2007-11-27(Tue)

全てが滅んだ世界に一人だけ生き残った女の子の物語

絶賛放映中のTVアニメ「ef - a tale of memories」。
カットの端々にまで埋め込まれた伏線と暗喩全開の演出に一瞬たりとも目を離せない、私のような検証オタク深読みオタク語りオタクには願ってもない作品であります。

そんな作品ですからOPも至って意味深。美しすぎる旋律に乗った各キャラクターの見せ方、世界観の表現手法はさすがシャフトと言うべきか。ほんと何度見返してもその完成度にため息が出るばかりでございます。OPだけで丼飯3杯いけます(笑

ef_chihirotext.jpg

このOPにて印象深いのは背景等に現れる英文です。初見の時には中二病患者(笑)によく見られる英字新聞キリバリ背景かと思いましたが、どっこいそんな安直なものではありません。チラチラと読んでみるとこれは本編にて重要なファクターとなる「千尋の紡ぐ物語」そのものなのでありました。そしてこの英文を全部拾った人がいたのであります。なんという暇人(褒め言葉)。
http://data.if.land.to/2007/11/02/16/

というわけでそんなものを見つけてしまったら内容を確かめなければいられません。しかし英文などそうそう縁の無い私でありますゆえサッと読んでサッと訳文起こしてなわけにもいかず、機械翻訳と辞書を往復してなんとなくの意訳文をでっち上げてみました。ってか日本語って難しいね! もちろん英語文法などすっかり忘れてて四苦八苦なのだけど、それを日本語にすることの難しさったら。英語&日本語が得意な方、ぜひ添削を(笑

なおこの文章は一部アニメ本編でも出てきていますが未出の部分もかなり含まれております。おそらくそれは「ものすごいネタバレ」に繋がると思われますのでネタバレイヤーンな方は見ないが吉。ネタバレ上等な方のみどうぞ。
The girl is only one in the world. That made her the god of this world.

「女の子は世界に一人。だから彼女はこの世界の神。」

She found herself on an island when she began to understand things around her. There was a mansion on the island, which was connected to an old castle by a passageway. She did not know why for what purpose those structures which completely seemed to be unfit in the environment were built there. She did not need to know why. And besides, the girl never wondered why she had been there before she realize.

「気付いた時には島にいた。そこは古い城と通路で繋がった島の邸宅。なぜここに明らかにそぐわない建物があるのかわからなかったが、彼女はそんなことを知る必要はなかった。女の子は以前からそこにいたことを悟っていたので疑問に思わなかった。」

There were a huge amount of preserved foods and daily necessaries inside the warehouse of the castle, so she did not have to starve (although she was hungry until she realized these were eatable). But she almost died several times because of sickness and injuries. In most cases, she almost got herself killed by eating either spoiled food or plants and inorganic things around her.

「保存食と毎日の必需品が城の倉庫に大量にあったので彼女は飢えることはなかった(これらが食べられると判るまで彼女は空腹だったが)。しかし彼女は病気と怪我のため何度か死にかけた。たいていは彼女自身が腐った食物か植物、そして周囲にある無機物質を食べることによって。」

She used the mansion as a residential area, and almost never set her foot in the old castle. There was no particular reason to draw a line between the two structures. It was only a rational judgment that the old castle was unfit for her to live there.

「彼女は住む場所として邸宅を使い、彼女の足が古い城へ向くことはなかった。2つの建物を区切る特別な理由はなかった。古い城は生活するのに向かないという合理的な判断だけだった。」

She had nothing to do. The island was small, and one could go around it in half a day by foot. All she could see at the beach was the ocean, the sky, clouds and the horizon stretching as far as she could see in a 360-degree view. That was the everything the world offered.

「彼女はする事がなかった。島は小さく、半日も歩けば一周できた。浜辺から360度見渡す限り見える景色は海、空、雲と地平線。世界に現れるものはそれがすべて。」

2
She painted a human being. It was good. But the girl did not feel like painting a human being in a bigger size. Because she was unable to judge whether it was well drawn or not.
So she decided to add a figure of a boy into the paintings of landscape she had painted. Boy was added to all the paintings. With no specific reason, she starting those paintings in the same places where she painted them. There was not single place in the mansion she did not paint.

2
「彼女は人物を描いた。楽しかった。しかし女の子は人物をより大きいサイズで描きたいと思わなかった。彼女はそれが上手に描けているか判らなかったから。
彼女は今まで描いた風景画に男の子の肖像を加えることにした。男の子はすべての絵に描き加えられた。特に理由はなく彼女はそれらの絵を描いた場所に置いた。邸宅の中で彼女が絵にしなかった場所は一つもなかった。」

The boy was just standing straight in all the paintings. And the boy was looking straight ahead. It meant that the girl and the boy looked at each other every time she looked at the paintings.
The girl had no feeling of achievement. Would he be a “human”? She thought. This was the “painting of a human being”. She knew that from the very beginning. He did not move. She did not think. He was simple there, lonely? Finally, she could ask herself by finding the word. She was not lonely.

「すべての絵の中で男の子はまっすぐに立っていた。そして男の子はまっすぐ前を見つめていた。絵を見るたびに女の子と男の子は互いに目が合う。
女の子には達成感がなかった。彼は「人間」? 彼女は考えた。これは「人間の絵」だ。彼女はその事を始めから知っていた。彼は動かなかった。彼女は考えなかった。彼は単にそこにいる、寂しい? ついに彼女は言葉を見つけ出し自問した。彼女は寂しくなかった。」

The girl started practise drawing her own portrait from the day after the wedding. There was only one human being on the side of the paintings. So, she started painting herself on the paintings.

「女の子は結婚式の後、自画像を描く練習を始めた。結婚したのに絵の側に1人の人間しかいなかったから。なので彼女は自分自身を絵に描き足し始めた。」

On the other side of the paintings, the two had smiles on their faces. Still, the girl felt strange to see herself in the paintings. She could not find right words to describe her feelings. She did not really understand her emotion.
But the paintings continued to capture her attendtion without making her bored for first time for month to come. The girl was alone in the world. That made her the god of this world.

「絵の向う側で2つの顔が微笑んでいる。しかし女の子は絵の中の自分を見ると奇妙な感じがした。彼女はその感覚を文字に表すことができなかった。その感情を理解できなかった。
しかし彼女は月が変わっても飽きることなく絵に惹かれ続けた。女の子は世界でたった一人。だから彼女はこの世界の神。」

Something mysterious happened. It was the day after she repainted all of her paintings, hundreds in numbers. The two in those paintings had moved. But it did not startle the girl, because she had no idea asking herself whether it was abnormal or not.
From the beginning, she was trying to make humans. “Did it work?” The god looked inside the miniature garden. She looked close at the paintings. It appeared that the other side of the paintings could not see the world on her side. The two in the pictures seemed to be doing something, smiling at each other. But the paintings were blured. The world itself appeared blured, giving her no clue to see what they were doing.

「不思議なことが起きた。それは100枚に及ぶ全ての絵を描き直した翌日のこと。絵の中の2人が動いたのだ。しかし彼女はそれが異常なことか判らなかったので驚かなかった。
彼女は最初から人間を作ろうとしていた。「上手くできた?」、神は箱庭を覗いてみた。彼女は絵を近くで見た。絵の向う側からこちらは見えないようだった。絵の中の2人は何かをしているようで、互いに微笑んでいた。しかし絵はぼやけた。世界そのものがぼやかされ、彼女に絵の中の2人が何をしていたか知る手がかりを与えないようだった。」

Why, the girl thought. She could not confirm results. She could not see what was supposed to be there. A strange feeling developed in her mind. She could not describe what it was. She could not find in a dictionary the definition of something she could not describe.
She wondered why the paintings became blurred even though she painted them so clearly. Was it a failure? But the two in the paintings were smiling at each other. That was what her felt which made her feel weird on the other side of the paintings.
Something must have been wrong. I had understood things in the way, making mistakes repeatedly? She thought. She repaint them over and over. But the results were exactly the same. She was at a loss. She began to unsure of everything.

「なぜだろう、女の子は考えた。彼女は答を出せなかった。正気であるかもわからなかった。彼女の心に奇妙な感覚が現れた。それが何かは説明できなかった。その説明できない感覚が何なのか辞書で調べても載っていなかった。
はっきり描いても何故か絵がぼやけてしまうことを不思議に思った。失敗? しかし絵の中の2人は互いに微笑んでいた。それは絵の向こう側の異様な雰囲気を彼女に感じさせた。
何かがおかしかった。やり方がわかっているのになぜ繰り返し失敗してしまうのだろう? 彼女は考えた。彼女は何度も描き直した。しかし結果は変わらなかった。彼女は途方に暮れた。彼女は全てに自信を失い始めた。」

The girl is the only one in the world. So she thought she should make her world much cleaner. She burned all pictures. She set fire to the mansion and the old castle. Along with the structures, she burned all her memories.
Lastly, the god threw the trash, the only trash left in the world, out from the cliff.

「女の子は世界に一人。なので彼女の世界を浄化しなければならないと考えた。彼女は全ての絵を燃やした。邸宅と古い城にも火を点けた。建物と共に彼女の全ての記憶を燃やした。
最後に、神は世界に残された唯一のゴミを崖から投げ捨てた。」

============================================================

当然といえば当然ですがこの物語と千尋の行動は妙にシンクロしています。「島」は千尋がおかれている状況(13時間の鎖に繋がれて出られない状況)を表し、「絵」は千尋が思い描く外の世界(蓮治との時間)。「絵に描かれた少年」は言うまでもなく蓮治。

物語の少女は「絵の中」に入ろうとしますがそれを見た「神」は違和感を感じる。絵の中の2人は楽しそうなのに神は違和感を拭えず、何度描きなおしてもそれは変わらない。おそらくアニメ版のストーリーはこの辺りでしょう。この先が楽しみのような恐ろしいような。

さてここからはefアニメ本編にて千尋が朗読した「物語」の書き起こしです。英文では抜けている「結婚式」の記述もあり、上記の訳文と比較するとかなり興味深い。

----- #5 -----
女の子は世界に一人。だから彼女は神様だ。
女の子は物心がついたときには島にいて、島は狭く半日あれば歩いて一周できる。
海岸から見える景色は360度、海と雲と水平線でしかなかった。
島には城があった。
城の倉庫には保存食や生活雑貨が山のように積まれていて飢えることはなかった。

一生かけても読みきれないほど沢山の本もあった。
それが世界の全てだった。
本に書いてあったのは全て「人間」の話だった。
人間は一人では生きていけない。
そう書いてある本がいくつかあった。
しかし少女は一人だった。一人でも生きていた。
笑うこと、泣くこと、大切だと書かれてることが必要ではなかった。
完結していた。
完成していた。

彼女は人類史においてはじめての平均的な人間だった。
総計一名における統計の平均は自己と完全に同一である。
だから何をしても全て正しい。
そして同時に、全てが間違っているのかもしれない。

----- #6 -----
女の子は絵を描きはじめた。
書物、楽器、絵画、それらしきものの中で一番人間を作ることができそうな道具だったからだ。
でもなかなかうまくいかなかった。
何度も飽きた。別に飽きてもよかった。
季節が一つ変わるころには、飽きていることに飽きるからだ。
やがて絵が描けるようになった。
写実的な風景画というものが自分に向いていることを知った。
あるものをあるように描いていればいいからだろう。
そこにないもの、人間を描くのは大変かもしれないと思った。

----- #7アバン -----
女の子は世界に一人。だから彼女は神様だ。
物心が付いた時にはそこにいた。他には誰もいなかった。
何もすることがなかった。それが世界の全てだった。(#7アバン)

----- #7 -----
女の子はある日、海辺で火を起こしてみた。
本の中に、島に流れ着いた人が狼煙というものをあげるエピソードがあったからだ。
真っ青な空に白いすじが立ち昇る。
これは雲と同じものなのだろうか?と顔を突っ込んだら目と喉がひどく痛かった。
慌てて離れると遠くからそれを眺めた。
役に立たないな、と理解した。
そうやって一つずつ何かを理解した。理解するということを、理解した。

女の子はやがて人間の絵を描けるようになった。
彼女は一人の男の子の絵を描いた。
そして今まで描いてきた風景画にその男の子を描き加えていった。
彼女はそれらの絵を描いた場所に飾った。
島の中で絵にしていない場所はなかった。
全ての場所で女の子は男の子と一緒、そして絵を見る度に目線が合う。
でも女の子にはやり遂げた感慨はなかった。
これは人間だろうか?
考えてみる。いや、これは人間の絵だ。
動かない。考えない。ただ、あるだけだ。
寂しい?
到達したことでようやく彼女は自問できた。
寂しくはなかった。

----- #8 -----
女の子は絵を眺めていることが多くなった。
絵の中の男の子を見ていると不思議な気分になった。
結婚してみようか? 何となく考えた。
本の中に結婚に纏わる話は非常に多かった。
人が生きていく上で大切なことだと書かれていた。
彼女は結婚という制度について詳しく学習することにした。

その後も特に異常は見られなかった。
なんだろうと思いつつ、汚れた服を洗うのが手間だなということに考えがとんだ。
その事件を忘れた頃にまた血が出た。
その前後数日、身体がだるいとは思っていたがなんだろう。
それも数日で収まった。
また次もあった。
そこで、
これが生理なのだと知った。
大人になったということ――子供を生む準備ができたということらしい。
なるほど、やはり自分は人間の女性であるようだ。
しかし、男性のいない世界でそんな準備ができたとしても_

あくる日、女の子は結婚をした。
城の中を漁ってドレスを見つけた。
頭の中で「結婚を誓いますか?」という文字に「はい」と文字で答える。
そして絵の中の男の子と唇を重ねた。
油くさかった。
適当に摘んだ花をブーケというものにして投げた。
いつもより食事も多く用意した。
一応パーティだった。
でもドレスの腰まわりがきつくて食べ残してしまった。
女の子はブーケとドレスと残飯をゴミ捨て場にした崖に放り投げて寝た。
それで結婚式は終わった。

----- #9 -----
女の子は結婚式の翌日から自画像を描き始めた。
結婚したのにこちらの世界には一人しか人間がいない。
だから絵のほうに自分を描き込むことにしたのだ。
女の子は全ての絵に自分を描き込んだ。
向こうの世界では二人の人間が笑っていた。
絵の中の自分を見るのは不思議な気持ちだった。
女の子にはその感情がよくわからなかった。
それでも彼女の興味を引き続けた。

女の子は世界に一人。だから彼女は神様だ。

----- #11 -----
女の子は世界に一人。だから彼女は神様だった。

不思議なことが起こった。
絵の中の二人が動き出していた。
神様は、じっと絵の中を覗き込んだ。
絵の中の二人は楽しそうに笑い合っていた。
しかし絵はぼやけていた。
世界そのものが歪んでいた。
どうしてだろう? と女の子は思った。

女の子に不思議な感情が芽生えた。
その感情は形容することができなかった。
なぜあれほどはっきりしていた絵が見えなくなってしまったのか。
絵の中の二人は笑い合っていた。
それだけを感じる。

彼女は絵を描き直した。何度も何度も描き直した。
しかし、ことごとく同じ結果となった。
女の子はよくわからなくなった。
何もかもがよくわからなくなった。

女の子は世界に一人。だから彼女は神様だ。
神様は世界をもっとずっときれいにしようと思った。
彼女はすべての絵を燃やした。
彼女は城を燃やした。
彼女は自分の思い出を燃やし尽くした。

最後ニ
 カミサマハ

世界ニヒトツ
 残ッタゴミヲ-

崖カラ
 捨テタ-

 

スポンサーサイト




↓記事が役立ったら一票どうぞ。
にほんブログ村 アニメブログ 深夜アニメ

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

プロフィール

nobuma


Author:nobuma
リンク、TBはご自由にどうぞ。
※連絡先(☆を@に):
seaside_megane☆yahoo.co.jp

イヴの時間
当blogはイヴの時間を応援しています。
アイカツスターズ! ステージソングまとめ

アイカツ! ステージソングまとめ

アイカツ! ライブステージムービーの変遷

Twitter
最近の記事
カテゴリ
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
09  03  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 
ブログ内検索
Bookmark
RSSフィード
Amazon
Powerd by FC2