2018-03-02(Fri)

アイカツスターズ! #96 みんなで輝く!

頂点決するファイナル後攻。

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みんながいれば私は最強だよ!

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エルザ様の圧倒ステージに続いていよいよゆめの出番、ファイナル後攻ステージが始まります。大舞台を前にさすがのゆめも緊張を浮かべ、ってなトコでさりげなく横に並んでさりげなく手を取り励ますローラの相棒感がアツい。そして私服から覗く華奢な肩と鎖骨が色っぽい。さすが安藤演出回は作画リソースが奢られてます。

「私、今日のステージでみんなと一緒に輝いてみせるよ!」

なーんて二人の時間に出遅れた小春ちゃんがサクッと入り込み他のみなさんも揃い、ゆめを中心に手に手を取ってステージへの意気を上げ上げ。スタジアムから溢れる目映い光に照らされた姿はいかにも前向きであります。翻るスカートから伸びるダイコン畑も目映い。こういう躍動感を補強するカットをいちいち入れる辺りも安藤コンテらしい。

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リングに向かう長い廊下のやり取りは最終決戦のテンプレか。You're king of kings! 例に漏れず決戦直前の対峙、先のステージを讃えながらも引退宣言を念頭に「負けません」と強い瞳を向けるゆめにエルザ様は戸惑い――

「今日ここにいる全ての人の心を輝かせたい」

一緒に頑張ってきた仲間はもちろん、その輝きを見た周囲の人々をも輝かせたい。パーフェクトエルザを前に一歩も引かず、それどころか諭すような笑みを湛えて語るゆめの大成っぷりが凄い。これまでの日々を背負った語りカットも雰囲気が出ていました。一方エルザ様は孤高の輝き=「たった一人の煌めき」こそトップアイドルの在るべき姿とするポリシーをあくまで曲げません。そんな水と油の邂逅は混ざらないまま物別れ…暗い廊下へ掃けていくエルザ様と光に向かうゆめの対比が印象深いこのカット、なるほど勝負の行方を暗示していたのかもしれない。

「こういう時こそ堂々と信じて見守るのが真の友というもので…」
「手、震えてるわよ」

開演直前の客席で演者以上に緊張しているみなさんの様子をチラリ。人の緊張を指摘するあこにゃんこが一番緊張しているお約束かわいい(笑。そして前席のゆず先輩はゆめが宿す「瞳の奥の闘志の炎」をサラッと語って勝利を確信…昭和の少年マンガか! そういやエルザ様の時はアリーナ観戦だったのに今は何故かスタンドに収まっています。同じ日なのに何故? どーでもいいけど一応トップアイドルが変装無しで並びの席に座っていたら周囲はパニックよね。特に真昼なんて決勝トナメ出場者=世界のトップ4なのに。ひょっとして多彩な髪型アレンジは変装のメタファーだったりするのだろうか?

「みんなで一緒に輝いてみせる」

一方コーデチェンジ前のゆめはみんなの顔を浮かべながら気持ちを高め、高まりきった顔アップで久々に瞳に虹が掛かる?と思ったら、ナチュラルにオーラを放って光粒を浮かべ…かつての「謎力」を超えるアイドル力、言い換えれば潜在力を超えた実力を身に着けた今のゆめの高まりが伝わるヒトコマでした。

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ほどなく始まったゆめのステージは前回の宣言どおり「MUSIC of DREAM!!!」、注目のムービーはステージオン時に虹オーラがピカッと走って期待マシマシなれど、いざ曲が始まったら第88話ver.マンマで何事!? そのままAメロBメロと進み、まさか決勝なのに丸バンク!?…いやいやさすが決戦ステージは丸バンクでは終わらなかった。Bメロ終盤で光が収束し空へ飛び立つカットに派手なエフェクトが加わり、これは!? と思った次の瞬間、空中ステージへ突き抜けたゆめに太陽エフェクトが掛かって太陽ドレスに超進化であります。なるほどこう来たか!

前例同様ここから先の映像は太陽ドレスver.となり、アクションの度に弾ける盛り盛りエフェクトに包まれた進化版ゆめのステージが映し出されます。エフェクトを盛りすぎてドレスデザインがよくわからないくらい(笑。あとロングドレスのせいでエルザキラーステップがよくわからない(無い無い。ともあれ華やかMAXなドレスを纏って歌い踊るゆめの姿はさすが後攻ヒロインの最終進化と申しましょうか、これで勝てなきゃどーにもならないレベルであります。SpAも惑星エフェクトから「スターエターナルシャイン」をキメてフィニッシュ。そういや太陽ドレスのSpAにブランドは反映されないのね。

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常連客の小っさい姉弟や仲間たちなど誰もを魅了したゆめのステージ。しかし何より驚かせたのは太陽ドレスが現れた事で…ってな姿を見たエルザ様はさすがに穏やかじゃありません。お母様に振り向いてもらうため自分の全てと引き替えに手に入れた唯一無二のドレスなのにまさかの二着目出現、しかも自分と違って全ての人に祝福され手に入れられてしまったのだから。歓喜の声に包まれるゆめと、たった一人のVIPルームで息を呑むエルザ様の対比が辛い。またここのドレス姿を前回のエルザ様と反対に右向き(正方向)に立たせる辺り芸コマというか安藤氏らしいというか。

「あこちゃん泣くのはまだ早いんだぞ」
「ええ、勝敗の結果を見るまでは」
「とはいえそんな事などもはやどうでもよくなるような素晴らしいステージでしたね」

大一番を終えたステージ裏にてみなさんの出迎え、感動を伝えるローラ&真昼を出し抜いて号泣ハグのあこかわいい(笑。続いてリリエンヌの絶賛に笑顔を返すゆめでAパート引き。それにしても前回から「仲間に囲まれるゆめ」と「孤独なエルザ様」の対比をテッテ的に見せていますね。わかりやすい。というわけでファイナルの結果は如何に?

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事あるごとに顔を出すけど期待以上の活躍をしてくれなかったシャイニーアカデミーの二人や懐かしいレイナちゃんも見守る結果発表、各々伸びるゲージを固唾を呑んで見守る中で当のゆめはじっと目を閉じ結果を待ち――

「勝者は虹野ゆめさんに決まりました!」

僅差のゲージを見た瞬間パァッと目を見開き、しかし次の瞬間喜びを弾かせる訳でもなく穏やかな表情で勝利を噛みしめるゆめ。この結果は自分だけの手柄じゃない、みんなの思いが勝利に導いてくれた…みたいな感謝の念が優っているように思える絵面です。ともあれここではしゃがない辺りゆめも大人になったもの、見ているこっちもしみじみです。一方陥落したパーフェクト太陽は唖然ボーゼン、まさかの負けに魂抜かれて立ち尽くすエルザ様の落胆ぶりがズバリ伝わる演出に見入り。これは静かにキツイ。

「エルザさん。私が心を輝かせたいって思っていた人の中にはエルザさんも入っているんですよ」

黙って立ち去るエルザ様を呼び止めたゆめの言葉。いろんな歪みを一身に背負い本心から輝けていないエルザ様の胸中を見据え、だからアイドル引退をどうしても止めたかった…つまり勝利確定時のゆめの穏やかな表情は引退阻止を達成した安心感もあったのでしょう。だから露骨にはしゃがなかった。いやはやたった1コマにいろんなドラマが詰まっているものです。一方エルザ様はゆめの言葉を受けて敗因を自覚し負けを認めた。「太陽」の二つの側面、強い輝きで煌々と光るか、強い輝きで周りをも照らすか、これをアイドルの在り方に当てはめた時どちらが正解に近いのか?という事でしょう。ただ作品のキーワード=ゆめの目標たる「一番星」のイメージは前者なんだよなあ(笑

ゆめは自らの強い思いでドレスを進化させ、その進化はエルザ様のパーフェクトを上回り勝利した。つまりひめ様曰く「ドレスを制する者が~」のくだりは結果的に正解だった。熱血思考の「劣るドレスでも頑張れば勝てる」のではなく「頑張れば強いドレスを手に入れられて勝てる」という逆転プロセスなのでした。と勝手に納得しときます。

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「謝るのは私のほうよ、エルザ」
「こんな簡単な事でさえ今までしてやれなかったなんて」

エルザ様落胆のステージへ突然現れたサプライズ、まあ九分九厘この流れは予想できていたけれどまさか衆人環視のステージでご披露するとは。そういや以前もこんな流れ(裏でやるような事をステージ上で延々展開)があったっけ。ともあれお母様の顔を見た途端、あの強気一辺倒だったパーフェクト女王が子供のように泣き崩れるヒトコマはなかなかグッと来ます。やっと等身大のエルザちゃんを見られた感じ。対するお母様は娘の涙にようやく開眼、花束を投げ捨てて駆け寄るとギュッとハグし、敗けてもなおパーフェクトな娘を認め…全力のステージをお母様に認めてもらえたエルザ様もさらに涙して大団円であります。

とはいえフォルテ母娘のすれ違い描写が本編中最小限しか無かったため、本来ならもらい泣きするような場面なのに「これで決着?」と少々拍子抜けしてしまったのは残念でした。二人の表情や間など泣かせ演出が秀でていただけに返す返すも残念。また至る仕込みがきっちり描かれていれば係るVAお家騒動の茶番化もスッキリ流せたけれども(略

「そういえば大変だったのよ。ここに来るまで」

そして留守電の返信すらよこさないお母様が何故会場に? のネタバラシ。そもそもお船からひょいと行けて会場までひょいと行ける場所にいた事自体が謎ですが、キャロを使ってぶちまけた重要書類を盾に引っ張り出すという流れも結構絶句。形振り構わぬの体現でしょうがこういう局面にコメディを挟まなくていいから! 行けない理由は明言されずとも九分九厘公務の多忙と思われますが…繰り返すけれどひょいと行ける場所に居るのに行けない理由には少々厳しい。ステージ上でのアツいハグ(娘への愛情)を思えばなおさら。留守電の件も公務に忙殺されて気付かなかったとかヒトコマ入れとけば済む話なのに全く触れない不思議。ちなみに件の重要書類によるとお母様は「モナコ公国王妃・ユキエ・グレース・フォルテ」とのこと。グレースケリーか! つまりあの建物は学校ではなく大使館? つまり^2こんな狼藉は警備員を呼ばれて即終了ですよね(それは言わない

「安心したわ。エルザにこんなに素敵なお友達がいるなんて」

続いてVA衆との和解シーンへ。手段を選ばずお母様を連れてきてくれた「友達」の存在にようやく気付いたエルザ様はこれまでの所業を自省し、対する三人はエルザ様への変わらぬ思いを伝え…これまたガチンコ王道な流れですが、視野狭窄に陥った独善者が「負けた」ことで周囲の思いに気付くというイイハナシ的なオチで収めるなら、散見された「生徒たちの事を思っての解散」みたいな善人フラグは無いほうが良かった。まあ作風上露骨な悪人には描けなかったでしょうけれど、これではエルザ様の本心がどちらにあったのか中途半端で、和解の感動も中途半端になってしまった感じ。

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「いやまさかの大勝利だよ! よくやった、よくやったよ!」
「まさかのって学園長! ゆめちゃんが負けるかもって思ってたんですか?」

思わず本音を漏らす学園長におかんむりのひめ様かわいい、焦って言い繕う学園長に呆れる顔もかわいい! そして「次は誰が勝つんでしょうか」と意味深なお言葉を。それにしてもランキングファイナル終了までひめ様自身の動きが全く描かれないとは。今さらエルザ様との直接対決も無いだろうし、残り4話のうちゆめのひめ様越え(?)を見せて終了かな。

「目標があるっていいよね」

決戦終わってS4城では部屋に集ってささやかな祝勝会。勝利の大泣きをからかわれるお約束から話題はS4戦へ。一山越えての新たな目標に意気を上げるは良いけれど、次期S4のメンツは既に決まっているようなものなので傍目にはイマイチ気分が上がらない。今さらだけど「トップ4人」ってのは何をするにもドラマ作りのコストが高すぎるね。

「アイドル…私はこれから…」

賑やかなS4部屋から一転して月夜の舳先で一人佇むエルザ様のシーン。「勝ったらアイドル引退」と大見得切った勝負のその後、負けたから引退撤回とするのはパーフェクトエルザとして面目次第もござらん。プライドが服着て歩いていたような以前のエルザ様だったらのこのこ戻っていけないはず。しかし今は――

「あ~、やっぱりここにいた」
「もうそんな所にいたら風邪ひきますよ」
「エルザ、上着」
「ありがとう」

みんなの気遣いに「ありがとう」と言えるようになった、つまり周囲の気持ちを受け入れられるようになったのですね。舳先のシルエットが浮かぶ何気ない会話にエルザ様の微妙な変化を映し出す綺麗な締めでした。



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アイカツ!「第96話 レッツ!あかりサマー!」

アイカツ!「第96話 レッツ!あかりサマー!」に関するアニログです。

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前半の話の持って行き方は凄く自然な感じでした。
エルザ様が闇(暗い方)に消えていく中、ゆめは光(観客のいる方)に歩いて行くシーンは、一瞬でしたが印象に残りました。「ドレスがみんなを輝かせる」。ここでも徹底してエルザ様との対比が見られましたね。
ゆめのステージ、ゆず様推しの私としては、エルザキラーステップを探そうと、リアタイ時は必死でした笑。当初太陽のドレスが出現するのは、「音が生〜ま〜れる〜」の飛んで到着して(?)、手をこちらに広げているときだと思っていました。なので、あれ⁉︎太陽のドレスは⁉︎ となり。そのあとちゃんと現れて良かったです。
フォルテ様ご登場のときはホッとしましたが、やはり私も ステージでやらなくてもいいのでは? と思いました。せっかくゆめが優勝したのに…。この母娘の話がほとんど展開されていなかったので非常に残念。それを考えると、レインボーライブはクリスマスの話凄く良かったですね。
あと 少し引っかかったのが、ゆめの部屋での真昼の一言。「アイカツシステムに選ばれた」というのはごもっともなのかもしれませんが、そこは「ファンの皆の声援も力になった」くらい言って欲しかったです。

れすれす

>隠れゆず様推しさん
映像の出来はさすが安藤演出回。これまで幾度と描かれたゆめvsエルザ様の対比も極まり、他にも細かい演出の妙技に目を離せませんでした。太陽ドレス発動タイミングはなるほど。私的にはゆめが勝つなら太陽ドレス無しで勝つパターンを予想していたため発動した時は「あら?」って感じで(笑。フォルテ母娘のドラマは致命的に描写不足なのでこのテの話に弱々な私ですらほとんど響いて来ず残念。その点(ジャンルも作風も違うけれど)レインボーライブの親子ドラマは見応えありましたね。というかあっちはほぼ全てのキャラが濃厚な親子ドラマを展開していて胸焼け寸前でしたが(笑。真昼の「システム~」の件は太陽ドレス発動の最終プロセスについてなので理屈は通っている、けれど言葉尻に何となく違和感があるのも判ります。
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