2017-06-09(Fri)
アイカツスターズ! #60 密着!エルザフォルテの世界
密着取材の傍らで突然の退学宣告!?

夢があるなら諦めちゃダメ。

今回は旧アイカツ!恒例の1日マネージャー回やスターズ1st第11話でのひめ様密着話の流れを汲む密着シリーズ最新版、作品世界に君臨するトップアイドルの日常に触れる事で主人公が意識を新たにする的なお話であります。これまではぺーぺー主人公と絶対王者の差が意識変化の呼び水になってきたわけですが、スターズ2ndでは主人公が既にある意味トップアイドルなので付き人扱いでは何かと不自然、というわけで今年はS4TVの取材のテイで当面の頂点・エルザ様へ密着となりました。まあS4TVへ「エルザ様の好きな食べ物やプロフィール」への問い合わせが殺到!という前提は結構無理くりな気がしましたけれど。
その一節を描くアバンではお怒りあこにゃんこ&キメセリフを取られてぐぬぬ顔のローラがかわいい。S4の番組なのに来る手紙がエルザ様関連ばかりではあこの怒りもご尤も、いくらTVで話を振ったと言っても視聴者の興味がエルザ様一辺倒ではS4人気の凋落を危惧してしまうトコです。そんな中でライバルの宣伝を買って出るゆめ。常識派の真昼&ローラはその提案に驚き、対してフリーダムなゆず先輩は面白がって賛成してる辺りそれっぽい。というか「面白いじゃない!」はローラ以外が言った方が面白くなってきた(笑
そんなこんなでエルザ様へ取材の旨を伝えると二つ返事で快諾されて前振り完了。ライバル校を堂々と取材するゆめに対し、手の内を全く隠さないエルザ様も大概大物です。ってな大物っぷりを示すエルザ椅子の大きさ…立派な椅子は権威の象徴とはいえ少々デカすぎるような?(笑。そういや今回は開始数カットを見ただけで判る高橋作監回、エルザ様の美人度が高まって私の期待も高まります。

夜明け前の早朝っからデッキに集まりさっそく取材開始! 朝っぱらから元気なゆめに対して大あくびのローラがかわいい。S4じゃないのに取材仕事に駆り出されるとは今年の幹部は大変です。どーでもいいけど「S4TVの取材」として入ってるのだからここはS4ルックじゃないと不自然なのでは?とちょっと思った。まあ作中のS4TV視聴者的には留学先の制服姿を見られて新鮮かも。
さてひめ様の例に倣って早朝から張っていたもののエルザ様はサッパ現れず、執事氏の超絶食器並べや船員たちの水揚げ風景に驚くばかり…例の高速艇ではなく停泊中のヴィーナスアークから直接釣り上げているのか。カツオが釣れるマリーナって凄い(笑。そして同じ顔のセーラーマンズを訝しがっているトコへ今回案内役のアリスちゃん(CV.田中貴子)が登場、ふわっふわの髪と無垢な笑顔が非常にかわいらしいヴィーナスアークの一年生です。フランス人なのに日本語も堪能です(それを言うたら
「肝心のエルザさんはいつ起きてくるの?」
「判りません。エルザ様がいつ起きるのか判るのはエルザ様のみです」
ほどなく夜が明けレイさん&きららを先頭に朝カツが始まってもエルザ様は現れず、ってなトコでローラが問うた起床時間に対する答えがじつにいい感じでした。もうこのヒトコトでエルザ様の絶対性&それを当然のように受け止めている生徒たちの信奉度が伝わってきます。アリスちゃんの上品な物腰もハイソ感が滲み出ていて良い良い。そんな船内空気を極めてナチュラルに表す言葉選びの上手さはさすが成田氏か。
「これくらいしかお役に立てないですから…」
続いて現れた小春ちゃんはデザインの課題に追われて合流できずゴメンナサイ。するとゆめは案内役のアリスちゃんへ笑顔を振り…この時見せた一瞬の陰り&呟きがまさかあんな事態に繋がっていくとは。

ようやく起き出したエルザ様を追って取材スタート。まずは恒例のモーニングステーキから。庶民に馴染みがない食習慣を目の当たりにしたゆめはさっそく興味津々に――
「朝食でステーキなんて凄いボリュームですね。何か理由があるんですか?」
「理由はただ一つ、私が食べたいからよ」
「お~! わかりやすい!」
「そこ褒めるとこ?」
朝から良質の蛋白質を~みたいな理屈ではなく単に「食べたいから」、なるほどエルザ様クラスになると理屈が後から付いて来るのか。ゆめのリアクションにジト目のローラがいい味でしたが「わかりやすい」は別に褒め言葉じゃ無いだろうに。その隣で真顔で見つめる真昼の生真面目っぷりも良い。ローラはゆめを、真昼はエルザ様を注視しているって事でもあります。などなどこの二人は上手くコントラストを生み出していますね。続いて差し出されたサラダへ一瞬躊躇するエルザ様…判りやすく野菜嫌いです(笑。それでも渋々ながらきちんと食べてる辺り判断基準が好き嫌い一辺倒ではない事を示唆している? まあそこまでの意味は無いにしろパーフェクトを標榜するエルザ様の人間味がチラリと窺え、気付いたゆめが軽く笑顔を浮かべる=親近感を覚えるヒトコマも意味ありげ。この振りは後々使えそうです。
その後ヴィーナスアーク首脳組はお茶をシバきつつ業務会議を開始、と言っても会議の中身は全てエルザ様からのトップダウンで部下二名は大将の指示を仰ぐだけ。その風景をしてアリスちゃんは――
「ヴィーナスアークではエルザ様の言う事が絶対ですから」
箱単位で送られてきた非公式入学願書を一瞥もせず処分の指示。すると仰せの通り処理を遂行するシザーマン執事氏。何者!? ともあれ少女たちの憧れを無下に断ち切る非情さに取材陣は一様に抗議、しかしヴィーナスアークは元々生徒募集をしておらず、勝手に送りつけてきた手紙を読む道理は無いと一斬。
「この船に乗れるのは私がスカウトしたアイドルだけよ」
ヴィーナスアークの物事は徹頭徹尾エルザ様の意向で決まる。絶対的頂点である自信と威厳を表すヒトコトであります。その信念に妥協は無く、無用な情けも掛けない。

「アリス。あなた船を降りなさい」
「本日をもってあなたはヴィーナスアークを退学とします」
ってなトコで突然の退学宣告を受けるアリスちゃん。はたしてその理由はレイさんが示したグラフのとおりブランド売上急降下&人気最下位との事で…結果の数字が全てというシビアなやり方はいかにも欧米企業(?)っぽく、日本人的には非情に映る=激しく異議を唱える四ツ星組に同調したくなりますが。
「実力が無ければステージを降りる…プロとはそういうものでしょ?」
こう言われてしまうとグゥの音も出ません。もちろんアリスちゃんもそれなりの努力をしてきたとは思いますが、グラフの傾きを見る限りでは努力が結果に結びついていないわけで、これをして「輝きを失った」と判断されても仕方ないとも思ったり。むしろ人気最下位のまま続けていても互いのためにならず、見切りを付けるなら早い方が良いと判断した節もありそう。その一部始終をカメラに収めたローラの言葉「全部撮ってますよ?」など鼻にも掛けず自分を通すエルザ様の揺るがなさが凄い。まあこれほどの信念があればこそ生徒たちの絶対的な信頼を得ているのでしょう。
「ヴィーナスアークは私の憧れでした。エルザ様のようになりたくて…」
さて突然の退学宣告に泣き崩れていたアリスちゃんは四ツ星組と共にデッキへ出て暫しお話。涙ながらにこれまでの経緯や自分の思いを語るアリスちゃんへローラ&真昼はヴィーナスアークのやり方を厳しく批判。
「入学希望者は門前払いで所属アイドルも容赦無く切り捨てるなんてひどい!」
「四ツ星学園とは違いすぎるわね…」
ところがゆめの考えは二人と違っていました。
「そうかな? やり方は違うけどプロとしての気持ちは凄く似てると思うな」
これまで何度も退学の瀬戸際を味わった、プロの厳しさを身を以て知る者ゆえの言葉はなるほど説得力があります。数々の苦行は学園長の親心によるものとはいえ、渦中のゆめ的には正しく退学(=アイドル廃業)の危機だったわけですから。対して入学当初から才能に溢れていたエリート組のローラ&真昼はいわゆる「背水の陣」の経験が無い(崖っぷちアイドルの現実を知らない)だけに、真正面から現実を突き付けるヴィーナスアークのやり方に反感を持ったのでしょう。ともあれそれら苦行を乗り越える際に「憧れだけではダメ」である事を知ったゆめは――
「だって私は私だから!」
自らの輝きを追い求める事で世界一のアイドルを目指すに至った。そう語るゆめの輝きにアリスちゃんは目を奪われ、さらに強い励まし「夢があるなら終わらせちゃダメ!」を受けて瞳の光を取り戻すのでした。などなど1stからの流れが集約されたこのシーンにおっさんはしみじみしてしまったよ。ゆめ立派になったなあ。

そんなこんなで「パーフェクトクイーンお得意様パーティ」当日、ゲート設営のセーラーマンズは力の源ほうれん草をかぶりつき…と思ったら真昼が「いいえ小松菜よ」と即ツッコんで大笑い。目が良いな!(笑。などとコマいコントを済ませると会場設営に忙しい船内へシーンを移し、居合わせたレイさんへエルザ様についてインタビューする流れに。
「レイさんにとってエルザさんはどんな人ですか?」
「う~ん…一番星?」
するとレイさんは「あるモデルの話」と断りながらエルザ様の人と形を語り始めます。まあ第56話での描写を思い返すまでもなく本人の話なのですがあくまで「あるモデル」のテイで。幼少期から文武問わず何でも出来ちゃった女の子は勧められるままモデルになっても特に苦もなく絶賛を浴び…しかしある日出会ったエルザ様にいきなり全否定されてしまいます。
「退屈なステージね。志も無い情熱も無い…あなたモデルとして最低よ」
「でもあなたの中には輝きがある」
「私と一緒にいらっしゃい。あなたをパーフェクトにしてあげる」
器用さゆえの乾いたココロと内なる才能を鋭く見抜かれ射貫かれた。ここは刺激なく醒めた日々に突然起きた衝撃&衝動的にエルザ様に惹かれるモデル少女の心理がよく伝わる演出でした。エルザ様が映り込んだ瞳=少女の瞳にはもはやエルザ様しか映っていない的な演出も効いてます。そして言うまでもなく高橋作監によるエルザ様が超美人。氏お得意のツリ目の美しさは彼女が持つ絶対の自信を際立たせ、すなわちこんな瞳で誘われたら四の五の言わず付いて行っちゃうだろうと妙に納得してしまった。とはいえ二人手を取り光へ向かうハーモニー演出は少々クドかったかも(笑

続いてテーブル準備に忙しい小春ちゃんへのインタビュー。すると小春ちゃんはダメなデザイン画を破り捨てられるほどの厳しさを語りつつ、しかしその厳しさは仕事への甘えを見抜かれた上と判っていて、また妥協なき厳しさゆえにエルザ様の言葉は全て「本物」と判っている。だから頑張れる。そう語る小春ちゃんの煌めく瞳をゆめは笑顔で讃え…ってなやり取りを見ていたアリスちゃんは自分の姿を振り返り至らなさに気付いたのでしょう。とはいえ小春ちゃんの語り口だと日頃は鞭で打ちつつたまに飴を与える人心掌握法みたいな印象もあって少々モヤってしまったり。カリスマ的存在へ師事する人の精神状態の典型例ではありますが描写の仕方がほとんど宗教みたいな。まあこのテのパターンでは大なり小なりこういう心理が働くものだけれど、エルザ様にあまりに心酔しすぎていて危うさを感じなくなくも(略。どーでもいいけどデザイン画を破り捨てるエルザ様の後姿がまたしても全裸痴女で困った。シビアなシーンのはずなのに小春ちゃんの驚き顔が別の意味に取れてしまう(笑

会場準備が整うとお客さんが入ってパーティがスタート。エルザ様直々の開幕挨拶では背後で飛沫を上げる荒波演出が強烈でした。ここから想像するにエルザ様は相当な荒波を越えて今に至ったのでしょう。パーフェクトクイーンを纏う者の生き様を示す凛々しい姿にゆめたちは思わず惹き込まれ――
「突き進むのです! パーフェクトな自分を目指して!」
というわけでエルザ様のソロステージが始まります。曲は早くも3回目であるエルザ様の持ち歌「Forever Dream」でしたが…瞳が光る登場カットで「おっ!?」となり、その後始まった曲ムービーもほぼ全編改修された新映像で感激。やはりアイカツのライブムービーはこうでないと。カメラワーク変更に合わせて視線が再調整されていたり表情描写がブラッシュアップされていたり、サビ入りのエフェクトがド派手になっていたり、パーフェクトアイドルのさらなる進化を感じさせるステージでした。お得意様パーティだけにステージ面のブランドロゴがより強調されてた?

「私、船を降ります」
「全力でアイカツしてエルザ様に負けないアイドルになります!」
ステージを終えてロビーへ戻ったエルザ様へアリスちゃんの力強い叫び。エルザ様の凄さを再認識した上で「負けないアイドルになる」と思い至った彼女の瞳はキラキラと輝き、対するエルザ様は生まれ変わったように輝きを取り戻したアリスちゃんに驚き…かと言って引き留める訳でもなく、自分が下した判断を飲み下すように「ごきげんよう」と静かに去るのでした。しかし自分が見切った輝きをゆめが取り戻したという事実にはさすがのエルザ様も何かを感じたらしく、自分と違うやり方で人を輝かせたゆめの力を確信して締め。ひめ様招聘の餌だったゆめを本格的に認め始め、片やゆめはエルザ様を身近に感じ始めた風もあり、ツバサを巡る今後の成り行きが非常に楽しみになってきました。
退学を告げられて泣き崩れるだけだった弱い子はもういません。宣言どおりエルザ様を越えるようなアイドルになっていつか本編へ戻ってきてほしい。平たく言うとアリスちゃんをまた見たい。しれっと四ツ星に入らないかな(笑
アリス・キャロル
出身:フランス
2016.4 ヴィーナスアーク入学
2016.4 Ecole etoile 途中退学
2010.4 Ecole etoile 入学
ちなみにモニタへ映し出されたアリスちゃんの履歴。登場シーンにて「一年生」と言っていましたが、履歴によれば入学が昨年4月(売上グラフを見てもおそらくそう)なのでヴィーナスアークへは小六時に入学したのだろうか? しかしすると前の学校(小学校)へ入学した年と計算が合わない…国によって学制が違う?と思ってちょっとググってみたらフランスは初等(小学校)5年制・中等(中学校)4年制との事で余計計算が合わない。ううむ。Ecole etoile(エコールエトワール=星の学校)ってネーミングは素敵なんだけど。
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夢があるなら諦めちゃダメ。

今回は旧アイカツ!恒例の1日マネージャー回やスターズ1st第11話でのひめ様密着話の流れを汲む密着シリーズ最新版、作品世界に君臨するトップアイドルの日常に触れる事で主人公が意識を新たにする的なお話であります。これまではぺーぺー主人公と絶対王者の差が意識変化の呼び水になってきたわけですが、スターズ2ndでは主人公が既にある意味トップアイドルなので付き人扱いでは何かと不自然、というわけで今年はS4TVの取材のテイで当面の頂点・エルザ様へ密着となりました。まあS4TVへ「エルザ様の好きな食べ物やプロフィール」への問い合わせが殺到!という前提は結構無理くりな気がしましたけれど。
その一節を描くアバンではお怒りあこにゃんこ&キメセリフを取られてぐぬぬ顔のローラがかわいい。S4の番組なのに来る手紙がエルザ様関連ばかりではあこの怒りもご尤も、いくらTVで話を振ったと言っても視聴者の興味がエルザ様一辺倒ではS4人気の凋落を危惧してしまうトコです。そんな中でライバルの宣伝を買って出るゆめ。常識派の真昼&ローラはその提案に驚き、対してフリーダムなゆず先輩は面白がって賛成してる辺りそれっぽい。というか「面白いじゃない!」はローラ以外が言った方が面白くなってきた(笑
そんなこんなでエルザ様へ取材の旨を伝えると二つ返事で快諾されて前振り完了。ライバル校を堂々と取材するゆめに対し、手の内を全く隠さないエルザ様も大概大物です。ってな大物っぷりを示すエルザ椅子の大きさ…立派な椅子は権威の象徴とはいえ少々デカすぎるような?(笑。そういや今回は開始数カットを見ただけで判る高橋作監回、エルザ様の美人度が高まって私の期待も高まります。

夜明け前の早朝っからデッキに集まりさっそく取材開始! 朝っぱらから元気なゆめに対して大あくびのローラがかわいい。S4じゃないのに取材仕事に駆り出されるとは今年の幹部は大変です。どーでもいいけど「S4TVの取材」として入ってるのだからここはS4ルックじゃないと不自然なのでは?とちょっと思った。まあ作中のS4TV視聴者的には留学先の制服姿を見られて新鮮かも。
さてひめ様の例に倣って早朝から張っていたもののエルザ様はサッパ現れず、執事氏の超絶食器並べや船員たちの水揚げ風景に驚くばかり…例の高速艇ではなく停泊中のヴィーナスアークから直接釣り上げているのか。カツオが釣れるマリーナって凄い(笑。そして同じ顔のセーラーマンズを訝しがっているトコへ今回案内役のアリスちゃん(CV.田中貴子)が登場、ふわっふわの髪と無垢な笑顔が非常にかわいらしいヴィーナスアークの一年生です。フランス人なのに日本語も堪能です(それを言うたら
「肝心のエルザさんはいつ起きてくるの?」
「判りません。エルザ様がいつ起きるのか判るのはエルザ様のみです」
ほどなく夜が明けレイさん&きららを先頭に朝カツが始まってもエルザ様は現れず、ってなトコでローラが問うた起床時間に対する答えがじつにいい感じでした。もうこのヒトコトでエルザ様の絶対性&それを当然のように受け止めている生徒たちの信奉度が伝わってきます。アリスちゃんの上品な物腰もハイソ感が滲み出ていて良い良い。そんな船内空気を極めてナチュラルに表す言葉選びの上手さはさすが成田氏か。
「これくらいしかお役に立てないですから…」
続いて現れた小春ちゃんはデザインの課題に追われて合流できずゴメンナサイ。するとゆめは案内役のアリスちゃんへ笑顔を振り…この時見せた一瞬の陰り&呟きがまさかあんな事態に繋がっていくとは。

ようやく起き出したエルザ様を追って取材スタート。まずは恒例のモーニングステーキから。庶民に馴染みがない食習慣を目の当たりにしたゆめはさっそく興味津々に――
「朝食でステーキなんて凄いボリュームですね。何か理由があるんですか?」
「理由はただ一つ、私が食べたいからよ」
「お~! わかりやすい!」
「そこ褒めるとこ?」
朝から良質の蛋白質を~みたいな理屈ではなく単に「食べたいから」、なるほどエルザ様クラスになると理屈が後から付いて来るのか。ゆめのリアクションにジト目のローラがいい味でしたが「わかりやすい」は別に褒め言葉じゃ無いだろうに。その隣で真顔で見つめる真昼の生真面目っぷりも良い。ローラはゆめを、真昼はエルザ様を注視しているって事でもあります。などなどこの二人は上手くコントラストを生み出していますね。続いて差し出されたサラダへ一瞬躊躇するエルザ様…判りやすく野菜嫌いです(笑。それでも渋々ながらきちんと食べてる辺り判断基準が好き嫌い一辺倒ではない事を示唆している? まあそこまでの意味は無いにしろパーフェクトを標榜するエルザ様の人間味がチラリと窺え、気付いたゆめが軽く笑顔を浮かべる=親近感を覚えるヒトコマも意味ありげ。この振りは後々使えそうです。
その後ヴィーナスアーク首脳組はお茶をシバきつつ業務会議を開始、と言っても会議の中身は全てエルザ様からのトップダウンで部下二名は大将の指示を仰ぐだけ。その風景をしてアリスちゃんは――
「ヴィーナスアークではエルザ様の言う事が絶対ですから」
箱単位で送られてきた非公式入学願書を一瞥もせず処分の指示。すると仰せの通り処理を遂行するシザーマン執事氏。何者!? ともあれ少女たちの憧れを無下に断ち切る非情さに取材陣は一様に抗議、しかしヴィーナスアークは元々生徒募集をしておらず、勝手に送りつけてきた手紙を読む道理は無いと一斬。
「この船に乗れるのは私がスカウトしたアイドルだけよ」
ヴィーナスアークの物事は徹頭徹尾エルザ様の意向で決まる。絶対的頂点である自信と威厳を表すヒトコトであります。その信念に妥協は無く、無用な情けも掛けない。

「アリス。あなた船を降りなさい」
「本日をもってあなたはヴィーナスアークを退学とします」
ってなトコで突然の退学宣告を受けるアリスちゃん。はたしてその理由はレイさんが示したグラフのとおりブランド売上急降下&人気最下位との事で…結果の数字が全てというシビアなやり方はいかにも欧米企業(?)っぽく、日本人的には非情に映る=激しく異議を唱える四ツ星組に同調したくなりますが。
「実力が無ければステージを降りる…プロとはそういうものでしょ?」
こう言われてしまうとグゥの音も出ません。もちろんアリスちゃんもそれなりの努力をしてきたとは思いますが、グラフの傾きを見る限りでは努力が結果に結びついていないわけで、これをして「輝きを失った」と判断されても仕方ないとも思ったり。むしろ人気最下位のまま続けていても互いのためにならず、見切りを付けるなら早い方が良いと判断した節もありそう。その一部始終をカメラに収めたローラの言葉「全部撮ってますよ?」など鼻にも掛けず自分を通すエルザ様の揺るがなさが凄い。まあこれほどの信念があればこそ生徒たちの絶対的な信頼を得ているのでしょう。
「ヴィーナスアークは私の憧れでした。エルザ様のようになりたくて…」
さて突然の退学宣告に泣き崩れていたアリスちゃんは四ツ星組と共にデッキへ出て暫しお話。涙ながらにこれまでの経緯や自分の思いを語るアリスちゃんへローラ&真昼はヴィーナスアークのやり方を厳しく批判。
「入学希望者は門前払いで所属アイドルも容赦無く切り捨てるなんてひどい!」
「四ツ星学園とは違いすぎるわね…」
ところがゆめの考えは二人と違っていました。
「そうかな? やり方は違うけどプロとしての気持ちは凄く似てると思うな」
これまで何度も退学の瀬戸際を味わった、プロの厳しさを身を以て知る者ゆえの言葉はなるほど説得力があります。数々の苦行は学園長の親心によるものとはいえ、渦中のゆめ的には正しく退学(=アイドル廃業)の危機だったわけですから。対して入学当初から才能に溢れていたエリート組のローラ&真昼はいわゆる「背水の陣」の経験が無い(崖っぷちアイドルの現実を知らない)だけに、真正面から現実を突き付けるヴィーナスアークのやり方に反感を持ったのでしょう。ともあれそれら苦行を乗り越える際に「憧れだけではダメ」である事を知ったゆめは――
「だって私は私だから!」
自らの輝きを追い求める事で世界一のアイドルを目指すに至った。そう語るゆめの輝きにアリスちゃんは目を奪われ、さらに強い励まし「夢があるなら終わらせちゃダメ!」を受けて瞳の光を取り戻すのでした。などなど1stからの流れが集約されたこのシーンにおっさんはしみじみしてしまったよ。ゆめ立派になったなあ。

そんなこんなで「パーフェクトクイーンお得意様パーティ」当日、ゲート設営のセーラーマンズは力の源ほうれん草をかぶりつき…と思ったら真昼が「いいえ小松菜よ」と即ツッコんで大笑い。目が良いな!(笑。などとコマいコントを済ませると会場設営に忙しい船内へシーンを移し、居合わせたレイさんへエルザ様についてインタビューする流れに。
「レイさんにとってエルザさんはどんな人ですか?」
「う~ん…一番星?」
するとレイさんは「あるモデルの話」と断りながらエルザ様の人と形を語り始めます。まあ第56話での描写を思い返すまでもなく本人の話なのですがあくまで「あるモデル」のテイで。幼少期から文武問わず何でも出来ちゃった女の子は勧められるままモデルになっても特に苦もなく絶賛を浴び…しかしある日出会ったエルザ様にいきなり全否定されてしまいます。
「退屈なステージね。志も無い情熱も無い…あなたモデルとして最低よ」
「でもあなたの中には輝きがある」
「私と一緒にいらっしゃい。あなたをパーフェクトにしてあげる」
器用さゆえの乾いたココロと内なる才能を鋭く見抜かれ射貫かれた。ここは刺激なく醒めた日々に突然起きた衝撃&衝動的にエルザ様に惹かれるモデル少女の心理がよく伝わる演出でした。エルザ様が映り込んだ瞳=少女の瞳にはもはやエルザ様しか映っていない的な演出も効いてます。そして言うまでもなく高橋作監によるエルザ様が超美人。氏お得意のツリ目の美しさは彼女が持つ絶対の自信を際立たせ、すなわちこんな瞳で誘われたら四の五の言わず付いて行っちゃうだろうと妙に納得してしまった。とはいえ二人手を取り光へ向かうハーモニー演出は少々クドかったかも(笑

続いてテーブル準備に忙しい小春ちゃんへのインタビュー。すると小春ちゃんはダメなデザイン画を破り捨てられるほどの厳しさを語りつつ、しかしその厳しさは仕事への甘えを見抜かれた上と判っていて、また妥協なき厳しさゆえにエルザ様の言葉は全て「本物」と判っている。だから頑張れる。そう語る小春ちゃんの煌めく瞳をゆめは笑顔で讃え…ってなやり取りを見ていたアリスちゃんは自分の姿を振り返り至らなさに気付いたのでしょう。とはいえ小春ちゃんの語り口だと日頃は鞭で打ちつつたまに飴を与える人心掌握法みたいな印象もあって少々モヤってしまったり。カリスマ的存在へ師事する人の精神状態の典型例ではありますが描写の仕方がほとんど宗教みたいな。まあこのテのパターンでは大なり小なりこういう心理が働くものだけれど、エルザ様にあまりに心酔しすぎていて危うさを感じなくなくも(略。どーでもいいけどデザイン画を破り捨てるエルザ様の後姿がまたしても全裸痴女で困った。シビアなシーンのはずなのに小春ちゃんの驚き顔が別の意味に取れてしまう(笑

会場準備が整うとお客さんが入ってパーティがスタート。エルザ様直々の開幕挨拶では背後で飛沫を上げる荒波演出が強烈でした。ここから想像するにエルザ様は相当な荒波を越えて今に至ったのでしょう。パーフェクトクイーンを纏う者の生き様を示す凛々しい姿にゆめたちは思わず惹き込まれ――
「突き進むのです! パーフェクトな自分を目指して!」
というわけでエルザ様のソロステージが始まります。曲は早くも3回目であるエルザ様の持ち歌「Forever Dream」でしたが…瞳が光る登場カットで「おっ!?」となり、その後始まった曲ムービーもほぼ全編改修された新映像で感激。やはりアイカツのライブムービーはこうでないと。カメラワーク変更に合わせて視線が再調整されていたり表情描写がブラッシュアップされていたり、サビ入りのエフェクトがド派手になっていたり、パーフェクトアイドルのさらなる進化を感じさせるステージでした。お得意様パーティだけにステージ面のブランドロゴがより強調されてた?

「私、船を降ります」
「全力でアイカツしてエルザ様に負けないアイドルになります!」
ステージを終えてロビーへ戻ったエルザ様へアリスちゃんの力強い叫び。エルザ様の凄さを再認識した上で「負けないアイドルになる」と思い至った彼女の瞳はキラキラと輝き、対するエルザ様は生まれ変わったように輝きを取り戻したアリスちゃんに驚き…かと言って引き留める訳でもなく、自分が下した判断を飲み下すように「ごきげんよう」と静かに去るのでした。しかし自分が見切った輝きをゆめが取り戻したという事実にはさすがのエルザ様も何かを感じたらしく、自分と違うやり方で人を輝かせたゆめの力を確信して締め。ひめ様招聘の餌だったゆめを本格的に認め始め、片やゆめはエルザ様を身近に感じ始めた風もあり、ツバサを巡る今後の成り行きが非常に楽しみになってきました。
退学を告げられて泣き崩れるだけだった弱い子はもういません。宣言どおりエルザ様を越えるようなアイドルになっていつか本編へ戻ってきてほしい。平たく言うとアリスちゃんをまた見たい。しれっと四ツ星に入らないかな(笑
アリス・キャロル
出身:フランス
2016.4 ヴィーナスアーク入学
2016.4 Ecole etoile 途中退学
2010.4 Ecole etoile 入学
ちなみにモニタへ映し出されたアリスちゃんの履歴。登場シーンにて「一年生」と言っていましたが、履歴によれば入学が昨年4月(売上グラフを見てもおそらくそう)なのでヴィーナスアークへは小六時に入学したのだろうか? しかしすると前の学校(小学校)へ入学した年と計算が合わない…国によって学制が違う?と思ってちょっとググってみたらフランスは初等(小学校)5年制・中等(中学校)4年制との事で余計計算が合わない。ううむ。Ecole etoile(エコールエトワール=星の学校)ってネーミングは素敵なんだけど。
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