2009-07-17(Fri)
東京マグニチュード8.0 #02 壊れる、世界
大地震発生その後。

はぐれてしまった弟くんの捜索から再会まで。

地割れする道路、液状化現象、崩れ落ちるゆりかもめ高架などなど、ついに発生した関東大地震の描写は「膨大なリサーチと検証に基づいて制作した」と言うだけあってあまりに生々しく、見慣れた景色が壊れていく様子は何と恐ろしい。崩れた遊歩道にて当面の難を逃れた未来は己の浅はかさを呪い、そして弟くんとはぐれたことに気付いた。
ショッピングモールから避難する群衆に逆らって店内を探す未来。パニックも起きず淡々と避難する群衆は映像上のインパクトが薄いけれども、照明も店内BGMも落ちた瓦礫の店内を無言のまま歩いている様子は反ってリアル、フィクションとはいえ空恐ろしい映像です。避難に逆行する未来を誰も気に留めないのも寒々しい、と思いつつ実際はこんなもの、他人のことなど構ってられないだろうなあ。
弟の手を離してしまったことをいくら悔やんでも悔やみきれない。未来は一人取り憑かれたように店内を彷徨い…瓦礫と化した店内の様子や破裂した水道管の描写がこれまたリアルで恐ろしすぎ。倒れた未来を剥がれ落ちた天井が襲うも危機一髪で真理に助けられ一息。頼る人のいない状況にて現れた救いの女神は未来の様子を察すると弟くんの捜索に同行することに。真理はさすが大人です。大声で弟くんの名前を呼びながら避難して来る人々に声をかけては情報収集を重ね…オモチャ売り場の話を聞いて一人暴走する未来は見ていて辛い。あまりに冷静さを欠いた行動でしたがこの状況で中学生相手に「落ち着け」と言うほうが無理でしょう。
冷静に状況判断できない未来は崩れた階段を前にしても一直線に駆け下り、引き留めようと叫ぶ真理を無視してジャンプ! コナンか! 危機一髪で助かったはいいけれどあまりに無謀な未来を放っておいたら自滅してしまう、話も聞かず一人駆け出す未来を追いかけてビンタ一発!…かと思いきや胸に抱きしめ言い聞かせる真理の母性。このシーンはグッときました。

オモチャ売り場へ到達すると折しも子供の救助中。しかしそれは弟くんではなく…瓦礫に押し潰された子供の足を見つけてしまった未来の叫びがこれまた痛々しい。真理は「きっと避難しているはず」と言うけれどもし逃げ遅れていたら、もしどこかで瓦礫の下になっていたらと考えると自分だけ避難するわけにもいかない。とはいえ余震によって崩れ続ける建物にいつまでも留まっていられない。何と厳しい二択か。
真理に諭されて建物を出る道中にて「飲み物を頼んだ」ことを思い出した未来は最後の頼みと売店を捜索、すると崩れた棚の下から助けを求める声が! よく思い出したぞ未来! 緊張の糸が切れたようにあふれ出す涙、抱きしめた弟くんの手に握られたペットボトルが印象的でした。安全な場所へ移動する最中に弟くんの手を取る未来、もうその手を離してはダメだよ。

基地局倒壊でケータイが使えない状態でもワンセグは映る。画面に映るクリステルの背景はまったく被害も感じさせず、この状況でフジテレビだけ無傷なのはどうも不自然ですが…おそらくゴキブリさえも絶滅するような厄災が地球を襲ってもテレビ局だけは生き残るでしょう。ともあれワンセグに映った報道によると震源地は東京湾北部、震源深さ25キロのM8.0とのことでした。まさに首都直撃の大地震、これが絵空事で終わることを祈りますが…いつかは来るのだろうなあ。
弟くんが見つかって落ち着いたのか未来はいつもの調子を取り戻しつつありました。この状況で親への不満を漏らし、単車の様子を見に離れた真理をも信じていない。あれだけ世話になった人を疑うというのは未来の大人不信の根深さを表していますね。しかし真理は二人の所へ戻ってきました。
「形はさんざんだけどね」
「でも丸い。誕生日のケーキはちゃんと丸いのがいいです」
未来は母親の誕生日に食べた三角のケーキを思い出したのでしょう。切り分けて食べる丸いケーキは新郎新婦の最初の仕事を例に上げるまでもなく「苦楽の共有」すなわち「絆」の象徴であり、真理親子にはそれがあって自分の家族には無かった(と未来が感じている)もの。そのどこか羨ましそうな口調は未来が心の奥で家族との絆を欲していることの表れかもしれません。無事に生還した来年の誕生日には丸いケーキを食べられるといいね。
さてメンツも揃って次回から自宅へ帰るべく三人旅のスタートでしょうか。出先で罹災した際の帰宅難民状態は他人事ではないので三人の道中がどうなるのか非常に興味深いです。行く路は平坦では無いでしょうけれども…無事に家族と再会できますよう。
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はぐれてしまった弟くんの捜索から再会まで。

地割れする道路、液状化現象、崩れ落ちるゆりかもめ高架などなど、ついに発生した関東大地震の描写は「膨大なリサーチと検証に基づいて制作した」と言うだけあってあまりに生々しく、見慣れた景色が壊れていく様子は何と恐ろしい。崩れた遊歩道にて当面の難を逃れた未来は己の浅はかさを呪い、そして弟くんとはぐれたことに気付いた。
ショッピングモールから避難する群衆に逆らって店内を探す未来。パニックも起きず淡々と避難する群衆は映像上のインパクトが薄いけれども、照明も店内BGMも落ちた瓦礫の店内を無言のまま歩いている様子は反ってリアル、フィクションとはいえ空恐ろしい映像です。避難に逆行する未来を誰も気に留めないのも寒々しい、と思いつつ実際はこんなもの、他人のことなど構ってられないだろうなあ。
弟の手を離してしまったことをいくら悔やんでも悔やみきれない。未来は一人取り憑かれたように店内を彷徨い…瓦礫と化した店内の様子や破裂した水道管の描写がこれまたリアルで恐ろしすぎ。倒れた未来を剥がれ落ちた天井が襲うも危機一髪で真理に助けられ一息。頼る人のいない状況にて現れた救いの女神は未来の様子を察すると弟くんの捜索に同行することに。真理はさすが大人です。大声で弟くんの名前を呼びながら避難して来る人々に声をかけては情報収集を重ね…オモチャ売り場の話を聞いて一人暴走する未来は見ていて辛い。あまりに冷静さを欠いた行動でしたがこの状況で中学生相手に「落ち着け」と言うほうが無理でしょう。
冷静に状況判断できない未来は崩れた階段を前にしても一直線に駆け下り、引き留めようと叫ぶ真理を無視してジャンプ! コナンか! 危機一髪で助かったはいいけれどあまりに無謀な未来を放っておいたら自滅してしまう、話も聞かず一人駆け出す未来を追いかけてビンタ一発!…かと思いきや胸に抱きしめ言い聞かせる真理の母性。このシーンはグッときました。

オモチャ売り場へ到達すると折しも子供の救助中。しかしそれは弟くんではなく…瓦礫に押し潰された子供の足を見つけてしまった未来の叫びがこれまた痛々しい。真理は「きっと避難しているはず」と言うけれどもし逃げ遅れていたら、もしどこかで瓦礫の下になっていたらと考えると自分だけ避難するわけにもいかない。とはいえ余震によって崩れ続ける建物にいつまでも留まっていられない。何と厳しい二択か。
真理に諭されて建物を出る道中にて「飲み物を頼んだ」ことを思い出した未来は最後の頼みと売店を捜索、すると崩れた棚の下から助けを求める声が! よく思い出したぞ未来! 緊張の糸が切れたようにあふれ出す涙、抱きしめた弟くんの手に握られたペットボトルが印象的でした。安全な場所へ移動する最中に弟くんの手を取る未来、もうその手を離してはダメだよ。

基地局倒壊でケータイが使えない状態でもワンセグは映る。画面に映るクリステルの背景はまったく被害も感じさせず、この状況でフジテレビだけ無傷なのはどうも不自然ですが…おそらくゴキブリさえも絶滅するような厄災が地球を襲ってもテレビ局だけは生き残るでしょう。ともあれワンセグに映った報道によると震源地は東京湾北部、震源深さ25キロのM8.0とのことでした。まさに首都直撃の大地震、これが絵空事で終わることを祈りますが…いつかは来るのだろうなあ。
弟くんが見つかって落ち着いたのか未来はいつもの調子を取り戻しつつありました。この状況で親への不満を漏らし、単車の様子を見に離れた真理をも信じていない。あれだけ世話になった人を疑うというのは未来の大人不信の根深さを表していますね。しかし真理は二人の所へ戻ってきました。
「形はさんざんだけどね」
「でも丸い。誕生日のケーキはちゃんと丸いのがいいです」
未来は母親の誕生日に食べた三角のケーキを思い出したのでしょう。切り分けて食べる丸いケーキは新郎新婦の最初の仕事を例に上げるまでもなく「苦楽の共有」すなわち「絆」の象徴であり、真理親子にはそれがあって自分の家族には無かった(と未来が感じている)もの。そのどこか羨ましそうな口調は未来が心の奥で家族との絆を欲していることの表れかもしれません。無事に生還した来年の誕生日には丸いケーキを食べられるといいね。
さてメンツも揃って次回から自宅へ帰るべく三人旅のスタートでしょうか。出先で罹災した際の帰宅難民状態は他人事ではないので三人の道中がどうなるのか非常に興味深いです。行く路は平坦では無いでしょうけれども…無事に家族と再会できますよう。
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