2017-07-07(Fri)
アイカツスターズ! #64 星に願いを
遥か高みの一番星へ。

情熱持って手を伸ばせ!

アバンはヴィーナスアークのエルザ部屋。巨大なアクアリウムが設えられた玉座の間にはレッドカーペットならぬ赤い縁取りのピンクカーペットが敷かれ、薔薇のフロアライトも相まっていかにも女王の部屋であります。そのどん詰まりの玉座には思惑どおり進まないSPR発動に苛立つエルザ様、ってなトコに現れたレイさんへ「サポート役」の是非を問います。
「私には大切な物から逃げてるように見えるわ」
「本当に私のためを思うなら自分がやるべき事をしなさい」
私はエルザのためにある。そう語るレイさんに対し「私のため」という言葉は抗う理由を消し飛ばしてしまうもの。エルザ様はレイさんに何を望むのか?…SPR発動への焦れから「私のため」に復帰せよという判りやすい要求を念頭に置きながら、その奥に後段で語られた「ライバルへの渇望」が隠されているというなかなか奥深いヒトコトです。とはいえ乗船以来ずっと封印されていた「Shooting Star」の復帰劇にしては少々あっさり? 玉音の重みはあろうともこのヒトコトで即復活とは、ではレイさんは何を思ってモデルカツドウを封印していたのか? トップモデルとしてスカウトされ乗船した先で世話役に徹していた理由は? などなど謎多きトップモデルの真相暴露を軽く予感させてアバン引き。
CM明けてAパート冒頭は季節ネタの七夕祭り。そうか去年の七夕から一年経つのか!? 去年は七夕回から夏服になったのにヴィーナスアークは夏服無し? そんな! というわけで甲板に設えられた七夕飾りに盛り上がるみなさん、ハッピ姿で参加しているあこがいい味だけれど…S4のほとんどがこっちに来てしまったら四ツ星の七夕祭りはどうすんの?とちょっと思ったり。何だかんだ描写のほとんどがヴィーナスアークになってしまうのは仕方ないけれど、学園トップグループが不在を続ける四ツ星の現状も少しは知りたい。大丈夫なのかね? というかいつまで留学してるの。
「スパイスコードを世界一のブランドにする 桜庭ローラ」
「プレミアムドレスをデザインしたい! 七倉小春」
「打倒!真昼 香澄真昼」
「世界一の星になる 虹野ゆめ」
各々の短冊を眺めて笑顔溢れる七夕の夕暮れ、去年に比べてみなさんランクアップした願い事は時の経過を感じさせます。中でも「打倒!お姉ちゃん!!」から「自分を超える」という克己な願いへ踏み出した真昼の求道者っぷりが印象的。こういう思考はさすが武道家らしい?
「エルザ様も願い事書くでしょ?」
「趣味じゃないわ」
短冊書きに盛り上がる甲板へ現れたエルザ様を誘うきらら。ところがエルザ様は「趣味じゃない」とケンもホロロにお断り…パーフェクトアイドルを自認する彼女は他力本願な願い事など気にも留めません。なるほどそりゃそーでしょう。そういえば自信の棘を放ちまくっていた去年の真昼もそんな感じでしたね。そんな真昼が仲間と一緒に笑顔で短冊を書けるようになったってのもじつに感慨深い。閑話休題、せっかくの短冊をキャロたん(笑)に食べられちゃってドタバタ賑やかなきららで一息吐くと――
「レイ、全ての手はずは整ったわ」
アバンでの煽りをさっそく現実にするエルザ様のヒトコト。焚き付けるような表情がまーた良い良い。

街頭テレビに「シューティングスター 活動再開」のニュースがデカデカと映し出されて賑わうギャラリー、ってなトコでシーンはスタジオ撮影中の真昼に移って「シューティングスターとのブッキング」の話題に。トントン拍子で話が進みます(笑。話を持ち掛けられた真昼は二つ返事で快諾、するとスタジオに現れたシューティングスターは――
「騎咲レイです。よろしくお願いします」
「レイさん…やっぱり」
視聴者的には100人中120人くらいが気付いていたシューティングスターの正体を知って納得する真昼、まあ真昼的にも第56話でのやり取りにてほぼ確信していたようなので話は早い。そんな前振りの効果か拗らせたライバル心やギスギスは無く、それどころか互いへの尊敬も窺え、非常に大人な良い関係を感じさせます。


というわけで真昼&レイさんのツーショット撮影が始まります。ブランクを感じさせないカンペキな仕事に感嘆する真昼…ここは真昼もレイさんもキラッキラ☆でした。さすが高橋作監回は美人が超美人です(何それ。ってな撮影を終えると次のお仕事「真昼のファッションタイム」の話題に。
「夜空が司会の時に見たことがあるよ」
ファッションタイムって世界配信だったのか! ともあれそれを口火に話題は夜空様へ移り、レイさんと夜空様が知り合いである事が明らかとなり、そして真昼が夜空様を「私にとっての一番星」と思っている事をレイさんが知る(ここ重要)流れに。今回クライマックスへの振りをナチュラルに入れ込む会話(シナリオ)の妙を感じます。
「真昼のファッションタイムです」
そんなわけでレイさんと一緒に番組収録へ。ここはカキワリの空に屋根のセットがあまりにチープでちょっと笑った。低予算すぎる!(笑。ってなセットに収まった二人は今回のテーマたる「浴衣の着こなし」についてあれこれ…オサレ番長真昼のアドバイスに加えて帽子とバッグを提案するレイさん、そのカンペキなセンスと知識に真昼は改めて感激であります。まあ私的にはこれが浴衣の着こなし的に正解なのかよう判りませんけれども(笑。というか安易にフリフリキラキラなミニ浴衣にしちゃわない辺り落ち着いたファッション番組らしい。それはそーとタイトルバックの真昼がかわいい。季節柄暑苦しいS4服じゃなくてこのコーデで出ればいいのに。

ってな収録風景から放送画面へスイッチし、お船の食堂にて番組を見ていたゆめたちのリアクションへ。どうやら小春ちゃんもレイさんの過去を知らなかったようで、乗船した時からエルザ様のサポート役に徹していた=元モデルを匂わせる様子は無かったらしい。しかし今回の仕事っぷりを見ると完全ブランクのようには思えず――
「もうレイちゃんのメーッ! どうして秘密にしてたの!?」
予想どおりコソ練(と言うには堂々)をしていたレイさんの所へきららが登場しこのセリフ&アクションであります。キーン!と駆け寄って食い付き、答えをはぐらかされても無邪気な笑顔で「いつか一緒のステージに立ちたい」と伝えるきららがいちいちかわいい! ともあれきららにまで黙っていたという事はおそらくエルザ様以外レイさんの正体を知らないと思われますが、実力主義のヴィーナスアークにて表面上何のアイカツもしていないナンバーツーの存在に違和感を覚える生徒はいなかったのだろうか?
「本日のステージはこれにて終了いたします」
シーン変わっていつものデパート屋上ステージ。ゆめ・ローラ・真昼・あこに加えてレイさんという結構な豪華キャストがいきなり屋上営業していて何事かと。しかも数えるほどの閑散とした客入りはいったい? ここって平日昼間でもローラ一人で超満員にできるステージなのに(笑。ともあれステージ後の楽屋は和やかな空気に包まれ、劇組のあこがレイさんのパーフェクトウォーキングを何故か褒め称え、ってなトコへ突然乱入してきたエルザ様によって楽屋の空気は一変。
「レイ、あなたの技術はまさにパーフェクト」
「でもあなたには圧倒的に足りないものがある」
「これ以上私を失望させないで」
カンペキな技術を認めながらもレイさんのパフォーマンスを冷たい目で切り捨てるエルザ様。はたしてその真意は!? ってトコでAパート引き。普通こういう苦言は部屋に呼んで伝えるものだけれど、あえて四ツ星生の前で言う事で追い詰める策に出たのであろうか。スカウト以来未だ覚醒しないレイさんへの焦れが臨界に達し、人前での叱咤という荒技に出た? まあそこまで勘ぐらんでもフツーにエルザ様っぽいヒトコマではありましたが。

シーン変わってBパート冒頭は夕暮れのお船デッキ、先の楽屋騒動に絡め「あるモデルの話の続き」のテイでレイさんの過去語りが始まります。エルザ様に誘われて船に乗った某モデルはいくらレッスンを続けても「志と情熱」の手応えを感じられず、しかしそんな時に見たエルザ様のステージに魅了され「彼女を輝かせる事」を最優先するようになってしまった。
「とびきり輝く星の下ではどんな星だってくすんでしまう」
圧倒的な輝きを放つエルザ星は道標には成り得ても共に輝く事などできない。なるほど何をするにもまずエルザ様ありきのヴィーナスアークらしい考え方です。平民たちは一人の英雄を奉り盲従する、すなわち英雄しか眼中にない=他者の事はあまり気にしない個人主義。その英雄は絶対的な力で群衆を率い勢力を広げ、意に沿わぬ者には容赦無く鉈を振るう。判りやすく欧米型の社会モデルであります。するとゆめは自分たちの考え方を主張するのでした。
「私たちは輝く星を見たらみんなで努力して高め合うんです」
たまには個人主義な子(笑)がいたりしますが四ツ星生は基本的に仲間みんなで高め合う。誰かの頑張りを自分の頑張りに繋げて目標を追い、いつの間にか自分も輝いているというやり方。そんな方針の違いを「四ツ星のやり方」としてスッと認めるレイさんがやっぱりオトナで男前。などなど遠慮がちに語るゆめの前で引き続きいきり立ってる真昼がらしいっちゃらしい。真昼って落ち着いて見えて根っこは一番コドモなのよね(笑。自分の意志を通すためにチケットを押し付けてサッサと行っちゃう辺りもかわいい。そんな真昼を追うゆめが振り返ってきちんと頭を下げるヒトコマ、こんな所にもゆめの成長が窺えて思わず目尻が下がった。ゆめは内面もちゃんと成長しています。

レイさんに見る物見せてやる!的に真昼はひたすらトレーニングを重ね、そんな真昼を見ていた仲間が自然に集ってレッスンに精を出す…ってな四ツ星流のアイカツをじっと見つめるレイさん。ひょっとしたらそこに自分に足りない「志と情熱」のヒントを見つけたのかもしれない。
そんなこんなで「ロマンスキス プレミアムレアドレス ファッションショー」の当日へ。いつものホールを埋める観客たちの中に夏私服の四人娘、何だかみんなビミョーにダサく見えるのは私だけか? 去年の夏私服はかわいかったのに! いや去年の夏ローラは少々ギリギリすぎたけど(笑。ほどなくショーが始まるとミューズ真昼の色が反映された新ロマンスキスに客席は大盛り上がり、ってなトコでレイさんが見ていた二階席に意外な人物が現れます。
「やあ、久しぶり」
「ボンジュール! レイ」
「夜空、一番星のご到着だね」
ななななんと! 夜空様が突然のご光臨であります! 妹の晴れ舞台をフランスくんだりからわざわざ見に来る姉バカっぷりは相変わらずですなあ(笑。そして隣に座った夜空様へ真昼から聞いた「一番星」を伝えるレイさん、一方それを聞いた夜空様の「ん?」みたいな表情変化がかわいすぎて悶え死ぬ。
「キミもエルザも絶対的な輝きを持つ道標」
「う~ん、それは少し違うかな…」
かわいい妹の「一番星」扱いに喜び溢れる夜空様、対するレイさんは香澄姉妹の関係を自分とエルザ様の関係に重ねるも御本人から即座に否定されてしまいます。してそのココロは――
「私と真昼はライバルでもあるの」
「でもエルザちゃんにはライバルはいないでしょ?」
「当然だよ」
「そう、だとするとエルザちゃんって少しだけ孤独かもね」
ライバル不在のエルザ女王の孤独を指摘し、さらにかつて自分が体験したライバル関係の究極=S4戦での「道標超え」の醍醐味を伝える夜空様。新人だった妹がいつしかライバルとなり必死に追ってくる、その成長が何より嬉しく、だから自分も頑張れる。一番星とは不動の高みではなく星もまたさらなる高みを目指す、すなわちライバル同士が高め合うための道標であり、そのように競い合い高め合える存在こそ最大の贅沢であると。
一方大抵の事を苦もなくこなしてしまう天才肌のレイさんは才能を超えた場所を知らない。何せ才能の範囲で常にトップを取れるのだからそうなるのも道理です。だからこそ自分より才能がある者に圧倒されると追いつける気がしない。つまり高みに追いすがる「志と情熱」がレイさんに足りなかったものであり、それこそエルザ様が二重の意味で望むものだった。そう考えるとエルザ様って究極のツンデレよね。
「見て、今では真昼が私の一番星よ」
レイさんとのそんなやり取りの後、華やかなステージに立つ妹を誇らしげに「私の一番星」と呼ぶお姉ちゃん。これには涙腺の暴走が止まらなかった。やはり香澄姉妹のシナリオにハズレなし。

恒例のキメ顔チェック。直近の第47話と比べてみましたがご覧のとおり背景エフェクトが盛られていた程度でした。ラストのキメ顔だけ前歯が消えていますがライブムービー含めてこのカット以外は前歯があるのでここだけ修正されたっぽい。

始まったステージは真昼ソロの「MAKEOVER MAKEUP」。作詞はおなじみのこだまさおり氏、作曲は「TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~」を手掛けたYUKI FUNAKOSHI氏、編曲名義も同じくC-Show氏との連名です。定石に囚われない曲構成と独特の旋律・アレンジはクレジットを確かめるまでもなく「TSU-BO-MI」作者の曲と判りますね。先曲に負けず劣らず個性的な曲はS4となった新生真昼のキャラをさらに際立たせ、平たく言うとムービーを眺めているだけでニマニマが止まらなくて困る。
曲入りは静かなイントロに乗ってゆったり踊る真昼。照明が落とされたステージに浮かぶ瞳やレンズフレアの演出にまず魅入り、続いて煌めく照明&誘導灯の如く光が走るランウェイの演出に早くもさぶいぼ全開でした。かっこいい! Aメロ入りと共に発動したアイドルオーラはプレミアムドレスらしく柵仕様で、螺旋状に輝き弾けるキラッキラの光粒に思わず目を奪われます。唇に小指を沿わせて「グロスでかける魔法~」のカットは表情もアクションも絶品すぎて気を失いそう。これはマジでヤバい。そしてサビ前に再び弾けた光粒が柵に返って背中へ集まりツバサ発動! このエフェクトも綺麗でしたが少々ナチュラルにキマりすぎてインパクトは薄かったかも?

しっとりメロをダンサブルにアレンジした曲調に合わせてアクションはかなり激しめ、それでも細かい表情や所作を含めてナチュラルなダンスアクションを描ききってしまう辺りCG技術の進化を感じさせます。例によってエフェクト盛り盛りなれど過剰にゴテらずむしろオサレに感じたのは真昼ステージの欲目か?(笑。ともあれどのカットを切り取っても一枚絵として成り立ってしまう完成度は凄い。1st終盤のステージもかなり良いものが多かったけれど2nd新作のムービーは全体的にワンランク上がった感じです。
私はコード進行やリズムテンポからメロの流れを予想しながら聴く事が多いのだけれど、船越氏の曲はそんな予想をことごとく裏切ってくれて驚くやら唸るやら。初聴時など曲の流れを踏まえつつ構えて聴いてて「そう来るか!」と何回叫んだ事でしょう(笑。○メロやサビの定石に囚われない構成も面白く、要するにこういうハイレベルな曲を幼少時からフツーに聴けちゃう今どきのお友達が羨ましい。


「夜空、私も輝く事ができるかな?」
「あなたの気持ち次第よ」
ステージを終えてなお後光が射す真昼神(笑)にシューティングスターの瞳が光った。圧倒的な一番星を前に自らの輝きを諦めた日々、その封印が解かれる時を期待して待ちましょう。それはそうと例のセンサーを付けてる絵面はあまりオサレじゃないな(笑。ライブステージでのゲージ描写がほとんど無い(活かされていない)今となってはこのセンサーもあまり意味が無いんじゃ?
「真昼!」
「お姉ちゃん!?」
海王星のSPRカードを眺めてしみじみしているトコへ四人娘が現れて口々に祝福、特にデザイナーのタマゴたる小春ちゃんに褒められて喜びもひとしお…ってなトコへバックからのハグ攻撃ががが! 何この現世の幸せを独り占めしたような顔(笑。留学を放って駆け付けちゃうフリーダム夜空様と生真面目真昼の対比も絶妙でした。
「いいじゃない七夕の夜だもの」
「もう、七夕は関係ないでしょ」
「何だか織姫と彦星みたいね」
「何言ってるの! もう~!」
姉妹の劇的(?)な再会を七夕の逢瀬に掛けた綺麗なオチ。もうお姉ちゃんってば! 天ノ川を挟む織姫・彦星、そんな二星を橋渡しするように流れるシューティングスターのラストカットも綺麗でした。

今回のアイキャッチは真昼の2パターン。
#51:ゆめスクドレ、エルザスクドレ
#52:ゆめスクドレ、ローラスクドレ
#53:リリエンヌ幹部服、リリエンヌスクドレ
#54:きらら制服、きららスクドレ
#55:エルザスクドレ、きららスクドレ
#56:エルザスクドレ、エルザPR
#57:ゆめスクドレ、ローラスクドレ
#58:エルザスクドレ、きららスクドレ
#59:ゆめS4制服、ゆめスクドレ
#60:エルザスクドレ、エルザPR
#61:あこS4制服、ゆめS4制服
#62:ローラ幹部服、ローラスクドレ
#63:リリエンヌスクドレ、リリエンヌPR
#64:真昼S4制服、真昼スクドレ
あとはゆず先輩が来ればS4コンプ、そこで一旦纏めようかな。

次回予告のヒトコマ。一瞬の髪揺れ笑顔に12枚使っちゃう小春愛が凄い。
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情熱持って手を伸ばせ!

アバンはヴィーナスアークのエルザ部屋。巨大なアクアリウムが設えられた玉座の間にはレッドカーペットならぬ赤い縁取りのピンクカーペットが敷かれ、薔薇のフロアライトも相まっていかにも女王の部屋であります。そのどん詰まりの玉座には思惑どおり進まないSPR発動に苛立つエルザ様、ってなトコに現れたレイさんへ「サポート役」の是非を問います。
「私には大切な物から逃げてるように見えるわ」
「本当に私のためを思うなら自分がやるべき事をしなさい」
私はエルザのためにある。そう語るレイさんに対し「私のため」という言葉は抗う理由を消し飛ばしてしまうもの。エルザ様はレイさんに何を望むのか?…SPR発動への焦れから「私のため」に復帰せよという判りやすい要求を念頭に置きながら、その奥に後段で語られた「ライバルへの渇望」が隠されているというなかなか奥深いヒトコトです。とはいえ乗船以来ずっと封印されていた「Shooting Star」の復帰劇にしては少々あっさり? 玉音の重みはあろうともこのヒトコトで即復活とは、ではレイさんは何を思ってモデルカツドウを封印していたのか? トップモデルとしてスカウトされ乗船した先で世話役に徹していた理由は? などなど謎多きトップモデルの真相暴露を軽く予感させてアバン引き。
CM明けてAパート冒頭は季節ネタの七夕祭り。そうか去年の七夕から一年経つのか!? 去年は七夕回から夏服になったのにヴィーナスアークは夏服無し? そんな! というわけで甲板に設えられた七夕飾りに盛り上がるみなさん、ハッピ姿で参加しているあこがいい味だけれど…S4のほとんどがこっちに来てしまったら四ツ星の七夕祭りはどうすんの?とちょっと思ったり。何だかんだ描写のほとんどがヴィーナスアークになってしまうのは仕方ないけれど、学園トップグループが不在を続ける四ツ星の現状も少しは知りたい。大丈夫なのかね? というかいつまで留学してるの。
「スパイスコードを世界一のブランドにする 桜庭ローラ」
「プレミアムドレスをデザインしたい! 七倉小春」
「打倒!真昼 香澄真昼」
「世界一の星になる 虹野ゆめ」
各々の短冊を眺めて笑顔溢れる七夕の夕暮れ、去年に比べてみなさんランクアップした願い事は時の経過を感じさせます。中でも「打倒!お姉ちゃん!!」から「自分を超える」という克己な願いへ踏み出した真昼の求道者っぷりが印象的。こういう思考はさすが武道家らしい?
「エルザ様も願い事書くでしょ?」
「趣味じゃないわ」
短冊書きに盛り上がる甲板へ現れたエルザ様を誘うきらら。ところがエルザ様は「趣味じゃない」とケンもホロロにお断り…パーフェクトアイドルを自認する彼女は他力本願な願い事など気にも留めません。なるほどそりゃそーでしょう。そういえば自信の棘を放ちまくっていた去年の真昼もそんな感じでしたね。そんな真昼が仲間と一緒に笑顔で短冊を書けるようになったってのもじつに感慨深い。閑話休題、せっかくの短冊をキャロたん(笑)に食べられちゃってドタバタ賑やかなきららで一息吐くと――
「レイ、全ての手はずは整ったわ」
アバンでの煽りをさっそく現実にするエルザ様のヒトコト。焚き付けるような表情がまーた良い良い。

街頭テレビに「シューティングスター 活動再開」のニュースがデカデカと映し出されて賑わうギャラリー、ってなトコでシーンはスタジオ撮影中の真昼に移って「シューティングスターとのブッキング」の話題に。トントン拍子で話が進みます(笑。話を持ち掛けられた真昼は二つ返事で快諾、するとスタジオに現れたシューティングスターは――
「騎咲レイです。よろしくお願いします」
「レイさん…やっぱり」
視聴者的には100人中120人くらいが気付いていたシューティングスターの正体を知って納得する真昼、まあ真昼的にも第56話でのやり取りにてほぼ確信していたようなので話は早い。そんな前振りの効果か拗らせたライバル心やギスギスは無く、それどころか互いへの尊敬も窺え、非常に大人な良い関係を感じさせます。


というわけで真昼&レイさんのツーショット撮影が始まります。ブランクを感じさせないカンペキな仕事に感嘆する真昼…ここは真昼もレイさんもキラッキラ☆でした。さすが高橋作監回は美人が超美人です(何それ。ってな撮影を終えると次のお仕事「真昼のファッションタイム」の話題に。
「夜空が司会の時に見たことがあるよ」
ファッションタイムって世界配信だったのか! ともあれそれを口火に話題は夜空様へ移り、レイさんと夜空様が知り合いである事が明らかとなり、そして真昼が夜空様を「私にとっての一番星」と思っている事をレイさんが知る(ここ重要)流れに。今回クライマックスへの振りをナチュラルに入れ込む会話(シナリオ)の妙を感じます。
「真昼のファッションタイムです」
そんなわけでレイさんと一緒に番組収録へ。ここはカキワリの空に屋根のセットがあまりにチープでちょっと笑った。低予算すぎる!(笑。ってなセットに収まった二人は今回のテーマたる「浴衣の着こなし」についてあれこれ…オサレ番長真昼のアドバイスに加えて帽子とバッグを提案するレイさん、そのカンペキなセンスと知識に真昼は改めて感激であります。まあ私的にはこれが浴衣の着こなし的に正解なのかよう判りませんけれども(笑。というか安易にフリフリキラキラなミニ浴衣にしちゃわない辺り落ち着いたファッション番組らしい。それはそーとタイトルバックの真昼がかわいい。季節柄暑苦しいS4服じゃなくてこのコーデで出ればいいのに。

ってな収録風景から放送画面へスイッチし、お船の食堂にて番組を見ていたゆめたちのリアクションへ。どうやら小春ちゃんもレイさんの過去を知らなかったようで、乗船した時からエルザ様のサポート役に徹していた=元モデルを匂わせる様子は無かったらしい。しかし今回の仕事っぷりを見ると完全ブランクのようには思えず――
「もうレイちゃんのメーッ! どうして秘密にしてたの!?」
予想どおりコソ練(と言うには堂々)をしていたレイさんの所へきららが登場しこのセリフ&アクションであります。キーン!と駆け寄って食い付き、答えをはぐらかされても無邪気な笑顔で「いつか一緒のステージに立ちたい」と伝えるきららがいちいちかわいい! ともあれきららにまで黙っていたという事はおそらくエルザ様以外レイさんの正体を知らないと思われますが、実力主義のヴィーナスアークにて表面上何のアイカツもしていないナンバーツーの存在に違和感を覚える生徒はいなかったのだろうか?
「本日のステージはこれにて終了いたします」
シーン変わっていつものデパート屋上ステージ。ゆめ・ローラ・真昼・あこに加えてレイさんという結構な豪華キャストがいきなり屋上営業していて何事かと。しかも数えるほどの閑散とした客入りはいったい? ここって平日昼間でもローラ一人で超満員にできるステージなのに(笑。ともあれステージ後の楽屋は和やかな空気に包まれ、劇組のあこがレイさんのパーフェクトウォーキングを何故か褒め称え、ってなトコへ突然乱入してきたエルザ様によって楽屋の空気は一変。
「レイ、あなたの技術はまさにパーフェクト」
「でもあなたには圧倒的に足りないものがある」
「これ以上私を失望させないで」
カンペキな技術を認めながらもレイさんのパフォーマンスを冷たい目で切り捨てるエルザ様。はたしてその真意は!? ってトコでAパート引き。普通こういう苦言は部屋に呼んで伝えるものだけれど、あえて四ツ星生の前で言う事で追い詰める策に出たのであろうか。スカウト以来未だ覚醒しないレイさんへの焦れが臨界に達し、人前での叱咤という荒技に出た? まあそこまで勘ぐらんでもフツーにエルザ様っぽいヒトコマではありましたが。

シーン変わってBパート冒頭は夕暮れのお船デッキ、先の楽屋騒動に絡め「あるモデルの話の続き」のテイでレイさんの過去語りが始まります。エルザ様に誘われて船に乗った某モデルはいくらレッスンを続けても「志と情熱」の手応えを感じられず、しかしそんな時に見たエルザ様のステージに魅了され「彼女を輝かせる事」を最優先するようになってしまった。
「とびきり輝く星の下ではどんな星だってくすんでしまう」
圧倒的な輝きを放つエルザ星は道標には成り得ても共に輝く事などできない。なるほど何をするにもまずエルザ様ありきのヴィーナスアークらしい考え方です。平民たちは一人の英雄を奉り盲従する、すなわち英雄しか眼中にない=他者の事はあまり気にしない個人主義。その英雄は絶対的な力で群衆を率い勢力を広げ、意に沿わぬ者には容赦無く鉈を振るう。判りやすく欧米型の社会モデルであります。するとゆめは自分たちの考え方を主張するのでした。
「私たちは輝く星を見たらみんなで努力して高め合うんです」
たまには個人主義な子(笑)がいたりしますが四ツ星生は基本的に仲間みんなで高め合う。誰かの頑張りを自分の頑張りに繋げて目標を追い、いつの間にか自分も輝いているというやり方。そんな方針の違いを「四ツ星のやり方」としてスッと認めるレイさんがやっぱりオトナで男前。などなど遠慮がちに語るゆめの前で引き続きいきり立ってる真昼がらしいっちゃらしい。真昼って落ち着いて見えて根っこは一番コドモなのよね(笑。自分の意志を通すためにチケットを押し付けてサッサと行っちゃう辺りもかわいい。そんな真昼を追うゆめが振り返ってきちんと頭を下げるヒトコマ、こんな所にもゆめの成長が窺えて思わず目尻が下がった。ゆめは内面もちゃんと成長しています。

レイさんに見る物見せてやる!的に真昼はひたすらトレーニングを重ね、そんな真昼を見ていた仲間が自然に集ってレッスンに精を出す…ってな四ツ星流のアイカツをじっと見つめるレイさん。ひょっとしたらそこに自分に足りない「志と情熱」のヒントを見つけたのかもしれない。
そんなこんなで「ロマンスキス プレミアムレアドレス ファッションショー」の当日へ。いつものホールを埋める観客たちの中に夏私服の四人娘、何だかみんなビミョーにダサく見えるのは私だけか? 去年の夏私服はかわいかったのに! いや去年の夏ローラは少々ギリギリすぎたけど(笑。ほどなくショーが始まるとミューズ真昼の色が反映された新ロマンスキスに客席は大盛り上がり、ってなトコでレイさんが見ていた二階席に意外な人物が現れます。
「やあ、久しぶり」
「ボンジュール! レイ」
「夜空、一番星のご到着だね」
ななななんと! 夜空様が突然のご光臨であります! 妹の晴れ舞台をフランスくんだりからわざわざ見に来る姉バカっぷりは相変わらずですなあ(笑。そして隣に座った夜空様へ真昼から聞いた「一番星」を伝えるレイさん、一方それを聞いた夜空様の「ん?」みたいな表情変化がかわいすぎて悶え死ぬ。
「キミもエルザも絶対的な輝きを持つ道標」
「う~ん、それは少し違うかな…」
かわいい妹の「一番星」扱いに喜び溢れる夜空様、対するレイさんは香澄姉妹の関係を自分とエルザ様の関係に重ねるも御本人から即座に否定されてしまいます。してそのココロは――
「私と真昼はライバルでもあるの」
「でもエルザちゃんにはライバルはいないでしょ?」
「当然だよ」
「そう、だとするとエルザちゃんって少しだけ孤独かもね」
ライバル不在のエルザ女王の孤独を指摘し、さらにかつて自分が体験したライバル関係の究極=S4戦での「道標超え」の醍醐味を伝える夜空様。新人だった妹がいつしかライバルとなり必死に追ってくる、その成長が何より嬉しく、だから自分も頑張れる。一番星とは不動の高みではなく星もまたさらなる高みを目指す、すなわちライバル同士が高め合うための道標であり、そのように競い合い高め合える存在こそ最大の贅沢であると。
一方大抵の事を苦もなくこなしてしまう天才肌のレイさんは才能を超えた場所を知らない。何せ才能の範囲で常にトップを取れるのだからそうなるのも道理です。だからこそ自分より才能がある者に圧倒されると追いつける気がしない。つまり高みに追いすがる「志と情熱」がレイさんに足りなかったものであり、それこそエルザ様が二重の意味で望むものだった。そう考えるとエルザ様って究極のツンデレよね。
「見て、今では真昼が私の一番星よ」
レイさんとのそんなやり取りの後、華やかなステージに立つ妹を誇らしげに「私の一番星」と呼ぶお姉ちゃん。これには涙腺の暴走が止まらなかった。やはり香澄姉妹のシナリオにハズレなし。

恒例のキメ顔チェック。直近の第47話と比べてみましたがご覧のとおり背景エフェクトが盛られていた程度でした。ラストのキメ顔だけ前歯が消えていますがライブムービー含めてこのカット以外は前歯があるのでここだけ修正されたっぽい。

始まったステージは真昼ソロの「MAKEOVER MAKEUP」。作詞はおなじみのこだまさおり氏、作曲は「TSU-BO-MI ~鮮やかな未来へ~」を手掛けたYUKI FUNAKOSHI氏、編曲名義も同じくC-Show氏との連名です。定石に囚われない曲構成と独特の旋律・アレンジはクレジットを確かめるまでもなく「TSU-BO-MI」作者の曲と判りますね。先曲に負けず劣らず個性的な曲はS4となった新生真昼のキャラをさらに際立たせ、平たく言うとムービーを眺めているだけでニマニマが止まらなくて困る。
曲入りは静かなイントロに乗ってゆったり踊る真昼。照明が落とされたステージに浮かぶ瞳やレンズフレアの演出にまず魅入り、続いて煌めく照明&誘導灯の如く光が走るランウェイの演出に早くもさぶいぼ全開でした。かっこいい! Aメロ入りと共に発動したアイドルオーラはプレミアムドレスらしく柵仕様で、螺旋状に輝き弾けるキラッキラの光粒に思わず目を奪われます。唇に小指を沿わせて「グロスでかける魔法~」のカットは表情もアクションも絶品すぎて気を失いそう。これはマジでヤバい。そしてサビ前に再び弾けた光粒が柵に返って背中へ集まりツバサ発動! このエフェクトも綺麗でしたが少々ナチュラルにキマりすぎてインパクトは薄かったかも?

しっとりメロをダンサブルにアレンジした曲調に合わせてアクションはかなり激しめ、それでも細かい表情や所作を含めてナチュラルなダンスアクションを描ききってしまう辺りCG技術の進化を感じさせます。例によってエフェクト盛り盛りなれど過剰にゴテらずむしろオサレに感じたのは真昼ステージの欲目か?(笑。ともあれどのカットを切り取っても一枚絵として成り立ってしまう完成度は凄い。1st終盤のステージもかなり良いものが多かったけれど2nd新作のムービーは全体的にワンランク上がった感じです。
私はコード進行やリズムテンポからメロの流れを予想しながら聴く事が多いのだけれど、船越氏の曲はそんな予想をことごとく裏切ってくれて驚くやら唸るやら。初聴時など曲の流れを踏まえつつ構えて聴いてて「そう来るか!」と何回叫んだ事でしょう(笑。○メロやサビの定石に囚われない構成も面白く、要するにこういうハイレベルな曲を幼少時からフツーに聴けちゃう今どきのお友達が羨ましい。


「夜空、私も輝く事ができるかな?」
「あなたの気持ち次第よ」
ステージを終えてなお後光が射す真昼神(笑)にシューティングスターの瞳が光った。圧倒的な一番星を前に自らの輝きを諦めた日々、その封印が解かれる時を期待して待ちましょう。それはそうと例のセンサーを付けてる絵面はあまりオサレじゃないな(笑。ライブステージでのゲージ描写がほとんど無い(活かされていない)今となってはこのセンサーもあまり意味が無いんじゃ?
「真昼!」
「お姉ちゃん!?」
海王星のSPRカードを眺めてしみじみしているトコへ四人娘が現れて口々に祝福、特にデザイナーのタマゴたる小春ちゃんに褒められて喜びもひとしお…ってなトコへバックからのハグ攻撃ががが! 何この現世の幸せを独り占めしたような顔(笑。留学を放って駆け付けちゃうフリーダム夜空様と生真面目真昼の対比も絶妙でした。
「いいじゃない七夕の夜だもの」
「もう、七夕は関係ないでしょ」
「何だか織姫と彦星みたいね」
「何言ってるの! もう~!」
姉妹の劇的(?)な再会を七夕の逢瀬に掛けた綺麗なオチ。もうお姉ちゃんってば! 天ノ川を挟む織姫・彦星、そんな二星を橋渡しするように流れるシューティングスターのラストカットも綺麗でした。

今回のアイキャッチは真昼の2パターン。
#51:ゆめスクドレ、エルザスクドレ
#52:ゆめスクドレ、ローラスクドレ
#53:リリエンヌ幹部服、リリエンヌスクドレ
#54:きらら制服、きららスクドレ
#55:エルザスクドレ、きららスクドレ
#56:エルザスクドレ、エルザPR
#57:ゆめスクドレ、ローラスクドレ
#58:エルザスクドレ、きららスクドレ
#59:ゆめS4制服、ゆめスクドレ
#60:エルザスクドレ、エルザPR
#61:あこS4制服、ゆめS4制服
#62:ローラ幹部服、ローラスクドレ
#63:リリエンヌスクドレ、リリエンヌPR
#64:真昼S4制服、真昼スクドレ
あとはゆず先輩が来ればS4コンプ、そこで一旦纏めようかな。

次回予告のヒトコマ。一瞬の髪揺れ笑顔に12枚使っちゃう小春愛が凄い。
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