2009-06-28(Sun)
涼宮ハルヒの憂鬱 #13 エンドレスエイト
まさかまさかのエンドレスサマー。

15498回目の夏休み。
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15498回目の夏休み。
ネタバレ自重派にとって何ともむず痒かったこの1週間、ようやく思いの丈をぶちまけられる!と思いきや…まさかまだ引っ張るとは! 前回レビューでも書きましたがこのエピソードはハルヒシリーズの中でもお気に入りの短編で、ベテランのオタクならば誰でも衝撃を受けたであろう「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」を彷彿とさせる、サブタイトルどおり「終わりのない8月」つまり延々と夏休みをループしてしまうお話です。好きなんですよこういうの。
さて前回描かれたSOS団の夏休み、特にアクシデントが起きるわけでもなく淡々と描かれたそれは放映1回分を丸ごと使った布石でありました。夏休みがループしていることに気付かず無邪気に遊んでいる姿は原作を知っている者にとってニヤニヤ、しかしバイト後のネタばらしが無かった先からは拷問に近かった。いつ気付く(気付かせる)か?とドキワクしながら見ても結局何も起こらぬままキョンが寝てしまいED入り、この瞬間に天を仰いだファンも多かったでしょう。私がそうでしたから(笑
そして今回。巻き戻された時間は前回と同じ風景からスタートしました。リビングのソファに寝そべってダラダラと高校野球中継を眺めるキョン、しかし時間が巻き戻ってリセットされたからと言って前回の夏休み風景を丸ごとトレースするわけではなく…大筋では同じ流れなれど細部が微妙に異なった夏休みを過ごすことになります。
というわけで今回のレビューは前回との差分を見ながらつらつらと語ってみましょう。うちは最速ではないので既に同案多数でしょうけど私が楽しいからいいの。ちなみに画像左列が前回(12話)、右列が今回(13話)の描写です。

ソファーに寝そべるキョン。今回はよほど暑いのか上半身裸です。ハルヒからの電話を受ける際に軽いデジャブを感じる様子は原作どおり、前回はこのアクション無しで電話を受けたことに原作との違いがあったのですがなるほどこういうことでしたか。全体にトーンを落としボカされた映像は前回との違い、何かに気付き始めているキョンの様子を演出していました。電話を切った後は原作以上にデジャブの表現を強調し「これは何かある?」と視聴者にアピール。

駅前に集合。長門以外の服装が前回と違っています。今回は作監担当が西屋氏である恩恵か女性キャラのボディラインがじつに色っぽい。このシーンもハルヒの胸をえらく強調していました。ぽよんぽよん。
舞台は庶民プールへ。今回はキョンのデジャブやループネタバレ以降以外の脚本がト書き含めて同一で、その同じ脚本を各話の演出家が各々の解釈で映像化したようです。例えばプールを前にしたハルヒが塩素の匂いを嗅いで「この消毒液の匂い、いかにもって気がするわ」→ハルヒがプールへ飛び込む→「早く来なさい」のカットを見ても各演出家の表現方法が違っていてじつに面白い。
ちなみに今回のほうがプールは空いているようです(笑

予想どおりハルヒ含めて全員の水着が違っていました。キョン&古泉の会話シーンも演出の違いが顕著に見られ、プールサイドに座る長門の描写も退屈というより絶望感を強調するような見せ方に変わっています。

プールで出会った女の子たちを連れてきたハルヒ。キョンはここでまたデジャブです。この辺りからハルヒのセリフの度に得も知れぬ恐怖を感じ始める私、ハルヒがしゃべる度に脈拍が上がり、背中に嫌な汗をかき、最終的には蒸し暑い部屋で見ているにも関わらず全身に寒気を感じるほどに。超絶作画&好演出で完全に同じセリフ、というのがじつに効きました。
プール後の喫茶店では座る位置が変わっており、ハルヒが書いてきた計画表も前回と書き方が違っています。ハルヒと古泉の位置関係が変わっていないのは偶然なのか意図的なのか。古泉はハルヒに対し無闇に近寄らず正面に向かわず、常に斜の位置から見ているという表れかも。

一人黙々とソーダを飲む長門は前回と同じ、というか彼女はこれを15498回繰り返してきたのでしょうね。
喫茶店を出た面々。前回はキョン以外の4人が同じ方向へ帰りますが、今回は長門だけ別方向へ。その長門を追ったキョンでしたが何を話せばいいのかわからず、結局動揺したままサヨウナラ。振り返った長門はキョンに何かを期待し…しかしキョンの当たり障りのない話を聞くと軽く目を伏せ絶望の表情へ。この細かい描写は超絶作画が光っていました。

盆踊りに向けて浴衣を買いに。行った店は前回と違う店? 買った浴衣も各々別の柄です。並べて見ると前回の浴衣はちょっと野暮ったいかも。それはそうと今回はみくるの胸がすごいことになってて笑った。どんだけ伸縮性の高い浴衣なんだ(笑

盆踊り会場にてキョンが強めのデジャブ。ハルヒ&みくるは既定どおり金魚すくいへ、そして長門はお面を買いに。お面屋の風景も違っていますが…単に作画クオリティの差だったりして。お面を前にして「これで何回目だろう?」とでも言いたげな長門の表情が印象的。

買ったお面はデザイン違いなれど似たようなウルトラマンもどき。宇宙人同士で通じるものがあるのでしょうか?(笑。その後は河原にて花火です。ハルヒが手にする花火が違い、キョンが発射するロケット花火も撃ち方(笑)が違っていました。おそらく同じト書きだろうに演出次第でこれだけ違う絵になるか。

昆虫採集の服装も違い、長門が捕まえた虫もヘラクレスオオカブトからタガメ(?)へ変更。虫取り競争後のリリース風景は演出の差がこれまた顕著で面白かったです。
今回も着ぐるみアルバイト、前回との違いは緑色のカエル(みくる&古泉)が風船ではなくプラカードを持っている点か。しかしハルヒが働かないのは変わりません(笑

真夏の着ぐるみは確かにキツい。全身汗だくで着ていたシャツは肌にぴったりと張り付き…何というサービスカット!ってかノーブラですか? 眼福の後にハルヒ登場、もちろん服装は違い、手に持つアイスも別のものでした。事務所内部の背景は使い回しではなく別起こし、ほぼ同一の脚本にこれだけの手間をかける辺り京アニの本気を感じます。
今回はバイト後の晩に時間ループのネタばらしがありました。泣きじゃくるみくる、他人事のような古泉。あまりの事態を飲み込めないキョンでしたが…長門に言われたら信じるしかありません。通算すれば500年以上も同じ時間を繰り返し、その全てを覚えている長門はどこへ行っても退屈そうな顔をするはずです。2週間ごとにやってくる8/31をこの子はどんな気分で迎えてきたのか。

さて「現在起きていること」を知ってしまったけれども打つ手は見つからず。ここからはそんなどんより気分、絶望感を表すように明度彩度を下げられた映像に変わっていきました。そんな中で唯一変わらないハルヒを見ていると…本気で怖かったです。アニメを見てこれほどの恐怖感を味わったのはいつ以来だろうか? まさかエンドレスエイトでこんな感覚を味わうとは京アニおそるべし。
天体観測の服装も違い、バッティングセンターでの服装も違っています。前回は一人で読書だった長門でしたが今回はキョンが並び…長門はハルヒの構築したこの世界に影響を及ぼさないため594年もの間黙って観測を続けてきた、その事実を聞いたキョンは溜息を漏らすのみです。

夏休みイベントを着々と消化するSOS団のみなさん。ご覧のように着々と明度彩度が下がっていく映像は絶望感を加速し、静かなBGMと淡々としたキョンの語りは反って見る者の動悸を誘います。いやほんとドキドキでしたもの(笑

全ての予定を消化した8/30。ここでハルヒは何かやり残したことが無いか考え…その「何か」さえわかればループから抜け出せるはず。しかしキョンは焦るばかりで何も浮かばない。疲れた疲れたと何も考えずに解散した前回と違い事態を知った今回はまるでお通夜のよう。

「またあさって、部室で会いましょう」
この瞬間私の緊張もピークに達し全身さぶいぼ、本気で背中に冷たいものが走りました。残り時間の無い緊張感、打つ手の無い絶望感、焦燥するキョンに対し前回と変わらないハルヒの動きがそれらを一気に加速します。予想以上の演出に感心しつつキョンの叫びを待つ私…あれ?ハルヒが帰っちゃった? ここでキョンが引き留めないとマズいんじゃ?
というわけで原作既読者もびっくり、まさかまさかの再ループ展開であります。とはいえ部屋の時計が指す「11:45」が午前か午後か不明、窓外の様子からすると午前っぽいのでまだ時間は残っているのかも。今までのネタ振りからして原作と同じオチだとは思いますが、ここまで話を膨らませたのならいっそ違うオチで既読者をも驚かせてほしかったり。
おっと、好きなエピソードとはいえちょっと長くなりすぎました。
今からこんなじゃ「消失」に入ったらどうなっちまうやら。
さて前回描かれたSOS団の夏休み、特にアクシデントが起きるわけでもなく淡々と描かれたそれは放映1回分を丸ごと使った布石でありました。夏休みがループしていることに気付かず無邪気に遊んでいる姿は原作を知っている者にとってニヤニヤ、しかしバイト後のネタばらしが無かった先からは拷問に近かった。いつ気付く(気付かせる)か?とドキワクしながら見ても結局何も起こらぬままキョンが寝てしまいED入り、この瞬間に天を仰いだファンも多かったでしょう。私がそうでしたから(笑
そして今回。巻き戻された時間は前回と同じ風景からスタートしました。リビングのソファに寝そべってダラダラと高校野球中継を眺めるキョン、しかし時間が巻き戻ってリセットされたからと言って前回の夏休み風景を丸ごとトレースするわけではなく…大筋では同じ流れなれど細部が微妙に異なった夏休みを過ごすことになります。
というわけで今回のレビューは前回との差分を見ながらつらつらと語ってみましょう。うちは最速ではないので既に同案多数でしょうけど私が楽しいからいいの。ちなみに画像左列が前回(12話)、右列が今回(13話)の描写です。

ソファーに寝そべるキョン。今回はよほど暑いのか上半身裸です。ハルヒからの電話を受ける際に軽いデジャブを感じる様子は原作どおり、前回はこのアクション無しで電話を受けたことに原作との違いがあったのですがなるほどこういうことでしたか。全体にトーンを落としボカされた映像は前回との違い、何かに気付き始めているキョンの様子を演出していました。電話を切った後は原作以上にデジャブの表現を強調し「これは何かある?」と視聴者にアピール。

駅前に集合。長門以外の服装が前回と違っています。今回は作監担当が西屋氏である恩恵か女性キャラのボディラインがじつに色っぽい。このシーンもハルヒの胸をえらく強調していました。ぽよんぽよん。
舞台は庶民プールへ。今回はキョンのデジャブやループネタバレ以降以外の脚本がト書き含めて同一で、その同じ脚本を各話の演出家が各々の解釈で映像化したようです。例えばプールを前にしたハルヒが塩素の匂いを嗅いで「この消毒液の匂い、いかにもって気がするわ」→ハルヒがプールへ飛び込む→「早く来なさい」のカットを見ても各演出家の表現方法が違っていてじつに面白い。
ちなみに今回のほうがプールは空いているようです(笑

予想どおりハルヒ含めて全員の水着が違っていました。キョン&古泉の会話シーンも演出の違いが顕著に見られ、プールサイドに座る長門の描写も退屈というより絶望感を強調するような見せ方に変わっています。

プールで出会った女の子たちを連れてきたハルヒ。キョンはここでまたデジャブです。この辺りからハルヒのセリフの度に得も知れぬ恐怖を感じ始める私、ハルヒがしゃべる度に脈拍が上がり、背中に嫌な汗をかき、最終的には蒸し暑い部屋で見ているにも関わらず全身に寒気を感じるほどに。超絶作画&好演出で完全に同じセリフ、というのがじつに効きました。
プール後の喫茶店では座る位置が変わっており、ハルヒが書いてきた計画表も前回と書き方が違っています。ハルヒと古泉の位置関係が変わっていないのは偶然なのか意図的なのか。古泉はハルヒに対し無闇に近寄らず正面に向かわず、常に斜の位置から見ているという表れかも。

一人黙々とソーダを飲む長門は前回と同じ、というか彼女はこれを15498回繰り返してきたのでしょうね。
喫茶店を出た面々。前回はキョン以外の4人が同じ方向へ帰りますが、今回は長門だけ別方向へ。その長門を追ったキョンでしたが何を話せばいいのかわからず、結局動揺したままサヨウナラ。振り返った長門はキョンに何かを期待し…しかしキョンの当たり障りのない話を聞くと軽く目を伏せ絶望の表情へ。この細かい描写は超絶作画が光っていました。

盆踊りに向けて浴衣を買いに。行った店は前回と違う店? 買った浴衣も各々別の柄です。並べて見ると前回の浴衣はちょっと野暮ったいかも。それはそうと今回はみくるの胸がすごいことになってて笑った。どんだけ伸縮性の高い浴衣なんだ(笑

盆踊り会場にてキョンが強めのデジャブ。ハルヒ&みくるは既定どおり金魚すくいへ、そして長門はお面を買いに。お面屋の風景も違っていますが…単に作画クオリティの差だったりして。お面を前にして「これで何回目だろう?」とでも言いたげな長門の表情が印象的。

買ったお面はデザイン違いなれど似たようなウルトラマンもどき。宇宙人同士で通じるものがあるのでしょうか?(笑。その後は河原にて花火です。ハルヒが手にする花火が違い、キョンが発射するロケット花火も撃ち方(笑)が違っていました。おそらく同じト書きだろうに演出次第でこれだけ違う絵になるか。

昆虫採集の服装も違い、長門が捕まえた虫もヘラクレスオオカブトからタガメ(?)へ変更。虫取り競争後のリリース風景は演出の差がこれまた顕著で面白かったです。
今回も着ぐるみアルバイト、前回との違いは緑色のカエル(みくる&古泉)が風船ではなくプラカードを持っている点か。しかしハルヒが働かないのは変わりません(笑

真夏の着ぐるみは確かにキツい。全身汗だくで着ていたシャツは肌にぴったりと張り付き…何というサービスカット!ってかノーブラですか? 眼福の後にハルヒ登場、もちろん服装は違い、手に持つアイスも別のものでした。事務所内部の背景は使い回しではなく別起こし、ほぼ同一の脚本にこれだけの手間をかける辺り京アニの本気を感じます。
今回はバイト後の晩に時間ループのネタばらしがありました。泣きじゃくるみくる、他人事のような古泉。あまりの事態を飲み込めないキョンでしたが…長門に言われたら信じるしかありません。通算すれば500年以上も同じ時間を繰り返し、その全てを覚えている長門はどこへ行っても退屈そうな顔をするはずです。2週間ごとにやってくる8/31をこの子はどんな気分で迎えてきたのか。

さて「現在起きていること」を知ってしまったけれども打つ手は見つからず。ここからはそんなどんより気分、絶望感を表すように明度彩度を下げられた映像に変わっていきました。そんな中で唯一変わらないハルヒを見ていると…本気で怖かったです。アニメを見てこれほどの恐怖感を味わったのはいつ以来だろうか? まさかエンドレスエイトでこんな感覚を味わうとは京アニおそるべし。
天体観測の服装も違い、バッティングセンターでの服装も違っています。前回は一人で読書だった長門でしたが今回はキョンが並び…長門はハルヒの構築したこの世界に影響を及ぼさないため594年もの間黙って観測を続けてきた、その事実を聞いたキョンは溜息を漏らすのみです。

夏休みイベントを着々と消化するSOS団のみなさん。ご覧のように着々と明度彩度が下がっていく映像は絶望感を加速し、静かなBGMと淡々としたキョンの語りは反って見る者の動悸を誘います。いやほんとドキドキでしたもの(笑

全ての予定を消化した8/30。ここでハルヒは何かやり残したことが無いか考え…その「何か」さえわかればループから抜け出せるはず。しかしキョンは焦るばかりで何も浮かばない。疲れた疲れたと何も考えずに解散した前回と違い事態を知った今回はまるでお通夜のよう。

「またあさって、部室で会いましょう」
この瞬間私の緊張もピークに達し全身さぶいぼ、本気で背中に冷たいものが走りました。残り時間の無い緊張感、打つ手の無い絶望感、焦燥するキョンに対し前回と変わらないハルヒの動きがそれらを一気に加速します。予想以上の演出に感心しつつキョンの叫びを待つ私…あれ?ハルヒが帰っちゃった? ここでキョンが引き留めないとマズいんじゃ?
というわけで原作既読者もびっくり、まさかまさかの再ループ展開であります。とはいえ部屋の時計が指す「11:45」が午前か午後か不明、窓外の様子からすると午前っぽいのでまだ時間は残っているのかも。今までのネタ振りからして原作と同じオチだとは思いますが、ここまで話を膨らませたのならいっそ違うオチで既読者をも驚かせてほしかったり。
おっと、好きなエピソードとはいえちょっと長くなりすぎました。
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