在宅アニメ評論家

先週もチラリと映った護送中のアルファルド奪還作戦から。余裕をかましながら悪態を突きつつのキャビン、助手席のヤンキーが膨らませるバブルガムの破裂が合図のように鮮血と銃声と阿鼻叫喚の祭がスタートしました。

本編開始1分でいったい何人死んだやら。のっけから響き渡る銃声、不自由な体勢から至近距離のフルオートをかいくぐって情け容赦ない攻撃を繰り広げるアルファルドの戦闘能力の凄まじさ、一瞬の躊躇も無くトリガーを絞る様はまさに戦闘マシンであります。のっけから何という迫力映像を見せてくれるか！



撮影した写真をチェックするみのさんは死んだ着ぐるみ男に痣のようなものがあることに気付きました。これはUAウイルスによるもの？　なんて所へ追加の写真フィルムを持ってきたマリア。くるくるっとターンしてフィルムを見せるカットは彼女の軽いノリが窺えます。こんなカットまでいちいちよく動くなあ。

ここでマリアの過去が明らかに。ネタを無闇に引っ張ることなくいいタイミングの説明です。UAウイルスによる市街地テロに巻き込まれたマリア、致死率100%のウイルスに感染させられ、しかし父親が開発していた抗ウイルス剤によって一命を取り留めた過去。なるほど現在の天真爛漫さに反してなかなか際どい経験をしてらっしゃるようです。この過去がマリアの性格を変えたのか、蛇に巻かれる全裸のマリアは今と雰囲気が全然違いますね。



カナンはアジトにて得物の手入れ。夏目の口ぶりからすると普段は手入れをサボり気味なのかも？　日常的にお手入れしとかないと肝心な時にジャムって死ぬよ。それにしてもお手入れシーンの妙なリアリティは何だ？　ガンアクションが見せ場の作品は数あれど分解掃除のシーンをここまでリアルに描いた作品は思いつかない。カナンは何も気に留めていない風だけど夏目はカナンが嫌いらしい。この微妙な人間関係が何かの火種となるか？　

怪しい集団がマリアたちの部屋をガサ入れ。マリアが着ていたパーカーにセンサーのような機械を当てると表示された文字は…

THIS OBJECT HAS A POSSIBILITY THAT IT MAY BE INFECTED BY THE VIRUS.
THE FOLLOWING REACTION WERE SHOWN > UA VIRUS

どうやらUAウイルスが検出されたようです。これはマリアが今だ保菌者ということなのか、それとも件の着ぐるみ男から飛んで来たものなのか。どちらにしろあまり歓迎すべき状況では無さげ、というかマリアと行動を共にしているみのさんは大丈夫なのかね。

救出したアルファルドに対し「姉さま」と呼ぶリャン・チー。話しかけてもろくに相手をしてもらえず爪を噛む様子はかーなーり危ない。1話2話とドＳっぷりを遺憾なく発揮しているリャン・チーがこんな表情を見せるとは…その反動のBB弾を一手に受けるメガネのおっさんが気の毒でありました（笑

そのリャン・チーは先程のガサ入れ集団からの電話を受けると「いけ好かない爺の娘？　殺しちゃいなよ」、次のカットは暗闇にてナイフを構える男たち、そして…。リャン・チーの言う「いけ好かない爺」とは抗ウイルス剤を開発したマリアの父親のことでしょうか。当のマリアたちは外出中で難を逃れましたが…ではこの時殺されたのは誰？

シャワーを浴びたアルファルドは手紙の差出人を見て複雑な表情に。封筒に書かれた差出人の名はSham、今後関わってくる人物なのだろうな。



今回は中華料理屋でアルバイトのユンユン。登場シーンから胸がたゆんたゆんですが…肉まんを仕込んでいたのね（笑。揺れ揺れおっぱいを見て目を丸くするみのさんがいい味でした。マリアからカナンの情報を引きだそうとインタビューしても返ってくる答えはほとんど役に立たないネタばかり、これは核心部分の記憶を無くしているということなのでしょう。

そんな二人を店外から狙う者あり。にくまん繋がりで見せるカットチェンジは面白い繋ぎでした。この作品はこれに限らず小道具の使い方に拘りがあって面白い。前回今回と射的屋台のぬいぐるみも上手く使っていました。

ゆるいインタビューの真っ最中に店へクルマが突っ込んできたかと思ったら次の瞬間銃声が響き渡り…さあアクションシーンの始まり始まり。ノリノリで乱射する爺ちゃんいい味出してるなあ（笑



慌てて逃げ出す二人を追うべくクルマは路上へ戻り、窓から乗り出した爺ちゃんが二人を指さすと二人揃ってリアクション。緊迫した中でユーモラスなアクションを取り入れた見せ方は楽しすぎ。こういうカットを含め全体に漂う香港アクション映画のノリは嫌いではありません。

体を張ってタクシーを止めたマリア。乗り込んだタクシーの運ちゃんがこれまたいいキャラすぎでした。上海の街で見せるカーチェイス、「ガスが足りねえ」とチャイナチャイナの大合唱、そしてお約束の行き止まり展開（笑

「男にはね、走らなきゃいけない時があるんですよ！」

運ちゃんの気合い一発で空を飛んだタクシーはビルの屋上へ着地、いやもうテンション高すぎ面白すぎ。ちなみに上海の街を走るタクシーはほとんどがVWのサンタナらしく、もちろんこの作品でマリアたちが乗ったタクシーもサンタナでした。こういう所まできちんと描かれているのは非常にポイントが高いです。



無事に着地して一息も束の間、追っ手の爺ちゃんペアは今だしつこく銃を乱射してきてます。テンション高いなー。ってな所へカナンが登場、ビルを飛び降りながらこの後のアクションで使う鉄パイプをさりげなく調達しているのは芸が細かい。

屋上のフェンス越しにカナンへ話しかけるマリア。刺客に狙われてる立場なのにホテルのルームナンバーを大声で伝えてしまう天然っぷりは微笑ましさを超えています。どんだけ無防備なんだ。でもかわいいから問題なし（笑

カナンを追う刺客ペアは渋滞にハマり…屋根から顔を出したカナンを追う爺ちゃんはメートル上がりっぱなしの超ハイテンションで乱射しまくり、そして中華アクション映画定番のバス屋根アクションへ。爺ちゃんと対峙したカナンの目が赤く光り共感覚の発動、爺ちゃんの銃弾を鉄パイプで振り払う様はカナンの特殊能力を見せつけていました。強烈なスピード感と多彩なアングルで見せる大迫力のアクション、しかしカナン自身はどこか他人事のように冷めた様子なのが印象的です。オチは電線か看板か？と思って見てたら…爺ちゃんが電線に絡まるオチはあやとりにかけているのだろうね。

黒焦げの爺ちゃんを見て「お兄ちゃん」と呟くのはリャン・チーがアルファルドを「姉さま」と呼ぶのと同義かな。まさかリアルの兄さんとも思えんし。

刺客から逃げ延びたマリアたちがホテルの部屋へ戻るとそこは血の海、どんだけジェノサイドすればこんな血塗れになるんだ？と思わないでもありませんが野暮は言いっこなし。こんな目に遭ってもスクープを追う決意のみのさん、一方のマリアは相変わらずのマイペースで猫と戯れ…月明かりに照らされた猫コスチュームのハッコーとご対面です。こんなスタイルで二人を待ち伏せるハッコーの目的とは？

いやー面白いなあカナン。開始2回ですっかりドハマリです。

　　　

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