2009-07-01(Wed)
初恋限定。 #12 ハツコイリミテッド
甘酸っぱい恋愛模様もこれにて完結。

「あなたは今、恋をしていますか?」

まずは11話分を簡単に。楠田が勢いで言ってしまった言葉に大ショックの慧、普段の慧なら勢いよく言い返してくるはずなのに…魂を抜かれたような表情で「ごめんね…」と返す慧のカットから楠田の逃亡へ繋がる演出にはいきなり目が釘付け。これを始めとして前回の慧は終始落ち込みMAXであゆみたちと話していても心ここに在らず、楠田に言われた「お前なんか大嫌い」という言葉が常にリフレインしている様子が痛々しくてたまりません。
さてあゆみたちの話題は「学校を休んだ3人男」についてでした。渋る慧を引っ張ってみなさん揃って財津宅へお見舞いへ、すると財津兄から「衛の家出」を知らされ…書き置きを見るとどうやら楠田と曽我部も一緒らしい。心配でたまらないのに楠田の言葉を真に受けて電話ができない慧の描写がこれまた辛い。あれほど強気な慧の心がここまで折れるとは。そんな慧の心中を察しているのか心配そうな表情を見せるドバちゃんは恋愛上級者ですね。

ここで財津兄が男を見せました。言ってしまえば「叶うはずの無い思い」を、それでもあゆみに対して伝えた財津兄。
「嫌われたって…伝えたいことがあるだろう?」
この言葉で目が覚めた慧はスイッチが切り替わったように楠田たちの追跡を決意。揃って拳を振り上げる頃にはすっかり元気を取り戻し、いざ行かん家出男たちの元へ! いいぞ、それでこそ慧だ!
堅実な衛以外は装備も現金も持たず、行き当たりばったりな家出ライフを満喫中の男たちは猪に追いかけられて絶体絶命(笑。並行して走る電車に追跡組、車窓から見えたその光景に慧は窓から乗り出して絶叫です。風に煽られてなびく髪の描写が慧の必死さを演出していましたね。

そして今回12話へ。1枚の寝袋を3人で使って野宿する男たち。その頃追跡組は旅館の温泉に浸かってキャッキャウフフ、スタイルのいい慧がうらやましい2名、一方でこっそりと自分の胸と比べている千倉ちゃんがかわいい(笑。明けて翌朝さっそく地図を拡げ追跡計画、あゆみと慧のバストサイズの違いがよくわかるカットです。ていうかさすが最終回だけあってどのシーンも作画が絶品です。
坂道を自転車で登る男たち。ろくに食事も摂れず、弁当1個でここまで無茶できるのは若さ故か。中学生男子って無駄に元気だもんなあ(笑。軍資金も尽きてそろそろ帰る頃合いか? いやいやまだ帰れない。全ての面で自分とは比較にならないほどかっこいい恋敵の出現に逃げ出した曽我部、憧れていたお姉さんの心をどこの馬の骨かわからん男にさらわれて傷心の衛、そして自分の弱さゆえに慧を傷付けてしまった楠田。男たちは各々の思いを叫びながら長く辛い坂道を登る。曲がりくねった坂道は男たちの恋の道程を表しているようです。
その坂道を登り切ると光と共に眼前に広がった海。ベタながらいい演出でした。

思いの丈を叫んで頭がカラッポになったところで浮かんだのは慧の笑顔。しかしその直後に弱々しく「ごめんね…」と呟いた慧を思い出し…自分の弱さを突き付けられた楠田はついに正直な気持ちを海へ叫んだ。何とも青臭く照れくさい展開ですが見ていて目頭が熱くなるのは何故だろう。続いて曽我部と衛も海へ告白、ああ若いっていいなあ。
なーんて青春ド真ん中の光景に浸っていた男たちを背後から目撃する者あり。なんと気まずいタイミングでしょう。楠田の叫びをしっかり聞いた慧の超びっくり顔は絶品。そして戸惑いつつ「今の…ほんと?」、そりゃ楠田じゃなくても逃げ出しますわ(笑
逃げ出した3人でしたが自転車疲れが足に来た曽我部がまず脱落。追い付いた千倉ちゃんのふくらはぎは素晴らしくフェティシズムあふるるカット、このアングルはもはや犯罪級です(褒め言葉。ともかくここで曽我部は思いを告白。イケメン先輩に追い付こうと必死な曽我部に対し千倉ちゃんのかけた言葉は素晴らしく大人でした。いい子だなあ。

岬先輩への思いを忘れたいけど忘れられない衛。追い付いたあゆみはそんな衛に対し「逃げたって好きな気持ちは消えない」と…これは自分自身に言っているようにも見えます。衛が岬先輩を好きであることを知り、自分の方へ振り向いてくれないことがわかっていても、それでも衛への思いを消すことができないあゆみ。同じ思いをしているだけにあゆみのセリフは説得力がありました。そんなやりとりを遠くで見ていた2人の兄もいろいろ思うところがあったようです。
そしてメインイベントの楠田&慧の決着へ。ひたすら逃げる楠田に対し靴を投げ、ひるんだ所へ全身タックルの慧、彼女は自分の持ち物について少し自覚したほうがよろしい(笑
この海岸シーンはクライマックスだけあって演出の力の入れ方が尋常ではなく、山川コンテの絶妙さを再認識しました。思えばシリーズ冒頭の1話2話、楠田&慧がメインの3話6話、そして美術部話の9話と出来のいいエピソードは全て山川コンテなのです。さらに今回は作監に下谷氏が入っているためまさに最強としか。

寝そべる慧のスタイルはとても中学生には見えません(笑。思わず毒づいて慌てて口を押さえる表情も秀逸。そしていよいよ慧からの告白です。照れながらも淡々と思いを伝える慧の表情、それを信じない楠田の反応、必死で弁解する慧の様子などなど見ていてニマニマが止まりません。あああもうかわいいなあああこいつら(壊れ気味。両思いと判っても思わず逃げ出てしまう楠田がこれまたかわいい(笑
中学生たちの騒動が一段落したところで…成り行きを見守っていた有原兄は複雑な表情、妹のあゆみも別所兄弟を見て何やら思案の表情です。ついに答を出す時が来たか?

「男は顔じゃないのよ!」
楠田の一件で考えが180度転換した慧は悩めるあゆみにアドバイス。これに恋愛上級者のドバちゃんのセリフが続いてあゆみの心は揺れまくり? 空気を読まず花占いの今宵がいい味を見せた後、「報われない恋にも意味はある」と大人の千倉ちゃん。続く曽我部も同じ意見でしたが「千倉ちゃんも同じこと言ってた」と聞いてショック(笑。同じ境遇として財津兄の気持ちがわかりすぎる楠田の意見は説得力がありました。
妹離れの手始めか岬さんの気持ちを受け止める動きを見せ始めた有原兄。突然の変化に戸惑う岬さんがわいいです。原作だとさらに有原兄の攻勢が続き、戸惑いまくった岬さんが有原兄との距離を置く描写があるのですが綺麗にカット。というかこの描写中に見せる「突然の雨に透けるブラウス」「二人きりでの着替え」がカットされちゃって残念でした(笑
そして玄関前で決意をしたあゆみがドアホンのボタンを押すとEDテーマへ。これは素晴らしいタイミングでしたね。続くCパートにてあゆみは自分の素直な気持ちを告白、1話からの課題を片付けつつ美味しいところを全部持ってったなあ(笑。というわけで綺麗にまとまったいい最終回でした。
大好きな原作なのでアニメ化の話を聞いて嬉しさ半分怖さ半分でしたが終わってみればほぼ完璧とも思える出来に大満足でした。作画に関してもいちご100%のアニメ化にて感じた「繊細な河下絵はアニメに向かない」との認識を覆すクオリティ、作り手次第でこれほど違和感なく映像化できるのかと制作スタッフのGJぶりに感服です。また上でも書きましたが演出も目を見張るものがあり画面に引き込まれることもしばしば、4巻の原作を12話に収めるため編集されまくったエピソードもありましたが総じて上手く作っていたと思います。原作ストックがもう無いため続編は期待できませんが綺麗に終わったのでそれも良し、これはDVD買っちゃおうかな。原作既読者なら超期待できる映像特典の限定少女も気になりますし(笑
というわけで初恋限定のレビューはこれにて終了。お疲れさまでした。
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「あなたは今、恋をしていますか?」

まずは11話分を簡単に。楠田が勢いで言ってしまった言葉に大ショックの慧、普段の慧なら勢いよく言い返してくるはずなのに…魂を抜かれたような表情で「ごめんね…」と返す慧のカットから楠田の逃亡へ繋がる演出にはいきなり目が釘付け。これを始めとして前回の慧は終始落ち込みMAXであゆみたちと話していても心ここに在らず、楠田に言われた「お前なんか大嫌い」という言葉が常にリフレインしている様子が痛々しくてたまりません。
さてあゆみたちの話題は「学校を休んだ3人男」についてでした。渋る慧を引っ張ってみなさん揃って財津宅へお見舞いへ、すると財津兄から「衛の家出」を知らされ…書き置きを見るとどうやら楠田と曽我部も一緒らしい。心配でたまらないのに楠田の言葉を真に受けて電話ができない慧の描写がこれまた辛い。あれほど強気な慧の心がここまで折れるとは。そんな慧の心中を察しているのか心配そうな表情を見せるドバちゃんは恋愛上級者ですね。

ここで財津兄が男を見せました。言ってしまえば「叶うはずの無い思い」を、それでもあゆみに対して伝えた財津兄。
「嫌われたって…伝えたいことがあるだろう?」
この言葉で目が覚めた慧はスイッチが切り替わったように楠田たちの追跡を決意。揃って拳を振り上げる頃にはすっかり元気を取り戻し、いざ行かん家出男たちの元へ! いいぞ、それでこそ慧だ!
堅実な衛以外は装備も現金も持たず、行き当たりばったりな家出ライフを満喫中の男たちは猪に追いかけられて絶体絶命(笑。並行して走る電車に追跡組、車窓から見えたその光景に慧は窓から乗り出して絶叫です。風に煽られてなびく髪の描写が慧の必死さを演出していましたね。

そして今回12話へ。1枚の寝袋を3人で使って野宿する男たち。その頃追跡組は旅館の温泉に浸かってキャッキャウフフ、スタイルのいい慧がうらやましい2名、一方でこっそりと自分の胸と比べている千倉ちゃんがかわいい(笑。明けて翌朝さっそく地図を拡げ追跡計画、あゆみと慧のバストサイズの違いがよくわかるカットです。ていうかさすが最終回だけあってどのシーンも作画が絶品です。
坂道を自転車で登る男たち。ろくに食事も摂れず、弁当1個でここまで無茶できるのは若さ故か。中学生男子って無駄に元気だもんなあ(笑。軍資金も尽きてそろそろ帰る頃合いか? いやいやまだ帰れない。全ての面で自分とは比較にならないほどかっこいい恋敵の出現に逃げ出した曽我部、憧れていたお姉さんの心をどこの馬の骨かわからん男にさらわれて傷心の衛、そして自分の弱さゆえに慧を傷付けてしまった楠田。男たちは各々の思いを叫びながら長く辛い坂道を登る。曲がりくねった坂道は男たちの恋の道程を表しているようです。
その坂道を登り切ると光と共に眼前に広がった海。ベタながらいい演出でした。

思いの丈を叫んで頭がカラッポになったところで浮かんだのは慧の笑顔。しかしその直後に弱々しく「ごめんね…」と呟いた慧を思い出し…自分の弱さを突き付けられた楠田はついに正直な気持ちを海へ叫んだ。何とも青臭く照れくさい展開ですが見ていて目頭が熱くなるのは何故だろう。続いて曽我部と衛も海へ告白、ああ若いっていいなあ。
なーんて青春ド真ん中の光景に浸っていた男たちを背後から目撃する者あり。なんと気まずいタイミングでしょう。楠田の叫びをしっかり聞いた慧の超びっくり顔は絶品。そして戸惑いつつ「今の…ほんと?」、そりゃ楠田じゃなくても逃げ出しますわ(笑
逃げ出した3人でしたが自転車疲れが足に来た曽我部がまず脱落。追い付いた千倉ちゃんのふくらはぎは素晴らしくフェティシズムあふるるカット、このアングルはもはや犯罪級です(褒め言葉。ともかくここで曽我部は思いを告白。イケメン先輩に追い付こうと必死な曽我部に対し千倉ちゃんのかけた言葉は素晴らしく大人でした。いい子だなあ。

岬先輩への思いを忘れたいけど忘れられない衛。追い付いたあゆみはそんな衛に対し「逃げたって好きな気持ちは消えない」と…これは自分自身に言っているようにも見えます。衛が岬先輩を好きであることを知り、自分の方へ振り向いてくれないことがわかっていても、それでも衛への思いを消すことができないあゆみ。同じ思いをしているだけにあゆみのセリフは説得力がありました。そんなやりとりを遠くで見ていた2人の兄もいろいろ思うところがあったようです。
そしてメインイベントの楠田&慧の決着へ。ひたすら逃げる楠田に対し靴を投げ、ひるんだ所へ全身タックルの慧、彼女は自分の持ち物について少し自覚したほうがよろしい(笑
この海岸シーンはクライマックスだけあって演出の力の入れ方が尋常ではなく、山川コンテの絶妙さを再認識しました。思えばシリーズ冒頭の1話2話、楠田&慧がメインの3話6話、そして美術部話の9話と出来のいいエピソードは全て山川コンテなのです。さらに今回は作監に下谷氏が入っているためまさに最強としか。

寝そべる慧のスタイルはとても中学生には見えません(笑。思わず毒づいて慌てて口を押さえる表情も秀逸。そしていよいよ慧からの告白です。照れながらも淡々と思いを伝える慧の表情、それを信じない楠田の反応、必死で弁解する慧の様子などなど見ていてニマニマが止まりません。あああもうかわいいなあああこいつら(壊れ気味。両思いと判っても思わず逃げ出てしまう楠田がこれまたかわいい(笑
中学生たちの騒動が一段落したところで…成り行きを見守っていた有原兄は複雑な表情、妹のあゆみも別所兄弟を見て何やら思案の表情です。ついに答を出す時が来たか?

「男は顔じゃないのよ!」
楠田の一件で考えが180度転換した慧は悩めるあゆみにアドバイス。これに恋愛上級者のドバちゃんのセリフが続いてあゆみの心は揺れまくり? 空気を読まず花占いの今宵がいい味を見せた後、「報われない恋にも意味はある」と大人の千倉ちゃん。続く曽我部も同じ意見でしたが「千倉ちゃんも同じこと言ってた」と聞いてショック(笑。同じ境遇として財津兄の気持ちがわかりすぎる楠田の意見は説得力がありました。
妹離れの手始めか岬さんの気持ちを受け止める動きを見せ始めた有原兄。突然の変化に戸惑う岬さんがわいいです。原作だとさらに有原兄の攻勢が続き、戸惑いまくった岬さんが有原兄との距離を置く描写があるのですが綺麗にカット。というかこの描写中に見せる「突然の雨に透けるブラウス」「二人きりでの着替え」がカットされちゃって残念でした(笑
そして玄関前で決意をしたあゆみがドアホンのボタンを押すとEDテーマへ。これは素晴らしいタイミングでしたね。続くCパートにてあゆみは自分の素直な気持ちを告白、1話からの課題を片付けつつ美味しいところを全部持ってったなあ(笑。というわけで綺麗にまとまったいい最終回でした。
大好きな原作なのでアニメ化の話を聞いて嬉しさ半分怖さ半分でしたが終わってみればほぼ完璧とも思える出来に大満足でした。作画に関してもいちご100%のアニメ化にて感じた「繊細な河下絵はアニメに向かない」との認識を覆すクオリティ、作り手次第でこれほど違和感なく映像化できるのかと制作スタッフのGJぶりに感服です。また上でも書きましたが演出も目を見張るものがあり画面に引き込まれることもしばしば、4巻の原作を12話に収めるため編集されまくったエピソードもありましたが総じて上手く作っていたと思います。原作ストックがもう無いため続編は期待できませんが綺麗に終わったのでそれも良し、これはDVD買っちゃおうかな。原作既読者なら超期待できる映像特典の限定少女も気になりますし(笑
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