2009-09-11(Fri)
東京マグニチュード8.0 #10 おねえちゃん、あのね
弟くんの真相がようやく明らかに。

予想通りとはいえ悲しい現実でした。

真理さんと別れた二人は自衛隊の輸送車にて成城へ一直線。揺れる荷台で交わされる会話、先週引きにて「おねえちゃん、あのね…」と言いかけた弟くんのセリフの続きは「もしも僕が死んじゃったらどうする?」でした。その言葉を聞いた未来は目を見開いて体を震わせ、しかし次の瞬間我に返ったように怒りの表情を見せます。この一瞬一瞬に見せる未来の表情やリアクション、手を繋ごうとして躊躇する様子などなど…おそらく未来は心の底では事実がわかった上で弟くんがそこに「いる」ように振る舞っている。
それは意識的に行われているわけではなく、あまりのショックによる精神崩壊から身を守るため自衛本能が生み出した無意識の幻想、わかっていながら「死」を認められない思いが弟くんを存在させているのでしょう。避難所で出会った「孫を亡くした婆ちゃん」は実体の未来たちを孫と誤認していたのですが、未来の場合は「存在しないもの」が見えている。形は多少違いますがこのような症状は現実に起こることなのであながち「ファンタジー」「オカルト」と片付けられません。
さて何事も無かったように荷台で仲良く話す二人。弟くんが倒れて以来妙に優しい未来姉ちゃんは今回さらに優しく…今まで優しくしてあげられなかった後悔からそうさせているのかもしれませんね。難しい年頃でひねくれていたけれども…きっと本来の未来はこういう優しいお姉ちゃんなのだろうなあ。
途中の避難所にてカラーガードに引かれた馬へ群がる子供たちの姿。これは震災の精神ショックを和らげるためのアニマルセラピー風景でしょうか。制服などを見ると警視庁騎馬隊? 警察といえばこの作品は震災による治安の悪化については完全スルーですが実際はどうなのだろう? ここ数回は弟くんの生死不明展開に全て持って行かれてしまいましたが…治安などを含めた震災後のリアルシミュレーションを見たかったのが正直なところ。
ほどなく成城へ到着。こちらもかなり倒壊家屋が見られ、大きなマンションが崩れているのは耐震偽装の被害者? 実際に震度6以上が来たらこういう惨状があちこちで発生するのでしょうね。輸送車から降りた二人は見慣れた風景に足取りも軽く、一路自宅へ。

このマンションエリアにて未来は友達と遭遇。お互いの無事を喜び合いながら未だ連絡が取れない友達を心配し…さっきまで走り回っていた弟くんが友達登場の瞬間に消えてしまいました。未来が友達と会話している最中はずっと姿が見えず、友達と別れて自宅へ向かい始めると弟くんはどこからともなく再び登場。
避難所の学校へ到着すると弟くんは一人で校門の中へ姿を消してそのまま行方知れず。ここで終業式の日にマロニエの木を一緒に植えたイツキくんが登場、避難所を案内してもらっていよいよ感動の再会か!と思いきや両親は不在でした。父親が職場でケガをして入院中、母親は看護準備のために自宅へ戻ったとか。何かものすげえイヤな予感がするんですけど…。
避難所の小野沢スペースに残された1枚の写真は家族でお台場へ出掛けたときのものでした。その写真を見て感極まった未来の表情が何とキッツイ。弟くんがあれほど「家族」で行きたがっていたお台場の橋、その願いはもう叶わないことがわかっている? さすが今回は見ていて胃が痛くて仕方ありません。

どこかへ行ってしまった弟くんを捜す未来。マロニエの木の所で待っていれば来るかも?と言われ、風に気付いてふと上を見るとカーテンの合間を駈ける弟くんを発見しました。その姿を追って校舎内へ入り、一面「未来」の習字が貼られた壁の前にてようやく再会です。しかしそこへマサキくんが来ると弟くんの姿は消え…この辺からあからさまになってきました。
「ぼく、お姉ちゃんの名前大好きだから」
この教室は弟くんたちの教室。机に書かれたカエルの落書き、家族で出掛けたお台場の絵などを慈しむように見た未来は弟くんの名を呼びながら思わず涙を流し、場が持たないイツキくんが離れると再び弟くんが登場です。見ていて痛々しすぎ、もう勘弁してください。明らかに様子がおかしい未来に戸惑うイツキくんのリアクションも見どころでした。

マロニエ日記を取りにイツキくん宅へ。震災による家屋の被害はかなり大きく、もう一揺れ来たら倒壊しそうな…というわかりやすい流れ。イツキくんは「危険」の張り紙を軽くスルーして家へ入り、するとこの先起きることがわかっているかのようにイツキくんを追って家へ入る弟くん、未来は二人を追うように家の中へ。
最初の2ページしか書かれていないマロニエ日記。書かれていた内容を読むと弟くんがいかに未来のことを好きだったか伝わってきます。泣けるねえ。続く2ページ目はイツキくんによるもの。
「毎日水をやるやくそくをしたのに、ゆうきはロボットを見に行っちゃいました。ずるいよ。あしたはゆうきのばんなので、あしたはゆうきたのむ」
震災当日の日記が最後でした。たった2ページのマロニエ日記は震災の残酷さを切々と語っていますね。
さてここでも弟くんの姿は未来にしか見えていないようで、空間と話す未来を見たイツキくんはいよいよ戸惑いを隠せません。なんてところへ予定どおり大きめの余震が来ました。イツキくんの手を引いて逃げる未来はうずくまる弟くんの姿を見つけるとそちらへ走り寄って身をかがめ…次の瞬間家屋は分断されるように倒壊し、まるで弟くんが導いたようにギリギリで助かった二人。そして一端消えて再び現れた弟くんの顔を見た未来はついに真相を思い出しました。
倒れた後に運ばれた弟くんは救急隊のトリアージによって「黒」と判断され、手術もせずそのまま息を引き取ってしまったようです。つまり2段夢オチで見せた未来の混乱は霊安室前の1回目の夢が「真実」であり、手術を受けて死を突き付けられたパターンが「夢」でした。霊安室前で見た死亡診断書の内容がそのものズバリだったということ、思えば2度目の夢で「黒タグ」に反応していたのはこの伏線だったのですね。キッツイわー。
バタンと倒れたまま何の治療も受けずに死んでしまった弟くんに唖然と立ち尽くす未来。。いきなり突き付けられた悲劇に未来の思考が停止してしまうのも無理はありません。
「おねえちゃん、あのね。ぼく死んじゃったんだ…」
こっちが本物のサブタイトルでしたか。まあほとんどの視聴者はこの事実に気付いていたと思いますが…改めて宣言されたことで最終回の大逆転の目も無くなってご冥福をお祈りするしか。
弟くんの死を認められない未来の心境は胃が痛くなるほど伝わってきましたが、正直言ってちょっと引っ張りすぎた感あり。前回はともかく、今回はあからさまに姿を消したり現れたり「いかにも」な描写が冗長だったかもしれません。また未来の異変に気付いたのが真理さんとイツキくんだけというのはもったいない。ここまで引っ張ったのならもっと多人数のリアクションを重ねて、未来が逆ギレするレベルまで持って行った挙げ句に「おねえちゃん、あのね…」と消えていくほうがドラマチックだったような。
そういや前回のクリステルニュースで言っていた「クラッシュ症候群」はどうなったのだろう? 避難所で入れ違った未来の両親が関わってくるかと思っていたのに、今回はその後がまったく描かれぬまま終わってしまいました。さらなる悲劇が未来を襲うのか、そして真理さんが届けるであろう悠貴のリュックには何が入っているのか。
泣いても笑っても次回は最終回。残り1話でどう締めてきますやら。
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予想通りとはいえ悲しい現実でした。

真理さんと別れた二人は自衛隊の輸送車にて成城へ一直線。揺れる荷台で交わされる会話、先週引きにて「おねえちゃん、あのね…」と言いかけた弟くんのセリフの続きは「もしも僕が死んじゃったらどうする?」でした。その言葉を聞いた未来は目を見開いて体を震わせ、しかし次の瞬間我に返ったように怒りの表情を見せます。この一瞬一瞬に見せる未来の表情やリアクション、手を繋ごうとして躊躇する様子などなど…おそらく未来は心の底では事実がわかった上で弟くんがそこに「いる」ように振る舞っている。
それは意識的に行われているわけではなく、あまりのショックによる精神崩壊から身を守るため自衛本能が生み出した無意識の幻想、わかっていながら「死」を認められない思いが弟くんを存在させているのでしょう。避難所で出会った「孫を亡くした婆ちゃん」は実体の未来たちを孫と誤認していたのですが、未来の場合は「存在しないもの」が見えている。形は多少違いますがこのような症状は現実に起こることなのであながち「ファンタジー」「オカルト」と片付けられません。
さて何事も無かったように荷台で仲良く話す二人。弟くんが倒れて以来妙に優しい未来姉ちゃんは今回さらに優しく…今まで優しくしてあげられなかった後悔からそうさせているのかもしれませんね。難しい年頃でひねくれていたけれども…きっと本来の未来はこういう優しいお姉ちゃんなのだろうなあ。
途中の避難所にてカラーガードに引かれた馬へ群がる子供たちの姿。これは震災の精神ショックを和らげるためのアニマルセラピー風景でしょうか。制服などを見ると警視庁騎馬隊? 警察といえばこの作品は震災による治安の悪化については完全スルーですが実際はどうなのだろう? ここ数回は弟くんの生死不明展開に全て持って行かれてしまいましたが…治安などを含めた震災後のリアルシミュレーションを見たかったのが正直なところ。
ほどなく成城へ到着。こちらもかなり倒壊家屋が見られ、大きなマンションが崩れているのは耐震偽装の被害者? 実際に震度6以上が来たらこういう惨状があちこちで発生するのでしょうね。輸送車から降りた二人は見慣れた風景に足取りも軽く、一路自宅へ。

このマンションエリアにて未来は友達と遭遇。お互いの無事を喜び合いながら未だ連絡が取れない友達を心配し…さっきまで走り回っていた弟くんが友達登場の瞬間に消えてしまいました。未来が友達と会話している最中はずっと姿が見えず、友達と別れて自宅へ向かい始めると弟くんはどこからともなく再び登場。
避難所の学校へ到着すると弟くんは一人で校門の中へ姿を消してそのまま行方知れず。ここで終業式の日にマロニエの木を一緒に植えたイツキくんが登場、避難所を案内してもらっていよいよ感動の再会か!と思いきや両親は不在でした。父親が職場でケガをして入院中、母親は看護準備のために自宅へ戻ったとか。何かものすげえイヤな予感がするんですけど…。
避難所の小野沢スペースに残された1枚の写真は家族でお台場へ出掛けたときのものでした。その写真を見て感極まった未来の表情が何とキッツイ。弟くんがあれほど「家族」で行きたがっていたお台場の橋、その願いはもう叶わないことがわかっている? さすが今回は見ていて胃が痛くて仕方ありません。

どこかへ行ってしまった弟くんを捜す未来。マロニエの木の所で待っていれば来るかも?と言われ、風に気付いてふと上を見るとカーテンの合間を駈ける弟くんを発見しました。その姿を追って校舎内へ入り、一面「未来」の習字が貼られた壁の前にてようやく再会です。しかしそこへマサキくんが来ると弟くんの姿は消え…この辺からあからさまになってきました。
「ぼく、お姉ちゃんの名前大好きだから」
この教室は弟くんたちの教室。机に書かれたカエルの落書き、家族で出掛けたお台場の絵などを慈しむように見た未来は弟くんの名を呼びながら思わず涙を流し、場が持たないイツキくんが離れると再び弟くんが登場です。見ていて痛々しすぎ、もう勘弁してください。明らかに様子がおかしい未来に戸惑うイツキくんのリアクションも見どころでした。

マロニエ日記を取りにイツキくん宅へ。震災による家屋の被害はかなり大きく、もう一揺れ来たら倒壊しそうな…というわかりやすい流れ。イツキくんは「危険」の張り紙を軽くスルーして家へ入り、するとこの先起きることがわかっているかのようにイツキくんを追って家へ入る弟くん、未来は二人を追うように家の中へ。
最初の2ページしか書かれていないマロニエ日記。書かれていた内容を読むと弟くんがいかに未来のことを好きだったか伝わってきます。泣けるねえ。続く2ページ目はイツキくんによるもの。
「毎日水をやるやくそくをしたのに、ゆうきはロボットを見に行っちゃいました。ずるいよ。あしたはゆうきのばんなので、あしたはゆうきたのむ」
震災当日の日記が最後でした。たった2ページのマロニエ日記は震災の残酷さを切々と語っていますね。
さてここでも弟くんの姿は未来にしか見えていないようで、空間と話す未来を見たイツキくんはいよいよ戸惑いを隠せません。なんてところへ予定どおり大きめの余震が来ました。イツキくんの手を引いて逃げる未来はうずくまる弟くんの姿を見つけるとそちらへ走り寄って身をかがめ…次の瞬間家屋は分断されるように倒壊し、まるで弟くんが導いたようにギリギリで助かった二人。そして一端消えて再び現れた弟くんの顔を見た未来はついに真相を思い出しました。
倒れた後に運ばれた弟くんは救急隊のトリアージによって「黒」と判断され、手術もせずそのまま息を引き取ってしまったようです。つまり2段夢オチで見せた未来の混乱は霊安室前の1回目の夢が「真実」であり、手術を受けて死を突き付けられたパターンが「夢」でした。霊安室前で見た死亡診断書の内容がそのものズバリだったということ、思えば2度目の夢で「黒タグ」に反応していたのはこの伏線だったのですね。キッツイわー。
バタンと倒れたまま何の治療も受けずに死んでしまった弟くんに唖然と立ち尽くす未来。。いきなり突き付けられた悲劇に未来の思考が停止してしまうのも無理はありません。
「おねえちゃん、あのね。ぼく死んじゃったんだ…」
こっちが本物のサブタイトルでしたか。まあほとんどの視聴者はこの事実に気付いていたと思いますが…改めて宣言されたことで最終回の大逆転の目も無くなってご冥福をお祈りするしか。
弟くんの死を認められない未来の心境は胃が痛くなるほど伝わってきましたが、正直言ってちょっと引っ張りすぎた感あり。前回はともかく、今回はあからさまに姿を消したり現れたり「いかにも」な描写が冗長だったかもしれません。また未来の異変に気付いたのが真理さんとイツキくんだけというのはもったいない。ここまで引っ張ったのならもっと多人数のリアクションを重ねて、未来が逆ギレするレベルまで持って行った挙げ句に「おねえちゃん、あのね…」と消えていくほうがドラマチックだったような。
そういや前回のクリステルニュースで言っていた「クラッシュ症候群」はどうなったのだろう? 避難所で入れ違った未来の両親が関わってくるかと思っていたのに、今回はその後がまったく描かれぬまま終わってしまいました。さらなる悲劇が未来を襲うのか、そして真理さんが届けるであろう悠貴のリュックには何が入っているのか。
泣いても笑っても次回は最終回。残り1話でどう締めてきますやら。
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