2017-12-15(Fri)
アイカツスターズ! #86 涙の数だけ
弱い自分に勝つために!

私はもっともっと強くなる。

アバンはいつもの東屋にて空を見上げて前回結果に浸るゆめ…のデコへペット水を当てて現実に引き戻す小春ちゃんとの絡みから。一目で判る超絶作画や逆光&入射を駆使した光陰の妙、そして引き寄りのタイミングを始めとしたメリハリあるカメラワークなどなどこの数秒だけで今回の尋常ならざる出来を予感させます。いきなり劇場版レベル!? と思ったらやはり安藤尚也氏コンテ・演出でした。コンテのみ参加された第78話の出来もパーフェクトでしたが、その前の登板回は奇しくもローラがブランドを継承した第62話で…今回含めて安藤氏とローラのアツい縁を感じると共に、損な役回りが多いローラを精一杯輝かせてあげたい!みたいな愛情迸る一本に仕上げてくれました。閑話休題、光を背負った二人は健康的な脚元にも光が射し、夢への歩みが順調である事を窺わせます。それにしても逆光に浮かぶ笑顔がシャレにならないほど美しい。安藤回ってばどんだけ予算掛けてるのかと(下世話
1:エルザ フォルテ:813240pt
2:花園きらら:783040pt
3:騎咲レイ:732540pt
4:虹野ゆめ:731860pt (+60730)
5:双葉アリア:730480pt (+40000)
6:香澄真昼:718430pt (+30000)
7:桜庭ローラ:687430pt (+14690)
8:ジャスミン・T:675750pt (+0)
シーン変わってレッスン室ではスマホ片手にランキングチェックのローラ。窓を背負ったこのシーンは先と同様逆光演出が施されていますが、こちらの場合は背負った光(周囲の光)が強すぎて影に沈んでしまっている=上位者たちの輝きに圧倒されるローラの焦りが浮かび上がる絵面になっていますね。芸コマすぎ。そのスマホに示されたランキング(ポイント)を前回冒頭データと比較すると、さりげなく3万pt稼いでいる真昼に対しローラの加算は1.5万pt弱でレギュラー中唯一70万に届かず、決勝トナメ進出が危ぶまれるポジションに甘んじていました。そこでローラは今年最後の大きなライブ「アメージングアイドルフェス」へ挑戦し生き残りを懸ける事に! ラストチャンスに対する闘志剥き出しの強い瞳がこれまた美しかった。東屋組の順調笑顔との対比も効いてます。
とはいえ前回のゆめは取得ポイント(小)のイベント優勝で約6万pt稼いでいるのだから(中)or(多)のイベントに上手く参加すれば十分追い付く範囲じゃん?と思わなくなくも(略。また抜きつ抜かれつのポイントバトル真っ最中なのに残り1ヶ月半でもうラストチャンスってのも結論が早いような?…とまず感じてしまった。とはいえ^2次週はクリスマス、その次は年末休み、つまり残り実質1ヶ月で他キャラの動向も描かなければならない(メタ視点)のだから本当にこれがラストチャンスなのかも?と超速で思い直した(笑

CM明けてAパート冒頭はハッスルマッスルのハチマキを巻いて気勢を上げるVA天然組から。お~っす! そのいちいちがあこ由来って辺りあこを好きすぎでしょう(笑。ってな微笑ましい後姿をこっそり見守るレイさんはエルザ様へ直々の激励をお願いするも、電話相手は未だ現れない太陽のドレスに視野狭窄真っ最中で取り付く島もなく断られてしまいます。あらら。こりゃ本当に用済み放置か!? 以前からお姫さまの個人主義に付き合ってきたレイさんもさすがに異変を感じ…ってな胸中を表す光陰演出もドンズバ。ここでランキングチェックするエルザ様がゆめを気に掛け何かを決意するのでした。すなわちこの後起きるフェス電撃参戦は「対ゆめ」の行動であり、今回のヤマであるローラとのカチ合いはエルザ様的には全く意識外であった事が判ります。ローラなどアウトオブ眼中!? 何ちゅうザコ扱い! なーんてそれだけに蜂の一刺しを期待してしまったのだなあ。まあここでチラリと映ったママさんの太陽のドレスのステージイメージが布石だったと知れば、何というか安藤氏の掌で上手く踊らされちゃった感じではあります(笑
シーン変わって四ツ星グラウンドではフェス参加を伝えるローラ&励ますゆめの絡みをチラリ。気合いマシマシのローラへエールを贈るゆめの笑顔がMAXかわいいヒトコマでしたが…前回と逆パターンですがゆめ自身もランカーであり、他の仕事が入っているならともかくフェス当日に会場にいるのだから自分も出ればポイント取れるじゃん?とつい思ってしまう。各イベントへの参加条件や回数制限があるため数打ちゃ当たる作戦ができない、みたいな設定があればこのモヤモヤも解消するのだけれど。ていうかランキングのルールが不明すぎるんですよ。今回もローラが出る理由はあるけれど、ゆめ&真昼が出ない理由が無い。現時点で塩を送る余裕なんて無いでしょうし。ともあれそんな所へ真昼&小春ちゃんが駆け付けて――
「エルザさんもアメージングアイドルフェスに出るんだって!」
全力で走ってきたのか膝に手を付き息を切らす小春ちゃんがパッと向き直って衝撃ニュース! ラストチャンスに懸けるローラにとってまさに青天の霹靂であります。
「今のままじゃエルザさんに勝てっこない」
「でも決勝トーナメントに残るにはこのフェスしか…」
「判ってる。でも…」
「じゃあどうやって残るつもり?」
エルザ様参戦を聞いたローラは一転して弱気となり、畳み掛ける真昼にも言葉を濁すばかりでした。真昼はこういう役どころがドハマリですなあ。フェスに出なければ後が無い、なのにこの正念場で勝てる望みがほぼ失われてしまった。厳しいジレンマに圧し潰されるローラは無言で俯くのみ、対してかける言葉が見つからない重~い空気がじつにツラい。

「それであなたたちはローラに何も言えなかったんですのね?」
そんな鬱屈を吹き飛ばすあこにゃんこの頼もしさ。相変わらずいい顔してます(笑。説教モードのあこ先生の前へちんまり座る三人娘が何だかかわいい。開口一番ベッドの三人を問い詰めながらも厳しい現実を判っているあこは目を閉じて思案、ってなトコでゆめの言葉に片目を開くヒトコマにあこのスタンスが表れていて良し良し。
「何よりもローラの気持ちが大事だと思う」
クッションを抱く=不安な中でもゆめはローラを信じて待つ。一方厳しい選択を迫られたローラは夕暮れの中ランニングに出掛けるのでした。ここでポイントなのは下手(しもて:画面左側)を向いたローラがそのまま下手へ掃けていく所。演出には上手下手のお約束があり、簡単に言うと上手=正(陽)、下手=負(陰)を表す記号になっていて、それを今回に当てはめると…今のローラの心理状態を進行方向一つでズバリ示しているのでした。しかも夕暮れ時というセンチメンタルタイムに設定する辺りニクい。横顔の表情と共にローラの辛い胸中をこれでもか!の勢いで表現していますね。などなどこういう演出技法を意識して見ると少し深く作品に入り込めるので楽しいですよ。

《ここで負けたら何もかも負ける気がする!》
フェスについてあれこれ悩みながら走っていたローラに謎の後続が現れます。付かず離れず追って来る相手に「面白いじゃない!」と負けず嫌いを発動したローラは振り切りにかかり、一方そんな反応にニヤリと返す後続の口元がじつに意味深というか見ているこっちまでニヤリ(笑。ところが謎の後続はアクセルを踏んでも踏んでも振り切れず、必死の猛ダッシュをかましても振り切れずひたひたと近付いて来るのでした(被写界深度の変化にも注目)。いったい何者!? ここはローラの必死さが強烈に伝わってくる超S級作画&声演技に思わず目が点、安藤演出の良さもありますがそれを映像化する作画パワーの異常さには毎度舌を巻きます。素で凄い。子供アニメにこの作画は過分と言ったら失礼か(笑
「目の前に人がいるとつい抜きたくなっちゃって」
「私もつい負けたくないって思っちゃって」
負けず嫌いの似た者同士はすぐに打ち解け、並んで夕陽を眺めつつ暫しお話。彼女の正体は「前川綾乃」と名乗るマラソン代表選手で、そりゃ走っても走っても振り切れないはず…代表選手と互角にバトっちゃうローラの運動能力がシャレになりません。崖を登るわ大木を切り倒すわ代表選手と互角だわ、アイカツアイドルの体力っていったい!(笑
「負けず嫌いなんだね」
「はい。だから結構つらい思いもいっぱいしちゃって」
「私も同じだよ」
そんな綾乃さんと話をするうちお互いの共通点が明らかになります。聞けば彼女も「強豪揃いの大きな大会に今後の命運がかかっている」らしく、上位入賞の望みは無いけれど出なければ先が無いという状況まで同じ。他人事とは思えぬ話にローラは身を乗り出し「やっぱり別の大会を?」と問うも、綾乃さんは自分の生き方を貫くべく大会出場の意志を示します。
「負けたくないの。弱い自分に」
誰かとの勝ち負けではなく自己との戦い。綾乃さんの言葉は目先事に囚われ忘れかけていた自身の命題「Going My Way」を奮い立たせ、負けず嫌いの自分が今すべき事を明確に浮かび上がらせた。揺らぐ気持ちを振り切った清々しさが強い瞳と口元に表れ、拳を構える強気なポーズもローラらしさに溢れています。何と良い顔!
「あっ、そういえば…じつは私、アイドルなんです」
「……うん。知ってたよ」
別れ際 自ら正体をバラして走り去ったローラへポツリと呟く綾乃さん。いかにも意味深なヒトコマでしたが…まさかあれほどの破壊力を持って返ってくるとは(後述

「私、出る事にした。エルザさんに思いっきりぶつかってみる!」
「うん。ローラなら絶対そう言うと思ってた」
その足で夜のお城へ向かったローラは部屋着で待ってたハニーへ参戦の意を伝えます。この季節に薄い部屋着一枚で外へ出ちゃ風邪ひくぞ!(余計な心配。ともあれローラの決意を笑顔で受け止める髪下ろしゆめが天使すぎ、まるで天使モードのガヴ(略
そこから暫しローラ&ゆめのレッスン風景が続きます。光射す窓際のカットは先と違って光へ向かい、気を張ったレッスンの合間の息抜きでは自然な笑顔を垣間見せ…迷いを振り切り自分らしく突っ走るローラと支えるゆめの関係が生き生きと描かれ、不器用な生き方を自嘲し発奮に繋げるモノローグもピクチャーと相乗し、ってなトコで――
「ローラは弱くないよ」
そんな親友をまるっと包み込むゆめの笑顔で完全KO。星降る窓辺のツーショットも上質な恋愛映画の如きロマンティックを醸して何という破壊力か。またこれまでのパターン(笑)に反し今回はローラから寄り添っている辺りポイントが高いです。いやはや濃いぃ、と思ったらこれはまだ前振りだったという底深さ。それはそうと夕暮れレッスン室のゆめの表情&腰つきが危険水域すぎて手のわきわきが止まらない(笑

「アイドルのビッグイベント、アメージングアイドルフェスにようこそ!」
星の窓辺からシーン変わって大入りのスタジアム、強烈に濃いぃ司会お姉さんの一声にて件のフェスが開幕しました。こういうタマがあるならどんどん使ってくれば良かったのにと思ったけれど、これまでほとんどが校内イベントだったため使いどころが無かったのかも? ともあれ最近の展開にて四ツ星生がパブリックなアイドルである事を実感できる雰囲気になってきたのは意外な改善であります。世界一を目指す割りに作中の仕事描写が箱庭すぎたのよね。そんな会場を見下ろす意味深な謎の影、フェス終わりにもチラリと姿を見せたこの人物はいったい? 四ツ星からいつものみなさん、VAからはハッスルマッスル組(笑)&レイさんがご来場であります。ローラの決意を知りながらも気が気ではない四ツ星組に対しハイテンションのハッスルマッスル、この辺から両陣営の余力の差を感じさせますが…エルザ様の動向に不安を抱くレイさんだけは神妙な顔つきに。はたしてこの不安がどんな形で発露するか今後の焦点でありましょう。
「逃げない、弱い自分に勝つために! ここからは私の時間!」
先のレッスンシーンから継続して上手(かみて:画面右側)へ向かって叫び駆け出すローラ、この演出からしてラストチャンスに懸ける思いが伝わってきますが、それに加えて美しく凛々しい横顔の作画がローラの気合いに拍車かけまくり。この直前にパッと映った不敵顔のエルザ様が下手へ向かっていた辺りも奥深い対比であります。
「ねぇ、信じた道を進もう!」
第65話にてツバサを出したローラは今回からコーデチェンジシーケンスがSPR仕様に進化、例によってアクセサリカードセット時のキメ&エフェクトとツバサ発動カットが追加され、ラストのキメもツバサ仕様に変わりました。ローラのエフェクトはカラフルな音符で音楽(歌)への思いの強さが見て取れるもの、見ているこっちもテンションが上がってきます。頑張れローラ!

というわけで始まったローラのステージは持ち歌の「Miracle Force Magic」。曲自体は以前マンマですが通例どおりSPR仕様となったムービーはステージオンからもちろんツバサ付き、コウモリ様のシャープなツバサはシルエットがよく映えます。ちなみにSPR仕様の新編集はサビの「リズム合わせてジャンピング」の脚ナメパンアップ前まで、カット随所のエフェクトも強化されてツバサ持ちの貫禄アリアリのムービーに進化しました。大盛り上がりの客席を意識したライブ感溢れるカメラワークもアツい。何だかローラのステージを見ているだけで画面が滲んできちゃいます(笑
ただマイクスタンド使用のロックステージって事で振り付けが限定されてしまうのはアイドルとして少々ハンデかも。ロックボーカリスト然に肩幅の棒立ち、脚の振り付けはたまにサイドステップをする程度なので、休み無く華麗なステップを踏む他曲に比べて地味と言えなくもなくも(略。まあそれは逆に歌に懸けるローラらしいステージングとも思えますが。

目映い光に包まれてやり遂げた満足感に浸るローラ。汗を浮かべた表情の素晴らしさに目を奪われるヒトコマで、見ているこっちも緊張が解けて感慨に浸ったその刹那!
「見せてあげるわ、本当のパーフェクトを!」
キメキメSEと共に眼力マシマシのエルザ様アップがドーン!と入って心臓に悪い(笑。これ見よがしにSPRカードを携え、獲物に襲い掛かる肉食獣の如く猛々しい横顔でカンストの自信を叫ぶとコーデチェンジへ。これまたいい顔してます。で、くどいようですがここで下手側を向いているのがポイント。この自信満々のお姫さまがどんな闇に墜ちてしまうのか!? とヒヤヒヤものでしたが。

コーデチェンジ後に現れた新ステージにまず目が点、ここで新曲って! ズルい! と思わず叫んでしまった(笑。ほどなく始まった曲は新曲「The only sun light」、作詞:松原さらり氏、作曲:長橋健一氏、編曲:Integral Clover(agehasprings)、歌唱はキャラどおりりささんです。長橋氏は「スタージェット!」以来の登板ですが曲調の差に驚き。なるほどこういうタイプの曲も書けちゃう方なのですね。イントロ頭っからキラキラSEと共にキラキラエフェクトを惜しみなく放ち、強烈な声量で淡々と歌う頭サビでもエフェクトをかましつつ、頭サビが終わると枷を解き放つように太陽系エフェクトが弾けてオーラ発動! もうこの時点でエルザ様の引力に抗う術がありません。
静かに流れるAメロでも画面の派手さは超一級、紅いステージに紅いドレスに紅い髪、全身を駆使した休み無い振り付けの華やかさったらどうにもこうにも。ドレスの隙間の肌色をチラチラさせながらのグラインドアクションなど発禁モノの妖艶さ、別の意味で子供アニメの挿入歌ライブとは思えないクオリティであります(笑。ステップを踏みながらステージ狭しと動き回り観客に語りかけるように歌うBメロを過ぎ、サビ前のタメで後ずさると歩を進める事にステージは炎に包まれ――

ステージの魔方陣(?)が一気に持ち上がるド派手なエフェクトの後、再び太陽系エフェクトが弾けてついに太陽のドレスが発動しました。なるほど太陽のドレスが別に現れるのではなく既存のSPRが変化するのですね。ドレスだけではなくツバサも金色に変化しゴージャス感もマシマシ。発動後のステージは紅蓮の炎が飛び交う強烈さ、これは太陽の紅炎(プロミネンス)か! もはや何から何まで真っ赤なステージは、極まってるエフェクトやサビの盛り上がりの相乗でこの上なくド派手であります。サビの絶頂と共に発動したSpAも派手派手で、太陽系惑星が一転に集約し光を放つと某ミサイル(笑)よろしく宙へ飛び立ってパァッと花開く。そして勝ち誇ったようなドヤ顔で締め。こりゃ凄い凄すぎる。こんなん誰も勝てねえって!

静まり返った会場に立つエルザ様の後姿が先に示されたお母さまのそれとシンクロして思わずさぶいぼ。あれほど焦がれた太陽のドレス、ママと同じドレスをついに手にした感慨が伝わってくる一瞬であります。客席のざわめきはやがて大歓声へ変わり、ってな一方で静かに立ち去る件の謎の影。いったい彼は何者なのか。パターン的にはおそらく太陽のドレスのデザイナーでしょうけどその背後が気になる所。
「あなただって頑張ったじゃない。だから悔いはないはず」
「でも…やっぱり悔しいな」
一方控え室では敗戦に沈むローラの姿がありました。鏡への慰めは自分に言い聞かせているようで、それでも正直な感情に嘘は吐けない。鏡に映った不器用な笑顔はやがて涙に崩れ落ち、噛んだ唇から溢れる悔しさに打ち震え、やがて感情の波に飲まれ泣き崩れてしまいます。この一連は繊細&感情が乗りまくった表情描写、そしてまさにローラが乗り移ったが如く朝井さんの熱演に拍手喝采するしかない。ローラの性格から感情の揺れ方まで全て理解していないとここまで描けないでしょう。鏡の虚像の糸が切れて泣き崩れると大粒涙が溢れる実像という演出も凄い。この一連はローラにとってアイドルモードの証であるアップ髪を解いているってのも芸コマでした。まさにいろんな糸が切れている表れでしょう。
「前川綾乃選手、残念でしたね」
「はい。でもこれが最後じゃないですから」
「私はずっと戦い続けます。マラソン選手である限り」
フェスを映していた控え室のTVはいつしかマラソン大会の中継に変わっていました。そこから聞こえてきた選手名にローラは思わず振り返り、残念な結果を受け止めながらも強い闘志を失わない綾乃さんを目の当たりにし、さらに――
「実はアイドルの桜庭ローラちゃんが大好きで、彼女のうたにいつも励まされています」
「次に本人に会えたら、ありがとうってちゃんと言いたいと思います」
自分の歌が綾乃さんの励ましになっていた事を知るのでした。綾乃さんは「知ってるよ」どころかフアンだった。なのに…だからこそ気付かないテイで接していたのでしょう。元気をくれるアイドルに余計な気を使わせたくない=弱い自分を見せたくなかった。またひょっとしたら互角に競った者同士の敬意みたいな、だからあの時は憧れのアイドルではなく一人の人間として向き合ったという事かもしれません。そんなこんなで綾乃さんの気持ちを知ったローラは「弱い自分」を振り切るように、零れる涙を両手で拭って笑顔を取り戻すのでした。次に綾乃さんに会った時 ありがとうってちゃんと言える「強い自分」になるために。な~んてかっこよすぎかな(笑。しかし前回今回とゲストキャラがいい仕事しすぎてレギュラー陣の立つ瀬がない、と思ったら――
「負けちゃった」
「うん」
「でもこれが最後じゃない。まだまだもっと先がある。私がアイドルである限り」
「うん」
「ありがとね、ゆめ。私もっともっと強くなる」
「うん」
控え室のドア前で躊躇しているゆめはひょいと現れたローラにビックリ! またドアビックリか! ていうかゆめのスカートがキワキワすぎて何事かと(笑。ドアから出てきたローラは解いていた髪がいつものアップに纏められ「再起動」を実感させます。ニクい芸コマ。そして綾乃さんの言葉を繰り返すように「自分の道」をゆめに告げ…対するゆめはローラの言葉を黙って受け入れ、抱き付くローラの震え声(この演出・演技がまた絶品)ごとやさしく包み込むのでした。それにしても最近ゆめの包容力がフルゲージ振り切りであります。S4の貫禄といえばそうですが、あまり大人物になっちゃっても何だか寂しいかも(笑。――と、ここで終われば綺麗な締めだったのですが。

「そう、私の名はパーフェクト・エルザ!」
「私は今、真の頂点に立った! フフフフ…アハハハ!」
窓から望む満月へカードを掲げて高笑いの狂気。二の腕ナメで描かれるエルザ様の表情は贔屓目に見ても闇へ向かって真っ逆さまであります。あああ。懸念だったプリズ○ダイブ展開を回避したは良いけれど、これはこれで返って闇が深いような気がして末恐ろしい。この頂点からの墜落劇ですか…はたしてエルザ様はどうなってしまうのだろう。
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私はもっともっと強くなる。

アバンはいつもの東屋にて空を見上げて前回結果に浸るゆめ…のデコへペット水を当てて現実に引き戻す小春ちゃんとの絡みから。一目で判る超絶作画や逆光&入射を駆使した光陰の妙、そして引き寄りのタイミングを始めとしたメリハリあるカメラワークなどなどこの数秒だけで今回の尋常ならざる出来を予感させます。いきなり劇場版レベル!? と思ったらやはり安藤尚也氏コンテ・演出でした。コンテのみ参加された第78話の出来もパーフェクトでしたが、その前の登板回は奇しくもローラがブランドを継承した第62話で…今回含めて安藤氏とローラのアツい縁を感じると共に、損な役回りが多いローラを精一杯輝かせてあげたい!みたいな愛情迸る一本に仕上げてくれました。閑話休題、光を背負った二人は健康的な脚元にも光が射し、夢への歩みが順調である事を窺わせます。それにしても逆光に浮かぶ笑顔がシャレにならないほど美しい。安藤回ってばどんだけ予算掛けてるのかと(下世話
1:エルザ フォルテ:813240pt
2:花園きらら:783040pt
3:騎咲レイ:732540pt
4:虹野ゆめ:731860pt (+60730)
5:双葉アリア:730480pt (+40000)
6:香澄真昼:718430pt (+30000)
7:桜庭ローラ:687430pt (+14690)
8:ジャスミン・T:675750pt (+0)
シーン変わってレッスン室ではスマホ片手にランキングチェックのローラ。窓を背負ったこのシーンは先と同様逆光演出が施されていますが、こちらの場合は背負った光(周囲の光)が強すぎて影に沈んでしまっている=上位者たちの輝きに圧倒されるローラの焦りが浮かび上がる絵面になっていますね。芸コマすぎ。そのスマホに示されたランキング(ポイント)を前回冒頭データと比較すると、さりげなく3万pt稼いでいる真昼に対しローラの加算は1.5万pt弱でレギュラー中唯一70万に届かず、決勝トナメ進出が危ぶまれるポジションに甘んじていました。そこでローラは今年最後の大きなライブ「アメージングアイドルフェス」へ挑戦し生き残りを懸ける事に! ラストチャンスに対する闘志剥き出しの強い瞳がこれまた美しかった。東屋組の順調笑顔との対比も効いてます。
とはいえ前回のゆめは取得ポイント(小)のイベント優勝で約6万pt稼いでいるのだから(中)or(多)のイベントに上手く参加すれば十分追い付く範囲じゃん?と思わなくなくも(略。また抜きつ抜かれつのポイントバトル真っ最中なのに残り1ヶ月半でもうラストチャンスってのも結論が早いような?…とまず感じてしまった。とはいえ^2次週はクリスマス、その次は年末休み、つまり残り実質1ヶ月で他キャラの動向も描かなければならない(メタ視点)のだから本当にこれがラストチャンスなのかも?と超速で思い直した(笑

CM明けてAパート冒頭はハッスルマッスルのハチマキを巻いて気勢を上げるVA天然組から。お~っす! そのいちいちがあこ由来って辺りあこを好きすぎでしょう(笑。ってな微笑ましい後姿をこっそり見守るレイさんはエルザ様へ直々の激励をお願いするも、電話相手は未だ現れない太陽のドレスに視野狭窄真っ最中で取り付く島もなく断られてしまいます。あらら。こりゃ本当に用済み放置か!? 以前からお姫さまの個人主義に付き合ってきたレイさんもさすがに異変を感じ…ってな胸中を表す光陰演出もドンズバ。ここでランキングチェックするエルザ様がゆめを気に掛け何かを決意するのでした。すなわちこの後起きるフェス電撃参戦は「対ゆめ」の行動であり、今回のヤマであるローラとのカチ合いはエルザ様的には全く意識外であった事が判ります。ローラなどアウトオブ眼中!? 何ちゅうザコ扱い! なーんてそれだけに蜂の一刺しを期待してしまったのだなあ。まあここでチラリと映ったママさんの太陽のドレスのステージイメージが布石だったと知れば、何というか安藤氏の掌で上手く踊らされちゃった感じではあります(笑
シーン変わって四ツ星グラウンドではフェス参加を伝えるローラ&励ますゆめの絡みをチラリ。気合いマシマシのローラへエールを贈るゆめの笑顔がMAXかわいいヒトコマでしたが…前回と逆パターンですがゆめ自身もランカーであり、他の仕事が入っているならともかくフェス当日に会場にいるのだから自分も出ればポイント取れるじゃん?とつい思ってしまう。各イベントへの参加条件や回数制限があるため数打ちゃ当たる作戦ができない、みたいな設定があればこのモヤモヤも解消するのだけれど。ていうかランキングのルールが不明すぎるんですよ。今回もローラが出る理由はあるけれど、ゆめ&真昼が出ない理由が無い。現時点で塩を送る余裕なんて無いでしょうし。ともあれそんな所へ真昼&小春ちゃんが駆け付けて――
「エルザさんもアメージングアイドルフェスに出るんだって!」
全力で走ってきたのか膝に手を付き息を切らす小春ちゃんがパッと向き直って衝撃ニュース! ラストチャンスに懸けるローラにとってまさに青天の霹靂であります。
「今のままじゃエルザさんに勝てっこない」
「でも決勝トーナメントに残るにはこのフェスしか…」
「判ってる。でも…」
「じゃあどうやって残るつもり?」
エルザ様参戦を聞いたローラは一転して弱気となり、畳み掛ける真昼にも言葉を濁すばかりでした。真昼はこういう役どころがドハマリですなあ。フェスに出なければ後が無い、なのにこの正念場で勝てる望みがほぼ失われてしまった。厳しいジレンマに圧し潰されるローラは無言で俯くのみ、対してかける言葉が見つからない重~い空気がじつにツラい。

「それであなたたちはローラに何も言えなかったんですのね?」
そんな鬱屈を吹き飛ばすあこにゃんこの頼もしさ。相変わらずいい顔してます(笑。説教モードのあこ先生の前へちんまり座る三人娘が何だかかわいい。開口一番ベッドの三人を問い詰めながらも厳しい現実を判っているあこは目を閉じて思案、ってなトコでゆめの言葉に片目を開くヒトコマにあこのスタンスが表れていて良し良し。
「何よりもローラの気持ちが大事だと思う」
クッションを抱く=不安な中でもゆめはローラを信じて待つ。一方厳しい選択を迫られたローラは夕暮れの中ランニングに出掛けるのでした。ここでポイントなのは下手(しもて:画面左側)を向いたローラがそのまま下手へ掃けていく所。演出には上手下手のお約束があり、簡単に言うと上手=正(陽)、下手=負(陰)を表す記号になっていて、それを今回に当てはめると…今のローラの心理状態を進行方向一つでズバリ示しているのでした。しかも夕暮れ時というセンチメンタルタイムに設定する辺りニクい。横顔の表情と共にローラの辛い胸中をこれでもか!の勢いで表現していますね。などなどこういう演出技法を意識して見ると少し深く作品に入り込めるので楽しいですよ。

《ここで負けたら何もかも負ける気がする!》
フェスについてあれこれ悩みながら走っていたローラに謎の後続が現れます。付かず離れず追って来る相手に「面白いじゃない!」と負けず嫌いを発動したローラは振り切りにかかり、一方そんな反応にニヤリと返す後続の口元がじつに意味深というか見ているこっちまでニヤリ(笑。ところが謎の後続はアクセルを踏んでも踏んでも振り切れず、必死の猛ダッシュをかましても振り切れずひたひたと近付いて来るのでした(被写界深度の変化にも注目)。いったい何者!? ここはローラの必死さが強烈に伝わってくる超S級作画&声演技に思わず目が点、安藤演出の良さもありますがそれを映像化する作画パワーの異常さには毎度舌を巻きます。素で凄い。子供アニメにこの作画は過分と言ったら失礼か(笑
「目の前に人がいるとつい抜きたくなっちゃって」
「私もつい負けたくないって思っちゃって」
負けず嫌いの似た者同士はすぐに打ち解け、並んで夕陽を眺めつつ暫しお話。彼女の正体は「前川綾乃」と名乗るマラソン代表選手で、そりゃ走っても走っても振り切れないはず…代表選手と互角にバトっちゃうローラの運動能力がシャレになりません。崖を登るわ大木を切り倒すわ代表選手と互角だわ、アイカツアイドルの体力っていったい!(笑
「負けず嫌いなんだね」
「はい。だから結構つらい思いもいっぱいしちゃって」
「私も同じだよ」
そんな綾乃さんと話をするうちお互いの共通点が明らかになります。聞けば彼女も「強豪揃いの大きな大会に今後の命運がかかっている」らしく、上位入賞の望みは無いけれど出なければ先が無いという状況まで同じ。他人事とは思えぬ話にローラは身を乗り出し「やっぱり別の大会を?」と問うも、綾乃さんは自分の生き方を貫くべく大会出場の意志を示します。
「負けたくないの。弱い自分に」
誰かとの勝ち負けではなく自己との戦い。綾乃さんの言葉は目先事に囚われ忘れかけていた自身の命題「Going My Way」を奮い立たせ、負けず嫌いの自分が今すべき事を明確に浮かび上がらせた。揺らぐ気持ちを振り切った清々しさが強い瞳と口元に表れ、拳を構える強気なポーズもローラらしさに溢れています。何と良い顔!
「あっ、そういえば…じつは私、アイドルなんです」
「……うん。知ってたよ」
別れ際 自ら正体をバラして走り去ったローラへポツリと呟く綾乃さん。いかにも意味深なヒトコマでしたが…まさかあれほどの破壊力を持って返ってくるとは(後述

「私、出る事にした。エルザさんに思いっきりぶつかってみる!」
「うん。ローラなら絶対そう言うと思ってた」
その足で夜のお城へ向かったローラは部屋着で待ってたハニーへ参戦の意を伝えます。この季節に薄い部屋着一枚で外へ出ちゃ風邪ひくぞ!(余計な心配。ともあれローラの決意を笑顔で受け止める髪下ろしゆめが天使すぎ、まるで天使モードのガヴ(略
そこから暫しローラ&ゆめのレッスン風景が続きます。光射す窓際のカットは先と違って光へ向かい、気を張ったレッスンの合間の息抜きでは自然な笑顔を垣間見せ…迷いを振り切り自分らしく突っ走るローラと支えるゆめの関係が生き生きと描かれ、不器用な生き方を自嘲し発奮に繋げるモノローグもピクチャーと相乗し、ってなトコで――
「ローラは弱くないよ」
そんな親友をまるっと包み込むゆめの笑顔で完全KO。星降る窓辺のツーショットも上質な恋愛映画の如きロマンティックを醸して何という破壊力か。またこれまでのパターン(笑)に反し今回はローラから寄り添っている辺りポイントが高いです。いやはや濃いぃ、と思ったらこれはまだ前振りだったという底深さ。それはそうと夕暮れレッスン室のゆめの表情&腰つきが危険水域すぎて手のわきわきが止まらない(笑

「アイドルのビッグイベント、アメージングアイドルフェスにようこそ!」
星の窓辺からシーン変わって大入りのスタジアム、強烈に濃いぃ司会お姉さんの一声にて件のフェスが開幕しました。こういうタマがあるならどんどん使ってくれば良かったのにと思ったけれど、これまでほとんどが校内イベントだったため使いどころが無かったのかも? ともあれ最近の展開にて四ツ星生がパブリックなアイドルである事を実感できる雰囲気になってきたのは意外な改善であります。世界一を目指す割りに作中の仕事描写が箱庭すぎたのよね。そんな会場を見下ろす意味深な謎の影、フェス終わりにもチラリと姿を見せたこの人物はいったい? 四ツ星からいつものみなさん、VAからはハッスルマッスル組(笑)&レイさんがご来場であります。ローラの決意を知りながらも気が気ではない四ツ星組に対しハイテンションのハッスルマッスル、この辺から両陣営の余力の差を感じさせますが…エルザ様の動向に不安を抱くレイさんだけは神妙な顔つきに。はたしてこの不安がどんな形で発露するか今後の焦点でありましょう。
「逃げない、弱い自分に勝つために! ここからは私の時間!」
先のレッスンシーンから継続して上手(かみて:画面右側)へ向かって叫び駆け出すローラ、この演出からしてラストチャンスに懸ける思いが伝わってきますが、それに加えて美しく凛々しい横顔の作画がローラの気合いに拍車かけまくり。この直前にパッと映った不敵顔のエルザ様が下手へ向かっていた辺りも奥深い対比であります。
「ねぇ、信じた道を進もう!」
第65話にてツバサを出したローラは今回からコーデチェンジシーケンスがSPR仕様に進化、例によってアクセサリカードセット時のキメ&エフェクトとツバサ発動カットが追加され、ラストのキメもツバサ仕様に変わりました。ローラのエフェクトはカラフルな音符で音楽(歌)への思いの強さが見て取れるもの、見ているこっちもテンションが上がってきます。頑張れローラ!

というわけで始まったローラのステージは持ち歌の「Miracle Force Magic」。曲自体は以前マンマですが通例どおりSPR仕様となったムービーはステージオンからもちろんツバサ付き、コウモリ様のシャープなツバサはシルエットがよく映えます。ちなみにSPR仕様の新編集はサビの「リズム合わせてジャンピング」の脚ナメパンアップ前まで、カット随所のエフェクトも強化されてツバサ持ちの貫禄アリアリのムービーに進化しました。大盛り上がりの客席を意識したライブ感溢れるカメラワークもアツい。何だかローラのステージを見ているだけで画面が滲んできちゃいます(笑
ただマイクスタンド使用のロックステージって事で振り付けが限定されてしまうのはアイドルとして少々ハンデかも。ロックボーカリスト然に肩幅の棒立ち、脚の振り付けはたまにサイドステップをする程度なので、休み無く華麗なステップを踏む他曲に比べて地味と言えなくもなくも(略。まあそれは逆に歌に懸けるローラらしいステージングとも思えますが。

目映い光に包まれてやり遂げた満足感に浸るローラ。汗を浮かべた表情の素晴らしさに目を奪われるヒトコマで、見ているこっちも緊張が解けて感慨に浸ったその刹那!
「見せてあげるわ、本当のパーフェクトを!」
キメキメSEと共に眼力マシマシのエルザ様アップがドーン!と入って心臓に悪い(笑。これ見よがしにSPRカードを携え、獲物に襲い掛かる肉食獣の如く猛々しい横顔でカンストの自信を叫ぶとコーデチェンジへ。これまたいい顔してます。で、くどいようですがここで下手側を向いているのがポイント。この自信満々のお姫さまがどんな闇に墜ちてしまうのか!? とヒヤヒヤものでしたが。

コーデチェンジ後に現れた新ステージにまず目が点、ここで新曲って! ズルい! と思わず叫んでしまった(笑。ほどなく始まった曲は新曲「The only sun light」、作詞:松原さらり氏、作曲:長橋健一氏、編曲:Integral Clover(agehasprings)、歌唱はキャラどおりりささんです。長橋氏は「スタージェット!」以来の登板ですが曲調の差に驚き。なるほどこういうタイプの曲も書けちゃう方なのですね。イントロ頭っからキラキラSEと共にキラキラエフェクトを惜しみなく放ち、強烈な声量で淡々と歌う頭サビでもエフェクトをかましつつ、頭サビが終わると枷を解き放つように太陽系エフェクトが弾けてオーラ発動! もうこの時点でエルザ様の引力に抗う術がありません。
静かに流れるAメロでも画面の派手さは超一級、紅いステージに紅いドレスに紅い髪、全身を駆使した休み無い振り付けの華やかさったらどうにもこうにも。ドレスの隙間の肌色をチラチラさせながらのグラインドアクションなど発禁モノの妖艶さ、別の意味で子供アニメの挿入歌ライブとは思えないクオリティであります(笑。ステップを踏みながらステージ狭しと動き回り観客に語りかけるように歌うBメロを過ぎ、サビ前のタメで後ずさると歩を進める事にステージは炎に包まれ――

ステージの魔方陣(?)が一気に持ち上がるド派手なエフェクトの後、再び太陽系エフェクトが弾けてついに太陽のドレスが発動しました。なるほど太陽のドレスが別に現れるのではなく既存のSPRが変化するのですね。ドレスだけではなくツバサも金色に変化しゴージャス感もマシマシ。発動後のステージは紅蓮の炎が飛び交う強烈さ、これは太陽の紅炎(プロミネンス)か! もはや何から何まで真っ赤なステージは、極まってるエフェクトやサビの盛り上がりの相乗でこの上なくド派手であります。サビの絶頂と共に発動したSpAも派手派手で、太陽系惑星が一転に集約し光を放つと某ミサイル(笑)よろしく宙へ飛び立ってパァッと花開く。そして勝ち誇ったようなドヤ顔で締め。こりゃ凄い凄すぎる。こんなん誰も勝てねえって!

静まり返った会場に立つエルザ様の後姿が先に示されたお母さまのそれとシンクロして思わずさぶいぼ。あれほど焦がれた太陽のドレス、ママと同じドレスをついに手にした感慨が伝わってくる一瞬であります。客席のざわめきはやがて大歓声へ変わり、ってな一方で静かに立ち去る件の謎の影。いったい彼は何者なのか。パターン的にはおそらく太陽のドレスのデザイナーでしょうけどその背後が気になる所。
「あなただって頑張ったじゃない。だから悔いはないはず」
「でも…やっぱり悔しいな」
一方控え室では敗戦に沈むローラの姿がありました。鏡への慰めは自分に言い聞かせているようで、それでも正直な感情に嘘は吐けない。鏡に映った不器用な笑顔はやがて涙に崩れ落ち、噛んだ唇から溢れる悔しさに打ち震え、やがて感情の波に飲まれ泣き崩れてしまいます。この一連は繊細&感情が乗りまくった表情描写、そしてまさにローラが乗り移ったが如く朝井さんの熱演に拍手喝采するしかない。ローラの性格から感情の揺れ方まで全て理解していないとここまで描けないでしょう。鏡の虚像の糸が切れて泣き崩れると大粒涙が溢れる実像という演出も凄い。この一連はローラにとってアイドルモードの証であるアップ髪を解いているってのも芸コマでした。まさにいろんな糸が切れている表れでしょう。
「前川綾乃選手、残念でしたね」
「はい。でもこれが最後じゃないですから」
「私はずっと戦い続けます。マラソン選手である限り」
フェスを映していた控え室のTVはいつしかマラソン大会の中継に変わっていました。そこから聞こえてきた選手名にローラは思わず振り返り、残念な結果を受け止めながらも強い闘志を失わない綾乃さんを目の当たりにし、さらに――
「実はアイドルの桜庭ローラちゃんが大好きで、彼女のうたにいつも励まされています」
「次に本人に会えたら、ありがとうってちゃんと言いたいと思います」
自分の歌が綾乃さんの励ましになっていた事を知るのでした。綾乃さんは「知ってるよ」どころかフアンだった。なのに…だからこそ気付かないテイで接していたのでしょう。元気をくれるアイドルに余計な気を使わせたくない=弱い自分を見せたくなかった。またひょっとしたら互角に競った者同士の敬意みたいな、だからあの時は憧れのアイドルではなく一人の人間として向き合ったという事かもしれません。そんなこんなで綾乃さんの気持ちを知ったローラは「弱い自分」を振り切るように、零れる涙を両手で拭って笑顔を取り戻すのでした。次に綾乃さんに会った時 ありがとうってちゃんと言える「強い自分」になるために。な~んてかっこよすぎかな(笑。しかし前回今回とゲストキャラがいい仕事しすぎてレギュラー陣の立つ瀬がない、と思ったら――
「負けちゃった」
「うん」
「でもこれが最後じゃない。まだまだもっと先がある。私がアイドルである限り」
「うん」
「ありがとね、ゆめ。私もっともっと強くなる」
「うん」
控え室のドア前で躊躇しているゆめはひょいと現れたローラにビックリ! またドアビックリか! ていうかゆめのスカートがキワキワすぎて何事かと(笑。ドアから出てきたローラは解いていた髪がいつものアップに纏められ「再起動」を実感させます。ニクい芸コマ。そして綾乃さんの言葉を繰り返すように「自分の道」をゆめに告げ…対するゆめはローラの言葉を黙って受け入れ、抱き付くローラの震え声(この演出・演技がまた絶品)ごとやさしく包み込むのでした。それにしても最近ゆめの包容力がフルゲージ振り切りであります。S4の貫禄といえばそうですが、あまり大人物になっちゃっても何だか寂しいかも(笑。――と、ここで終われば綺麗な締めだったのですが。

「そう、私の名はパーフェクト・エルザ!」
「私は今、真の頂点に立った! フフフフ…アハハハ!」
窓から望む満月へカードを掲げて高笑いの狂気。二の腕ナメで描かれるエルザ様の表情は贔屓目に見ても闇へ向かって真っ逆さまであります。あああ。懸念だったプリズ○ダイブ展開を回避したは良いけれど、これはこれで返って闇が深いような気がして末恐ろしい。この頂点からの墜落劇ですか…はたしてエルザ様はどうなってしまうのだろう。
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