩ませていました。たくさんのデザイン資料を机に積み、ひめ様のデザイン画を眺めリスペクトを高めるも…ゆめ直筆のデザイン画は以前に比べればかーなーりマシになったもののまだまだプレミアムレアドレスの域には達していない感じ。片隅に描かれたコアラの落書きが煮詰まりを表しているような。
「プレミアムレアドレスはミューズそのものだってエルザ様もおっしゃっていたよ」
ってなトコへ訪れた小春ちゃんからのヒトコト。曰く「一番大切にしたい思いが込められた特別なドレス」との事でしたが…今のゆめはその最も肝心な部分を見据えていないため何度描いても「何かが足りない」、すなわちその「何か」を見出す事でドレスデザインを完成させるというストーリーラインの前振りでありましょう。仲良く飛んでる二羽のカモメをポーッと見つめるアバン引きはなかなか意味深で、現に本編中途で何か匂わせる描写があったものの今回の結末にほぼ結びつかず。つまりこの描写は今後の課題というか来るべくSPRドレスデザインのストーリーに活かされると思われます。判りやすい比喩ですし。

CM明けてAパート冒頭はS4ゆめの仕事風景から。まずはスタジオでのグラビア撮影、担当の女性カメラマンさんは今回も美人です(笑。続くTV番組収録もそつなくこなし、ひめ様と同様に出待ちのフアンとカメラに収まり…つい先日の食レポシーンなどなど2ndシーズンでは売れっ子アイドルとしての仕事風景がちょいちょい描かれ、学内描写がほとんどだった1stシーズンに比べるとアイドルアニメの雰囲気を感じられるようになってきました。まあ前期でも描かれていないトコで働いている想像はできますが、やはり実際に描かれる事による説得力には敵いませんからね。しかし毎週欠かさず見ているのにいつの間にか頼もしくなったものです(笑。それはそうと出待ち写真のフアン層を見る限りゆめは子供に人気があるっぽい(伏線
さてその仕事の合間合間にドレスデザインと格闘するも形にならず、移動の車中ではS4の多忙さゆえにスケブ片手につい居眠りをしてしまう始末。同じ状況でデザインもきっちりこなしていたひめ様との力量差=ゆめの未熟さが見て取れるシーンです。S4だからと言って誰しもひめ様のようにカンペキにはいかないって辺りリアルっぽいというかゆめらしいというか。そんなこんなで船に戻ったゆめは一人で遅い夕食をかっ込み、ってなトコへ三人娘がやってきました。
「まるで深い海の底をデザインが魚みたいに泳いでて…一生懸命釣り上げようとしてるのに全然無理って感じ」
「やっぱスランプなのかな…」
「ゆめ。スランプってのは実力のある人がなるものよ?」
多忙な仕事と進まぬデザイン、釣りに例えて落ち込むゆめへローラからの会心の一撃!は笑った。それを言っちゃあオシマイよ(笑。実も蓋もないクリティカルヒットに魂が抜けて瀕死のゆめ、すると小春ちゃんが優しい笑顔で何やら企み。


「七倉小春プレゼンツ! フィッシング大会!」
Earthraceにクリソツな三胴高速船にて夜明け前の沖に出たみなさん、小春ちゃんの宣言どおり気分転換の釣り大会開催であります。どんぱふ~。先の釣りの例えがまさか現実になるとは。船長ルックの執事氏は新鮮な魚を仕入れるため毎日釣りに出ているそうで…いやいや維持費と手間と漁獲量を考えたら市場で仕入れたほうが合理的だろう?(笑。というかこの執事氏ってば何者やねん。そんなこんなでいつの間にか同乗していたきらら&レイさんと共に釣り大会がスタート、各々釣り上げる中でタコを釣り上げるゆめ…共食い?(笑。釣った魚をさっそく捌いて新鮮な海鮮料理をみんなで楽しみ、食後はデッキラウンジで優雅なひととき。贅沢な朝の時間は良いとしてこんなのんびりしていて仕事や授業は大丈夫なのだろうか?(野暮
そのラウンジにてドレスデザインの煮詰まりを打ち明け、「それでね…」と言いかけたトコで例のカモメが映る演出はなかなか秀逸でした。アバンの船室で一緒に悩み、またデザインが進まず沈んでいたゆめへナイスタイミングで気分転換を勧めてくれたメガネ少女とのランデブーを印象付けるヒトコマです。そして悩めるゆめへレイさんのお言葉。
「綺麗事じゃなく自分がワクワクする事。それが見つけられればきっとドレスは完成するよ」
それはひめ様を目標としS4になる事を目標にしてきたゆめへ「アイドル 虹野ゆめ」としての本質を問う言葉でした。形式や社交辞令ではない本心、自分は何のためステージに立つのか? 観客に何を伝えたいのか? それが不鮮明なままでは観客の心に響くドレスを作れないのは道理であり、ひいてはアイドルとしてステージに立つ意味も揺らいでしまう。まあ今のポジション(S4)に立ってから悩むような事でも無いのですが、がむしゃらに上を目指して駆け抜けて、いざ目標だった場所に立ってみたら空っぽの自分に気付いた=ゴールの先に必要なものに気付くという流れはこれはこれで悪くないかも。S4としての未熟さはさんざ描写されていますし、分不相応なトップが一人前になっていく過程ってのもゆめらしくて面白い。
さてそんなこんなで寛いでいると一陣の風がきららの帽子を飛ばし、それを追った小春ちゃんが勢い余って海へバッシャーン! ここは舞う帽子→掴む手元→バランスを崩し→デッキから浮く足→バッシャーン!と妙に凝ったカット割りでインパクトありあり。てな具合にカット割りで動きを強調する絵作りは見応えあるけど、きららの帽子が飛ばされて海へ落ちるまで9カットも使うのは贅沢すぎるような?

もちろん無事に引き上げられたものの全身ずぶ濡れ&足を打ったため有無を言わさず救急搬送→検査入院のコンボへ。思わぬ大事になってしまって困り顔の小春ちゃんかわいい。いい顔してます(笑
「ミューズが思いを込めてデザインやコンセプトを打ち出してくれれば必ず素晴らしいドレスが出来上がるわ」
一方ゆめはベリーパルフェの事務所にてデザインの煮詰まりをゴメンナサイ。先日もそうでしたが得体の知れぬオーナーを相手に机を挟んで小さくなってる風景はミューズらしさが全く無く、とはいえ今回は上記セリフどおりドレス作りの流れがボンヤリながら判ったのでまあ良いか。やはりデザインの実作業はブランドのデザイナーが行うようで、ならばドレスデザインの心得が無いミューズとしてはコンセプトイメージの構築に専念した方がいいような? どちらにせよ第53話で「悩む事も楽しまなきゃ!」と無理くり結論付けた割りにあまり楽しんでいないように見えるのは如何なものか。
そんなこんなでシーン変わって小春ちゃんの入院先へ。お花を持って見舞うゆめは行き掛けの駄賃にデザインのアドバイスをもらおうと…ってなトコで病室を覗く小さいお友達を発見! さすがS4すっかり顔バレして盛り上がる小さいフアンたちをゆめは快く受け入れてサービス!サービス! 突然ほっぺを突かれて驚く表情や正面へ向き直って挨拶する笑顔も満点のかわいさであります。ゆめってばいちいちかわいいな。翻って小さいフアンからしたら憧れのS4直々にデザイン画を見せてもらえたり、ブランドのサンプル品をプレゼントしてもらったり、こちらはこちらで極上の笑顔になろうというもの。
「見ている私たちまで楽しくなっちゃう」
キラキラ笑顔で駆け出す小さいフアンたちを見たゆめの言葉が今回テーマのトリガーとなり、ってなトコで――

「ちょっと来い」
袖を掴んだ不躾な物言いはいかにもこの年頃の男の子っぽく、そして歩を進めながら「入院している妹が沈んでいるので元気付けてやってほしい」との事情をこれまたぶっきらぼうに。無愛想不器用なお兄ちゃんの精一杯が見て取れるヒトコマです。一方強制連行(笑)されたゆめはお兄ちゃんの思いを察して笑顔で快諾、その頃病室では足にギプスを巻いた女の子が窓外をしょんぼりと見つめ…余計な説明セリフが無くとも状況が一目で判る絵作りに感心のヒトコマでした。
「スズちゃん、こんにちは!」
「おじゃまします!」
「あ…え~っ!? ゆめちゃんに小春ちゃん!?」
突然の訪問に驚きながら瞳をキラキラ輝かせるスズちゃん。続いて先のプレゼントを直々に付けてもらうとさっきまで沈んでいた顔が一転して極上の笑顔に。ここで無言で鏡を構えるお兄ちゃんがじつに良い味、笑顔を取り戻した妹ちゃんに涙するヒトコマもグッと来た。この不器用な妹愛には思わず頬と涙腺が緩んでしまったよ。
「こんなに喜んでもらえたら私も嬉しいよ!」
一方ゆめは先の女の子たちやスズちゃんの笑顔から何かを感じ取ったようでした。自分の行動で笑顔が輝き、その笑顔が自分の輝きの糧となるポジティブスパイラル。まあよくあるパターンっちゃそうですが、こういうアイドルものの王道を積み重ねる事が今の本作に必要と思ったり。

というわけで「いちばん大切にしたい事」を掴んだゆめは憑き物が落ちたように笑顔を戻し、夕暮れの中 急く気持ちを全身で表しながら帰路を駆け…それら胸中を示す脚や表情の作画が気合い入りすぎていったい何事かと。ほんと今回は作画凝ってんなあ、と思っていたら。
「私だけじゃなくて、みんなにももっともっと輝いてもらいたい!」
「みんなをキラキラ輝かせる、それがベリーパルフェ!」
ゆめの語りと共にシーンは病院の屋上へ戻ります。空の色を見たとおりこれは先の病室シーンと夕暮れダッシュシーンの間の時間、つまり小さいフアンの笑顔から何かを掴んだゆめが小春ちゃんに思いを語り、対する小春ちゃんはブランドコンセプトを見出したゆめへアドバイスを送り、いてもたってもいられなくなったゆめが船へダッシュ!以下直前のシーンへ繋がるって塩梅です。その語りにしても寄り引きアオリ俯瞰と頻繁にアングルを切り替え、二人の立ち位置や機微を綺麗に落とし込む凝りよう。ううむ。子供アニメとしてはえらく凝った演出です。結果をパッと見せた後 時間を巻き戻して詳細を語る演出は結構常套な手法ではありますが、はたして小さいお友達はこの時間遡行や凝りすぎてる画角演出に混乱したりせんだろうか? まあおっさん的には面白い演出を楽しめましたし、何より二人の表情が絶品だったので全然オッケーだけれども。それにしてもゆめを見送る小春ちゃんの笑顔が煌めきすぎてどうにかなりそう。早くステージを! 間に合わなくなっても知らんぞ!

その後ヴィーナスアークへ戻ったゆめはもの凄い勢いでデザインに取り組み、ほどなく強い瞳で完成を宣言。ただここで見上げた空に例の一番星が輝いていなかったのが気がかりではありました。まあ結果を見ればなるほどの演出だったわけですが。
そしてあっという間に「ベリーパルフェ プレミアムレアドレス新作発表会」当日へ。いつものホールは満員御礼、その客席にはもちろんいつものメンツの顔も見え…シャレオツ番長の真昼が髪型アレンジしすぎていてパッと見 誰だか判らなかった。フライトジャケットのローラはこれもおしゃれなのだろうけど、何というか田舎のテキ屋にしか見えなくてナントモ(笑。そういや今回はリリエンヌの時と違って二階席もほぼ満席です。さすがS4。って二階はヴィーナスアーク生で埋まってる!? これはつまりエルザ様が四ツ星アイドルを認め始めた兆候と捉えて良いのかも。というわけで新作プレミアムレアドレス「プルミエールベリーコーデ」のカードを手に虹野ゆめ行きまーす!

コーデキメの雰囲気が変わっているような気がしたのでお約束どおり比較(画像左列が第52話、中列が第57話、右列が第59話)。この後に披露された曲ムービーがえらくかわいくなっていたのでモデリングも変わった? と思っていたのですが、比べてみたらご覧のとおりモデル自体の修正は確認できず、髪の動きとドレスの揺れと僅かにポジション(57話ver.から数ピクセル上に移動)が修正されただけでした。今回のドレスについてはボリューム差の反映っぽいので修正のうちには入らないかも、というか第52-57話では同じスクールドレスなのに揺れ方が違っていて驚くやら感心するやら(今回気付いた)。下2コマ目の右腕の振りが第57話から若干変わっている気がしなくなくもないけどこんなの肉眼じゃ絶対判らんからどーでも(笑

ほどなく始まった発表会ステージは「STARDOM!」のゆめソロバージョンでした。曲全体の流れは第52話バージョンと同じなのですが、ムービーはソロ仕様に再構成され、またプレミアムレアドレスステージらしくエフェクトも盛り盛りとなり以前とはすっかり別モノに。特に煌めく星のアイドルオーラ&足元に輝く魔方陣オーラには感激しきり、サビ入りで発射されるアイカツビーム(笑)の迫力も凄い。これぞ歌組トップのステージ!って感じです。
デュオバージョンで見られたポジションチェンジやアイコンタクトは当然無く、デュオからのソロ化は画面的に少々の寂しさもありましたが、そんなこんなもソロ化で増えたアップの超絶かわいらしさによって帳消しどころかお釣りが来そう。動きも表情もめっちゃかわいく、私的にはちょうど良いドレスの盛り具合もあり、難産だったプレミアムレアドレスのお披露目としてかなりココロに迫ってきました。SpAは大滝すべりを滑り降りてミニトランポリンをピョンと跳んでキメ。スカートでこのアクションは危険が危ない気がするけどそれを言うたら全部そんなものなので不問とします(笑。ともあれ素晴らしいお披露目ができて良かったなあゆめ…と思ったらツバサが出ぬまま曲締めへ。やはり先の星空はこの前振り? しかしこれで認定されないとはアイカツシステム厳しいなあ。

「星のツバサ現れなかったですわね」
「スタープレミアムレアコーデと認められなかったって事?」
「アイカツシステムが故障してるとか?」
終演後の三人娘はツバサ不認定についてあれこれ語り、ってなトコへ現れたゆめは消沈する三人と裏腹に――
「良かった…お客さんたちすっごく喜んでくれてた」
「大切な思いはちゃんと伝わってるんだなって、それが嬉しいんだ」
ツバサの結果よりもお客さんの笑顔を確かめ喜んでいました。そんなゆめを見た私も嬉しい…ベタな流れと思いながらもつい涙腺が緩んでしまったよ。立派になったなあ(しみじみ。そして落ち込む事なく次のチャレンジに意気を上げ、さっきまで沈んでいたみなさんはそんなゆめにつられて温かい笑顔へ。後ろで見守る小春ちゃんの嫁感が凄い(笑。それはそうと帽子を追加装備したローラがいよいよテキ屋の兄ちゃんに見えてナントモ(笑。このスタイルで露天でめでたい焼き売ってるトコをぜひ見てみたい。
「私に足りないものって何ですか?」
「デザインの実力よ」
「もっともっと今まで以上に素晴らしいドレスでなければスタープレミアムレアコーデとは認められないということ」
ラストシーンは星空煌めくヴィーナスアークのデッキ。ここでゆめはエルザ様から厳しいアドバイスを頂戴するわけですが…実デザインの出来についてはゆめではなくてベリーパルフェの制作スタッフの問題なのでは? ドレスを纏うアイドル自体に「デザインの実力」が必須となればデザインを起こせないアイドル(ミューズ)は永遠にSPRを手に入れられない事になってしまう。そもそも今回本編中 未熟を自省する新米デザイナーに対し「大丈夫。ミューズが思いを込めてデザインやコンセプトを打ち出してくれれば必ず素晴らしいドレスが出来上がるわ」とブランドオーナー直々に言っていた=未熟なデザインのフォローは制作スタッフ(専業デザイナー)が行うという意味ではないのだろうか。SPRを狙うアイドルは専業デザイナー以上のデザイン力を持っていなければいけないなんて無理ゲーすぎる。それもこれも「ミューズ」や「デザイン」の定義がイマイチよう判らんため起きる齟齬なので、少々の尺を使ってもその辺の説明を一度きっちりした方が良いと思った。
ヒールから登場したエルザ様の威厳ありありな大人っぽさ、続く星空語りの説得力。一方エルザ様の言葉に通じて星雲の輝きが映り込み一番星を見つめるゆめの瞳の力強さ。そんなゆめへ視線を送りながら導くエルザ様の優しさなどなど、このシーンもカットをバシバシ切り替えてキャラの機微をこれでもかと演出。上でも書きましたがこういう濃いぃ演出はおっさん的には面白いのだけれど、演出のお約束や効果を汲み取れない小さいお友達的はどうなのだろう? などなど子供アニメの制作って私みたいなシロウトオタが考えるより相当難しいと思う。

今回のA終わりアイキャッチはS4ルックのゆめでした。ってな具合に2ndシーズンアイキャッチは図柄が単発で増えるのでなかなかまとめられない(笑
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