2009-08-07(Fri)
東京マグニチュード8.0 #05 慟哭の、学び舎
避難所となった母校を訪れた未来ご一行。

突き付けられた現実と悲劇。
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突き付けられた現実と悲劇。
東京タワーの倒壊した芝公園から離れ、未来たちは避難所として開放された港区の学校へ。道中の会話からその学校は未来の母校とのこと、結構な難関名門女子校らしく第1話でボヤいていた「受験受験って、ずっとどこにも行ってないし」というセリフを裏付けています。そう言えばクラスメイトも良家の子女っぽい子が多く、未来の前の席では夏休みに出掛ける海外の別荘話で盛り上がっていたような。

ほどなく未来の母校である六華女学院へ到着。もちろん架空の学校ですが正門を見ると東洋英和女学院がモデルのようです。
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見慣れた学校のはずが「知らない所へ来ちゃったみたい」という未来のセリフが地味に重い。ヒビの入った校舎や割れたガラス窓などは言うに及ばず、避難に集う人々の光景、また支援に走る自衛隊や地域市民の様子などなど平穏だった終業式の日とは確かに別世界でしょう。見慣れた風景だけにそのギャップから「尋常ならざる事態」であることを今さらながら思い知ったかもしれません。
地面に寝込む人は医療機関の混雑によって診てもらえなかったと言い、ここに映っていない人々の惨状が目に浮かびます。ここまであまり見られなかったケガ人の描写が入り始めたのは、震災直後の昂ぶりが落ち着き始め、安全な避難所へ来たことで未来たちが周囲を見られるようになってきたということでしょうか。
避難に集う人々や支援テントの雑踏を前に「いいものを見せてあげる」と弟くんの手を引いて走る未来。向かった先は「綺麗なステンドグラス」があるという礼拝堂です。いやまて、この状況で礼拝堂って…弟くんが喜ぶのを想像したのか満面の笑顔で礼拝堂のドアを勢いよく開けた未来、しかし彼女たちが目にしたのは運び込まれた無数の遺体と縋る遺族の姿でした。このギャップはキツい、キツすぎる。前回も遺体の描写はありましたが身元不明のブランケット入りで実感に乏しく、しかし今回の遺体はすすり泣く遺族も合わせてそのものズバリです。突然突き付けられた不幸な現実、しかもその遺族にクラスメイトのメグがいました。顔に布をかけられた遺体は母親でしょうか、夏休みはカリブの別荘へ行くと嬉しそうに話していたメグの家族がこんな災難に遭おうとは。
遺体安置所の中をぐるりと映した映像に後で出てくる婆ちゃんと孫2人の姿がありました。よく見ると遺体の枕元にキャンディが転がっています。この一瞬のカットを伏線と言うには厳しいですが…きっちり映していたのですね。

悲しみに俯くメグに対し何もできなかった未来は自分の無力さに落ち込みMAXです。そんな所へ先程から被災者の世話に回っていた爺ちゃんが登場、暑さに困っていた三人を水場へ案内してくれました。未来も母校なんだからこれくらい気を回せよとツッコみたい所ですがいつになく落ち込んでいる中一女子にそれを望むのは無理というもの。
突然馴れ馴れしく話しかけてきた婆ちゃんは話の様子から最初「未来たちの婆ちゃん?」と思いきや、未来の怪訝な表情にハテナマークの私。しかし様子のおかしさから「何かの理由で壊れてしまった人」のような…そんな婆ちゃんを迎えにきたのは先程の親切爺ちゃんであり、この段階では「認知症?」くらいの意識でした。
しかしその真実は前述のとおり、孫を亡くした事実を受け入れられず彷徨う姿は気の毒すぎてコメントのしようがありません。しかしこの手の悲劇は実際の震災では珍しいことではないでしょう。自分が災難に遭うのはイヤだけれど、知人や家族が災難に巻き込まれての結果を見るのはかなり辛い。派手なパニックシーンと違いじわじわと効く恐ろしさであります。

コーヒー牛乳を隠し味の陸自カレー。こんなネタまでリサーチ・再現するとは。一部で有名なこの隠し味ですが実際に目の前で投入シーンを見たら未来の反応も頷けるような(笑。ちなみに実際に作っている映像はこちら、ヒマな人は7分前後に問題のブツ(笑)をどぼどぼ投入しているのをご確認あれ。
そして再び爺ちゃんとの会話。たまたま呼び寄せた孫たちが犠牲になってしまい…爺ちゃん夫婦の自責の念は尋常で無かろうことは想像に易い。しかし「死ぬべきは自分たちだった」というのは悲しすぎる。阪神大震災の報道時も家族を失ったお年寄りが同様のことを言っていたのを幾度となく聞きましたが、聞く度に言いようのないやるせなさに襲われたものです。
若い命が助かったことを喜び、その人たちのために献身的な援護を夜遅くまで務める爺ちゃん。しかし爺ちゃん的には「何かしていないと」自責に押し潰されてしまう面もあるのでしょう。つくづく災害とは恐ろしいものです。この爺ちゃんとの出会いで「自分のこと」しか見えていなかった、全力自己中だった未来に意識の変化が見えます。ラスト付近は作画も良く、他人のために涙を流す未来の表情が見事に描かれていました。これには思わずもらい泣き。
途中チラリと映った建物内に燻る炎が気がかりでした。港区辺りのコンクリートジャングルでは派手な延焼火災も起きないかもですが、木造家屋の密集した下町はえらいことになっているのでしょうね。

ほどなく未来の母校である六華女学院へ到着。もちろん架空の学校ですが正門を見ると東洋英和女学院がモデルのようです。
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見慣れた学校のはずが「知らない所へ来ちゃったみたい」という未来のセリフが地味に重い。ヒビの入った校舎や割れたガラス窓などは言うに及ばず、避難に集う人々の光景、また支援に走る自衛隊や地域市民の様子などなど平穏だった終業式の日とは確かに別世界でしょう。見慣れた風景だけにそのギャップから「尋常ならざる事態」であることを今さらながら思い知ったかもしれません。
地面に寝込む人は医療機関の混雑によって診てもらえなかったと言い、ここに映っていない人々の惨状が目に浮かびます。ここまであまり見られなかったケガ人の描写が入り始めたのは、震災直後の昂ぶりが落ち着き始め、安全な避難所へ来たことで未来たちが周囲を見られるようになってきたということでしょうか。
避難に集う人々や支援テントの雑踏を前に「いいものを見せてあげる」と弟くんの手を引いて走る未来。向かった先は「綺麗なステンドグラス」があるという礼拝堂です。いやまて、この状況で礼拝堂って…弟くんが喜ぶのを想像したのか満面の笑顔で礼拝堂のドアを勢いよく開けた未来、しかし彼女たちが目にしたのは運び込まれた無数の遺体と縋る遺族の姿でした。このギャップはキツい、キツすぎる。前回も遺体の描写はありましたが身元不明のブランケット入りで実感に乏しく、しかし今回の遺体はすすり泣く遺族も合わせてそのものズバリです。突然突き付けられた不幸な現実、しかもその遺族にクラスメイトのメグがいました。顔に布をかけられた遺体は母親でしょうか、夏休みはカリブの別荘へ行くと嬉しそうに話していたメグの家族がこんな災難に遭おうとは。
遺体安置所の中をぐるりと映した映像に後で出てくる婆ちゃんと孫2人の姿がありました。よく見ると遺体の枕元にキャンディが転がっています。この一瞬のカットを伏線と言うには厳しいですが…きっちり映していたのですね。

悲しみに俯くメグに対し何もできなかった未来は自分の無力さに落ち込みMAXです。そんな所へ先程から被災者の世話に回っていた爺ちゃんが登場、暑さに困っていた三人を水場へ案内してくれました。未来も母校なんだからこれくらい気を回せよとツッコみたい所ですがいつになく落ち込んでいる中一女子にそれを望むのは無理というもの。
突然馴れ馴れしく話しかけてきた婆ちゃんは話の様子から最初「未来たちの婆ちゃん?」と思いきや、未来の怪訝な表情にハテナマークの私。しかし様子のおかしさから「何かの理由で壊れてしまった人」のような…そんな婆ちゃんを迎えにきたのは先程の親切爺ちゃんであり、この段階では「認知症?」くらいの意識でした。
しかしその真実は前述のとおり、孫を亡くした事実を受け入れられず彷徨う姿は気の毒すぎてコメントのしようがありません。しかしこの手の悲劇は実際の震災では珍しいことではないでしょう。自分が災難に遭うのはイヤだけれど、知人や家族が災難に巻き込まれての結果を見るのはかなり辛い。派手なパニックシーンと違いじわじわと効く恐ろしさであります。

コーヒー牛乳を隠し味の陸自カレー。こんなネタまでリサーチ・再現するとは。一部で有名なこの隠し味ですが実際に目の前で投入シーンを見たら未来の反応も頷けるような(笑。ちなみに実際に作っている映像はこちら、ヒマな人は7分前後に問題のブツ(笑)をどぼどぼ投入しているのをご確認あれ。
そして再び爺ちゃんとの会話。たまたま呼び寄せた孫たちが犠牲になってしまい…爺ちゃん夫婦の自責の念は尋常で無かろうことは想像に易い。しかし「死ぬべきは自分たちだった」というのは悲しすぎる。阪神大震災の報道時も家族を失ったお年寄りが同様のことを言っていたのを幾度となく聞きましたが、聞く度に言いようのないやるせなさに襲われたものです。
若い命が助かったことを喜び、その人たちのために献身的な援護を夜遅くまで務める爺ちゃん。しかし爺ちゃん的には「何かしていないと」自責に押し潰されてしまう面もあるのでしょう。つくづく災害とは恐ろしいものです。この爺ちゃんとの出会いで「自分のこと」しか見えていなかった、全力自己中だった未来に意識の変化が見えます。ラスト付近は作画も良く、他人のために涙を流す未来の表情が見事に描かれていました。これには思わずもらい泣き。
途中チラリと映った建物内に燻る炎が気がかりでした。港区辺りのコンクリートジャングルでは派手な延焼火災も起きないかもですが、木造家屋の密集した下町はえらいことになっているのでしょうね。
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