2009-03-26(Thu)
とらドラ! #25 とらドラ!
俺は竜、お前は虎。虎と竜は昔から並び立つって決まってる。

というわけでとらドラ最終回です。

恋愛関係のメインストリームは前回でほぼ決着してしまったため最終回は何やんの?と思っておりましたが…なかなか綺麗にまとめてきましたね。まずはみらのちゃん23歳オイオイ!の話。「竜ちゃん!竜ちゃん!」と息せき切って走るやっちゃん、向かうのは高須実家であります。一体何事!? カバンを放り投げ悲壮感全開の表情から玄関を開けるとそこに竜児の姿、しばし立ち尽くした後に見せる安堵の顔、そして祖父母登場と共に破顔の号泣へ至る流れはやっちゃんの心理変化を過剰なほど見せつけていました。
初見では何が何だかでしたがこれはタイガーの仕組んだ「イ、インチキ…」。竜児が命に関わる事故に遭ったと嘘の留守電を入れ、それを聞いたやっちゃんが実家へ駆けつけたとのこと。家出中のやっちゃんがどうやって留守電を聞いたんだ?という野暮なツッコミは入れますまい。
疎遠の実家へ戻り小さくなってるやっちゃん。厳しい父と優しい母、何があっても親子は親子であり、長い空白など一瞬で埋まって親子関係は無事に修復です。何ともあっさりしたもので現実はそう上手くいかないでしょうけれども…やっちゃんのかわいさに免じて納得してしまいましょう。
ここで竜児出生から現在に至る経緯を説明します。一瞬映った「高須泰子」と名前の書かれた工作のペン立て、娘は家を出てしまったけれどもその存在は祖父母の中から消えていなかった、「ここは高須泰子の家」だという表れ。一瞬のカットで祖父母の親子愛が伝わる上手い見せ方です。
やっちゃんの竜児に対する底抜けの愛情が窺えるシーン。しかし自分より大きく育った息子は自分を置いてどこかへ行ってしまう…ならばその前に自分から離れよう…逃げては何も始まらない…の流れは竜児の現状に照らし合わせてなかなか浸みました。最短距離で上手く作ってるなあと感心しますね。

大人宣言の後に二つ並んだ布団は確信犯(誤用)か? 一つの布団に二つの枕じゃなかっただけ多少は配慮しているのだろうか(笑。田舎の空は満天の星に埋め尽くされ、都会では見えない星も「実際には存在している」ことを知る。しかしこの季節に窓を開けて夜空を見てたら風邪を引きそうな…と余計な心配。
「みんなに祝福してもらえたらそれが一番じゃねえか」
駆け落ちで逃げた所で何も解決しないことを二人はわかっていた。わかっていながら「夢」を見たかった。ここで竜児は男を見せましたねー。おそらくタイガーはこの竜児の言葉でその後の決心をしたのでしょう。
シーツをベールに仮初めの結婚式。堰を切ったようにキスを求める大河の愛おしさったら。いやもう見てられませんまったく(笑。帰りの電車で恋人握りしてる二人もニヤニヤ全開であります。

地元に帰って竜児と別れ際、一瞬映った「止まれ」の標識はこの後のタイガーの行動を予感させます。一人自宅へ戻った大河は嵐のような着信履歴を片付け始め…それはもちろん母親からのコールであり、「ばいばいきーん!」とキレて帰ってしまったことを知ると「なーんだ、子供じゃない」。今まで「親の存在は絶対的なもの」と感じていたのか母親の思わぬ態度に思わず吹き出してしまう大河、これも母親との対話を後押ししたきっかけでしょうね。
後半のキーアイテムとなる夜空の写メ、しかしケータイカメラをあの夜空へ向けても星は映らんだろう…と身も蓋もないことを考えてしまいました(笑

大河はそのまま姿を消し、誰に言うこともなく学校を止めて去ってしまった。驚くみなさん。そりゃ驚くわ。三十路独身先生がいい事を言うてましたが…若者たちはその言葉を噛みしめることもなくケータイ一直線です。現代っ子おそるべし。
そしてみのりんの平手が竜児を襲った! 暴力反対!と言いたい所ですが…先日の騒動の結果がこれか!?とお怒りの気持ちもわからんではありません。しかし竜児は「俺を信じるお前を信じた!」と大河を信じて待つ所存、その信念を聞いたら外野のみなさんは何も言えません。駆けつけた亜美は一瞬立ち止まって距離を取り、竜児の退けと共にみのりんへ沿う。この見せ方も上手いです。
罪悪感騒動のトリガーとなった生徒手帳の写真の秘密が明らかに。まあこれは完全に想定内の結果ですが実際に目にすると来るものがありますね。この事実を知った竜児は「ほんとドジだよな…」と。様々な伏線がこのセリフに集約されていて…思わず竜児と同じ顔になってしまいました。

夜空の写メを見た仲間たちは大河の意図に気付いたようでニンマリ。特に亜美の表情が極上であります。意味がわからないクラスメイトに独自解説をするみのりん、対して「くさすぎて辛いよぉ…」と茶化す亜美がいい味です。もちろんそれは本心で茶化しているのではなく、みのりん同様大河の真意をわかっているからこその照れ隠しでしょう。ほんとこの二人はほんといいコンビになりましたね。
「お前、こういう人を喜ばせること考えるの上手いよな」
竜児の言葉に本音を漏らした亜美。自分のことをちゃんとわかってくれる人がいれば大丈夫、「それが恋じゃなくたって…」と語る横顔が切なく愛しい。最後に魅せてくれました。ほんといい子だなあ。
タイガーのクリスタルスターを手に返信写メの撮影。引きつった笑顔の竜児は両手に花、その花たちは互いに目配せをして…仲の良さがこれでもかーと描かれていましたね。撮影後の映像がきちんとケータイ写メの解像感ぽく処理されていたのも細かい仕事。

そしていよいよラストパート。時は流れて卒業式です。早っ。木原と能登は上手くいった? 照れながらツーショットの表情が初々しくてよろしいな。
式を終えた卒業生で賑わう風景の中、竜児は教室の窓に見覚えのある髪型を発見しました。脇目も振らず教室へ走り…掃除用具入れに隠れたタイガーを見つけるくだりは何と見事な演出か。
「あのさ…好きだ」
今まで絶妙に回避していた言葉をついに伝えた竜児。ここから甘々で終わらず頭突きで締めるのがじつにとらドラらしく思わずニンマリでした。
思えば半年前の第一話はタイガーのあまりの傍若無人さに辟易とし、原作未読のため思い入れも無く、もちろんレビューなど書かず切る気まんまん。しかし試しに見た第二話でドハマリ、以降毎回楽しく、時には苦しく、時には切なく視聴して迎えた今回の最終回。私は原作を読んでいないため比較できませんけれども…アニメ版だけ見た身としては限られた尺で上手く纏めたと思います。シリーズを通し(特に終盤は)時折感情表現に唐突さを感じたもののテンポの良さ、演出の秀逸さに引っ張られた感じ。
というわけで半年間楽しませていただきました。おつかれさま。
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というわけでとらドラ最終回です。

恋愛関係のメインストリームは前回でほぼ決着してしまったため最終回は何やんの?と思っておりましたが…なかなか綺麗にまとめてきましたね。まずはみらのちゃん23歳オイオイ!の話。「竜ちゃん!竜ちゃん!」と息せき切って走るやっちゃん、向かうのは高須実家であります。一体何事!? カバンを放り投げ悲壮感全開の表情から玄関を開けるとそこに竜児の姿、しばし立ち尽くした後に見せる安堵の顔、そして祖父母登場と共に破顔の号泣へ至る流れはやっちゃんの心理変化を過剰なほど見せつけていました。
初見では何が何だかでしたがこれはタイガーの仕組んだ「イ、インチキ…」。竜児が命に関わる事故に遭ったと嘘の留守電を入れ、それを聞いたやっちゃんが実家へ駆けつけたとのこと。家出中のやっちゃんがどうやって留守電を聞いたんだ?という野暮なツッコミは入れますまい。
疎遠の実家へ戻り小さくなってるやっちゃん。厳しい父と優しい母、何があっても親子は親子であり、長い空白など一瞬で埋まって親子関係は無事に修復です。何ともあっさりしたもので現実はそう上手くいかないでしょうけれども…やっちゃんのかわいさに免じて納得してしまいましょう。
ここで竜児出生から現在に至る経緯を説明します。一瞬映った「高須泰子」と名前の書かれた工作のペン立て、娘は家を出てしまったけれどもその存在は祖父母の中から消えていなかった、「ここは高須泰子の家」だという表れ。一瞬のカットで祖父母の親子愛が伝わる上手い見せ方です。
やっちゃんの竜児に対する底抜けの愛情が窺えるシーン。しかし自分より大きく育った息子は自分を置いてどこかへ行ってしまう…ならばその前に自分から離れよう…逃げては何も始まらない…の流れは竜児の現状に照らし合わせてなかなか浸みました。最短距離で上手く作ってるなあと感心しますね。

大人宣言の後に二つ並んだ布団は確信犯(誤用)か? 一つの布団に二つの枕じゃなかっただけ多少は配慮しているのだろうか(笑。田舎の空は満天の星に埋め尽くされ、都会では見えない星も「実際には存在している」ことを知る。しかしこの季節に窓を開けて夜空を見てたら風邪を引きそうな…と余計な心配。
「みんなに祝福してもらえたらそれが一番じゃねえか」
駆け落ちで逃げた所で何も解決しないことを二人はわかっていた。わかっていながら「夢」を見たかった。ここで竜児は男を見せましたねー。おそらくタイガーはこの竜児の言葉でその後の決心をしたのでしょう。
シーツをベールに仮初めの結婚式。堰を切ったようにキスを求める大河の愛おしさったら。いやもう見てられませんまったく(笑。帰りの電車で恋人握りしてる二人もニヤニヤ全開であります。

地元に帰って竜児と別れ際、一瞬映った「止まれ」の標識はこの後のタイガーの行動を予感させます。一人自宅へ戻った大河は嵐のような着信履歴を片付け始め…それはもちろん母親からのコールであり、「ばいばいきーん!」とキレて帰ってしまったことを知ると「なーんだ、子供じゃない」。今まで「親の存在は絶対的なもの」と感じていたのか母親の思わぬ態度に思わず吹き出してしまう大河、これも母親との対話を後押ししたきっかけでしょうね。
後半のキーアイテムとなる夜空の写メ、しかしケータイカメラをあの夜空へ向けても星は映らんだろう…と身も蓋もないことを考えてしまいました(笑

大河はそのまま姿を消し、誰に言うこともなく学校を止めて去ってしまった。驚くみなさん。そりゃ驚くわ。三十路独身先生がいい事を言うてましたが…若者たちはその言葉を噛みしめることもなくケータイ一直線です。現代っ子おそるべし。
そしてみのりんの平手が竜児を襲った! 暴力反対!と言いたい所ですが…先日の騒動の結果がこれか!?とお怒りの気持ちもわからんではありません。しかし竜児は「俺を信じるお前を信じた!」と大河を信じて待つ所存、その信念を聞いたら外野のみなさんは何も言えません。駆けつけた亜美は一瞬立ち止まって距離を取り、竜児の退けと共にみのりんへ沿う。この見せ方も上手いです。
罪悪感騒動のトリガーとなった生徒手帳の写真の秘密が明らかに。まあこれは完全に想定内の結果ですが実際に目にすると来るものがありますね。この事実を知った竜児は「ほんとドジだよな…」と。様々な伏線がこのセリフに集約されていて…思わず竜児と同じ顔になってしまいました。

夜空の写メを見た仲間たちは大河の意図に気付いたようでニンマリ。特に亜美の表情が極上であります。意味がわからないクラスメイトに独自解説をするみのりん、対して「くさすぎて辛いよぉ…」と茶化す亜美がいい味です。もちろんそれは本心で茶化しているのではなく、みのりん同様大河の真意をわかっているからこその照れ隠しでしょう。ほんとこの二人はほんといいコンビになりましたね。
「お前、こういう人を喜ばせること考えるの上手いよな」
竜児の言葉に本音を漏らした亜美。自分のことをちゃんとわかってくれる人がいれば大丈夫、「それが恋じゃなくたって…」と語る横顔が切なく愛しい。最後に魅せてくれました。ほんといい子だなあ。
タイガーのクリスタルスターを手に返信写メの撮影。引きつった笑顔の竜児は両手に花、その花たちは互いに目配せをして…仲の良さがこれでもかーと描かれていましたね。撮影後の映像がきちんとケータイ写メの解像感ぽく処理されていたのも細かい仕事。

そしていよいよラストパート。時は流れて卒業式です。早っ。木原と能登は上手くいった? 照れながらツーショットの表情が初々しくてよろしいな。
式を終えた卒業生で賑わう風景の中、竜児は教室の窓に見覚えのある髪型を発見しました。脇目も振らず教室へ走り…掃除用具入れに隠れたタイガーを見つけるくだりは何と見事な演出か。
「あのさ…好きだ」
今まで絶妙に回避していた言葉をついに伝えた竜児。ここから甘々で終わらず頭突きで締めるのがじつにとらドラらしく思わずニンマリでした。
思えば半年前の第一話はタイガーのあまりの傍若無人さに辟易とし、原作未読のため思い入れも無く、もちろんレビューなど書かず切る気まんまん。しかし試しに見た第二話でドハマリ、以降毎回楽しく、時には苦しく、時には切なく視聴して迎えた今回の最終回。私は原作を読んでいないため比較できませんけれども…アニメ版だけ見た身としては限られた尺で上手く纏めたと思います。シリーズを通し(特に終盤は)時折感情表現に唐突さを感じたもののテンポの良さ、演出の秀逸さに引っ張られた感じ。
というわけで半年間楽しませていただきました。おつかれさま。
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