2017-06-16(Fri)
アイカツスターズ! #61 好き!ってキモチ
念願だったすばる君との共演でNG連続!?

恥ずかしすぎて無理ですわ!


「父上、母上、私行ってきます…」
ファーストカットは海をバックに涙目で呟くあこ、いったい何が? と思ったらいつもの監督さんの「カーット!」の声…というわけで今回は劇組トップのあこにゃんこ久々の女優ネタであります。これの前の女優ネタっていつだっけ? と問われたらパッと思い付かないくらい久々かも。さすが名女優あこにゃんこは撮影を一発でキメ、ロケバスの中で次回撮影の台本をチェックチェック! すると――
「こ…これは…すばるきゅん!?」
「はぁん! 嬉しすぎますわ!!!」
キャスト欄に愛しのすばるきゅんの名前を見つけるといきなりテンションフルゲージ突破! しかし次の瞬間ふっと我に返ってオホホと猫を被る辺りあこらしく…すばる君を好きな気持ちを(本人的には)必死に隠している=大胆な割りに恥ずかしがりのあこが自分の感情に振り回されながらも一歩踏み出すドタバタ話の前振り完了、見ているこっちは既にニマニマが止まりません。そういえばあこ回は作画に恵まれる事が多いけれど今回も鈴木萌氏作監って事でご覧のとおり冒頭からかわいさ全開、ほんと普通にしていれば超美少女なんだよね。その分崩れた時の破壊力も相当だけれど(笑


Aパート冒頭はさっそく次回の撮影スタジオ。ホン読み中のあこの所へ共演者ゆめが現れ、会話の流れから今回撮影するドラマ「アイドルはマーメイド!」の概要をチラリ…人間のスーパーアイドルに憧れた人魚姫が陸に上がってアイドルを目指す物語との事ですが、月を背負った黒マントのシルエットや、アイドル衣装で岡持を持って駆けるカットなどなど何やら昭和のドラマっぽくて思わずニンマリ。やはり駆け出しアイドルはラーメン屋でバイトするのか! 控え目な貝殻ビキニもかわいらしい。しかしアイカツシリーズの劇中劇って全体的に昭和っぽくない?
「そのスーパーアイドル役が俺って事だよな」
そんな話をしていたトコへすばる君が登場。現れた途端に表情が変わり、蕩け顔から好き好きオーラ全開に。社長役のメガネ君が来ても、すばる君がゆめと話し始めても、あこの視線は一点から動きません。これだけ見つめられて何も気付かないすばる君も大概です(笑。ほどなく始まった撮影ではかなた君との事務所シーンやゆめとのレッスンシーンを一発でクリアし順調な滑り出し、名女優あこの演技力を見せ付けていたのですが――
「次はついにすばるきゅんとのシーン、最高の演技を見せますわ! うふふふ…」
いよいよ愛しのすばる君とのシーンが巡ってきて静かに(?)燃えるあこ…ってな様子に冷や汗を見せるすばるきゅんが良い味。こわっ(笑。取って食らう勢いで燃え上がる様子からしてさぞ情熱的な演技に? 気持ちが入りすぎてNG連発? と思いきや。

ところがいざ撮影が始まってみたらあこにゃんこの変顔大会が絶賛開幕(笑。すばる君の顔を見ただけで真っ赤になってしまい、セルフは出て来ず出るのはくしゃみ、緊張のあまり歩きもギクシャク、結局38テイクやり直してもマトモな演技ができず撮影中断→延期となってしまいます。あらら。念願だった共演なのにいざ本人を前にしたら何もできない、普段の強気から一変した繊細なオトメメンタルにニマニマが止まらないけれど、憧れの人の目の前で醜態を晒してしまった「女優・早乙女あこ」としては自身の不甲斐なさにがっくり肩を落とすのみ。夕陽の影でしょんぼり落ち込むカットも効いてます。
「すばるが相手だからって演技できないようじゃ女優向いてないんじゃね?」
ってなトコへふと現れたかなた君のキツいヒトコト。彼はあこが落ち込んでいる所を狙いすましたように現れます(笑。よほどあこを気に掛けているのでしょう。ひょっとしたらわざと挑発的な事を言って元気を取り戻してほしかったのかもしれませんが…痛いトコをズバリ突かれたあこ的には感情的に反発するしか。言うだけ言って立ち去る背中へ全身で叫ぶカットは動きも声もあこの感情が良く乗り、対するかなた君の表情を見せないレイアウトもベタながら秀逸。冷徹の裏側で言い過ぎを後悔している? こちらはこちらで捻くれたオトコゴコロが窺えます。ああもうこういうの大好物。

「もうこんな事はこりごり…実家に帰ろう…私にはアイドルの素質なんて無いもの」
「え~~っ!」
シーン変わって四ツ星の東屋。一人沈んだあこは俯きながら穏やかじゃない事を呟き、ってな言葉を柱の影で偶然聞いてしまった朝陽くんは大変!…という流れから勘違い騒動が始まります。しかし朝陽くんは何故そんなトコに?(笑。勘違いした朝陽くんがその場を駆け離れた次の瞬間あこの電話が鳴り、カットチェンジで朝陽くんからの電話報告を受けた真昼&ローラが顔色を変え、ってなトコで急いで出掛けるゆめをチラリと映すすれ違いの組立には感心しきり。ケータイが普及して以来いわゆる「すれ違い」を描くのが難しくなってきましたが、このように焦りと緊迫の勢いでいつの間にかすれ違ってしまう流れは自然で良く出来ていたと思います。
「やっぱり無理ですわ…すばるきゅんと演技の特訓なんて…」
「大丈夫、私が付いてるって!」
さてゆめが急いで向かった先ではあこが待っていて、ほどなくすばる君&かなた君がやってきて、傍目にはWデートの様相に。まあ集まった目的はあこのセリフのとおりだけれど、この時点から意識しまくりのあこがかわいすぎて見ているこっちもどうかなりそう。頬を染めて耳打ちするあこに対してどーんと構えるゆめが妙に頼もしい(笑。そーいやオフショルダーのあこ私服もかわいかったけれど、ゆめのぱっつんぱっつんパンツルックが(以下自重
「四人一緒なんてどういうこと?」
「何かありそうね」
ってな様子を階段上の植え込みからロックオンする二人が良い味出しすぎててたまらない(笑


引き続きゆでダコ状態(笑)で落ち着かないあこ、事情がよく判っていないすばる君、その他一名を引き連れたゆめは一人張り切り…何だか田舎の世話焼きおばちゃんみたいな(笑。すばる君との演技特訓というテイの集まりでしたが本丸は「仲良くなる」こと、言い換えればすばる君が好きすぎて固まってしまうあこに慣れてもらうためのセッティングであります。しかし視聴者的には各キャラの好意ベクトルが判っているため歯がゆいというか微妙に切ないというか。ともあれ件の世話焼きおばちゃんはアクセサリ露天を見つけて駆け寄り、真珠のネックレスに絡めてメリッサ役の練習を勧めます。こんな往来で!
「すばるきゅんの前で恥ずかしい…けどできないとあいつにまたバカにされそう」
一方あこは恥ずかしさよりもかなた君への意地が優る、すなわち何だかんだ言いながらしっかり意識しちゃってる辺りニマニマが止まりませぬ。ああもう! そんなあこの演技を見たすばる君は「さすが姫!」と笑顔で褒め、一方愛しの君から直球で褒められたあこはこの表情であります。かわいいなあああ! ああもう!(こればっか
「お姫様!?」
「確かにあこの上品な雰囲気は普通じゃないと思ってた」
「よく考えたらあこの家の事何も知らないし…」
さて四人を追う探偵二名は露天のおばちゃんへ聞き込み開始。読書しながらの店番で会話をロクに聞いていなかったおばちゃんはあこが語ったメリッサのセリフをそのまま伝え、一方予想外の外の話をいきなり聞かされた真昼たちは唖然ボーゼン…レギュラーキャラの中で唯一家庭事情が描かれていない事がまさかこんな形で活かされるとは(笑。ってな話を真に受けて真剣に思い悩む流れは生真面目な二人のキャラあってこそかもしれない。この二人はホント独特の良い味を出してくれます。しかしこれはまだまだ序の口(笑
「は~~~っ!」
そんな停滞を打破すべくキッと目を見開き瓦を割る真昼。往来でいきなり何を!(毎度。でも今回は後片付けを考えてかブルーシートが敷かれていて笑った笑った。いきなりの試割りに腰抜かしてるおばちゃんも芸コマでした(笑。そーいや今回はこれまでと違って正拳突き、試割りバンクにまたバリエーションが。
「わ~お、まさかキミたち恋しちゃった感じ? あは」
するとシーンがパッと変わって幸せそうな顔で柵の羊と顔をすり寄せ合うキャロラインをチラリ。恋の表情は羊も人も変わらない? なーんて意味深なカットでAパート引き。

CM明けてBパートはスワンボートに乗り込むみなさんから。すばる君の隣で猫を被ってちんまり座るあこにゃんこへかなた君が海のシーンの練習を提案、するとあこは露骨にイヤな顔をするもののすばる君が勧めるや稲や満面笑顔でオケオケオッケー…何とまあゲンキンな(笑。一方後を追う真昼たちが手漕ぎボートに乗って追跡って辺り絶妙な仕込みでした。ここでスワンに乗っちゃうと追跡がバレちゃう上に影からの盗み聞きができませんから。ボート漕ぎが苦手なお嬢様ローラに代わってフルパワーの真昼おそるべし!
「私は姫、自由に生きる事もできないの?」
「みんなごめんなさい…私アイドルを辞めます」
というわけでスワンの影から肝心なトコだけ聞き取った二人は衝撃の告白に大慌て→思わず立ち上がってバランスを崩し→揺れたボートがスワンに当たってあこが倒れ込み→すばる君との不意な急接近に波動エンジンが急速臨界→水飛沫を上げてボートから離脱というピタゴラ装置ばりの綺麗なコンボが決まります(笑

「さっきのキャロラインも同じ顔してたよ? あなたのこと好き好きって」
桟橋に帰ってようやく落ち着いたあこへすばる君が声を掛けると超反応、こういうヒトコマからも恋するオトメの繊細さが伝わってきてニマニマが止まらない。ってなトコへ現れたきららに「デート?」と訊かれ、先のキャロラインに絡めて恋心をズバリ指摘されたあこは再びレッドゾーンを突破!
「はっ! あこ!」
真っ赤になって駆け出すあこの叫びと砂塵(笑)で意識を取り戻した真昼は追跡の手を再び。ここはひっくり返って目を回してるローラがかわいすぎた。
「ただいまです、朝陽先輩!」
「小春ちゃん? 小春ちゃんだ!」
続いて真昼に呼び出されてやってきた朝陽くんと偶然行き会った小春ちゃんの再会シーン。小春ちゃんを見るなりいきなり抱きつこうとする朝陽くんはさすが見境無くハグっちゃう夜空様の家系? ところがその瞬間に現れた真昼の峰打ち(笑)によってあえなく撃沈、まあ騒ぎの元凶として当然の報いかもしれない(笑。ってなトコへ駆け付けたローラは真昼と共にあこを追うため早々に掃け…現場に残った二人は投げっぱなしか! 優しい小春ちゃんが朝陽くんを放って帰るはずがないので…朝陽くんが目を覚ましたら小春ちゃんの膝の上だった、みたいなベッタベタドラマを見たかった。
これらすれ違いは言ってしまえばメールor電話で簡単に解決する話だけれど、絶え間ないドタバタのスピード感によって「その考えに至らない事」が伝わってくるため前述のとおり結構ナチュラルにドキハラゲラゲラ見られました。また勘違い要員が猪突猛進な生真面目キャラってのも上手い配役だったと思います。事が事だけにあの二人なら勘違いしたまま突っ走っても不思議ではありません(笑


シーンは一転して静かな森のステージへ。大好きなすばる君の前で緊張しないなんてムリムリムッリー!と俯くあこ、ってなトコへかなた君が現れて何か言いかけた刹那――
「アイドル辞めるなんて言わないで!」
「あこがいなくなっちゃうなんて考えられないよ!」
「私たちあこが大好きなの!」
植え込みの中から飛び出してきた真昼&ローラは縋り付くようにあこを引き留め、一方突然そんなん言われたあこは目を丸くして驚くばかり。勘違いと判っている神視点からすれば極めて滑稽なヒトコマですが、先のとおり二人の生真面目さを鑑みると動揺しきって形振り構わず必死に縋る姿は極めて自然で率直にココロへ迫ってきます。本当の本当にあこが大好きなんだよね。特に真昼はお姉ちゃんとの一件があるだけに意図せぬ別れに免疫が無いのかも。
「こんな所で何してるの?」
「何してるのじゃないよ!」
「知ってるならどうして教えてくれなかったの!?」
ってなトコへ呑気に現れたゆめへマジギレする生真面目二人のリアクション&やり取りにニマニマを禁じ得ない。カメラが切り替わって「何の事?」「何の事じゃないわよ!」「そうだよ!正直に言って!」と詰め寄る二人がまた熱演で、事情を知らないゆめとの温度差が頬の緩みを増幅したり(笑。そのままあっさりネタバラシされると胸をなで下ろす真昼&ローラ、勘違いを照れ笑いしながら安堵する横顔には見ているこっちまでホッとしちゃいます。そんな勘違いクリアのヒトコマに重ねて――
「別に好きだって気持ちは恥ずかしいものじゃないだろう?」
「むしろ大事なことなんじゃねえの?」
人を好きになる事の是非を語るかなた君。全身で「好き」をぶつけてきた真昼たちを恥ずかしいと思う? それはすばるを好きなお前を周りがどう見るか?と同じ事だよ。その気持ちを隠そうとするから無理が生じて上手くいかない、もっと素直になれよ甘ちゃん…今回のドタバタ劇を総括した、捻くれ子猫の意識を変えるかなた君の率直な言葉は限りなく優しかった。あこをよく見てるなあ、切ないなあ。誰かを好きになる事は決して恥ずかしくなく大切で素敵な事ってのは少女マンガの永遠のテンプレなれど、本シリーズでこれほど真正面から扱うとは結構意外でした。ここからもう一歩進んで「憧れ」と「恋心」の違い、さらに入り組んだ恋愛ベクトルの整理(笑)まで行くのかしらん? 1stからの地味~な仕込みがぼちぼち花開いて来そう?
まあ下世話な事を言うと「女性アイドルが仲間を『好き』」というのと、「女性アイドルが男性アイドルを『好き』」というのは意味と重みが全く違うんですけどね。これを同じ意味&重みとすると別ベクトルで危ういお話になってしまいますし(笑。ともあれ一皮剥けたあこはすばる君との例のシーンを一発でクリアし、残るはゆめとのデュオステージ…今回はドラマ回の流れだと思っていたのでこれは嬉しい誤算でした。しかも久々の新曲です!

恒例のフィッティングキメ比較、あこステージの直近第46話との比較です(左列が第46話、右列が第61話)。パッと見だと☆が散るタイミングや髪の揺れが僅かに違う程度ですが、よーく見ると口が一回り小さくなってキバが生え、キメ顔は瞳が僅かに移動しています。このほんの僅かな修正で表情が結構違って見える辺り描線1ピクセルの攻防を感じたり。あこのモデリングは元々良かったけれどさらに自然になったような。

というわけで始まったステージは「ハッピー☆パンチ」、作詞:tzk氏、作曲:石松領平氏、編曲:山崎佳祐氏、歌唱はキャラどおり せな・みきさんです。石松氏はスターズ初参戦、編曲の山崎氏は前カツにて「フレンド」「ハロー・ハロー」を手掛けた方であります。歯切れの良いダンサブルなメロ&アレンジはこの二人にジャストマッチで、また曲調によく合ったキレの良い振り付けも相まって非常に楽しくかわいらしいステージとなりました。というかこんなダンス全振りのステージを歌&劇組にサラッとやられちゃ舞組の立場が無いよ(笑
ドールハウスのようなステージセットにパステルカラーの二人が現れ、徐々に盛り上がるイントロに乗って笑顔のダンスがスタート。8ビートに裏を乗せたドラムパターンがいきなり気持ち良くノリノリ、ヒップホップっぽい軽やかな振り付けも楽しげで一気に引き込まれます。Bメロ入りでアイドルオーラが発動すると画面は一気にキラキラとなり、サビ入り後はアクションに合わせたエフェクトが盛り盛り。ハンドクラップに合わせたエフェクトはSTARDOM!でも見られましたが、今回は音ときちんと合っていてストレスフリーになりました(STARDOM!の同カットはほんの僅かズレててモニョる)。
サビの盛り上がりにシンクロしてダンスもさらにノリノリに、歌詞のフルーツに合わせたエフェクトもかわいらしく、締めの「チェリーメロメロメロン、パンチ!」もキマっていました。絶え間なく踏まれるステップ&振り付けのダンスモーションも淀みなくキレキレ、なれど1ピクセルのズレの無い完璧なシンクロはアイカツムービーらしくなかったかも。完全シンクロに見えて実は僅かにズレている(各キャラの動きが独立している)というリアリティこそ本シリーズムービーの真骨頂だと思っていたので。とはいえこれほどキレキレのダンスモーションは1人分作るだけで大変でしょうし、表情差分やカメラワークの妙によって文明堂カステラ感をほとんど感じなかったので良しとしましょうか。たくさんのフルーツに囲まれたSpAから曲締め、するとステージがパッと閉じてプレゼントボックスへ。おおお! 本当にドールハウスだったのか!(笑

「今日のお前、今までで一番いいんじゃない?」
「そっ、そんなこと、言われなくてもわかってますわ! べ~~~っ!」
ステージ後のスタジオ通路に現れたかなた君はあこの演技を素直に褒め、一方あこは憎いあんちくしょう(笑)から不意に褒められて素直になれず舌を出し…彼が立ち去った後の表情変化が全てを語って今回の締め。このラストカットだけで丼飯三杯いけそうです。ああもう!(何回目だ
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恥ずかしすぎて無理ですわ!


「父上、母上、私行ってきます…」
ファーストカットは海をバックに涙目で呟くあこ、いったい何が? と思ったらいつもの監督さんの「カーット!」の声…というわけで今回は劇組トップのあこにゃんこ久々の女優ネタであります。これの前の女優ネタっていつだっけ? と問われたらパッと思い付かないくらい久々かも。さすが名女優あこにゃんこは撮影を一発でキメ、ロケバスの中で次回撮影の台本をチェックチェック! すると――
「こ…これは…すばるきゅん!?」
「はぁん! 嬉しすぎますわ!!!」
キャスト欄に愛しのすばるきゅんの名前を見つけるといきなりテンションフルゲージ突破! しかし次の瞬間ふっと我に返ってオホホと猫を被る辺りあこらしく…すばる君を好きな気持ちを(本人的には)必死に隠している=大胆な割りに恥ずかしがりのあこが自分の感情に振り回されながらも一歩踏み出すドタバタ話の前振り完了、見ているこっちは既にニマニマが止まりません。そういえばあこ回は作画に恵まれる事が多いけれど今回も鈴木萌氏作監って事でご覧のとおり冒頭からかわいさ全開、ほんと普通にしていれば超美少女なんだよね。その分崩れた時の破壊力も相当だけれど(笑


Aパート冒頭はさっそく次回の撮影スタジオ。ホン読み中のあこの所へ共演者ゆめが現れ、会話の流れから今回撮影するドラマ「アイドルはマーメイド!」の概要をチラリ…人間のスーパーアイドルに憧れた人魚姫が陸に上がってアイドルを目指す物語との事ですが、月を背負った黒マントのシルエットや、アイドル衣装で岡持を持って駆けるカットなどなど何やら昭和のドラマっぽくて思わずニンマリ。やはり駆け出しアイドルはラーメン屋でバイトするのか! 控え目な貝殻ビキニもかわいらしい。しかしアイカツシリーズの劇中劇って全体的に昭和っぽくない?
「そのスーパーアイドル役が俺って事だよな」
そんな話をしていたトコへすばる君が登場。現れた途端に表情が変わり、蕩け顔から好き好きオーラ全開に。社長役のメガネ君が来ても、すばる君がゆめと話し始めても、あこの視線は一点から動きません。これだけ見つめられて何も気付かないすばる君も大概です(笑。ほどなく始まった撮影ではかなた君との事務所シーンやゆめとのレッスンシーンを一発でクリアし順調な滑り出し、名女優あこの演技力を見せ付けていたのですが――
「次はついにすばるきゅんとのシーン、最高の演技を見せますわ! うふふふ…」
いよいよ愛しのすばる君とのシーンが巡ってきて静かに(?)燃えるあこ…ってな様子に冷や汗を見せるすばるきゅんが良い味。こわっ(笑。取って食らう勢いで燃え上がる様子からしてさぞ情熱的な演技に? 気持ちが入りすぎてNG連発? と思いきや。

ところがいざ撮影が始まってみたらあこにゃんこの変顔大会が絶賛開幕(笑。すばる君の顔を見ただけで真っ赤になってしまい、セルフは出て来ず出るのはくしゃみ、緊張のあまり歩きもギクシャク、結局38テイクやり直してもマトモな演技ができず撮影中断→延期となってしまいます。あらら。念願だった共演なのにいざ本人を前にしたら何もできない、普段の強気から一変した繊細なオトメメンタルにニマニマが止まらないけれど、憧れの人の目の前で醜態を晒してしまった「女優・早乙女あこ」としては自身の不甲斐なさにがっくり肩を落とすのみ。夕陽の影でしょんぼり落ち込むカットも効いてます。
「すばるが相手だからって演技できないようじゃ女優向いてないんじゃね?」
ってなトコへふと現れたかなた君のキツいヒトコト。彼はあこが落ち込んでいる所を狙いすましたように現れます(笑。よほどあこを気に掛けているのでしょう。ひょっとしたらわざと挑発的な事を言って元気を取り戻してほしかったのかもしれませんが…痛いトコをズバリ突かれたあこ的には感情的に反発するしか。言うだけ言って立ち去る背中へ全身で叫ぶカットは動きも声もあこの感情が良く乗り、対するかなた君の表情を見せないレイアウトもベタながら秀逸。冷徹の裏側で言い過ぎを後悔している? こちらはこちらで捻くれたオトコゴコロが窺えます。ああもうこういうの大好物。

「もうこんな事はこりごり…実家に帰ろう…私にはアイドルの素質なんて無いもの」
「え~~っ!」
シーン変わって四ツ星の東屋。一人沈んだあこは俯きながら穏やかじゃない事を呟き、ってな言葉を柱の影で偶然聞いてしまった朝陽くんは大変!…という流れから勘違い騒動が始まります。しかし朝陽くんは何故そんなトコに?(笑。勘違いした朝陽くんがその場を駆け離れた次の瞬間あこの電話が鳴り、カットチェンジで朝陽くんからの電話報告を受けた真昼&ローラが顔色を変え、ってなトコで急いで出掛けるゆめをチラリと映すすれ違いの組立には感心しきり。ケータイが普及して以来いわゆる「すれ違い」を描くのが難しくなってきましたが、このように焦りと緊迫の勢いでいつの間にかすれ違ってしまう流れは自然で良く出来ていたと思います。
「やっぱり無理ですわ…すばるきゅんと演技の特訓なんて…」
「大丈夫、私が付いてるって!」
さてゆめが急いで向かった先ではあこが待っていて、ほどなくすばる君&かなた君がやってきて、傍目にはWデートの様相に。まあ集まった目的はあこのセリフのとおりだけれど、この時点から意識しまくりのあこがかわいすぎて見ているこっちもどうかなりそう。頬を染めて耳打ちするあこに対してどーんと構えるゆめが妙に頼もしい(笑。そーいやオフショルダーのあこ私服もかわいかったけれど、ゆめのぱっつんぱっつんパンツルックが(以下自重
「四人一緒なんてどういうこと?」
「何かありそうね」
ってな様子を階段上の植え込みからロックオンする二人が良い味出しすぎててたまらない(笑



引き続きゆでダコ状態(笑)で落ち着かないあこ、事情がよく判っていないすばる君、その他一名を引き連れたゆめは一人張り切り…何だか田舎の世話焼きおばちゃんみたいな(笑。すばる君との演技特訓というテイの集まりでしたが本丸は「仲良くなる」こと、言い換えればすばる君が好きすぎて固まってしまうあこに慣れてもらうためのセッティングであります。しかし視聴者的には各キャラの好意ベクトルが判っているため歯がゆいというか微妙に切ないというか。ともあれ件の世話焼きおばちゃんはアクセサリ露天を見つけて駆け寄り、真珠のネックレスに絡めてメリッサ役の練習を勧めます。こんな往来で!
「すばるきゅんの前で恥ずかしい…けどできないとあいつにまたバカにされそう」
一方あこは恥ずかしさよりもかなた君への意地が優る、すなわち何だかんだ言いながらしっかり意識しちゃってる辺りニマニマが止まりませぬ。ああもう! そんなあこの演技を見たすばる君は「さすが姫!」と笑顔で褒め、一方愛しの君から直球で褒められたあこはこの表情であります。かわいいなあああ! ああもう!(こればっか
「お姫様!?」
「確かにあこの上品な雰囲気は普通じゃないと思ってた」
「よく考えたらあこの家の事何も知らないし…」
さて四人を追う探偵二名は露天のおばちゃんへ聞き込み開始。読書しながらの店番で会話をロクに聞いていなかったおばちゃんはあこが語ったメリッサのセリフをそのまま伝え、一方予想外の外の話をいきなり聞かされた真昼たちは唖然ボーゼン…レギュラーキャラの中で唯一家庭事情が描かれていない事がまさかこんな形で活かされるとは(笑。ってな話を真に受けて真剣に思い悩む流れは生真面目な二人のキャラあってこそかもしれない。この二人はホント独特の良い味を出してくれます。しかしこれはまだまだ序の口(笑
「は~~~っ!」
そんな停滞を打破すべくキッと目を見開き瓦を割る真昼。往来でいきなり何を!(毎度。でも今回は後片付けを考えてかブルーシートが敷かれていて笑った笑った。いきなりの試割りに腰抜かしてるおばちゃんも芸コマでした(笑。そーいや今回はこれまでと違って正拳突き、試割りバンクにまたバリエーションが。
「わ~お、まさかキミたち恋しちゃった感じ? あは」
するとシーンがパッと変わって幸せそうな顔で柵の羊と顔をすり寄せ合うキャロラインをチラリ。恋の表情は羊も人も変わらない? なーんて意味深なカットでAパート引き。

CM明けてBパートはスワンボートに乗り込むみなさんから。すばる君の隣で猫を被ってちんまり座るあこにゃんこへかなた君が海のシーンの練習を提案、するとあこは露骨にイヤな顔をするもののすばる君が勧めるや稲や満面笑顔でオケオケオッケー…何とまあゲンキンな(笑。一方後を追う真昼たちが手漕ぎボートに乗って追跡って辺り絶妙な仕込みでした。ここでスワンに乗っちゃうと追跡がバレちゃう上に影からの盗み聞きができませんから。ボート漕ぎが苦手なお嬢様ローラに代わってフルパワーの真昼おそるべし!
「私は姫、自由に生きる事もできないの?」
「みんなごめんなさい…私アイドルを辞めます」
というわけでスワンの影から肝心なトコだけ聞き取った二人は衝撃の告白に大慌て→思わず立ち上がってバランスを崩し→揺れたボートがスワンに当たってあこが倒れ込み→すばる君との不意な急接近に波動エンジンが急速臨界→水飛沫を上げてボートから離脱というピタゴラ装置ばりの綺麗なコンボが決まります(笑

「さっきのキャロラインも同じ顔してたよ? あなたのこと好き好きって」
桟橋に帰ってようやく落ち着いたあこへすばる君が声を掛けると超反応、こういうヒトコマからも恋するオトメの繊細さが伝わってきてニマニマが止まらない。ってなトコへ現れたきららに「デート?」と訊かれ、先のキャロラインに絡めて恋心をズバリ指摘されたあこは再びレッドゾーンを突破!
「はっ! あこ!」
真っ赤になって駆け出すあこの叫びと砂塵(笑)で意識を取り戻した真昼は追跡の手を再び。ここはひっくり返って目を回してるローラがかわいすぎた。
「ただいまです、朝陽先輩!」
「小春ちゃん? 小春ちゃんだ!」
続いて真昼に呼び出されてやってきた朝陽くんと偶然行き会った小春ちゃんの再会シーン。小春ちゃんを見るなりいきなり抱きつこうとする朝陽くんはさすが見境無くハグっちゃう夜空様の家系? ところがその瞬間に現れた真昼の峰打ち(笑)によってあえなく撃沈、まあ騒ぎの元凶として当然の報いかもしれない(笑。ってなトコへ駆け付けたローラは真昼と共にあこを追うため早々に掃け…現場に残った二人は投げっぱなしか! 優しい小春ちゃんが朝陽くんを放って帰るはずがないので…朝陽くんが目を覚ましたら小春ちゃんの膝の上だった、みたいなベッタベタドラマを見たかった。
これらすれ違いは言ってしまえばメールor電話で簡単に解決する話だけれど、絶え間ないドタバタのスピード感によって「その考えに至らない事」が伝わってくるため前述のとおり結構ナチュラルにドキハラゲラゲラ見られました。また勘違い要員が猪突猛進な生真面目キャラってのも上手い配役だったと思います。事が事だけにあの二人なら勘違いしたまま突っ走っても不思議ではありません(笑


シーンは一転して静かな森のステージへ。大好きなすばる君の前で緊張しないなんてムリムリムッリー!と俯くあこ、ってなトコへかなた君が現れて何か言いかけた刹那――
「アイドル辞めるなんて言わないで!」
「あこがいなくなっちゃうなんて考えられないよ!」
「私たちあこが大好きなの!」
植え込みの中から飛び出してきた真昼&ローラは縋り付くようにあこを引き留め、一方突然そんなん言われたあこは目を丸くして驚くばかり。勘違いと判っている神視点からすれば極めて滑稽なヒトコマですが、先のとおり二人の生真面目さを鑑みると動揺しきって形振り構わず必死に縋る姿は極めて自然で率直にココロへ迫ってきます。本当の本当にあこが大好きなんだよね。特に真昼はお姉ちゃんとの一件があるだけに意図せぬ別れに免疫が無いのかも。
「こんな所で何してるの?」
「何してるのじゃないよ!」
「知ってるならどうして教えてくれなかったの!?」
ってなトコへ呑気に現れたゆめへマジギレする生真面目二人のリアクション&やり取りにニマニマを禁じ得ない。カメラが切り替わって「何の事?」「何の事じゃないわよ!」「そうだよ!正直に言って!」と詰め寄る二人がまた熱演で、事情を知らないゆめとの温度差が頬の緩みを増幅したり(笑。そのままあっさりネタバラシされると胸をなで下ろす真昼&ローラ、勘違いを照れ笑いしながら安堵する横顔には見ているこっちまでホッとしちゃいます。そんな勘違いクリアのヒトコマに重ねて――
「別に好きだって気持ちは恥ずかしいものじゃないだろう?」
「むしろ大事なことなんじゃねえの?」
人を好きになる事の是非を語るかなた君。全身で「好き」をぶつけてきた真昼たちを恥ずかしいと思う? それはすばるを好きなお前を周りがどう見るか?と同じ事だよ。その気持ちを隠そうとするから無理が生じて上手くいかない、もっと素直になれよ甘ちゃん…今回のドタバタ劇を総括した、捻くれ子猫の意識を変えるかなた君の率直な言葉は限りなく優しかった。あこをよく見てるなあ、切ないなあ。誰かを好きになる事は決して恥ずかしくなく大切で素敵な事ってのは少女マンガの永遠のテンプレなれど、本シリーズでこれほど真正面から扱うとは結構意外でした。ここからもう一歩進んで「憧れ」と「恋心」の違い、さらに入り組んだ恋愛ベクトルの整理(笑)まで行くのかしらん? 1stからの地味~な仕込みがぼちぼち花開いて来そう?
まあ下世話な事を言うと「女性アイドルが仲間を『好き』」というのと、「女性アイドルが男性アイドルを『好き』」というのは意味と重みが全く違うんですけどね。これを同じ意味&重みとすると別ベクトルで危ういお話になってしまいますし(笑。ともあれ一皮剥けたあこはすばる君との例のシーンを一発でクリアし、残るはゆめとのデュオステージ…今回はドラマ回の流れだと思っていたのでこれは嬉しい誤算でした。しかも久々の新曲です!

恒例のフィッティングキメ比較、あこステージの直近第46話との比較です(左列が第46話、右列が第61話)。パッと見だと☆が散るタイミングや髪の揺れが僅かに違う程度ですが、よーく見ると口が一回り小さくなってキバが生え、キメ顔は瞳が僅かに移動しています。このほんの僅かな修正で表情が結構違って見える辺り描線1ピクセルの攻防を感じたり。あこのモデリングは元々良かったけれどさらに自然になったような。

というわけで始まったステージは「ハッピー☆パンチ」、作詞:tzk氏、作曲:石松領平氏、編曲:山崎佳祐氏、歌唱はキャラどおり せな・みきさんです。石松氏はスターズ初参戦、編曲の山崎氏は前カツにて「フレンド」「ハロー・ハロー」を手掛けた方であります。歯切れの良いダンサブルなメロ&アレンジはこの二人にジャストマッチで、また曲調によく合ったキレの良い振り付けも相まって非常に楽しくかわいらしいステージとなりました。というかこんなダンス全振りのステージを歌&劇組にサラッとやられちゃ舞組の立場が無いよ(笑
ドールハウスのようなステージセットにパステルカラーの二人が現れ、徐々に盛り上がるイントロに乗って笑顔のダンスがスタート。8ビートに裏を乗せたドラムパターンがいきなり気持ち良くノリノリ、ヒップホップっぽい軽やかな振り付けも楽しげで一気に引き込まれます。Bメロ入りでアイドルオーラが発動すると画面は一気にキラキラとなり、サビ入り後はアクションに合わせたエフェクトが盛り盛り。ハンドクラップに合わせたエフェクトはSTARDOM!でも見られましたが、今回は音ときちんと合っていてストレスフリーになりました(STARDOM!の同カットはほんの僅かズレててモニョる)。
サビの盛り上がりにシンクロしてダンスもさらにノリノリに、歌詞のフルーツに合わせたエフェクトもかわいらしく、締めの「チェリーメロメロメロン、パンチ!」もキマっていました。絶え間なく踏まれるステップ&振り付けのダンスモーションも淀みなくキレキレ、なれど1ピクセルのズレの無い完璧なシンクロはアイカツムービーらしくなかったかも。完全シンクロに見えて実は僅かにズレている(各キャラの動きが独立している)というリアリティこそ本シリーズムービーの真骨頂だと思っていたので。とはいえこれほどキレキレのダンスモーションは1人分作るだけで大変でしょうし、表情差分やカメラワークの妙によって文明堂カステラ感をほとんど感じなかったので良しとしましょうか。たくさんのフルーツに囲まれたSpAから曲締め、するとステージがパッと閉じてプレゼントボックスへ。おおお! 本当にドールハウスだったのか!(笑

「今日のお前、今までで一番いいんじゃない?」
「そっ、そんなこと、言われなくてもわかってますわ! べ~~~っ!」
ステージ後のスタジオ通路に現れたかなた君はあこの演技を素直に褒め、一方あこは憎いあんちくしょう(笑)から不意に褒められて素直になれず舌を出し…彼が立ち去った後の表情変化が全てを語って今回の締め。このラストカットだけで丼飯三杯いけそうです。ああもう!(何回目だ
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