2009-11-04(Wed)
君に届け #05 決意
噂に翻弄される爽子、そしてちづたち。

向き合って話さなければ伝わらないこともあるのです。

噂をいろいろ誤解して身を引く覚悟の爽子は朝の教室でも挨拶1つせず、矢野ちんの前も黙って通過してしまう。理由もわからず避けられている形の矢野ちんの寂しそうなシルエット、さらにちづも加わって「様子のおかしい爽子」に戸惑うばかりです。
テストのため出席番号順の席に移動という状況は、先の席替え騒動によって得た「居場所」を再確認すると共に、その席から離れることで「最初からそんなものは無かったのかもしれない」とようやく手にした楽しい日々を儚い幻のように感じさせた。席移動だけでここまで思い詰めてしまう爽子の繊細さ、みんなに迷惑を掛けたくない気持ちとみんなと一緒にいたい気持ちのせめぎ合いに答案の手は止まりついには涙を落としてしまう。次から次へ浮かぶ回想とBGMと爽子の語りに見ているこっちも爽子と同じ表情に…もう見てらんない。テストに忙しい教室の中でたった一人のシルエットで描かれた爽子の姿は痛々しいほどの孤独感、みんなと離れなければならない寂しさが伝わってきます。
そんなみなさんの様子を見守っていた風早くん。彼からしてもせっかく仲良くなれた黒沼から理由もわからずシカトされて戸惑いと寂しさに苛まれる日々です。持ち味たる爽やか笑顔は影を潜め、寂しそうな横顔で俯く様子はこれもまた痛々しい。

下校時に爽子の目に映る木漏れ日の道路はいかにも涙が滲んでいる様子、こういう一瞬のカットでキャラクターの心理描写をダメ押しする演出は何とも心憎い。ちなみに今回の絵コンテ・演出は中村章子氏、氏の描く女の子キャラは飛び抜けてかわいい(今回キャラ作画が異常にかわいいのも氏が原画に入っているせい?)のですが…演出で入っているのは初めて見たかも。こういう繊細な演出は大好物なので今後も注目しておかねば。
さてこんな状況を甘んじて受け入れる風早くんではありません。いつぞやのように爽子を待ち伏せ、なぜ周りのみんなを避けているのか?といつに無く厳しい口調で爽子へ問いかけます。しかし爽子は頑なに会話を拒否…思っていないことは言えないと泣き出す爽子、思わずその手を取って正面から語りかける風早くんのまっすぐさが眩しい。眩しすぎる。もうそのまま押し倒してしまえ!
落ち着いた爽子に缶コーヒーを手渡すときちんと代金120円を払ってよこす爽子の律儀さ、それを笑って受け取る風早くんはわかっている人だなあ。風早くんの心強い言葉に自分の居場所を再発見した爽子はその流れでちづたちとのぎくしゃくも相談、お互いの立場を入れ替えて考えさせる風早くんのアドバイスは人間関係の基本でありますが…そんなことすら気付かなかった爽子の対人スキルの低さ、追い詰められレベルが想像できるというもの。
解決の糸口を見つけた爽子の心境を表すように手前の花壇を映し込んだアングル、さらに心が軽く温かくなったことを感じさせるシャボン表現は何と絶妙な絵面か。いちいちココロに訴える今回の演出には涙とさぶいぼが止まりませんよ。
「黒沼、がんばれ」
満面の爽やか笑顔で爽子を応援する風早くん。その後歩き去る爽子の後ろ姿を見送りながらの「がんばれ」は心底応援している気持ちが伝わってくる呟きでした。こういう切り替えをきちんと描いているのも好印象です。

ピンと遭遇する矢野ちん。この騒動の発端となったピンに文句たらたらの矢野ちんでしたがピンからあっさり逆襲です。「他人のせいにしても始まらない。結局は自分で何とかするしかない」と自分の事を棚に上げて語っていますが確かにそれは真理であります。いい加減でダメダメ教師のピンですがさすが大事なことはわかっている、教師というより人生の先輩としては出来た人です(笑
図書室にて怪談本の貸し出しカードに爽子の名を見つけた矢野ちんは他の怪談本にも爽子の名を見つけ…軽い気持ちで言った怪談の勧めを愚直に実践している爽子に呆れながらしんみり。散らかった怪談本とカードは矢野ちんがいかに怪談本を片っ端から確認したかわかろうというもの。ほんと今回は演出が細かいわ。
玄関先で凹んでいるちづに話しかける龍。さすが幼なじみだけあって行動パターンもお見通し、遠慮無い物言いなれどちづを気遣って元気づける会話の流れもいいなあ。爽子が「すき」と即答しなかったことを気にしているちづに対し「すきじゃない、どうでもいい」さらに「他の線もあるな…」とカマをかける龍、意味がわからずさらにお悩みのちづ。
「気になるなら本人に聞けば?」
つまり「爽子ときちんと話せ」とアドバイスしているのですね。ぶっきらぼうで遠回しな物言いは彼の性格・二人の飾らない関係を示すと共に、説教臭くならずにちづを導いている微笑ましい風景を演出していました。いいねこういう関係。しかし(以下ネタバレ自重

爽子作の要点ノートに書かれた下手な似顔絵、あまりの下手さに爆笑するちづでしたが次の瞬間に「それほどまで気遣ってくれている」ことに気付いて落涙。このカット繋ぎもジャストなタイミングと落涙の瞬間の表情が素晴らしすぎてさぶいぼが止まりません。
矢野ちんから呼び出されてツーショットで爽子語り。改めて話すとお互いの爽子観は気付かなかったことばかりでした。仲良くしている二人ですらこの始末なのに爽子ときちんと話もせずに結論を出してしまっていいのか? いいはずがありません。二人が爽子の本心を知らないように、爽子も二人の思いを知らない。やはりきちんと正面から話さないと、お互いの気持ちを言葉にしないと伝わらないのです。遅まきながらその事に気付いた二人…さっきから爽子の話ばかりしている自分たちにも気付いて苦笑いの一瞬もいいシーンでした。
などと冷静に書いていますがこれを書いてるだけで涙目になっちまう私。原作を読んだ時も顔面からいろんな汁が出まくってえらい目に遭ったっけ(笑。同じ時間に同じ夜空を見上げて、やはり同じ思いを誓う爽子のカットも良かったです。もうこれ以上泣かせんな!(まだ序の口です

トイレに籠もって「二人に話しかけるきっかけ」を思案する爽子。個室から怪しいオーラを漂わせ…それに気付いたモブキャラ(画面右)が椿姫なんとかさんの声優デビューらしい。どうでもいいキャラでよかった。
さて爽子オーラが漂う女子トイレで聞こえた件の噂。噂の誤解を解きたい爽子は意を決してその女子生徒の前へ出ると必死に説明を始めます。この女子生徒がモブのくせに美人揃いでびっくりですよ(笑。それはともかく相手の女子生徒は冷たい視線で爽子を囲み、さらに爽子へ対し矢野ちん&ちづをこき下ろす言葉を吐き付けます。脅すような態度で爽子に迫り、表情の無いまま嘲笑する女子生徒に囲まれている絵面は緊迫感がありすぎて胃が破裂しそう。そんな厳しい状況の爽子は手をグッと握り…ってここで引きか! この状態でまた1週間待たされるのか! そりゃないよセニョール。
↓記事が役立ったら一票どうぞ。

向き合って話さなければ伝わらないこともあるのです。

噂をいろいろ誤解して身を引く覚悟の爽子は朝の教室でも挨拶1つせず、矢野ちんの前も黙って通過してしまう。理由もわからず避けられている形の矢野ちんの寂しそうなシルエット、さらにちづも加わって「様子のおかしい爽子」に戸惑うばかりです。
テストのため出席番号順の席に移動という状況は、先の席替え騒動によって得た「居場所」を再確認すると共に、その席から離れることで「最初からそんなものは無かったのかもしれない」とようやく手にした楽しい日々を儚い幻のように感じさせた。席移動だけでここまで思い詰めてしまう爽子の繊細さ、みんなに迷惑を掛けたくない気持ちとみんなと一緒にいたい気持ちのせめぎ合いに答案の手は止まりついには涙を落としてしまう。次から次へ浮かぶ回想とBGMと爽子の語りに見ているこっちも爽子と同じ表情に…もう見てらんない。テストに忙しい教室の中でたった一人のシルエットで描かれた爽子の姿は痛々しいほどの孤独感、みんなと離れなければならない寂しさが伝わってきます。
そんなみなさんの様子を見守っていた風早くん。彼からしてもせっかく仲良くなれた黒沼から理由もわからずシカトされて戸惑いと寂しさに苛まれる日々です。持ち味たる爽やか笑顔は影を潜め、寂しそうな横顔で俯く様子はこれもまた痛々しい。

下校時に爽子の目に映る木漏れ日の道路はいかにも涙が滲んでいる様子、こういう一瞬のカットでキャラクターの心理描写をダメ押しする演出は何とも心憎い。ちなみに今回の絵コンテ・演出は中村章子氏、氏の描く女の子キャラは飛び抜けてかわいい(今回キャラ作画が異常にかわいいのも氏が原画に入っているせい?)のですが…演出で入っているのは初めて見たかも。こういう繊細な演出は大好物なので今後も注目しておかねば。
さてこんな状況を甘んじて受け入れる風早くんではありません。いつぞやのように爽子を待ち伏せ、なぜ周りのみんなを避けているのか?といつに無く厳しい口調で爽子へ問いかけます。しかし爽子は頑なに会話を拒否…思っていないことは言えないと泣き出す爽子、思わずその手を取って正面から語りかける風早くんのまっすぐさが眩しい。眩しすぎる。もうそのまま押し倒してしまえ!
落ち着いた爽子に缶コーヒーを手渡すときちんと代金120円を払ってよこす爽子の律儀さ、それを笑って受け取る風早くんはわかっている人だなあ。風早くんの心強い言葉に自分の居場所を再発見した爽子はその流れでちづたちとのぎくしゃくも相談、お互いの立場を入れ替えて考えさせる風早くんのアドバイスは人間関係の基本でありますが…そんなことすら気付かなかった爽子の対人スキルの低さ、追い詰められレベルが想像できるというもの。
解決の糸口を見つけた爽子の心境を表すように手前の花壇を映し込んだアングル、さらに心が軽く温かくなったことを感じさせるシャボン表現は何と絶妙な絵面か。いちいちココロに訴える今回の演出には涙とさぶいぼが止まりませんよ。
「黒沼、がんばれ」
満面の爽やか笑顔で爽子を応援する風早くん。その後歩き去る爽子の後ろ姿を見送りながらの「がんばれ」は心底応援している気持ちが伝わってくる呟きでした。こういう切り替えをきちんと描いているのも好印象です。

ピンと遭遇する矢野ちん。この騒動の発端となったピンに文句たらたらの矢野ちんでしたがピンからあっさり逆襲です。「他人のせいにしても始まらない。結局は自分で何とかするしかない」と自分の事を棚に上げて語っていますが確かにそれは真理であります。いい加減でダメダメ教師のピンですがさすが大事なことはわかっている、教師というより人生の先輩としては出来た人です(笑
図書室にて怪談本の貸し出しカードに爽子の名を見つけた矢野ちんは他の怪談本にも爽子の名を見つけ…軽い気持ちで言った怪談の勧めを愚直に実践している爽子に呆れながらしんみり。散らかった怪談本とカードは矢野ちんがいかに怪談本を片っ端から確認したかわかろうというもの。ほんと今回は演出が細かいわ。
玄関先で凹んでいるちづに話しかける龍。さすが幼なじみだけあって行動パターンもお見通し、遠慮無い物言いなれどちづを気遣って元気づける会話の流れもいいなあ。爽子が「すき」と即答しなかったことを気にしているちづに対し「すきじゃない、どうでもいい」さらに「他の線もあるな…」とカマをかける龍、意味がわからずさらにお悩みのちづ。
「気になるなら本人に聞けば?」
つまり「爽子ときちんと話せ」とアドバイスしているのですね。ぶっきらぼうで遠回しな物言いは彼の性格・二人の飾らない関係を示すと共に、説教臭くならずにちづを導いている微笑ましい風景を演出していました。いいねこういう関係。しかし(以下ネタバレ自重

爽子作の要点ノートに書かれた下手な似顔絵、あまりの下手さに爆笑するちづでしたが次の瞬間に「それほどまで気遣ってくれている」ことに気付いて落涙。このカット繋ぎもジャストなタイミングと落涙の瞬間の表情が素晴らしすぎてさぶいぼが止まりません。
矢野ちんから呼び出されてツーショットで爽子語り。改めて話すとお互いの爽子観は気付かなかったことばかりでした。仲良くしている二人ですらこの始末なのに爽子ときちんと話もせずに結論を出してしまっていいのか? いいはずがありません。二人が爽子の本心を知らないように、爽子も二人の思いを知らない。やはりきちんと正面から話さないと、お互いの気持ちを言葉にしないと伝わらないのです。遅まきながらその事に気付いた二人…さっきから爽子の話ばかりしている自分たちにも気付いて苦笑いの一瞬もいいシーンでした。
などと冷静に書いていますがこれを書いてるだけで涙目になっちまう私。原作を読んだ時も顔面からいろんな汁が出まくってえらい目に遭ったっけ(笑。同じ時間に同じ夜空を見上げて、やはり同じ思いを誓う爽子のカットも良かったです。もうこれ以上泣かせんな!(まだ序の口です

トイレに籠もって「二人に話しかけるきっかけ」を思案する爽子。個室から怪しいオーラを漂わせ…それに気付いたモブキャラ(画面右)が椿姫なんとかさんの声優デビューらしい。どうでもいいキャラでよかった。
さて爽子オーラが漂う女子トイレで聞こえた件の噂。噂の誤解を解きたい爽子は意を決してその女子生徒の前へ出ると必死に説明を始めます。この女子生徒がモブのくせに美人揃いでびっくりですよ(笑。それはともかく相手の女子生徒は冷たい視線で爽子を囲み、さらに爽子へ対し矢野ちん&ちづをこき下ろす言葉を吐き付けます。脅すような態度で爽子に迫り、表情の無いまま嘲笑する女子生徒に囲まれている絵面は緊迫感がありすぎて胃が破裂しそう。そんな厳しい状況の爽子は手をグッと握り…ってここで引きか! この状態でまた1週間待たされるのか! そりゃないよセニョール。
- 関連記事
-
- 君に届け #07 土曜の夜
- 君に届け #06 友達
- 君に届け #05 決意
- 君に届け #04 噂
- 君に届け #03 放課後
スポンサーサイト
↓記事が役立ったら一票どうぞ。
